IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リンテック株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-シート貼付装置およびシート貼付方法 図1
  • 特開-シート貼付装置およびシート貼付方法 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006763
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】シート貼付装置およびシート貼付方法
(51)【国際特許分類】
   B65C 9/26 20060101AFI20240110BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20240110BHJP
   B65C 1/04 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
B65C9/26
H01L21/68 N
B65C1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107952
(22)【出願日】2022-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120592
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 崇裕
(74)【代理人】
【識別番号】100184712
【弁理士】
【氏名又は名称】扇原 梢伸
(74)【代理人】
【識別番号】100192223
【弁理士】
【氏名又は名称】加久田 典子
(72)【発明者】
【氏名】上道 厚史
【テーマコード(参考)】
3E095
5F131
【Fターム(参考)】
3E095AA01
3E095AA17
3E095BA03
3E095CA01
3E095DA03
3E095DA22
3E095DA42
3E095DA48
3E095DA54
3E095DA90
3E095EA02
3E095EA05
3E095EA24
3E095FA12
5F131AA02
5F131BA32
5F131BA43
5F131BA52
5F131CA70
5F131EC32
5F131EC63
5F131EC64
5F131EC66
5F131EC69
(57)【要約】
【課題】接着シートを貼付する被着体のシート貼付領域に難接着処理が施されていたとしても、折り曲げて貼付した接着シートが当該シート貼付領域から剥がれないようにすることができるシート貼付装置およびシート貼付方法を提供すること。
【解決手段】所定の供給方向SDに沿って供給された接着シートASの当該供給方向SDに沿う一端AS1側および他端AS2側のうち少なくとも一方に、被着体WKの所定の一面WK3からはみ出したはみ出し領域ASHが形成されるように当該接着シートASを一面WK3に貼付し、はみ出し領域ASHを別の面WK1、WK2方向に折り曲げて貼付する貼付手段20を備えたシート貼付装置EAにおいて、被着体WKには、接着シートASが接着し難い難接着処理MTが施されており、接着シートASが貼付される被着体WKのシート貼付領域WKAに施されている難接着処理MTを除去する難接着処理除去手段30をさらに備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の供給方向に沿って供給された接着シートの当該供給方向に沿う一端側および他端側のうち少なくとも一方に、被着体の所定の一面からはみ出したはみ出し領域が形成されるように当該接着シートを前記一面に貼付し、前記はみ出し領域を別の面方向に折り曲げて貼付する貼付手段を備えたシート貼付装置において、
前記被着体には、前記接着シートが接着し難い難接着処理が施されており、
前記接着シートが貼付される前記被着体のシート貼付領域に施されている前記難接着処理を除去する難接着処理除去手段をさらに備えていることを特徴とするシート貼付装置。
【請求項2】
前記難接着処理除去手段は、加熱によって前記難接着処理を除去する加熱手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のシート貼付装置。
【請求項3】
前記被着体は、被着体本体と当該被着体本体に貼付されたシート材とによって構成され、
前記シート材に前記難接着処理が施されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシート貼付装置。
【請求項4】
所定の供給方向に沿って供給された接着シートの当該供給方向に沿う一端側および他端側のうち少なくとも一方に、被着体の所定の一面からはみ出したはみ出し領域が形成されるように当該接着シートを前記一面に貼付し、前記はみ出し領域を別の面方向に折り曲げて貼付する貼付工程を実施するシート貼付方法において、
前記被着体には、前記接着シートが接着し難い難接着処理が施されており、
