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特開2024-67560蓄電素子への定電力供給方法及び定電力・電流出力電源
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067560
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】蓄電素子への定電力供給方法及び定電力・電流出力電源
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/10 20060101AFI20240510BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240510BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
H02J7/10 B
H02J7/10 H
H01M10/48 P
H01M10/44 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177743
(22)【出願日】2022-11-06
(71)【出願人】
【識別番号】521404989
【氏名又は名称】佐藤 比呂志
(71)【出願人】
【識別番号】503455802
【氏名又は名称】椋田 洋治
(74)【代理人】
【識別番号】100106378
【弁理士】
【氏名又は名称】宮川 宏一
(72)【発明者】
【氏名】椋田 洋治
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BB02
5G503BB03
5G503CA01
5G503CA10
5G503CA11
5G503FA06
5H030AA10
5H030AS08
5H030BB01
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF52
(57)【要約】
【課題】二次電池の充電時間を大幅に短縮する電力供給方法及び電源装置を提供する。
【解決手段】蓄電素子を充電するための一定の電力を供給可能とする定電力供給方法であって、蓄電素子に印加される充電電圧を検出すると共に、蓄電素子に供給する所定の電力と充電電圧の双方に基づいてその時点での蓄電素子に流し込む電流値を決定し、決定された電流値に基づいて複数の定電流源100のうち蓄電素子に一定電力を流し込む定電流源の個数を段階的に変化させることで、蓄電素子の充電中に一定の電力を常に供給しかつ蓄電素子に流し込む値を横軸にし、印加される電圧を縦軸にした特性図の縦軸で示される出力電圧値が大きくなるに従って横軸で示される必要電流値に対応する出力電流値が小さくなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電素子を充電するための一定の電力を供給可能とする定電力供給方法であって、
前記蓄電素子に印加される充電電圧を検出すると共に、
前記蓄電素子に供給する所定の電力と充電電圧の双方に基づいてその時点での当該蓄電素子に流し込む電流値を決定し、
前記決定された電流値に基づいて複数の定電流源のうち前記蓄電素子に一定電力を流し込む定電流源の個数を段階的に変化させることで、前記蓄電素子の充電中にこの蓄電素子に一定の電力を常に供給するようになっており、かつ
前記蓄電素子の充電中に定電流源から当該蓄電素子に流し込む電流値の前記段階的な変化のしかたに関して、前記蓄電素子の充電中に当該蓄電素子に流し込む値を横軸にし、前記蓄電素子に印加される電圧を縦軸にした出力電圧・必要電流値の相関関係特性図において、前記相関関係特性図の縦軸で示される出力電圧値が段階的に大きくなるに従って横軸で示される必要電流値に対応する出力電流値が段階的に小さくなるようにしたことを特徴とする蓄電素子への定電力供給方法。
【請求項2】
蓄電素子を充電するための一定の電力を供給可能とする定電力供給方法であって、
前記蓄電素子に印加される電圧値を検出すると共に、この充電電圧を検出した際の当該蓄電素子に流し込む電流値を検出し、
前記検出された電圧値とこれと同時に検出された電流値とを積算することで、その時点での前記蓄電素子に供給する電力値を算出し、
前記算出した電力値と予め決められ前記蓄電素子に供給する一定電力値を比較することで両者間の偏差を算出し、
前記偏差を少なくする帰還信号に基づいて前記蓄電素子の充電時にこれに流し込む電流値を変化させることで、前記蓄電素子の充電中にこの蓄電素子に一定の電力を常に供給するようになっており、かつ
前記蓄電素子の充電中に電流源から当該蓄電素子に流し込む電流値の前記変化のしかたに関して、
前記蓄電素子の充電中に当該蓄電素子に流し込む値を横軸にし、前記蓄電素子に印加される電圧を縦軸にした出力電圧・必要電流値の相関関係特性図において、前記相関関係特性図の縦軸で示される出力電圧値が段階的に大きくなるに従って横軸で示される必要電流値に対応する出力電流値が小さくなるようにしたことを特徴とする蓄電素子への定電力供給方法。
【請求項3】
前記蓄電素子の充電中にこの蓄電素子に供給する一定電力値に関して、上限値と下限値を設けることで許容電力帯域を規定すると共に、前記出力電圧・必要電流値の相関関係特性図における出力電圧値と出力電流値との積である当該蓄電素子への供給電力値が充電中常に前記許容電力帯域内に収まるようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蓄電素子への定電力供給方法。
【請求項4】
前記蓄電素子が電気二重層コンデンサであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の蓄電素子への定電力供給方法。
【請求項5】
前記蓄電素子が化学的二次電池であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の蓄電素子への定電力供給方法。
【請求項6】
蓄電素子を充電するための一定の電力を供給可能とする定電力電源であって、
それぞれが前記蓄電素子の充電時に当該蓄電素子に電流を流し込み可能となった複数の定電流源と、
前記蓄電素子に印加される電圧値を検出する電圧値検出部と、
前記電圧値検出部によって検出した電圧値と予め定めた所定の基準電圧値とを比較して誤差を検出すると共に、この誤差を少なくするように前記複数の定電流源のうち必要な定電流源のみから供給される電流を合算した合計電流を当該蓄電素子に流し込むことで、充電中常に一定の電力をこの蓄電素子に供給するように制御する制御部を有し、かつ
前記制御部は、前記蓄電素子の充電中に定電流源から当該蓄電素子に流し込む電流値の前記段階的な変化のしかたに関して、前記蓄電素子の充電中に当該蓄電素子に流し込む電流値を横軸にし、前記蓄電素子に印加される電圧を縦軸にした出力電圧・必要電流値の相関関係特性図において、前記相関関係特性図の縦軸で示される出力電圧値が段階的に大きくなるに従って横軸で示される必要電流値に対応する出力電流値が段階的に小さくなるように制御することを特徴とする定電力・電流出力電源。
【請求項7】
蓄電素子を充電するための一定の電力を供給可能とする定電力電源であって、
前記蓄電素子の充電時に当該蓄電素子に電流を流し込む電流源と、
前記蓄電素子に印加される電圧値を検出する電圧値検出部と、
前記電圧値検出部によって電圧値を検出した際の当該蓄電素子に流し込む電流値を検出する電流値検出部を有し、
前記電圧値検出部で検出された電圧値と前記電流値検出部で検出された電流値とを積算することで、その時点での前記蓄電素子に供給する電力値を算出すると共に、前記算出した電力値と予め決められ前記蓄電素子に供給する予め定められた電力値を比較することで両者間の偏差を算出し、
前記偏差を少なくする帰還信号に基づいて前記蓄電素子の充電時にこれに流し込む電流値を常に変化させることで、前記蓄電素子の充電中にこの蓄電素子に一定の電力を常に供給するようになっており、かつ
前記蓄電素子の充電中に電流源から当該蓄電素子に流し込む電流値の前記変化のしかたに関して、前記蓄電素子の充電中に当該蓄電素子に流し込む値を横軸にし、前記蓄電素子に印加される電圧を縦軸にした出力電圧・必要電流値の相関関係特性図において、前記相関関係特性図の縦軸で示される出力電圧値が段階的に大きくなるに従って横軸で示される必要電流値に対応する出力電流値が小さくなるようにしたことを特徴とする定電力・電流出力電源。
【請求項8】
前記蓄電素子の充電中にこの蓄電素子に供給する一定電力値に関して、上限値と下限値を設けることで許容電力帯域を規定すると共に、前記出力電圧・必要電流値の相関関係特性図における出力電圧値と出力電流値との積である当該蓄電素子への供給電力値が充電中常に前記許容電力帯域内に収まるようにしたことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の定電力・電流出力電源。
【請求項9】
前記蓄電素子が電気二重層コンデンサであることを特徴とする請求項6乃至請求項8の何れかに記載の定電力・電流出力電源。
【請求項10】
前記蓄電素子が化学的二次電池であることを特徴とする請求項6乃至請求項8の何れかに記載の定電力・電流出力電源。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理的二次電池としての電気二重層コンデンサに特別優れて適用可能な蓄電素子への定電力供給方法及び定電力・電流出力電源に関し、これに加えて化学的二次電池としての、例えばリチウムイオン電池等にも好ましく適用できる蓄電素子への定電力供給方法及び定電力・電流出力電源に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からモーターなどの負荷を駆動させるための定電圧電源やLEDなどの照明器具を一定の照度で点灯させる定電流電源が知られている。この回路の一般的な仕組みは以下の通りとなっている。図6は、従来の定電圧電源のブロック図である。また、図7は、図6に示した定電圧電源の電圧・電流特性図である。ここで、図7においては、同一電力だが出力電圧が異なる場合を示している。なお、破線は電源許容値以上を出力した時の一動作例である。
