(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067562
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】コンブチャ及びその製造方法。
(51)【国際特許分類】
A23L 2/38 20210101AFI20240510BHJP
A23L 2/00 20060101ALI20240510BHJP
A23L 17/60 20160101ALI20240510BHJP
【FI】
A23L2/38 F
A23L2/00 B
A23L17/60 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177746
(22)【出願日】2022-11-06
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】518339412
【氏名又は名称】合同会社シーベジタブル
(72)【発明者】
【氏名】石坂 秀威
(72)【発明者】
【氏名】蜂谷 潤
【テーマコード(参考)】
4B019
4B117
【Fターム(参考)】
4B019LC02
4B019LC03
4B019LE05
4B019LK06
4B019LK15
4B019LP02
4B019LP05
4B019LP13
4B019LP17
4B117LC01
4B117LC03
4B117LG22
4B117LK12
4B117LK21
4B117LP01
4B117LP05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】海藻を原材料とすることで添加物を用いることなく酢酸エチルを多く含んだコンブチャを提供することができる。また、海藻等に由来するさまざまな色合いのコンブチャを提供することができる。
【解決手段】本発明の海藻を原材料とするコンブチャの製造方法は、
海藻を水に漬けるステップ、
海藻の成分を前記水に抽出するステップ、
海藻成分を抽出した溶液を得るステップ、
前記溶液を加熱するステップ、
前記溶液に糖類を加えるステップ、
前記溶液にバクテリアと酵母の共生培養物を加えて10~50℃に保ち溶液を発酵させるステップ、
を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海藻を原材料とするコンブチャの製造方法であって、
海藻を水に浸けるステップ、
海藻の成分を前記水に抽出するステップ、
海藻成分を抽出した溶液を得るステップ、
前記溶液を加熱するステップ、
前記溶液に糖類を加えるステップ、
前記溶液にバクテリアと酵母の共生培養物を加えて10~50℃に保ち溶液を発酵させるステップ、
を含むことを特徴するコンブチャの製造方法。
【請求項2】
前記コンブチャ中の酢酸エチルのガスクロマトグラフィー質量分析法で求めたピーク面積の割合が全体の15%~40%であることを特徴とする請求項1に記載のコンブチャの製造方法。
【請求項3】
前記コンブチャ中の酢酸のガスクロマトグラフィー質量分析法で求めたピーク面積の割合が全体の3%~30%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンブチャの製造方法。
【請求項4】
前記コンブチャには海藻由来の光合成色素であるフィコシアニン、クロロフィルa、クロロフィルb 、クロロフィルc、βカロテン、シホナキサンチン、シホネイン、フコキサンチン又はフィコエリスリンのうちいずれか1つ又は2つ以上の光合成色素が含まれている特徴とする請求項1又は2に記載のコンブチャの製造方法。
【請求項5】
海藻を原材料とするコンブチャであって、前記コンブチャ中の酢酸エチルのガスクロマトグラフィー質量分析法で求めたピーク面積の割合が全体の15%~40%であることを特徴とするコンブチャ。
【請求項6】
前記コンブチャ中の酢酸のガスクロマトグラフィー質量分析法で求めたピーク面積の割合が全体の3%~30%であることを特徴とする請求項5に記載のコンブチャ。
【請求項7】
前記コンブチャ中のジメチルスルファイドのガスクロマトグラフィー質量分析法で求めたピーク面積の割合が全体の0.05%以上であることを特徴とする請求項5又は6に記載のコンブチャ。