前記接着シートが貼付される前記被着体のシート貼付領域に施されている前記難接着処理を除去する難接着処理除去工程をさらに実施することを特徴とするシート貼付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート貼付装置およびシート貼付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
接着シートを被着体に貼付するシート貼付装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-30877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたテープ貼り付けシステム1(シート貼付装置)では、保護テープ27(接着シート)を貼付するウェハW(被着体)のシート貼付領域に当該接着シートが接着し難い難接着処理が施されていると、折り曲げて貼付された接着シートが自身の弾性復元力によって当該シート貼付領域から剥がれてしまうというという不都合を発生する。
【0005】
本発明の目的は、接着シートを貼付する被着体のシート貼付領域に難接着処理が施されていたとしても、折り曲げて貼付した接着シートが当該シート貼付領域から剥がれないようにすることができるシート貼付装置およびシート貼付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、接着シートが貼付される被着体のシート貼付領域に施されている難接着処理を除去するので、接着シートを貼付する被着体のシート貼付領域に難接着処理が施されていたとしても、折り曲げて貼付した接着シートが当該シート貼付領域から剥がれないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係るシート貼付装置の説明図および同装置の動作説明図。
図2】シート貼付装置の説明図および同装置の動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、図1(A)に示すY軸と平行な矢印DR方向から観た場合を基準とし、図を指定することなく方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な図1中手前方向で「後」がその逆方向とする。なお、図2(C)は、図1(A)のAA矢視図、図2(D)は、図1(A)のBB矢視図。
【0010】
本発明のシート貼付装置EAは、接着シートASを所定の供給方向SDに沿って供給する供給工程を実施する供給手段10と、供給方向SDに沿って供給された接着シートASの当該供給方向SDに沿う一端AS1側(図2(B)参照)および他端AS2側の両方に、被着体WKの所定の一面としての外周面WK3からはみ出したはみ出し領域ASHが形成されるように当該接着シートASを外周面WK3に貼付し、はみ出し領域ASHを別の面としての一方の面WK1および他方の面WK2方向に折り曲げて貼付する貼付工程を実施する貼付手段20と、接着シートASが貼付される被着体WKのシート貼付領域WKAに施されている難接着処理としてのマット処理MT(各図にジグザグ線で表示)を除去する難接着処理除去工程を実施する難接着処理除去手段30とを備え、被着体WKとシート貼付装置EAとを相対移動させる移動手段40の近傍に配置されている。
なお、本実施形態における被着体WKには、接着シートASが接着し難いマット処理MTが施されている。具体的には、本実施形態の被着体WKは、被着体本体WKMと当該被着体本体WKMに貼付されたシート材WKSとによって構成され、シート材WKSにマット処理MTが施されている。
また、本実施形態の被着体WKは、被着体中心WKCを中心とする円形形状のものが採用されている。
【0011】
供給手段10は、当該供給手段10を構成する各部材を直接的または間接的に支持する支持部材11と、接着シートASが帯状の剥離シートRLに仮着された原反RSを支持する支持ローラ12と、原反RSを案内するガイドローラ13と、剥離縁14Aで剥離シートRLを折り返し、当該剥離シートRLから接着シートASを剥離する剥離手段としての剥離板14と、駆動機器としての回動モータ15Aの図示しない出力軸に支持され、ピンチローラ15Bとで剥離シートRLを挟み込む駆動ローラ15と、図示しない駆動機器の出力軸に支持され、シート貼付装置EAの自動運転が行われている間、ピンチローラ15Bとの間に存在する剥離シートRLに常に所定の張力を付与し、当該剥離シートRLを回収する回収手段としての回収ローラ16と、被着体WKに貼付される接着シートASに張力を付与する張力付与手段17とを備えている。
張力付与手段17は、トルク制御が可能な駆動機器としての回動モータ17Aと、その図示しない出力軸に支持され、ピンチローラ17Bとで原反RSを挟み込む駆動ローラ17Cとを備えている。
【0012】
貼付手段20は、図示しないブラケットに回転可能に支持された押圧部材としての第1、第2、第3、第4押圧ローラ21、22、23、24を備えている。
