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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067767
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240510BHJP
【FI】
A63F7/02 352L
A63F7/02 323
A63F7/02 301C
A63F7/02 337
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178089
(22)【出願日】2022-11-07
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】山田 將貴
(72)【発明者】
【氏名】瀬口 浩之
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088AA75
2C088BA86
2C088BB07
2C088BB21
2C088BB26
2C088BB31
2C088CA02
2C088CA27
2C088CA31
2C088EA41
2C088EB68
(57)【要約】
【課題】保有玉のような合計遊技価値を表示している状態で付与処理や計数処理のような換算処理を行った場合に、その処理状況が把握し難くなる虞を低減し得るようにする。
【解決手段】遊技装置2は、保有玉としての合計遊技価値を表示している状態で、付与処理及び計数処理の少なくとも一方の処理が行われた場合に、合計遊技価値の表示を第2遊技価値の表示に切替えるので、合計遊技価値を表示している状態で計数処理や付与処理のような換算処理が行われた場合に、その処理状況が把握し難くなる虞を低減できる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技機各々と1対1で対応して設けられる遊技装置を備えた遊技場用システムにおいて、
前記複数の遊技機各々において、遊技に使用される遊技価値のうち、前記遊技機側で管理される遊技価値を第1遊技価値、前記遊技装置側で管理される遊技価値を第2遊技価値として、前記第1遊技価値を前記第2遊技価値に換算する計数処理を行う計数手段と、
前記第2遊技価値を前記第1遊技価値に換算する付与処理を行う付与手段と、
前記第1遊技価値と前記第2遊技価値とを合計した合計遊技価値を表示可能な表示手段と、を備え、
前記表示手段は、前記合計遊技価値を表示している状態で、前記計数処理、及び前記付与処理の少なくとも一方が行われた場合に、当該合計遊技価値の表示を前記第2遊技価値の表示に切替える遊技場用システム。
【請求項2】
前記表示手段は、前記合計遊技価値と前記第2遊技価値との選択的な表示が可能に構成されている請求項1に記載の遊技場用システム。
【請求項3】
前記表示手段の表示を切替える遊技者の切替操作を受付ける操作手段を備え、
前記表示手段は、前記切替操作により前記合計遊技価値と前記第2遊技価値との何れかの表示に切替えられていない場合は、前記第2遊技価値を優先して表示する請求項1又は2に記載の遊技場用システム。
【請求項4】
遊技場の会員となった遊技者の会員IDに対応付けて、遊技場へ預入れられた遊技価値を貯蓄価値として、第1貯蓄価値と、当該第1貯蓄価値よりも遊技者にとって不利に扱われる第2貯蓄価値とに区分可能に管理する管理手段と、
前記会員となった遊技者が所持し、前記第1貯蓄価値と前記第2貯蓄価値とを特定可能な会員記録媒体を受付け可能であり、前記遊技装置側に設けられた受付手段と、を備え、
前記受付手段に前記会員記録媒体が受付けられている状態において前記合計遊技価値を特定する場合、前記第1貯蓄価値を算出対象に含める一方、前記第2貯蓄価値を算出対象から除外する請求項1又は2に記載の遊技場用システム。
【請求項5】
遊技場において、遊技に使用される遊技価値のレートが複数設定されており、
遊技者が遊技により獲得した遊技価値である獲得価値であって対応するレートを特定可能な獲得価値を前記第2遊技価値として受付け可能であり、前記遊技装置側に設けられた受付手段と、を備え、
前記付与手段は、前記付与処理として、前記受付手段により受付けられた前記第2遊技価値のうち、前記受付手段に予め対応付けて設定される付与レートの獲得価値に基づく自遊技価値、或いは当該自遊技価値とは異なる他レートの獲得価値に基づく他遊技価値を前記第1遊技価値に換算可能であり、
前記表示手段は、前記他遊技価値を対象とする付与処理が行われる場合には、前記合計遊技価値の表示を抑制する請求項1又は2に記載の遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場に設置される遊技機として入賞に応じて玉やメダルのような遊技価値を払出す遊技機が知られているが、遊技機の中には遊技価値を払出さず、その大きさを示す情報を更新することで遊技価値を付与する所謂封入式の遊技機もある。このような遊技機の場合、例えば特許文献1に示されるように、遊技価値は遊技機側で管理する所謂遊技玉のような第1遊技価値と、近傍に設けられるユニット側で管理する所謂持玉といった第2遊技価値とに区分され、遊技者による操作に応じて第2遊技価値を第1遊技価値に換算する付与処理や、第1遊技価値を第2遊技価値に換算する計数処理を行うことで各遊技価値を換算可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-169770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような第1遊技価値や第2遊技価値は何れも遊技者が獲得した遊技価値であるので、遊技者に確認したいとのニーズは勿論あるが、その合計を示す所謂保有玉のような合計遊技価値も確認したいとのニーズを持つ遊技者も想定される。
こうしたニーズに基づき合計遊技価値を表示する場合、上記のような付与処理や計数処理といった換算する処理を行っても、合計遊技価値の性質上その処理の効果を把握し難い虞がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、保有玉のような合計遊技価値を表示している状態で付与処理や計数処理といった換算処理を行った場合に、その処理状況が把握し難くなる虞を低減可能な遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、複数の遊技機各々と1対1で対応して設けられる遊技装置を備えた遊技場用システムにおいて、
前記複数の遊技機各々において、遊技に使用される遊技価値のうち、前記遊技機側で管理される遊技価値を第1遊技価値(例えば遊技玉)、前記遊技装置側で管理される遊技価値を第2遊技価値(例えば持玉)として、前記第1遊技価値を前記第2遊技価値に換算する計数処理を行う計数手段(例えば制御部40)と、前記第2遊技価値を前記第1遊技価値に換算する付与処理(例えば再プレイ処理)を行う付与手段(例えば制御部40)と、前記第1遊技価値と前記第2遊技価値とを合計した合計遊技価値(例えば保有玉)を表示可能な表示手段(例えば表示部36とその表示制御を行う制御部40)と、を備え、
前記表示手段は、前記合計遊技価値を表示している状態で、前記計数処理、及び前記付与処理の少なくとも一方が行われた場合に、当該合計遊技価値の表示を前記第2遊技価値の表示に切替える(例えば図4の画面42,43間の矢印、図5の画面51,52間及び画面53,54間の夫々の矢印、並びに図6の画面62,63間の矢印で示すように、持玉を表示する画面42,52,53,62に切替える)。
【0007】
