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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067723
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】作業システム
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/00 20060101AFI20240510BHJP
   B25B 23/14 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
B25F5/00 C
B25B23/14 620G
【審査請求】未請求
【請求項の数】30
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178022
(22)【出願日】2022-11-07
(71)【出願人】
【識別番号】500550706
【氏名又は名称】三菱商事テクノス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092956
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 栄男
(74)【代理人】
【識別番号】100101018
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 正
(72)【発明者】
【氏名】福井 友輝
【テーマコード(参考)】
3C038
3C064
【Fターム(参考)】
3C038AA01
3C038BC01
3C038CA06
3C038CA07
3C038EA06
3C064AA01
3C064AC14
3C064BA24
3C064BA25
3C064BB81
3C064BB89
3C064CA80
3C064CB21
3C064CB27
3C064CB64
3C064CB81
3C064CB95
3C064DA08
3C064DA43
3C064DA60
3C064EA03
3C064EA05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】利用価値の高い作業システムを提供する。
【解決手段】インテリジェント作業工具10の装着部品12には、動作IDを表す二次元バーコードが表示されている。ウエアラブル機器30の撮像部32は二次元バーコードを撮像する。動作ID取得手段34は、撮像された二次元バーコードに基づいて動作IDを取得する。動作確認値取得手段36は、取得した動作IDに対応する動作確認値を取得する。動作確認値送信手段38は、取得した動作確認値をインテリジェント作業工具に送信する。インテリジェント作業工具の作業状態判断手段18は、作業者がインテリジェント作業工具を用いて行っている作業による作業状態値を取得し、当該作業状態値がこの動作確認値に基づいて適切であるか否かを判断し、判断結果をウエアラブル機器30に送信する。ウエアラブル機器の作業実行情報記録手段40は、この判断結果を作業実行情報として記録部42に記録する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部を有するウエアラブル機器と、当該ウエアラブル機器と通信可能なインテリジェント作業工具とを備えた作業システムであって、
前記ウエアラブル機器は、
撮像部によって、インテリジェント作業工具に表示された動作IDを読み取る動作ID取得手段と、
動作IDに対応付けて動作確認値を記録した記録部から、前記読み取った動作IDに対応する動作確認値を取得する動作確認値取得手段と、
取得した動作確認値をインテリジェント作業工具に送信する動作確認値送信手段とを備え、
前記インテリジェント作業工具は、
送信されてきた前記動作確認値を受信して記録する受信手段と、
作業状態を示す作業状態値を取得し、前記作業状態値および前記動作確認値に基づいて、前記作業状態が適切であるか否かを判断する作業状態判断手段とを備えたことを特徴とする作業システム。
【請求項2】
撮像部によって、インテリジェント作業工具に表示された動作IDを読み取る動作ID取得手段と、
動作IDに対応付けて動作確認値を記録した記録部から、前記読み取った動作IDに対応する動作確認値を取得する動作確認値取得手段と、
前記インテリジェント作業工具の作業状態判断手段が作業状態が適切であるか否かを判断することができるように、取得した動作確認値をインテリジェント作業工具に送信する動作確認値送信手段と、
を備えたウエアラブル機器。
【請求項3】
コンピュータによってウエアラブル機器を実現するための制御プログラムであって、コンピュータを、
撮像部によって、インテリジェント作業工具に表示された動作IDを読み取る動作ID取得手段と、
動作IDに対応付けて動作確認値を記録した記録部から、前記読み取った動作IDに対応する動作確認値を取得する動作確認値取得手段と、
前記インテリジェント作業工具の作業状態判断手段が作業状態が適切であるか否かを判断することができるように、取得した動作確認値をインテリジェント作業工具に送信する動作確認値送信手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項4】
撮像部を有するウエアラブル機器と、当該ウエアラブル機器と通信可能なインテリジェント作業工具とを備えた作業システムであって、
前記ウエアラブル機器は、
撮像部によって、インテリジェント作業工具に表示された動作IDを読み取る動作ID取得手段と、
動作IDに対応付けて動作確認値を記録した記録部から、前記読み取った動作IDに対応する動作確認値を取得する動作確認値取得手段と、
取得した動作確認値をインテリジェント作業工具に送信する動作確認値送信手段と、
前記インテリジェント作業工具から、作業状態が適切であるか否かの判断結果を受信し、作業実行情報として記録する作業実行情報記録手段とを備え、
前記インテリジェント作業工具は、
送信されてきた前記動作確認値を受信して記録する受信手段と、
作業状態を示す作業状態値を取得し、前記作業状態値および前記動作確認値に基づいて、前記作業状態が適切であるか否かを判断して前記ウエアラブル機器に送信する作業状態判断手段とを備えたことを特徴とする作業システム。
【請求項5】
撮像部によって、インテリジェント作業工具に表示された動作IDを読み取る動作ID取得手段と、
動作IDに対応付けて動作確認値を記録した記録部から、前記読み取った動作IDに対応する動作確認値を取得する動作確認値取得手段と、
取得した動作確認値をインテリジェント作業工具に送信する動作確認値送信手段と、
前記動作確認値に基づいて作業状態を判断したインテリジェント作業工具から、作業状態が適切であるか否かの判断結果を受信し、作業実行情報として記録する作業実行情報記録手段と、
を備えたウエアラブル機器。
【請求項6】
コンピュータによってウエアラブル機器を実現するための制御プログラムであって、コンピュータを、
撮像部によって、インテリジェント作業工具に表示された動作IDを読み取る動作ID取得手段と、
動作IDに対応付けて動作確認値を記録した記録部から、前記読み取った動作IDに対応する動作確認値を取得する動作確認値取得手段と、
取得した動作確認値をインテリジェント作業工具に送信する動作確認値送信手段と、
前記動作確認値に基づいて作業状態を判断したインテリジェント作業工具から、作業状態が適切であるか否かの判断結果を受信し、作業実行情報として記録する作業実行情報記録手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項7】
