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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067771
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】荷受台昇降装置及び車両
(51)【国際特許分類】
   B60P 1/44 20060101AFI20240510BHJP
【FI】
B60P1/44 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178094
(22)【出願日】2022-11-07
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】更家 拓弥
(72)【発明者】
【氏名】内山 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 隼人
(57)【要約】
【課題】 横フレームの強度が低下することを抑制することができる荷受台昇降装置を提供する。
【解決手段】 荷受台昇降装置は、荷受面を有する荷受台と、荷受台を昇降させる昇降機構と、横方向へ延び、昇降機構の前端部が接続される横フレームと、横フレームに固定される第1部材及び第2部材と、第1部材と横フレームとを溶接する第1溶接部と、第2部材と横フレームとを溶接する第2溶接部と、を備え、第1溶接部は、第2溶接部と連接される。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷受面を有する荷受台と、
前記荷受台を昇降させる昇降機構と、
横方向へ延び、前記昇降機構の前端部が接続される横フレームと、
前記横フレームに固定される第1部材及び第2部材と、
前記第1部材と前記横フレームとを溶接する第1溶接部と、
前記第2部材と前記横フレームとを溶接する第2溶接部と、を備え、
前記第1溶接部は、前記第2溶接部と連接される、荷受台昇降装置。
【請求項2】
前記第1部材及び前記第2部材は、それぞれ前記荷受台の自重による力を受ける、請求項1に記載の荷受台昇降装置。
【請求項3】
車体に固定される車体固定部と、
前記車体固定部の下方に配置され、前記車体固定部に固定されるバンパアームと、
横方向へ延び、前記バンパアームの後端部に固定されるリアバンパと、
前記荷受台及び前記昇降機構の自重によって前記昇降機構の前端部が前方へ移動することを規制するために、前記昇降機構を当て止めする下ストッパと、をさらに備え、
前記第1部材は、前記バンパアームであり、
前記第2部材は、前記下ストッパである、請求項2に記載の荷受台昇降装置。
【請求項4】
前記荷受台が上端位置よりも上方へ移動することを規制するために、前記昇降機構を当て止めする上ストッパをさらに備え、
前記上ストッパは、前記下ストッパと別部材であり、
前記下ストッパは、前記横フレームの前面に溶接される第1下固定部及び第2下固定部と、前記横フレームの下面に溶接される第3下固定部と、を備え、
前記上ストッパは、前記横フレームの前面に溶接される第1上固定部と、前記横フレームの上面に溶接される第2上固定部と、を備え、
前記第1下固定部及び前記第2下固定部は、横方向に離れており、
前記第1上固定部は、前記第1下固定部及び前記第2下固定部間に配置され、且つ、前記第1下固定部及び前記第2下固定部のそれぞれから離れ、
前記第1溶接部は、前記横フレームの前面と前記バンパアームの前端部とを溶接し、
前記第2溶接部は、前記横フレームの前面と前記第1下固定部とを溶接する、請求項3に記載の荷受台昇降装置。
【請求項5】
車体と、
前記車体に取り付けられる請求項1~4の何れか1項に記載の荷受台昇降装置と、を備える、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、荷受台昇降装置及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、荷受台昇降装置は、荷受面を有する荷受台と、荷受台を昇降させる昇降機構と、横方向へ延び、昇降機構の前端部が接続される横フレームと、車体に固定される車体固定部と、車体固定部の下方に配置され、車体固定部に固定されるバンパアームとを備えている(例えば、特許文献1)。昇降機構は、複数のリンク部と、横フレームと複数のリンク部の前端部とを接続するブラケットとを備えている。
【0003】