請求項1の発明によれば、保有玉としての合計遊技価値を表示している状態で、付与処理及び計数処理の少なくとも一方の処理が行われた場合に、合計遊技価値の表示を第2遊技価値の表示に切替えるので、合計遊技価値を表示している状態で計数処理や付与処理のような換算処理が行われた場合に、その処理状況が把握し難くなる虞を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態における遊技場用システムの構成を示す概略図
図2】遊技機及び遊技装置の正面図
図3】遊技装置を中心に示す電気的ブロック図
図4】遊技装置における一般カードの受付け時の表示例を示す図
図5】遊技装置における保有玉と持玉の表示例を示す図
図6】遊技装置における会員カードの受付け時の表示例を示す図
図7】休憩操作と休憩発行処理の説明図
図8】休憩発行処理における残高・持玉の有無とロックの有無との関係を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。遊技場内には多数の遊技機1が設置されており、それら遊技機1各々と1対1で対応して、遊技装置2及び情報表示装置3が付設されている。
【0010】
遊技機1、遊技装置2及び情報表示装置3は、2台ずつ中継装置4に接続され、中継装置4は、LAN5を介して管理装置6と接続されている。管理装置6は、遊技機1や遊技装置2の側から送信される遊技信号を受信することにより遊技機1毎の遊技データを管理すると共に、会員登録された会員毎の個人データも管理する。
【0011】
遊技場には、景品交換端末(以下、POS)7や、精算機8も設置されており、LAN5を介して管理装置6と接続されている。
POS7は、遊技装置2で発行された会員カードや一般カードであるICカード10により特定される計数玉数(遊技価値、貯蓄価値)に基づいて景品交換処理を実行する。POS7は、景品交換処理する場合、遊技者が獲得した遊技価値をICカード10から読取ったり、景品交換を希望する会員の遊技者を特定することで当該遊技者が遊技場へ預入れた貯蓄価値(貯玉、貯メダル)を管理装置6からオンラインで取得することで景品交換可能な遊技価値を特定したりする。
【0012】
精算機8は、ICカード10がカード挿入口11に挿入されると、挿入されたICカード10を受付け当該ICカード10に記録されている入金残高をカードリーダ(図示せず)により読取り、その読取った入金残高に対応する紙幣や硬貨を返却口12から返却する。精算機8には、紙幣が投入される紙幣投入口13が設けられており、ICカード10に記録されている入金残高に投入金額を加算可能となっている。
なお、ICカード10は、会員カード10aと一般カード10bとに区別されるが(図3参照)、何れも図示しないICチップが内蔵され、遊技価値を対応付け可能な記録媒体であり、「カード10a,10b」とも称する。会員カード10aは、予め会員登録を行った会員に対して発行され、会員となった遊技者が所持する会員記録媒体であり、一般カード10bは、不特定多数の一般遊技者に対して発行される一般記録媒体である。
【0013】
管理装置6は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード14、モニタ15、図示しないプリンタ等が接続されている。
図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。管理装置6は、遊技場内に設置された遊技機1、遊技装置2、POS7、精算機8等の稼動状況を管理する。
【0014】
続いて、遊技機1及び遊技装置2の説明をする前に、情報表示装置3について簡単に説明しておく。
情報表示装置3は、複数の遊技機1各々に対応するように、各遊技機1の上方に設置され、対応する遊技機1の各種遊技情報等を表示する例えば液晶表示部やLED表示部を有する。情報表示装置3は、その液晶表示部に大当り回数や後述する保有玉を表示し、又、周知の大当り演出や、保有玉が合計基準値に達したときの達成演出といった演出処理を行う演出手段として構成されている。
【0015】
本実施形態の遊技機1は、所謂封入式のCRパチンコ機を例とする。遊技機1は、遊技者が所有する残金や持玉や貯玉を換算した遊技玉数を記憶・管理している管理遊技機であり、その記憶している遊技玉(第1遊技価値)が残っていることを条件として内部のパチンコ玉を発射装置に供給して盤面に発射し、入賞して遊技者が遊技玉を獲得すると、遊技玉を払出すことなくデータ上の獲得玉として加算するといったように、その増減につき主となって管理する。
このように、遊技機各々において、遊技に使用される遊技価値のうち、遊技機1側で管理される遊技価値を第1遊技価値とする。これに対し、遊技装置2側で管理される遊技価値を第2遊技価値とする。
【0016】
図2に示すように、遊技機1は、パチンコ玉が発射される盤面1a、発射装置を構成する操作ハンドル16、残高を遊技玉に換算するための貸出釦17、会員カード10aや一般カード10bを発行するための返却釦18、残高を表示する残高表示部19、遊技玉を持玉に換算するための計数釦20、遊技玉数を表示する遊技玉表示部21を有する。盤面1aには、普図表示部22、普図保留表示部23、特図表示部24、普図入賞口25、一般入賞口26,27、第1保留数表示部28、第2保留数表示部29、第1始動口30、第2始動口31、大入賞口32を有する。また、計数釦20及び遊技玉表示部21の下方に、装飾用パネル33を有する。
【0017】
遊技機1は以下のように動作する。
(1)第1始動口30は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口31は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。各始動口30,31への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を特図表示部24にて行う図柄変動(単位遊技)にて報知し、その変動結果に応じて大当りとなる。
【0018】
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。なお、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
【0019】
(3)遊技機設定値(モード)が6段階で設けられ、このモードにより、大当り抽選の当選確率(大当り確率)を通常遊技状態(通常)と確変状態(確変)とを対象として調整可能となっている。又、大当り後に確変となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率(例えば66%で全モード共通)も定められる。大当り確率をモードにより不変とする一方、確変率を調整可能とするように、通常と確変との大当り確率や確変率、及び後述するラウンド振分率等の少なくとも1つがモードにより調整可能であればよい。
【0020】
(4)大当りが発生すると対応するラウンド(R)分だけ大入賞口32を開放する。1Rの上限入賞数は10個であり、上限開放期間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放期間の何れか満たされた場合に1Rを終了する。対応するラウンドも大当り抽選と同様に抽選され、その振分率は、第1始動口30に入賞した場合は、2Rが10%であり、4Rが50%であり、8Rが40%であるが、第2始動口31に入賞した場合は、4Rが10%であり、8Rが90%であり、入賞に応じた図柄変動の保留消化優先順位は第1始動口30よりも第2始動口31の方が高く設定される。
【0021】
(5)確変中は大当り確率が向上すると共に、第2始動口31の入賞率が高くなる時短状態(時短)になる。又、確変大当りでない大当り(通常大当り)が発生した場合は大当り後に確変でない時短(単独時短)となり、所定の時短回数(例えば100回)分の図柄変動を行うか大当りが発生するまで時短を継続し、大当りが発生せずに時短回数分の図柄変動を行うと通常状態に戻る。
