(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067608
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】ヘアトリートメント剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/55 20060101AFI20240510BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20240510BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20240510BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20240510BHJP
A61K 8/89 20060101ALI20240510BHJP
A61K 8/41 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
A61K8/55
A61Q5/12
A61K8/44
A61K8/34
A61K8/89
A61K8/41
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177813
(22)【出願日】2022-11-07
(71)【出願人】
【識別番号】000226437
【氏名又は名称】日光ケミカルズ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】坂田 翔平
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA122
4C083AC022
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC122
4C083AC132
4C083AC172
4C083AC262
4C083AC302
4C083AC422
4C083AC432
4C083AC581
4C083AC582
4C083AC642
4C083AC852
4C083AC901
4C083AC902
4C083AD092
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD352
4C083AD442
4C083AD492
4C083BB11
4C083CC31
4C083CC33
4C083CC39
4C083DD23
4C083EE28
(57)【要約】
【課題】本発明は、長鎖モノアルキルリン酸と塩基性アミノ酸および/または有機塩基、高級アルコール、油脂を配合し、長鎖モノアルキルリン酸と高級アルコールと油脂を特定の割合で配合することで、毛髪すすぎ時および毛髪乾燥後の毛髪のコンディショニング性と毛髪乾燥後のスタイリング性および光沢性を高める効果を有するヘアトリートメント剤を提供することを課題とする。
【解決手段】上記課題を解決するため下記(a)~(d)を必須成分として含み、(d)に対する(a)+(c)の質量比率(a)+(c)/(d)を0.05~1とすることで、優れたコンディショニング性とスタイリング性、光沢性を有する安定なヘアトリートメント剤を得た。
(a)長鎖モノアルキルリン酸
(b)塩基性アミノ酸および/または有機塩基
(c)炭素数14~22の高級アルコール
(d)油脂
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(a)~(d)を必須成分として含み、(d)に対する(a)+(c)の質量比率(a)+(c)/(d)を0.05~1であるヘアトリートメント剤。
(a)長鎖モノアルキルリン酸
(b)塩基性アミノ酸および/または有機塩基
(c)炭素数14~22の高級アルコール
(d)油脂
【請求項2】
成分(d)の配合量が2質量%から60質量%である、請求項1に記載のヘアトリートメント剤。
【請求項3】
成分(d)の配合量が5質量%から30質量%である、請求項1に記載のヘアトリートメント剤。
【請求項4】
成分(d)がシリコーン油であり、25℃における粘度が1mm2/sから1,000mm2/sである、請求項1に記載のヘアトリートメント剤。
【請求項5】
成分(d)がシリコーン油であり、25℃における粘度が1.5mm2/sから100mm2/sである、請求項1に記載のヘアトリートメント剤。
【請求項6】
ヘアトリートメント剤の粘度が10mPa・s以上50,000mPa/s以下である、請求項1から5のいずれか1項に記載のヘアトリートメント剤。
【請求項7】
