(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067664
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】ガイドレール吊り治具
(51)【国際特許分類】
B66B 7/02 20060101AFI20240510BHJP
【FI】
B66B7/02 H
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177908
(22)【出願日】2022-11-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 稔
【テーマコード(参考)】
3F305
【Fターム(参考)】
3F305BD01
3F305DA13
3F305DA21
(57)【要約】
【課題】 着脱の時間を短縮できるガイドレール吊り治具を提供する。
【解決手段】 エレベータのガイドレールを吊り上げるためのガイドレール吊り治具であって、ガイドレールは、上下方向に延びる固定板部と、固定板部の幅方向中央から前方へ延びるガイド部と、固定板部の後面の上端に固定される接続部材と、を備え、ガイドレール吊り治具は、ガイド部を前方から覆う第1ブラケットと、固定板部を後方から覆い、且つ接続部材の下端に当接する第2ブラケットと、第1ブラケットの幅方向一方端と第2ブラケットの幅方向一方端を上下方向に沿った軸回りで相対的に回転可能に連結するヒンジ機構と、第1ブラケットの幅方向他方端と第2ブラケットの幅方向他方端を固定する固定機構と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータのガイドレールを吊り上げるためのガイドレール吊り治具であって、
前記ガイドレールは、上下方向に延びる固定板部と、前記固定板部の幅方向中央から前方へ延びるガイド部と、前記固定板部の後面の上端に固定される接続部材と、を備え、
前記ガイドレール吊り治具は、前記ガイド部を前方から覆う第1ブラケットと、前記固定板部を後方から覆い、且つ前記接続部材の下端に当接する第2ブラケットと、前記第1ブラケットの幅方向一方端と前記第2ブラケットの幅方向一方端を上下方向に沿った軸回りで相対的に回転可能に連結するヒンジ機構と、前記第1ブラケットの幅方向他方端と前記第2ブラケットの幅方向他方端を固定する固定機構と、を備える、ガイドレール吊り治具。
【請求項2】
前記ヒンジ機構は、前記第1ブラケットの幅方向一方端に固定される第1円筒部と、前記第1円筒部より上側の位置で前記第2ブラケットの幅方向一方端に固定される第2円筒部と、前記第1円筒部及び前記第2円筒部に挿通されるヒンジピンと、を備え、
前記第1ブラケットは、前記第1円筒部より上側に第1切り欠き部を有し、前記第2ブラケットは、前記第2円筒部より下側に第2切り欠き部を有しており、
前記固定機構により前記第1ブラケットの幅方向他方端と前記第2ブラケットの幅方向他方端が固定された状態において、前記第1切り欠き部と前記第2切り欠き部は、上下方向視で重なる、請求項1に記載のガイドレール吊り治具。
【請求項3】
前記第1円筒部及び前記第2円筒部のうち一方の円筒部は、上下方向に離れて2つ配置され、前記第1円筒部及び前記第2円筒部のうち他方の円筒部は、2つの前記一方の円筒部の間に配置される、請求項2に記載のガイドレール吊り治具。
【請求項4】
前記第2ブラケットは、上下方向の両端部に後方へ突出する補助プレートを備え、
前記第2ブラケットは、前後を入れ替えて使用可能であり、前記第2ブラケットの前後を入れ替えた状態において、前記第1ブラケットは、前記ガイドレールよりも小さな第2のガイドレールのガイド部を前方から覆い、前記補助プレートは、前記第2のガイドレールの固定板部を後方から覆い、且つ前記第2のガイドレールの接続部材の下端に当接可能である、請求項1~3の何れか一項に記載のガイドレール吊り治具。
【請求項5】
前記固定機構は、前記第1ブラケットの幅方向他方端に固定される第3円筒部と、前記第3円筒部より上側の位置で前記第2ブラケットの幅方向他方端に固定される第4円筒部と、前記第3円筒部及び前記第3円筒部に挿通される連結ピンと、を備える、請求項1~3の何れか一項に記載のガイドレール吊り治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ガイドレール吊り治具に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータの昇降路には、底面付近から頂部付近まで、ガイドレールを立設する。ガイドレールは、数メートル単位に分割されている。そのため、通常は数十本、多い場合は百本程度のガイドレールを乗場から昇降路内に取り込み、下から順に吊り上げて据え付ける必要がある。