【0022】
(6)第2始動口31は普図入賞口25への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に通常の状態よりも入賞率の高い開放状態となる。この場合、普図1回の変動期間は通常状態では30秒であり、時短状態では3秒である。又、開放期間は通常状態では0.3秒であり、時短では5秒である。即ち、時短では通常状態と比較して普図変動期間が短くなる一方、開放期間が長くなることで開放状態になり易くなり、第2始動口31の入賞率が高くなる。
【0023】
(7)大入賞口32や第2始動口31が盤面1aの右側にあることから時短中や大当り中には盤面1aの右側を狙って打つ所謂右打ちが行われる。以上は機種Aを例にして説明したが、例示した値は例えば機種Bであればラウンドの振分が異なる等、機種に応じて様々な値となり、遊技性も異なる。
【0024】
図2に示すように、遊技装置2は、遊技機1の遊技状態や遊技装置2の状態を示す状態表示灯34、貨幣(貨幣価値、有価価値)が投入される貨幣投入口35、遊技者からの操作入力を受付けると共に後述する各種の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部36、持玉(会員であれば貯玉も含む)を払出すための遊技釦37、会員カード10a或いは一般カード10bが挿入されるカード挿入口38、遊技者の顔を含む上半身を撮影するカメラ39(図2では保護カバーのみを図示)等を有する。
【0025】
図3の機能ブロック図は、遊技装置2の構成を中心に示している。遊技装置2の制御部40は、CPU40a、ROM40b、RAM40c、I/O40d等を有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。
制御部40に接続された周辺部としては、上記した状態表示灯34を構成するLED、液晶表示部36及び当該表示部36上に設けられたタッチパネル36a(操作手段)、遊技釦37を含むとともに、管理装置6や遊技機1との間で各種信号や各種データを送受信するI/F部40e、貨幣投入口35に投入された紙幣の真贋を判定する紙幣処理部35a、カード挿入口38に挿入されたカード10a,10bに記録されている各種情報を読取ったり、書込んだりするカードRW(リーダライタ)38a、最大10枚の一般カード10bをストック可能なカードストック部38b等を含む。
【0026】
遊技装置2は以下のように動作する。
(1)貨幣を受付けると(貨幣受付処理)、遊技機1と遊技装置2との双方に入金額を残高に加算して表示し、残高がある状態で遊技機1の貸出釦17を押下すると、貸出1単位(例えば125玉)分を貸出玉として遊技機1から払出し(貸出処理、対価付与処理)、遊技レート(以下、レート)に応じた対価分を残高から引落とす。なお、貨幣は複数回の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
【0027】
(2)遊技機1では遊技玉を管理しており、盤面1aへの玉の打出し(使用)に応じて遊技玉を減算し、入賞に応じて遊技玉を加算する。遊技装置2は持玉を管理し、持玉は直接的には遊技に使用できないが、遊技釦37の押下(再プレイ操作、付与操作)に応じて払出1単位分の持玉を遊技玉に変換する処理、つまりは第2遊技価値を第1遊技価値に換算する付与処理(以下、再プレイ処理とも言う)を行う。この場合、換算率を別途設けている(以下の計数処理についても同様)。
【0028】
(3)遊技に応じて遊技機1の遊技玉が増加した場合、遊技機1の計数釦20の押下に応じて遊技玉を持玉へ変換する処理、つまり第1遊技価値を第2遊技価値に換算する計数処理を行う。この場合、1回の押下に応じて1玉を換算対象とするが、押下した状態を継続させると連続的、且つ加速的に換算可能となる。このようにして遊技玉と持玉とを更新し、遊技装置2では残高や持玉が残存する状態で遊技機1の返却釦18を押下する等の発行操作を行うと、その残高や持玉を特定可能な一般カード10bを発行する(通常発行処理)。
(4)一般カード10bが挿入口38に挿入されている状態で返却釦18が押下(発行操作)されたときには、その挿入口38に挿入されている一般カード10bに残高及び持玉の情報を記録して発行し、一般カード10bが挿入口38に挿入されていない状態で返却釦18が押下されたときには、カードストック部38bにストックしているICカード10bを挿入口38に繰出して残高及び持玉を記録する(対応付ける)ことで一般カード10bとして発行する(通常発行処理)。一般カード10bを発行すると、自装置2を特定可能な情報(遊技装置ID)、発行した一般カード10bを特定可能な情報(カードID)、一般カード10bに記録した残高や持玉の情報等を含む発行情報を管理装置6に送信する。なお、残高や持玉の一部を発行対象とする分割発行も可能とする。
【0029】
(5)会員カード10aも挿入口38へと挿入することで受付け可能で、会員カード10aについても一般カード10b同様に持玉や残高を対応付けて発行することが可能である(通常発行処理)。但し、残高は一般カード10b同様に会員カードに書き込まれるが、持玉は会員カード10aには書込まれず、管理装置6にて会員カード10aの会員IDに対応付けて管理され、会員IDが対応づけられると貯玉として特定される。即ち、遊技場の会員となった遊技者の会員IDに対応付けて、遊技場へ預入れられた遊技価値が貯玉(貯蓄価値)であり、未対応のものが持玉となる。貯玉は、翌日以降も払戻処理や景品交換等を可能とするが、持玉は当日限り有効等、異なる有効期限が設けられる等の違いがある。
なお、貯玉については、管理装置6(管理手段)において当日の獲得玉として預入れられた当日貯玉(第1貯蓄価値)と、前日以前に預入れられた第2貯蓄価値であって第1貯蓄価値よりも遊技者にとって不利に扱われる前日貯玉とに区分可能に管理される。例えば、前日貯玉には再プレイの対価とする際の上限(例えば5000玉)が設けられており、例えば1営業日等の単位期間において上限以上の再プレイを不能としている一方、当日貯玉にはそのような上限がなく再プレイを可能としている。前日貯玉の制限としては、上限が設けられることの他に、再プレイの対価として手数料玉を徴収しない当日貯玉に対し、再プレイの対価として払戻玉に加えて手数料玉を徴収する等、前日貯玉の方が遊技者にとって不利であればどのような制限を採用してもよい。
【0030】
(6)通常発行処理には遊技機1における遊技玉に応じた発行条件が設けられ、本実施形態では遊技玉が所定数(「0」)以下となることで発行条件が成立して発行処理が可能となる。よって、遊技機1と一定間隔(例えば200ミリ秒毎に)で通信(アウト情報等も含む)を行っており、遊技への使用や計数処理等により遊技玉が「0」になると、その旨が通知され、発行条件が成立すると発行処理を許容する。このように、遊技機1側に遊技玉が残っていないこと、つまり遊技機1側で残存する遊技価値の大きさに応じて通常発行処理を抑制し、その抑制対処から後述する休憩発行処理が除外されているが、休憩発行処理について詳しくは後述する。
なお、遊技機1から遊技玉を特定可能な遊技玉信号を受信することで遊技玉を更新して発行条件が成立した旨を特定すればよいが、遊技玉が「0」になった旨を示す信号を別途受信するような他の特定方法を採用してもよい。
【0031】
(7)中継装置4とのシリアル通信により管理装置6にて貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉、貸出玉数、換算(変換)玉数、入金額、計数玉数や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、及び持玉券(ICカード)の受付や発行処理等の各種情報を特定可能とするが、これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としてもよい。