ヘアトリートメント剤の粘度が20mPa・s以上35,000mPa/s以下である、請求項1から5のいずれか1項に記載のヘアトリートメント剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長鎖モノアルキルリン酸と塩基性アミノ酸および/または有機塩基、高級アルコール、油脂を配合し、長鎖モノアルキルリン酸と高級アルコールと油脂を特定の割合で配合することで、毛髪すすぎ時および毛髪乾燥後の毛髪のコンディショニング性と毛髪乾燥後のスタイリング性および光沢性を高める効果を有するヘアトリートメント剤に関する。
【背景技術】
【0002】
1986年に米国のカリフォルニア州においてProposition 65(Prop 65)が制定され、カリフォルニア州が決定した癌や先天性欠損症またはその他の生殖障害を引き起こす化学物質のリストを公開し、年に1度更新されている。そのリストの中には、約900の化学物質が含まれ、ジエタノールアミンなどのアミンやアクリルアミドなどのアミドが、その化学物質として約70リスト化されている。パーソナルケア市場では、ヘアコンディショナーやヘアトリートメントなどのインバストリートメントにカチオン性界面活性剤が配合されており、そのカチオン性界面活性剤の多くはアミン類に該当する。水や食料などの資源や動植物の生態系などを配慮してモノを消費することを考慮する場合、カチオン性界面活性剤の使用は控えるべきであり、そのほかの界面活性剤を主の界面活性剤として使用して、処方設計することが求められる。
【0003】
近年では、モノアルキルリン酸と塩基性アミノ酸が組み合わせて使用されるようになり、例えば、特開2013-177367号公報には、リン酸セチルとアルギニン、水を含有する化粧料または皮膚外用剤が開示されており、この化粧料は高級アルコールなどによるべたつきが少なく伸びの良いさっぱりとした感触が提供でき、経時安定性に優れていると記載されている。しかし、これらのモノアルキルリン酸と塩基性アミノ酸との組み合わせによって調製される化粧料または皮膚外用剤は、毛髪への感触が十分ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、長鎖モノアルキルリン酸と塩基性アミノ酸および/または有機塩基、高級アルコール、油脂を配合し、長鎖モノアルキルリン酸と高級アルコールと油脂を特定の割合で配合することで、毛髪すすぎ時および毛髪乾燥後の毛髪のコンディショニング性と毛髪乾燥後のスタイリング性および光沢性を高める効果を有するヘアトリートメント剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
長鎖モノアルキルリン酸と塩基性アミノ酸および/または有機塩基、高級アルコール、油脂を組み合わせて使用されたヘアトリートメント剤は、水道水で希釈すると、水に不溶の凝集物を形成し、その凝集物には多量の液状油が含まれ、油脂類を毛髪に効率的に吸着することを見出し、本発明を完成させるに到った。
【0007】
本発明者らは、上記課題を鋭意検討したところ、下記(a)~(d)を必須成分として含み、(d)に対する(a)+(c)の質量比率(a)+(c)/(d)を0.05~1とすることで、優れたコンディショニング性とスタイリング性、光沢性を有する安定なヘアトリートメント剤を得た。
(a)長鎖モノアルキルリン酸
(b)塩基性アミノ酸および/または有機塩基
(c)炭素数14~22の高級アルコール
(d)油脂
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、上記の配合成分と配合比とを有していることから、毛髪すすぎ時及び毛髪乾燥後の保湿感と柔らかさの両立を達成することができる。
【0009】
本発明における成分(a)長鎖モノアルキルリン酸としては、特に限定されないが、例えば、リン酸ベヘニル、オクチルデシルリン酸、オレイルリン酸、リン酸ステアリル、ヘキシルデシルリン酸、セテアリルリン酸、リン酸セチル、リン酸ミリスチル、ラウリルリン酸等が挙げられる。好ましくは、リン酸セチルである。アルキル鎖長を変えた長鎖モノアルキルリン酸を合成することは容易であり、任意に鎖長を変えた長鎖モノアルキルリン酸を合成することができる。これらは、炭素数を問わず、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明のヘアトリートメント剤における、成分(a)の配合量は、0.1~5.0質量%、好ましくは、0.5~1.0質量%である。
【0010】
本発明における成分(b)塩基性アミノ酸および/または有機塩基としては、特に限定されないが、リシン、アルギニン、ヒスチジン、トリプトファン、オルニチン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、アミノメチルプロパンジオール、アミノエチルプロパンジオール、トリスヒドロキシメチルアミノメタン等が挙げられる。好ましくは、塩基性アミノ酸であり、特に好ましくは、アルギニンである。これらは、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明のヘアトリートメント剤における、成分(b)の配合量は、0.05~2.5質量%、好ましくは、0.25~0.5質量%である。
