(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006770
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】充填検知システム及び充填検知方法
(51)【国際特許分類】
E02D 3/12 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
E02D3/12 101
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107961
(22)【出願日】2022-07-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】506125339
【氏名又は名称】新飯塚土木株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】519385788
【氏名又は名称】サンケイ建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001793
【氏名又は名称】弁理士法人パテントボックス
(72)【発明者】
【氏名】郡司 秀雄
(72)【発明者】
【氏名】生田目 憲一
【テーマコード(参考)】
2D040
【Fターム(参考)】
2D040AB01
2D040DA02
2D040DA11
2D040GA02
(57)【要約】
【課題】簡単な構成によって充填状況を確認することのできる、充填検知システムを提供する。
【解決手段】地下空洞90の内部の充填状況を検知するための充填検知システム1である。この充填検知システム1は、地下空洞90の内部に充填材Mを打設するための少なくとも第1の充填用配管21及び第2の充填用配管22を含む複数の充填用配管21~23を備えており、第2の充填用配管22は、充填材Mが吐出される吐出口223aと、吐出口223aよりも第1の充填用配管21によって先に充填材Mが打設された側に配置された空気排出口222aと、を備え、第2の充填用配管22には、吐出口223aを一時的に閉塞する仮閉塞部材としての破裂弁224が取り付けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下空洞の内部の充填状況を検知するための充填検知システムであって、
地下空洞の内部に充填材を打設するための少なくとも第1の充填用配管及び第2の充填用配管を含む複数の充填用配管を備え、
前記第2の充填用配管は、前記充填材が吐出される吐出口と、前記吐出口よりも前記第1の充填用配管によって先に前記充填材が打設された側に配置された空気排出口と、を備え、
前記第2の充填用配管には、前記吐出口を一時的に閉塞する仮閉塞部材が取り付けられている、充填検知システム。
【請求項2】
前記仮閉塞部材は、前記第2の充填用配管を通じて前記吐出口まで到達した充填材を受けて、前記吐出口から脱落又は破裂するように構成されている、請求項1に記載された、充填検知システム。
【請求項3】
前記第2の充填用配管の基端部には、さらに送気装置が接続されている、請求項2に記載された、充填検知システム。
【請求項4】
前記第2の充填用配管の基端部近傍には、さらに内部の圧力変化を検知するための検知手段が設置されている、請求項3に記載された、充填検知システム。
【請求項5】
前記空気排出口と前記吐出口の間には、前記空気排出口が閉塞された後に、前記充填材のミキサー内及び前記充填用配管内に残留している前記充填材を、地下空洞の内部に打設しても、前記吐出口が閉塞されないだけの余裕距離が設けられる、請求項4に記載された、充填検知システム。
【請求項6】
複数の前記吐出口を備えている、請求項5に記載された、充填検知システム。
【請求項7】
地下空洞の内部の充填状況を検知するための充填検知方法であって、
地下空洞の内部に第1の充填用配管を通じて充填材を打設するステップと、
第2の充填用配管に設けた空気排出口を通じて地下空洞内に空気を排出するステップと、
前記空気排出口を前記充填材によって閉塞するステップと、
前記空気排出口を通じた空気の排出が止まったことを検知するステップと、を備える、充填検知方法。
【請求項8】
前記第2の充填用配管に設けた吐出口を通じた空気の排出を防止するステップをさらに備える、請求項7に記載された、充填検知方法。
【請求項9】