【請求項8】
海藻由来の光合成色素であるフィコシアニン、クロロフィルa、クロロフィルb 、クロロフィルc、βカロテン、シホナキサンチン、シホネイン、フコキサンチン又はフィコエリスリンのうちいずれか1つ又は2つ以上の光合成色素が含まれていることを特徴とする請求項5又は6に記載のコンブチャ。
【請求項9】
海藻を原材料とするコンブチャであって、
ジメチルスルファイドを含み、
ジメチルスルファイドのガスクロマトグラフィー質量分析法で求めたピーク面積の割合が全体の0.05%以上であることを特徴とするコンブチャ。
【請求項10】
海藻を原材料とするコンブチャであって、
海藻由来の光合成色素であるフィコシアニン、クロロフィルa、クロロフィルb 、クロロフィルc、βカロテン、シホナキサンチン、シホネイン、フコキサンチン又はフィコエリスリンのうちいずれかが含まれていてその光合成色素に起因する色を主に呈していることを特徴とするコンブチャ。
【請求項11】
藍藻類を原材料とするコンブチャであって、
藍藻類由来の光合成色素である、クロロフィルd 、クロロフィルfのいずれかが含まれていてその光合成色素に起因する色を主に呈していることを特徴とするコンブチャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンブチャ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンブチャ(Kombucha)とは、モンゴルや満州を起源とする発酵茶(発酵飲料)である(非特許文献1)。紅茶や緑茶に砂糖を加え、さらにバクテリアと酵母の共生培養物(例:SCOBY(Symbiotic Culture of Bacteria and Yeast))を導入し、その混合物を適切な環境で醸造することによって製造される。日本では「紅茶キノコ」と呼ばれることもある(※漢字で表記される「昆布茶」とは異なる)。現在では日本だけでなく、世界中から注目されている。特に健康志向の人たちの間で注目を集めている。
例えば、特許文献1では2つの醸造チェンバを備えたコンブチャ醸造装置の特許権が開示されており、コンブチャの醸造にさまざまな工夫を加えることができる。
また、コンブチャの原材料は、通常茶類であるが、茶以外を原材料にコンブチャを製造する試みがなされているがまだ試行錯誤の途上である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Sreeramulu, G et al. (2000), 「Kombucha fermentation and its antimicrobial activity」, Journal of Agricultural and Food Chemistry, 48(6), 2589-2594.
【非特許文献2】「2022年11月コンブチャのおすすめ人気ランキング21選 徹底比較」,[2022/11/4検索] ,インターネット<https://my-best.com/6359>
【非特許文献3】「“逆輸入”の健康発酵ドリンク 「コンブチャ」ブームを仕掛ける大泉工場」,[2022/11/4検索],インターネット<https://agri.mynavi.jp/2017_12_05_12553/>
【非特許文献4】「第2回 海の中の赤い植物"紅藻"の謎」, [2022/11/4検索],インターネット<https://bsj.or.jp/jpn/general/research/02.php>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コンブチャは様々な味わいのものが各社から販売されている。微炭酸の甘酸っぱくてフルーティーな味わいのコンブチャの人気が高い。しかし、市販のコンブチャは添加物で風味を調整しているものが多いため健康志向のユーザーにとっては満足がいかないものであり、天然素材でフルーティーな味わいを楽しめるコンブチャが強く求められている(非特許文献2)。