なお、本実施形態では、第1押圧ローラ21は、図2(A)に示すように、被着体WKの被着体中心WKCが基準位置RPに配置された際、供給手段10から供給された接着シートASを当該被着体WKの外周面WK3に押圧可能な位置に配置されている。また、第2~第4押圧ローラ22~24は、図2(C)~(E)に示すように、それぞれ上下一対とされ、図2(A)に示すように、被着体WKの被着体中心WKCが基準位置RPに配置された際、当該被着体WKの外周面WK3に貼付された接着シートASのはみ出し領域ASHを、それぞれ一方の面WK1方向および他方の面WK2方向に折り曲げ可能な位置に配設されている。本実施形態では、第2~第4押圧ローラ22~24は、Z軸に対してそれぞれ30度、60度、90度基準位置RP方向に傾斜した回転軸を中心に回転するようになっている。
【0013】
難接着処理除去手段30は、加熱によってマット処理MTを除去する加熱手段としての熱風送風機31を備えている。
熱風送風機31は、コイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱機器31Aで加熱された熱風HAを排気口31Bから噴き出す構成となっている。
【0014】
移動手段40は、駆動機器としてのリニアモータ41と、そのスライダ41Aに支持された駆動機器としての回動モータ42と、その出力軸42Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)によって吸着保持が可能な支持面43Aを有する支持テーブル43とを備えている。支持テーブル43は、回動モータ42によってテーブル中心43Cを中心に回転する構成となっている。
【0015】
以上のシート貼付装置EAの動作を説明する。
先ず、図1(A)中実線で示す初期位置に各部材が配置されたシート貼付装置EAに対し、当該シート貼付装置EAの使用者(以下、単に「使用者」という)が同図のように原反RSをセットした後、操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。すると、供給手段10が回動モータ15A、17Aを駆動し、原反RSを繰り出して図1(A)に示すように、先頭の接着シートASの供給方向先端部ASFが剥離板14の剥離縁14Aで所定長さ剥離されると、回動モータ15A、17Aの駆動を停止する。
【0016】
次いで、使用者または多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、図1(A)に示すように、被着体中心WKCがテーブル中心43Cと重なるように、シート材WKS側を下方にして被着体WKを支持面43A上に載置すると、移動手段40が図示しない減圧手段を駆動し、当該支持面43Aでの吸着保持を開始する。その後、移動手段40が回動モータ42を駆動し、上方から見下ろした上面視で反時計回転方向RDに被着体WKを回転させるとともに、難接着処理除去手段30が熱風送風機31を駆動し、図1(D)に示すように、排気口31Bから熱風HAを噴き出す。熱風HAが吹き付けられると、シート材WKSの表面が融化され、図1(C)に示すように、シート貼付領域WKAに及んでいたマット処理MTを構成する凹凸が、図1(D)に示すように均されて平坦化されて除去されていく。
【0017】
次に、シート貼付領域WKA全体からマット処理MTが除去されると、難接着処理除去手段30および移動手段40が熱風送風機31および回動モータ42の駆動を停止する。そして、移動手段40がリニアモータ41を駆動し、支持テーブル43を左方へ移動させて図2(A)に示すように、テーブル中心43C(被着体中心WKC)が基準位置RPと一致すると、リニアモータ41の駆動を停止する。次いで、供給手段10および移動手段40が回動モータ15A、17A、42を駆動し、上面視で反時計回転方向RDに被着体WKを回転させつつ接着シートASを供給する。これにより、接着シートASは、押圧ローラ21によって押圧され、図2(A)、(B)に示すように、はみ出し領域ASHが形成された状態で外周面WK3に貼付された後、図2(C)、(D)、(E)に示すように、第2~第4押圧ローラ22~24によってはみ出し領域ASHが段階的に折り曲げられ、当該はみ出し領域ASHが被着体WKの一方の面WK1側および他方の面WK2側に貼付される。
【0018】
その後、先頭の接着シートASに続く次の接着シートASの供給方向先端部ASFが剥離板14の剥離縁14Aで所定長さ剥離されると、供給手段10が回動モータ15A、17Aの駆動を停止し、原反RSの繰り出しを停止する。次に、先頭の接着シートASの供給方向後端部ASRのはみ出し領域ASHが、第4押圧ローラ24によって被着体WKの一方の面WK1側および他方の面WK2側に貼付され、図2(E)に示すように、一体物UPが形成されると、移動手段40が回動モータ42の駆動を停止する。
【0019】