前記第2の充填用配管に設けた吐出口を通じて充填材を打設するステップをさらに備える、請求項8に記載された、充填検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば埋設管等の地下空洞を充填する際に、空洞内が充填されているか否かを検知するための充填検知システム及び充填検知方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、埋設管等を含む地下空洞の内部をモルタル等の充填材によって充填する工事が実施されている。このような地下空洞を充填する工事では、空洞内の充填状況は、水位検知テープや突き棒によって、充填材の表面高さを検知することで確認していた。
【0003】
さらに、別の方法として、例えば特許文献1には、複数の計測孔を通してセンサーハーネスを挿入し、各センサーハーネスに、上下間隔をおいて配置されてワイヤーハーネスに結線された、複数のセンサーとを含む確認装置が開示されている。このような構成であるから、この確認装置によれば、複数のセンサーハーネスにより、水平方向等に離間した複数箇所の充填状況を検知できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された従来の確認装置は、複数のセンサーハーネスや複数のセンサーを使用しているうえに配線も必要となるため、全体のシステム構成が複雑かつ高価なものとなっていた。
【0006】
そこで、本発明は、簡単な構成によって充填状況を確認することのできる、充填検知システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の充填検知システムは、地下空洞の内部の充填状況を検知するための充填検知システムであって、地下空洞の内部に充填材を打設するための少なくとも第1の充填用配管及び第2の充填用配管を含む複数の充填用配管を備え、前記第2の充填用配管は、前記充填材が吐出される吐出口と、前記吐出口よりも前記第1の充填用配管によって先に前記充填材が打設された側に配置された空気排出口空気取入口と、を備え、前記第2の充填用配管には、前記吐出口を一時的に閉塞する仮閉塞部材が取り付けられている。
【0008】
また、本発明の充填検知方法は、地下空洞の内部の充填状況を検知するための充填検知方法であって、地下空洞の内部に第1の充填用配管を通じて充填材を打設するステップと、第2の充填用配管に設けた空気排出口を通じて地下空間内に空気を排出するステップと、前記空気排出口を前記充填材によって閉塞するステップと、前記空気排出口を通じた空気の排出が止まったことを検知するステップと、を備えている。
【発明の効果】
【0009】
このように、本発明の充填検知システムは、第1の充填用配管及び第2の充填用配管を含む複数の充填用配管を備え、第2の充填用配管は、充填材が吐出される吐出口と、吐出口よりも第1の充填用配管によって先に充填材が打設された側に配置された空気排出口と、を備え、第2の充填用配管には、吐出口を一時的に閉塞する仮閉塞部材が取り付けられている。このような構成のため、簡単な構成によって充填状況を確認することのできる、充填検知システムとなる。さらに、地下空間が閉塞されておらず、開放された空間であっても、各位置の充填状況を検知することができる。
【0010】
また、本発明の充填検知方法は、地下空洞の内部に第1の充填用配管を通じて充填材を打設するステップと、第2の充填用配管に設けた空気排出口を通じて地下空間内に空気を排出するステップと、空気排出口を充填材によって閉塞するステップと、空気排出口を通じた空気の排出が止まったことを検知するステップと、を備えている。このような構成のため、簡単なステップによって充填状況を確認することのできる、充填検知方法となる。さらに、地下空間が閉塞されておらず、開放された空間であっても、各位置の充填状況を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】充填検知システムを含む地下空洞の全体構成を説明する縦断図である。
【
図2】充填検知システムを含む地下空洞の全体構成を説明する平面図である。
【
図3】実施例1の充填検知システムの先端部の構成を説明する説明図である。(a)は縦断図であり、(b)は平面図である。
【
図4】実施例1の充填検知システムの基端部の構成を説明する説明図である。(a)は縦断図であり、(b)は平面図である。