【0011】
本発明における成分(c)高級アルコールとしては、炭素数14以上22以下の炭化水素基を有する一価のアルコールである。例えば、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。好ましくは、ミリスチルアルコール、セタノールである。これらは、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明のヘアトリートメント剤における、成分(c)の配合量は、0.1~10質量%、好ましくは1~10質量%である。
【0012】
本発明における成分(d)油脂としては、特に限定されないが、合成香料やリモネン、リナロール等の香料、ローズ油やラベンダー油等の天然由来の精油、アボカド油(製品名:NIKKOL 精製アボカド油、日光ケミカルズ社製)やホホバ種子油(製品名:NIKKOL ホホバ油 S、日光ケミカルズ社製)等の植物油、パルミチン酸エチルヘキシル(製品名:NIKKOL SG-IOP、日光ケミカルズ社製)やラウリン酸メチルヘプチル(製品名:NIKKOL GS-HML、日光ケミカルズ社製)等のエステル油、スクワラン(製品名:NIKKOL シュガースクワラン、日光ケミカルズ社製)や水添ファルネセン(製品名:NEOSSANCE HEMISQUALANE HF、日光ケミカルズ社製)等の炭化水素油、ジメチコン、トリシロキサン、シクロペンタシロキサン、メチルトリメチコン、ジメチコノール、ジフェニルジメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、アミノプロピルジメチコン、アモジメチコン等のシリコーン油、ミリスチン酸やイソステアリン酸等の脂肪酸等が挙げられる。シア脂(製品名:Star Shea Butter Refined(シアバター))やマンゴー種子脂等の固体または半固体の油脂類は、他の液状油と混合溶解または加温溶解して使用することができる。好ましくは、ジメチコン、ジメチコノールである。これらは、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明のヘアトリートメント剤における、成分(d)の配合量は、2.0~60.0質量%、好ましくは、5.0~30.0質量%である。
【0013】
本発明における成分(d)がシリコーン油であり、その粘度によって毛髪すすぎ時および毛髪乾燥後のコンディショニング性と毛髪乾燥後のスタイリング性および光沢性を調整することができ、25℃における粘度が1mm2/sから1,000mm2/sが好ましく、25℃における粘度が1.5mm2/sから100mm2/sがより好ましい。
【0014】
本発明のヘアトリートメント剤において、成分(d)に対する成分(a)+(c)の質量比率(a)+(c)/(d)を0.05~1とすることで、好ましくは0.1~0.6であり、より好ましくは0.15~0.3である。質量比率(a)+(c)/(d)が0.05を割る場合には、成分(c)の割合が少なくなるため、ヘアトリートメント剤の安定性が劣る。質量比率(a)+(c)/(d)が1を超える場合には、成分(c)の割合が多くなるため、べたつきや指通りが劣る。成分(d)に対する成分(a)+(c)の質量比率(a)+(c)/(d)を0.05~1とすることで、安定かつ毛髪すすぎ時および毛髪乾燥後の感触を向上させることができる。
【0015】
本発明のヘアトリートメント剤は、その粘度によって毛髪への塗布のしやすさを調整することができる。25℃における粘度が10mPa・s以上50,000mPa・s以下であることが好ましく、25℃における粘度が20mPa・s以上35,000mPa・s以下であることがより好ましい。
【0016】
本発明のヘアトリートメント剤は、長鎖モノアルキルリン酸と塩基性アミノ酸および/または有機塩基、高級アルコール、油脂を配合し、長鎖モノアルキルリン酸と高級アルコールと油脂を特定の割合で配合することで、毛髪すすぎ時および毛髪乾燥後の毛髪のコンディショニング性と毛髪乾燥後のスタイリング性および光沢性を高める効果を達成することができる。
【0017】
さらに、本発明のヘアトリートメント剤には、本発明の効果を損なわない範囲において、毛髪化粧料に含まれる汎用性の高い成分を添加することができる。