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特開2024-67564アルミン酸ソーダ含有溶液と、該アルミン酸ソーダ含有溶液から粉末体を製造する方法、またはそのための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067564
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】アルミン酸ソーダ含有溶液と、該アルミン酸ソーダ含有溶液から粉末体を製造する方法、またはそのための装置
(51)【国際特許分類】
   C01F 7/04 20220101AFI20240510BHJP
   C01F 7/141 20220101ALI20240510BHJP
   C01B 3/08 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
C01F7/04
C01F7/141
C01B3/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177748
(22)【出願日】2022-11-07
(71)【出願人】
【識別番号】516047979
【氏名又は名称】山本 泰弘
(71)【出願人】
【識別番号】516047980
【氏名又は名称】高橋 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100080654
【弁理士】
【氏名又は名称】土橋 博司
(72)【発明者】
【氏名】山本 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】高橋 剛
【テーマコード(参考)】
4G076
【Fターム(参考)】
4G076AA10
4G076AA18
4G076AB06
4G076AB08
4G076AB16
4G076BA15
4G076BA26
4G076BA43
4G076BC02
4G076BE11
4G076BH01
4G076CA02
4G076CA14
4G076DA30
(57)【要約】
【課題】
アルミン酸ソーダ含有溶液の製造方法と、水素発生工程と、アルミ酸ソーダ製造後に副産物として、水酸化アルミニウムや混合粉末体の硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、アルミナ、水酸化アルミニウム含有の粉末を製造可能にする一連が関連した製造方法またはその装置を提供する。
【解決手段】
アルミニウムと苛性ソーダ溶液とを圧力容器内で反応させ、得られたアルミン酸ソーダ含有溶液を一次受けタンクから三次受けタンクまで通過させることで、超高純度のアルミン酸ソーダ含有溶液を得るとともに、前記圧力容器内に発生した水素ガスを予備タンク、洗浄タンクおよび貯留タンクにより純度の高い水素を得ることができるようにした。
【選択図】なし

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウムと苛性ソーダ溶液とを反応させて、アルミン酸ソーダ含有容器を製造することを特徴とするアルミン酸ソーダ含有溶液の製造方法。
【請求項2】
アルミニウムと苛性ソーダ溶液とを反応させて、アルミン酸ソーダ含有容器を製造し、さらに水素をも回収することを特徴とするアルミン酸ソーダ含有溶液の製造方法。
【請求項3】
アルミニウムと、苛性ソーダ溶液とを投入する圧力容器と、
前記アルミニウムと、苛性ソーダ溶液との反応がピークに到達した段階で前記反応を強制終了させ、アルミニウムが苛性ソーダ溶液に完全溶解して得られたアルミン酸ソーダ含有溶液を移動させて50度以下まで冷却させるとともに、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる、アルミン酸ソーダ含有溶液の第一次受けタンクと、
前記一次受けタンクから冷却された前記アルミン酸ソーダ含有溶液移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる二次受けタンクと、
前記二次受けタンクから前記アルミン酸ソーダ含有溶液を移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる三次受けタンクと、
前記三次受けタンクにおいて得られたアルミン酸ソーダ含有溶液と同量又はそれ以下の水を添加し、次に希硫酸を添加し、その後全体を攪拌しよく混ぜ合わせ、乾燥させる乾燥装置と、
からなることを特徴とするアルミン酸ソーダ含有溶液と、該アルミン酸ソーダ含有溶液から粉末体を製造する装置。
【請求項4】
アルミニウムと、苛性ソーダ溶液とを投入する圧力容器と、
前記アルミニウムと、苛性ソーダ溶液との反応がピークに到達した段階で前記反応を強制終了させ、アルミニウムが苛性ソーダ溶液に完全溶解して得られたアルミン酸ソーダ含有溶液を移動させて50度以下まで冷却させるとともに、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる、アルミン酸ソーダ含有溶液の第一次受けタンクと、
前記一次受けタンクから冷却された前記アルミン酸ソーダ含有溶液移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる二次受けタンクと、
前記二次受けタンクから前記アルミン酸ソーダ含有溶液を移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる三次受けタンクと、
前記三次受けタンクにおいて得られたアルミン酸ソーダ含有溶液と同量又はそれ以下の水を添加し、次に希硫酸を添加し、その後全体を攪拌しよく混ぜ合わせ、乾燥させる乾燥装置と、
前記圧力装置前から発生した水素ガスのみを移動させ、前記水素ガス中の水分および前記アルミニウムと前記苛性ソーダ溶液との反応液からなる蒸気を回収する予備タンクと、
前記予備タンクから排出された水素ガスを移動させ、予めタンク内の下部3分の1位までの水位として投入された水又はアルコール中に放出する洗浄タンクと、
前記洗浄タンクから排出された水素ガスを移動させる貯留タンクと、
からなることを特徴とするアルミン酸ソーダ含有溶液と、該アルミン酸ソーダ含有溶液から粉末体を製造する方法。
【請求項5】
圧力容器と、