また、コンブチャは喉越しがよくジュース感覚で楽しめる飲料であるが、従来のコンブチャは茶等を原材料としているためやや暗めの色の飲料となり、必ずしもジュースのような色合いを呈するとは限らなかった。そのため色合いを改善するためには着色料等の添加物で着色していたが健康志向のユーザーにとっては満足がいかないものであった。また、コンブチャに果汁を加えることでカラフルな色合いのコンブチャを提供することは可能であるが(非特許文献3)、コンブチャに果汁を加えることでコンブチャの本来の味わいが弱められることになりコンブチャの愛好家にとっては満足のいかないものであった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の海藻を原材料とするコンブチャの製造方法は、
海藻を水に浸けるステップ、
海藻の成分を前記水に抽出するステップ、
海藻成分を抽出した溶液を得るステップ、
前記溶液を加熱するステップ、
前記溶液に糖類を加えるステップ、
前記溶液にバクテリアと酵母の共生培養物を加えて10~50℃に保ち溶液を発酵させるステップ、
を含む。
また、本発明の海藻を原材料とするコンブチャは、前記コンブチャ中の酢酸エチルのガスクロマトグラフィー質量分析法で求めたピーク面積の割合が全体の15%~40%である。
【発明の効果】
【0007】
海藻を原材料とすることで添加物を用いることなく酢酸エチルを多く含んだコンブチャを提供することができる。また、海藻等に由来するさまざまな色合いのコンブチャを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】コンブチャに含まれている揮発成分の分析結果
【
図2】トサカノリを原材料とするコンブチャの写真。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のコンブチャは海藻を原材料とするコンブチャである。コンブチャは発酵飲料などと称してもよい。
コンブチャにはグルコン酸と酢酸が含まれる。添加された砂糖が微生物酵素により、果糖とブドウ糖に分解された後、グルコン酸と酢酸に変換されるためである。さらに、コンブチャは、各種酵素類、アミノ酸、ポリフェノール類、各種有機酸を含むことができる。またエタノール、グルクロン酸、グリセロール、乳酸、ウズニック酸 (ヘパトトキシン=肝臓毒)、ビタミンB群などを含むことができる。
本発明の海藻を原材料とするコンブチャは、海藻由来の成分としてジメチルスルファイド、アルギン酸、フコイダン、ガラクタンなどを含むことができる。
本発明のコンブチャの製造方法において、海藻成分を水に抽出した後、その溶液にSCOBYなどのバクテリアと酵母の共生培養物を加えて溶液を発酵させる。この発酵プロセスは公知のプロセスを利用できる。SCOBYに含まれる微生物集団は、様々であってよい。酵母成分は、例えば、Saccharomyces cerevisiaeを含み、細菌成分は、例えば、Gluconacetobacter xylinusを含むことができるが、他の種の酵母および/または細菌を含み、および/または代替することができる。また、本発明のコンブチャの製造プロセスにおいて炭酸を醸成することができ、本発明のコンブチャは炭酸を含む炭酸飲料とすることができる。
【0010】
本発明で利用できる海藻は基本的に海藻であればどのようなものであっても構わないが、コンブチャ製造のプロセスにおいて、酢酸エチルの含有量が本願の特許請求の範囲で規定する所定範囲になりえるものを使用する。また、海藻由来の成分であり磯の香りを呈するジメチルスルファイドがコンブチャ製造のプロセスにおいて醸成されていること(又は残存していること)が望ましい。本発明の実施例として、アナアオサ、スジアオノリ、トサカノリ、ナガコンブを原材料とするコンブチャを示しているがこれに限らない。例えば、緑藻類海藻(緑藻)、褐藻類海藻(褐藻)、紅藻類(紅藻)などの海藻を利用できる。
使用できる糖類の種類は、ショ糖、果糖、ブドウ糖など公知の糖類を利用することができる。製造プロセスにおいて糖度計で糖度を管理することができる。
【0011】
<コンブチャの製造方法>
本発明の海藻を原材料とするコンブチャの製造方法の一例を示す。
製造方法は海藻の成分を抽出する抽出工程と、抽出した溶液を発酵させる発酵工程に分けられる。抽出工程は加熱して抽出しても非加熱で抽出してもどちらでも構わない。加熱及び非加熱の2通りの方法の一例を示す。
【0012】
<加熱抽出工程>