【0003】
電気回路上の定義では、定電圧電源とは如何なる負荷が接続されようとも同じ値の電圧を供給し続ける電源のことである。例えば負荷が0.1Ω(オーム)であっても100Ωであっても10Vの定電圧電源であれば、本来は0.1Ω負荷では、電流を100A(アンペア)程度供給し、その出力電力は1,000W(ワット)となり、100Ωの負荷なら出力電流は0.1Aで出力電力は10Wとなるはずである。
【0004】
しかしながら、現実では後述の定電流電源の説明と同様に、電源の出力可能な電流値と電力値には制限が有り、0.1Ω~100Ωの範囲で10V(ボルト)の電圧を供給できるような定電圧電源の実現は非常に難しいということが判る。
【0005】
また、上述した定電流回路の一般的な仕組みは以下の通りとなっている。図8は、従来の定電流電源のブロック図である。また、図9は、図8に示した定電流電源の電圧・電流特性図である。ここで、図9においては、同一電力だが出力電流が異なる場合を示す。なお、破線は電源許容値以上を出力した時の一動作例である。
【0006】
電気回路上の定義では定電流電源とは、如何なる負荷が接続されようとも同じ値の電流を供給し続けることのできる電源のことである。例えば、負荷が0.1Ωであっても100Ωであっても10Aの電流を供給する定電流電源では、0.1Ω負荷なら出力電圧は1Vで出力電力は10Wに留まるが、100Ω負荷時は、出力電圧は1,000Vで出力電力は10,000Wと算出される。
【0007】
しかしながら、実際は電源の内部での制御上の制約である最大出力電力のために、0.1Ω~100Ωの範囲で10Aの電流を供給できるような電源を実現することは、出力電力も出力電圧範囲も広すぎるため、これを実現することは非常に難しいことが分かる。これに加えて、市販品の電源は、定格出力電力は100W以下が大多数で、これ以上の出力や非標準電圧では特注品となることが多いという実態もある。
【0008】
なお、定電圧電源は電子回路等に一般的に使用されており、定電流電源はLED照明装置等に使用されており、これらの電源は一般的に広く知られている公知の内容である。(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2019-056982号公報
【特許文献2】特開2015-029399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このような電源の負荷の1つとして、充放電が可能な二次電池としての蓄電池が挙げられる。このような蓄電池を充電するに際して、現状においては定電流電源と定電圧電源を単独、或いは双方を組み合わせる形態が一般的である。そして、充電初期は定電流電源として動作して予め設定された電流を供給し、充電が進むと定電圧電源として予め設定された条件の電圧を供給する方法が多く見受けられる。
【0011】
しかしながら、上述のように定電流での充電では出力電圧が低い時に電源側から供給できる電力が非常に少ないという制約が生じてしまう。そのため、高電圧の電池の充電では、電源の出力電力=電流×電圧であるが故に、最大電流値が定まっていると、負荷の抵抗値が低くそのために電源の出力電圧が低い時は電源側の出力電流値が制約を受けている関係上、出力電力が制限されてしまい充電時間が余分に長くなるという問題が生じている。
【0012】
これは、元々定電流源とは如何なる負荷が接続されようとも、一定の電流を供給する電源としての基本機能を有しているため、軽負荷時にも予め設定された値の電流しか出力されないという定電流電源の性質により供給電力が小さくなるという問題に起因している。
【0013】
上述の記載内容を具体的に説明する。上述した蓄電池の充電方法は、特にニッカド電池やニッケル水素電池の充電制御に多く見られる充電方法である。より具体的には、充電初期には対象とする電池等の特性に合わせた電流値で充電を行い、その後ある程度充電が進めば定電圧でも電源や蓄電池等の許容電流値以下になることを見越し、かつ蓄電池が満充電となる電圧値まで充電をするために考えられた充電法で、前述のようにニッカド電池・ニッケル水素電池の充電制御素子で多くみられる充電方法である。
【0014】
しかしながら、今後製品化されることが十分に考えられる充電時間短縮のために大電流での充電が必要な蓄電池や、大容量電気二重層コンデンサに代表される動作原理上充電電流に制約が無く、構造上の制約から電流値が定まるような蓄電体の場合、前述のような充電用電源側の特性による制約により定まった値の電流値で充電すると、電圧が低い時の充電電流値の上限の制約のために満充電まで長時間を要するという欠点を上述した充電方法は有している。
【0015】
例えば、100Wの出力の定電流電源が有り、これを用いて被充電体を充電することを考えてみる。この場合、出力100Wであるので、1Vの出力電圧ならば100Aの電流が出力され、2Vの出力電圧ならば50Aの電流が出力され、3Vの出力電圧ならば33.3Aの電流が出力されるであろうと通常考える。
【0016】
しかしながら、実際には、電流の値は初めから固定されているが故に、それ以上の電流は供給されないため、充電時間は充電用電源の出力電力値から計算するよりも遥かに長い時間が充電に必要となっているのが現状である。
【0017】
更に、使用する電圧がAC100V等の低電圧の場合に許容される電流は、一般に使用することを考えた場合、10A前後に限定されてしまう。そのため、充電初期の充電電圧が低い時では定電流の場合供給可能な電力、即ち、この場合1000Wに対して実際に充電に使える電力は非常に小さく、非常に低効率な充電になっている。
【0018】
本発明の目的は、物理的二次電池としての電気二重層コンデンサに特別優れて適用可能な蓄電素子への定電力供給方法及び定電力・電流出力電源に関し、これに加えて化学的二次電池としての、例えばリチウムイオン電池等にも好ましく適用できる蓄電素子への定電力供給方法及び定電力・電流出力電源を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上述の課題の解決すべきために、本発明の請求項1に係る蓄電素子への定電力供給方法は、
蓄電素子を充電するための一定の電力を供給可能とする定電力供給方法であって、
前記蓄電素子に印加される充電電圧を検出すると共に、
前記蓄電素子に供給する所定の電力と充電電圧の双方に基づいてその時点での当該蓄電素子に流し込む電流値を決定し、
前記決定された電流値に基づいて複数の定電流源のうち前記蓄電素子に一定電力を流し込む定電流源の個数を段階的に変化させることで、前記蓄電素子の充電中にこの蓄電素子に一定の電力を常に供給するようになっており、かつ
前記蓄電素子の充電中に定電流源から当該蓄電素子に流し込む電流値の前記段階的な変化のしかたに関して、前記蓄電素子の充電中に当該蓄電素子に流し込む値を横軸にし、前記蓄電素子に印加される電圧を縦軸にした出力電圧・必要電流値の相関関係特性図において、前記相関関係特性図の縦軸で示される出力電圧値が段階的に大きくなるに従って横軸で示される必要電流値に対応する出力電流値が段階的に小さくなるようにしたことを特徴としている。
【0020】
また、本発明の請求項2に係る蓄電素子への定電力供給方法は、
蓄電素子を充電するための一定の電力を供給可能とする定電力供給方法であって、
前記蓄電素子に印加される電圧値を検出すると共に、この充電電圧を検出した際の当該蓄電素子に流し込む電流値を検出し、
前記検出された電圧値とこれと同時に検出された電流値とを積算することで、その時点での前記蓄電素子に供給する電力値を算出し、
前記算出した電力値と予め決められ前記蓄電素子に供給する一定電力値を比較することで両者間の偏差を算出し、
前記偏差を少なくする帰還信号に基づいて前記蓄電素子の充電時にこれに流し込む電流値を変化させることで、前記蓄電素子の充電中にこの蓄電素子に一定の電力を常に供給するようになっており、かつ
前記蓄電素子の充電中に電流源から当該蓄電素子に流し込む電流値の前記変化のしかたに関して、
前記蓄電素子の充電中に当該蓄電素子に流し込む値を横軸にし、前記蓄電素子に印加される電圧を縦軸にした出力電圧・必要電流値の相関関係特性図において、前記相関関係特性図の縦軸で示される出力電圧値が段階的に大きくなるに従って横軸で示される必要電流値に対応する出力電流値が小さくなるようにしたことを特徴としている。
【0021】
また、本発明の請求項3に係る蓄電素子への定電力供給方法は、
前記蓄電素子の充電中にこの蓄電素子に供給する一定電力値に関して、上限値と下限値を設けることで許容電力帯域を規定すると共に、前記出力電圧・必要電流値の相関関係特性図における出力電圧値と出力電流値との積である当該蓄電素子への供給電力値が充電中常に前記許容電力帯域内に収まるようにしたことを特徴としている。
【0022】
また、本発明の請求項4に係る蓄電素子への定電力供給方法は、
前記蓄電素子が電気二重層コンデンサであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の蓄電素子への定電力供給方法である。
【0023】
また、本発明の請求項5に係る蓄電素子への定電力供給方法は、
前記蓄電素子が化学的二次電池であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の蓄電素子への定電力供給方法である。
【0024】
また、本発明の請求項6に係る定電力・電流出力電源は、
蓄電素子を充電するための一定の電力を供給可能とする定電力電源であって、