そして、移動手段40がリニアモータ41を駆動し、支持テーブル43を初期位置に復帰させた後、図示しない減圧手段の駆動を停止し、支持面43Aでの吸着保持を解除する。次いで、使用者または図示しない搬送手段が一体物UPを支持面43A上から取り去り、当該一体物UPをめっき工程やドライエッチング工程等の次工程に搬送し、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0020】
以上のような実施形態によれば、接着シートASが貼付される被着体WKのシート貼付領域WKAに施されているマット処理MTを除去するので、接着シートASを貼付する被着体WKのシート貼付領域WKAにマット処理MTが施されていたとしても、折り曲げて貼付した接着シートASが当該シート貼付領域WKAから剥がれないようにすることができる。
【0021】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、貼付手段は、所定の供給方向に沿って供給された接着シートの当該供給方向に沿う一端側および他端側のうち少なくとも一方に、被着体の所定の一面からはみ出したはみ出し領域が形成されるように当該接着シートを一面に貼付し、はみ出し領域を別の面方向に折り曲げて貼付可能なものであればどんなものでもよく、出願当初の技術常識に照らし合わせてその技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(その他の手段および工程も同じ)。
【0022】
供給手段10は、帯状の剥離シートRLに仮着された帯状の接着シート基材に閉ループ状または短寸幅方向全体の切込が形成されることで、その切込で仕切られた所定の領域が接着シートASとされた原反RSから当該接着シートASを剥離して供給してもよいし、帯状の剥離シートRLに帯状の接着シート基材が仮着された帯状接着シート原反を採用し、当該帯状接着シート原反を繰り出す途中で、接着シート基材に閉ループ状または短寸幅方向全体の切込を切断手段としての切断刃で形成し、その切込で仕切られた所定の領域が接着シートASとされた原反RSから当該接着シートASを剥離して供給してもよいし、帯状の剥離シートRLに帯状の接着シートASが仮着された原反RSから当該帯状の接着シートASを剥離して供給してもよいし、巻回されることなく、例えばファンフォールド折りにされた原反RSから接着シートASを剥離して供給してもよいし、巻回することなく、例えばファンフォールド折りにしたり、シュレッダ等で切り刻んだり、無造作に集積したりして剥離シートRLを回収する回収手段を採用してもよいし、回収手段を採用しなくてもよいし、剥離シートRLに仮着されていない接着シートASを繰り出して供給してもよいし、被着体WKに貼付された接着シートASを所定の長さに切断する切断手段を備えていてもよいし、弾性変形が可能な接着シートASが採用された場合、当該接着シートASを被着体WKに貼付する際、回動モータ17Aを駆動し、駆動ローラ17Cを介して接着シートASから加わるトルクを検知して、当該トルクが所定の値となるようにしながら接着シートASを供給することで、被着体WKに貼付される接着シートASに張力を付与してもよいし、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよく、本発明のシート貼付装置EAに備わっていない場合、他の装置や使用者が所定の供給方向に沿って接着シートASを供給すればよい。
張力付与手段17は、原反RSや接着シートASを摺動可能に把持し、この把持力を調整して被着体WKに貼付される接着シートASに張力を付与したり、トルク制御ができない回動モータ17Aが採用されたりしてもよいし、接着シートASの特性、特質、性質、材質、組成、構成、形状、寸法および重量や、雰囲気の条件、その他の要因等の諸条件を考慮して接着シートASに付与する所定の張力を使用者が任意に決定することができるし、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
なお、上記の実施形態では、張力付与手段17を供給手段10の構成物として説明したが、当該張力付与手段17は、供給手段10の構成物ではなく独立した構成されてもよく、例えば、剥離板14と押圧ローラ21との間に位置し、被着体WKに貼付される接着シートASに張力を付与してもよい。
【0023】
貼付手段20は、所定の供給方向SDに沿って供給された接着シートASの当該供給方向SDに沿う一端AS1側のみに、被着体WKの外周面WK3からはみ出したはみ出し領域ASHが形成されるように当該接着シートASを外周面WK3に貼付し、はみ出し領域ASHを別の面としての一方の面WK1方向に折り曲げて貼付してもよいし、所定の供給方向SDに沿って供給された接着シートASの当該供給方向SDに沿う他端AS2側のみに、被着体WKの外周面WK3からはみ出したはみ出し領域ASHが形成されるように当該接着シートASを外周面WK3に貼付し、はみ出し領域ASHを別の面としての他方の面WK2方向に折り曲げて貼付してもよいし、被着体WKに接着シートASを貼付する際、当該被着体WKを支持テーブル43とで挟み込む押え手段