(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067794
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
A01B 33/02 20060101AFI20240510BHJP
A01B 33/08 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
A01B33/02 A
A01B33/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178124
(22)【出願日】2022-11-07
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新藤 訓人
(72)【発明者】
【氏名】飯尾 剛良
【テーマコード(参考)】
2B033
【Fターム(参考)】
2B033AA07
2B033AB01
2B033AB11
2B033AC04
(57)【要約】
【課題】作業ユニットが地面から浮き上がることを抑制することができる技術を提供する。
【解決手段】作業機は、地面上を前方向に移動しながら作業する。作業機は、バッテリと、固定子と回転子とを備えており、バッテリから供給される電力により駆動する電動モータと、電動モータの駆動により、上下方向に直交する仮想平面に略平行である回転軸を中心に回転し、地面上で作業する作業ユニットと、電動モータの回転を作業ユニットに伝達する伝達ユニットと、を備えている。作業機を地面上で作業姿勢に配置した状態で前側から見たときに、バッテリと、電動モータと、作業ユニットは、上下方向に互いに離れているとともに、作業ユニットは、バッテリと電動モータよりも下側に配置されている。
【選択図】
図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面上を前方向に移動しながら作業する作業機であって、
バッテリと、
固定子と回転子とを備えており、前記バッテリから供給される電力により駆動する電動モータと、
前記電動モータの駆動により、上下方向に直交する仮想地面に略平行である回転軸を中心に回転し、前記地面上で作業する作業ユニットと、
前記電動モータの回転を前記作業ユニットに伝達する伝達ユニットと、を備えており、
前記作業機を前記地面上で作業姿勢に配置した状態で前側から見たときに、前記バッテリと、前記電動モータと、前記作業ユニットは、前記上下方向に互いに離れているとともに、前記作業ユニットは、前記バッテリと前記電動モータよりも下側に配置されている、作業機。
【請求項2】
前記伝達ユニットは、
前記電動モータの駆動により回転する第1伝達シャフトと、
前記第1伝達シャフトに接続されるジョーカップリングと、
前記第1伝達シャフトの回転を前記ジョーカップリングを介して前記作業ユニットに伝達する第2伝達シャフトと、を備えている、請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記ジョーカップリングは、樹脂材料からなる連結部材を備えている、請求項2に記載の作業機。
【請求項4】
前記電動モータを収容する本体ハウジングと、
前記本体ハウジングに取り付けられており、前記バッテリが着脱可能に取り付けられるバッテリ取付ユニットと、をさらに備えており、
前記バッテリを前記バッテリ取付ユニットに取り付ける取付方向は、前記仮想地面に対して傾いており、かつ、前記地面を向いている、請求項1から3のいずれか一項に記載の作業機。
【請求項5】
閉位置と開位置との間を回動可能に前記本体ハウジングに取り付けられており、前記閉位置にあるときに、前記本体ハウジングとの間に前記バッテリを収容するバッテリ収容空間を画定するカバーをさらに備えており、
前記カバーは、前記閉位置から前記開位置に向かって回動軸周りを回動したときに、後側から前側に向かって開く、請求項4に記載の作業機。
【請求項6】
前記作業機が前記地面上で前記作業姿勢に配置されているとき、前記バッテリの重心は、前記回転子の回転軸よりも前側に配置されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の作業機。
【請求項7】
前記作業機が前記地面上で前記作業姿勢に配置されているとき、前記バッテリの重心は、前記作業ユニットの前記回転軸よりも前側に配置されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の作業機。
【請求項8】
ユーザに把持されるハンドルユニットをさらに備えており、
前記作業機は、前記ユーザが前記ハンドルユニットを前記前方向に押すことにより移動する手押し式の作業機である、請求項1から7のいずれか一項に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、作業機が開示されている。作業機は、バッテリと、固定子と回転子とを備えており、バッテリから供給される電力により駆動する電動モータと、電動モータの駆動により、上下方向に直交する仮想地面に略平行である回転軸を中心に回転する作業ユニットと、を備えている。作業姿勢の作業機を前側から見たときに、電動モータは、作業ユニットの内部に配置されており、作業ユニットは、バッテリよりも下側に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の作業機では、作業ユニットには、バッテリの自重による力のみが作用する。このため、作業ユニットは、地面から浮き上がることがある。本明細書では、作業ユニットが地面から浮き上がることを抑制することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、作業機を開示する。作業機は、地面上を前方向に移動しながら作業する。作業機は、バッテリと、固定子と回転子とを備えており、バッテリから供給される電力により駆動する電動モータと、電動モータの駆動により、上下方向に直交する仮想地面に略平行である回転軸を中心に回転し、地面上で作業する作業ユニットと、電動モータの回転を作業ユニットに伝達する伝達ユニットと、を備えている。作業機を地面上で作業姿勢に配置した状態で前側から見たときに、バッテリと、電動モータと、作業ユニットは、上下方向に互いに離れているとともに、作業ユニットは、バッテリと電動モータよりも下側に配置されている。
【0006】
上記の構成によれば、作業機が地面上で作業姿勢にあるとき、バッテリの自重による力と電動モータの自重による力の両方が作業ユニットに作用する。これにより、作業ユニットが地面から浮き上がることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】実施例の作業機2において、ハンドルユニット6が折りたたみ位置にあるときの斜視図である。
【
図4】実施例の作業機2において、右グリップ38近傍の前面図である。
【
図5】実施例のミッションケースユニット58の分解斜視図である。
【
図6】実施例の本体ハウジング94とカバー96とフェンダ98の分解斜視図である。
【
図7】実施例の本体ハウジング94とカバー96の斜視図である。
【
図8】実施例の作業機2において、カバー96が開位置にあるときの斜視図である。
【
図9】実施例の作業機2において、バッテリ取付ユニット62近傍の断面図である。
【
図10】実施例の本体ユニット8において、第1ミッションケース76と前側ハンドル80が取り外された状態のファン204近傍の断面図である。
【
図11】実施例の下側本体ハウジング102の上面図である。
【
図12】実施例の下側本体ハウジング102の斜視図である。
【
図13】実施例の作業機2において、排気口184近傍の断面図である。
【
図14】実施例の作業機2において、作業ユニット10近傍の断面図である。
【
図15】実施例の本体ユニット8において、ミッションケースユニット58と下側本体ハウジング102が取り外された状態の分解斜視図である。
【
図16】実施例の伝達ユニット202とファン204の分解斜視図である。
【
図17】実施例の作業ユニット10と伝達ユニット202の斜視図である。
【