それぞれが前記蓄電素子の充電時に当該蓄電素子に電流を流し込み可能となった複数の定電流源と、
前記蓄電素子に印加される電圧値を検出する電圧値検出部と、
前記電圧値検出部によって検出した電圧値と予め定めた所定の基準電圧値とを比較して誤差を検出すると共に、この誤差を少なくするように前記複数の定電流源のうち必要な定電流源のみから供給される電流を合算した合計電流を当該蓄電素子に流し込むことで、充電中常に一定の電力をこの蓄電素子に供給するように制御する制御部を有し、かつ
前記制御部は、前記蓄電素子の充電中に定電流源から当該蓄電素子に流し込む電流値の前記段階的な変化のしかたに関して、前記蓄電素子の充電中に当該蓄電素子に流し込む電流値を横軸にし、前記蓄電素子に印加される電圧を縦軸にした出力電圧・必要電流値の相関関係特性図において、前記相関関係特性図の縦軸で示される出力電圧値が段階的に大きくなるに従って横軸で示される必要電流値に対応する出力電流値が段階的に小さくなるように制御することを特徴としている。
【0025】
また、本発明の請求項7に係る定電力・電流出力電源は、
蓄電素子を充電するための一定の電力を供給可能とする定電力電源であって、
前記蓄電素子の充電時に当該蓄電素子に電流を流し込む電流源と、
前記蓄電素子に印加される電圧値を検出する電圧値検出部と、
前記電圧値検出部によって電圧値を検出した際の当該蓄電素子に流し込む電流値を検出する電流値検出部を有し、
前記電圧値検出部で検出された電圧値と前記電流値検出部で検出された電流値とを積算することで、その時点での前記蓄電素子に供給する電力値を算出すると共に、前記算出した電力値と予め決められ前記蓄電素子に供給する予め定められた電力値を比較することで両者間の偏差を算出し、
前記偏差を少なくする帰還信号に基づいて前記蓄電素子の充電時にこれに流し込む電流値を常に変化させることで、前記蓄電素子の充電中にこの蓄電素子に一定の電力を常に供給するようになっており、かつ
前記蓄電素子の充電中に電流源から当該蓄電素子に流し込む電流値の前記変化のしかたに関して、前記蓄電素子の充電中に当該蓄電素子に流し込む値を横軸にし、前記蓄電素子に印加される電圧を縦軸にした出力電圧・必要電流値の相関関係特性図において、前記相関関係特性図の縦軸で示される出力電圧値が段階的に大きくなるに従って横軸で示される必要電流値に対応する出力電流値が小さくなるようにしたことを特徴としている。
【0026】
また、本発明の請求項8に係る定電力・電流出力電源は、請求項6又は請求項7に記載の定電力・電流出力電源において、
前記蓄電素子の充電中にこの蓄電素子に供給する一定電力値に関して、上限値と下限値を設けることで許容電力帯域を規定すると共に、前記出力電圧・必要電流値の相関関係特性図における出力電圧値と出力電流値との積である当該蓄電素子への供給電力値が充電中常に前記許容電力帯域内に収まるようにしたことを特徴としている。
【0027】
また、本発明の請求項9に記載の定電力・電流出力電源は、
前記蓄電素子が電気二重層コンデンサであることを特徴とする請求項6乃至請求項8の何れかに記載の定電力・電流出力電源である。
【0028】
また、本発明の請求項10に記載の定電力・電流出力電源は、
前記蓄電素子が化学的二次電池であることを特徴とする請求項6乃至請求項8の何れかに記載の定電力・電流出力電源である。
【発明の効果】
【0029】
本発明によると物理的二次電池としての電気二重層コンデンサに特別優れて適用可能な蓄電素子への定電力供給方法及び定電力・電流出力電源に関し、これに加えて二次電池としてのリチウムイオン電池等にも好ましく適用できる蓄電素子への定電力供給方法及び定電力・電流出力電源を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の第1の実施形態に係る定電力・電流出力電源のブロック図である。
図2図1に示した定電力・電流出力電源の電圧・電流特性図である。
図3】本発明の第2の実施形態に係る定電力・電流出力電源のブロック図である。
図4図3に示した第2の実施形態に係る定電力・電流出力電源の電圧・電流特性図、及び図5に示す第2の実施形態の変形例に係る定電力・電流出力電源の電圧・電流特性図である。
図5】本発明の第2の実施形態の変形例に係る定電力・電流出力電源のブロック図である。
図6】従来の定電圧電源のブロック図である。
図7図6に示した定電圧電源の電圧・電流特性図である。
図8】従来の定電流電源のブロック図である。
図9図8に示した定電流電源の電圧・電流特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の第1の実施形態に係る定電力・電流出力電源について図面に基づいて説明する。なお、本発明の名称に関しては、「電流出力による定電力電源」という言い方も可能であるが、本出願においては「定電力・電流出力電源」という用語に統一するものとする。また、以下の各実施形態及びその変形例の説明において、二次電池としての「電気二重層コンデンサ」は、「電気二重層キャパシタ」とも称するが、本出願においては前者の用語で統一する。
【0032】
また、以下の説明において、第1及び第2の実施形態及びその変形例も含めて、本発明に係る電流制御による定電力を供給する負荷対象として二次電池のうちの物理的二次電池である大容量電気二重層コンデンサを用いた蓄電装置として説明する。従って、以下の説明においてはこの「負荷」の用語を発明の理解の容易化のために「二次電池」、「(大容量)電気二重層コンデンサ」、「リチウムイオン等の二次電池」の用語にほぼ置き換えて記載するものとする。
【0033】
なお、本発明の各実施形態及びその変形例において言及する「大容量電気二重層コンデンサ」とは、現状では数千ファラド(F)から十数万ファラド(F)の容量を有するコンデンサとして定義できるが、将来的にはより高い電圧がかかる大きな容量を有する電気二重層コンデンサも技術革新によって当然に開発されて広く製品化されていくため、上述した定義の範囲を超える容量を有する電気二重層コンデンサもこの「大容量電気二重層コンデンサ」に含まれるものとする。なお、以下の説明においては、上述した蓄電素子としての大容量電気二重層コンデンサの用語を単に「二次電池」と適宜簡略化して記載する。
【0034】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る定電力・電流出力電源のブロック図である。また、図2は、図1に示した定電力・電流出力電源の電圧・電流特性図である。
【0035】
本発明の第1の実施形態に係る定電力・電流出力電源(以下、適宜「第1の定電力・電流出力電源」又は単に「定電力・電流出力電源」とする)は、蓄電装置用としての電気二重層コンデンサを用いた蓄電装置の充電装置であって、蓄電装置に対して一定の電力を供給するのに優れて使用可能となっており、特に大容量電気二重層コンデンサを用いた二次電池を充電する際に従来には見られない顕著な効果を発揮することができる。
【0036】
第1の定電力・電流出力電源10は、複数の定電流電源100(100-1,100-2,…100N)と、複数の定電流電源100のそれぞれの稼働又は停止を行うために当該複数の定電流電源100のそれぞれを起動・停止する複数のスイッチからなる定電流源動作切り替えスイッチ群150と、一定の電力を二次電池70に供給するように定電流源動作切り替えスイッチ群150の複数のスイッチの切り替えを制御する電流値決定・スイッチ切り替え制御部130を有している。
【0037】
以下、第1の定電力・電流出力電源10についてより詳細に説明する。定電流源動作切り替えスイッチ群150の各スイッチは、N個(Nは2以上の自然数)からなる複数の定電流源100(100-1,100-2,…100-N)のそれぞれに対応して設けられそれぞれのスイッチのオン・オフによって各定電流源100(100-1,100-2,…100-N)の動作・停止を行うようになっている。
【0038】
また、第1の定電力・電流出力電源10は、定電流源動作切り替えスイッチ群150と、AC電源50との間に全波整流・平滑化回路140を有して、AC電源50から入力した交流を全波整流・平滑化して定電流源動作切り替えスイッチ群150の各スイッチSW1,SW2,…SWNに流し込むようになっている。
【0039】
N個の定電流源100は、それぞれ図8に示す従来と類似の構成だが電流の制御機能を有し、トランスによって回路自体が1次側と2次側に分かれている。なお、図1においては、発明の理解の容易化を図るために図中右下側に絶縁分離部126としてこれらの構成を表記している。
【0040】
トランスの1次側110には増幅部111と制御機能部112が備わっている。また、AC電源50から供給される電流は、上述した全波整流・平滑化回路140及び本実施形態ではMOSFETからなる高速スイッチング素子115を介してトランスの1次側110に伝えられる。なお、本実施形態及びその他の実施形態において、この高速スイッチング素子としてのMOSFETは、AC入力の交流から全波整流・平滑化された電流を再びパルス波の交流に変換する役目を果たしている。
【0041】
一方、トランスの2次側120は、整流ダイオード122とコンデンサとコイルからなる全波整流・平滑化機能・昇降圧回路127等を介して充電すべき二次電池70に接続されている。
【0042】
トランスの二次側に備わった電力供給部には、二次電池70に供給される電流を常時測定する電流値検出部121と、整流ダイオード122と、電流値検出部121によって検出された電流値に基づいて出力電圧値と基準値を比較する電圧値比較部124と、電圧値比較部124における出力電圧値と基準値の双方から誤差を検出する誤差検出部125と、誤差検出部125で得られた誤差を2次側から1次側回路に伝達するための絶縁分離部126が備わっている。
【0043】