を備えていてもよいし、移動手段40による被着体WKとの相対移動ではなく、例えば、他の装置や図示しない駆動機器等による被着体WKとの相対移動によって、被着体WKに接着シートASを貼付してもよいし、第2~第4押圧ローラ22~24が上下一対でなく、被着体WKの一方の面WK1側のみまたは他方の面WK2側のみに設けられていてもよいし、第2~第4押圧ローラ22~24が、Z軸に対してそれぞれ13度、47度、91度といった角度で基準位置RP方向に傾斜した回転軸を中心に回転するようになっていてもよいし、前記実施形態では、第1~第4押圧ローラ21~24の4体の押圧部材を採用し、接着シートASを4段階で被着体WKに貼付したが、5体以上の押圧部材を採用し、接着シートASを5段階以上で被着体WKに貼付したり、3体以下の押圧部材を採用し、接着シートASを3段階以下で被着体WKに貼付したりしてもよいし、押圧部材として第1~第4押圧ローラ21~24に代えてまたは併用して、ガイド板、回行ベルトまたはエアの吹付け等を採用し、接着シートASを被着体WKに貼付してもよいし、接着シートASの供給方向先端部ASFと供給方向後端部ASRとが重なり合うようにして当該接着シートASを被着体WKに貼付したり、接着シートASの供給方向先端部ASF側の先端縁と、供給方向後端部ASRの後端縁とが接触するように突き合わせ、当該接着シートASを被着体WKに貼付したり、接着シートASの先端縁と後端縁との間に隙間ができるように突き合わせ、当該接着シートASを被着体WKに貼付したりしてもよい。
【0024】
難接着処理除去手段30は、例えば、バーナーやライタ等の火器で焙ることで、難接着処理を融化させて除去したり、熱した金属板や陶器等の押し付け部材を押し付けることで、難接着処理を加熱加圧して除去したり、研削加工や研磨加工等によって難接着処理を削って除去したり、切断加工やスライス加工等によって難接着処理を切断して除去したり、プレス加工や加圧加工によって難接着処理を押し潰して除去したり、エッチング加工によって難接着処理を腐食させて除去したり、溶剤の付与によって難接着処理を溶かして除去したり、洗剤、吸引等の清掃によって難接着処理を洗浄して除去したり、パテや樹脂等の硬化剤によって難接着処理を埋めて除去したりしてもよく、シート貼付領域WKAに施された難接着処理を除去できるものであればどのようなものでもよいし、被着体WKの一方の面WK1におけるシート貼付領域WKA、他方の面WK2におけるシート貼付領域WKAおよび外周面WK3におけるシート貼付領域WKAのうち少なくとも1カ所に施された難接着処理を除去できるものでもよいし、シート貼付領域WKAに施されている難接着処理を全部除去したり、部分的に除去したりしてもよい。
【0025】
移動手段40は、保持面43Aでの吸着保持ができない支持テーブル43が採用されてもよいし、リニアモータ41、回動モータ42および支持テーブル43に代えてまたは併用して、例えば、他の装置や図示しない駆動機器等によって、被着体WKを第1~第4押圧ローラ21~24に対して相対移動させ、接着シートASを被着体WKに貼付してもよいし、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0026】
シート貼付装置EAは、1つまたは複数の被着体WKに1枚の接着シートASを貼付したり、1つまたは複数の被着体WKに複数の接着シートASを貼付したりしてもよいし、被着体WKの一方の面WK1側、他方の面WK2側および外周面WK3側のうち少なくとも1カ所に、金属、硝子、樹脂、他の接着シート等の支持部材を配置したり貼付したりして、接着シートASで当該被着体WKと支持部材とを一体化させてもよいし、被着体WKの一方の面WK1側、他方の面WK2側および外周面WK3側のうち少なくとも1カ所に、支持部材を配置する支持部材配置手段を備えていてもよいし、被着体本体WKMにシート材WKSを貼付するシート材貼付手段を備えていてもよい。
シート貼付装置EAは、接着シートASが所定のエネルギーによって変形が可能なものが採用されてもよく、この場合、例えば、図1(A)中二点鎖線で示すように、接着シートASに所定のエネルギーを付与するエネルギー付与手段50を備えていてもよい。このようなエネルギー付与手段50は、押圧ローラ21に対する接着シートASの貼付方向下流側に設けてもよいし、剥離板14と第1押圧ローラ21との間に設けてもよい。このような構成とすることで、シート貼付装置EAは、はみ出し領域ASHが形成されるようにして接着シートASを外周面WK3に貼付した後、当該はみ出し領域ASHに所定のエネルギーを付与して変形させ、当該はみ出し領域ASHが一方の面WK1方向や他の面WK2方向に折れ曲がった折れ曲がり姿勢とすることができる。この場合、はみ出し領域ASHは、折れ曲がり姿勢の状態から第2~第4押圧ローラ22~24を介して一方の面WK1側や他方の面WK2側に貼付されてもよいし、折れ曲がり姿勢となることで、第2~第4押圧ローラ22~24を介さずに一方の面WK1側や他方の面WK2側に貼付されてもよい。