図18】実施例のバッテリパックBPと作業ユニット10とバッテリ取付ユニット62とファン204とモータケース208の位置関係を示す前面図である。
【
図19】実施例のバッテリパックBPと作業ユニット10とモータケース208の位置関係を示す上面図である。
【
図20】実施例のバッテリパックBPと作業ユニット10とバッテリ取付ユニット62と制御ユニット196とファン204とモータケース208の位置関係を示す左面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して以下に詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、開示された追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された作業機を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0009】
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、以下の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、特許請求の範囲に記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0010】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又は特許請求の範囲に記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0011】
1つまたはそれ以上の実施形態において、伝達ユニットは、電動モータの駆動により回転する第1伝達シャフトと、第1伝達シャフトに接続されるジョーカップリングと、第1伝達シャフトの回転をジョーカップリングを介して作業ユニットに伝達する第2伝達シャフトと、を備えていてもよい。
【0012】
上記の構成によれば、ジョーカップリングが用いられることにより、電動モータと作業ユニットとの組み合わせを容易に変更することができる。
【0013】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ジョーカップリングは、樹脂材料からなる連結部材を備えていてもよい。
【0014】
上記の構成によれば、第1伝達シャフトの振動と第2伝達シャフトの振動を連結部材で低減することができる。
【0015】
1つまたはそれ以上の実施形態において、作業機は、電動モータを収容する本体ハウジングと、本体ハウジングに取り付けられており、バッテリが着脱可能に取り付けられるバッテリ取付ユニットと、をさらに備えていてもよい。バッテリをバッテリ取付ユニットに取り付ける取付方向は、仮想地面に対して傾いており、かつ、地面を向いていてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、ユーザは、バッテリをバッテリ取付ユニットに容易に着脱することができる。
【0017】
1つまたはそれ以上の実施形態において、作業機は、閉位置と開位置との間を回動可能に本体ハウジングに取り付けられており、閉位置にあるときに、本体ハウジングとの間にバッテリを収容するバッテリ収容空間を画定するカバーをさらに備えていてもよい。カバーは、閉位置から開位置に向かって回動軸周りを回動したときに、後側から前側に向かって開いてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、ユーザは、作業機の後側に立っている状態でカバーを閉位置から開位置に回動させたとき、バッテリをバッテリ取付ユニットに容易に着脱することができる。
【0019】
1つまたはそれ以上の実施形態において、作業機が地面上で作業姿勢に配置されているとき、バッテリの重心は、回転子の回転軸よりも前側に配置されていてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、作業機が後側に傾くことを抑制することができる。
【0021】
1つまたはそれ以上の実施形態において、作業機が地面上で作業姿勢に配置されているとき、バッテリの重心は、作業ユニットの回転軸よりも前側に配置されていてもよい。
【0022】
上記の構成によれば、作業ユニットの振動により、作業機が後側に傾くことを抑制することができる。
【0023】
1つまたはそれ以上の実施形態において、作業機は、ユーザに把持されるハンドルユニットをさらに備えていてもよい。作業機は、ユーザがハンドルユニットを前方向に押すことにより移動する手押し式の作業機であってもよい。
【0024】
一般的に、手押し式作業機では、作業ユニットが地面から浮き上がると、ユーザによる作業機の操作性が悪化する。上記の構成によれば、手押し式作業機でも、作業ユニットが地面から浮き上がることを抑制することできるため、ユーザによる作業機の操作性が悪化することを抑制することができる。
【0025】
(実施例)
図1に示すように、作業機2は、手押し式の耕うん機である。作業機2は、バッテリパックBP(
図8参照)の電力により動作する電動作業機である。作業機2は、後述する作業爪286、294により、土を耕すことができる。また、作業機2は、雑草を抜き取ることもできる。さらに、作業機2は、耕した土を盛り上げて畝を作るとともに、畝を崩すこともできる。即ち、作業機2は、土管理機である。ユーザは、作業機2が作業姿勢で地面P(
図2参照)上に配置された状態で、作業機2の後側に立って作業機2を前方向に押して作業する。以下では、作業機2の移動方向を前後方向と呼び、前後方向に直交する方向を左右方向と呼び、前後方向と左右方向に直交する方向を上下方向と呼ぶ。また、上下方向は、地面Pの凹凸の高さが平均化された平面に対応する仮想地面Pと直交する。本実施例では、図面を見やすくするために、地面Pと仮想地面Pが同一の線で図示されている。作業機2は、フレームユニット4と、ハンドルユニット6と、本体ユニット8と、作業ユニット10と、を備えている。
【0026】
図2に示すように、フレームユニット4は、一対のベースプレート14と、フレームパイプ16と、ループハンドル18と、一対のアームプレート20と、付勢バネ22と、一対の車輪24と、抵抗棒26と、を備えている。一対のベースプレート14は、金属材料からなる。一対のベースプレート14は、互いに固定されている。フレームパイプ16は、金属材料からなる。フレームパイプ16は、一対のベースプレート14に固定されている。フレームパイプ16は、後方上側に向かって延びている。ループハンドル18は、金属材料からなる。ループハンドル18は、フレームパイプ16に取り付けられている。一対のアームプレート20は、金属材料からなる。一対のアームプレート20は、互いに固定されている。一対のアームプレート20は、一対のベースプレート14の後端近傍に回動可能に取り付けられている。一対のアームプレート20は、下側位置(
図1参照)と上側位置(
図2参照)との間を回動可能である。付勢バネ22は、ベースプレート14とアームプレート20に取り付けられている。付勢バネ22は、アームプレート20を付勢することにより、アームプレート20を下側位置または上側位置に固定する。一対の車輪24は、一対のアームプレート20に回転可能に取り付けられている。一方の車輪24は、一対のアームプレート20の左側に配置されており、他方の車輪24は、一対のアームプレート20の右側に配置されている。一方の車輪24の回転シャフトは、他方の車輪24の回転シャフトと別体である。このため、一対のアームプレート20が下側位置と上側位置との間を回動しても、一対の車輪24の回転シャフトは、抵抗棒26と干渉しない。一対のアームプレート20が
図1に示す下側位置にあるとき、一対の車輪24は、地面P(
図2参照)に当接する。車輪24が地面P上を転がることにより、ユーザは作業機2を容易に移動させることができる。一方、一対のアームプレート20が