【0003】
特許文献1には、ガイドレールの周囲を囲い、ガイドレールの背面とガイドレールの背面に設けられた継ぎ目板との段差に引っ掛けて、ガイドレールを吊り上げる治具が開示されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1の治具は、ガイドレールの周囲を囲む2つの部材で構成されており、着脱する度に分解及び組立をする必要があり、時間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、課題は、着脱の時間を短縮できるガイドレール吊り治具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ガイドレール吊り治具は、エレベータのガイドレールを吊り上げるためのガイドレール吊り治具であって、
前記ガイドレールは、上下方向に延びる固定板部と、前記固定板部の幅方向中央から前方へ延びるガイド部と、前記固定板部の後面の上端に固定される接続部材と、を備え、
前記ガイドレール吊り治具は、前記ガイド部を前方から覆う第1ブラケットと、前記固定板部を後方から覆い、且つ前記接続部材の下端に当接する第2ブラケットと、前記第1ブラケットの幅方向一方端と前記第2ブラケットの幅方向一方端を上下方向に沿った軸回りで相対的に回転可能に連結するヒンジ機構と、前記第1ブラケットの幅方向他方端と前記第2ブラケットの幅方向他方端を固定する固定機構と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】同実施形態に係るガイドレール及びガイドレール吊り治具の側面図
【
図5】同実施形態に係るガイドレール吊り治具の平面図
【
図6】同実施形態に係るガイドレール吊り治具の背面図
【
図7C】同実施形態に係る第1ブラケットの右側面図
【
図7D】同実施形態に係る第1ブラケットの左側面図
【
図8C】同実施形態に係る第2ブラケットの右側面図
【
図8D】同実施形態に係る第2ブラケットの左側面図
【
図9】同実施形態に係るガイドレール吊り治具の開閉状態を示す平面図
【
図10】同実施形態に係る第2ブラケットの前後を入れ替えた状態を示す平面図
【
図11】別実施形態に係るガイドレール吊り治具の平面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、エレベータのガイドレール吊り治具における一実施形態について、
図1~
図10を参照しながら説明する。なお、各図において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0010】
また、
図1及び
図2において、第1方向D1は、第1横方向D1であり、第2方向D2は、第1横方向D1と直交する横方向である第2横方向D2であり、第3方向D3は、各横方向D1,D2とそれぞれ直交する上下方向D3である。
【0011】
まず、ガイドレール吊り治具を説明することに先立って、ガイドレールを備えるエレベータについて、
図1及び
図2を参照しながら説明する。なお、エレベータの構成は、以下の構成に限定されない。
【0012】
図1に示すように、エレベータ10は、例えば、人が乗るためのかご10aと、かご10aのかごシーブ10bに巻き掛けられる主ロープ10cと、主ロープ10cが巻き掛けられる錘シーブ10dを有するエレベータ用釣合錘(以下、単に「釣合錘」ともいう)10eと、主ロープ10cを駆動してかご10a及び釣合錘10eを上下方向D3に走行させる巻上機10fと、かご10aの下部と釣合錘10eの下部とにそれぞれ接続される釣合ロープ10gと、を備えている。なお、エレベータ10は、釣合ロープ10gに代えて釣合鎖を備えていてもよい。
【0013】
かごシーブ10bは、かご10aの下部に配置されており、錘シーブ10dは、釣合錘10eの上部に配置されている。そして、主ロープ10cの端部は、それぞれ昇降路X1の上部に固定されている。また、巻上機10fは、昇降路X1の内部に配置されている。
【0014】
本実施形態においては、主ロープ10cがかごシーブ10b及び錘シーブ10dに巻き掛けられることによって、主ロープ10cがかご10a及び釣合錘10eに接続されている、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、主ロープ10cの一端部がかご10aに固定され、主ロープ10cの他端部が釣合錘10eに固定され、巻上機10fが昇降路X1よりも上部の機械室の内部に配置されている、という構成でもよい。