撮像部を有するウエアラブル機器と、当該ウエアラブル機器と通信可能なインテリジェント作業工具とを備えた作業システムであって、
前記ウエアラブル機器は、
作業者が前記インテリジェント作業工具にて作業を行う作業対象を撮像するようにセッティングされた撮像部と、
前記インテリジェント作業工具から、作業状態が適切であるか否かの判断結果を受信すると、前記撮像部によって前記インテリジェント作業工具および作業対象を撮像するよう制御する撮像制御手段と、
前記受信した判断結果に撮像した撮像画像を関連づけて、作業実行情報として記録する作業実行情報記録手段とを備え、
前記インテリジェント作業工具は、
作業状態が適切であるか否かを判断して前記ウエアラブル機器に判断結果を送信する作業状態判断手段を備えたことを特徴とする作業システム。
【請求項8】
作業者がインテリジェント作業工具にて作業を行う作業対象を撮像するようにセッティングされた撮像部と、
前記インテリジェント作業工具から、作業状態が適切であるか否かの判断結果を受信すると、前記撮像部によって前記インテリジェント作業工具および作業対象を撮像するよう制御する撮像制御手段と、
前記受信した判断結果に撮像した撮像画像を関連づけて、作業実行情報として記録する作業実行情報記録手段と、
を備えたウエアラブル機器。
【請求項9】
コンピュータによってウエアラブル機器を実現するための制御プログラムであって、コンピュータを、
前記インテリジェント作業工具から、作業状態が適切であるか否かの判断結果を受信すると、作業者がインテリジェント作業工具にて作業を行う作業対象を撮像するようにセッティングされた撮像部によって前記インテリジェント作業工具および作業対象を撮像するよう制御する撮像制御手段と、
前記受信した判断結果に撮像した撮像画像を関連づけて、作業実行情報として記録する作業実行情報記録手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項10】
請求項1~6のいずれかのシステム、機器またはプログラムにおいて、
前記動作IDは、前記インテリジェント作業工具の本体に取り外し可能な装着部品に表示されていることを特徴とするシステム、機器またはプログラム。
【請求項11】
請求項4~9のいずれかのシステム、機器またはプログラムにおいて、
前記ウエアラブル機器の作業実行情報記録手段は、前記インテリジェント作業工具から作業状態を示す作業状態値も受信し、作業実行情報として記録することを特徴とするシステム、機器またはプログラム。
【請求項12】
請求項4~9のいずれかのシステム、機器またはプログラムにおいて、
前記ウエアラブル機器の作業実行情報記録手段は、前記判断結果を受信した際に前記撮像部によって撮像された作業対象領域およびインテリジェント作業工具の画像も、作業実行情報として記録することを特徴とするシステム、機器またはプログラム。
【請求項13】
請求項1~6のいずれかのシステム、機器またプログラムにおいて、
前記記録部には、動作IDと動作確認値との対応が複数セット記録されており、作業手順情報に記載された順に、前記複数セットのうちのいずれかが前記動作確認値取得手段において用いられることを特徴とするシステム、機器またはプログラム。
【請求項14】
請求項1~9のいずれかのシステム、機器またはプログラムにおいて、
前記インテリジェント作業工具は、ディジタルトルクレンチであり、
前記ウエアラブル機器は、スマートグラスであることを特徴とするシステム、機器またはプログラム。
【請求項15】
撮像部を有するスマートグラスと、当該スマートグラスと通信可能なディジタルトルクレンチとを備えた作業システムであって、
前記スマートグラスは、
撮像部によって、ディジタルトルクレンチに取り付けるソケットに表示された動作IDを読み取る動作ID取得手段と、
動作IDに対応付けてトルク許容範囲またはアングル許容範囲またはその双方を動作確認値として記録した記録部から、前記読み取った動作IDに対応する動作確認値を取得する動作確認値取得手段と、
取得した動作確認値をディジタルトルクレンチに送信する動作確認値送信手段とを備え、
前記ディジタルトルクレンチは、
送信されてきた前記動作確認値であるトルク許容範囲またはアングル許容範囲またはその双方を受信して記録する受信手段と、
当該ディジタルトルクレンチを用いて締付作業を行っている際の締付トルクまたは締付アングルまたはその双方を作業状態値として取得し、当該締付トルクの最大値または当該締付アングルの最大値またはその双方が、前記動作確認値であるトルク許容範囲またはアングル許容範囲またはその双方の範囲内にあるか否かにより、前記締付作業が適切であるか否かを判断する作業状態判断手段とを備えたことを特徴とする作業システム。
【請求項16】
撮像部によって、ディジタルトルクレンチに取り付けるソケットに表示された動作IDを読み取る動作ID取得手段と、
動作IDに対応付けてトルク許容範囲またはアングル許容範囲またはその双方を動作確認値として記録した記録部から、前記読み取った動作IDに対応する動作確認値を取得する動作確認値取得手段と、
取得した動作確認値をディジタルトルクレンチに送信する動作確認値送信手段と、
を備えたスマートグラス。
【請求項17】
コンピュータによってスマートグラスを実現するための制御プログラムであって、コンピュータを、
撮像部によって、ディジタルトルクレンチに取り付けるソケットに表示された動作IDを読み取る動作ID取得手段と、
動作IDに対応付けてトルク許容範囲またはアングル許容範囲またはその双方を動作確認値として記録した記録部から、前記読み取った動作IDに対応する動作確認値を取得する動作確認値取得手段と、
取得した動作確認値をディジタルトルクレンチに送信する動作確認値送信手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項18】
撮像部を有するスマートグラスと、当該スマートグラスと通信可能なディジタルトルクレンチとを備えた作業システムであって、
前記スマートグラスは、
撮像部によって、ディジタルトルクレンチに取り付けるソケットに表示された動作IDを読み取る動作ID取得手段と、
動作IDに対応付けてトルク許容範囲またはアングル許容範囲またはその双方を動作確認値として記録した記録部から、前記読み取った動作IDに対応する動作確認値を取得する動作確認値取得手段と、
取得した動作確認値をディジタルトルクレンチに送信する動作確認値送信手段と、
前記ディジタルトルクレンチから、締付作業が適切であるか否かの判断結果を受信し、作業実行情報として記録する作業実行情報記録手段とを備え、
前記ディジタルトルクレンチは、
送信されてきた前記動作確認値であるトルク許容範囲またはアングル許容範囲またはその双方を受信して記録する受信手段と、
当該ディジタルトルクレンチを用いて締付作業を行っている際の締付トルクまたは締付アングルまたはその双方を作業状態値として取得し、当該締付トルクの最大値または当該締付アングルの最大値またはその双方が、前記動作確認値であるトルク許容範囲またはアングル許容範囲またはその双方の範囲内にあるか否かにより、前記締付作業が適切であるか否かを判断して前記スマートグラスに送信する作業状態判断手段とを備えたことを特徴とする作業システム。
【請求項19】
撮像部によって、ディジタルトルクレンチに取り付けるソケットに表示された動作IDを読み取る動作ID取得手段と、
動作IDに対応付けてトルク許容範囲またはアングル許容範囲またはその双方を動作確認値として記録した記録部から、前記読み取った動作IDに対応する動作確認値を取得する動作確認値取得手段と、