ところで、特許文献1に係る荷受台昇降装置は、横フレームとバンパアームとを溶接する溶接部と、横フレームとブラケットとを溶接する溶接部とを備えている。そして、それぞれの溶接部が近くに配置されている場合には、横フレームのうち、溶接部と溶接部との間の部分が、一方の溶接部の熱による応力と他方の溶接部の熱による応力との両方の応力が加わり易くなるため、横フレームの強度を低下することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-114116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、課題は、横フレームの強度が低下することを抑制することができる荷受台昇降装置及び車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
荷受台昇降装置は、荷受面を有する荷受台と、前記荷受台を昇降させる昇降機構と、横方向へ延び、前記昇降機構の前端部が接続される横フレームと、前記横フレームに固定される第1部材及び第2部材と、前記第1部材と前記横フレームとを溶接する第1溶接部と、前記第2部材と前記横フレームとを溶接する第2溶接部と、を備え、前記第1溶接部は、前記第2溶接部と連接される。
【0007】
車両は、車体と、前記車体に取り付けられる前記の荷受台昇降装置と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る車両の要部左側面図
図2図1のII領域拡大図
図3】同実施形態に係る荷受台昇降装置の主要構成要素の斜視図
図4】同主要構成要素の要部正面図
図5】同主要構成要素の左側面図
図6図3のVI領域拡大図
図7図4のVII領域拡大図
図8図5のVIII領域拡大図
【発明を実施するための形態】
【0009】
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合があり、また、各図面の間での寸法比は、一致していない場合がある。なお、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
【0010】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。なお、序数を含む構成要素の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよい場合がある。また、以下の明細書及び図面で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
【0011】
以下の説明において、第1方向D1は、前後方向ともいい、第1方向D1のうち、各図における矢印方向を前方向とし、各図における矢印方向と反対方向を後方向とする。また、第2方向D2は、横方向(左右方向)ともいい、第2方向D2のうち、各図における矢印方向を左方向とし、各図における矢印方向と反対方向を右方向とする。
【0012】
また、第3方向D3は、上下方向ともいい、第3方向D3のうち、各図における矢印方向を上方向とし、各図における矢印方向と反対方向を下方向とする。即ち、それぞれの方向D1~D3は、車両の運転席に座った人(ドライバ)から見た方向としている。
【0013】
以下、車両及び荷受台昇降装置における一実施形態について、図1図8を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、車両及び荷受台昇降装置の構成等の理解を助けるために例示するものであり、車両及び荷受台昇降装置の構成を限定するものではない。
【0014】
図1に示すように、車両1は、例えば、車体2と、車体2に取り付けられる荷受台昇降装置3とを備えていてもよい。なお、車両1は、特に限定されず、例えば、本実施形態のように、荷役車両としてもよい。即ち、車体2は、例えば、本実施形態のように、車体枠2aと、車体2の後端部で且つ車体枠2aの上に配置される荷箱2bとを備えていてもよい。
【0015】
荷受台昇降装置3は、例えば、本実施形態のように、荷受面4aを有する荷受台4と、横方向D2へ延びる横フレーム5と、荷受台4と横フレーム5とを接続し、上端位置(図1の実線で図示する位置)と下端位置(図1の下方の二点鎖線で図示する位置)との間で荷受台4を昇降させる昇降機構6と、荷受台4を昇降機構6に対して回転させる回転駆動部7とを備えていてもよい。
【0016】