なお、所定のエネルギーによって変形が可能な接着シートASとしては、紫外線、赤外線、可視光線、音波、X線またはガンマ線等の電磁波や、熱湯や熱風等の熱等を所定のエネルギーとして変形するものや、それ以外のエネルギーによって変形するものでもよい。
また、エネルギー付与手段としては、紫外線、赤外線、可視光線、音波、X線またはガンマ線等の電磁波や、熱湯や熱風等の熱等を付与するものでもよく、接着シートASの特性、特質、性質、材質、組成および構成等を考慮して当該接着シートを変形させることができるものを任意に採用することができる。
所定のエネルギーによって変形が可能な接着シートASは、収縮を伴って変形するものでもよいし、膨張を伴って変形するものでもよいし、収縮も膨張も伴うことなく変形するものでもよい。
【0027】
被着体WKが被着体本体WKMと当該被着体本体WKMに貼付されたシート材WKSとで構成されたものであった場合、当該被着体WKの一方の面WK1側、他方の面WK2側および外周面WK3側のうち少なくとも1カ所にシート材WKSが貼付されていてもよく、被着体WKに複数のシート材WKSが貼付されている場合、それらシート材WKSは、全部または一部が同種のものでもよいし、全部が異種のものでもよい。
被着体WKが、一方の面WK1側、他方の面WK2側および外周面WK3側のうち少なくとも1カ所にシート材WKSが貼付されているものであった場合、被着体本体WKMおよびシート材WKSのうち、少なくとも一方に難接着処理が施されていてもよい。
被着体WKは、シート材WKSが貼付されていない被着体本体WKMのみであってもよく、この場合、被着体WKの一方の面WK1側、他方の面WK2側および外周面WK3側のうち少なくとも1カ所に難接着処理が施されていてもよい。
被着体WKや被着体本体WKMは、一方の面WK1側、他方の面WK2側および外周面WK3側のうち少なくとも一方に、環状または非環状の凸部WK4が形成されていてもよい(図1(B)中付番CCを付した図参照。当図では、被着体WKおよび被着体本体WKMの他方の面WK2側に環状または非環状の凸部WK4が形成されている)。
シート材WKSは、接着剤、静電気または水分等の接着部材によって被着体本体WKMに貼付されていてもよく、それら接着部材は、シート材WKS自身に積層されていたものでもよいし、シート材WKS自身に積層されていなかったものでもよい。
難接着処理は、サンドブラスト加工やサンドペーパ加工等の粗面加工によって形成された粗面処理や、網目加工、ローレット加工、ディンプル加工等の表面加工によって形成された凹凸処理や、オイル付着やパウダー付着等の付着加工によって形成された付着処理等、接着シートが接着し難い処理であればどのような処理でもよく、被着体WKの一方の面WK1側、他方の面WK2側および外周面WK3側のうち少なくとも1カ所に施されていてもよい。
【0028】
上記の実施形態では、所定の一面を外周面WK3としたが、当該一面は、一方の面WK1でもよいし、他方の面WK2でもよく、例えば、当該一面が一方の面WK1であった場合、別の面は、外周面WK3や他方の面WK2でもよい。
シート貼付装置EAは、例えば、被着体WKの一方の面WK1の外縁に沿う外縁を備えた形状(例えば円形状や円環形状)とされた接着シートASが採用されてもよく、この場合、例えば、第1押圧ローラ21で接着シートASを被着体WKの所定の一面としての一方の面WK1に貼付した後、当該一方の面WK1に対して傾斜した1または複数の傾斜ローラ等によって、一方の面WK1からはみ出した接着シートASのはみ出し領域を別の面としての外周面WK3側や、他方の面WK2側に折り曲げて貼付してもよい。
また、例えば、被着体WKの一方の面WK1の外縁に沿う外縁を備えた形状(例えば円形状や円環形状)とされた接着シートASが採用された場合、第1押圧ローラ21の代わりに、駆動機器としての直動モータの出力軸に支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)によって吸着保持が可能な保持部材を採用し、当該保持部材で保持した接着シートASを被着体WKの所定の一面としての一方の面WK1側に貼付した後、当該一方の面WK1に対して傾斜した1または複数の傾斜等によって、一方の面WK1からはみ出した接着シートASのはみ出し領域を別の面としての外周面WK3側や、他方の面WK2側に折り曲げて貼付してもよい。
【0029】