【0032】
上記したように、遊技装置2の制御部40は、遊技機1における遊技により獲得された遊技価値を対象とした前記計数処理を行う計数手段、並びに前記付与処理を行う付与手段として機能する。また、制御部40、カードRW38a及びカード挿入口38は、計数処理の対象となった遊技価値を対応付け可能なカード10a,10bの発行処理を行う発行手段、並びに発行処理により発行されたカード10a,10bを受付ける受付手段、或いは前記レートを特定可能な獲得価値(遊技価値)を持玉として受付け可能な受付手段として機能し、例えば端数となった持玉(第2遊技価値)をクリアするような権限を持つといったように、持玉を管理する主体となる。
【0033】
ここで、レートについて説明しておく。
遊技場において、遊技に使用される遊技価値のレートが複数設定されており、例えば貸出単価が1玉4円の4円レートや1玉1円の1円レートといった、複数種別のレートの持玉や貯玉(預入れ)をカード10a,10bに対応付け可能である。また、遊技装置2には予め付与レートが対応付けて設定されており、通常処理では対応付けられた付与レート(自レート)内での再プレイ処理が行われる。一方で、遊技者がカード10a,10bをPOS7や遊技装置2にて受け付けた状態で特定の乗入操作を行うと、乗入による払出しを可能とする状態となる。
【0034】
なお、乗入とは、乗入先の(再プレイ処理を行う)遊技装置2に対応付けられていない種別(他種別、他レート)である乗入元の貯玉や持玉を対価として、乗入先の遊技装置2に対応付けられている種別(自種別)での再プレイ処理を行うものであり、乗入操作にて指定した又は予め設定される種別である乗入元と乗入先とのレート比率に応じた換算率により種別を超えた再プレイ処理を可能とするものである。例えば4円レートを乗入元とし、乗入先となる1円レートが対応付けられている遊技装置2にて200玉分の再プレイ処理を行うと、乗入先との換算率が1/4であれば50玉分の乗入元の4円の持玉を対価として減算する。
【0035】
さて、上記した封入式の遊技機1にあっては、遊技玉と持玉とを合計した所謂保有玉のような合計遊技価値も確認したいとのニーズを持つ遊技者も想定されるが、係るニーズに基づき保有玉を表示する場合、付与処理や計数処理を行っても、保有玉の値が変動しないことから、その処理の効果を把握し難い虞がある。
【0036】
そこで、本実施形態における遊技装置2の液晶表示部36では、合計遊技価値たる保有玉を表示している状態で、計数処理及び付与処理の少なくとも一方が行われた場合に、当該保有玉の表示を持玉の表示に切替えるようになっている。この場合、遊技装置2の制御部40は、液晶表示部36を制御する表示制御手段として機能する。
以下では、「1.保有玉切替表示」について、表示手段としての液晶表示部36を「表示部36」、制御主体(表示制御手段)或いは表示手段としての制御部40を単に「遊技装置2」と称し、図4図6も参照しながら詳述する。
【0037】
<1.保有玉切替表示>
遊技装置2は、表示部36に後述する離席中の情報の他、基本情報を含む、遊技に関する各種情報を表示することが可能とされている。ここで、図4に例示する画面41,42,43は、遊技者が所持する一般カード10bを挿入口38へ挿入して、対応する遊技機1で遊技を行うときに表示部36に表示される、乗入表示の画面41並びに一般カード表示の画面42,43の一部を示している。
【0038】
このうち、乗入表示の画面41は、「他口座利用中」として示すように、他種別の口座である他口座(乗入元になりうる口座)の持玉を対価として、自種別の口座である自口座(乗入先に対応する口座)のレートである自レートによる玉(遊技価値)を遊技者に付与する前記付与処理を実行可能な状態にある。なお、係る乗入による付与処理を行うための口座の切り替えは、例えば前記タッチパネル36aのタッチ操作により(図7のメニュー表示釦71iのタッチ操作によるメニュー画面から切替画面への遷移により)、行うことができる。
【0039】
図4に示すように、同画面41には、挿入中のカード10a,10bの種別(会員・一般)を表す欄41a、「入金残高」たる残高及び「持玉(換算)」を表す欄41b及び41c、「他口座払出」として他口座の持玉を対価とした自口座のレートによる持玉の付与処理が可能であることを表す欄41dが設けられている。また、図示は省略するが、画面41には、当該遊技装置2における種別(貸出単価)・単位付与数を表す欄(例えば図5の「4円貸」・「125玉」参照)等が表示される。
【0040】
画面41の「持玉(換算)」の欄41cにおける、「1パチ」の「500玉」は、1円の4玉を1玉として換算した持玉、つまり乗入元の持玉に基づき換算した再プレイ可能数を表すものとする。
この場合、遊技装置2は、乗入よりも自種別の持玉の付与処理を優先して行うように設定されているため、計数処理等により持玉が発生すれば、図4の下側の画面42,43で示す一般カード表示となり、その持玉がなくなれば上側の画面41で示す乗入表示となる。
【0041】
即ち、遊技装置2は、一般カード表示の画面42,43の表示欄42dに従い、遊技者により遊技釦37が押下されると、前記付与処理として、一般カード10bに対応付けられる持玉のうち(前記受付手段により受付けられた前記第2遊技価値のうち)、予め対応付けて設定された付与レート(例えば自レートである4円レート)の獲得価値に基づく自種別の持玉を遊技玉に換算する(自遊技価値を第1遊技価値に換算する)。また、その持玉がなくなったとき、遊技装置2は、乗入表示の画面41の表示欄41dに従い、遊技者により遊技釦37が押下されると、付与処理として、当該自遊技価値とは異なる他レートの獲得価値に基づく他種別の持玉(例えば前記1円の4玉が1玉とされる持玉)を遊技玉に換算する(他遊技価値を第1遊技価値に換算する)。
【0042】
また、乗入表示の画面41で示すように、遊技装置2は、乗入中に行われる乗入表示では保有玉表示に代えて乗入先の持玉に基づく再プレイ可能数を表示する。このように、遊技装置2は、他遊技価値を対象とする付与処理が行われる場合には、合計遊技価値の表示を抑制するものといえる。また、遊技玉があっても持玉がない限り乗入表示を行う。即ち、仮に遊技に応じて遊技玉が生じても乗入表示中は保有玉(この場合、持玉がないので遊技玉分のみ)の有無に関わらず乗入先の持玉に基づく再プレイ可能数を該当欄41cに表示し、保有玉を表示しない。なお、保有玉表示に代わる表示を行わないことや、保有玉表示の表示領域を小さくする等、保有玉の表示を抑制すれば必ずしも保有玉表示に代えて再プレイ可能数を表示しなくともよい。
【0043】
そして、一般カード表示の画面42,43で示すように、遊技装置2は、「持玉あり」として自口座のレートによる持玉の払出しが可能である場合、その旨を示す欄42dを表示させるとともに、当該持玉の表示欄42cと保有玉の表示欄43cとを、釦42e,43eのタッチ操作に応じて切替えて表示する。
【0044】
即ち、表示部36は、保有玉と持玉との選択的な表示が可能に構成されていて、画面42中の保有玉釦42eと画面43中の持玉釦43eは、表示部36の表示を切替える遊技者の切替操作を受付ける操作手段として機能する。これにより、遊技装置2は、保有玉釦42eのタッチ操作(切替操作)に伴い、持玉の表示欄42cを保有玉の表示欄43cに切替え(左側の画面42から右側の画面43へ遷移させ)、持玉釦43eのタッチ操作に伴い、保有玉の表示欄43cを持玉の表示欄42cに切替える(右側の画面43から左側の画面42へ遷移させる)。
【0045】
一方、図5における左側の画面51,52は、一般カード表示条件が成立していない場合に表示される待機表示の画面、右側の画面53,54は、一般カード表示条件が成立している場合に表示される一般カード表示の画面を例示している。