そして、例えば、荷受台4は、回転駆動部7によって、荷受台4を上端位置と格納位置(図1の上方の二点鎖線で図示する位置)との間で回転してもよい。これにより、荷受台4は、使用されない場合に、車体2(具体的には、荷箱2b)の後方部の格納位置に位置する。なお、特に限定されないが、荷受台4は、例えば、荷箱2bの扉を兼ねていてもよい。
【0017】
図1及び図2に示すように、昇降機構6は、例えば、荷受台4と横フレーム5とに接続される第1及び第2リンク部8,9と、荷受台4を昇降させる昇降駆動部10と、横フレーム5に固定される上ストッパ11、下ストッパ12及びブラケット13と、第1リンク部8、昇降駆動部10及び上ストッパ11に接続される接続リンク14とを備えていてもよい。
【0018】
第1リンク部8は、例えば、本実施形態のように、接続リンク14に回転可能に接続される第1前軸8aと、荷受台4の前端部に回転可能に接続される第1後軸8bとを備えていてもよい。また、第2リンク部9は、例えば、本実施形態のように、ブラケット13に回転可能に接続される第2前軸9aと、荷受台4の前端部に回転可能に接続される第2後軸9bとを備えていてもよい。
【0019】
これにより、第1リンク部8及び第2リンク部9は、平行リンク機構を構成している。したがって、第1及び第2リンク部8,9がそれぞれ前軸8a,9aを軸にして回転することによって、荷受台4が昇降するときに、荷受面4aは、水平姿勢で維持される。なお、荷受台4が上端位置に位置するときに、荷受台4の荷受面4aの高さは、例えば、荷箱2bの床面の高さに合わせられていてもよい。
【0020】
昇降駆動部10は、例えば、本実施形態のように、伸縮可能なシリンダで構成されていてもよい。そして、昇降駆動部10は、例えば、本実施形態のように、接続リンク14に回転可能に接続される第3前軸10aと、第1リンク部8に回転可能に接続される第3後軸10bとを備えていてもよい。
【0021】
これにより、シリンダが伸縮することによって、第1及び第2リンク部8,9がそれぞれ前軸8a,9aを軸にして回転するため、荷受台4は、昇降する。なお、昇降駆動部10の構成は、特に限定されず、例えば、モータとしてもよい。
【0022】
接続リンク14は、例えば、本実施形態のように、上ストッパ11に回転可能に接続される基軸14aを備えていてもよい。これにより、荷受台4及び昇降機構6が下から支持されずに空中に浮いている場合に、荷受台4及び昇降機構6の自重による力は、接続リンク14に対して、基軸14aを軸にして回転する力として加えられる。
【0023】
その結果、荷受台4及び昇降機構6が下から支持されずに空中に浮いている場合に、荷受台4及び昇降機構6の自重による力によって、昇降機構6の前端部(例えば、第1前軸8a、第3前軸10a)が前方へ移動するように、接続リンク14は、基軸14aを軸にして回転しようとする。具体的には、図1及び図2においては、接続リンク14は、基軸14aを軸にして、時計回りに回転しようとする。
【0024】
それに対して、下ストッパ12は、例えば、本実施形態のように、昇降機構6の前端部(具体的には、接続リンク14の第1被当止部14b)を当て止めする第1当止部12aを備えていてもよい。これにより、第1当止部12aが第1被当止部14bを当て止めすることによって、荷受台4及び昇降機構6の自重によって昇降機構6の前端部が前方へ移動することを規制することができる。
【0025】
また、下ストッパ12の第1当止部12aが接続リンク14の第1被当止部14bを当て止めすることによって、下ストッパ12は、荷受台4及び昇降機構6の自重による力を受けている。したがって、例えば、荷受台4に載せられる荷物等の荷重が変化することによって、荷受台4及び昇降機構6から下ストッパ12に加えられる力は、変化する。
【0026】
上ストッパ11は、例えば、本実施形態のように、昇降機構6(具体的には、第1リンク部8の第2被当止部8c)を当て止めする第2当止部11aを備えていてもよい。これにより、第2当止部11aが第2被当止部8cを当て止めすることによって、荷受台4が上端位置よりも上方へ移動することを規制することができる。
【0027】
また、接続リンク14が基軸14aによって上ストッパ11に回転可能に接続されているため、上ストッパ11は、荷受台4及び昇降機構6の自重による力を受けている。したがって、例えば、荷受台4に載せられる荷物等の荷重が変化することによって、荷受台4及び昇降機構6から上ストッパ11に加えられる力は、変化する。
【0028】