図2に示す上側位置にあるとき、一対の車輪24は、地面Pから離れている。抵抗棒26は、金属材料からなる。抵抗棒26は、長手方向の中央近傍で屈曲する屈曲形状を有する。抵抗棒26は、一対のベースプレート14の後端に着脱可能に取り付けられている。抵抗棒26は、上側から一対のベースプレート14の後端に取り付け可能であるとともに、下側から一対のベースプレート14の後端に取り付け可能である。これにより、抵抗棒26の向きを調整することができる。一対のアームプレート20が上側位置にあり、一対の車輪24が地面Pから離れているときに抵抗棒26が地面Pに食い込むように、抵抗棒26の上下方向の位置が調整される。抵抗棒26が地面Pに食い込むことにより、作業機2に移動抵抗を付与することができ、作業機2の耕うん性能を高めることができる。
【0027】
図1に示すように、ハンドルユニット6は、フレームパイプ16に回動可能に取り付けられている。ハンドルユニット6は、作業位置(
図1参照)と折りたたみ位置(
図3参照)との間を回動可能である。ハンドルユニット6は、作業位置にあるとき、フレームパイプ16から後方上側に向かって延びている。ユーザは、作業位置に位置するハンドルユニット6を把持して、作業機2を移動させて土を耕うんする。
図3に示すように、ハンドルユニット6は、折りたたみ位置にあるとき、本体ユニット8を左右方向に挟み込むように配置される。ユーザは、作業機2を保管するときや車に乗せるときに、ハンドルユニット6を作業位置から折りたたみ位置に切り替える。この状態で、ユーザは、ループハンドル18と後述する前側ハンドル80を持って、作業機2を容易に持ち上げることができる。
【0028】
図1に示すように、ハンドルユニット6は、一対の回動プレート30と、ハンドルパイプ32と、補強パイプ34と、左グリップ36と、右グリップ38と、スイッチボックスユニット40と、スイッチボックスガード42と、を備えている。一対の回動プレート30は、金属材料からなる。一対の回動プレート30は、互いに固定されている。一対の回動プレート30は、フレームパイプ16の後端に回動可能に取り付けられている。ハンドルパイプ32は、金属材料からなる。ハンドルパイプ32は、一対の回動プレート30に固定されている。ハンドルパイプ32は、略U字形状を有する。ハンドルパイプ32は、フレームパイプ16から左側に向かって延びた後、後方上側に向かって延び、その後に後側に向かって延びるとともに、フレームパイプ16から右側に向かって延びた後、後方上側に向かって延び、その後に後側に向かって延びる。補強パイプ34は、金属材料からなる。補強パイプ34は、フレームパイプ16に対して左側に位置するハンドルパイプ32の左側部分と、フレームパイプ16に対して右側に位置するハンドルパイプ32の右側部分に連結されている。左グリップ36と右グリップ38は、樹脂材料からなる。左グリップ36は、ハンドルパイプ32の左側の後端に取り付けられている。右グリップ38は、ハンドルパイプ32の右側の後端に取り付けられている。ユーザは、作業機2の後ろに立って、左グリップ36と右グリップ38を把持して、ハンドルユニット6を前方向に押すことにより、作業機2を移動させることができる。
【0029】
スイッチボックスユニット40は、スイッチボックス44と、主電源スイッチ46と、スイッチレバー48と、ロックオフボタン50と、を備えている。スイッチボックス44は、右グリップ38の前側の位置でハンドルパイプ32に取り付けられている。スイッチボックス44は、樹脂材料からなる。主電源スイッチ46は、スイッチボックス44の上面に配置されている。主電源スイッチ46は、作業ユニット10が動作可能なオン状態と、作業ユニット10が動作不可能なオフ状態に切り替え可能である。スイッチレバー48とロックオフボタン50は、樹脂材料からなる。スイッチレバー48は、スイッチボックス44の後端に回動可能に取り付けられている。ロックオフボタン50は、スイッチボックス44の左壁に押し込み可能に取り付けられている。ロックオフボタン50が押し込まれ、かつ、スイッチレバー48が上側に押し上げられているときに、作業ユニット10が駆動する。
【0030】
スイッチボックスガード42は、金属材料からなる。スイッチボックスガード42は、取付部52と、突出部54と、を備えている。取付部52は、スイッチボックスユニット40の前側の位置でハンドルパイプ32に固定されている。
図4に示すように、突出部54は、取付部52から右方向に突出している。突出部54は、スイッチボックスユニット40の右端よりも右方向に突出している。このため、作業機2が右方向に倒されたときに、突出部54は、スイッチボックスユニット40よりも先に地面Pに当接して、地面Pからの衝撃を吸収する。これにより、スイッチボックスユニット40が破損することを抑制することができる。
【0031】
図2に示すように、本体ユニット8は、フレームユニット4に取り付けられている。本体ユニット8は、ミッションケースユニット58と、ハウジングユニット60と、バッテリ取付ユニット62(
図8参照)と、を備えている。ミッションケースユニット58は、金属材料からなる。ミッションケースユニット58は、一対のベースプレート14の前端にボルト74により固定されている。
【0032】
図5に示すように、ミッションケースユニット58は、第1ミッションケース76と、第2ミッションケース78と、前側ハンドル80と、を備えている。第1ミッションケース76は、上下方向に延びている。第1ミッションケース76の下端には、作業ユニット10(
図1参照)が配置される。第1ミッションケース76は、ボルト74が挿入されるボルト孔82と、第1ミッションケース76の上面から下方向に陥凹するギア収容溝84と、を有する。
【0033】
第2ミッションケース78は、プレート部86と、円筒部88と、を備えている。プレート部86は、第1ミッションケース76の上面にボルト90により固定されている。円筒部88は、プレート部86から上方向に突出している。円筒部88は、円筒形状を有する。円筒部88は、内周面により画定されるカップリング収容空間92を有する。
【0034】
前側ハンドル80は、第1ミッションケース76の前端近傍に固定されている。前側ハンドル80は、第1ミッションケース76から前方向に突出している。
図2に示すように、前側ハンドル80は、ハウジングユニット60よりも前方向に突出している。
【0035】
ハウジングユニット60は、ミッションケースユニット58の上部に取り付けられている。ハウジングユニット60は、樹脂材料からなる。
図6に示すように、ハウジングユニット60は、本体ハウジング94と、カバー96と、フェンダ98と、を備えている。本体ハウジング94は、カバー96とフェンダ98のそれぞれと別体である。
【0036】
本体ハウジング94は、上側本体ハウジング100と、下側本体ハウジング102と、を備えている。上側本体ハウジング100は、下側本体ハウジング102と別体である。
図6および
図7に示すように、上側本体ハウジング100は、第1首部104と、頭部106と、後部連結部108と、を備えている。頭部106は、第1首部104の上側に配置されている。後部連結部108は、第1首部104の後側上部と頭部106の後側下部の両方に連結している。後部連結部108は、略矩形形状を有する。
【0037】
上側本体ハウジング100は、後部連結部108の底壁108aを上下方向に貫通する吸気ポート110を有する。吸気ポート110は、上側本体ハウジング100の内部と外部を連通している。吸気ポート110は、複数の吸気口112を備えている。複数の吸気口112のそれぞれの断面は、前後方向に延びる略矩形形状を有する。複数の吸気口112は、地面P(
図2参照)に向かって下方向に開口している。複数の吸気口112は、左右方向に並んでいる。
【0038】
図8に示すように、上側本体ハウジング100の上端には、カバー96が回動可能に取り付けられている。カバー96の回動軸RXは、上側本体ハウジング100の前端に位置する。カバー96は、閉位置と開位置との間を回動する。
図9に示すように、カバー96が閉位置に位置するとき、カバー96と頭部106の上面との間には、バッテリ収容空間114が画定される。
図8に示すように、ユーザが作業機2の後側に立ってカバー96を閉位置(
図9参照)から開位置に回動させると、カバー96は、後側から前側に向かって開く。作業機2が作業姿勢で地面P上に配置されており、かつ、カバー96が開位置にある状態で、ユーザがカバー96から手を離すと、カバー96は、カバー96の自重により開位置から閉位置に回動する。