取得した動作確認値をディジタルトルクレンチに送信する動作確認値送信手段と、
前記ディジタルトルクレンチによる締付トルクの最大値または締付アングルの最大値またはその双方が前記動作確認値に基づいて適切かどうかに基づいて、締付作業が適切か否かを判断したディジタルトルクレンチから、締付作業が適切であるか否かの判断結果を受信し、作業実行情報として記録する作業実行情報記録手段と、
を備えたスマートグラス。
【請求項20】
スマートグラスをコンピュータによって実現するための制御プログラムであって、コンピュータを、
撮像部によって、ディジタルトルクレンチに取り付けるソケットに表示された動作IDを読み取る動作ID取得手段と、
動作IDに対応付けてトルク許容範囲またはアングル許容範囲またはその双方を動作確認値として記録した記録部から、前記読み取った動作IDに対応する動作確認値を取得する動作確認値取得手段と、
取得した動作確認値をディジタルトルクレンチに送信する動作確認値送信手段と、
前記ディジタルトルクレンチによる締付トルクの最大値または締付アングルの最大値またはその双方が前記動作確認値に基づいて適切かどうかに基づいて、締付作業が適切か否かを判断したディジタルトルクレンチから、締付作業が適切であるか否かの判断結果を受信し、作業実行情報として記録する作業実行情報記録手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項21】
撮像部を有するスマートグラスと、当該スマートグラスと通信可能なディジタルトルクレンチとを備えた作業システムであって、
前記スマートグラスは、
作業者が前記ディジタルトルクレンチにて締付作業を行う作業対象を撮像するようにセッティングされた撮像部と、
前記ディジタルトルクレンチから、締付トルクの最大値または締付アングルの最大値が適切であるか否かの判断結果を受信すると、前記撮像部によって前記ディジタルトルクレンチおよび作業対象を撮像するよう制御する撮像制御手段と、
前記受信した判断結果に撮像した撮像画像を関連づけて、作業実行情報として記録する作業実行情報記録手段とを備え、
前記ディジタルトルクレンチは、
締付トルクの最大値または締付アングルの最大値が適切であるか否かを判断して前記スマートグラスに判断結果を送信する作業状態判断手段を備えたことを特徴とする作業システム。
【請求項22】
作業者がディジタルトルクレンチにて締付作業を行う作業対象を撮像するようにセッティングされた撮像部と、
前記ディジタルトルクレンチから、締付トルクの最大値または締付アングルの最大値が適切であるか否かの判断結果を受信すると、前記撮像部によって前記ディジタルトルクレンチおよび作業対象を撮像するよう制御する撮像制御手段と、
前記受信した判断結果に撮像した撮像画像を関連づけて、作業実行情報として記録する作業実行情報記録手段と、
を備えたスマートグラス。
【請求項23】
コンピュータによってスマートグラスを実現するための制御プログラムであって、コンピュータを、
ディジタルトルクレンチから、締付トルクの最大値または締付アングルの最大値が適切であるか否かの判断結果を受信すると、作業者が前記ディジタルトルクレンチにて締付作業を行う作業対象を撮像するようにセッティングされた撮像部によって前記ディジタルトルクレンチおよび作業対象を撮像するよう制御する撮像制御手段と、
前記受信した判断結果に撮像した撮像画像を関連づけて、作業実行情報として記録する作業実行情報記録手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項24】
請求項18~23のいずれかのシステム、スマートグラスまたはプログラムにおいて、
前記スマートグラスの作業実行情報記録手段は、前記ディジタルトルクレンチから、締付トルクの最大値または当該締付アングルの最大値またはその双方も受信し、作業実行情報として記録することを特徴とするシステム、スマートグラスまたはプログラム。
【請求項25】
請求項18~23のいずれかのシステム、スマートグラスまたはプログラムにおいて、
前記スマートグラスの作業実行情報記録手段は、前記判断結果を受信した際に前記撮像部によって撮像された作業対象領域およびディジタルトルクレンチの画像も、作業実行情報として記録することを特徴とするシステム、スマートグラスまたはプログラム。
【請求項26】
請求項15~20のいずれかのシステム、スマートグラスまたはプログラムにおいて、
前記記録部には、動作IDと動作確認値との対応が複数セット記録されており、作業手順情報に記載された順に、前記複数セットのうちのいずれかが前記動作確認値取得手段において用いられることを特徴とするシステム、スマートグラスまたはプログラム。
【請求項27】
請求項15~23のいずれかのシステム、スマートグラスまたはプログラムにおいて、
前記スマートグラスは、前記ディジタルトルクレンチから受信した前記判断結果を、表示部に表示することを特徴とするシステム、スマートグラスまたはプログラム。
【請求項28】
撮像部を有するウエアラブル機器と、当該ウエアラブル機器と通信可能なインテリジェント作業工具と、前記ウエアラブル機器と通信可能な協働ロボットとを備えた作業システムであって、
前記ウエアラブル機器は、
撮像部によって、インテリジェント作業工具に表示された動作IDを読み取る動作ID取得手段と、
動作IDに対応付けて動作確認値を記録した記録部から、前記読み取った動作IDに対応する動作確認値を取得する動作確認値取得手段と、
取得した動作確認値をインテリジェント作業工具に送信する動作確認値送信手段と、
前記インテリジェント作業工具から、作業状態が適切であるか否かの判断結果を受信し、作業実行情報として記録する作業実行情報記録手段と、
前記判断結果を受けて、前記協働ロボットに対し、作業者が次の作業箇所を作業しやすいように作業対象物を移動させる作業対象物移動指令を与える作業対象物移動指令手段とを備え、
前記インテリジェント作業工具は、
送信されてきた前記動作確認値を受信して記録する受信手段と、
作業対象物に対する作業状態を示す作業状態値を取得し、前記作業状態値および前記動作確認値に基づいて、前記作業状態が適切であるか否かを判断して前記ウエアラブル機器に送信する作業状態判断手段とを備えることを特徴とする作業システム。
【請求項29】
撮像部によって、インテリジェント作業工具に表示された動作IDを読み取る動作ID取得手段と、
動作IDに対応付けて動作確認値を記録した記録部から、前記読み取った動作IDに対応する動作確認値を取得する動作確認値取得手段と、
取得した動作確認値をインテリジェント作業工具に送信する動作確認値送信手段と、
前記動作確認値に基づいて作業状態を判断したインテリジェント作業工具から、作業状態が適切であるか否かの判断結果を受信し、作業実行情報として記録する作業実行情報記録手段と、
前記判断結果を受けて、前記協働ロボットに対し、作業者が次の作業箇所を作業しやすいように作業対象物を移動させる作業対象物移動指令を与える作業対象物移動指令手段と、
を備えたウエアラブル機器。
【請求項30】
コンピュータによってウエアラブル機器を実現するための制御プログラムであって、コンピュータを、
撮像部によって、インテリジェント作業工具に表示された動作IDを読み取る動作ID取得手段と、
動作IDに対応付けて動作確認値を記録した記録部から、前記読み取った動作IDに対応する動作確認値を取得する動作確認値取得手段と、
取得した動作確認値をインテリジェント作業工具に送信する動作確認値送信手段と、
前記動作確認値に基づいて作業状態を判断したインテリジェント作業工具から、作業状態が適切であるか否かの判断結果を受信し、作業実行情報として記録する作業実行情報記録手段と、