また、絶縁分離部126を介して1次側に伝達されたトランスの1次側110の誤差信号は、増幅部111によって増幅された帰還信号によってトランスの1次側110の高速スイッチング素子115の動作制御を行う制御機能部112に伝達されるようになっている。そして、誤差検出部125で得られた誤差を絶縁分離しながらトランスの1次側110に常時伝えて増幅部111を介して制御機能部112に帰還する。この構成に基づき、制御機能部112は上述したトランスの2次側120の電圧値比較部124と誤差検出部125で得られた誤差を極力小さくするようにして二次電池70に一定の電流を供給する。
【0044】
なお、二次電池70に電流を供給するにあたって、N個からなる各定電流源100から導出された所定電流供給用端子は全て電気的に接続されて、切り替えスイッチを接続状態に選択して動作中の定電流源100から供給される電流を合わせた合計電流が二次電池70に充電のために流れ込むようになっている。
【0045】
電流値決定・スイッチ切り替え制御部130は、電圧値検出部131と、電流値決定・スイッチ状態更新部と、スイッチ制御信号送付部133を有している。そして、電圧値検出部131は、二次電池70の充電中に二次電池70に印加される定電流電源100からの出力電圧を常時検出するようになっている。また、電流値決定・スイッチ切り替え更新部132は、電圧値検出部131によって検出された検出電圧値に基づいて、第1の定電力・電流出力電源10の予め設定された出力電力に対応する必要電流値を算出すると共に、電流値決定・スイッチ状態更新部によって算出された必要電流値に対して最も近い出力電流値となるのに必要な数の定電流源100を稼働させ、かつ二次電池70への供給電力を所定の値とするにあたって動作させる必要の無い残りの定電流源100を停止させるようにスイッチの切り替えを選択的に行う演算を二次電池70の充電中常時行う。また、スイッチ制御信号送付部133は、電流値決定・スイッチ状態更新部によって演算された結果に基づき、定電流源動作切り替えスイッチ群150のうち充電中に常時その時点で動作させるべきスイッチを選択的に指定して伝えるスイッチ制御信号を定電流源動作切り替えスイッチ群150に送るようになっている。
【0046】
これによって、第1の定電力・電流出力電源10は、電流値決定・スイッチ切り替え制御部130の電流値決定・スイッチ切り替え更新部132で算出された必要電流値を横軸にし、電流値決定・スイッチ切り替え制御部130の電圧値検出部131で検出された出力電圧を縦軸にした出力電圧・必要電流値の相関関係特性図において、(この相関関係特性図を図2に示すように作成した場合で見て)相関関係特性図の縦軸で示される出力電圧値が段階的に大きくなるに従って横軸で示される必要電流値に対応する出力電流値が段階的に小さくなっていく階段状特性となるように電流値決定・スイッチ切り替え制御部130が定電流源動作切り替えスイッチ群150の各スイッチを切り替えるようになっている。
【0047】
以上の構成に基づいて、本実施形態に係る第1の定電力・電流出力電源10は、二次電池70に供給される充電中の電力が常に一定になるように機能することを第1の特徴としている。
【0048】
また、本実施形態に係る第1の定電力・電流出力電源10は、二次電池70に印加される電圧値を検出すると共に、この検出信号を用いて電源から二次電池70に供給される電力が常時一定となる電力曲線に近似する階段波形状となるように制御することを第2の特徴としている。
【0049】
更には、本実施形態に係る第1の定電力・電流出力電源10は、例えば二次電池70を充電するに際して、二次電池70の供給電力を一定に保ちながら最初は電流値大・電圧値小から充電を開始して、充電中の過程において各定電流源100のスイッチを電流値決定・スイッチ切り替え制御部130によって段階的にオンからオフに切り替えていくことで電流値を段階的に小さくしていくと共に、電圧値を段階的に大きくするように制御することを第3の特徴としている。
【0050】
また、本実施形態に係る第1の定電力・電流出力電源10は、二次電池70が物理的二次電池70としての電気二重層コンデンサであるため、この充電量は上述した電圧値に一義的に対応している。そのため、二次電池70としての電気二重層コンデンサの充電量を常に正確に把握しながら電力を供給することができる。
【0051】
即ち、電圧値が低い場合は、大電流を二次電池70に一気に流し込み、電気二重層コンデンサを急速充電する。そして、電気二重層コンデンサが満充電に近づくに従って上述した電圧値が大きくなってくるので、これに応じて電気二重層コンデンサに流し込む電流値を段階的に小さくしていきながら、常に一定の電力を供給しながら電気二重層コンデンサを効率的に充電する優位点を有している。
【0052】
図2は、図1に示した第1の定電力・電流出力電源10の電圧・電流特性図であり、第1の定電力・電流出力電源10が負荷対象としての一例である二次電池70を充電していく際の本実施形態に係る第1の定電力・電流出力電源10の出力電流値と出力電圧値の相関関係を示している。以下、この図に基づいて上述した本実施形態の第3の特徴点をより分かり易く説明していく。
【0053】
第1の実施形態においては、図1に示すように、定電流源がN個(Nは2以上の自然数)備わっていることを前提として説明したが、理解の容易化を図る都合上、図2においてはN=6、即ち定電流源が6個備わった形態を具体例として説明していく。なお、当然のことながら、定電流源100の数Nが図2のように6個に限定されるものではなく、上述したように2以上の自然数であれば本発明の範囲に含まれる。
【0054】
図2においては、上述したように、横軸が第1の定電力・電流出力電源10の電流値、縦軸が電圧値を示しており、充電用二次電池70として充電量がゼロとなった電気二重層コンデンサ(以下、適宜単に「二次電池70」とする)を充電していく過程を説明していく。
【0055】
全て放電して充電量ゼロの状態又はこれに近い状態から二次電池70を充電する場合、電流値決定・スイッチ切り替え制御部130によって定電流源100(100-1,…100-N、この場合N=6)のそれぞれのスイッチを全てオンさせる(導通させる)。
【0056】
そして、6個の各定電流源100から合計値のa6アンペア(A)の電流を充電すべき二次電池70に流し込む。これと同時に、電流値決定・スイッチ切り替え制御部130の電圧値検出部131において第1の定電力・電流出力電源10が二次電池70に供給する電圧を充電中常時検出し続ける。これに合わせて、第1の定電力・電流出力電源10から二次電池70に6個の定電流源100から合計したa6アンペア(A)の電流を流し込み続ける。
【0057】
次いで、電圧値検出部131が検出する電圧値がb1ボルト(V)まで上昇した場合、電流値決定・スイッチ切り替え制御部130において6個のスイッチのうちの1個をオフ(非導通)にして、残りの5個の定電流源100からこれらの合計電流a5アンペア(A)を二次電池70に流し込み続ける。
【0058】
次いで、電圧値検出部131が検出する電圧値がb2ボルト(V)まで上昇した場合、電流値決定・スイッチ切り替え制御部130において6個のスイッチのうちの2個をオフ(非導通)にして、残りの4個の定電流源100から二次電池70にこれらの合計電流a4アンペア(A)を流し込み続ける。
【0059】
次いで、電圧値検出部131が検出する電圧値がb3ボルト(V)まで上昇した場合、電流値決定・スイッチ切り替え制御部130において6個のスイッチのうちの3個をオフ(非導通)にして、残りの3個の定電流源100から二次電池70にこれらの合計電流a3アンペア(A)を流し込み続ける。
【0060】
次いで、電圧値検出部131が検出する電圧値がb4ボルト(V)まで上昇した場合、電流値決定・スイッチ切り替え制御部130において6個のスイッチのうちの4個をオフ(非導通)にして、残りの2個の定電流源100から二次電池70にこれらの合計電流a2アンペア(A)を流し込み続ける。
【0061】
次いで、電圧値検出部131が検出する電圧値がb5ボルト(V)まで上昇した場合、電流値決定・スイッチ切り替え制御部130において6個のスイッチのうちの5個をオフ(非導通)にして、残りの1個の定電流源100から二次電池70にa1アンペア(A)を流し込み続ける。
【0062】
そして、電圧値検出部131が検出する電圧値がb6ボルト(V)まで上昇した場合、満充電として充電完了と判断し6個のスイッチを全てオフ(非導通)にする。これによって二次電池70の充電動作を完了する。
【0063】
なお、本発明は第1の定電力・電流出力電源10であるため、a6×b1=a5×b2=a4×b3=a3×b4=a2×b5=a1×b6=P(一定電力)を常に保つように、この電力を二次電池70に供給し続ける。なお、上述した図2に基づく説明は、N=6を前提としていたが、Nが、その他の2以上の自然数においても同様である。
【0064】
なお、上述の第1の実施形態においては、第1の定電力・電流出力電源10が負荷である二次電池70に供給する予め定めた所定の供給電力に上限値と下限値を設けると共に、図2に示した電流値と電圧値の階段状の相関関係出力特性が、この予め定めた所定の供給電力の上限値と下限値の間の範囲に常に収まるように、第1の定電力・電流出力電源10が供給する電力値に関して一定の余裕を設けるのが実際の第1の定電力・電流出力電源10を実現するのに好ましいと考える。
【0065】
要するに、第1の実施形態の場合においては、電源側の制約範囲内で出力される電力量が一定となるよう制御された電源という特性を有すれば、この実施形態、ひいては本発明の範囲内に含まれると理解すべきである。
【0066】
以上説明したように、第1の実施形態においては、電源制御を行うにあたって、以下のステップからなるルーチンを常時常に繰り返すことにより、その特別な作用である階段波近似による第1の定電力・電流出力電源10の特性を発揮するようになっている。