【0039】
図9に示すように、頭部106の上面には、バッテリ取付ユニット62が取り付けられている。バッテリ取付ユニット62の上面62aは、左右方向と前後方向に沿う平面(即ち仮想地面P)に対して傾いている。上面62aは、後方上側から前方下側に向かって延びている。上面62aの上下方向の位置は、後端から前端に向かうにつれて下がる。
【0040】
図8に示すように、バッテリ取付ユニット62には、2個のバッテリパックBPが着脱可能に取り付けられる。なお、
図8では、バッテリ取付ユニット62の位置を理解し易くするために、1個のバッテリパックBPの図示が省略されている。バッテリパックBPは、カバー96が開位置にある状態で、前方下側に向かう取付方向D1にバッテリ取付ユニット62の上面62a上をスライドされるときにバッテリ取付ユニット62に取り付けられ、後方上側に向かう取外方向D2に上面62a上をスライドされるときにバッテリ取付ユニット62から取り外される。なお、バッテリ取付ユニット62の上面62aは、バッテリパックBPがスライドするスライド面に対応する。また、取付方向D1は,地面Pを向いており、取外方向D2は、地面Pを向いていない。2個のバッテリパックBPは、バッテリ取付ユニット62に取り付けられたときに左右方向に並ぶ。
【0041】
バッテリパックBPは、残量表示部115を備えている。残量表示部115は、バッテリパックBPの電力の残量を表示する。バッテリパックBPがバッテリ取付ユニット62に取り付けられているとき、残量表示部115は、後方上側を向いている。このため、バッテリパックBPがバッテリ取付ユニット62に取り付けられており、かつ、カバー96が開位置にあるとき、ユーザは、残量表示部115を容易に視認することができる。
【0042】
本実施例では、2個のバッテリパックBPがバッテリ取付ユニット62に取り付けられているとき、まず、一方のバッテリパックBP(例えば左側のバッテリパックBP)の電力が使用される。一方のバッテリパックBPの電力の残量がゼロになると、次に、他方のバッテリパックBP(例えば右側のバッテリパックBP)の電力が使用される。このため、他方のバッテリパックBPの電力が使用されているときでも、電力の残量がゼロとなった一方のバッテリパックBPをバッテリ取付ユニット62から取り外して、新たなバッテリパックBPをバッテリ取付ユニット62に取り付けることができる。また、頭部106の上面の後端近傍には、2個の表示ランプ116が配置されている。左側の表示ランプ116は、左側のバッテリパックBPの電力の残量が所定値以下となったときに点灯または点滅し、右側の表示ランプ116は、右側のバッテリパックBPの電力の残量が所定値以下となったときに点灯または点滅する。
【0043】
図6に示すように、下側本体ハウジング102は、上側本体ハウジング100の下側に配置されている。
図10に示すように、下側本体ハウジング102は、上側本体ハウジング100との間に収容空間120を画定している。また、本体ユニット8は、仕切部材122をさらに備えており、仕切部材122は、収容空間120を上側収容空間124と下側収容空間126に分ける。上側収容空間124は、上側本体ハウジング100と仕切部材122により画定されている。下側収容空間126は、下側本体ハウジング102と仕切部材122により画定されている。
【0044】
仕切部材122は、金属材料からなる。仕切部材122は、上側仕切部材128と、下側仕切部材129と、を備えている。上側仕切部材128は、フランジ部130と、円筒部132と、底壁部134と、を備えている。フランジ部130は、上側本体ハウジング100に固定されている。円筒部132は、フランジ部130の下側に配置されている。円筒部132は、円筒形状を有する。底壁部134は、円筒部132の下端に配置されている。底壁部134は、板形状を有する。底壁部134は、底壁部134を厚み方向(上下方向)に貫通する貫通孔136を有する。
【0045】
下側仕切部材129は、上側仕切部材128の下側に配置されている。下側仕切部材129は、上側仕切部材128に固定されている。下側仕切部材129は、略板形状を有する。下側仕切部材129は、下側仕切部材129を厚み方向(上下方向)に貫通する貫通孔138を有する。貫通孔138は、底壁部134の貫通孔136と上下方向に重なり合っている。
【0046】
図6および
図7に示すように、下側本体ハウジング102は、第2首部140と、円筒部142と、底壁部144と、を備えている。第2首部140は、第1首部104の下端に取り付けられている。円筒部142は、第2首部140の下側に配置されている。円筒部142は、略円筒形状を有する。底壁部144は、円筒部142の下端に配置されている。底壁部144は、板形状を有する。底壁部144は、底壁部144を厚み方向(上下方向)に貫通する貫通孔145を有する。
【0047】
円筒部142は、円筒部142を厚み方向に貫通する前側連通ポート146と後側連通ポート147を有する。前側連通ポート146の上下方向の位置は、後側連通ポート147の上下方向の位置と略同一である。前側連通ポート146と後側連通ポート147のそれぞれは、下側収容空間126(
図10参照)と下側本体ハウジング102の外部を連通している。前側連通ポート146と後側連通ポート147は、円筒部142の外周面の周方向に互いに離れている。前側連通ポート146は、円筒部142の前部に位置しており、後側連通ポート147は、円筒部142の後部に位置している。前側連通ポート146と後側連通ポート147のそれぞれは、複数の連通口148を備えている。複数の連通口148のそれぞれの断面は、上下方向に延びる略矩形形状を有する。複数の連通口148は、円筒部142の半径方向外側に向かって、上下方向に直交する方向に開口している。前側連通ポート146と後側連通ポート147のそれぞれにおいて、複数の連通口148は、円筒部142の外周面の周方向に並んでいる。また、前側連通ポート146の複数の連通口148の合計の開口面積と、後側連通ポート147の複数の連通口148の合計の開口面積のそれぞれは、複数の吸気口112の合計の開口面積よりも大きい。
【0048】
図11に示すように、下側本体ハウジング102は、周縁リブ150と、円環リブ152と、複数(本実施例では16個)の放射リブ154と、をさらに備えている。周縁リブ150と円環リブ152と複数の放射リブ154は、底壁部144の上面144aに連結されている。
図12に示すように、複数の放射リブ154は、円筒部142の内周面142aと、周縁リブ150と、円環リブ152にも連結されている。周縁リブ150と円環リブ152と複数の放射リブ154は、底壁部144の上面144aから上方向に突出している。周縁リブ150の上端と円環リブ152の上端と複数の放射リブ154の上端は、後側連通ポート147の下端と前側連通ポート146(
図6参照)の下端のそれぞれよりも下側(底壁部144側)に配置されている。
【0049】
図11に示すように、周縁リブ150は、貫通孔145の周縁を一巡している。周縁リブ150は、円筒部142の内周面142aから離れている。
【0050】
円環リブ152は、円環形状を有する。円環リブ152は、円筒部142の内周面142aと周縁リブ150との間に配置されている。円環リブ152は、円筒部142の内周面142aと周縁リブ150から離れている。
【0051】
複数の放射リブ154は、円筒部142の内周面142aから周縁リブ150まで延びている。複数の放射リブ154は、円筒部142の内周面142aから円筒部142の半径方向内側に延びている。複数の放射リブ154は、円筒部142の内周面142aの周方向に等間隔に並んでいる。複数の放射リブ154は、円筒部142の内周面142aと円環リブ152との間の空間を、複数の第1空間156に分ける。また、複数の放射リブ154は、円環リブ152と周縁リブ150との間の空間を、複数の第2空間158に分ける。
【0052】