具体的には、遊技装置2は、一般カード表示条件が成立しているか否かを、残高があるか又は保有玉が端数設定値(例えば25玉)に達しているか否かにより判定しており、残高がない且つ保有玉が25玉に達していないと判定した場合、表示部36に待機表示の画面51,52を表示させる。なお、一般カード表示条件として保有玉を端数設定値の比較対象とすることを例示したが、持玉や遊技玉の一方だけを端数設定値との比較対象としたり、残高の有無だけで成立させたりする等、どのような条件を一般カード表示条件としてもよい。
【0046】
待機表示の画面51,52のうち、右側の画面52は持玉を表示する、もとの画面52である。即ち、待機表示の画面52には、貸出単価・単位付与数を表す欄51f、各種の案内を表す欄51g、持玉を表す欄52cが設けられるとともに、同欄52cには操作手段たる保有玉釦52eが設けられている。遊技装置2は、保有玉釦52eのタッチ操作に伴い、同画面52から次の画面51へ遷移させる。
【0047】
この画面51では、もとの画面52の持玉を表す欄52cが保有玉の表示欄51cに切替えられており、同欄51cには操作手段たる持玉釦51eが設けられている。遊技装置2は、持玉釦51eのタッチ操作に伴い、同画面51からもとの画面52へ遷移させる。
このように、遊技装置2は、表示部36における待機表示の画面51,52でも、釦52e,51eでの切替操作による保有玉と持玉との選択的な表示が可能に構成されている。
なお、図5における待機表示の画面51,52の「残高=0、かつ保有玉<端数設定値」は、一般カード表示条件が成立していない場合を示し、一般カード表示の画面53,54の「残高>0、或いは保有玉≧端数設定値」は、一般カード表示条件が成立している場合を示している。
【0048】
遊技装置2は、一般カード表示条件が成立したと判定した場合、表示部36に一般カード表示の画面53,54を表示させる。
一般カード表示の画面53には、貸出単価・単位付与数を表す欄51f、各種の案内を表す欄51g、カードの種別を表す欄53a、残高及び持玉を表す欄53b及び53c、「持玉払出」が可能であることを表す欄53dが設けられ、持玉を表す欄53cには、操作手段たる保有釦53eが設けられている。遊技装置2は、保有釦53eのタッチ操作に伴い、同画面53から次の画面54へ遷移させる。
【0049】
この画面54では、もとの画面53の持玉を表す欄53cが保有玉の表示欄54cに切替えられており、同欄54cには操作手段たる持玉釦54eが設けられている。遊技装置2は、持玉釦54eのタッチ操作に伴い、同画面54からもとの画面53へ遷移させる。
このように、遊技装置2は、表示部36における一般カード表示の画面53,54だけでなく、待機表示の画面51,52でも、保有玉の表示と持玉の表示とを切替える切替表示が可能に構成されているが、釦51e,52e,53e,54eでの切替操作がない場合、持玉を表示する画面52,53を表示させる。
【0050】
換言すれば、表示部36は前記切替操作がなく、つまりは切替操作により保有玉と持ち玉との何れかの表示に切替えられていない場合は、持玉を優先して表示する。例えば、遊技装置2は、保有玉を表示する画面51,54の表示期間(所定の経過期間)に応じて、持玉を表示する画面52,53に切替えるように構成してもよく、又、当該画面52,53を先に表示する、或いは持玉を表示する画面52,53の表示期間を、保有玉を表示する画面51,54の表示期間よりも長くするといった他の方法で、持玉を優先表示してもよい。
【0051】
図6に例示する画面61~65は、会員カード10aを挿入口38へ挿入して、対応する遊技機1で遊技を行うときに表示部36に表示される、「他口座利用中」の画面61、「持玉あり」の画面62,63、「再プレイ利用中」の画面64,65の一部を示している。
【0052】
図6の「他口座利用中」の画面61には、図4の乗入表示の画面41と同様、挿入中のカードの種別を表す欄61a、残高及び再プレイ可能数を表す欄61b及び61c、「他口座払出」しが可能であることを表す欄61d、が設けられており、一般カード表示と同様に乗入表示では保有玉表示に代えて乗入先の持玉に基づく再プレイ可能数を該当欄61cに表示する。
【0053】
図6の「持玉あり」の画面62,63は、図4の一般カード表示の画面42,43と同様、保有玉が端数設定値に達した場合に表示され、その自口座のレートによる持玉の払出しが可能である旨を示す欄61dを表示させるとともに、当該持玉の表示欄62cと保有玉の表示欄63cとを、釦62e,63eのタッチ操作に応じて切替えて表示する。
即ち、遊技装置2は、「持玉あり」の画面62中の保有玉釦62eのタッチ操作に伴い、持玉の表示欄62cを保有玉の表示欄63cに切替え、画面63中の持玉釦63eのタッチ操作に伴い、保有玉の表示欄63cを持玉の表示欄62cに切替える。こうした、図6の画面62,63や図4の画面42,43は、図5の画面51~54と同様、保有玉と持ち玉との何れかの表示に切替えられていない場合に、持玉を表示する画面62,42を優先して表示するように構成してもよい。
【0054】
「再プレイ利用中」の画面64は、表示部36に図示しない暗証番号の入力画面を表示させ、その会員の暗証番号を入力することにより表示される画面である。
具体的には、「再プレイ利用中」の画面64は、挿入中のカードの種別を表す欄61a、残高及び再プレイ可能数を表す欄61b及び64c、「貯玉払出」しが可能であることを表す欄64d、が設けられている。同画面64の再プレイ可能数に関して、貯玉は、上記の如く前日貯玉と当日貯玉とに区分され、当日貯玉が持玉として取扱われるので優先して付与処理の対価対象となる。
【0055】
つまり、遊技装置2において、会員カード10aが挿入口38へ挿入され、受付けられている状態において保有玉を特定し「保有玉表示」の画面65(「持玉あり」の画面63参照)に表示する場合、当日貯玉を算出対象に含める一方、前日貯玉を算出対象から除外する。
このため、当日貯玉があれば(会員カード10aに当日貯玉が対応付けられていれば)、当日貯玉全てが持玉として特定され、当日貯玉がなく前日貯玉がある場合、暗証番号の1入力当りの上限値(例えば2500玉)や1営業日当りの上限値(例えば10000玉)により付与可能な玉数が、再プレイ可能数を表す画面64に表示される。当日貯玉は1玉、前日貯玉は125玉が付与単位となるので、その付与単位に応じた玉数が持玉や再プレイ可能数として特定される。なお、「他口座利用中」の画面61の乗入れ可能数(再プレイ可能数)も200玉のような付与単位で特定される。
【0056】
なお、「保有玉表示」の画面65は、「持玉あり」の画面63の保有玉の表示欄63cと同様の表示内容を含むが便宜上、「保有玉表示」との文言で表すものとする。上記の通り、当日貯玉は持玉扱いなので、保有玉を特定する場合の算出対象となるが(同画面63,65参照)、前日貯玉はその算出対象とならず再プレイ可能数を表す画面64で表示される。なお、前日貯玉は、別途、口座別の貯玉数の表示画面(図示略)にて確認可能であり、仮にこの画面64を表示した状態で遊技に応じて遊技玉が増加し、保有玉が端数設定値に達すれば画面65に切替わり、遊技に応じて保有玉が減少し、端数設定値に達しなくなれば画面64に戻るが、保有玉が端数設定値に達した状態では画面62と画面63(画面65)とで切替表示することも可能である。
【0057】