【
図5】実施例1の充填検知システムの作用図である。(a)は準備完了状態であり、(b)は空気排出口を通じて空気を排出している状態である。
【
図6】実施例1の充填検知システムの作用図である。(c)は空気排出口が充填材によって閉塞された状態であり、(d)は次の充填用配管の吐出口を通じて充填材を打設している状態である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下では、プラントから遠い側から―すなわち奥側から手前側へ向かって―充填材を打設する充填検知システム(1)について説明する。ただし、空気排出口と吐出口の位置を逆転させることで、プラントに近い側から―すなわち手前側から奥側へ向かって―充填材を打設することも、もちろん可能である。
【実施例0013】
(構成)
まず、
図1及び
図2を用いて本発明の充填検知システム1を備える地下空洞90を含む全体構成を説明する。
図1及び
図2に示すように、本実施例では、地下空洞90の内部を、後述するようにエアモルタル等の流動性の高い充填材Mによって充填する際に、空洞が生じていないか、充填状況を検知するための充填検知システム1が構築される。
【0014】
充填検知システム1は、地下空洞90の内部にエアモルタル等の流動性のよい充填材Mを打設するための充填用配管21~23を備えている。これらの充填用配管21~23は、1日で打設できる充填材Mの量(プラント能力等によって決まる)に応じて、地下空洞90内に複数挿入される塩ビ管等の管である。ここでは、3本の充填用配管21~23を使用する例について説明する。ただし、塩ビ管の本数は、3本に限定されるものではなく、最低2本でもよいし、4本以上であってもよい。
【0015】
そして、充填用配管21~23のうち、2日目以降に打設する際に使用される2本の充填用配管22、23の先端部には先端構造22A、23Aが構成され、基端部には基端構造22B、23Bが構成されている。なお、初日に打設する際に使用される、最も長い充填用配管21としては、通常の直管を使用することができる。
【0016】
先端構造22A(23A)は、
図3(a)、(b)に示すように、一般部の注入管(塩ビ管)(220)と同径の注入管220と、注入管220の先端に接続されるインクリーザー継手221と、インクリーザー継手221の先端に接続される検知用細管222と、注入管220の基端に接続される分岐継手223と、分岐継手223の他方の吐出口223aを閉塞する仮閉塞部材としての破裂弁224と、から構成されている。
【0017】
注入管220は、塩ビ管等の円筒部材である。本実施例の注入管220の長さは、検知用細管222の先端の空気排出口222aと、分岐継手223の吐出口223aの間に、空気排出口222aが充填材Mによって閉塞された後に、充填材Mの貯留槽内及び充填用配管内21(22)に残留している充填材Mを、地下空洞90の内部に打設しても、吐出開口部が閉塞されないだけの余裕距離L1が設けられる。
【0018】
インクリーザー継手221は、異径ソケット(継手)とも称されるものであり、大小の異なる径を有する管を接続する際に用いられる。インクリーザー継手221は、直線的に縮径(拡径)するテーパ部を有するため、大径側となる注入管220の先端側と、小径側となる検知用細管222の基端側と、を滑らかに接続している。
【0019】
そして、本実施例の分岐継手223は、塩ビ管等の2つに分岐する部材であり、上部にエアモルタル等の充填材Mを吐出するための吐出口223aを備えている。そして、本実施例の分岐継手223の吐出口223aには、充填材Mの注入圧を受けて破裂(開放)される、仮閉塞部材としての破裂弁24が設置されている。なお、吐出口223aは、1つであってもよいし、2つ以上あってもよい。
【0020】
仮閉塞部材は、例えば、吐出口223aにフィルムやゴムのキャップを密着させた破裂弁24とすることができるが、検知用の空気の漏れを防止できる構造であり、かつ、充填材Mの圧力を受けて破れたり脱落したりして流れを妨げなければ、その具体的な構造は問わない。
【0021】
他方、基端構造22B(23B)は、
図4(a)、(b)に示すように、一般部の注入管(塩ビ管)(220)と同径の注入管220と、注入管220の基端に接続されるインクリーザー継手221と、インクリーザー継手221の基端に接続されるエアホース227と、注入管220の先端に接続される分岐継手225と、分岐継手225から垂直に分岐する風船取付管226と、から構成されている。