【0015】
かご10a及び釣合錘10eは、上下方向D3に沿って延びるガイドレールに沿って昇降する。
図2に示すように、ガイドレールは、かご10aを案内するために、上下方向D3に沿って延びるかごレール10hと、釣合錘10eを案内するために、上下方向D3に沿って延びる錘レール10iとを備えている。なお、かごレール10hと錘レール10iはすべて略同じ形状のため、以下の説明では、かごレール10hと錘レール10iをまとめてガイドレール9と称する。
【0016】
ガイドレール9は、略T字状断面を有し、上下方向D3に長尺な部材である。ガイドレール9は、
図3に示すように、固定板部91と、固定板部91に突設されるガイド部92と、固定板部91に固定される継ぎ目板93と、を備えている。
【0017】
固定板部91は、上下方向D3に延びており、昇降路X1に固定される。特に限定されないが、固定板部91は、例えば、第4方向D4及び上下方向D3に沿う板状に形成されている。
図3~
図10において、第4方向D4は、水平方向と平行な方向であり、固定板部91の幅方向D4ともいう。なお、第4方向D4のうち、第1側D41は、幅方向第1側D41ともいい、第2側D42は、幅方向第2側D42ともいう。第5方向D5は、上下方向D3及び第4方向D4と直交する方向であり、固定板部91の前後方向D5ともいい、第5方向D5のうち、図における矢印方向を前方向とし、図における矢印方向と反対方向を後方向とする。なお、前後については、説明の便宜上で用いるためであって、実物において、前後が反対になってもよいことは勿論である。
【0018】
ガイド部92は、固定板部91の幅方向D4中央から前方へ延びている。ガイド部92は、例えば、前後方向D5及び上下方向D3に沿う板状に形成されている。ガイド部92は、かご10aや釣合錘10eに取り付けられたガイドローラ又はガイドシューをガイドする。
【0019】
継ぎ目板93は、固定板部91の後面の上端に固定されている。継ぎ目板93は、2本のガイドレール9の後面同士を接続するための略矩形状の板である。継ぎ目板93は、固定板部91にボルト94及びナット95(
図4を参照)によって固定される。
【0020】
次に、本実施形態に係るガイドレール吊り治具1について、
図4~
図10を参照しながら説明する。
【0021】
ガイドレール吊り治具1は、
図4~
図6に示すように、ガイド部92を前方から覆う第1ブラケット2と、固定板部91を後方から覆う第2ブラケット3と、第1ブラケット2の幅方向第1側D41端と第2ブラケット3の幅方向第1側D41端を相対的に回転可能に連結するヒンジ機構4と、第1ブラケット2の幅方向第2側D42端と第2ブラケット3の幅方向第2側D42端を固定する固定機構5と、を備えている。
【0022】
第1ブラケット2は、
図7A~
図7Dに示すように、曲げ加工した2枚の長尺板材21,22を備えていてもよい。長尺板材21,22は、前後方向D5に延びる前板部21a,22aと、前板部21a,22aの後端から前後方向D5に対して傾斜する方向に延びる斜め板部21b,22bと、斜め板部21b,22bの後端から後方へ延びる後板部21c,22cと、を備えていてもよい。
【0023】
前板部21a,22aは、互いに溶接等で固定されている。これにより、長尺板材21,22は、一体として第1ブラケット2を構成する。また、前板部21a,22aには、フック等が係止される吊り穴21d,22dが形成されている。
【0024】
斜め板部21b,22bは、後方へいくにつれて互いに離れるように延びている。ガイドレール吊り治具1の使用状態において、
図5に示すように、斜め板部21b,22bの前端部は、ガイドレール9のガイド部92の頂面に近接する。
【0025】
後板部21c,22cは、前後方向D5に延びている。後板部21c,22cは、略平行に配置されている。後板部21cの後端の外側面には、第1円筒部23が溶接等で固定されている。第1円筒部23は、後板部21cの上下方向D3の中央に一つ配置されている。また、後板部22cの後端の外側面には、第3円筒部24が溶接等で固定されている。第3円筒部24は、後板部22cの上下方向D3の両端にそれぞれ一つずつ配置されている。
【0026】
後板部21cは、第1円筒部23の上下に第1切り欠き部21eを有していてもよい。第1切り欠き部21eは、第1円筒部23の上端及び下端から上下に少し離れて形成された、後板部21cの後端から前方へ凹む矩形状の切り欠きである。
【0027】
後板部22cは、第3円筒部24の間に第3切り欠き部22eを有していてもよい。第3切り欠き部22eは、第3円筒部24の上端及び下端から上下に少し離れて形成された、後板部22cの後端から前方へ凹む矩形状の切り欠きである。