冷却機能を備えた、アルミン酸ソーダ含有溶液の一次受けタンクと、
アルミン酸ソーダ含有溶液の二次受けタンクと、
アルミン酸ソーダ含有溶液の三次受けタンクと、
乾燥装置と、
からなる製造装置を用いたアルミン酸ソーダ含有溶液と、該アルミン酸ソーダ含有溶液から粉末体を製造する方法であって、
前記圧力容器にアルミニウムと、苛性ソーダ溶液とを投入する第1工程と、
前記第1工程を経て、前記アルミニウムと、苛性ソーダ溶液との反応がピークに到達した段階で前記反応を強制終了させる第2工程と、
前記第2工程を経て、アルミニウムが苛性ソーダ溶液に完全溶解して得られたアルミン酸ソーダ含有溶液を前記圧力容器から前記一次受けタンクへ移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液を50度以下まで冷却させるとともに、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる第3工程と、
前記第3工程を経て、冷却された前記アルミン酸ソーダ含有溶液を前記二次受けタンクへ移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる第4工程と、
前記第4工程を経て、さらに前記アルミン酸ソーダ含有溶液を前記三次受けタンクへ移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる第5工程と、
前記第5工程を経て、得られたアルミン酸ソーダ含有溶液と同量又はそれ以下の水を添加し、次に希硫酸を添加し、その後全体を攪拌しよく混ぜ合わせ、前記乾燥装置を用いて乾燥させて粉末体を得る第6工程と、
からなることを特徴とするアルミン酸ソーダ含有溶液と、該アルミン酸ソーダ含有溶液から粉末体を製造する方法。
【請求項6】
圧力容器と、
冷却機能を備えた、アルミン酸ソーダ含有溶液の一次受けタンクと、
アルミン酸ソーダ含有溶液の二次受けタンクと、
アルミン酸ソーダ含有溶液の三次受けタンクと、
乾燥装置と、
発生した水素ガスの予備タンクと、
前記予備タンクと接続された洗浄タンクと、
前記洗浄タンクと接続された貯留タンクと、
からなる製造装置を用いたアルミン酸ソーダ含有溶液と、該アルミン酸ソーダ含有溶液から粉末体を製造する方法であって、
前記圧力容器にアルミニウムと、苛性ソーダ溶液とを投入する第1工程と、
前記第1工程を経て、前記アルミニウムと、苛性ソーダ溶液との反応がピークに到達した段階で前記反応を強制終了させる第2工程と、
前記第2工程を経て、アルミニウムが苛性ソーダ溶液に完全溶解して得られたアルミン酸ソーダ含有溶液を前記圧力容器から前記一次受けタンクへ移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液を50度以下まで冷却させるとともに、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる第3工程と、
前記第3工程を経て、冷却された前記アルミン酸ソーダ含有溶液を前記二次受けタンクへ移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる第4工程と、
前記第4工程を経て、さらに前記アルミン酸ソーダ含有溶液を前記三次受けタンクへ移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる第5工程と、
前記第5工程を経て、得られたアルミン酸ソーダ含有溶液と同量又はそれ以下の水を添加し、次に希硫酸を添加し、その後全体を攪拌しよく混ぜ合わせ、前記乾燥装置を用いて乾燥させて粉末体を得る第6工程と、
前記第1工程を経て、発生した水素ガスのみを前記予備タンクへ移動させ、前記水素ガス中の水分および前記アルミニウムと前記苛性ソーダ溶液との反応液からなる蒸気を回収する第7工程と、
前記第7工程を経て、前記予備タンクから排出された水素ガスを前記洗浄タンクの、予めタンク内の下部3分の1位までの水位として投入された水又はアルコール中に放出する第8工程と、
前記第8工程を経て、前記洗浄タンクから排出された水素ガスを前記貯留タンクへ移動させる第9工程と、
をからなることを特徴とするアルミン酸ソーダ含有溶液と、該アルミン酸ソーダ含有溶液から粉末体を製造する方法。
【請求項7】
前記アルミニウムが、アルミニウム溶解炉からアルミニウム溶解液を特定の型に流し込み、形成し冷めたアルミニウムを押し出して製造されることにより得られるアルミニウム、または、アルミニウム溶解炉からアルミニウム溶解液を円盤状のターンテーブルに垂らし、冷却させて粒状に製造されるにことにより得られるアルミニウム、
のいずれかの製造方法によって得られるものであり、
かつ、前記アルミニウムの形状が、直径2cm以上10cm未満の円盤形状であることを特徴とする請求項3または4に記載のアルミン酸ソーダ含有溶液と、該アルミン酸ソーダ含有溶液から粉末体を製造する装置。
【請求項8】
前記苛性ソーダ溶液が、10重畳%以上31重畳%未満の濃度であり、
かつ、12度以上51度未満の温度である、
ことを特徴とする請求項3または4に記載のアルミン酸ソーダ含有溶液と、該アルミン酸ソーダ含有溶液から粉末体を製造する装置。
【請求項9】
前記アルミニウムが、アルミニウム溶解炉からアルミニウム溶解液を特定の型に流し込み、形成し冷めたアルミニウムを押し出して製造されることにより得られるアルミニウム、または、アルミニウム溶解炉からアルミニウム溶解液を円盤状のターンテーブルに垂らし、冷却させて粒状に製造されるにことにより得られるアルミニウム、
のいずれかの製造方法によって得られるものであり、
かつ、前記アルミニウムの形状が、直径2cm以上10cm未満の円盤形状であることを特徴とする請求項5または6に記載のアルミン酸ソーダ含有溶液と、該アルミン酸ソーダ含有溶液から粉末体を製造する方法。
【請求項10】
前記苛性ソーダ溶液が、10重畳%以上31重畳%未満の濃度であり、
かつ、12度以上51度未満の温度である、
ことを特徴とする請求項5または6に記載のアルミン酸ソーダ含有溶液と、該アルミン酸ソーダ含有溶液から粉末体を製造する方法。
【請求項11】
前記圧力容器は、該圧力容器のタンク内部の上方に網を設けてあり、