そして、保有玉の表示中に、計数処理と付与処理との少なくとも一方の換算処理が行われることで持玉が変化する場合に、当該合計遊技価値たる保有玉の表示を持玉の表示に切替える。これは、係る換算処理において保有玉が変動しないことから、図4の画面42,43間の矢印、図5の画面51,52間及び画面53,54間の夫々の矢印、並びに図6の画面62,63間の矢印で示すように、持玉を表示する画面42,52,53,62に戻すことで、その換算処理の状況を持玉の変化により遊技者が確認できるようにするためのものである。また、新たなカード10a,10bを挿入口38に挿入したり紙幣を投入口35へ投入する際の処理等、遊技者の入替りに応じて生ずるような処理を行った場合にも一旦表示を初期表示に戻すべく持玉を表示する画面に切替える。前者は持玉変動条件、後者は遊技者変更条件の成立に応じた切替えとなる。
【0058】
<2.離席中の発券禁止>
遊技場では遊技中に食事や喫煙といった所用のために休憩して離席したい遊技者もおり、その遊技者の休憩操作により遊技機1での遊技を禁止することも考えられるが、規則的に遊技機の外部から遊技機側の制御を行うことは難しく、遊技装置2における上記の付与処理等を抑制することが考えられる。
しかしながら、係る遊技装置2における抑制対象を計数処理にまで広げると、所謂封入式であれば上記の通り遊技機1側の制御に影響するので難しく、所謂払出式であっても例えばシャッタを作動させて遊技価値の受入れ自体を抑制する必要があり、やはり難しいので、計数処理を抑制対象に含められなくとも計数した遊技価値が盗難に遭うような遊技者にとっての不利益が生じ難いようにすることが求められている。
【0059】
そこで、遊技装置2は、発行処理として、休憩操作に応じた休憩処理を開始する場合に休憩カード10´(図1にのみ図示)を発行する休憩発行処理と、その休憩処理の開始を伴わない前記通常発行処理と、を実行可能に構成され、休憩処理において、計数処理を許容する一方、その許容する計数処理が行われた場合であっても通常発行処理を抑制し、その抑制する通常発行処理を、休憩カード10´が挿入口38に挿入され受付けられたことを条件として許容する。以下では、離席に応じた休憩発行処理と、通常発行処理の抑制について、図7図8も参照しながら説明する。
【0060】
先ず、通常発行処理における、通常時の一般カード10bや会員カード10aの発行は、遊技機1側に遊技玉が残っていないことを条件として許容される。従って例えば、一般カード10bが挿入口38に挿入され且つ遊技玉の大きさが0の状態で、上記した返却釦18の押下による発行操作が行われると、その挿入口38に挿入されている一般カード10bについての通常発行処理が行われる。このように、休憩処理が行われていない通常時の状態において、遊技装置2は、遊技機1側で残存する遊技玉(遊技価値)の大きさに応じて通常発行処理を抑制するものといえる。
【0061】
これに対し、休憩発行処理は、遊技機1側に遊技玉が残っていても許容され、上記の抑制対象から当該休憩発行処理が除外されている。つまり、通常発行処理は遊技者が退場する可能性が比較的高い前提により遊技玉を忘れて退場することを考慮して遊技玉が残っていないことを条件として許容する一方、休憩発行処理は退場する可能性が比較的低い前提による利便性を考慮して遊技玉が残存していても許容される。この場合の休憩操作は、遊技装置2の表示部36における図7の画面71,73で行われる。
【0062】
図7の画面71には、貸出単価・単位付与数を表す欄71f、「タバコ休憩」釦71g、「食事休憩」釦71h、「メニュー表示」釦71i、カードの種別を表す欄71a、残高及び持玉を表す欄71b及び71c、「持玉払出」が可能であることを表す欄71dが設けられている。
同図に「離席操作」として示すように、「タバコ休憩」釦71g又は「食事休憩」釦71hがタッチ操作されることで休憩操作が行われた場合、同画面71から休憩操作時画面73に遷移する。休憩操作時画面73では、タイトル72g、休憩可能時間と休憩カード10´が返却される旨を通知するメッセージ、「開始」釦73a、「中止」釦73bを表示する。休憩可能時間は「タバコ休憩」と「食事休憩」とを区別して機種毎に設定可能である。
【0063】
「開始」釦73aがタッチ操作された場合、遊技機1側に遊技玉が残存しているかに関わらず、受付け中のカード10、例えば一般カード10bに現在の有価価値(残高、持玉)を記録してから、当該カード10bを休憩カード10´として発行する(休憩発行処理)。
なお、遊技装置2においてカード10が受付けられていない状態で、「タバコ休憩」釦71g又は「食事休憩」釦71hがタッチ操作された場合、その待機中の画面71から「カードを挿入して下さい」とのメッセージを表示する画面72に遷移する。このとき、例えば一般カード10bを挿入すれば、同画面72から休憩操作時画面73に遷移するため、「開始」釦73aのタッチ操作により、休憩カード10´を発行することができる。なお、「中止」釦73bがタッチ操作されたとき、休憩操作時画面73からもとの画面71に戻る。
【0064】
こうして、遊技者は発行された休憩用記録媒体である休憩カード10´を持って休憩する(例えば喫煙所に向かう)一方、休憩操作時画面73は、休憩中画面74に遷移する。休憩中画面74では、休憩カード10´の挿入を促す旨を通知するメッセージと経過時間とを表示する欄74aが設けられる。
このように、遊技装置2において、画面71~74を表示させる表示部36及びタッチパネル36a並びに画面74の表示を開始させる制御部40は、休憩操作に応じて遊技者が遊技を休憩するための休憩処理を開始する休憩手段に相当する。
【0065】
遊技装置2においては、開始釦73aでの休憩操作に応じて休憩処理が開始されることにより、遊技者の離席中(休憩中)、上記の休憩中画面74を表示させ通常発行処理を禁止(抑制)することから、返却釦18が押下されてもカード10が発行されることはない。
一方、離席中に計数釦20の押下に応じた計数処理は許容されるものの計数した持玉は遊技装置2内にて保留し、休憩カード10´が挿入された場合や離席が終了した場合に新たにカード10へ移行し、発行可能となる。
【0066】
即ち、遊技装置2において、離席する際に残高や持玉は休憩カード10´に対応付けられ残存しない状態となる。通常時は残高や持玉が残存しない状態から入金や遊技が行われることで上記の一般カード表示条件が成立した場合、新たなカード10に持玉を対応付けて一般カード表示を行うが(図7の左側の画面71下半部の欄71a~71dを表示させるが)、離席中に計数しても、一旦、カード10に持玉を対応付けず遊技装置2内で保留することで、一般カード表示や通常発行処理を抑制する。なお、説明の都合上、画面71の一般カード表示を画面42や画面53と異なる表示にて示しているが、同じ表示にしてももちろんよい。
【0067】
この場合、一般カード表示やカード10への持玉の対応付けを予め行ってもよいが、休憩カード10´を受付し易くすることを考慮してカード10への対応付け(即ち、その対応付けに伴いカードRW38aへストックカードを繰出す処理)を行わないことが望ましい。なお、休憩処理は、封入式の遊技機1に限らず従来の払出式の遊技機に適用してもよく、この場合は計数を抑制するためにシャッタを設けたり、作動させたりする必要性を低減できる。
【0068】
喫煙から戻った遊技者が休憩カード10´を挿入口38に挿入することにより、遊技装置2において休憩カード10´を受付けることで遊技再開となる。この場合、遊技装置2は、休憩カード10´の受付けに伴い、休憩中画面74からもとの画面71に遷移させ、休憩処理を終了して、通常発行処理のような離席中に抑制していた処理の抑制を許容する。
これにより、離席中に計数され保留した持玉も通常発行処理の対象として含まれるので、休憩カード10´に対応付けられていた持玉と保留されていた持玉との合計が新たな持玉として特定される。
【0069】