【0028】
第2ブラケット3は、
図8A~
図8Dに示すように、略矩形板状の本体プレート30を備えていてもよい。本体プレート30の幅方向第1側D41の側端30aには、第2円筒部31が溶接等で固定されている。第2円筒部31は、本体プレート30の上下方向D3の両端にそれぞれ一つずつ配置されている。2つの第2円筒部31は、
図6に示すように、第1円筒部23と上下方向D3に異なる位置に配置され、第1円筒部23を上下方向D3から挟み込んでいる。第2円筒部31の内径は、第1円筒部23の内径と略同じとなっている。
【0029】
また、本体プレート30の幅方向第2側D42の側端30bには、第4円筒部32が溶接等で固定されている。第4円筒部32は、本体プレート30の上下方向D3の中央に一つ配置されている。第4円筒部32は、
図6に示すように、第3円筒部24と上下方向D3に異なる位置に配置され、2つの第3円筒部24に上下方向D3から挟み込まれている。第4円筒部32の内径は、第3円筒部24の内径と略同じとなっている。
【0030】
本体プレート30は、第2円筒部31の間に第2切り欠き部30eを有していてもよい。第2切り欠き部30eは、第2円筒部31の上端及び下端から上下に少し離れて形成された、本体プレート30の側端30aから幅方向第2側D42へ凹む矩形状の切り欠きである。第2切り欠き部30eは、
図5に示すように、上下方向D3視において、第1切り欠き部21eと重なっていてもよい。すなわち、本体プレート30は、上下方向D3視において、第1ブラケット2の後板部21cと一部が重なっていてもよい。
【0031】
本体プレート30は、第4円筒部32の上下に第4切り欠き部30fを有していてもよい。第4切り欠き部30fは、第4円筒部32の上端及び下端から上下に少し離れて形成された、本体プレート30の側端30bから幅方向第1側D41へ凹む矩形状の切り欠きである。第4切り欠き部30fは、
図5に示すように、上下方向D3視において、第3切り欠き部22eと重なっていてもよい。すなわち、本体プレート30は、上下方向D3視において、第1ブラケット2の後板部22cと一部が重なっていてもよい。
【0032】
また、第2ブラケット3は、上下方向D3の両端部に後方へ突出する補助プレート33,33を備えていてもよい。補助プレート33,33は、本体プレート30の上端縁30c及び下端縁30dに溶接等で固定されている。
【0033】
補助プレート33は、略矩形板状に形成されている。補助プレート33は、凹部33aを有していてもよい。凹部33aの幅w(
図8Aを参照)は、後述する比較的小さなサイズのガイドレール9Aの固定板部91Aの幅より少し大きくなっている。
【0034】
ヒンジ機構4は、
図6に示すように、第1ブラケット2に固定される第1円筒部23と、第2ブラケット3に固定される第2円筒部31と、第1円筒部23及び第2円筒部31に挿通されるヒンジピン41と、を備える。ヒンジ機構4は、第1ブラケット2と第2ブラケット3を上下方向D3に沿った軸4c回りで相対的に回転可能に連結する。ここで、軸4cは、ヒンジピン41の中心軸である。ヒンジピン41は、抜け止め用のスナップピン41aを備えていてもよい。なお、ヒンジピン41は、ボールロックピンであってもよい。
【0035】
ガイドレール吊り治具1は、ヒンジ機構4によって、
図9に示すように、第1ブラケット2と第2ブラケット3がガイドレール9の周囲を囲む閉状態と、第1ブラケット2と第2ブラケット3が軸4c回りで相対的に回転して、第1ブラケット2の幅方向第2側D42端と第2ブラケット3の幅方向第2側D42端とが離れた開状態(開状態での第2ブラケット3を二点鎖線で示している)と、に姿勢変更可能である。
【0036】
固定機構5は、
図6に示すように、第1ブラケット2に固定される第3円筒部24と、第2ブラケット3に固定される第4円筒部32と、第3円筒部24及び第4円筒部32に挿通される連結ピン51と、を備える。固定機構5は、第1ブラケット2と第2ブラケット3を閉状態で固定することができる。連結ピン51は、ボールロックピンであってもよい。また、連結ピン51は、取り外しを容易とするためのリング51aを備えていてもよい。
【0037】
なお、第3円筒部24と第4円筒部32をヒンジ機構4の一部とし、第1円筒部23と第2円筒部31を固定機構5の一部として使用してもよい。これにより、周囲のスペースや作業者の利き手によって、ガイドレール吊り治具1の左右何れか側を開閉するか選択することができる。
【0038】
次に、ガイドレール吊り治具1の使用方法について説明する。
【0039】