図12に示すように、8個の放射リブ154のそれぞれは、第1空間連通孔160と、第2空間連通孔162と、を有する。本実施例では、円筒部142の内周面142aの周方向に関して、第1空間連通孔160と第2空間連通孔162を有する放射リブ154と、第1空間連通孔160と第2空間連通孔162を有していない放射リブ154が、交互に並んで配置されている。第1空間連通孔160と第2空間連通孔162は、放射リブ154を厚み方向に貫通している。第1空間連通孔160と第2空間連通孔162は、放射リブ154の下端に配置されている。第1空間連通孔160は、円筒部142の内周面142aと円環リブ152との間に配置されている。第1空間連通孔160は、互いに隣接する第1空間156を連通している。第2空間連通孔162は、円環リブ152と周縁リブ150との間に配置されている。第2空間連通孔162は、互いに隣接する第2空間158を連通している。
【0053】
図11に示すように、底壁部144は、複数(本実施例では8個)の第1水抜き孔164と、複数(本実施例では8個)の第2水抜き孔166と、をさらに有する。第1水抜き孔164と第2水抜き孔166は、底壁部144を厚み方向(上下方向)に貫通している。
図12に示すように、第1水抜き孔164は、第1空間連通孔160の下端に接続されている。第1水抜き孔164は、第1空間連通孔160を介して、第1空間156と下側本体ハウジング102の外部を連通している。このため、液体が、例えば、上側本体ハウジング100(
図7参照)と下側本体ハウジング102との接続箇所の微小な隙間や前側連通ポート146や後側連通ポート147を通って第1空間156に流入しても、液体は、第1空間連通孔160と第1水抜き孔164を通って下側本体ハウジング102の外部に排出される。第2水抜き孔166は、第2空間連通孔162の下端に接続されている。第2水抜き孔166は、第2空間連通孔162を介して、第2空間158と下側本体ハウジング102の外部を連通している。このため、液体が、例えば、上側本体ハウジング100と下側本体ハウジング102との接続箇所の微小な隙間や前側連通ポート146や後側連通ポート147を通って第2空間158に流入しても、液体は、第2空間連通孔162と第2水抜き孔166を通って下側本体ハウジング102の外部に排出される。
【0054】
図6に示すように、フェンダ98は、下側本体ハウジング102の下側に配置されている。フェンダ98は、ボルト90(
図5参照)によりミッションケースユニット58(
図5参照)と下側本体ハウジング102に固定されている。フェンダ98は、囲壁部170と、底壁部172と、隔壁部174と、を備えている。
【0055】
囲壁部170は、略角筒形状を有する。
図10に示すように、囲壁部170は、第2首部140の下端と微小な隙間を有して、第2首部140の下端を囲んでいる。また、囲壁部170は、円筒部142を囲んでいる。囲壁部170は、円筒部142と離れている。
【0056】
底壁部172は、囲壁部170の下端に配置されている。底壁部172は、下側本体ハウジング102よりも下側に配置されている。底壁部172は、板形状を有する。底壁部172は、下側本体ハウジング102の底壁部144と対向している。底壁部172は、底壁部144と上下方向に離れている。これらにより、フェンダ98の囲壁部170と底壁部172および下側本体ハウジング102の円筒部142と底壁部144の間には、排気空間176が画定されている。排気空間176は、前側連通ポート146と後側連通ポート147を介して下側収容空間126と連通している。
【0057】
下側本体ハウジング102は、底壁部144から下方向に突出する位置決め突部178を備えており、底壁部172は、位置決め突部178を受け入れる位置決め孔180を有する。位置決め孔180が位置決め突部178を受け入れることにより、下側本体ハウジング102に対するフェンダ98の位置が位置決めされる。また、底壁部172は、底壁部172を厚み方向(上下方向)に貫通する2個の第3水抜き孔182をさらに有する。第3水抜き孔182は、囲壁部170の内部の空間(排気空間176)と外部の空間を連通している。このため、液体が囲壁部170と第2首部140の下端との間の微小な隙間や第1水抜き孔164(
図12参照)や第2水抜き孔166(
図12参照)を通って排気空間176に流入しても、液体は、第3水抜き孔182から囲壁部170の外部の空間に排出される。
【0058】
底壁部172は、底壁部172を厚み方向(上下方向)に貫通する排気口184を有する。排気口184は、地面P(
図2参照)に向かって下方向に開口している。排気口184は、下側本体ハウジング102の貫通孔145と上下方向に重なり合っている。また、
図13に示すように、排気口184には、第2ミッションケース78の円筒部88が挿入されている。排気口184内において、底壁部172は、円筒部88の外周面から離れている。底壁部172と円筒部88との間の開口面積は、前側連通ポート146の複数の連通口148(
図6参照)の合計の開口面積と、後側連通ポート147の複数の連通口148(
図7参照)の合計の開口面積と、の合計値よりも大きい。また、底壁部172と円筒部88との間の開口面積は、第3水抜き孔182の開口面積よりも大きい。
【0059】
図10に示すように、隔壁部174は、囲壁部170の上端に連結されている。隔壁部174は、囲壁部170の外周面を囲んでいる。隔壁部174は、囲壁部170から離れる方向に囲壁部170から延びている。
図2および
図14に示すように、隔壁部174は、隔壁部174の後部が隔壁部174の前部よりも長い形状を有する。隔壁部174は、地面Pに近づくように、囲壁部170から延びている。隔壁部174は、作業ユニット10と、作業機2の後側に立つユーザ(例えばユーザの上半身)との間を遮るように配置されている。これにより、土や石が作業ユニット10の動作によりユーザに向けて飛ばされても、土や石がユーザに当たることを抑制することができる。また、隔壁部174は、作業ユニット10を部分的に覆うように配置されている。隔壁部174は、作業ユニット10と上側本体ハウジング100との間に配置される。隔壁部174は、作業ユニット10側の下側空間188と、上側本体ハウジング100側の上側空間190を分ける。
【0060】
図10に示すように、吸気ポート110は、隔壁部174よりも上側本体ハウジング100側に配置されている。このため、吸気ポート110は、上側空間190に連通している。また、排気口184は、隔壁部174よりも作業ユニット10側に配置されている。このため、排気口184は、下側空間188に連通している。
【0061】
図9と
図10と
図14に示すように、本体ユニット8は、スポンジ部材194と、制御ユニット196と、上側モータケース198と、電動モータ200と、伝達ユニット202と、ファン204と、をさらに備えている。スポンジ部材194と、制御ユニット196と、上側モータケース198と、電動モータ200は、上側収容空間124に配置されている。
【0062】
図9に示すように、スポンジ部材194は、後部連結部108の内部に配置されている。スポンジ部材194は、吸気ポート110の直上に配置されている。スポンジ部材194は、複数の微小な孔を有する発泡体である。
【0063】
制御ユニット196は、後部連結部108の内部と頭部106の内部に跨って配置されている。制御ユニット196は、上下方向と左右方向に略平行に配置されている。制御ユニット196は、後部連結部108の後内面と頭部106の上内面と離れている。制御ユニット196は、複数のスイッチング素子を備えるインバータ回路と、スイッチング素子のそれぞれの動作を制御する制御回路を備えている。制御ユニット196は、電動モータ200を制御する。
【0064】
上側モータケース198は、金属材料からなる。
図9および
図10に示すように、上側モータケース198は、第1首部104の内部に配置されている。上側モータケース198は、上側仕切部材128の上側に配置されている。上側モータケース198は、図示省略のボルトにより上側仕切部材128に固定されている。上側モータケース198は、上側仕切部材128との間にモータ収容空間206を画定している。モータ収容空間206には、電動モータ200が配置される。上側モータケース198と上側仕切部材128は、モータケース208を構成しており、上側仕切部材128は、下側モータケースに対応する。