【0067】
具体的には、第1の実施形態に係る第1の定電力・電流出力電源10は、複数の定電流源100と各定電流源100の稼働・停止を制御するための電流値決定・スイッチ切り替え制御部130と、定電流源動作切り替えスイッチ群150を有していることを特徴としており、これを含めて電源制御を行うにあたって、以下の手順によるルーチンを常時繰り返すようになっている。
(ステップ1)第1の定電力・電流出力電源10の出力電圧を検出、現出力電力が確定する。
(ステップ2)第1の定電力・電流出力電源10が検出したその時点の電圧値に対応する二次電池70に第1の定電力・電流出力電源10から本来流し込むべき電流値を確定する。
(ステップ3)ステップ2の結果によって前記電流値を満たす定電流源100を稼働するために導通すべきスイッチを決定する。
(ステップ4)スイッチ制御信号送付部133からステップ3によって決定されたスイッチに対応するSW制御信号を送付して定電流源動作切り替えスイッチ群150の有するスイッチのうち、必要なスイッチのみを導通させ続けるようにスイッチ切り替えを行うことで、スイッチの状態を更新する。
(ステップ5)以上の動作を繰り返すことにより第1の定電力・電流出力電源10の電圧・電流出力特性における階段波形のその時点の所定の場所に落ち着かせる。
【0068】
続いて、本発明の第2の実施形態に係る定電力・電流出力電源について図面に基づいて説明する。図3は、本発明の第2の実施形態に係る定電力・電流出力電源のブロック図である。また、図4は、図3に示した第2の実施形態に係る定電力・電流出力電源の電圧・電流特性図、並びに図5に示す定電力・電流出力電源の電圧・電流特性図である。
【0069】
本発明の第2の実施形態に係る第2の定電力・電流出力電源20(以下、適宜「第2の定電力・電流出力電源20」又は単に「定電力・電流出力電源20」とする)は、第1の実施形態と同様に、蓄電装置用としての電気二重層コンデンサを用いた蓄電装置の充電装置であって、大容量電気二重層コンデンサを用いた蓄電装置に対して一定の電力を供給するのに優れて使用可能となっている。
【0070】
以下、第2の定電力・電流出力電源20について説明する。なお、第1の実施形態に係る第1の定電力・電流出力電源10と共通する部分については、適宜その説明を省略する。また、以下の説明においても、第1の実施形態と同様に、本発明に係る定電力・電流出力電源20が供給する負荷対象として二次電池70の電気二重層コンデンサ(以下、単に適宜「二次電池70」とする)として説明する。
【0071】
第2の定電力・電流出力電源20に関するより詳細な構成の説明を以下に行う。定電力・電流出力電源20は、トランスによって回路自体が1次側と2次側に電気的に絶縁分離されている。
【0072】
トランスの1次側210には増幅部211と制御機能部212が備わっている。また、AC電源50から供給される電流は、全波整流・平滑化回路240を経てトランスの1次側210に伝えられる。また、トランスの2次側220は、ダイオードとコンデンサとコイルからなる全波整流・平滑化機能・電流値の制御機能部227等を備えており、二次電池70に流し込む電流が上述したように変化可能に二次電池70に接続されるようになっている。
【0073】
トランスの1次側210には、図3において2次側に示した絶縁分離部226によって1次側に伝達された誤差信号を増幅する増幅部211と、増幅部211によって増幅された帰還信号によってトランスの1次側210に流れる電流を制御する制御機能部212を有している。また、トランスの1次側210には多数のタップ切り替え端子250(Tp1,Tp2,…TpN)(図3においては一例として5個のタップ切り替え端子250を図示)が設けられていると共に、各端子に対応する多数のタップ切り替えスイッチ260(TSW1,TSW2,…TSWN)が備わっている。
【0074】
トランスの2次側220の二次電池70への電力供給部には、コイルとダイオードとコンデンサからなる全波整流・平滑化機能・電流値の制御機能部227が備わると共に、二次電池70に印加する電圧と二次電池70に流し込む電流を常時測定する電圧・電流値検出部221と、電圧・電流値検出部221において検出された電圧と電流から二次電池70に供給している電力を常時算出する電力値算出部224と、この算出された電力値と予め定めた所定の電力値とを比較する誤差算出部225と、誤差算出部225で得られた誤差を2次側から1次側回路に伝達するための絶縁分離部226が備わっている。
【0075】
そして、誤差算出部225で得られた誤差を絶縁分離しながらトランスの1次側210に常時伝えて増幅部211を介して制御機能部212に帰還する。
【0076】
制御機能部212は、上述したトランスの2次側220の電圧・電流値検出部221と電力値算出部224と誤差検出部225で得られた誤差を極力小さくするようにして、二次電池70に一定の電流を供給させている。具体的には、制御機能部212は、絶縁分離部226及び増幅部211を介して得られた帰還信号により、充電中の二次電池70に常に一定の電力を供給するようにタップ切り替えスイッチ260(TSW1,TSW2,…TSWN)を切り替えてトランスの巻線比を適宜変更し、出力をより高電圧・低電流側に振らす場合はトランスの一次側巻線数をより少ない側に、逆の場合はより大きい側に、スイッチ260を切り替える。
【0077】
より具体的には、第2の定電力・電流出力電源20は、電圧・電流値検出部221で検出された電流値を横軸にし、同じく電圧・電流値検出部221で検出された電圧値を縦軸にした電流値と電圧値の相関関係特性図において、(この相関関係特性図を図4に示すように作成した場合で見て)相関関係特性図の縦軸で示される電圧値が大きくなるに従って、横軸で示される電流値が小さくなっていく理想連続線かこの理想連続線に対する近似連続線に沿って変化するように充電中の二次電池70に流し込む電流の電流値を変化させるべく制御する。
【0078】
なお、第2の定電力・電流出力電源20においては、第1の実施形態と同様に第2の定電力・電流出力電源20が二次電池70に定電力に上限値と下限値を予め設定すると共に、理想連続線の代わりに上限値と下限値によって許容される定電力を第2の定電力・電流出力電源20が二次電池70に供給できる範囲内で設定される任意の許容電力線を含む許容電力帯域を予め設定しておき、この許容電力線を含む許容電力帯域に沿って変化するように制御部において電流値を変化させるべく制御するようになっているのがより好ましい形態であるが、この上限値と下限値を必ずしも設けることに限定されるものではない。
【0079】
以上の構成に基づいて、本実施形態に係る第2の定電力・電流出力電源20は、二次電池70に供給される充電中の電力が常に一定になるように機能することを第1の特徴としている。
【0080】
また、本実施形態に係る第2の定電力・電流出力電源20は、二次電池70の充電中に電圧と電流の双方を検出すると共に、この検出した電圧値と電流値を常時積算してその検出時点での第2の定電力・電流出力電源20が二次電池70に供給している電力を常に算出し、予め定めた二次電池70に供給すべき電力値と比較して誤差を算出し、絶縁分離された1次側回路に備わる増幅器を介して制御機能部212に帰還をかける。そして、第2の定電力・電流出力電源20は、1次側回路の制御機能部212を介して先ほど算出した電力値と予め定めた二次電池70に供給する所定の電力値との偏差をなくして両者が一致するように制御することを第2の特徴としている。
【0081】
図4は、図3及び図5に示した第2の定電力・電流出力電源20の電圧・電流特性図であり、第2の定電力・電流出力電源20が負荷対象としての一例である二次電池70を充電していく際の本実施形態に係る第2の定電力・電流出力電源20の出力電流値と出力電圧値の相関関係を示している。以下、この図に基づいて上述した本実施形態の作用をより分かり易く説明していく。なお、図4においては、従来の電源と同様に最大出力電流・電圧付近では曲線が途切れている。また定抵抗負荷では現状の定電流電源と同じ動作となる。

図4においては、上述したように、横軸が電流出力電源の電流値、・縦軸が電圧値を示している。そして、二次電池70の充電初期においては、出力電流値は、横軸の電流値の最大値であるas、出力電圧値は、縦軸の電圧値の最小値であるbsとなっている。そして、充電が進むにつれて出力電流値axは、図4に示す電流-電圧曲線に沿って減少していき、出力電圧値byは、図4に示す電流-電圧曲線に沿って増加していく。そして、二次電池70が満充電状態になる段階においては、出力電流値は、横軸の最小値であるaf、出力電圧値は、縦軸の最大値であるbfとなる。
【0082】
なお、ここで、各出力値の大小関係について念のため記載すると、af<ax<as、bs<by<bfとなっている。また、本発明は定電力電源であるため、as×bs=ax×by=af×bf=P(一定電力)である。
【0083】
なお、上述の第1の実施形態と同様の考え方で、第2の定電力・電流出力電源20が負荷である二次電池70に供給する予め定めた所定の供給電力に上限値と下限値を設けると共に、図4に示した電流値と電圧値の積、即ち第2の定電力・電流出力電源20が負荷である二次電池70に供給する電力が常に一定になる相関関係出力特性に近似する曲線、即ち電流値と電圧値の積である電力値が予め定めた所定の供給電力の上限値と下限値の間の範囲に常に収まるような曲線となるようにしても良い。
【0084】
言い換えれば、第2の定電力・電流出力電源20が負荷に供給する定電力で供給する電圧と電流の値に上限値と下限値を予め設定すると共に、理想連続線の代わりに上限値と下限値によって許容される電力値を第2の定電力・電流出力電源20が前記負荷に供給できる範囲内で設定される任意の許容電力線を含む許容電力帯域を予め設定しておき、この許容電力帯域に含まれる許容電力曲線に沿って出力が変化するように制御部において電流値を変化させるべく制御するようになっていても、本発明の範囲内に含まれるものである。