【0022】
インクリーザー継手221は、直線的に縮径(拡径)するテーパ部を有するため、大径側となる注入管220の基端側と、小径側となるエアホース227の先端側と、を滑らかに接続している。なお、後述するように、インクリーザー継手221は、充填材Mの打設時には取り外されて、替わりにモルタルホース(40)が接続される。
【0023】
そして、本実施例の分岐継手225は、塩ビ管等のT字型に分岐する部材であり、上部に風船(30)を取り付けるための風船取付管226が突設されている。そして、本実施例の風船取付管226には、使用時には検知手段としてのゴム製の風船30が取り付けられている。
【0024】
なお、検知手段は、充填用配管21~23の内部の圧力変化を検知できれば、風船30でなくてもよく、圧力計測器であってもよいし、風船30と圧力計測器を併存して使用することもできる。
【0025】
そして、本実施例の充填検知システム1の基端構造22B(23B)には、施工ステップに応じて、上述したインクリーザー継手221を介したエアホース227、又は、充填材Mの搬送ホースであるモルタルホース40を接続することができる。
【0026】
ここにおいて、本実施例において、基端構造22Bにエアホース227を接続した場合には、エアホース227の基端側には送気装置(コンプレッサ;不図示)が接続されることが好ましい。したがって、送気装置をONにすることで、第2の充填用配管22の内部に空気を送って内圧を高めることができる。
【0027】
そうすると、後述するように、先端構造22Aの最先端の空気排出口222aが開放されている状態では風船30が少し膨らみ、空気排出口222aが閉塞されている状態では風船30が大きく膨らむようになっている。なお、風船30が大きく膨らんだ状態の圧力下でも、仮閉塞部材としての破裂弁224は破裂(脱落)しないようにされていることが好ましい。
【0028】
(作用)
次に、
図5(a)、(b)、
図6(c)、(d)を用いて、本実例の充填検知システム1の作用について説明する。
【0029】
はじめに、
図5(a)に示すように、3本の充填用配管21~23を地下空洞90の内部に設置しておく。この状態では、送気装置は稼働しておらず、空気排出口222aは開放されている。風船30はしぼんだ状態となっている。
【0030】
次に、
図5(b)に示すように、基端構造22Bの基端側にエアホース227を接続し、送気装置を稼働して空気を送る。先端の空気排出口222aは開放されているため、配管内の内圧が少しだけ高くなり、風船30は少し膨らんだ状態となっている。
【0031】
次に、1本前にある(ここでは最も先端側まで延びている)第1の充填用配管21から充填材Mを打設する(
図2参照)。そうすると、充填材Mは地下空洞90を満たしながら、第2の充填用配管22の先端構造22Aの近くまで到達する。
【0032】
そして、
図6(c)に示すように、充填材Mが第2の充填用配管22の先端構造22Aの最先端にある空気排出口222aまで到達し、これを閉塞する。このように空気排出口222aが閉塞されると、配管内の内圧が高くなり、風船30が大きく膨らんだ状態となる。
【0033】
そうすると、基端側において、風船30が大きく膨らんだことを目視した作業員は、充填材Mの打設を停止する。具体的には、充填材Mの供給を停止した後に、第1の充填用配管21内の充填材Mがすべて排出されたことを確認して、ポンプの稼働を停止する。
【0034】
その後、
図6(d)に示すように、基端構造22Bの基端側にエアホース227に替えてモルタルホース40を接続し直したうえで、今度は第2の充填用配管22を通じて、充填材Mを充填していくことになる。そうすると、充填材Mを受けて、先端構造22Aの破裂弁224は破裂・脱落する。その後、今度は、次の第3の充填用配管23による検知、段取り替え後の、第3の充填用配管23を通じて充填材Mの打設へと作業を繰り返す。
【0035】
(効果)
次に、本実施例の充填検知システム1及び検知方法の奏する効果を列挙して説明する。
【0036】