前記圧力容器内における反応により生じる沸騰した泡を抑え、沸騰した反応液の液面の上昇を抑えることができるようにしたことを特徴とする請求項3または5に記載のアルミン酸ソーダ含有溶液と、該アルミン酸ソーダ含有溶液から粉末体を製造する方法、またはそのための装置。
【請求項12】
前記圧力容器は、該圧力容器のタンク内部の上方に網を設けてあり、
前記圧力容器内における反応により生じる沸騰した泡を抑え、沸騰した反応液の液面の上昇を抑え、前記泡を消し水素ガスだけが上部に流れ、水素を排出する口から水素ガスだけを排出しやすくすることができるようにしたことを特徴とする請求項4または6に記載のアルミン酸ソーダ含有溶液と、該アルミン酸ソーダ含有溶液から粉末体を製造する方法、またはそのための装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
アルミン酸ソーダ含有溶液の製造方法と、水素発生工程と、アルミ酸ソーダ製造後に副産物として、水酸化アルミニウムや混合粉末体の硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、アルミナ、水酸化アルミニウム含有の粉末を製造可能にする一連が関連した製造方法またはその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、セメントに添加する急結材としてアルミン酸ソーダが知られているが、アルミン酸ソーダの製造方法としては、一般に、アルミナ(Al23)と炭酸ソーダ(Na2CO3)等を混合し、1000~1300℃で焼成して製造する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5-105426号公報
【特許文献2】特開平10-152321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、アルミニウムと苛性ソーダ溶液を接触させると水素が発生することは知られているが、単純にアルミニウムにアルカリ系の液体、代表的には苛性ソーダ溶液を接触させることで水素が発生するものの、アルミニウムの表面だけ反応したり、アルミニウム表面の酸化皮膜の発生が行われ完全にアルミニウムが反応しきれない状態があった。また、反応後の溶液には反応の残渣が残ることが多くあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明では、アルミニウムの反応残渣がなく、反応に使用する苛性ソーダ溶液が反応後に透明で完全に反応後のアルミニウムが水酸化アルミニウムとして溶液中に溶解しアルミン酸ソーダ含有溶液として成り立つ製造工程を特徴とするものである。
また、本発明は、アルミニウムと苛性ソーダを接触させて水素を発生させる工程とその後の溶液がアルミン酸ソーダ含有溶液である工程を有するが、一度に大量かつ安全で一定の反応を一定の時間内で行うことを目的とし、アルミニウムの形状や純度、苛性ソーダ溶液の濃度、反応温度、反応を強制的かつ効率よく特定した方法で行う製造工程を有する方法をも特徴とするものである。
【0006】
また、本発明は、アルミニウムと苛性ソーダ溶液とを反応させて、アルミン酸ソーダ含有容器を製造することをも特徴とするものである。
【0007】
また、本発明は、アルミニウムと苛性ソーダ溶液とを反応させて、アルミン酸ソーダ含有容器を製造し、さらに水素をも回収することをも特徴とするものである。
【0008】
また、本発明は、アルミニウムと、苛性ソーダ溶液とを投入する圧力容器と、前記アルミニウムと、苛性ソーダ溶液との反応がピークに到達した段階で前記反応を強制終了させ、アルミニウムが苛性ソーダ溶液に完全溶解して得られたアルミン酸ソーダ含有溶液を移動させて50度以下まで冷却させるとともに、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる、アルミン酸ソーダ含有溶液の第一次受けタンクと、前記一次受けタンクから冷却された前記アルミン酸ソーダ含有溶液移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる二次受けタンクと、前記二次受けタンクから前記アルミン酸ソーダ含有溶液を移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる三次受けタンクと、前記三次受けタンクにおいて得られたアルミン酸ソーダ含有溶液と同量又はそれ以下の水を添加し、次に希硫酸を添加し、その後全体を攪拌しよく混ぜ合わせ、乾燥させる乾燥装置と、からなることをも特徴とするものである。
【0009】
また、本発明は、アルミニウムと、苛性ソーダ溶液とを投入する圧力容器と、前記アルミニウムと、苛性ソーダ溶液との反応がピークに到達した段階で前記反応を強制終了させ、アルミニウムが苛性ソーダ溶液に完全溶解して得られたアルミン酸ソーダ含有溶液を移動させて50度以下まで冷却させるとともに、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる、アルミン酸ソーダ含有溶液の第一次受けタンクと、前記一次受けタンクから冷却された前記アルミン酸ソーダ含有溶液移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる二次受けタンクと、前記二次受けタンクから前記アルミン酸ソーダ含有溶液を移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる三次受けタンクと、前記三次受けタンクにおいて得られたアルミン酸ソーダ含有溶液と同量又はそれ以下の水を添加し、次に希硫酸を添加し、その後全体を攪拌しよく混ぜ合わせ、乾燥させる乾燥装置と、前記圧力装置前から発生した水素ガスのみを移動させ、前記水素ガス中の水分および前記アルミニウムと前記苛性ソーダ溶液との反応液からなる蒸気を回収する予備タンクと、前記予備タンクから排出された水素ガスを移動させ、予めタンク内の下部3分の1位までの水位として投入された水又はアルコール中に放出する洗浄タンクと、前記洗浄タンクから排出された水素ガスを移動させる貯留タンクと、からなることをも特徴とするものである。
【0010】