前記判断結果を受けて、前記協働ロボットに対し、作業者が次の作業箇所を作業しやすいように作業対象物を移動させる作業対象物移動指令を与える作業対象物移動指令手段として機能させるための制御プログラム。




【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ディジタルトルクレンチなどのインテリジェントな作業工具を用いて行う作用が適切に行われたことを管理することのできるシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ディジタルトルクレンチなど作業工具自体が作業内容の適否を判断することのできる作業工具が用いられている。このようなインテリジェント作業工具を用いると、締付トルクなどが適正範囲に入れば音や表示によって作業者に知らせてくれるため、作業者が力を掛けすぎたり足りなかったりするのを防止して、適切な作業を行うことができる。
【0003】
特許文献1には、ディジタルトルクレンチと通信可能な管理装置が開示されている。この管理装置には、作業ごとの締付トルクの設置値が記録されている。ディジタルトルクレンチから締付OKの信号を受信すると(すなわち、一つのボルトに対する締付作業が完了すると)、次の作業の設定値をディジタルトルクレンチに送信する。このようにすることで、作業ごとに設定値を設定したディジタルトルクレンチを多数用意する必要がなく、間違いが生じにくいというメリットがある。
【0004】
また、特許文献2には、ボルトの頭部に適正締付トルクを記録したICタグを埋め込んでおき、これをディジタルトルクレンチに設けた電磁結合回路にて読み取ることが開示されている。ディジタルトルクレンチは読み取った適正締付トルクに基づいて、締付が適正かどうかを判断して音や画像にて出力する。このようにすることで、ボルトごとに適正締付トルクが自動的にディジタルトルクレンチに設定され、適切な作業が行われるというメリットがある。
【0005】
さらに、特許文献2においては、ボルトの識別情報に対応付けて締付トルクの値を記録することで、作業内容に対する客観的なエビデンスを得ることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許5362498
【特許文献2】特許6857462
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のような従来技術では、次のような問題点があった。
【0008】
第一に、特許文献1のものでは、作業ごとに締付トルクの設定値を用意しておく必要があり、準備が煩雑であった。また、特許文献2のものでは、ボルトごとに締付トルクの設定値を用意して記録しておく必要があり、これも準備が煩雑であった。
【0009】
第二に、特許文献2のようにボルト識別情報に関連づけて作業時の締付トルク値を記録することで作業記録をとることはできるが、作業部位がどのような位置に存在し、どのような状況であるのかを作業記録から判断することは困難であった。
【0010】
以上のような問題は、ディジタルトルクレンチを用いた作業だけでなく、インテリジェント作業工具を用いた作業一般にもいえることであった。
【0011】
この発明は、上記のいずれかの問題を解決して、利用価値の高い作業システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明の独立して適用可能ないくつかの特徴を以下に列挙する。
【0013】
(1)(2)(3)この発明に係る作業システムは、撮像部を有するウエアラブル機器と、当該ウエアラブル機器と通信可能なインテリジェント作業工具とを備えた作業システムであって、
前記ウエアラブル機器は、撮像部によって、インテリジェント作業工具に表示された動作IDを読み取る動作ID取得手段と、動作IDに対応付けて動作確認値を記録した記録部から、前記読み取った動作IDに対応する動作確認値を取得する動作確認値取得手段と、取得した動作確認値をインテリジェント作業工具に送信する動作確認値送信手段とを備え、
前記インテリジェント作業工具は、送信されてきた前記動作確認値を受信して記録する受信手段と、作業状態を示す作業状態値を取得し、前記作業状態値および前記動作確認値に基づいて、前記作業状態が適切であるか否かを判断する作業状態判断手段とを備えたことを特徴としている。
【0014】
したがって、作業に用いる工具に表示された動作IDを読み取って動作確認値をインテリジェント作業工具に設定できる。
【0015】
(4)(5)(6)この発明に係る作業システムは、撮像部を有するウエアラブル機器と、当該ウエアラブル機器と通信可能なインテリジェント作業工具とを備えた作業システムであって、
前記ウエアラブル機器は、撮像部によって、インテリジェント作業工具に表示された動作IDを読み取る動作ID取得手段と、動作IDに対応付けて動作確認値を記録した記録部から、前記読み取った動作IDに対応する動作確認値を取得する動作確認値取得手段と、取得した動作確認値をインテリジェント作業工具に送信する動作確認値送信手段と、前記インテリジェント作業工具から、作業状態が適切であるか否かの判断結果を受信し、作業実行情報として記録する作業実行情報記録手段とを備え、
前記インテリジェント作業工具は、送信されてきた前記動作確認値を受信して記録する受信手段と、作業状態を示す作業状態値を取得し、前記作業状態値および前記動作確認値に基づいて、前記作業状態が適切であるか否かを判断して前記ウエアラブル機器に送信する作業状態判断手段とを備えたことを特徴としている。
【0016】
したがって、作業に用いる工具に表示された動作IDを読み取って動作確認値をインテリジェント作業工具に設定できる。また、作業完了とともに作業状態が適切であるか否かの判断結果を記録することができる。
【0017】
(7)(8)(9)この発明に係る作業システムは、撮像部を有するウエアラブル機器と、当該ウエアラブル機器と通信可能なインテリジェント作業工具とを備えた作業システムであって、
前記ウエアラブル機器は、作業者が前記インテリジェント作業工具にて作業を行う作業対象を撮像するようにセッティングされた撮像部と、前記インテリジェント作業工具から、作業状態が適切であるか否かの判断結果を受信すると、前記撮像部によって前記インテリジェント作業工具および作業対象を撮像するよう制御する撮像制御手段と、前記受信した判断結果に撮像した撮像画像を関連づけて、作業実行情報として記録する作業実行情報記録手段とを備え、
前記インテリジェント作業工具は、作業状態が適切であるか否かを判断して前記ウエアラブル機器に判断結果を送信する作業状態判断手段を備えたことを特徴としている。
【0018】
したがって、作業完了とともに作業状態が適切であるか否かの判断結果を記録することができる。
【0019】
(10)この発明に係る作業システムは、動作IDが、前記インテリジェント作業工具の本体に取り外し可能な装着部品に表示されていることを特徴としている。
【0020】
したがって、装着部品ごとに動作確認値を設定することができる。
【0021】
(11)この発明に係る作業システムは、ウエアラブル機器の作業実行情報記録手段が、前記インテリジェント作業工具から作業状態を示す作業状態値も受信し、作業実行情報として記録することを特徴としている。
【0022】
したがって、作業状態値も含めた作業実行情報を記録することができる。
【0023】
(12)この発明に係る作業システムは、ウエアラブル機器の作業実行情報記録手段が、前記判断結果を受信した際に前記撮像部によって撮像された作業対象領域およびインテリジェント作業工具の画像も、作業実行情報として記録することを特徴としている。