ガイドレール吊り治具1をガイドレール9に取り付ける場合、開状態としたガイドレール吊り治具1をガイドレール9に側方から嵌める。ガイドレール吊り治具1は、ガイドレール9の継ぎ目板93よりも下方に配置される。その後、ガイドレール吊り治具1を閉状態とし、連結ピン51を挿して固定する。
【0040】
閉状態のガイドレール吊り治具1は、吊り穴21d,22dを介して揚重装置で吊り上げられると、上側の補助プレート33の上面が継ぎ目板93の下面に当接する。これにより、ガイドレール9は、継ぎ目板93の下面を第2ブラケット3により支持されながら吊り上げられる。このとき、第1ブラケット2は、ガイド部92を前方から覆い、且つ第2ブラケット3の本体プレート30は、固定板部91を後方から覆うことで、ガイドレール吊り治具1がガイドレール9の周囲を取り囲むため、ガイドレール9は、ガイドレール吊り治具1から抜けることはない。なお、第1ブラケット2は、
図5及び
図9に示すように、ガイド部92の頂面との間に隙間があってもよく、ガイド部92の頂面と接触していてもよい。同様に、第2ブラケット3の本体プレート30の前面は、固定板部91の後面との間に隙間があってもよく、固定板部91の後面と接触していてもよい。
【0041】
ガイドレール吊り治具1をガイドレール9から取り外す場合、連結ピン51を抜いて開状態とすることで、第1ブラケット2の幅方向第2側D42端と第2ブラケット3の幅方向第2側D42端の隙間にガイドレール9を通して、ガイドレール吊り治具1を容易に取り外すことができる。なお、ガイドレール吊り治具1をガイドレール9から取り外す際、連結ピン51を抜く前に、ガイドレール吊り治具1を自重で作業者の手の届く高さまで滑り落としてもよい。
【0042】
以上のように、ガイドレール吊り治具1は、第1ブラケット2と第2ブラケット3がヒンジ機構4で一体となっているため、着脱する度に分解及び組立をする必要がなく、着脱の時間を短縮できる。
【0043】
図10は、ガイドレール9よりも小さいガイドレール9Aにガイドレール吊り治具1を取り付けた状態を示す。第2ブラケット3は、前後を入れ替えて使用可能である。具体的には、
図9に示す状態から第2ブラケット3を前後方向D5に180度回転させることで、
図10に示すように、補助プレート33が前方へ突出した状態として第2ブラケット3を使用することができる。このとき、閉状態のガイドレール吊り治具1は、揚重装置で吊り上げられると、上側の補助プレート33の上面が継ぎ目板93Aの下面に当接する。これにより、ガイドレール9は、継ぎ目板93Aの下面を第2ブラケット3により支持されながら吊り上げられる。このとき、第1ブラケット2は、ガイド部92Aを前方から覆い、且つ上下の補助プレート33は、固定板部91Aを後方から覆うことで、ガイドレール吊り治具1がガイドレール9Aの周囲を取り囲むため、ガイドレール9Aは、ガイドレール吊り治具1から抜けることはない。また、補助プレート33は、凹部33aを有するため、ガイドレール9Aが幅方向D4へ移動することを抑制できる。
【0044】
[1]
以上より、ガイドレール吊り治具1は、本実施形態のように、エレベータ10のガイドレール9を吊り上げるためのガイドレール吊り治具1であって、前記ガイドレール9は、上下方向D3に延びる固定板部91と、前記固定板部91の幅方向D4中央から前方へ延びるガイド部92と、前記固定板部91の後面の上端に固定される接続部材(本実施形態においては、継ぎ目板)93と、を備え、前記ガイドレール吊り治具1は、前記ガイド部92を前方から覆う第1ブラケット2と、前記固定板部91を後方から覆い、且つ前記接続部材(本実施形態においては、継ぎ目板)93の下端(本実施形態においては、下面)に当接する第2ブラケット3と、前記第1ブラケット2の幅方向一方端(本実施形態においては、幅方向第1側D41端)と前記第2ブラケット3の幅方向一方端を上下方向D3に沿った軸4c回りで相対的に回転可能に連結するヒンジ機構4と、前記第1ブラケット2の幅方向他方端(本実施形態においては、幅方向第2側D42端)と前記第2ブラケット3の幅方向他方端を固定する固定機構5と、を備える、という構成が好ましい。
【0045】
斯かる構成によれば、第1ブラケット2と第2ブラケット3がヒンジ機構4で一体となっているため、着脱する度に分解及び組立をする必要がなく、着脱の時間を短縮できる。
【0046】
[2]