図2に示すように、荷受台昇降装置3は、例えば、車体2の車体枠2aに固定される車体固定部21と、前後方向D1へ延び、車体固定部21の下方に配置されるバンパアーム22と、横方向D2へ延び、バンパアーム22の後端部に固定されるリアバンパ23と、車体固定部21とバンパアーム22とを固定する固定手段24とを備えていてもよい。なお、固定手段24は、例えば、本実施形態のように、締結手段(例えば、ボルト及びナット)としてもよく、また、例えば、溶接としてもよい。
【0029】
バンパアーム22の前端部は、例えば、本実施形態のように、横フレーム5に固定されていてもよい。これにより、バンパアーム22は、横フレーム5を介して、荷受台4及び昇降機構6の自重による力を受けている。したがって、例えば、荷受台4に載せられる荷物等の荷重が変化するため、荷受台4及び昇降機構6からバンパアーム22に加えられる力は、変化する。
【0030】
ここで、本実施形態に係る横フレーム5、バンパアーム22、上ストッパ11、及び下ストッパ12の構成について、図3図5を参照しながら説明する。なお、図3図5図6図8も同様)は、横フレーム5、上ストッパ11、下ストッパ12、車体固定部21、バンパアーム22、及び固定手段24のみが、図示されている。
【0031】
図3図5に示すように、バンパアーム22、上ストッパ11、及び下ストッパ12のそれぞれは、例えば、横方向D2に二つ並べられていてもよい。なお、バンパアーム22、上ストッパ11、及び下ストッパ12のそれぞれの個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよく、また、例えば、三つ以上でもよい。
【0032】
横フレーム5は、例えば、本実施形態のように、横方向D2へ延びる筒状の下フレーム部5aと、下フレーム部5aよりも短く横方向D2へ延び、下フレーム部5aの上で且つ横方向D2の端部に固定される筒状の上フレーム部5b,5bとを備えていてもよい。特に限定されないが、下フレーム部5aと上フレーム部5b,5bとは、例えば、溶接や締結手段(ボルト及びナット)等によって、固定されていてもよい。
【0033】
バンパアーム22は、例えば、本実施形態のように、一対の側板部22a,22aと、一対の側板部22a,22a同士を接続する上板部22b及び下板部22cとを備えていてもよい。これにより、バンパアーム22は、前後方向D1の全長に亘って、筒状に形成されている。また、側板部22a,22aのそれぞれは、例えば、本実施形態のように、前端部に、横フレーム5の下フレーム部5aが嵌め込められる凹部22dを備えていてもよい。
【0034】
ところで、本実施形態においては、バンパアーム22、上ストッパ11及び下ストッパ12等は、例えば、溶接によって、横フレーム5に固定されている。このように、複数の部材が横フレーム5に固定されているため、当該複数の部材は、互いに近くに配置されることになる。なお、溶接の方式は、特に限定されず、例えば、アーク溶接であってもよく、また、例えば、ガス溶接であってもよい。
【0035】
そこで、バンパアーム22、上ストッパ11及び下ストッパ12と、横フレーム5との溶接部分について、図6図8を参照しながら説明する。なお、図6図8において、破線は、溶接部分を示している。また、図6図8において、溶接部分の全てを図示しているわけではない(即ち、破線で図示されていない部分でも、溶接部分が存在する場合がある)。
【0036】
図6及び図7に示すように、バンパアーム22の側板部22aは、例えば、横フレーム5の前面5cに溶接される第1アーム固定部22eと、横フレーム5の上面5dに溶接される第2アーム固定部22fとを備えていてもよい。なお、横フレーム5の前面5cと第1アーム固定部22eとの溶接部分は、第1アーム溶接部31といい、横フレーム5の上面5dと第2アーム固定部22fとの溶接部分は、第2アーム溶接部32という。
【0037】
図6図8に示すように、上ストッパ11は、例えば、横フレーム5の前面5cに溶接される第1上固定部11bと、横フレーム5の上面5dに溶接される第2上固定部11cと、横フレーム5の後面5fに溶接される第3上固定部11dとを備えていてもよい。なお、横フレーム5の前面5cと第1上固定部11bとの溶接部分は、第1上固定溶接部33といい、横フレーム5の上面5dと第2上固定部11cとの溶接部分は、第2上固定溶接部34といい、横フレーム5の後面5fと第3上固定部11cとの溶接部分は、第3上固定溶接部35という。
【0038】