(1)上述してきたように、本実施例の充填検知システム1は、地下空洞90の内部の充填状況を検知するための充填検知システム1である。この充填検知システム1は、地下空洞90の内部に充填材Mを打設するための少なくとも第1の充填用配管21及び第2の充填用配管22を含む複数の充填用配管21~23を備えており、第2の充填用配管22は、充填材Mが吐出される吐出口223aと、吐出口223aよりも第1の充填用配管21によって先に充填材Mが打設された側に配置された空気排出口222aと、を備え、第2の充填用配管22には、吐出口223aを一時的に閉塞する仮閉塞部材としての破裂弁224が取り付けられている。このような構成であれば、簡易な構成によって充填状況を確認することのできる、充填検知システム1となる。特に、地下空間90が閉塞されておらず、開放された空間であっても、各位置の充填状況を検知することができる点に特徴がある。
【0037】
つまり、第2の充填用配管22自体を通じて空気を送れば(すなわち、内圧を所定値に保持していれば)、先端の空気排出口222aが閉塞されたことを内圧の変化を検知することによって検知できる。さらに、この第2の充填用配管22は、後に充填材Mを打設する際にも使用することができる。
【0038】
(2)また、仮閉塞部材としての破裂弁224は、第2の充填用配管22を通じて吐出口223aまで到達した充填材Mを受けて、吐出口223aから脱落するように構成されているため、検知用に使用された後に、特別な作業を何ら必要とすることなく、充填用配管として再使用することができる。
【0039】
つまり、吐出口223aを塞いでいる破裂弁224は、充填材Mの充填時には開放される必要があるところ、地下空洞90の奥にあるため、開放する手段がない。そこで、充填材Mが到達して、充填材M自体の圧力によってこれが破裂・脱落するように構成しておけば、都合がよいのである。
【0040】
(3)さらに、第2の充填用配管22の基端構造22Bの基端側には、さらに送気装置が接続されているため、送気装置で安定して空気を送り続けることによって、配管内部の圧力(内圧)を所定値に保持でき、先端の空気排出口222aの閉塞時の圧力変化を検知しやすくなる。
【0041】
(4)また、第2の充填用配管22の基端構造22Bには、さらに内部の圧力変化を検知するための検知手段としての風船30が設置されているため、先端の空気排出口222aが閉塞されたことを一目で検知しやすくなっている。
【0042】
(5)さらに、空気排出口222aと吐出口223aの間には、空気排出口222aが閉塞された後に、充填材Mのミキサー内及び充填用配管内22に残留している充填材Mを、地下空洞90の内部に打設しても、吐出口223aが閉塞されないだけの余裕距離が設けられることによって、空気排出口222aが閉塞された後に充填材Mを廃棄する必要がなくなる。逆に言うと、残っている充填材Mを打設しても、次の吐出口223aが閉塞されることはなくなる。
【0043】
(6)また、複数の吐出口223aを備えていれば、より確実に、より均等に、地下空洞90内を充填することができる。
【0044】
(7)そして、本実施例の充填検知方法は地下空洞90の内部の充填状況を検知するための充填検知方法であって、以下の各ステップを備えている。
・地下空洞90の内部に第1の充填用配管21を通じて充填材Mを打設するステップ
・第2の充填用配管22に設けた空気排出口222aを通じて地下空洞90内に空気を排出するステップ
・空気排出口222aを充填材Mによって閉塞するステップ
・空気排出口222aを通じた空気の排出が止まったことを検知するステップ
このような各ステップを備えることで、簡易な工程(ステップ)によって充填状況を確認することのできる、充填検知方法となる。特に、地下空間90が閉塞されておらず、開放された空間であっても、各位置の充填状況を検知することができる点に特徴がある。
【0045】
(8)また、第2の充填用配管22に設けた吐出口223aを通じた空気の排出を防止するステップをさらに備えることで、吐出口223aを設けていても、空気の排出がなくなり、配管の内圧を高めることができ、空気排出口222aの閉塞を検知しやすくなる。
【0046】
(9)さらに、第2の充填用配管22に設けた吐出口223aを通じて充填材Mを打設するステップをさらに備えるため、検知用に使用された後に、仮閉塞部材を圧力で破裂・脱落させることで、第2の充填用配管22を今度は充填用に再使用することができる。
【0047】
以上、図面を参照して、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。