【0065】
上側モータケース198は、モータ収容空間206とモータケース208の外部を連通するモータ吸気口210を有する。また、
図15に示すように、上側仕切部材128は、底壁部134を貫通するモータ排気口212を有する。モータ排気口212は、円筒部132近傍に配置されている。
【0066】
図9および
図10に示すように、電動モータ200は、アウタロータ型のブラシレスモータである。電動モータ200は、上側空間190に配置される。電動モータ200は、バッテリパックBP(
図8参照)から供給される電力により駆動する。電動モータ200は、固定子214と、回転子216と、を備えている。固定子214は、固定子コア218と、固定子コア218に巻回される複数のコイル220と、を備えている。回転子216は、下端に底壁222を有する円筒形状の回転子本体224と、回転子本体224に固定されている複数の永久磁石226と、を備えている。回転子216は、バッテリパックBP(
図8参照)の電力が複数のコイル220に供給されることにより、回転軸AX1を中心に回転する。回転軸AX1は、上下方向に延びており、仮想地面P(
図14参照)に略直交している。
【0067】
図10および
図14に示すように、伝達ユニット202は、第1伝達シャフト230と、ジョーカップリング232と、第1ヘリカルギア236と、第2ヘリカルギア238と、第2伝達シャフト240と、ウォームギア242と、ウォームホイール244と、出力シャフト246、248と、を備えている。
【0068】
第1伝達シャフト230は、金属材料からなる。
図10に示すように、第1伝達シャフト230は、回転子本体224の底壁222に挿入されて嵌合している。第1伝達シャフト230は、ベアリング249とベアリング250を介してモータケース208に回転可能に支持されている。第1伝達シャフト230は、回転子216とともに回転軸AX1を中心に回転する。第1伝達シャフト230は、上側仕切部材128の貫通孔136と下側仕切部材129の貫通孔138に挿入されている。
【0069】
ジョーカップリング232は、ギア収容溝84と、カップリング収容空間92と、下側収容空間126に跨って配置されている。ジョーカップリング232は、下側本体ハウジング102の貫通孔145とフェンダ98の排気口184に挿入されている。ジョーカップリング232は、第1部材252と、連結部材254と、第2部材256と、を備えている。第1部材252は、金属材料からなる。第1部材252は、第1伝達シャフト230の下端に嵌合している。第1伝達シャフト230の下端は、第1部材252に挿入されている。このため、ジョーカップリング232は、第1伝達シャフト230とともに回転軸AX1を中心に回転する。
【0070】
第1部材252は、ファン204に挿入されている。ファン204は、樹脂材料からなる。ファン204は、第1部材252と嵌合している。ファン204は、例えば、遠心ファンである。ファン204の上下方向の位置は、前側連通ポート146の上下方向の位置と後側連通ポート147の上下方向の位置と略同一である。ファン204の径方向に関して、ファン204は、前側連通ポート146と後側連通ポート147のそれぞれと対向している。ファン204は、ジョーカップリング232とともに回転軸AX1を中心に回転する。ファン204は、前側連通ポート146と後側連通ポート147のそれぞれに向けて空気を送り出す。
【0071】
図16に示すように、第1部材252は、下端に位置する3個の第1爪258を備えている。3個の第1爪258は、回転軸AX1周りに等間隔に配置されている。回転軸AX1の周方向に関して、隣接する第1爪258の間隔は、120度である。
【0072】
連結部材254は、第1部材252と第2部材256を連結する。連結部材254は、樹脂材料からなる。連結部材254は、円板形状を有する。連結部材254は、連結部材254を厚み方向(上下方向)に貫通する6個の爪受入孔260を有する。6個の爪受入孔260は、回転軸AX1周りに等間隔に配置されている。回転軸AX1の周方向に関して、隣接する爪受入孔260の間隔は、60度である。連結部材254が第1部材252に連結されているとき、3個の爪受入孔260が、3個の第1爪258を受け入れる。
【0073】
第2部材256は、金属材料からなる。第2部材256は、上端に位置する3個の第2爪262を備えている。3個の第2爪262は、回転軸AX1周りに等間隔に配置されている。回転軸AX1の周方向に関して、隣接する第2爪262の間隔は、120度である。連結部材254が第2部材256に連結されているとき、3個の第2爪262は、第1爪258を受け入れていない残りの3個の爪受入孔260に受け入れられる。
【0074】
図14に示すように、第2部材256は、ベアリング264を介して第2ミッションケース78に回転可能に支持されている。第2部材256の上端近傍と連結部材254は、ギア収容溝84とカップリング収容空間92に跨って配置されている。
【0075】
第1ヘリカルギア236と第2ヘリカルギア238は、金属材料からなる。第1ヘリカルギア236と第2ヘリカルギア238は、ギア収容溝84に配置されている。第1ヘリカルギア236は、第2部材256に嵌合している。第2ヘリカルギア238は、第1ヘリカルギア236よりも前側に配置されている。第2ヘリカルギア238は、第1ヘリカルギア236と噛み合っている。
【0076】
第1ミッションケース76は、上下方向に延びるシャフト孔266を有しており、第2伝達シャフト240は、シャフト孔266に挿入されている。第2伝達シャフト240は、金属材料からなる。第2伝達シャフト240は、上下方向に延びている。第2伝達シャフト240の上端は、第2ヘリカルギア238に嵌合している。第2伝達シャフト240は、ベアリング268、270、272を介して第1ミッションケース76に回転可能に支持されている。第2伝達シャフト240は、第1ヘリカルギア236と第2ヘリカルギア238が噛み合っていることにより、ジョーカップリング232とともに回転する。第2伝達シャフト240の回転軸AX2は、ジョーカップリング232の回転軸AX1に対して前側にオフセットしている。回転軸AX2は、上下方向に延びており、仮想地面Pに略直交している。
【0077】
ウォームギア242とウォームホイール244は、金属材料からなる。ウォームギア242は、第2伝達シャフト240の下端近傍に嵌合している。第1ミッションケース76は、略円板形状のホイール収容空間276を有しており、ウォームホイール244は、ホイール収容空間276に配置されている。ウォームホイール244は、略円板形状を有する。ウォームホイール244は、ウォームギア242と噛み合っている。ウォームホイール244は、ウォームギア242が回転軸AX2を中心に回転すると、回転軸AX3を中心に回転する。回転軸AX3は、仮想地面Pに略平行であり、仮想地面Pに沿って左右方向に延びている。回転軸AX3が延びる方向は、回転軸AX1、AX2が延びる方向と異なる。
【0078】
図17に示すように、出力シャフト246、248は、ウォームホイール244に嵌合している。出力シャフト246、248は、金属材料からなる。出力シャフト246は、ウォームホイール244から左方向に延びており、出力シャフト248は、ウォームホイール244から右方向に延びている。出力シャフト246、248は、図示省略のベアリングを介して第1ミッションケース76(
図14参照)に回転可能に支持されている。出力シャフト246、248は、ウォームホイール244とともに回転軸AX3を中心に回転する。出力シャフト246、248は、作業ユニット10を回転させる。
【0079】
図18に示すように、作業ユニット10は、左側作業ユニット280と、右側作業ユニット282と、を備えている。左側作業ユニット280と右側作業ユニット282は、金属材料からなる。左側作業ユニット280は、左側爪取付ボックス284と、複数の左側作業爪286と、左側プレート288と、を備えている。左側爪取付ボックス284は、出力シャフト246に固定されている。このため、左側作業ユニット280は、出力シャフト246とともに回転軸AX3を中心に回転する。左側爪取付ボックス284は、出力シャフト246から左方向に延びている。左側爪取付ボックス284は、フェンダ98の左端よりも左方向に延びている。