下ストッパ12は、例えば、横フレーム5の前面5cに溶接される第1下固定部12b及び第2下固定部12cと、横フレーム5の下面5eに溶接される第3下固定部12dとを備えていてもよい。なお、横フレーム5の前面5cと第1下固定部12bとの溶接部分は、第1下固定溶接部36といい、横フレーム5の前面5cと第2下固定部12cとの溶接部分は、第2下固定溶接部37といい、横フレーム5の下面5eと第3下固定部12dとの溶接部分は、第3下固定溶接部38という。
【0039】
ところで、例えば、本実施形態においては、第1アーム固定部22eと第1下固定部12bと間の距離(最小距離)は、小さくなっている。具体的には、本実施形態においては、第1アーム固定部22eと第1下固定部12bと間の距離(最小距離)は、異なる部材11,12,22の固定部11b,11c,12b~12d,22e,22f間の距離(最小距離)のうち、最も小さくなっている。
【0040】
それに対して、図6及び図7に示すように、例えば、第1アーム溶接部31と第1下固定溶接部36とは、連接していてもよい。これにより、横フレーム5のうち、第1アーム溶接部31と第1下固定溶接部36との間の部分の厚みが薄くなることを抑制することができる。これにより、横フレーム5の強度が低下することを抑制することができる。
【0041】
しかも、バンパアーム22及び下ストッパ12が、それぞれ荷受台4及び昇降機構6の自重による力を受けている。これにより、例えば、荷受台4の荷重が変化することによって、バンパアーム22及び下ストッパ12で受ける力が変化するため、バンパアーム22及び下ストッパ12に溶接される横フレーム5に要求される強度が大きくなる。
【0042】
それに対して、第1アーム溶接部31と第1下固定溶接部36とが連接されているため、第1アーム溶接部31と第1下固定溶接部36との間の部分の強度が低下することを抑制することができる。これにより、例えば、バンパアーム22及び下ストッパ12に溶接される横フレーム5に要求される強度を満たすことができる。
【0043】
なお、特に限定されないが、互いに離れている溶接部31~38間の距離(最小距離)は、例えば、溶接部31~38の幅寸法以上であることが好ましい。また、特に限定されないが、互いに離れている溶接部31~38間の距離(最小距離)は、例えば、20mm以上であることが好ましい。
【0044】
また、例えば、本実施形態のように、第1下固定部12b及び第2下固定部12cが、横方向D2に離れていることに対して、第1上固定部11bは、第1下固定部12b及び第2下固定部12c間に配置され、且つ、第1下固定部12b及び第2下固定部12cのそれぞれから離れている、という構成でもよい。
【0045】
これにより、上ストッパ11と下ストッパ12とが別部材であり、第1上固定部11b、第1下固定部12b、及び第2下固定部12cのそれぞれが離れているため、上ストッパ11と下ストッパ12とを個別に横フレーム5に溶接することができる。そして、第1上固定溶接部33、第1下固定溶接部36、及び第2下固定溶接部37のそれぞれが離れているため、上ストッパ11及び下ストッパ12が一部材である構成と比較して、上ストッパ11及び下ストッパ12を横フレーム5に溶接することが容易になる。
【0046】
以上より、荷受台昇降装置3は、本実施形態のように、荷受面4aを有する荷受台4と、前記荷受台4を昇降させる昇降機構6と、横方向D2へ延び、前記昇降機構6の前端部が接続される横フレーム5と、前記横フレーム5に固定される第1部材(本実施形態においては、バンパアーム)22及び第2部材(本実施形態においては、下ストッパ)12と、前記第1部材22と前記横フレーム5とを溶接する第1溶接部(本実施形態においては、第1アーム溶接部)31と、前記第2部材12と前記横フレーム5とを溶接する第2溶接部(本実施形態においては、第1下固定溶接部)36と、を備え、前記第1溶接部31は、前記第2溶接部36と連接される、という構成が好ましい。
【0047】
斯かる構成によれば、第1溶接部(本実施形態においては、第1アーム溶接部)31と第2溶接部(本実施形態においては、第1下固定溶接部)36とが連接されているため、横フレーム5のうち、第1溶接部31と第2溶接部36との間の部分の厚みが薄くなることを抑制することができる。これにより、横フレーム5の強度が低下することを抑制することができる。
【0048】
また、荷受台昇降装置3においては、本実施形態のように、前記第1部材(本実施形態においては、バンパアーム)22及び前記第2部材(本実施形態においては、下ストッパ)12は、それぞれ前記荷受台4の自重による力を受ける、という構成が好ましい。