圧力容器と、冷却機能を備えた、アルミン酸ソーダ含有溶液の一次受けタンクと、アルミン酸ソーダ含有溶液の二次受けタンクと、アルミン酸ソーダ含有溶液の三次受けタンクと、乾燥装置と、からなる製造装置を用いたアルミン酸ソーダ含有溶液と、該アルミン酸ソーダ含有溶液から粉末体を製造する方法であって、前記圧力容器にアルミニウムと、苛性ソーダ溶液とを投入する第1工程と、前記第1工程を経て、前記アルミニウムと、苛性ソーダ溶液との反応がピークに到達した段階で前記反応を強制終了させる第2工程と、前記第2工程を経て、アルミニウムが苛性ソーダ溶液に完全溶解して得られたアルミン酸ソーダ含有溶液を前記圧力容器から前記一次受けタンクへ移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液を50度以下まで冷却させるとともに、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる第3工程と、前記第3工程を経て、冷却された前記アルミン酸ソーダ含有溶液を前記二次受けタンクへ移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる第4工程と、前記第4工程を経て、さらに前記アルミン酸ソーダ含有溶液を前記三次受けタンクへ移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる第5工程と、前記第5工程を経て、得られたアルミン酸ソーダ含有溶液と同量又はそれ以下の水を添加し、次に希硫酸を添加し、その後全体を攪拌しよく混ぜ合わせ、前記乾燥装置を用いて乾燥させて粉末体を得る第6工程と、からなることをも特徴とするものである。
【0011】
また、本発明は、圧力容器と、冷却機能を備えた、アルミン酸ソーダ含有溶液の一次受けタンクと、アルミン酸ソーダ含有溶液の二次受けタンクと、アルミン酸ソーダ含有溶液の三次受けタンクと、乾燥装置と、発生した水素ガスの予備タンクと、前記予備タンクと接続された洗浄タンクと、前記洗浄タンクと接続された貯留タンクと、からなる製造装置を用いたアルミン酸ソーダ含有溶液と、該アルミン酸ソーダ含有溶液から粉末体を製造する方法であって、前記圧力容器にアルミニウムと、苛性ソーダ溶液とを投入する第1工程と、前記第1工程を経て、前記アルミニウムと、苛性ソーダ溶液との反応がピークに到達した段階で前記反応を強制終了させる第2工程と、前記第2工程を経て、アルミニウムが苛性ソーダ溶液に完全溶解して得られたアルミン酸ソーダ含有溶液を前記圧力容器から前記一次受けタンクへ移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液を50度以下まで冷却させるとともに、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる第3工程と、前記第3工程を経て、冷却された前記アルミン酸ソーダ含有溶液を前記二次受けタンクへ移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる第4工程と、前記第4工程を経て、さらに前記アルミン酸ソーダ含有溶液を前記三次受けタンクへ移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる第5工程と、前記第5工程を経て、得られたアルミン酸ソーダ含有溶液と同量又はそれ以下の水を添加し、次に希硫酸を添加し、その後全体を攪拌しよく混ぜ合わせ、前記乾燥装置を用いて乾燥させて粉末体を得る第6工程と、前記第1工程を経て、発生した水素ガスのみを前記予備タンクへ移動させ、前記水素ガス中の水分および前記アルミニウムと前記苛性ソーダ溶液との反応液からなる蒸気を回収する第7工程と、前記第7工程を経て、前記予備タンクから排出された水素ガスを前記洗浄タンクの、予めタンク内の下部3分の1位までの水位として投入された水又はアルコール中に放出する第8工程と、前記第8工程を経て、前記洗浄タンクから排出された水素ガスを前記貯留タンクへ移動させる第9工程と、をからなることをも特徴とするものである。
【0012】
また、本発明において、前記アルミニウムが、アルミニウム溶解炉からアルミニウム溶解液を特定の型に流し込み、形成し冷めたアルミニウムを押し出して製造されることにより得られるアルミニウム、または、アルミニウム溶解炉からアルミニウム溶解液を円盤状のターンテーブルに垂らし、冷却させて粒状に製造されるにことにより得られるアルミニウム、のいずれかの製造方法によって得られるものであり、かつ、前記アルミニウムの形状が、直径2cm以上10cm未満の円盤形状であることをも特徴とするものである。
【0013】
また、本発明において、前記苛性ソーダ溶液が、10重畳%以上31重畳%未満の濃度であり、かつ、12度以上51度未満の温度である、ことをも特徴とするものである。
【0014】
また、本発明において、前記圧力容器は、該圧力容器のタンク内部の上方に網を設けてあり、前記圧力容器内における反応により生じる沸騰した泡を抑え、沸騰した反応液の液面の上昇を抑えることができるようにしたことをも特徴とするものである。
【0015】
また、本発明において、前記圧力容器は、該圧力容器のタンク内部の上方に網を設けてあり、前記圧力容器内における反応により生じる沸騰した泡を抑え、沸騰した反応液の液面の上昇を抑え、前記泡を消し水素ガスだけが上部に流れ、水素を排出する口から水素ガスだけを排出しやすくすることができるようにしたことをも特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
上記の発明により奏する特別に顕著な作用効果としては、次のものが挙げられる。
イ)一度に大量に製造ができ、かつ安全で一定の反応を一定の時間内で行うことができる。
ロ)したがって、非常に計画的に目的の製造量を得ることができる。
ハ)アルミニウムの反応残渣をなくすことができ、超高純度のアルミン酸ソーダ含有溶液を得ることができる。
ニ)アルミン酸ソーダ含有溶液の製造工程において、大量の水素をも得ることができる。
ホ)反応タンクの内部には沸騰した液体と水素ガスが同時に水素を排出する口から放出しないような仕組みを用いているおり、タンク内部の上方に網を設けて設置することで、沸騰した泡が抑えられ沸騰した反応液の液面の上昇を抑える効果と、泡を消し水素ガスだけが上部流れ、水素を排出する口から水素ガスだけを排出しやすくする効果を得ることができる。