図18では、フェンダ98の外形形状が破線で図示されている。複数の左側作業爪286は、左側爪取付ボックス284に固定されている。左側作業爪286は、例えば、耕うん爪である。複数の左側作業爪286は、回転することにより地面Pの土を耕す。左側プレート288は、左側爪取付ボックス284の左端に取り付けられている。
【0080】
右側作業ユニット282は、右側爪取付ボックス292と、複数の右側作業爪294と、右側プレート296と、を備えている。右側爪取付ボックス292は、出力シャフト248に固定されている。このため、右側作業ユニット282は、出力シャフト248とともに回転軸AX3を中心に回転する。右側爪取付ボックス292は、出力シャフト248から右方向に延びている。右側爪取付ボックス292は、フェンダ98の右端よりも右方向に延びている。複数の右側作業爪294は、右側爪取付ボックス292に固定されている。右側作業爪294は、例えば、耕うん爪である。複数の右側作業爪294は、回転することにより地面Pの土を耕す。右側プレート296は、右側爪取付ボックス292の右端に取り付けられている。
【0081】
図18から
図20を参照して、バッテリパックBPと、作業ユニット10と、バッテリ取付ユニット62と、制御ユニット196と、モータケース208(電動モータ200)と、ファン204の位置関係を説明する。
図18に示すように、作業機2を地面P上で作業姿勢に配置した状態で前側から見たとき、バッテリパックBPと、モータケース208(電動モータ200)と、ファン204と、作業ユニット10は、上下方向に互いに離れている。なお、作業機2が地面P上で作業姿勢に配置されるとき、回転軸AX1、AX2は、仮想地面Pと略直交している。上方向に向かって、作業ユニット10、ファン204、モータケース208(電動モータ200)、バッテリ取付ユニット62、バッテリパックBPが順番に並んでいる。左側のバッテリパックBPと、バッテリ取付ユニット62と、モータケース208(電動モータ200)と、ファン204と、左側作業ユニット280は、上下方向に一列に並んでいる。また、右側のバッテリパックBPと、バッテリ取付ユニット62と、モータケース208(電動モータ200)と、ファン204と、右側作業ユニット282は、上下方向に一列に並んでいる。バッテリパックBPの自重による力と電動モータ200の自重による力が、作業ユニット10に作用するため、作業ユニット10が作業時に地面Pから浮き上がることが抑制される。バッテリパックBPとモータケース208(電動モータ200)は、前後方向と左右方向に重なり合っていない。バッテリ取付ユニット62とモータケース208(電動モータ200)は、前後方向と左右方向に重なり合っていない。モータケース208(電動モータ200)とファン204は、前後方向と左右方向に重なり合っていない。ファン204と作業ユニット10は、前後方向と左右方向に重なり合っていない。
【0082】
図19に示すように、作業機2を地面P上で作業姿勢に配置した状態で上側から見たとき、バッテリパックBPと、モータケース208(電動モータ200)と、作業ユニット10は、互いに重なり合っている。図示省略されているが、ファン204も、バッテリパックBPと、モータケース208(電動モータ200)と、作業ユニット10のそれぞれと互いに重なり合っている。
【0083】
図20に示すように、作業機2を地面P上で作業姿勢に配置した状態で左側から見たとき、制御ユニット196は、バッテリパックBPとバッテリ取付ユニット62よりも後側に配置されている。制御ユニット196は、バッテリパックBPとバッテリ取付ユニット62のそれぞれと前後方向に重なり合っている。制御ユニット196は、バッテリパックBPとバッテリ取付ユニット62のそれぞれと上下方向に重なり合っていない。制御ユニット196は、作業ユニット10と上下方向に重なり合っている。制御ユニット196は、作業ユニット10の回転軸AX3よりも後側に配置されている。作業ユニット10の回転軸AX3は、電動モータ200の回転軸AX1よりも後側に配置されている。バッテリパックBPの重心G1は、回転軸AX1、AX2、AX3よりも前側に配置されている。
【0084】
次に、作業機2の動作を説明する。
図9と
図10と
図14に示すように、制御ユニット196は、主電源スイッチ46(
図1参照)の操作により作業ユニット10がオン状態に切り替えられ、かつ、ロックオフボタン50(
図1参照)が押し込まれ、かつ、スイッチレバー48(
図1参照)が上側に押し上げられたとき、バッテリパックBPの電力を、電動モータ200の複数のコイル220に供給する。これにより、回転子216が回転軸AX1を中心に回転する。その後、回転子216の回転が、第1伝達シャフト230と、ジョーカップリング232と、第1ヘリカルギア236と、第2ヘリカルギア238と、第2伝達シャフト240と、ウォームギア242と、ウォームホイール244と、出力シャフト246、248を順番に介して、作業ユニット10に伝達される。これにより、作業ユニット10が回転軸AX3を中心に回転する。また、ウォームギア242とウォームホイール244により、回転軸AX3が延びる方向(左右方向)は、回転軸AX1、AX2が延びる方向(上下方向)と異なる方向に変更される。作業ユニット10が回転することにより、地面Pの土が左側作業爪286(
図17参照)と右側作業爪294により耕される。
【0085】
また、回転子216が回転すると、ファン204も回転する。これにより、ハウジングユニット60内に空気流が発生する。
図9と
図10と
図13と
図14では、空気流が矢印により図示されている。具体的には、
図9に示すように、まず、空気は、吸気ポート110を通って、本体ハウジング94の外部の空間(上側空間190)から上側収容空間124に流入する。次に、空気は、スポンジ部材194を通って、制御ユニット196と後部連結部108との間を上方向に流れ、その後に屈曲して、制御ユニット196と頭部106の上内面との間を前方向に流れる。これにより、制御ユニット196が冷却される。また、空気がスポンジ部材194を通るため、埃等の異物が上側収容空間124に流入することを抑制することができる。次に、空気は、屈曲してモータケース208に向かって下方向に流れる。
図10に示すように、次に、空気は、モータ吸気口210を通ってモータ収容空間206に流入する。次に、空気は、電動モータ200を通って、その後モータ排気口212(
図15参照)と下側仕切部材129の貫通孔138を順番に通って、下側収容空間126に流入する。これにより、電動モータ200が冷却される。
【0086】
次に、空気は、ファン204まで下方向に流れ、その後にファン204によりファン204の径方向外側(回転軸AX1に直交する方向)に送り出される。
図13に示すように、次に、空気は、前側連通ポート146と後側連通ポート147(
図6参照)を通って排気空間176に流入する。次に、空気は、下方向に流れ、その後に屈曲して回転軸AX1(
図10参照)に向かって排気口184まで流れる。次に、空気は、フェンダ98の底壁部172と第2ミッションケース78との間を通って、排気口184から本体ハウジング94の外部の空間(下側空間188)に流出する。
図14に示すように、空気は、作業ユニット10に向かって(地面Pに向かって)流れる。
【0087】
本実施例では、バッテリ取付ユニット62と、カバー96と、上側本体ハウジング100と、スポンジ部材194と、制御ユニット196と、電動モータ200と、モータケース208と、下側仕切部材129と、第1伝達シャフト230は、耕うん機以外の作業機2にも使用される。以下では、上記の9個の構成をまとめて、共通ユニット300と呼ぶ。
図21に示すように、共通ユニット300は、例えば、芝刈機400に使用される。共通ユニット300は、芝刈機400のデッキ402に取り付けられる。芝刈機400は、手押し式または自走式の電動作業機である。芝刈機400の刈刃404は、共通ユニット300の第1伝達シャフト230(