【0049】
斯かる構成によれば、例えば、荷受台4の荷重が変化することによって、第1部材(本実施形態においては、バンパアーム)22及び第2部材(本実施形態においては、下ストッパ)12で受ける力が、変化するため、横フレーム5に要求される強度が大きくなる。それに対して、第1溶接部(本実施形態においては、第1アーム溶接部)31と第2溶接部(本実施形態においては、第1下固定溶接部)36とが連接されているため、第1溶接部31と第2溶接部36との間の部分の強度が低下することを抑制することができる。
【0050】
また、荷受台昇降装置3は、本実施形態のように、車体2に固定される車体固定部21と、前記車体固定部21の下方に配置され、前記車体固定部21に固定されるバンパアーム22と、横方向D2へ延び、前記バンパアーム22の後端部に固定されるリアバンパ23と、前記荷受台4及び前記昇降機構6の自重によって前記昇降機構6の前端部が前方へ移動することを規制するために、前記昇降機構6を当て止めする下ストッパ12と、をさらに備え、前記第1部材22は、前記バンパアーム22であり、前記第2部材12は、前記下ストッパ12である、という構成が好ましい。
【0051】
斯かる構成によれば、横フレーム5が、バンパアーム22の前端部に固定されているため、バンパアーム22は、横フレーム5を介して、荷受台4及び昇降機構6の自重による力を受けている。また、下ストッパ12が、昇降機構6を当て止めするため、下ストッパ12は、荷受台4及び昇降機構6の自重による力を受けている。
【0052】
また、荷受台昇降装置3は、本実施形態のように、前記荷受台4が上端位置よりも上方へ移動することを規制するために、前記昇降機構6を当て止めする上ストッパ11をさらに備え、前記上ストッパ11は、前記下ストッパ12と別部材であり、前記下ストッパ12は、前記横フレーム5の前面5cに溶接される第1下固定部12b及び第2下固定部12cと、前記横フレーム5の下面5eに溶接される第3下固定部12dと、を備え、前記上ストッパ11は、前記横フレーム5の前面5cに溶接される第1上固定部11bと、前記横フレーム5の上面5dに溶接される第2上固定部11cと、を備え、前記第1下固定部12b及び前記第2下固定部12cは、横方向D2に離れており、前記第1上固定部11bは、前記第1下固定部12b及び前記第2下固定部12c間に配置され、且つ、前記第1下固定部12b及び前記第2下固定部12cのそれぞれから離れ、前記第1溶接部(本実施形態においては、第1アーム溶接部)31は、前記横フレーム5の前面5cと前記バンパアーム22の前端部とを溶接し、前記第2溶接部(本実施形態においては、第1下固定溶接部)36は、前記横フレーム5の前面5cと前記第1下固定部12bとを溶接する、という構成が好ましい。
【0053】
斯かる構成によれば、上ストッパ11と下ストッパ12とが別部材であり、第1上固定部11b、第1下固定部12b、及び第2下固定部12cが互いに離れているため、上ストッパ11と下ストッパ12とを個別に横フレーム5に溶接することができる。
【0054】
また、車両1は、本実施形態のように、車体2と、前記車体2に取り付けられる前記の荷受台昇降装置3と、を備える、という構成が好ましい。
【0055】
斯かる構成によれば、横フレーム5の強度が低下することを抑制することができる。
【0056】
なお、車両1及び荷受台昇降装置3は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、車両1及び荷受台昇降装置3は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0057】
(A)上記実施形態に係る荷受台昇降装置3においては、バンパアーム22と横フレーム5との溶接部分(具体的には、第1アーム溶接部31)は、下ストッパ12と横フレーム5との溶接部分(具体的には、第1下固定溶接部36)と、連接される、という構成である。しかしながら、荷受台昇降装置3は、斯かる構成に限られない。
【0058】
例えば、バンパアーム22と横フレーム5との溶接部分31,32は、上ストッパ11と横フレーム5との溶接部分33,34,35と、連接される、という構成でもよい。また、例えば、バンパアーム22と横フレーム5との溶接部分31,32は、ブラケット13と横フレーム5との溶接部分と、連接される、という構成でもよい。
【0059】