本発明における接着シートAS、シート材WKS、被着体WK、被着体本体WKMおよび支持部材の材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートAS、被着体WK、被着体本体WKM、シート材WKSおよび支持部材は、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、円環形状、楕円環形状、多角環形状、その他の形状等、どのような形状であってもよいし、接着シートASやシート材WKSは、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよく、感熱接着性の接着シートASやシート材WKSが採用された場合は、当該接着シートASやシート材WKSを加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱手段を設けるといった適宜な方法で接着されればよい。また、このような接着シートASやシート材WKSは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層とが積層された2層のもの、基材と接着剤層との間に1または複数の中間層が積層された3層または3層以上のもの、基材の上面に1または複数のカバー層が積層された3層または3層以上のもの、基材、中間層またはカバー層が剥離可能に設けられたもの、接着剤層のみからなる単層の両面接着シート、1または複数の中間層の両最外面に接着剤層が積層された両面接着シート等、どのようなものでもよい。さらに、被着体WK、被着体本体WKMおよび支持部材としては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートASやシート材WKSは、機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意のシート、フィルム、テープ等でもよい。
【0030】
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、2軸または3軸以上の関節を備えた所謂多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等が単体で採用されてもよいし、それら電動機器やアクチュエータ等が直接的又は間接的に組み合わされたものが採用されてもよいし、それら電動機器やアクチュエータ等の出力部に対するトルク制御や速度制御等が可能なものや不能なものが採用されてもよい。
【0031】
前記実施形態において、何らかの物体(以下「物体A」という)および当該物体Aに対して移動する物体(以下「物体B」という)すなわち、相対移動する物体Aおよび物体Bは、移動することのない物体Aに対して物体Bが移動してもよいし、移動することのない物体Bに対して物体Aが移動してもよいし、物体Aおよび物体Bの両方が移動してもよいく、移動によって達成される結果が同じであれば、物体Aおよび物体Bの何れが移動してもよいし、ローラ等の回転部材が採用されている場合、当該回転部材を回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、回転部材の表面や回転部材自体をゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、回転部材の表面や回転部材自体を変形しない部材で構成してもよいし、ローラの代わりに回転するまたは回転しないシャフトやブレード等の他の部材を採用してもよいし、押圧ローラ、押圧板32または押圧ヘッド等の押圧手段や押圧部材または規制部材といった被押圧物を押圧するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、ローラ、丸棒、ブレード材、ブラシ状部材の他、大気やガス等の気体の吹き付けによるものを採用してもよいし、押圧するものをゴム、樹脂、スポンジ等の変形可能な部材で構成してもよいし、金属や硝子等の変形しない部材で構成してもよいし、剥離板や剥離ローラ等の剥離手段や剥離部材といった被剥離物を剥離するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、板状部材、丸棒、ローラ等の部材を採用してもよいし、剥離するものをゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、変形しない部材で構成してもよいし、支持(保持)手段や支持(保持)部材等の被支持部材(被保持部材)を支持(保持)するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持)する構成を採用してもよいし、切断手段や切断部材等の被切断部材を切断または、被切断部材に切込や切断線を形成するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、カッター刃、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等で切断するものを採用したり、適宜な駆動機器を組み合わせたもので切断するものを移動させて切断するようにしたりしてもよい。
【符号の説明】
【0032】
EA…シート貼付装置
20…貼付手段
30…難接着処理除去手段
31…熱風送風機(加熱手段)
AS…接着シート
ASH…はみ出し領域
AS1…一端
AS2…他端
MT…マット処理(難接着処理)
SD…供給方向
WK…被着体
WKA…シート貼付領域
WKM…被着体本体
WKS…シート材
WK1…一方の面(別の面)
WK2…他方の面(別の面)
WK3…外周面(一面)
図1
図2