また、上記[1]のガイドレール吊り治具1においては、本実施形態のように、前記ヒンジ機構4は、前記第1ブラケット2の幅方向一方端(本実施形態においては、幅方向第1側D41端)に固定される第1円筒部23と、前記第1円筒部23より上側の位置で前記第2ブラケット3の幅方向一方端に固定される第2円筒部(本実施形態においては、上側の第2円筒部)31と、前記第1円筒部23及び前記第2円筒部31に挿通されるヒンジピン41と、を備え、前記第1ブラケット2は、前記第1円筒部23より上側に第1切り欠き部21eを有し、前記第2ブラケット3は、前記第2円筒部(本実施形態においては、上側の第2円筒部)31より下側に第2切り欠き部30eを有しており、前記固定機構5により前記第1ブラケット2の幅方向他方端(本実施形態においては、幅方向第2側D42端)と前記第2ブラケット3の幅方向他方端が固定された状態において、前記第1切り欠き部21eと前記第2切り欠き部30eは、上下方向D3視で重なる、という構成が好ましい。
【0047】
斯かる構成によれば、ガイドレール9を吊り上げる際、第1ブラケット2の第1切り欠き部21eと第2ブラケット3の第2切り欠き部30eが上下方向D3の荷重を受けるため、第1円筒部23と第2円筒部31は上下方向D3の荷重を受けない。そのため、第1円筒部23と第2円筒部31の変形を防ぐことができる。
【0048】
[3]
また、上記[2]のガイドレール吊り治具1においては、本実施形態のように、前記第1円筒部23及び前記第2円筒部31のうち一方の円筒部(本実施形態においては、第2円筒部)31は、上下方向D3に離れて2つ配置され、前記第1円筒部23及び前記第2円筒部31のうち他方の円筒部(本実施形態においては、第1円筒部)23は、2つの前記一方の円筒部31の間に配置される、という構成が好ましい。
【0049】
斯かる構成によれば、第2ブラケット3の前後を入れ替えた状態でもヒンジ機構4を構成することができる。
【0050】
[4]
また、上記[1]~[3]の何れか一つのガイドレール吊り治具1においては、本実施形態のように、前記第2ブラケット3は、上下方向D3の両端部に後方へ突出する補助プレート33を備え、前記第2ブラケット3は、前後を入れ替えて使用可能であり、前記第2ブラケット3の前後を入れ替えた状態において、前記第1ブラケット2は、前記ガイドレール9よりも小さな第2のガイドレール9Aのガイド部92Aを前方から覆い、前記補助プレート33は、前記第2のガイドレール9Aの固定板部91Aを後方から覆い、且つ前記第2のガイドレール9Aの接続部材(本実施形態においては、継ぎ目板)93Aの下端(本実施形態においては、下面)に当接可能である、という構成が好ましい。
【0051】
斯かる構成によれば、第2ブラケット3の前後を入れ替えることで、比較的小さなサイズのガイドレール9Aにも使用することができる。
【0052】
[5]
また、上記[1]~[4]の何れか一つのガイドレール吊り治具1においては、本実施形態のように、前記固定機構5は、前記第1ブラケット2の幅方向他方端(本実施形態においては、幅方向第2側D42端)に固定される第3円筒部(本実施形態においては、下側の第3円筒部)24と、前記第3円筒部24より上側の位置で前記第2ブラケット3の幅方向他方端に固定される第4円筒部32と、前記第3円筒部24及び前記第4円筒部32に挿通される連結ピン51と、を備える、という構成が好ましい。
【0053】
斯かる構成によれば、第1ブラケット2の幅方向他方端と第2ブラケット3の幅方向他方端を容易に固定することができる。
【0054】
なお、ガイドレール吊り治具1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、ガイドレール吊り治具1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0055】
(A)上記実施形態に係るガイドレール吊り治具1においては、ヒンジ機構4は、第1ブラケット2の幅方向一方端(本実施形態においては、幅方向第1側D41端)に固定される第1円筒部23と、第1円筒部23より上側の位置で第2ブラケット3の幅方向一方端に固定される第2円筒部31と、第1円筒部23及び第2円筒部31に挿通されるヒンジピン41と、を備え、第1ブラケット2は、第1円筒部23より上側に第1切り欠き部21eを有し、第2ブラケット3は、第2円筒部31より下側に第2切り欠き部30eを有しており、固定機構5により第1ブラケット2の幅方向他方端(本実施形態においては、幅方向第2側D42端)と第2ブラケット3の幅方向他方端が固定された状態において、第1切り欠き部21eと第2切り欠き部30eは、上下方向D3視で重なる、という構成である。しかしながら、ガイドレール吊り治具1は、斯かる構成に限られない。例えば、第1切り欠き部21e及び第2切り欠き部30eは必ずしも必要ではない。この場合、第1円筒部23及び第2円筒部31は上下方向D3の荷重を受けるため、第1円筒部23及び第2円筒部31の強度を上げる必要がある。また、第1円筒部23及び第2円筒部31と第1ブラケット2との固定部の強度も上げる必要がある。