(1)対象海藻を重量の3~50倍の水に浸ける(※ここで使用する水は水として機能するものであればどのような水でもよい(以下同様))。海藻は生でも乾燥させたものでも構わない。加熱, 燻製等処理したものでもよい。水量はノリを原材料とする場合は5~10倍が好ましく、コンブの場合は20~30倍が好ましい。
(2)海藻と水を60~100℃程度に加熱し、海藻の成分を抽出する。抽出時間は海藻の種類に応じて適宜決定されるが概ね0.5~60分程度が望ましい。
(3)海藻成分が抽出されたのち、海藻を濾過して海藻成分を抽出した液体を得る。
【0013】
<非加熱抽出工程>
(1)対象海藻を重量の3~50倍の水に浸ける。海藻は生でも乾燥させたものでも構わない。加熱, 燻製等処理したものでもよい。水量はノリを原材料とする場合は5~10倍が好ましく、コンブの場合は20~30倍が好ましい。
(2)海藻と水を陰圧状態にし、1~15℃に静置して海藻成分を抽出する。抽出時間は海藻の種類に応じて適宜決定されるが概ね2~48時間が望ましい。
(3)海藻成分が抽出されたのち、海藻を濾過して海藻成分を抽出した液体を得る。
【0014】
<発酵工程>
(4)抽出した溶液を40~100℃に加熱する。
(5)溶液のBrix値が10~15度以下になるまで糖類を加える。
(6)溶液を20~35℃まで冷まし、非反応性の容器に移してSCOBY(バクテリアと酵母の共生培養物)を加える。その際、容器を密閉せず10~50℃で、好ましくは15~40℃、より好ましくは20~35℃で静置するのが望ましい。
(7)Brix値が8~11度未満になったのを確認し、溶液を濾過してコンブチャを得る。
【0015】
本発明の海藻を原材料とするコンブチャの製造方法でコンブチャを製造した。実施例1~5はそれぞれアナアオサ、ナガコンブ、トサカノリ、アオサ、生アオノリを原材料とするコンブチャである。比較例は紅茶を原材料として作成したコンブチャである。各コンブチャの成分をガスクロマトグラフィー質量分析法で分析した結果を
図1に示す。表中の各成分の値はガスクロマトグラフィー質量分析法で求めたピーク面積の全体に対する割合(%:百分率)である。各実施例の比較のため各コンブチャの製造過程で用いるSCOBYは同じものを利用している。
ガスクロマトグラフィー質量分析法の条件は以下のとおりである。
・使用機器:QP-2010 Plus (島津製作所)
・カラムサイズ:内径 0.25mm、長さ 30m、膜厚 0.25μm
・昇温条件:50°C(1 分)-8°C/分-280°C(5 分)
・気化室:250°C
・キャリアーガス:ヘリウム
・注入モード:高圧スプリットレス(210kPa、1.5 分)
・キャリアーガス制御:線速度一定 検出器温度:280°C
・メイクアップガス:ヘリウム、30mL/分
・燃料ガス:水素、40mL/分
・助燃ガス:空気、40mL/分
【0016】
海藻を原材料とする実施例1~5の酢酸エチルの成分はそれぞれ18.57%、21.63%、22.64%、16.23%、23.17%であり、比較例の5.62%と比較して酢酸エチルが約3~4倍も含まれていたことがわかった。酢酸エチルはフルーティーな香りを呈する成分である。本発明のコンブチャの製造方法によれば、海藻を原材料とすることで添加物を用いることなく天然の素材によりフルーティーな香りを向上させることができる。
すなわち、本発明の海藻を原材料とするコンブチャは、酢酸エチルのガスクロマトグラフィーで求めたピーク面積の割合が全体の15%以上40%以下であることが望ましい。さらに望ましくは15%以上30%以下である。
【0017】
海藻を原材料とする実施例1~5の酢酸の成分はそれぞれ7.11%、9.46%、21.10%、13.79%、8.44%であり、比較例の72.55%と比較して酢酸が7~9割も削減されている。酢酸の成分を大幅に抑制することができ従来例と比較して鼻につく酸味を抑えることができる。その結果、酢酸エチルのフルーティーな香りがさらに強調されより豊かな味わいをもつコンブチャを提供することができる。
すなわち、本発明の海藻を原材料とするコンブチャは、酢酸のガスクロマトグラフィー質量分析法で求めたピーク面積の割合が全体の3%~30%であることが望ましい。
【0018】