【0024】
したがって、作業対象領域およびインテリジェント作業工具の画像も記録して作業状況をわかりやすく記録することができる。
【0025】
(13)この発明に係る作業システムは、記録部には、動作IDと動作確認値との対応が複数セット記録されており、作業手順情報に記載された順に、前記複数セットのうちのいずれかが前記動作確認値取得手段において用いられることを特徴としている。
【0026】
したがって、同じインテリジェント作業工具を用いて異なる動作確認値にて作業を行う場合にも対応することができる。
【0027】
(14)この発明に係る作業システムは、インテリジェント作業工具が、ディジタルトルクレンチであり、ウエアラブル機器が、スマートグラスであることを特徴としている。
【0028】
したがって、ディジタルトルクレンチをスマートグラスを用いて作業する場合に適用することができる。
【0029】
(15)(16)(17)この発明に係る作業システムは、撮像部を有するスマートグラスと、当該スマートグラスと通信可能なディジタルトルクレンチとを備えた作業システムであって、
前記スマートグラスは、撮像部によって、ディジタルトルクレンチに取り付けるソケットに表示された動作IDを読み取る動作ID取得手段と、動作IDに対応付けてトルク許容範囲またはアングル許容範囲またはその双方を動作確認値として記録した記録部から、前記読み取った動作IDに対応する動作確認値を取得する動作確認値取得手段と、取得した動作確認値をディジタルトルクレンチに送信する動作確認値送信手段とを備え、
前記ディジタルトルクレンチは、送信されてきた前記動作確認値であるトルク許容範囲またはアングル許容範囲またはその双方を受信して記録する受信手段と、当該ディジタルトルクレンチを用いて締付作業を行っている際の締付トルクまたは締付アングルまたはその双方を作業状態値として取得し、当該締付トルクの最大値または当該締付アングルの最大値またはその双方が、前記動作確認値であるトルク許容範囲またはアングル許容範囲またはその双方の範囲内にあるか否かにより、前記締付作業が適切であるか否かを判断する作業状態判断手段とを備えたことを特徴としている。
【0030】
したがって、ソケットに表示された動作IDを読み取って動作確認値をディジタルトルクレンチに設定できる。
【0031】
(18)(19)(20)この発明に係る作業システムは、撮像部を有するスマートグラスと、当該スマートグラスと通信可能なディジタルトルクレンチとを備えた作業システムであって、
前記スマートグラスは、撮像部によって、ディジタルトルクレンチに取り付けるソケットに表示された動作IDを読み取る動作ID取得手段と、動作IDに対応付けてトルク許容範囲またはアングル許容範囲またはその双方を動作確認値として記録した記録部から、前記読み取った動作IDに対応する動作確認値を取得する動作確認値取得手段と、取得した動作確認値をディジタルトルクレンチに送信する動作確認値送信手段と、前記ディジタルトルクレンチから、締付作業が適切であるか否かの判断結果を受信し、作業実行情報として記録する作業実行情報記録手段とを備え、
前記ディジタルトルクレンチは、送信されてきた前記動作確認値であるトルク許容範囲またはアングル許容範囲またはその双方を受信して記録する受信手段と、当該ディジタルトルクレンチを用いて締付作業を行っている際の締付トルクまたは締付アングルまたはその双方を作業状態値として取得し、当該締付トルクの最大値または当該締付アングルの最大値またはその双方が、前記動作確認値であるトルク許容範囲またはアングル許容範囲またはその双方の範囲内にあるか否かにより、前記締付作業が適切であるか否かを判断して前記スマートグラスに送信する作業状態判断手段とを備えたことを特徴としている。
【0032】
したがって、ソケットに表示された動作IDを読み取って動作確認値をディジタルトルクレンチに設定できる。また、作業完了とともに作業状態が適切であるか否かの判断結果を記録することができる。
【0033】
(21)(22)(23)この発明に係る作業システムは、撮像部を有するスマートグラスと、当該スマートグラスと通信可能なディジタルトルクレンチとを備えた作業システムであって、
前記スマートグラスは、作業者が前記ディジタルトルクレンチにて締付作業を行う作業対象を撮像するようにセッティングされた撮像部と、前記ディジタルトルクレンチから、締付トルクの最大値または締付アングルの最大値が適切であるか否かの判断結果を受信すると、前記撮像部によって前記ディジタルトルクレンチおよび作業対象を撮像するよう制御する撮像制御手段と、前記受信した判断結果に撮像した撮像画像を関連づけて、作業実行情報として記録する作業実行情報記録手段とを備え、
前記ディジタルトルクレンチは、締付トルクの最大値または締付アングルの最大値が適切であるか否かを判断して前記スマートグラスに判断結果を送信する作業状態判断手段を備えたことを特徴としている。
【0034】
したがって、作業完了とともに作業状態が適切であるか否かの判断結果を記録することができる。
【0035】
(24)この発明に係る作業システムは、スマートグラスの作業実行情報記録手段が、前記ディジタルトルクレンチから、締付トルクの最大値または当該締付アングルの最大値またはその双方も受信し、作業実行情報として記録することを特徴としている。
【0036】
したがって、実際の作業状態値である締付トルクの最大値または締付アングルの最大値も作業実行記録として記録することができる。
【0037】
(25)この発明に係る作業システムは、スマートグラスの作業実行情報記録手段が、前記判断結果を受信した際に前記撮像部によって撮像された作業対象領域およびディジタルトルクレンチの画像も、作業実行情報として記録することを特徴としている。
【0038】
したがって、作業対象領域およびディジタルトルクレンチの画像も記録して作業状況をわかりやすく記録することができる。
【0039】
(26)この発明に係る作業システムは、記録部には、動作IDと動作確認値との対応が複数セット記録されており、作業手順情報に記載された順に、前記複数セットのうちのいずれかが前記動作確認値取得手段において用いられることを特徴としている。
【0040】
したがって、同じソケットについて異なる動作確認地を設定する場合にも対応することができる。
【0041】
(27)この発明に係る作業システムは、スマートグラスが、前記ディジタルトルクレンチから受信した前記判断結果を、表示部に表示することを特徴としている。
【0042】
したがって、作業の完了および適否を容易に確認することができる。
【0043】
(28)(29)(30)この発明に係る作業システムは、撮像部を有するウエアラブル機器と、当該ウエアラブル機器と通信可能なインテリジェント作業工具と、前記ウエアラブル機器と通信可能な協働ロボットとを備えた作業システムであって、
前記ウエアラブル機器は、撮像部によって、インテリジェント作業工具に表示された動作IDを読み取る動作ID取得手段と、動作IDに対応付けて動作確認値を記録した記録部から、前記読み取った動作IDに対応する動作確認値を取得する動作確認値取得手段と、取得した動作確認値をインテリジェント作業工具に送信する動作確認値送信手段と、前記インテリジェント作業工具から、作業状態が適切であるか否かの判断結果を受信し、作業実行情報として記録する作業実行情報記録手段と、前記判断結果を受けて、前記協働ロボットに対し、作業者が次の作業箇所を作業しやすいように作業対象物を移動させる作業対象物移動指令を与える作業対象物移動指令手段とを備え、