【0056】
(B)上記実施形態に係るガイドレール吊り治具1においては、第1円筒部23及び第2円筒部31のうち一方の円筒部(本実施形態においては、第2円筒部)31は、上下方向D3に離れて2つ配置され、第1円筒部23及び第2円筒部31のうち他方の円筒部(本実施形態においては、第1円筒部)23は、2つの一方の円筒部31の間に配置される、という構成である。しかしながら、ガイドレール吊り治具1は、斯かる構成に限られない。例えば、第1円筒部23と第2円筒部31は一つずつ設けられる、という構成でもよい。また、例えば、第1円筒部23は、上下方向D3に離れて2つ配置され、第2円筒部31は、2つの第1円筒部23の間に配置される、という構成でもよい。
【0057】
(C)上記実施形態に係るガイドレール吊り治具1においては、第2ブラケット3は、上下方向D3の両端部に後方へ突出する補助プレート33を備え、第2ブラケット3は、前後を入れ替えて使用可能であり、第2ブラケット3の前後を入れ替えた状態において、第1ブラケット2は、ガイドレール9よりも小さな第2のガイドレール9Aのガイド部92Aを前方から覆い、補助プレート33は、第2のガイドレール9Aの固定板部91Aを後方から覆い、且つ第2のガイドレール9Aの接続部材(本実施形態においては、継ぎ目板)93Aの下端(本実施形態においては、下面)に当接可能である、という構成である。しかしながら、ガイドレール吊り治具1は、斯かる構成に限られない。例えば、第2ブラケット3は前後を入れ替えて使用可能に構成する必要はなく、ガイドレールのサイズに応じた第1ブラケット2及び第2ブラケット3を備えるガイドレール吊り治具1を準備すればよい。
【0058】
(D)上記実施形態に係るガイドレール吊り治具1においては、固定機構5は、第1ブラケット2の幅方向他方端(本実施形態においては、幅方向第2側D42端)に固定される第3円筒部24と、第3円筒部24より上側の位置で第2ブラケット3の幅方向他方端に固定される第4円筒部32と、第3円筒部24及び第4円筒部32に挿通される連結ピン51と、を備える、という構成である。しかしながら、ガイドレール吊り治具1は、斯かる構成に限られない。例えば、固定機構5は、第1ブラケット2の幅方向他方端(本実施形態においては、幅方向第2側D42端)と第2ブラケット3の幅方向他方端を固定するボルト等の固定手段である、という構成でもよい。
【0059】
(E)上記実施形態に係るガイドレール吊り治具1においては、ガイドレール9,9Aは、上下方向D3に延びる固定板部91,91Aと、固定板部91,91Aの幅方向D4中央から前方へ延びるガイド部92,92Aと、固定板部91,91Aの後面の上端に固定される継ぎ目板93,93Aと、を備える、という構成である。しかしながら、継ぎ目板93,93Aは、接続部材の一例であり、ガイドレール9,9Aは、斯かる構成に限られない。例えば、ガイドレール9,9Aは、上下方向D3に延びる固定板部91,91Aと、固定板部91,91Aの幅方向D4中央から前方へ延びるガイド部92,92Aと、固定板部91,91Aの後面の上端に固定される上部ブラケットを備える、という構成でもよい。最上段のガイドレール9,9Aは、昇降路X1に固定するための上部ブラケットを備えていてもよい。
【0060】
(F)ガイドレール吊り治具1における別実施形態について、
図11を参照しながら説明する。なお、
図11において、
図1~
図10の符号と同一の符号を付した部分は、上記実施形態と略同様の構成又は略同様の機能(作用)を有する要素を表し、その説明は、繰り返さない。
第1ブラケット2は、上下方向D3視でU字状に形成されたU字部材25を備えていてもよい。U字部材25は、U字状に曲げ加工された板材で形成されてもよい。また、第1ブラケット2は、U字部材25の幅方向D4中央から前方へ延びる吊り板部26を備えていてもよい。吊り板部26には、吊り穴26aが形成されている。
【符号の説明】
【0061】