ヘ)反応タンク内部の底部には三角錐型、コーン型ともいう形のパンチング加工を施した網も設置されるており、高さを持つ三角錐の網があることでアルミニウムの塊化を防ぎアルミニウムが分散され反応の妨げをなくすことができ、加えて未反応の残渣アルミニウムが、反応工程を終了させて反応液を排出する際に未反応の残渣アルミニウムを液と一緒に排出することを防ぐ効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】アルミニウムと苛性ソーダ溶液とを圧力容器に投入した際の、反応温度を表したグラフである。
図2】圧力容器(反応タンク)の概略全体図である。
図3】圧力容器(反応タンク)のタンク内の上部に設置された網の概略図である。
図4】圧力容器(反応タンク)のタンク内の下部に設置されたコーン形網の概略図である。
図5】水素ガスの予備タンクの概略図である。
図6】水素ガスの洗浄タンクの概略図である。
図7】得られた粉末体を水に溶かしイオン濃度を測定した測定結果である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
上述のとおり、アルミニウムと苛性ソーダ溶液を接触させると水素が発生することは知られており、本発明では、アルミニウムと苛性ソーダを接触させて水素を発生させる工程とその後の溶液がアルミン酸ソーダ含有溶液である工程を有するが、一度に大量かつ安全で一定の反応を一定の時間内で行うことを目的とし、アルミニウムの形状や純度、苛性ソーダ溶液の濃度、反応温度、反応を強制的かつ効率よく特定した方法で行う製造工程を有する方法である。
【0019】
また、アルミニウムと苛性ソーダ溶液を接触させると水素が発生することは知られているが、単純にアルミニウムにアルカリ系の液体、代表的には苛性ソーダ溶液を接触させることで水素が発生するが、アルミニウムの表面だけ反応したり、アルミニウム表面の酸化皮膜の発生が行われ完全にアルミニウムが反応しきれない状態があり、また、反応後の溶液には反応の残渣が残ることが多くあることを解決する方法である。
【0020】
本発明では、アルミニウムの反応残渣がなく、反応に使用する苛性ソーダ溶液が反応後に透明で完全に反応後のアルミニウムが水酸化アルミニウムとして溶液中に溶解しアルミン酸ソーダ含有溶液として成り立つ製造工程である。
【0021】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0022】
本発明では、アルミニムの純度が95%から99.8%前後のものを使用する。当然、純度100%未満の物質については水酸化アルミニウム以外の酸化物として存在する。
【0023】
本発明の苛性ソーダ溶液は、濃度が10%以上31%未満の濃度を使用する。
【0024】
使用するアルミニウムの形状とショット粒と言われ直径2cm以上10cm未満のおはじき型、所謂、丸型を押し潰したような形状を使用する。
また、使用するアルミニウムの製造方法は、一般にアルミニウム溶解炉からアルミニウム溶解液を特定の型に流し込み、形成し冷めたアルミニウムを押し出して製造するものか、アルミニウム溶解炉からアルミニウム溶解液を円盤状のターンテーブルに垂らし、冷却させ粒状のものを製作する製造方法のものである。
【0025】
使用する前記苛性ソーダ溶液は、段落0023に記載したが、その濃度を作成する方法として48%濃度の苛性ソーダ水溶液と水と混合し使用する。
【0026】
前記段落0023の苛性ソーダ溶液の濃度未満では、アルミニウムの反応が酸化皮膜の形成により完全反応せず沈殿物や未反応アルミニウムの残渣が残ることになる。さらには水酸化アルミニウムが完全に溶液中に溶解せず液中に反応後すぐに析出し沈殿物として酸化物である水酸化あるニウムがたまり、アルミン酸ソーダ含有溶液としての利用を困難にする結果になってしまう。
また、前記段落0023の苛性ソーダ溶液の濃度以上では、反応速度が早く、尚且つ反応温度の上昇が一時的に高くなるためにアルミニウムの酸化反応に支障が出る。よって完全に反応後に溶解せずアルミ酸ソーダとしての利用を阻害する製造工程になってしまう。
【0027】
前記段落0024の使用するアルミニウムの形状が異なる場合、例えばアルミニウムのワイヤーをカットしたものなどは、そのアルミニウムの硬度と密度が異なり反応が別の状態になる。
例えば、前記段落0024のアルミニウムを使用した際は一定の時間内で反応し前記段落0023の苛性ソーダ溶液に完全に溶解する。
前記段落0026のような残渣も出ない。しかしながら前記した前記段落0024以外のアルミニウムでは、水酸化アルミニウムが完全に溶液中に溶解せず液中に反応後すぐに析出し沈殿物として酸化物である水酸化あるニウムがたまり、アルミン酸ソーダ含有溶液としての利用を困難にする結果になってしまう。
硬度が前記段落0024以上であり、密度も前記段落0024以上の硬質なアルミニウムは、反応が終わるまでに酸化皮膜が形成されて残渣、未反応物質を残すことになってしまう。
【0028】
前記段落0025の濃度の苛性ソーダ溶液を製作する際は、100%苛性ソーダフレーク又はパウダーを使用して製作すると、本発明の製造の完成には至らない。
前記段落0023の濃度も重要だが前記段落0025以外の製造方法では前記段落0026又は前記段落0027のように水酸化アルミニウムが完全に溶液中に溶解せず液中に反応後すぐに析出し沈殿物として酸化物である水酸化あるニウムがたまり、アルミン酸ソーダ含有溶液としての利用を困難にする結果になってしまう。
【0029】
本発明は、アルミ酸ソーダ液をアルミニウムと苛性ソーダの反応より製造する工程において、水素発生工程も同時に得るものとし、発生する水素も有効活用出来る工程を含むものである。
【0030】
本発明で製造するアルミン酸ソーダ含有溶液の製造工程において発生する水素の工程は圧力容器内にアルミニウムを設置し、その後に苛性ソーダ水溶液を投入する。
苛性ソーダの温度は12度から50度の範囲で投入するのが好ましい。
12度未満だと温度上昇にかかる時間、所謂反応にかかる時間が長くアルミニウムの表面の酸化皮膜の形成を助長させてしまう。
【0031】
本発明の、反応温度を現したグラフを、図1に示す。図1に示す通り、スタートから40分経過した時点から反応温度が高まり、60分を超えたあたりから反応が緩やかに終了しかける収束境界線が分かる。
本発明は、おおよそ1時間でその反応のピークを迎えることで、反応を連続的にバッチ方式で行うことが出来る。これによりアルミン酸ソーダの製造や水素発生における生産物の生産計画を行うことが出来る。