前記インテリジェント作業工具は、送信されてきた前記動作確認値を受信して記録する受信手段と、作業対象物に対する作業状態を示す作業状態値を取得し、前記作業状態値および前記動作確認値に基づいて、前記作業状態が適切であるか否かを判断して前記ウエアラブル機器に送信する作業状態判断手段とを備えることを特徴としている。
【0044】
したがって、作業完了ごとに作業対象を作業しやすい位置に移動させながら、適切な作業記録を得ることができる。
【0045】
「動作ID取得手段」は、実施形態においては、ステップS5がこれに対応する。
【0046】
「動作確認値取得手段」は、実施形態においては、ステップS6がこれに対応する。
【0047】
「動作確認値送信手段」は、実施形態においては、ステップS7がこれに対応する。
【0048】
「作業実行情報記録手段」は、実施形態においては、ステップS11がこれに対応する。
【0049】
「受信手段」は、実施形態においては、ステップS21がこれに対応する。
【0050】
「作業状態判断手段」は、実施形態においては、ステップS22がこれに対応する。
【0051】
「撮像制御手段」は、実施形態においては、ステップS10がこれに対応する。
【0052】
「インテリジェント作業工具」とは、少なくとも外部機器と通信を行うことができる作業工具をいうものでる。
【0053】
「装置」とは、1台のコンピュータによって構成されるものだけでなく、ネットワークなどを介して接続された複数のコンピュータによって構成されるものも含む概念である。したがって、本発明の手段(あるいは手段の一部でもよい)が複数のコンピュータに分散されている場合、これら複数のコンピュータが装置に該当する。
【0054】
「プログラム」とは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソース形式のプログラム、圧縮処理がされたプログラム、暗号化されたプログラム、オペレーティングシステムと協働してその機能を発揮するプログラム等を含む概念である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】この発明の一実施形態による作業システムの機能構成である。
図2】ディジタルトルクレンチ10の外観を示す図である。
図3A】ソケット12の外観を示す図である。
図3B】他の例によるソケット12の外観を示す図である。
図4】ディジタルトルクレンチ10のハードウエア構成である。
図5】スマートグラス30の外観を示す図である。
図6】スマートグラス30のハードウエア構成である。
図7】作業管理のフローチャートである。
図8】対応テーブルを示す図である。
図9】作業対象全体の撮像画像である。
図10】動作確認値の例である。
図11】作業完了時の表示画像例である。
図12】作業実績情報の例である。
図13A】他の実施形態による作業管理のフローチャートである。
図13B】他の実施形態による作業システムの機能構成である。
図14A】他の実施形態による作業管理のフローチャートである。
図14B】他の実施形態による作業システムの機能構成である。
図15】対応テーブルを複数設けた場合の例である。
図16】協働ロボット120を用いた場合の機能構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
1.機能ブロック図
図1に、この発明の一実施形態による作業システムの機能構成を示す。インテリジェント作業工具10の装着部品12には、レーザ刻印などにより動作IDを表す二次元バーコードなどが表示されている。作業者の装着しているウエアラブル機器30の撮像部32は、この二次元バーコードを撮像する。動作ID取得手段34は、撮像された二次元バーコードに基づいて、動作IDを取得する。
【0057】
記録部42には、動作IDに対応付けて動作確認値が記録されている。動作確認値取得手段36は、取得した動作IDに対応する動作確認値を取得する。動作確認値送信手段38は、取得した動作確認値をインテリジェント作業工具10に送信する。
【0058】
インテリジェント作業工具10の受信手段16は、この動作確認値を受信して記録する。作業状態判断手段18は、作業者が、インテリジェント作業工具10を用いて行っている作業による作業状態値を取得し、当該作業状態値がこの動作確認値に基づいて適切であるか否かを判断する。作業状態判断手段18は、その判断結果をウエアラブル機器30に送信する。
【0059】
ウエアラブル機器30の作業実行情報記録手段40は、この判断結果を作業実行情報として記録部42に記録する。
【0060】
以上のように、インテリジェント作業工具10の装着部品12に、当該装着部品12を用いる際の動作確認値に紐付けられた動作IDが表示されているので、これをウエアラブル機器30にて読み取ることで、ウエアラブル機器30からインテリジェント作業工具10に対して動作確認値を送信することができる。したがって、装着部品12ごとに動作確認値を用意して記録しておくだけで、動作確認値を素早く確実にインテリジェント作業工具10に設定することができる。
【0061】
2.作業システムの外観およびハードウエア構成
図2に、インテリジェント作業工具の例として、ディジタルトルクレンチ10の外観を示す。ディジタルトルクレンチ10としては、例えば、スナップオンツールズ社のものを使用することができる。先端部11の下面には、締付対象であるボルトの大きさに合致するソケット(装着部品)12を選んで取り付けられるようになっている。ソケット12を装着した後、ソケット12をボルトの頭に填めて、ハンドル10を矢印Aの方向に回転させる。これにより、ボルトを締めることができる。
【0062】
ハンドル10の中央部には、ディスプレイ25が設けられており、検出した現在のトルクなどを表示する。ディスプレイ25に隣接してLED23が設けられており、最大トルクなどが適正な範囲に入っているかの判断結果を表示する。適正範囲に入っていれば「緑色」、範囲に入っていなければ「赤色」に点灯する。
【0063】
各ソケット12には、作業IDをコード化したArUcoマーカがレーザ刻印されている。この実施形態においては、ソケット12のそれぞれに、他のソケットとは異なるユニークなArUcoマーカが刻印されている。ArUcoマーカによって、0~999までの数字が表現可能であるから、約1000種類のソケットを区別することができる。
【0064】
図4に、ディジタルトルクレンチ10のハードウエア構成を示す。CPU20には、メモリ21、操作ボタン22、角度センサ23、不揮発性メモリ24、ディスプレイ25、近距離通信回路26、トルクセンサ27が接続されている。近距離通信回路26は、例えば、ブルーツース(商標)規格による近距離通信回路である。角度センサ23は、ディジタルトルクレンチ10の回転角度を検出するものである。トルクセンサ27は、締付時のトルク値を検出するものである。操作ボタン22は、ディジタルトルクレンチ10の動作を行ったり、動作確認値を入力したりするためのボタンである。
【0065】
不揮発性メモリ24には、オペレーティングシステム15、レンチプログラム17が記録されている。レンチプログラム17は、オペレーティングシステム15と協働してその機能を発揮するものである。また、不揮発性メモリ24は、操作ボタン22によって設定された動作確認値19やスマートグラス30から送信されてきた動作確認値19を記録保持する。ここで、動作確認値19は、トルクの許容範囲や角度の許容範囲を示すデータである。
【0066】