1…ガイドレール吊り治具、2…第1ブラケット、3…第2ブラケット、4…ヒンジ機構、4c…軸、5…固定機構、9…ガイドレール、9A…ガイドレール、10…エレベータ、10a…かご、10b…かごシーブ、10c…主ロープ、10d…錘シーブ、10e…釣合錘、10f…巻上機、10g…釣合ロープ、10h…かごレール、10i…錘レール、21…長尺板材、21a…前板部、21b…斜め板部、21c…後板部、21d…吊り穴、21e…第1切り欠き部、22…長尺板材、22a…前板部、22b…斜め板部、22c…後板部、22d…吊り穴、22e…第3切り欠き部、23…第1円筒部、24…第3円筒部、25…U字部材、26…吊り板部、26a…吊り穴、30…本体プレート、30a…側端、30b…側端、30c…上端縁、30d…下端縁、30e…第2切り欠き部、30f…第4切り欠き部、31…第2円筒部、32…第4円筒部、33…補助プレート、33a…凹部、41…ヒンジピン、41a…スナップピン、51…連結ピン、51a…リング、91…固定板部、91A…固定板部、92…ガイド部、92A…ガイド部、93…継ぎ目板、93A…継ぎ目板、94…ボルト、95…ナット、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向、D4…幅方向、D41…幅方向第1側、D42…幅方向第2側、D5…前後方向、X1…昇降路
【手続補正書】
【提出日】2023-08-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータのガイドレールを吊り上げるためのガイドレール吊り治具であって、
前記ガイドレールは、上下方向に延びる固定板部と、前記固定板部の幅方向中央から前方へ延びるガイド部と、前記固定板部の後面の上端に固定される接続部材と、を備え、
前記ガイドレール吊り治具は、前記ガイド部を前方から覆う第1ブラケットと、前記固定板部を後方から覆い、且つ前記接続部材の下端に当接する第2ブラケットと、前記第1ブラケットの幅方向一方端と前記第2ブラケットの幅方向一方端を上下方向に沿った軸回りで相対的に回転可能に連結するヒンジ機構と、前記第1ブラケットの幅方向他方端と前記第2ブラケットの幅方向他方端を固定する固定機構と、を備え、
前記ヒンジ機構は、前記第1ブラケットの幅方向一方端に固定される第1円筒部と、前記第1円筒部より上側の位置で前記第2ブラケットの幅方向一方端に固定される第2円筒部と、前記第1円筒部及び前記第2円筒部に挿通されるヒンジピンと、を備え、
前記第1ブラケットは、前記第1円筒部より上側に第1切り欠き部を有し、前記第2ブラケットは、前記第2円筒部より下側に第2切り欠き部を有しており、
前記固定機構により前記第1ブラケットの幅方向他方端と前記第2ブラケットの幅方向他方端が固定された状態において、前記第1切り欠き部と前記第2切り欠き部は、上下方向視で重なる、ガイドレール吊り治具。
【請求項2】
前記第1円筒部及び前記第2円筒部のうち一方の円筒部は、上下方向に離れて2つ配置され、前記第1円筒部及び前記第2円筒部のうち他方の円筒部は、2つの前記一方の円筒部の間に配置される、請求項1に記載のガイドレール吊り治具。
【請求項3】
前記第2ブラケットは、上下方向の両端部に後方へ突出する補助プレートを備え、
前記第2ブラケットは、前後を入れ替えて使用可能であり、前記第2ブラケットの前後を入れ替えた状態において、前記第1ブラケットは、前記ガイドレールよりも小さな第2のガイドレールのガイド部を前方から覆い、前記補助プレートは、前記第2のガイドレールの固定板部を後方から覆い、且つ前記第2のガイドレールの接続部材の下端に当接可能である、請求項1又は2に記載のガイドレール吊り治具。
【請求項4】
前記固定機構は、前記第1ブラケットの幅方向他方端に固定される第3円筒部と、前記第3円筒部より上側の位置で前記第2ブラケットの幅方向他方端に固定される第4円筒部と、前記第3円筒部及び前記第3円筒部に挿通される連結ピンと、を備える、請求項1又は2に記載のガイドレール吊り治具。
【請求項5】
エレベータのガイドレールを吊り上げるためのガイドレール吊り治具であって、
前記ガイドレールは、上下方向に延びる固定板部と、前記固定板部の幅方向中央から前方へ延びるガイド部と、前記固定板部の後面の上端に固定される接続部材と、を備え、
前記ガイドレール吊り治具は、前記ガイド部を前方から覆う第1ブラケットと、前記固定板部を後方から覆い、且つ前記接続部材の下端に当接する第2ブラケットと、前記第1ブラケットの幅方向一方端と前記第2ブラケットの幅方向一方端を上下方向に沿った軸回りで相対的に回転可能に連結するヒンジ機構と、前記第1ブラケットの幅方向他方端と前記第2ブラケットの幅方向他方端を固定する固定機構と、を備え、
前記第2ブラケットは、上下方向の両端部に後方へ突出する補助プレートを備え、
前記第2ブラケットは、前後を入れ替えて使用可能であり、前記第2ブラケットの前後を入れ替えた状態において、前記第1ブラケットは、前記ガイドレールよりも小さな第2のガイドレールのガイド部を前方から覆い、前記補助プレートは、前記第2のガイドレールの固定板部を後方から覆い、且つ前記第2のガイドレールの接続部材の下端に当接可能である、ガイドレール吊り治具。