例えば、水添レシチン(製品名:NIKKOL レシノール S-10M PLUS、日光ケミカルズ社製)などのレシチン誘導体、ステアリン酸グリセリル(製品名:NIKKOL MGS-AV、日光ケミカルズ社製)などのグリセリン脂肪酸エステル、イソステアリン酸ポリグリセリル-2(製品名:NIKKOL DGMIS、日光ケミカルズ社製)などのポリグリセリン脂肪酸エステル、イソステアリン酸ソルビタン(製品名:NIKKOL SI-10RV、日光ケミカルズ社製)などのソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート80(製品名:NIKKOL TO-10V、日光ケミカルズ社製)などのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、PEG-30フィトステロール(製品名:NIKKOL BPS-30、日光ケミカルズ社製)などのポリオキシアルキレンステロール、ベヘネスー30(製品名:NIKKOL BB-30、日光ケミカルズ社製)などのポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリンやDPGなどのポリオール類、ポリクオタニウム-10やグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドなどのカチオン性高分子、クエン酸やクエン酸NaなどのpH緩衝剤、安息香酸Naやフェノキシエタノールなどの防腐剤、加水分解タンパク、ペプチド、ビタミン、紫外線吸収剤などを配合することができる。
【0018】
本発明のヘアトリートメント剤の剤形は、特に限定されるものではないが、リンスやコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアマスクなどのインバストリートメントが好ましい。その他に、リキッドトリートメント、多剤式トリートメント、ヘアクリームやヘアミルク、ヘアジェルなどのアウトバストリートメント、ヘアワックスやヘアバターなどのヘアスタイリング剤、染毛剤、縮毛矯正剤などの毛髪化粧料に応用することができる。
【0019】
本発明のヘアトリートメント剤は、多剤式トリートメントとして用いることで、更に効果を高めることができる。昨今の理美容室では、毛髪のコンディショニング性やスタイリング性、光沢性を高めるために、シャンプーとコンディショナーを処理した後に、更にリキッドトリートメントやリンス、コンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアマスクなどのヘアトリートメント剤を段階的に処理する多剤式トリートメントが適用されている。
【0020】
以下に本発明の実施例を挙げて、本発明についてさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下の例において、配合量の記載は特に断りのない限り質量%を意味する。
【実施例0021】
1.試料の調製
表1、2に示される発明品および比較品をそれぞれ調製し、各評価を実施した。
80℃にて、A相にB相を添加して乳化し、ゆっくりと室温で冷却させ、均一になるまで混合し、本発明品及び比較品とした。
成分(a)として、ラウリルリン酸(製品名:NIKKOL ホステン HLP、日光ケミカルズ社製)、リン酸セチル(製品名:NIKKOL ピュアフォスα、日光ケミカルズ社製)、リン酸ステアリル(自社合成品)、リン酸ベヘニル(自社合成品)をそれぞれ用いた。
成分(b)として、アルギニン(製品名:L-アルギニン Cグレード、味の素ヘルシーサプライ社製)、ヒスチジン(製品名:L-ヒスチジン、日本理化学薬品社製)を用いた。
成分(c)として、ミリスチルアルコール(製品名:カルコール 4098、花王社製)、セタノール(製品名:セタノール、高級アルコール工業社製)、セテアリルアルコール(製品名:セトステアリルアルコール、高級アルコール工業社製)をそれぞれ用いた。
成分(d)として、スクワラン(製品名:NIKKOL シュガースクワラン、日光ケミカルズ社製)、水添ファルネセン(製品名:NEOSSANCE HEMISQUALANE HF、日光ケミカルズ社製)、ジメチコン(製品名:KF-96A-6cs、信越化学工業社製)およびジメチコン(製品名:KF-96A-100cs、信越化学工業社製)をそれぞれ用いた。
【0022】
2.物性測定
粘度は25℃における粘度をB型粘度計(製品名:VISCOMETER TVB-10、東機産業社製)を用いて測定し、pHはガラス電極式水素イオン濃度指示計(製品名:PH/ION METER F-72、堀場製作所社製)を用いて直接測定した。
【0023】
3.毛髪表面への油脂の吸着
上記1.で調製した試料2gを用い、毛髪(10g、30cm)に処理し、水道水で十分にすすいだ後、ドライヤーで乾燥させた。成分(d)がシリコーン油の場合においては、それらの毛髪表面を走査型電子顕微鏡(卓上顕微鏡Miniscope TM4000 Plus、日立ハイテク社製)で観察し、エネルギー分散型X線分光計(QUANTAX 75、BRUKER社製)を用いて毛髪表面のSi元素の分布と質量%(mass%)を分析した。各サンプルで処理した毛束から無作為に6本選択し、毛髪1本当たり5ヶ所の領域における元素分析を行った。毛髪表面に吸着したSi元素の平均質量%が1%以上のものを◎、毛髪表面に吸着したSi元素の平均質量%が0.1%以上のものを〇、毛髪表面に吸着したSi元素の平均質量%が0.1%未満のものを×とした。また、成分(d)がシリコーン油以外の元素分析で検出が難しい油脂の場合においては、上記で処理した毛束のまとまり度合いから、Si元素の平均質量%が1%以上の毛髪外観と同様に、毛髪のまとまりが優れるものを◎、Si元素の平均質量%が0.1%以上の毛髪外観と同様に、毛髪のまとまりが適度であるもの〇、Si元素の平均質量%が0.1%未満の毛髪外観と同様に、まとまりがないものを×とした。結果を表1、2に示した。