図5に、ウエアラブル機器の例としてスマートグラス30の外観を示す。スマートグラス30としては、たとえば、RealWear社のNavigator(商標)500を用いることができる。スマートグラス30は、作業者の被るヘルメット70に取り付けられている。スマートグラス30には、撮像部としてのカメラ32が設けられている。このカメラ32は、作業者の視線方向と合致する方向を撮像するように固定されている。また、角度調節が可能なようにディスプレイ31が設けられている。
【0067】
図6に、スマートグラス30のハードウエア構成を示す。CPU50には、メモリ51、カメラ32、不揮発性メモリ52、ディスプレイ31、近距離通信回路53、マイク54、加速度センサ55、通信回路56が接続されている。近距離通信回路53は、例えば、ブルーツース(商標)規格による近距離通信回路である。通信回路56は、インターネット等に接続するための回路である。マイク54は、音声による指示を受けるためのものである。加速度センサ55は、首振り動作などで指示を受けるためのものである。
【0068】
不揮発性メモリ52には、オペレーティングシステム57、制御プログラム58が記録されている。制御プログラム58は、オペレーティングシステム57と協働してその機能を発揮するものである。不揮発性メモリ52には、作業IDと動作確認値を対応付けた対応テーブル59も記録されている。
【0069】
3.作業管理処理
図7に、作業管理処理のフローチャートを示す。スマートグラス30のCPU50(以下、スマートグラス30と省略することがある)は、作業者などの操作に応じて、通信回路56を介し、インターネット上のサーバ装置などから今回の作業に適合した対応テーブルを取得する(ステップS1)。また、USBケーブルなどで接続したPC等から対応テーブルを取得してもよい。なお、この対応テーブル取得処理は、作業開始前に事前に行っておくことが好ましい。
【0070】
図8に、対応テーブルの例を示す。ソケット12を用いた締付作業を行う場合の目標トルク、許容最小トルク、許容最大トルク、目標アングル、許容最小アングル、許容最大アングル、ヘッド長、サイクル数などが、当該ソケット12にArUcoマーカとして付された作業IDに対応付けて記録されている。
【0071】
目標トルク、目標アングルは、作業者が目標とすべきトルク、アングルである。許容最小トルク、許容最大トルクは、締付トルクの許容範囲を示すものである。許容最小アングル、許容最大アングルは、締付角度の許容範囲を示すものである。ヘッド長は、ソケットの装着部から延長ロッドなどのトルクアダプタの長さ分を延長もしくは短縮した距離であり、ハンドルに与えられた力に基づいてトルクを算出する際に必要となるものである。サイクル数は、同一ソケットを使った、同一条件での締め付け作業の繰返し回数を示すものである。なお、対応テーブルには、上記以外に、トルクの単位なども記録されている。
【0072】
スマートグラス30は、取得した対応テーブルをメモリ51に記録する。続いて、作業者は、自らが所持している社員コードを示す二次元バーコードを、スマートグラス30のカメラ32にて撮像する。スマートグラス30は、撮像した二次元バーコードから社員コードを復元する(ステップS2)。これにより、作業実績情報に、社員コードを付して、いずれの社員が作業したものであるかを明確にすることができる。
【0073】
さらに、作業者は、スマートグラス30を(音声入力や首振り入力などにより)操作し、カメラ32にて作業対象全体を撮像する(ステップS3)。これから締付作業を行うボルトが撮像された撮像画像が得られる。作業対象全体の撮像画像を、図9Aに示す。この実施形態では、作業者の音声指示により作業対象を示すためのマーカ101を付すようにしている。なお、マーカ101に代えて、図9Bに示すように、作業対象を示す枠線を付すようにしてもよい。この作業対象全体の画像も作業実績情報として記録される。
【0074】
続いて、作業者は、締付作業を行うボルトに合致したソケット12を取り出し、当該ソケット12に刻印されたArUcoマーカ15(図3参照)を、目前に持ってきて、カメラ32に写るようにする。スマートグラス30は、ArUcoマーカ15を読み取り(ステップS4)、ArUcoマーカ15から作業IDを復元する(ステップS5)。続いて、スマートグラス30は、図8の対応テーブル59を参照して、復元した作業IDに対応する動作確認値(目標トルク、許容最小トルク、許容最大トルク、目標アングル、許容最小アングル、許容最大アングル、ヘッド長、サイクル数など)を取得する(ステップS6)。たとえば、作業IDが「1」である場合、図10に示すような動作確認値が取得されることになる。この動作確認値(特に目標トルク、目標アングル)は、スマートグラス30のディスプレイ31に表示され、作業者が確認することができる。
【0075】
スマートグラス30は、近距離通信回路53を用いて、この動作確認値をディジタルトルクレンチ10に送信する(ステップS7)。ディジタルトルクレンチ10のCPU20(以下、ディジタルトルクレンチ10と省略することがある)は、近距離通信回路26を用いて、この動作確認値を受信しメモリ21に記録する(ステップS21)。したがって、ディジタルトルクレンチ10には、図10に示すような動作確認値が設定されることになる。
【0076】
作業者がディスプレイ31に表示された目標トルク、目標アングルを参照して、ディジタルトルクレンチ10による締付作業を開始すると、トルクセンサ27が締付トルクを計測し、角度センサ23が回転角度を計測する。ディジタルトルクレンチ10は、これら締付トルクの最大値および回転角度の最大値を算出し、これらが設定された動作確認値の許容範囲内であるか否かを判断する。たとえば、計測された最大トルク(作業状態値)が、設定された許容最小トルクと許容最大トルクの範囲内にあるか、計測された最大回転角度(作業状態値)が、許容最小アングルと許容最大アングルの範囲内にあるかを判断する。
【0077】
なお、ディジタルトルクレンチ10のモードにより、回転角度については判定を行わない場合もある。また、回転角度については、回し始めからの角度とするか、最大トルクに達してからの角度とするかも、モードによって決定されることになる。
【0078】
ディジタルトルクレンチ10は、その設定モードに応じて上記判定を行い、上記の計測した最大トルク、最大回転角度とともに、判断結果(OKまたはNG)を、スマートグラス30に送信する(ステップS22)。スマートグラス30は、これを受信すると(ステップS9)、カメラ32による作業対象を撮像画像とともに、判断結果をディスプレイ31に表示する。表示例を、図11Aに示す。目標トルクと実績トルクが表示され、判断結果がOKである旨が表示されている。判断結果がNGの場合には、図11Bに示すようにOKの場合とは色を変えて表示されるようにしている。このようにして、作業者は締め付け作業が正しく行われたか否かを確認することができる。
【0079】
また、スマートグラス30は、ディジタルトルクレンチ10から判断結果などを受け取ると、自動的に作業対象を撮像し(ステップS10)、これに実績トルクや角度(作業値)などとともに、作業実績情報として不揮発性メモリ52に記録する(ステップS11)。締め付け作業終了時であるので、撮像された画像には、ディジタルトルクレンチ10も含めて写されることになる。
【0080】
記録された作業実績情報の例を、図12に示す。実績トルクや角度などの作業値だけでなく、ディジタルトルクレンチ10も含めて作業対象が撮像されているので、締付作業の状況が視覚的にもわかるようになっている。
【0081】
なお、この実施形態では、作業実績情報の実績トルクや角度などの作業値は、判断結果がOKとNGの場合で色を変えるようにしている。
【0082】