また、本発明の海藻を原材料とするコンブチャは、海藻由来の成分であり磯の香りを呈するジメチルスルファイドのガスクロマトグラフィー質量分析法で求めたピーク面積の割合が全体の0.05%以上であることが望ましい。より好ましくは0.10%以上であり、さらには0.15%以上である。ジメチルスルファイドを含有することで製造されたコンブチャが磯の香りを呈すこととなり原材料が海藻であることを想起しやすいコンブチャを提供することができる。ジメチルスルファイドが多すぎると磯の臭いが強すぎると感じる場合は上限を例えば5%以下とするようにする。より好ましくは1%以下でもよい。
【0019】
海藻は色あざやかなさまざまな光合成色素を有している。例えば、フィコシアニン(青色)、クロロフィルa(深緑色) 、クロロフィルb(緑色) 、クロロフィルc(薄緑色) 、βカロテン(黄色)、シホナキサンチン(黄色)、シホネイン(褐色)、フコキサンチン(オリーブ色)、フィコエリスリン(赤ピンク色)である。カッコ内はその色素を有する水溶液の色である。例えば、海藻の緑藻にはクロロフィルa・クロロフィルb ・βカロテン、海藻の紅藻にはクロロフィルa・フィコエリスリン・フィコシアニン・βカロテン、海藻の褐藻にはクロロフィルa、クロロフィルc 及び又はフコキサンチンといった光合成色素が主に含まれている(非特許文献4)。
本発明のコンブチャの製造方法では海藻がもつ上述のさまざまな光合成色素がコンブチャの製造過程において抽出されコンブチャの色がこれらの色素に応じた鮮やかな色を呈するようになる。
複数の光合成色素をもつ海藻においてコンブチャにどの光合成色素が反映されるかは海藻や光合成色素に応じて異なる。例えば、紅藻類のオゴノリはクロロフィルaとフィコエリスリンを有するが熱処理や酸処理によりフィコエリスリンが先に壊れるとクロロフィルaの深緑色が露呈する。一方同じ紅藻類のトサカノリはオゴノリに比べフィコエリスリンの量が多いので赤ピンク色を呈する。
また、クロロフィルが部分分解しフェオ色素に変化し茶系の色を呈するなど上記の海藻由来の光合成色素がコンブチャ製造過程において他の色素に変化していてもよい。
【0020】
図2は本発明の実施例でありトサカノリを原材料とするコンブチャの写真である。このコンブチャにはトサカノリに由来する光合成色素フィコエリスリンが含まれているため鮮やかな赤ピンク色を呈している。
本発明のコンブチャの製造方法によれば着色料などの添加物をいっさい用いることなく原材料の海藻に由来する光合成色素を含有するコンブチャを提供することができる。すなわち原材料の海藻を適宜選択することでさまざまな色合いをもつコンブチャを提供することができる。
【0021】
本発明のコンブチャの製造方法では、コンブチャには海藻由来の光合成色素であるフィコシアニン、クロロフィルa、クロロフィルb 、クロロフィルc、βカロテン、シホナキサンチン、シホネイン、フコキサンチン又はフィコエリスリンのうちいずれか1つ又は2つ以上の光合成色素が含まれていることが望ましい。
また本発明のコンブチャは海藻由来の光合成色素であるフィコシアニン、クロロフィルa、クロロフィルb 、クロロフィルc、βカロテン、シホナキサンチン、シホネイン、フコキサンチン又はフィコエリスリンのうちいずれか1つ又は2つ以上の光合成色素が含まれていることが望ましい。
本発明のコンブチャはこれらの光合成色素が含まれていることにより当該光合成色素に主に起因する色を呈している。
【0022】
コンブチャの原材料として藍藻類(シアノバクテリア)を原材料としてもよい。藍藻類のうち特に光合成色素であるクロロフィルd 又はクロロフィルfのいずれか又は両方が含まれている藍藻類が望ましい。クロロフィルd及びクロロフィルfは主に藍藻類にだけ存在する貴重な光合成色素であり、鮮やかな薄緑色を呈することができる(非特許文献4)。
本発明の藍藻類を原材料とするコンブチャは、藍藻類由来の光合成色素である、クロロフィルd 、クロロフィルfのいずれかが含まれていてその光合成色素に起因する色を主に呈している。
このような藍藻類を原材料とすることで着色料などの添加物をいっさい用いることなくこれまでにない貴重な色合いのコンブチャを提供することができる。
【0023】
今回開示された実施形態は、全ての点において例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。