【0024】
4.使用感評価
上記1.で調製した試料を用い、その使用感を評価した。
専門の官能評価者による評価を行った結果、非常に良好なものを◎、良好なものを〇、良好ではないものを×とした。結果を表1、2に示した。
評価項目:
(1)毛髪すすぎ時の保湿感
(2)毛髪すすぎ時の柔らかさ
(3)毛髪乾燥後の保湿感
(4)毛髪乾燥後の柔らかさ
(5)毛髪乾燥後のまとまり(スタイリング性)
(6)毛髪乾燥後のツヤ(光沢性)
【0025】
5.結果
表1、2より、質量比率(a)+(c)/(d)が0.05~1の範囲において、乳化粒子の状態、使用感の全てにおいて優れた結果を示した。
【0026】
【0027】
【0028】
以下に、本発明の応用例を示す。配合量は質量%である。処方例1~3は、実施例1に記載の方法にて評価を行い、優れた結果を得た。
【0029】
処方例1:リンス
(A)ソルビトール 5.00(質量%)
アルギニン 0.30
クエン酸 0.02
カルボマー 0.20
水 残余
(B)リン酸セチル 0.20
ミリスチルアルコール 1.80
ジメチコン 2.00
(C)フェノキシエタノール 0.50
香料 0.40
調製方法:80℃にて、A相をB相に添加して乳化し、ゆっくりと室温で冷却させ、50℃以下でC相を添加後、均一になるまで混合し、調製終了とする。
粘度:9,250mPa・s
pH:5.88
【0030】
処方例2:ヘアコンディショナー
(A)プロパンジオール 5.00(質量%)
PCA-Na 0.50
ヒスチジン 0.45
クエン酸 0.02
カルボマー 0.20
水 残余
(B)リン酸セチル 0.50
ミリスチルアルコール 5.00
ジメチコン 13.0
ラウリン酸メチルヘプチル 2.00
イソステアリン酸フィトステリル 0.20
(イソステアリン酸/コハク酸)ヒマシ油 0.20
(C)フェノキシエタノール 0.50
香料 0.40
調製方法:80℃にて、A相をB相に添加して乳化し、ゆっくりと室温で冷却させ、50℃以下でC相を添加後、均一になるまで混合し、調製終了とする。
粘度:34,250mPa・s
pH:5.95
【0031】
処方例3:ヘアトリートメント
(A)ソルビトール 5.00(質量%)
キサンタンガム 0.20
加水分解ケラチン 0.10
アルギニン 0.50
クエン酸 0.02
水 残余
(B)リン酸ステアリル 0.50
リン酸セチル 0.50
セタノール 5.00
ジメチコン 10.0
ジメチコノール 5.00
ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10 0.50
セラミド 0.10
シア脂 1.00
(C)フェノキシエタノール 0.50
香料 0.50
調製方法:80℃にて、A相をB相に添加して乳化し、ゆっくりと室温で冷却させ、50℃以下でC相を添加後、均一になるまで混合し、調製終了とする。
粘度:23,300mPa・s
pH:5.87
【0032】
処方例4:ヘアマスク
(A)グリセリン 5.00(質量%)
水添レシチン 0.50
PPG-9ジグリセリル 0.20
アルギニン 0.75
クエン酸 0.02
水 残余
(B)リン酸ベヘニル 0.80
リン酸ステアリル 0.70
セタノール 3.00
ミリスチルアルコール 2.00
ジメチコン 30.0
水添ファルネセン 2.00
ペンタオレイン酸ポリグリセリル-10 0.50
PPG-5フィトステロール 0.50
(C)フェノキシエタノール 0.50
香料 0.60
調製方法:80℃にて、A相をB相に添加して乳化し、ゆっくりと室温で冷却させ、50℃以下でC相を添加後、均一になるまで混合し、調製終了とする。
粘度:15,400mPa・s
pH:5.56
【0033】
処方例5:リキッドトリートメント
(A)PG 60.00(質量%)
エタノール 30.00
アルギニン 0.25
水 残余
(B)リン酸セチル 0.50
ミリスチルアルコール 1.00
イソステアリン酸 1.00
香料 0.50
調製方法:80℃にて、B相をA相に添加し、均一になるまで混合し、調製終了とする。
粘度:29mPa・s
pH:6.01
本発明によれば、長鎖モノアルキルリン酸と塩基性アミノ酸および/または有機塩基、高級アルコール、油脂を配合し、長鎖モノアルキルリン酸と高級アルコールと油脂を特定の割合で配合することで、毛髪すすぎ時および毛髪乾燥後の毛髪のコンディショニング性と毛髪乾燥後のスタイリング性および光沢性を高める効果を有するヘアトリートメント剤への利用が可能である。