また、例えば、上ストッパ11と横フレーム5との溶接部分33,34,35は、ブラケット13と横フレーム5との溶接部分と、連接される、という構成でもよい。また、例えば、下ストッパ12と横フレーム5との溶接部分36,37,38は、ブラケット13と横フレーム5との溶接部分と、連接される、という構成でもよい。
【0060】
(B)また、上記実施形態に係る荷受台昇降装置3においては、荷受台4の自重による力を受ける部材(具体的には、バンパアーム22)と横フレーム5との溶接部分(具体的には、第1アーム溶接部31)は、荷受台4の自重による力を受ける部材(具体的には、下ストッパ12)と横フレーム5との溶接部分(具体的には、第1下固定溶接部36)と、連接される、という構成である。しかしながら、荷受台昇降装置3は、斯かる構成に限られない。
【0061】
例えば、荷受台4の自重による力を受ける部材と横フレーム5との溶接部分は、荷受台4の自重による力を受けない部材と横フレーム5との溶接部分と、連接される、という構成でもよい。また、荷受台4の自重による力を受けない部材と横フレーム5との溶接部分は、荷受台4の自重による力を受けない部材と横フレーム5との溶接部分と、連接される、という構成でもよい。
【0062】
特に限定されないが、荷受台4の自重による力を受けない部材として、例えば、スイッチボックス、当該スイッチボックスと横フレーム5とを接続するブラケット、パワーユニット、当該パワーユニットと横フレーム5とを接続するブラケット等が挙げられる。なお、スイッチボックスとは、例えば、荷受台昇降装置3を動作させるスイッチが設けられるボックス等である。また、パワーユニットとは、例えば、昇降駆動部10である油圧シリンダを駆動させるためのポンプ、タンク及びバルブからなるユニット等である。
【0063】
(C)また、上記実施形態に係る荷受台昇降装置3においては、上ストッパ11と横フレーム5との溶接部分33,34,35は、下ストッパ12と横フレーム5との溶接部分36,37,38から、離れる、という構成である。しかしながら、荷受台昇降装置3は、斯かる構成に限られない。上ストッパ11と横フレーム5との溶接部分33,34,35の一つは、下ストッパ12と横フレーム5との溶接部分36,37,38の一つと、連接される、という構成でもよい。
【0064】
(D)また、上記実施形態に係る荷受台昇降装置3においては、上ストッパ11と下ストッパ12とは、別部材である、という構成である。しかしながら、荷受台昇降装置3は、斯かる構成に限られない。例えば、上ストッパ11と下ストッパ12とは、一部材である、という構成でもよい。
【0065】
(E)また、上記実施形態に係る荷受台昇降装置3においては、荷受台4は、使用されない場合に、車体2の後方部の格納位置に位置する、という構成である。しかしながら、荷受台昇降装置3は、斯かる構成に限られない。例えば、荷受台4は、使用されない場合に、荷箱2bや車体枠2aの下の格納位置に格納される、という構成(例えば、特開2019-64447号公報の構成)でもよい。
【符号の説明】
【0066】
1…車両、2…車体、2a…車体枠、2b…荷箱、3…荷受台昇降装置、4…荷受台、4a…荷受面、5…横フレーム、5a…下フレーム部、5b…上フレーム部、5c…前面、5d…上面、5e…下面、5f…後面、6…昇降機構、7…回転駆動部、8…第1リンク部、8a…第1前軸、8b…第1後軸、8c…第2被当止部、9…第2リンク部、9a…第2前軸、9b…第2後軸、10…昇降駆動部、10a…第3前軸、10b…第3後軸、11…上ストッパ、11a…第2当止部、11b…第1上固定部、11c…第2上固定部、11d…第3上固定部、12…下ストッパ(第2部材)、12a…第1当止部、12b…第1下固定部、12c…第2下固定部、12d…第3下固定部、13…ブラケット、14…接続リンク、14a…基軸、14b…第1被当止部、21…車体固定部、22…バンパアーム(第1部材)、22a…側板部、22b…上板部、22c…下板部、22d…凹部、22e…第1アーム固定部、22f…第2アーム固定部、23…リアバンパ、24…固定手段、31…第1アーム溶接部(第1溶接部)、32…第2アーム溶接部、33…第1上固定溶接部、34…第2上固定溶接部、35…第3上固定溶接部、36…第1下固定溶接部(第2溶接部)、37…第2下固定溶接部、38…第3下固定溶接部、D1…前後方向、D2…横方向(左右方向)、D3…上下方向
図1
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図8