続いて、同一のソケットによる締付作業があれば、ステップS9~S11までを繰り返して実行する(ステップS8、S12)。この際、ディジタルトルクレンチ10は、設定されたサイクル数に応じて、当該サイクル数分の作業完了があるまで、同じ設定値を用いる。
【0083】
同一のソケットによる締付作業が完了すると、次の作業対象の撮像(ステップS3)、次のソケット12のArUcoマーカ15の読み取り(ステップS5、S6)、動作確認値のトルクレンチ10への送信(ステップS7)以下を繰り返して実行する。
【0084】
以上のようにして、ソケットに適した動作確認値をディジタルトルクレンチ10に設定し、適切な作業実績情報を記録することができる。
【0085】
4.変形例
(1)上記実施形態では、インテリジェント作業工具としてソケットを装着して使用するディジタルトルクレンチを例として説明した。しかし、スパナヘッドを装着して使用するディジタルトルクレンチにも適用ですることができる。この場合、スパナヘッドにArUcoマーカを表示するとよい。また、ソケット、スパナヘッド以外の装着部品を用いてもよい。
【0086】
さらに、ビットを装着して使用するスクリュードライバにも適用可能である。この場合、ビットにArUcoマーカを表示するとよい。また、空気圧を検出できる空気注入器や切削深さを検出する切削器などのインテリジェント作業工具全般に適用することができる。
【0087】
(2)上記実施形態では、インテリジェント作業工具の装着部品(ソケット)にマーカを付した場合について説明した。しかし、作業工具本体にマーカを付すようにしてもよい。また、作業指示書などにマーカを付すようにしてもよい。
【0088】
(3)上記実施形態では、レーザ刻印によってマーカを表示するようにしている。しかし、通常の印刷などを用いてもよい。また、ディスプレイなどに表示するようにしてもよい。
【0089】
(4)上記実施形態では、動作IDに対応する動作確認値を示す対応テーブルを、不揮発性メモリ52に記録するようにしている。しかし、インターネット上のサーバ装置やスマートグラスに記録された対応テーブルをその都度参照するようにしてもよい。
【0090】
(5)上記実施形態では、作業実行情報をスマートグラス30に記録するようにしている。しかし、ウエブ上のサーバ装置やネットにて接続されたPCなどに記録するようにしてもよい。
【0091】
(6)上記実施形態では、作業IDを示すマーカとしてArUcoマーカを用いている。しかし、その他の2次元コードやバーコードを用いてもよい。また、作業IDを文字にて表示したものを用いるようにしてもよい。この場合、画像解析にて作業IDを復元することになる。
【0092】
(7)上記実施形態では、ソケット12に一つのArUcoマーカ15を表示している。しかし、図3Bに示すように、複数のArUcoマーカ15、15を表示するようにしてもよい。さらに、複数のArUcoマーカ15、15が同時に撮像されるようにしておけば、複数のArUcoマーカ15、15の復元内容が異なった場合に、再度読み直しを行って、誤判読を防止することができる。
【0093】
(8)上記実施形態では、作業実績情報を記録するようにしている。しかし、作業実績情報の記録は行わないようにしてもよい。この場合のフローチャートを、図13Aに示す。また、この場合の作業システムの機能構成を、図13Bに示す。
【0094】
インテリジェント作業工具10の装着部品12には、レーザ刻印などにより動作IDを表す二次元バーコードなどが表示されている。作業者の装着しているウエアラブル機器30の撮像部32は、この二次元バーコードを撮像する。動作ID取得手段34は、撮像された二次元バーコードに基づいて、動作IDを取得する。
【0095】
記録部42には、動作IDに対応付けて動作確認値が記録されている。動作確認値取得手段36は、取得した動作IDに対応する動作確認値を取得する。動作確認値送信手段38は、取得した動作確認値をインテリジェント作業工具10に送信する。
【0096】
インテリジェント作業工具10の受信手段16は、この動作確認値を受信して記録する。作業状態判断手段18は、作業者が、インテリジェント作業工具10を用いて行っている作業による作業状態値を取得し、当該作業状態値がこの動作確認値に基づいて適切であるか否かを判断する。
【0097】
(9)上記実施形態では、動作確認値をスマートグラス30からディジタルトルクレンチ10に送信して設定するようにしている。しかし、ディジタルトルクレンチ10は、スマートグラス30以外の機器から取得して、あるいは自らへの入力に基づいて動作確認値を設定するようにしてもよい。この場合のフローチャートを、図14Aに示す。また、この場合の作業システムの機能構成を、図14Bに示す。
【0098】
インテリジェント作業工具10の作業状態判断手段18は、作業者が、インテリジェント作業工具10を用いて行っている作業による作業状態値を取得し、当該作業状態値が適切であるか否かを判断する。作業状態判断手段18は、その判断結果をウエアラブル機器30に送信する。
【0099】
ウエアラブル機器30の撮像制御手段41は、判断結果を受信すると、撮像部32を制御して、インテリジェント作業工具および作業対象を撮像させる。作業実行情報記録手段40は、受信した判断結果に、撮像した撮像画像を関連づけて、作業実行情報として記録する。
【0100】
(10)上記実施形態では、1つの対応テーブルを用意して、スマートグラス30に記録するようにしている。しかし、作業によっては、同じソケット12を使う場合であっても、異なる動作確認値を用いることもある。このような場合には、図15に示すように、対応テーブルを複数セット設けて、作業手順情報によっていずれの対応テーブルを用いるかを決定するようにしてもよい。
【0101】
作業手順情報には、次のセットへ移る条件が遷移条件として記載されている。たとえば、セット1による作業を25回繰り返すと、セット2を用いる等の記載である。
【0102】
このようにすれば、作業対象ごとに同じソケットに対する動作確認値が異なっていても対応することができる。
【0103】
(11)上記実施形態では、動作確認値に基づいて作業状態値が適切であるかどうかの判断を、ディジタルトルクレンチ10にて行っている。しかし、ディジタルトルクレンチ10からスマートグラス30に対してリアルタイムに作業状態値を送信し、スマートグラス30にて動作確認値に基づく適否を判断するようにしてもよい。この場合、動作確認値をディジタルトルクレンチに送信する必要はない。
【0104】
(12)上記実施形態では、インテリジェント作業工具10とウエアラブル機器30を用いたシステムとして構築している。しかし、これに、協働ロボット120を加えたシステムとして構築してもよい。この場合の、機能構成図を図16に示す。
【0105】
ウエアラブル機器30の作業対象物移動指令手段41は、判断結果を受けて、次の作業をしやすい位置に対象物を移動させるように(たとえば、次に締め付けを行うボルトが手前に来るように回転させる)、協働ロボット120に指令を与える。この指令は、記録部42にロボット動作指令49として予め、サーバ装置などから取得して記録されている。
【0106】
したがって、一つの箇所(あるいは複数箇所)の締付作業が完了するごとに、作業者が作業しやすい位置に締付箇所がくるように対象物が協働ロボット120にて移動(角度を変えることも含む)される。よって、作業効率の良いシステムを構築することができる。
【0107】
(13)上記実施形態及びその変形例は互いに組み合わせて実施可能である。また、その本質に反しない限り、他の実施形態と組み合わせて実施可能である。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16