【0085】
要するに、第2の実施形態の場合においても、第1の実施形態と同様に、電源側の制約範囲内で出力される電力量が一定となるように制御する電源という特性を有すれば、この実施形態、ひいては本発明の範囲内に含まれると理解すべきである。
【0086】
上述したように本発明の第2の実施形態に係る第2の定電力・電流出力電源20の構成に基づき、これを制御することで曲線近似型としての第2の定電力・電流出力電源20の制御方法により、曲線近似型の定電力・電流出力電源特性図に沿った作用を発揮することができる。具体的には第2の実施形態に係る第2の定電力・電流出力電源20は、以下の手順によるルーチンを常時繰り返すことにより、上述した曲線近似型の定電力・電流出力電源特性図に沿った作用を発揮することが可能となる。
(ステップ1)電源出力の電圧値と電流値を検出し、これらの検出値から第2の定電力・電流出力電源20を充電中の二次電池70に供給している電力値を算定する。
(ステップ2)算定電力値と現電流値から目標とするべき電流値を確定する。
(ステップ3)前記電流値に応じた誤差情報を算出し、絶縁分離機能を経由して電源の制御機能部212に誤差情報を送付する。
(ステップ4)電源の制御機能部212は誤差情報に従い2次側トランス220に流れる電流値を更新する。即ち、1次側トランス110のタップ250を現在のTpJからより適切なタップTpKに瞬時に切り替えて新しい電流、電圧値の状態に移動する。これらのルーチンを常時繰り返すことにより、電源は定電力曲線の目的の場所に落ち着く。
【0087】
続いて、第2の実施形態の変形例について説明する。図5は、本発明の第2の実施形態の変形例に係る第3の定電力・電流出力電源30のブロック図である。第2の実施形態においては、トランスの1次側210には多数のタップ切り替え端子250(図3においては一例として5個のタップ切り替え端子250(Tp1,…Tp5を図示)が設けられていると共に、各端子に対応する多数のタップ切り替えスイッチ260(TSW1,…TSW5を図示)を備えていた。
【0088】
一方、第3の定電力・電流出力電源30においてはこれらのタップ切り替えスイッチ260の代りにスイッチング素子としてのMOSFET350(FSW1,FSW2,…FSWN)に全て置き換えている。そして、これらのMOSFETのうち、最適なMOSFETを動作させるべく、制御機能部312によって第2の実施形態と同様に常時最適な信号を出してMOSFETのゲート機能を制御機能によって正しく動作させる。そして、これに応じたトランスの1次側と2次側の巻数比率を最適な巻数比率に変化させ、充電中の二次電池70に定電力を供給する。
【0089】
MOSFET350を利用することによって、回路の更なる集積化、高周波動作化を実現している。なお、その他の構成については、第2の実施形態と同様であるので、それらの詳細な説明を省略する。
【0090】
図5に示す第3の定電力・電流出力電源30のようなブロック図の回路構成を有する定電力・電流出力電源でも、図3の回路ブロック図に示した第2の実施形態、及び図4に示した第2の実施形態に基づく第2の定電力・電流出力電源20及びこれを用いた定電力供給方法と同様の作用効果を発揮することが可能である。
【0091】
上記各実施形態で説明した本発明によると、上述の従来の充電方法の問題を解消し、従来よりも充電時間を大幅に短縮することが可能な充電用電源とその制御方法を提供できる。
【0092】
要するに、従来の蓄電デバイスの充電方法とその問題点として、一般に現状において実用化されている充電方法は、充電対象が低電圧の時には定電流で充電し、対象が所定の電圧まで上昇して電流値が定電流値より少なくなると、定電圧制御での充電に切り替える方法が用いられてきた。しかしながら、この方法では充電対象の電圧が低い場合には充電対象に供給できる電力は非常に少なく、電圧が上昇するに従って供給可能な電力が増える。そのため、充電初期では充電に用いることができる電力が少なく充電時間が長くなるという問題が存在しており、これは電源の制御に関わる基本的な事柄となっていてこの問題の解消は難しかったが、本発明によるとこのような問題を一気に解決することが可能となる。
【0093】
より詳細には、ここで電源の出力電力に着目し、定電流動作でも出力電圧が低い場合は電源の許容範囲内で電流値を増やし、出力電圧が増えた時は電源の許容範囲内で電流値を減らすように制御することで、同じ出力電力の定電流電源を用いても低電圧出力時には電流値を増加して負荷に供給する電力の大幅な増加を可能にすることで、蓄電素子の充電時間の大幅な短縮を達成できる。
【0094】
そして、このような考えに基づき、出力電圧が低い時には電源の許容範囲で出力する電流を増やし、電圧が上昇するにつれ出力電流を減少させて負荷への供給電力を制御することで、蓄電素子への定電力供給方法及び定電力・電流出力電源を本発明者が着想した点に優れた技術的意義を見出すことができる。
【0095】
以下に本発明の各実施形態及びその作用効果について、この実際の利用対象となる各種アプリケーション例も含めてより具体的に説明する。上述した本発明の実施形態は、大容量の電気二重層コンデンサの充電に特に適している。具体的には以下の通りとなる。
(1)急速充電が可能である。
(2)大容量電気二重層コンデンサの充電に対応することが可能である。
【0096】
これによって、例えば電気自動車(EV)に充電して運転する場合、短時間、例えば10分間だけ急速充電して近隣エリアを走行して再び帰ってきて、また短い待ち時間、例えば10分間だけ急速充電して再び近隣エリアを走行するようなことを繰り返すことが可能となる。
【0097】
これは、電気二重層コンデンサが物理的二次電池であることに起因している。具体的には電気二重層コンデンサを二次電池とした場合、電圧が低い時は電流値をかなり増やして電圧が上がってくれば徐々に減らしていくと効率的に迅速かつ効率的に充電することができる。これは、二次電池が電気二重層コンデンサに代表される物理的二次電池であることに起因しており、化学的二次電池であるリチウムイオン電池などでは同様に実現することは難しい。
【0098】
つまり、リチウムイオン電池に代表される化学的二次電池の場合、二次電池の充電時に生じる電池の内部抵抗-化学反応と内部構造と構成素材に起因-による発熱と放熱とのバランスを常に考慮しつつ充電のための電流値を決めているのが現状だからである。
【0099】
また、近年のリチウムイオン二次電池を搭載した電気自動車(EV)は、運転する行き先や目的に関わらず、個々の充電装置使用者が必要とする走行距離は不明故ある程度の航続距離を確保するため1回の充電でその搭載バッテリーの能力の60%前後の距離を走行可能なように充電しているようである。そのため、100ボルト又は200ボルトの家庭用充電装置を用いて長時間かけて充電するか、6,600ボルトの高圧線から降圧して短時間で充電するような充電ステーションまで走行して行って充電するかの何れかを選ぶようなインフラシステムとなっている現状に大きな問題があるのが現状であろう。
【0100】
そのため、短距離の近隣エリアを走行して短時間で用事を済ませてまた戻ってくるような使い方に対しては、搭載バッテリーの充電量が少なくとも、上記充電ステーションまで行って時間を掛けて必要以上に充電するか、少ない電流値しか流せない家庭用充電装置を用いてこの短時間で済ませられる用事に見合わない長時間の充電時間を、用事を済ます前段階として取られてしまう。
【0101】
一方、充電量が充電ステーションに辿り着くまで残っていても、近隣エリアの用事を済ますためにわざわざかなり離れた充電ステーションまで走行していって順番待ちの上必要以上の容量の充電を行い、再び近隣エリアまで戻ってくることが多いであろうことが容易に想定でき、更にその間に用事を済ますべき時間が既に過ぎていることも十分に生じ得る。
【0102】
このようなことに鑑みて、本発明は、市街地で使うモビリティのために搭載する二次電池として電気二重層コンデンサを利用した場合に、特に優れた発明となっていることが良く理解できる。電気二重層コンデンサを使った急速充電により、とりあえず近隣エリアを走行できる程度の電力を充電するやり方が可能となるからである。つまり、ほぼ充電量がゼロに近いいわゆるエンプティ状態の電気二重層コンデンサを二次電池として使用すれば、化学的二次電池としてのリチウムイオン二次電池とは比較にならないほどの大電流を安全かつ短時間で流し込むことで急速充電できるからである。
【0103】
なお、本発明は、上述したように電気自動車の急速充電及びその後の近隣エリアへの運転に特に適していることにのみ限定されるものでなく、近年急速に進む高齢化に伴って大量に市場に供給する必要となることが十二分に考えられる電動車椅子等に電気二重層コンデンサからなる二次電池を搭載した場合においてもその優位性を発揮することができる。
【0104】
具体的には、現状の電動車椅子には、その動力源としてリチウムイオン電池が使用されている。そして、現状の電動車椅子では、例えば時速4キロメートルで10時間走行し続けることができるような動作スペックとなっている。即ち、リチウムイオン電池を搭載した車椅子の場合、通常は凡そ8時間充電して20キロメートル走行するとなっているが、このようなスペックは現実の使用現状使用態様から乖離しており、使い勝手を極めて悪くしている。
【0105】
これは、充電する時間として8時間近くかかってしまうのだが、充電して20キロメートルもの距離を電動車椅子で移動するようなことは現実的には殆どあり得ないからである。
【0106】