離席中に遊技者が戻って来ない場合を想定して、休憩中画面74の表示中であっても従業員リモコンの操作(強制終了条件の成立)による離席解除を可能とする。遊技装置2は、当該リモコンの操作があったとき、休憩カード10´を受付けることなく成立可能な強制終了条件の成立に応じるものとして休憩処理を終了可能である。これにより、当該強制終了条件の成立に応じて休憩処理を終了した場合、休憩中画面74はもとの画面71に戻り、当該休憩処理中に計数処理の対象となった遊技価値、つまりは離席中に計数して保留していた持玉を対応付け可能なカード10の通常発行処理を、休憩カード10´を受付けることなく許容する、離席の解除が行われるため、当該新たなカード10による発行が可能となる。
【0070】
遊技装置2は、離席した場合における再プレイや発行処理を抑制するロック有りと抑制しないロック無しとを予め設定可能である。図8は、係るロックの有無と残高や持玉との関係を規定した、遊技装置2の設定例を示している。
同図に示す「持玉基準」とは、通常発行処理にも適用される持玉を対象とした基準値であり、発行下限玉数(例えば100玉)として予め設定されている。遊技装置2は、この発行下限玉数に達していない(持玉基準分に達していない)と判定した場合、発行処理(通常発行処理及び休憩発行処理)を抑制するが、「残高有」の場合、持玉基準分があるか否かに関わらず、又、ロックの有無に関わらず発行処理を行う。
【0071】
また、同図に示すように、遊技装置2は、離席時(休憩操作があったとき)にも休憩カード10´に持玉を対応付ける休憩発行処理を実行するが、持玉基準分に達していなければ休憩カード10´に持玉を対応付けず遊技玉に移行する処理を行う。このように、遊技装置2は、持玉が残存した状態での休憩操作に応じて休憩発行処理を実行する場合、当該持玉と予め設定された持玉基準分の価値基準値(例えば100玉)との比較結果に基づいて、休憩カード10´に当該持玉を対応付ける処理と、当該持玉を遊技玉に換算する処理とを選択的に実行する。
【0072】
なお、遊技装置2において「残高無」且つ「持玉基準分無」の場合、図8中、左側の欄で示されるように、ロック「有」で休憩操作不可(休憩発行処理の抑制)となり、ロック「無」で休憩操作前の状態のままを維持する。
【0073】
以上説明した実施形態によれば、次のような効果を奏する。
「1.保有玉切替表示」で説明したように、遊技装置2は、表示部36にて保有玉を表示している状態で、計数処理及び付与処理の少なくとも一方が行われた場合に、当該保有玉の表示を持玉の表示に切替えるので、保有玉の表示状態で付与処理や計数処理が行われた場合に、数値が変動しない保有玉に代えて、変動する持玉を表示することで、換算処理の処理状況が把握し難くなる虞を低減できる。
【0074】
遊技装置2は、表示部36における保有玉と持玉との選択的な表示が可能に構成されているため、保有玉を確認したい遊技者と、持玉を確認したい遊技者との双方に対して、仮に表示領域が小さいことで双方の表示領域を確保できない場合であっても、双方の遊技者のニーズに応じた適切な表示が可能となる。
【0075】
遊技装置2は、例えば一般カードの受付時といった切替操作により表示部36にて保有玉と持玉との何れかの表示に切替えられていない場合は、持玉を優先して表示するので、従来の払出式では持玉しか表示対象にしておらず、その場合と同様の表示を優先することで遊技者が混乱する虞を低減できる。
【0076】
遊技装置2に会員カード10aが受付けられている状態において保有玉を特定する場合、当日貯玉と前日貯玉との内、当日貯玉のような第1貯蓄価値を算出対象に含める一方、前日貯玉といった第2貯蓄価値を算出対象から除外するので、会員カード10aの受付中であっても保有玉表示に対応可能であるとともに、営業日当日より以前に獲得した前日貯玉を含めることで表示対象となる保有玉が不当に多くなる虞を低減できる。
【0077】
遊技装置2は乗入再プレイ中のような他遊技価値を対象とする付与処理が行われる場合には、保有玉の表示を抑制するので、例えば乗入再プレイ可能な玉数を他口座から換算した値と遊技玉とを合計した複雑な保有玉を表示することで遊技者が混乱する虞を低減できる。この乗入再プレイを行っている場合、殆どの遊技者が多量の遊技玉を獲得していない場合に限られる(多量の遊技玉を獲得していればその遊技玉での遊技を行えばよい)ので大きな問題にならない。
【0078】
「2.離席中の発券禁止」で説明したように、休憩処理において、計数処理を許容する一方、その許容する計数処理が行われた場合であっても通常発行処理を抑制し、その抑制する通常発行処理を遊技装置2の受付手段により休憩カード10´が受付けられたことを条件として許容するので、休憩処理中に計数は許容されるものの、その計数した持玉を持去ることが出来ないことから、休憩操作した場合に計数処理を禁止することなく離席した遊技者に不利益が生ずる虞を低減し得る。
【0079】
計数処理は、遊技機1側で管理される遊技価値を遊技玉、当該計数手段の存する遊技装置2側で管理される遊技価値を持玉として、遊技玉を持玉に換算する処理として実行されることから、所謂封入式に対応可能となる。
【0080】
遊技装置2は発行手段として、持玉が残存した状態で休憩発行処理を実行する場合、当該持玉と予め設定された価値基準値との比較結果に基づいて、休憩カード10´に当該持玉を対応付ける処理と、当該持玉を遊技玉に換算する処理とを選択的に実行するので、仮に持玉が価値基準値分ない場合にカード10´に精算される見込みが低い持玉を対応付けることで、そのまま退店されてカード10´を持去られる虞を低減できる。
【0081】
休憩処理が行われていない状態において、発行手段は、遊技機1側で残存する遊技玉の大きさに応じて通常発行処理を抑制し、その抑制対象から休憩発行処理を除外するように構成されている。この点、通常発行処理を行うケースでは遊技者がそのまま退場する可能性が比較的高いことから、遊技玉を残して発行処理を行うと、その残された遊技玉に気づかずに発行処理されたカード10に対応付けられた持玉を精算して退場するといった虞もあるが、上記構成によりそのような虞を低減できる一方、休憩発行処理では遊技者が戻ってくる前提があるので、通常発行処理のような虞が低く、更に休憩処理の度に遊技玉がなくなるまで計数処理を行わなければならないといった面倒な処理を行う虞を低減可能となる。
【0082】
遊技装置2の休憩手段は、休憩カード10´を受付けることなく成立可能な強制終了条件の成立に応じて休憩処理を終了可能であり、当該強制終了条件の成立に応じて前記休憩処理を終了した場合、当該休憩処理中に計数処理の対象となった遊技価値を対応付け可能なカード10の通常発行処理を、休憩カード10´を受付けることなく許容するので、遊技玉を残したまま休憩処理した遊技者が退場した場合のように当該遊技者が戻って来ない場合であっても、次の遊技者のために遊技機1を整理可能となる。
【0083】
「3.遊技玉のみなし更新」で説明したように、遊技装置2は、表示部36に遊技玉と持玉とを合計した保有玉を表示可能であって、換算処理が行われることに伴い遊技玉と持玉との何れか一方の遊技価値が更新された場合、少なくとも他方の遊技価値が更新されるまで、表示部36に表示される保有玉の更新を抑制するので、保有玉のような合計遊技価値を表示した状態で付与処理や計数処理が行われた場合に生ずる違和感を低減可能となる。
【0084】
遊技装置2は、換算処理が行われることに伴い、一方の遊技価値が更新された場合、当該更新された増減分が、後に他方の遊技価値でも更新されると見做して予め更新し、相殺することで保有玉の更新を抑制するので、先に一方の遊技価値だけが更新され、他方の遊技価値が更新されるまでのタイムラグがあっても、保有玉に違和感が生ずる虞を低減可能となる。
【0085】
遊技装置2は、換算処理中に、遊技に応じて遊技機1側の遊技玉の増加及び減少の少なくとも一方が生じた場合、その更新分については保有玉の更新の抑制対象から除外するので、換算処理中に遊技を行ってもその遊技に応じた保有玉の更新が、換算処理による更新の抑制により影響を受ける虞を低減できる。
【0086】