図10参照)に嵌合されている。このため、刈刃404は、回転軸AX1を中心に回転する。刈刃404は、回転することにより、地面P(
図2参照)上の芝を刈ることができる。
【0088】
(効果)
本実施例の作業機2は、地面P上を前方向に移動しながら作業する。作業機2は、バッテリパックBP(バッテリの一例)と、固定子214と回転子216とを備えており、バッテリパックBPから供給される電力により駆動する電動モータ200と、電動モータ200の駆動により、上下方向に直交する仮想地面Pに略平行である回転軸AX3を中心に回転し、地面P上で作業する作業ユニット10と、電動モータ200の回転を作業ユニット10に伝達する伝達ユニット202と、を備えている。作業機2を地面P上で作業姿勢に配置した状態で前側から見たときに、バッテリパックBPと、電動モータ200と、作業ユニット10は、上下方向に互いに離れているとともに、作業ユニット10は、バッテリパックBPと電動モータ200よりも下側に配置されている。
【0089】
上記の構成によれば、作業機2が地面P上で作業姿勢にあるとき、バッテリパックBPの自重による力と電動モータ200の自重による力の両方が作業ユニット10に作用する。これにより、作業ユニット10が地面Pから浮き上がることを抑制することができる。
【0090】
また、伝達ユニット202は、電動モータ200の駆動により回転する第1伝達シャフト230と、第1伝達シャフト230に接続されるジョーカップリング232と、第1伝達シャフト230の回転をジョーカップリング232を介して作業ユニット10に伝達する第2伝達シャフト240と、を備えている。
【0091】
上記の構成によれば、ジョーカップリング232が用いられることにより、電動モータ200と作業ユニット10との組み合わせを容易に変更することができる。
【0092】
また、ジョーカップリング232は、樹脂材料からなる連結部材を備えている。
【0093】
上記の構成によれば、第1伝達シャフト230の振動と第2伝達シャフト240の振動を連結部材で低減することができる。
【0094】
また、作業機2は、電動モータ200を収容する本体ハウジング94と、本体ハウジング94に取り付けられており、バッテリパックBPが着脱可能に取り付けられるバッテリ取付ユニット62と、をさらに備えている。バッテリパックBPをバッテリ取付ユニット62に取り付ける取付方向D1は、仮想地面Pに対して傾いており、かつ、地面Pを向いている。
【0095】
上記の構成によれば、ユーザは、バッテリパックBPをバッテリ取付ユニット62に容易に着脱することができる。
【0096】
また、作業機2は、閉位置と開位置との間を回動可能に本体ハウジング94に取り付けられており、閉位置にあるときに、本体ハウジング94との間にバッテリパックBPを収容するバッテリ収容空間114を画定するカバー96をさらに備えている。カバー96は、閉位置から開位置に向かって回動軸RX周りを回動したときに、後側から前側に向かって開く。
【0097】
上記の構成によれば、ユーザは、作業機2の後側に立っている状態でカバー96を閉位置から開位置に回動させたとき、バッテリパックBPをバッテリ取付ユニット62に容易に着脱することができる。
【0098】
また、作業機2が地面P上で作業姿勢に配置されているとき、バッテリパックBPの重心G1は、回転子216の回転軸AX1よりも前側に配置されている。
【0099】
上記の構成によれば、作業機2が後側に傾くことを抑制することができる。
【0100】
また、作業機2が地面P上で作業姿勢に配置されているとき、バッテリパックBPの重心G1は、作業ユニット10の回転軸AX3よりも前側に配置されている。
【0101】
上記の構成によれば、作業ユニット10の振動により、作業機2が後側に傾くことを抑制することができる。
【0102】
また、作業機2は、ユーザに把持されるハンドルユニット6をさらに備えている。作業機2は、ユーザがハンドルユニット6を前方向に押すことにより移動する手押し式の作業機である。
【0103】
一般的に、手押し式作業機では、作業ユニット10が地面Pから浮き上がると、ユーザによる作業機2の操作性が悪化する。上記の構成によれば、手押し式作業機でも、作業ユニット10が地面Pから浮き上がることを抑制することできるため、ユーザによる作業機2の操作性が悪化することを抑制することができる。
【0104】
(変形例)
一実施形態において、作業機2は、スカリファイア等の芝管理機や除雪機であってもよい。また、作業機2は、ブラシ毛の回転により汚れを除去する電動ブラシや、複数のゴム状のヘラが形成されているドラムの回転により汚れを除去したり芝を刈る電動スイーパであってもよい。
【0105】
一実施形態に係る作業機2は、バッテリパックBPに替えて、内蔵式バッテリを備えていてもよい。このとき、内蔵式バッテリは、接続ケーブルを介して外部電源に接続されることにより充電される。内蔵式バッテリは、ハウジングユニット60に収容される。
【0106】
一実施形態に係る作業機2は、バッテリパックBPに替えて、背負い式バッテリを備えていてもよい。背負い式バッテリは、ユーザの背中に背負われた背板に着脱可能である。背負い式バッテリは、上側本体ハウジング100の上面に取り付けられる。
【0107】
一実施形態に係る作業機2は、一対の車輪24を備えていなくてもよい。
【0108】
一実施形態に係る伝達ユニット202では、ジョーカップリング232の第2部材256の下端近傍に、ねじ溝が形成されており、ねじ溝にかさ歯車がかみ合っていてもよい。これにより、回転軸の方向が、ジョーカップリング232の回転軸AX1の方向(上下方向)から左右方向に変更される。その後、かさ歯車の回転が、ベルトまたは平歯車を介して、出力シャフト246、248に伝達されてもよい。
【0109】
一実施形態に係る本体ユニット8は、仕切部材122を備えていなくてもよい。このとき、収容空間120は、上側収容空間124と下側収容空間126に分かれない。
【0110】
一実施形態に係るハウジングユニット60では、上側本体ハウジング100と下側本体ハウジング102は、一体的に形成されていてもよい。また、フェンダ98の隔壁部174は、下側本体ハウジング102に着脱可能に取り付けられてもよい。また、フェンダ98は、囲壁部170と、底壁部172と、を備えていなくてもよい。
【0111】
一実施形態に係るハウジングユニット60では、下側本体ハウジング102とフェンダ98の隔壁部174が一体的に形成されていてもよい。
【0112】
一実施形態に係るハウジングユニット60では、下側本体ハウジング102と、フェンダ98の囲壁部170と、底壁部172は、一体的に形成されていてもよい。このとき、フェンダ98の隔壁部174は、下側本体ハウジング102に着脱可能に取り付けられてもよい。
【0113】
一実施形態に係る下側本体ハウジング102では、貫通孔145は、空気がハウジングユニット60の外部に流出する排気口として機能してもよい。
【0114】
一実施形態に係るファン204は、軸流ファンであってもよい。
【符号の説明】
【0115】
2 :作業機
6 :ハンドルユニット
8 :本体ユニット
10 :作業ユニット
60 :ハウジングユニット
62 :バッテリ取付ユニット
94 :本体ハウジング
96 :カバー
98 :フェンダ
100 :上側本体ハウジング
102 :下側本体ハウジング
110 :吸気ポート
112 :吸気口
114 :バッテリ収容空間
120 :収容空間
122 :仕切部材
124 :上側収容空間
126 :下側収容空間
146 :連通ポート
148 :連通口
174 :隔壁部
176 :排気空間
184 :排気口
188 :下側空間
190 :上側空間
196 :制御ユニット
200 :電動モータ
202 :伝達ユニット
204 :ファン
208 :モータケース
214 :固定子
216 :回転子
230 :第1伝達シャフト
232 :ジョーカップリング
240 :第2伝達シャフト
252 :第1部材
254 :連結部材
256 :第2部材
280 :左側作業ユニット
282 :右側作業ユニット
300 :共通ユニット
400 :芝刈機
AX1、AX2、AX3:回転軸
BP :バッテリパック
D1 :取付方向
D2 :取外方向
G1 :重心
P :地面、仮想地面