【0032】
本発明でのアルミン酸ソーダ含有溶液を製造する際に同時に得られる水素ガスは、工業的、商業的に実用可能であり、大量の水素ガスを回収し使用する設備を備える製造工程である。
例えば、使用するアルミニウムの数量は3kg程度から500kg以上にも応用出来る。
【0033】
例えばアルミン酸ソーダ含有溶液の製造をするに当たりアルミニウムの使用数量は150kg~300kgを投入して行うと、水素ガスはアルミニウム1kg当たり1,245Lの水素ガスを発生させるので、おおよそ、アルミニウム150kgから186,750L、約186mの水素ガスを発生させられるのである。
【0034】
例えば、圧力容器内にアルミニウム110kg~260kgを設置する、アルカリ溶液として苛性ソーダ48%500L~900Lに水1800L~3100L加えた液を投入する。
【0035】
本発明での製造工程で使用する圧力タンクは圧力が最大で0.8Mps~2Mpsまで耐える圧力容器を用いる。
【0036】
本発明におけるアルミニウムと苛性ソーダの反応は、前記した図で表したように100度又はそれ以上の温度を有する。その温度は80度から180度に達するものとしている。反応液は激しく反応し沸騰状態になる。また、沸騰した反応液は、アルミニウムが反応により分解されて極小な大きさにもなる。
【0037】
本発明は、圧力容器から水素だけを別のタンクへ移行させる製造工程を備える。
【0038】
反応に用いる圧力容器(以下、反応タンクともいう)は、複数のソケット(以下口と明記する)があり、温度計、圧力形、水素排口、酸素と水素を排出する口、沸騰した反応液を回収する口、アルミニウムを投入する口、反応液である苛性ソーダ液を投入する口、反応が終わった後のアルミン酸ソーダ含有溶液を排出する口が設けられている。
さらに、反応タンク内では沸騰した液体と水素ガスが同時に水素を排出する口から放出しないような仕組みを用いる。
【0039】
反応タンクの内部には沸騰した液体と水素ガスが同時に水素を排出する口から放出しないような仕組みを用いている。タンク内部の上方に網を設けて設置する。そうすることで、沸騰した泡が抑えられ沸騰した反応液の液面の上昇を抑える効果と、泡を消し水素ガスだけが上部流れ、水素を排出する口から水素ガスだけを排出しやすくする効果をもたらすものである。
【0040】
図2は、本発明に含まれる各発明において用いられる圧力容器の全体図である。
また、図3は、図2に示す圧力容器のタンク内の上部に設置される網の概略図である。
【0041】
反応タンク内部の底部には三角錐型、コーン型ともいう形のパンチング加工を施した網も設置される。これは、アルミニウムと苛性ソーダの反応が進み、アルミニウムの形状が粒個体の集合体から、極小化し粉体、泥状の状態に変化する。そうなると投入したアルミニウムの塊が出来てしまい、粒状個体から一つの大きな塊化し表面積が変化してしまう。当然、表面と塊化した内部では反応も違うし、内部は反応しにくくなる。酸化皮膜の形成も助長させてしまう。
高さを持つ三角錐の網があることでアルミニウムの塊化を防ぎアルミニウムが分散され反応の妨げをなくすことを可能にする。加えて未反応の残渣アルミニウムが、反応工程を終了させて反応液を排出する際に未反応の残渣アルミニウムを液と一緒に排出することを防ぐ効果もある。
未反応の残渣アルミニウムはタンク内部に残り次回の反応時に完全反応し液中に溶解し消滅する。
【0042】
図4は、前記コーン形網の概略図である。
【0043】
反応工程を終了させるタイミングは、図1に示したグラフを引用すると、反応のピークを過ぎた時に終了する。反応のピークを過ぎても反応をさせてタンク内で放置していくと、ゆっくり反応が下降し温度も下がりアルミニウムの酸化物が析出する。析出してしまうとアルミン酸ソーダ含有溶液の水酸化アルミニウム分も減少するし完全溶解した液にならないので残物の処理も必要になってしまう。反応のピークが折り返し点を超えてピークに到達したら反応を強制終了させることで、アルミニウムが苛性ソーダ液に酸化物として溶解し透明な液体が完成する。
【0044】
排出されたアルミン酸ソーダ含有溶液は反応タンク下部より排出され一次受けタンクへと移動する。
一次受けタンクは、反応で高温になったアルミン酸ソーダ含有溶液を冷却する工程を含む。
液の温度を下げる冷却装置を備える。冷却装置はタンク構造がダブルジャケット式で冷水循環を行うことが出来る。加えて冷却装置としてチラーを設置することも含む。
【0045】
50度以下になったアルミン酸ソーダ含有溶液は、一次受け冷却タンクより、2次タンクへ移動する。
【0046】
アルミン酸ソーダ含有溶液は2次タンクより3次タンクへ移動する。
【0047】
反応後のアルミン酸ソーダを一受け冷却タンク、2次タンク、3次タンクへと移行することにより、僅かな析出する水酸化アルミニウムを沈降させ透明なアルミ酸ソーダ液を有効に回収すると共に析出する水酸化アルミニウムを回収する仕組みを行う。
【0048】
前記段落0027での水素ガスは、反応タンクの水素排出口より水素ガスが次の予備タンクへと移行する。この予備タンクは水素排出口の配管からの延長線にある。予備タンクの存在はアルミニウムと苛性ソーダ溶液とを接触させアルミン酸ソーダ含有溶液を製造する際に発生する水素ガスが水素排出口より配管を通じ予備タンクへと水素ガスが移行する際に水素ガス中の水分や反応液の蒸気を予備タンク内で回収出来ることになる。
【0049】
図5は、前記予備タンクの概略図である。
【0050】
水素ガスは予備タンクを通過し次に洗浄タンクというタンクを通過する。
洗浄タンク内部には水又はアルコールをタンク下部3分の1位までの水位とし予め投入する。
水素ガスは水又はアルコールを潜るようにしてタンク上部より水素ガスを排出する。
洗浄タンクは水素配管としてタンク外側上部よりタンク内側下部へとタンク内に配管を製作したものである。
つまり、予備タンクより排出された水素ガスは、洗浄タンク上部よりタンク内にある配管を通って、予め投入されている水又はアルコールの水位下部より水素ガスが放出され、水又はアルコール中より放出しブクブクと水素ガスはタンク内で上部へ水素ガスは移動する。
タンク内部より水素ガスは外部へ洗浄タンクの水素排出口より放出する。
【0051】
図6は、前記洗浄タンクの概略図である。
【0052】
洗浄タンクを通過した水素ガスは、次に貯留タンクへと移動する。