複数の遊技機1各々において、遊技装置2の表示部36の表示対象となる保有玉と予め設定される合計基準値との比較結果に応じた達成処理を行う演出手段を備える。
【0087】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張するようにしてもよい。
本発明について封入式の遊技機1及びその遊技装置2を例に説明したが、所謂メダルレス遊技機及びその遊技装置といった例示した以外の態様についても同様に適用することが可能である。
【0088】
遊技装置2における、表示手段の表示を切替える遊技者の切替操作や休憩操作を、タッチパネル36aを利用したタッチ操作で行う構成を例示したが、押圧式の釦を設けることにより押圧操作で行うようにしてもよい。
遊技機1の上方の情報表示装置3を演出手段とする構成を例示したが、島端に設けられる集合情報表示装置に採用してもよく、この場合、複数の遊技機各々について遊技機単位で表示すればよい。
遊技装置2や情報表示装置3について、液晶表示を例示したが、有機EL等の他の表示方法を採用してもよい。
【0089】
記録媒体に対応付ける態様として記録媒体に記録させる構成を例示したが、対応付ければ例えばカードに記録されるカードIDに対応付けて管理装置6にて情報管理するような態様等、必ずしも記録媒体に記録させることで対応付ける構成を採用しなくともよい。
関連する設定情報は予め設定されていれば遊技場管理者が任意に設定しても、管理装置の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部や遊技機メーカ等)の管理サーバからダウンロードして設定してもよい。
【0090】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定してもよい。また、機種としては、メーカ単位やスペック単位等、遊技機の種類を示せばどの様な区分としてもよい。
数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用してもよい。また、演算式については単なる例示であり例示した演算式と同様の値を示す、または同様の意義を持つ演算値演算するのであれば、どの様な演算式を採用してもよい。
【0091】
以下と未満についてはどちらを採用してもよく、「達していない」等の表現は以下或いは未満となった場合のいずれにも対応する表現となる。以上と超過についても同様で、「達している」等の表現は双方に対応する表現となる。
遊技装置2が行う処理の一部を管理装置6、情報表示装置3、中継装置4等にて行ってもよい。また、例示した構成を適宜設定に応じて採用するか否かを変更してもよいし、変形例を含む例示した構成をどのように組み合わせてもよいし、適宜構成を除外してもよい。
【0092】
なお、以上に例示した実施形態乃至変形例からは以下の特徴を抽出することも可能である。
遊技機における遊技により獲得された遊技価値を対象とした計数処理を行う計数手段と、前記計数処理の対象となった遊技価値を対応付け可能な記録媒体の発行処理を行う発行手段と、前記発行処理により発行された記録媒体を受付ける受付手段と、休憩操作に応じて遊技者が遊技を休憩するための休憩処理を開始する休憩手段と、が遊技機単位で設けられ、
前記発行手段は前記発行処理として、前記休憩操作に応じた休憩処理を開始する場合に休憩用記録媒体を発行する休憩発行処理と、前記休憩処理の開始を伴わない通常発行処理と、を実行可能に構成され、前記休憩処理において、前記計数処理を許容する一方、その許容する計数処理が行われた場合であっても前記通常発行処理を抑制し、その抑制する通常発行処理を前記受付手段により前記休憩用記録媒体が受付けられたことを条件として許容することを特徴とする。
【0093】
前記計数処理は、遊技機側で管理される遊技価値を第1遊技価値、当該計数手段の存する遊技装置側で管理される遊技価値を第2遊技価値として、前記第1遊技価値を前記第2遊技価値に換算する処理として実行されることを特徴とする。
前記発行手段は、前記第2遊技価値が残存した状態で前記休憩発行処理を実行する場合、当該第2遊技価値と予め設定された価値基準値との比較結果に基づいて、前記休憩用記録媒体に当該第2遊技価値を対応付ける処理と、当該第2遊技価値を前記第1遊技価値に換算する処理とを選択的に実行することを特徴とする。
【0094】
前記休憩処理が行われていない状態において、前記発行手段は、遊技機側で残存する遊技価値の大きさに応じて前記通常発行処理を抑制し、その抑制対象から前記休憩発行処理を除外することを特徴とする。
前記休憩手段は、前記休憩用記録媒体を受付けることなく成立可能な強制終了条件の成立に応じて前記休憩処理を終了可能であり、当該強制終了条件の成立に応じて前記休憩処理を終了した場合、当該休憩処理中に前記計数処理の対象となった遊技価値を対応付け可能な記録媒体の前記通常発行処理を、前記休憩用記録媒体を受付けることなく許容することを特徴とする。
【0095】
複数の遊技機各々と1対1で対応して設けられる遊技装置を備えた遊技場用システムにおいて、前記複数の遊技機各々において、遊技に使用される遊技価値のうち、前記遊技機側で管理される遊技価値を第1遊技価値、前記遊技装置側で管理される遊技価値を第2遊技価値として、前記第1遊技価値を前記第2遊技価値に換算する計数処理を行う計数手段と、前記第2遊技価値を前記第1遊技価値に換算する付与処理を行う付与手段と、前記第1遊技価値と前記第2遊技価値とを合計した合計遊技価値を表示可能な表示手段と、前記表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記計数処理と前記付与処理との少なくとも一方である換算処理が行われることに伴い、前記第1遊技価値と前記第2遊技価値との何れか一方の遊技価値が更新された場合、少なくとも他方の遊技価値が更新されるまで、前記表示手段により表示される前記合計遊技価値の更新を抑制することを特徴とする。
【0096】
前記表示制御手段は、前記換算処理が行われることに伴い、前記一方の遊技価値が更新された場合、当該更新された増減分が、後に前記他方の遊技価値でも更新されると見做して予め更新し、相殺することで前記合計遊技価値の更新を抑制することを特徴とする。
前記表示制御手段は、前記換算処理中に、遊技に応じて前記遊技機側の前記第1遊技価値の増加及び減少の少なくとも一方が生じた場合、その更新分については前記合計遊技価値の更新の抑制対象から除外することを特徴とする。
【0097】
前記複数の遊技機各々において、前記表示手段により表示対象となる前記合計遊技価値と予め設定される合計基準値との比較結果に応じた演出処理を行う演出手段を備えることを特徴とする。
前記表示制御手段の表示対象となる前記合計遊技価値は、前記第1遊技価値の大きさを示す第1価値信号と、前記換算処理の対象となった遊技価値の大きさを示す第2価値信号との受信結果に応じて特定可能であり、前記換算処理に応じて前記第1価値信号と前記第2価値信号とが異なるタイミングで送信される場合があることを特徴とする。
【符号の説明】
【0098】
図面中、1は遊技機、2は遊技装置(計数手段、付与手段、表示手段、休憩手段)、3は情報表示装置(演出手段)、6は管理装置(管理手段)、10aは会員カード(記録媒体)、10bは一般カード(記録媒体)、10´は休憩カード(休憩用記録媒体)、36は表示部(表示手段、休憩手段)、36aはタッチパネル(操作手段、休憩手段)、38はカード挿入口(受付手段、発行手段)、38aはカードRW(受付手段、発行手段)、40は遊技装置の制御部(計数手段、付与手段、表示手段、表示制御手段、受付手段、休憩手段、発行手段)、42e,43e,53e,54eは釦(操作手段)である。
図1
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