即ち、充電が1時間で済むのであれば5キロ電動車椅子で走行できれば十分である。そして、急速充電することにより30分程度でとりあえず必要かつ十分な程度の充電が済んで、5キロメートルの範囲を移動できれば、電動車椅子としての使い勝手が格段に向上する。即ち、このような小型の近距離を移動する街中でのモビリティの動力源として電気二重層コンデンサからなる物理的二次電池を使用するのが特に適している。
【0107】
また、電動車椅子の動力源に使用するようなリチウムイオン電池では、例えばAC100ボルトの家庭用電源を利用した一定の小電流でそれなりに時間をかけて充電しており、電圧については考慮されていない。即ち、化学的二次電池でかつ充電容量も限られているため、非常に大きい大電力出力が可能な充電装置では対応ができない。
【0108】
これは、充電に際して大電流をリチウムイオン電池に流し込めないことに起因する。つまり、充電に際して大きな電流を流すと、化学的二次電池の特性に基づいて発熱して二次電池自体が破損したり火災の原因となってしたりするからである。
【0109】
このようなことからも明らかなように、リチウムイオン電池の充電に関しては、例えばAC100ボルトやAC200ボルトなどの家庭用電源の利用に限定されてしまい、充電に時間がかかって使い勝手が悪いと言える。
【0110】
即ち、充電後に近隣エリアを走行する場合であっても、大電流を流して急速充電した場合、化学的二次電池であるが故に破損したり発熱反応により高温となってより化学反応を進めたりしてしまい、やがては火災の原因となる恐れを助長している。
【0111】
この理由としては、化学反応を伴う化学的二次電池の場合、電気的に見たらこの化学反応が電気抵抗値に等価的にみなされることになる。即ち、化学的二次電池自体は、それ自体に化学反応を伴いながら充電や放電を行うことが本質となっており、これは電気分野で見てみると電流を流れ難くすると共に電気エネルギーを熱に変える抵抗と等価的に見なすことができるからである。
【0112】
これは、リチウムイオン二次電池は化学的二次電池であることの宿命であるといえる。つまり、リチウムイオン電池はリチウムイオンが電極間を移動することが前提条件となっている。即ち、リチウムイオン等の化学的二次電池は一方の電極が化学反応の結果リチウム等のイオンを放出し、他方の電極がこれを吸着することで電荷すなわち電流を生成しており、例えば、リチウムイオン電池の一方の極板を構成する黒鉛の板状結晶構造の各上下層の間にリチウムイオン電池が入り込んで電極内にとどまるというインターカーレーション反応式と呼ばれる化学反応を利用したりしているためである。
【0113】
このような構造になっているが故に、化学的二次電池の充放電を行うごとにこの電極の隙間に入ったり隙間から出たりするインターカーレーション反応を繰り返すと、化学反応の度に電極の板状結晶の隙間が広くなったり狭くなったりしてストレスが加わりこれが進行して徐々に板状結晶が破壊され電池の容量が徐々に減ったり寿命が短くなったりする。
【0114】
また、リチウムイオン電池のような化学反応を伴う二次電池が充放電するに際してこの化学反応に起因して温度が10度上昇すると反応速度が例えば2倍になって二次電池自体が発熱により高温となって更に反応が進み、やがては二次電池が破損したり火災の原因を招いたりすることも起きる。
【0115】
一方、物理電池としての電気二重層コンデンサの場合、電解液の中のプラスイオンとマイナスイオンを電極の間で単に移動させることにより、充放電を行う物理的現象を利用しており、化学反応を伴っていないので、化学電池にみられる化学反応が温度に関係するようなことはない。この点で物理的二次電池は、化学的二次電池と本質的に異なっている。
【0116】
上述したように、リチウムイオン電池は、化学反応を起こしてイオンがプラス電極とマイナス電極を移動するような構成となっているため、この構成自体が電気的抵抗として作用してしまう。一方、電気二重層コンデンサは、元々電解液の中に存在しているイオン自体がプラス電極とマイナス電極との間を移動するだけであるため、化学反応を起こすことがないので、電気的抵抗が化学的二次電池に比べてはるかに低くなっている。
【0117】
即ち、リチウムイオン電池に代表される化学的二次電池とは、物理的二次電池である電気二重層コンデンサ電気二重層コンデンサの内部の作りが全く違うことに起因して、流し込む電流の限界量が異なる要因となっている。
【0118】
このような物理的二次電池の特有の構成に基づいて、電気二重層コンデンサは、急速充電の際において2,000アンペアもの電流を流し込むことができる製品も数多く存在する。また、コンデンサの内部構造に関しては、その特性上これを電流が流れ易いように以下のような構造上の工夫を行えば、幾らでも電流を流し込むことが可能となる。
(a)例えば電極を構成する金属の厚さを増やしたりする。
(b)電荷を電極に引き付けるところの構造材を太くする。これによって、より大きな電流を流せるようになる。
【0119】
以上の通り、電気二重層コンデンサの場合、充放電の電流値に関してはこのように現実的には制約がないので、充電に際して電流を流し込めば流し込むだけ急速充電が可能となり、短時間で蓄電できるようになる。
【0120】
この考え方は、他のバッテリーの充電でも使える。例えば電気自動車(EV)の場合、40キロワット、80キロワット等の非常に大きい充電バッテリーを搭載している場合、高圧線から直接電気を導く6,600ボルトの電圧を利用して、この高電圧を直接利用する充電ステーションで充電する場合にも適用が可能となる。
【0121】
一方、家庭における充電では、1キロワットがせいぜい充電できる量である。即ち、家庭用の100ボルト電源では一つのコンセントから使用出来るのは精々10アンペア迄しか継続して電流を流すことが推奨されないからである。
【0122】
家庭の場合、高圧線から直接引っ張ってくる6,600ボルトを利用した充電ステーションのような非常に大きい電力を供給することはできない。即ち、家庭では、元々数少ない電力で二次電池をどうやって効率的に充電するかが課題となっている。
【0123】
高圧線から直接電気を導く6,600ボルトの充電装置の場合は高い電圧でも一定の大きな電流を出力しているが、この大変大きな電圧値を減らして、その代わりに電流値を増やして急速充電電力が一定で電圧値に応じて出力電流を増減しそれが二次電池の許容範囲内であれば更に短時間での充電が可能となるが化学反応を伴う二次電池では対応は非常に難しい。
【0124】
また、電動車椅子に搭載しているような現状のリチウムイオン電池では、6,600ボルトの高圧電源を利用してある値以上の電流を流そうとしても、それが化学的二次電池であるが故に電池自体が破損してしまう。そのため、100ボルトか200ボルトの家庭用電源を利用して、容量の小さい家庭用充電装置を利用するしかない。即ち、急な用事を済ますためにその直前にこの用事の時間に間に合うように急速充電することが不可能である。
【0125】
しかしながら、電気二重層コンデンサを二次電池として搭載した電動車椅子によれば、物理的二次電池を充電することになるため、この電気二重層コンデンサからなる二次電池を本発明に係る定電力・電流出力電源を組み合わせて急速充電可能である。一方、現在広く一般に使用されているリチウムイオン電池のような化学的電池を無理に急速充電すると化学反応が電気的な抵抗となって上述したような発熱やこれに伴う予期せぬ化学反応の異常な促進を招く恐れが高い。その結果生じる二次電池の破損や燃焼による火災などの大事故の発生を未然に防止することができる。即ち、電気二重層コンデンサからなる二次電池を本発明に係る定電力・電流出力電源を組み合わせは、今後世界的規模で普及促進を可能とすることが理解できる。
【0126】
なお、上述の電気二重層コンデンサを二次電池として本発明に係る定電力・電流出力電源を組み合わせるその他の有用な使用形態として次のようなものが更に挙げられる。具体的には、街中のレストランやホテルの飲食フロア、急速な高齢化に伴って増加していくケアホーム、入院病棟の備わった病院等において今後広く利用が考えられる食事支給・配膳型ロボット、更にはホテルのフロントや公共施設においての活用が考えられる多言語対応施設内受付・案内型ロボットに電気二重層コンデンサを二次電池として利用すれば、限られた短時間の間での急速充電に対応できる。つまり、これらのロボットの稼働率の向上や、ロボットの稼働時間の予期せぬ集中化にも対応可能となり、これらのロボットの有効活用に貢献する。
【0127】
以上説明したように、本発明では二次電池として電気二重層コンデンサを念頭に置いているが、本発明における別の実施例として、上述した見解とは別に視点を変えてリチウムイオン電池に代表されるいわゆる化学的二次電池にも同様に使うことが可能である。なお、化学的二次電池としてはナトリウムやカリウムを用いる二次電池も開発や市場への供給が始まっているが、本発明においてはこれらを全て合わせた化学的二次電池を「リチウムイオン電池」の用語として使用する。即ち、本発明が適用可能である化学的二次電池としては、以下に記載する「リチウムイオン電池」に限定されるものではなく、ナトリウムやカリウムを用いる二次電池が含まれることを強調しておく。
【0128】
例えば、具体例として家庭用の電源である100ボルト又は200ボルトでは、リチウムイオン電池を充電するのに8時間から12時間程度は時間がかかってしまう。しかしながら、本発明に係る定電力・電流出力電源を用いてリチウムイオン二次電池を充電する場合、この定電力・電流出力電源から充電すべきリチウムイオン二次電池に流し込む電流値を常に測定すると共に、電流を流し込む時間を常に計測しておけば、これらの測定結果からリチウムイオン二次電池に溜まっていく電荷量を正確に把握することが可能になる。
【0129】