洗浄タンクの役目は、水素ガス中の水素ガス以外の余分な成分を取り除き、水又はアルコールを潜らせることにより水素ガスの純度を高める効果がある。
もう一つの洗浄タンクの役目は水素の露点が低く静電気の発生による爆縮減少や、水素ガスの使用時に起こり得る事故の一つのスパーク、火災、爆縮減少などから防止する逆火防止機能を併せ持つタンクでもある。
【0053】
本発明により製造したアルミン酸ソーダ含有溶液は、比重1.15~1.5の間のものである。
【0054】
本発明により製造したアルミン酸ソーダ含有溶液は、pH11~pH13のものである。
【0055】
本発明により製造したアルミン酸ソーダ含有溶液と同量又はそれ以下の水を添加し、次に希硫酸を添加する。その後全体を攪拌しよく混ぜ合わせる。
そうすると、中和作用を起こすことから全体がスラリー状になり白い粘土のある液状体に変化する。この時、水を加えず希硫酸だけで行うと、スラリー状のものが固まってしまったり、非常に硬質な粘土状を形成してしまい、次に乾燥粉末にする工程を行うことが困難になってしまう。水の量が少ないと、また同じような固まりや硬質な粘土状物を形成する傾向にある。
しかし、一方で水の量がアルミン酸ソーダ含有溶液の同量以上1.5倍以上だと、スラリー状にならず沈殿物として下部に水酸化アルミニウム含む、硫酸ナトリウムなどが貯まることになる。
【0056】
全体がスラリー状になり析出したものを乾燥機により乾燥させる。
乾燥機とは、棚段乾燥機装置、スプレードライ装置などである。
また、高熱熱した板状の上で焼くような工程も含まれる。
水分が蒸発し乾燥後は粉末体となる。
【0057】
粉末の成分は、次の通りで、その主な代表的なものは硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、アルミナ、水酸化アルミニウムである。
またそれぞれの割合は例えば、硫酸ナトリウム13%~25%、炭酸ナトリウム35%~55%、アルミナ5%~10%、水酸化アルミニウム20%~35%となっている。
【0058】
粉末体を水に溶かしイオン濃度測定の結果を、図7に示す。
【0059】
本発明は、すなわち、次の発明である。
【0060】
アルミニウムと苛性ソーダ溶液とを反応させて、アルミン酸ソーダ含有容器を製造するアルミン酸ソーダ含有溶液の製造方法である。
【0061】
アルミニウムと苛性ソーダ溶液とを反応させて、アルミン酸ソーダ含有容器を製造し、さらに水素をも回収するアルミン酸ソーダ含有溶液の製造方法である。
【0062】
アルミニウムと、苛性ソーダ溶液とを投入する圧力容器と、
前記アルミニウムと、苛性ソーダ溶液との反応がピークに到達した段階で前記反応を強制終了させ、アルミニウムが苛性ソーダ溶液に完全溶解して得られたアルミン酸ソーダ含有溶液を移動させて50度以下まで冷却させるとともに、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる、アルミン酸ソーダ含有溶液の第一次受けタンクと、
前記一次受けタンクから冷却された前記アルミン酸ソーダ含有溶液移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる二次受けタンクと、
前記二次受けタンクから前記アルミン酸ソーダ含有溶液を移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる三次受けタンクと、
前記三次受けタンクにおいて得られたアルミン酸ソーダ含有溶液と同量又はそれ以下の水を添加し、次に希硫酸を添加し、その後全体を攪拌しよく混ぜ合わせ、乾燥させる乾燥装置と、
からなるアルミン酸ソーダ含有溶液と、該アルミン酸ソーダ含有溶液から粉末体を製造する装置である。
【0063】
アルミニウムと、苛性ソーダ溶液とを投入する圧力容器と、
前記アルミニウムと、苛性ソーダ溶液との反応がピークに到達した段階で前記反応を強制終了させ、アルミニウムが苛性ソーダ溶液に完全溶解して得られたアルミン酸ソーダ含有溶液を移動させて50度以下まで冷却させるとともに、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる、アルミン酸ソーダ含有溶液の第一次受けタンクと、
前記一次受けタンクから冷却された前記アルミン酸ソーダ含有溶液移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる二次受けタンクと、
前記二次受けタンクから前記アルミン酸ソーダ含有溶液を移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる三次受けタンクと、
前記三次受けタンクにおいて得られたアルミン酸ソーダ含有溶液と同量又はそれ以下の水を添加し、次に希硫酸を添加し、その後全体を攪拌しよく混ぜ合わせ、乾燥させる乾燥装置と、
前記圧力装置前から発生した水素ガスのみを移動させ、前記水素ガス中の水分および前記アルミニウムと前記苛性ソーダ溶液との反応液からなる蒸気を回収する予備タンクと、
前記予備タンクから排出された水素ガスを移動させ、予めタンク内の下部3分の1位までの水位として投入された水又はアルコール中に放出する洗浄タンクと、
前記洗浄タンクから排出された水素ガスを移動させる貯留タンクと、
からなるアルミン酸ソーダ含有溶液と、該アルミン酸ソーダ含有溶液から粉末体を製造する方法である。
【0064】
圧力容器と、
冷却機能を備えた、アルミン酸ソーダ含有溶液の一次受けタンクと、
アルミン酸ソーダ含有溶液の二次受けタンクと、
アルミン酸ソーダ含有溶液の三次受けタンクと、
乾燥装置と、
からなる製造装置を用いたアルミン酸ソーダ含有溶液と、該アルミン酸ソーダ含有溶液から粉末体を製造する方法であって、
前記圧力容器にアルミニウムと、苛性ソーダ溶液とを投入する第1工程と、
前記第1工程を経て、前記アルミニウムと、苛性ソーダ溶液との反応がピークに到達した段階で前記反応を強制終了させる第2工程と、
前記第2工程を経て、アルミニウムが苛性ソーダ溶液に完全溶解して得られたアルミン酸ソーダ含有溶液を前記圧力容器から前記一次受けタンクへ移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液を50度以下まで冷却させるとともに、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる第3工程と、
前記第3工程を経て、冷却された前記アルミン酸ソーダ含有溶液を前記二次受けタンクへ移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる第4工程と、
前記第4工程を経て、さらに前記アルミン酸ソーダ含有溶液を前記三次受けタンクへ移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる第5工程と、
前記第5工程を経て、得られたアルミン酸ソーダ含有溶液と同量又はそれ以下の水を添加し、次に希硫酸を添加し、その後全体を攪拌しよく混ぜ合わせ、前記乾燥装置を用いて乾燥させて粉末体を得る第6工程と、
からなるアルミン酸ソーダ含有溶液と、該アルミン酸ソーダ含有溶液から粉末体を製造する方法である。
【0065】
圧力容器と、
冷却機能を備えた、アルミン酸ソーダ含有溶液の一次受けタンクと、
アルミン酸ソーダ含有溶液の二次受けタンクと、
アルミン酸ソーダ含有溶液の三次受けタンクと、
乾燥装置と、
発生した水素ガスの予備タンクと、
前記予備タンクと接続された洗浄タンクと、
前記洗浄タンクと接続された貯留タンクと、
からなる製造装置を用いたアルミン酸ソーダ含有溶液と、該アルミン酸ソーダ含有溶液から粉末体を製造する方法であって、
前記圧力容器にアルミニウムと、苛性ソーダ溶液とを投入する第1工程と、
前記第1工程を経て、前記アルミニウムと、苛性ソーダ溶液との反応がピークに到達した段階で前記反応を強制終了させる第2工程と、
前記第2工程を経て、アルミニウムが苛性ソーダ溶液に完全溶解して得られたアルミン酸ソーダ含有溶液を前記圧力容器から前記一次受けタンクへ移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液を50度以下まで冷却させるとともに、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる第3工程と、
前記第3工程を経て、冷却された前記アルミン酸ソーダ含有溶液を前記二次受けタンクへ移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる第4工程と、
前記第4工程を経て、さらに前記アルミン酸ソーダ含有溶液を前記三次受けタンクへ移動させ、前記アルミン酸ソーダ含有溶液に含まれる水酸化アルミニウムを沈降させる第5工程と、
前記第5工程を経て、得られたアルミン酸ソーダ含有溶液と同量又はそれ以下の水を添加し、次に希硫酸を添加し、その後全体を攪拌しよく混ぜ合わせ、前記乾燥装置を用いて乾燥させて粉末体を得る第6工程と、
前記第1工程を経て、発生した水素ガスのみを前記予備タンクへ移動させ、前記水素ガス中の水分および前記アルミニウムと前記苛性ソーダ溶液との反応液からなる蒸気を回収する第7工程と、
前記第7工程を経て、前記予備タンクから排出された水素ガスを前記洗浄タンクの、予めタンク内の下部3分の1位までの水位として投入された水又はアルコール中に放出する第8工程と、
前記第8工程を経て、前記洗浄タンクから排出された水素ガスを前記貯留タンクへ移動させる第9工程と、
をからなるアルミン酸ソーダ含有溶液と、該アルミン酸ソーダ含有溶液から粉末体を製造する方法である。
【0066】
前記アルミニウムが、アルミニウム溶解炉からアルミニウム溶解液を特定の型に流し込み、形成し冷めたアルミニウムを押し出して製造されることにより得られるアルミニウム、または、アルミニウム溶解炉からアルミニウム溶解液を円盤状のターンテーブルに垂らし、冷却させて粒状に製造されるにことにより得られるアルミニウム、
のいずれかの製造方法によって得られるものであり、
かつ、前記アルミニウムの形状が、直径2cm以上10cm未満の円盤形状であるアルミン酸ソーダ含有溶液と、該アルミン酸ソーダ含有溶液から粉末体を製造する装置である。
【0067】
前記苛性ソーダ溶液が、10重畳%以上31重畳%未満の濃度であり、
かつ、12度以上51度未満の温度である、
アルミン酸ソーダ含有溶液と、該アルミン酸ソーダ含有溶液から粉末体を製造する装置である。
【0068】
前記アルミニウムが、アルミニウム溶解炉からアルミニウム溶解液を特定の型に流し込み、形成し冷めたアルミニウムを押し出して製造されることにより得られるアルミニウム、または、アルミニウム溶解炉からアルミニウム溶解液を円盤状のターンテーブルに垂らし、冷却させて粒状に製造されるにことにより得られるアルミニウム、
のいずれかの製造方法によって得られるものであり、
かつ、前記アルミニウムの形状が、直径2cm以上10cm未満の円盤形状であるアルミン酸ソーダ含有溶液と、該アルミン酸ソーダ含有溶液から粉末体を製造する方法である。
【0069】
前記苛性ソーダ溶液が、10重畳%以上31重畳%未満の濃度であり、
かつ、12度以上51度未満の温度である、
アルミン酸ソーダ含有溶液と、該アルミン酸ソーダ含有溶液から粉末体を製造する方法である。
【0070】
そして、上記の発明により奏する特別に顕著な作用効果としては、次のものが挙げられる。
イ)一度に大量に製造ができ、かつ安全で一定の反応を一定の時間内で行うことができる。
ロ)したがって、非常に計画的に目的の製造量を得ることができる。
ハ)アルミニウムの反応残渣をなくすことができ、超高純度のアルミン酸ソーダ含有溶液を得ることができる。
ニ)アルミン酸ソーダ含有溶液の製造工程において、大量の水素をも得ることができる。
ホ)反応タンクの内部には沸騰した液体と水素ガスが同時に水素を排出する口から放出しないような仕組みを用いているおり、タンク内部の上方に網を設けて設置することで、沸騰した泡が抑えられ沸騰した反応液の液面の上昇を抑える効果と、泡を消し水素ガスだけが上部流れ、水素を排出する口から水素ガスだけを排出しやすくする効果を得ることができる。
ヘ)反応タンク内部の底部には三角錐型、コーン型ともいう形のパンチング加工を施した網も設置されるており、高さを持つ三角錐の網があることでアルミニウムの塊化を防ぎアルミニウムが分散され反応の妨げをなくすことができ、加えて未反応の残渣アルミニウムが、反応工程を終了させて反応液を排出する際に未反応の残渣アルミニウムを液と一緒に排出することを防ぐ効果もある。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7