そして、リチウムイオン二次電池の許容充電量に対して、例えば40%~70%程度までの充電に留めるような十分な余裕(安全率)をもって充電を停止すれば、化学的二次電池であるリチウムイオン二次電池に発熱を伴う急激な化学反応を生じさせないようにしながら、くり返し充電を行うことが可能となる。このような理由により、以上のような余裕を持った充電を行うことを条件とすれば、本発明をリチウムイオン二次電池等への充電に適用することも可能であることを付言しておく。
【0130】
これによって、電気自動車(EV)を近隣エリア走行に必要かつ十分な量だけ短時間急速充電して閉店前の買い物や予約した病院の診察に間に合うように電気自動車を運転することを可能にする。同様に、上述した電動車椅子の場合においても、リチウムイオン二次電池に化学反応による発熱等が生じない無理のない十分に余裕を持った充電の仕方を行うことで、通常の日常生活で走行するエリア内での電動車椅子の利用を可能とする。
【0131】
また、上述したように街中のレストランやホテルの飲食フロア、急速な高齢化に伴って増加していくケアホーム、入院病棟の備わった病院等において今後広く利用が考えられる食事支給・配膳型ロボット、更にはホテルのフロントや公共施設においての活用が考えられる多言語対応施設内受付・案内型ロボットに現状のリチウムイオン二次電池を用いて短時間の間で十分に余裕を持った充電量で急速充電するのに本発明に係る定電力・電流出力電源を大いに利用できる。
【0132】
最後に上述の記載と一部重複するが、電気二重層コンデンサからなる物理的二次電池を様々な分野に普及させると共に、この二次電池をリチウムイオン電池に代表される化学的二次電池のような化学反応を伴い急速充電に様々な制約が生じている二次電池とは異なり、本発明に係る定電力・電流出力電源を組み合わせて利用した際の際立った優位性について再確認する。
【0133】
現在様々な分野で主流として使われているリチウムイオンバッテリーの場合、その二次電池としての特性を一定に保つために正極活物質や負極活物質、その間に介在する電解液等を厳密なスペックで管理して製造することが必要となっている。これは出来上がった電池では、容量のバラツキ、即ち偏差のために容量の少ない電池ユニットが蓄電装置全体の蓄電容量を決定してしまうためである。従って、例えば電気自動車(EV)などの大容量の二次電池して使用するためにはリチウムイオン二次電池の構造を精度よく偏差も少なく製造する必要があり製造工程や製造バラツキの確認のためにもかなり大掛かりなものにしなければならず、その製造コストが高く嵩んでいる。
【0134】
一方、このような化学電池においては、上述したような正極活物質や負極活物質、その間に介在する電解液等のスペック上の管理を厳しくし電池の内部抵抗を低減しなければ二次電池を短時間で満充電した場合に電池自体が内部抵抗に拠る発熱のために内部の温度が上昇したり、製造工程での種々なバラツキのためにバッテリー間でもバッテリー内でも温度上昇がパラついたりすることで、温度上昇の激しい電池の一部が破損して化学反応速度の加速度的な増加とそれに伴う自己発熱のために破損や火災の原因になってしまう危険性がある。
【0135】
一方、電気二重層コンデンサは、いわゆる上述したリチウムイオンバッテリーのような化学電池にみられる化学反応やリチウムイオンの移動(これらは、電気的な抵抗と等価的なものとみなされる)を伴わず、電解質イオンの電解液中での移動と電極への吸着や脱離のみが生じ、物質の変化や電極間のイオンの移動を伴わないことによるメリット、つまり電気抵抗が少なく反応時間が短いなどの優れた特徴を有している。
【0136】
具体的には、充放電を繰り返しても性能劣化が殆ど起こらずサイクル寿命として数百万回にも達する上、充電速度も化学電池に比べて非常に早く済むという特徴を有している。
【0137】
従って、このような二次電池も今後急速に普及する可能性を十分に有している。電気二重層コンデンサの利点は、電極間を電解液中のイオンが移動することで蓄電するため内部抵抗が少なく、電流を流しても発熱が非常に少ないこと、化学反応では無いので充放電に伴う劣化が生じないため特性劣化が少ないこと、コンデンサの物理的な構造に拠る最大許容電流まで電流を瞬時に流せることである。
【0138】
更にリチウムイオン二次電池を安価にかつ大量に生産するにあたって立ちはだかる特別な事情について述べる。この特別な事情の1つとして、リチウムイオン電池のような原材料としてのリチウムをそれが大量に産出される生産国から入手するにあたって、現状においては産出地域を有する産出国との外交上の親密度合いや経済関係、国家間のパワーバランスなどの複雑な要因に起因した複雑な種々の制約条件が存在していることが挙げられる。これは、他の化学的二次電池の原料となるレアメタルとしてのニッケルやコバルトなどと同様で安価で簡単かつ大量に入手することが難しいからである。
【0139】
一方、周囲は海に囲まれた海洋国家であるわが国にとって、海水からリチウムを効率的に抽出できれば、上述のような制約を受けずにリチウムを海水から無尽蔵に可能となる。しかし、残念ながらこのような海水に極めて僅かに含まれるリチウムを効率的に回収する技術が近い将来実現できるめどは立っていない。
【0140】
他方、リチウムの入手に伴う困難性の話とは異なっているが、近年の地球環境の急激な変化(悪化)に対して全世界レベルでこの問題解決を図ることが喫緊の課題となっている。具体的には、以下の通りとなる。
【0141】
近年においては、地球温暖化による気候変動などが地球規模での深刻な問題となっており、このような問題を解決するために世界的規模で電気自動車の普及が進められている。また、電気自動車の普及に伴って、各電気自動車の一回の充電ごとの航続距離をより長くしたりより多くの車両に搭載して多くの物流を担う大型の車両の電気自動車を普及させたり、バスなどの公共交通機関に電気自動車を普及させたりすることがいかに早くかつ広範囲に普及させることが喫緊の課題となっている。
【0142】
また、従来における電力供給の基本的考え方としては、原子力発電所や火力発電所、水力発電所、その他風力発電や潮力発電などの大規模な発電プラントを都市部からある程度離れた場所に設置して、同じく大掛かりな送電システムで都市部にこれらの発電所から電力を供給しているのが従来からの考え方であった。
【0143】
一方、このような大規模なインフラ設備を全て問題なく稼働させた場合にのみ電力を安定的に供給できる既存のシステムに対して、今日では様々な問題点が生じつつある。例えば、我が国は、ユーラシアプレート、北米プレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートなどの様々なプレート上に国土全体が及びその周囲海域が位置しており、いつ何時大地震や火山の大規模噴火、大地震及び大地震に伴う津波の到来や火災の発生が生じるか予測できない状態にある。そして、一旦このような災害が起こると、上述した発電インフラ設備が機能不全に陥って、都市部への電力供給能力が一気に低下したり、供給不能になったりする恐れが否定できない状況にある。
【0144】
これは、このような自然現象だけでなく、地球温暖化に伴う巨大台風の到来や規模の大きい低気圧による線状降水帯などの発生に基づく河川の氾濫等によって電力供給の特に送電システムのインフラ設備が破損することによっても引き起こされる。
【0145】
同じく、予測不可能な国家間の突発的紛争の勃発、パワーインフラ設備に対するテロ行為等によって生じる人為的災害についても同様である。
【0146】
なお、上述したような大きな災害や異常気象に伴って発生する災害時に被災者が避難する場所を各地に設置すると共に被災者の内、急病人やけが人を守るための救済システムもこのような被災設備に設けておくことが必須である。
【0147】
以上の説明から明らかな通り、本発明の要旨の一部として説明した充電対象としての大容量電気二重層コンデンサを二次電池として今後広く普及させていくことが重要であると共に、本発明に係る電気二重層コンデンサを用いた蓄電装置の充電装置及び充電方法を合わせて利用することで、物理的二次電池としての大容量電気二重層コンデンサの化学的二次電池とは異なる様々な優位点を十二分に発揮することが可能である。
【0148】
なお、上述の各実施形態及びその変形例で示した回路ブロック図や電圧・電流(電力)特性図はあくまで一例を示したものに過ぎず、本発明の作用効果を発揮し得る範囲内でその構造や材質、回路構成などを適宜設計変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0149】
10 第1の定電力・電流出力電源
20 第2の定電力・電流出力電源
30 第3の定電力・電流出力電源
50 AC電源
70 二次電池(電気二重層コンデンサ)
100(100-1,100-2,…100-N) 定電流源
110 トランスの1次側
111 増幅部
112 制御機能部
115 高速スイッチング素子
120 トランスの2次側
121 電流値検出部
122 整流ダイオード
124 電圧値比較部
125 誤差検出部
126 絶縁分離部
127 全波整流・平滑化機能・昇降圧回路
130 電流値決定・スイッチ切り替え制御部
131 電圧値検出部
132 電流値決定・スイッチ切り替え更新部
133 スイッチ制御信号送付部
140 全波整流・平滑化回路
150 定電流源動作切り替えスイッチ群
210 トランスの1次側
211 増幅部
212 制御機能部
220 トランスの2次側
221 電圧・電流値検出部
224 電力値算出部
225 誤差算出部
226 絶縁分離部
227 全波整流・平滑化機能・電流値の制御機能部
240 全波整流・平滑化回路
250(Tp1,Tp2,…TpN) タップ(切り替え端子)
260(TSW1,TSW2,…TSWN) タップ切り替えスイッチ
350 MOSFET(FSW1,FSW2,…FSWN)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9