(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067805
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】樹脂製容器
(51)【国際特許分類】
B65D 43/08 20060101AFI20240510BHJP
B65D 1/26 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
B65D43/08 200
B65D1/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178145
(22)【出願日】2022-11-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】三田 とも子
(72)【発明者】
【氏名】前川 政貴
(72)【発明者】
【氏名】辻井 雅人
【テーマコード(参考)】
3E033
3E084
【Fターム(参考)】
3E033AA10
3E033BA13
3E033CA20
3E033DA08
3E084AA05
3E084AA14
3E084AA24
3E084AB10
3E084BA01
3E084CA03
3E084CC03
3E084DA03
3E084DB09
3E084DB13
3E084DC03
3E084FC09
3E084GA08
3E084GB12
3E084LD30
(57)【要約】
【課題】薄型化を図りつつ容器本体と蓋体との嵌合を確実に行うことができる樹脂製容器を提供する。
【解決手段】樹脂製容器1は、容器本体10及び蓋体20を備えている。容器本体10は、容器周壁12、係合周壁14、第1嵌合部15を有する。蓋体20は、蓋体周壁22、及び、第2嵌合部23を有する。第1嵌合部15は、第1嵌合部第1斜面15
1、第1嵌合部第2斜面15
3、及び第1嵌合部平坦部15
2を備える。第2嵌合部23は、第2嵌合部第1斜面23
1、第2嵌合部第2斜面23
3、及び第2嵌合部平坦部23
2を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形形状の開口を有する容器本体と、前記容器本体の前記開口を覆うように構成された蓋体と、を備えた樹脂製容器であって、
前記容器本体は、底板と、前記底板の周縁から上方に延在する容器周壁と、前記容器周壁の上端から外側に突出するフランジと、前記フランジから上方に延在し、前記蓋体が係合する係合周壁と、前記係合周壁の四隅の外周上に設けられる第1嵌合部と、を有し、
前記蓋体は、天板と、前記天板の周縁から下方に延在する蓋体周壁と、前記蓋体周壁の四隅の内周上に設けられ、前記第1嵌合部に嵌合可能な第2嵌合部と、を有し、
前記第1嵌合部が、前記係合周壁に斜め方向に延在する第1嵌合部第1斜面と、同様に前記係合周壁に斜め方向に延在し、先端に近づくにつれて前記第1嵌合部第1斜面に近づく第1嵌合部第2斜面と、これら第1嵌合部第1斜面の先端と第1嵌合部第2斜面の先端との間にあって、前記係合周壁に平行に延在する第1嵌合部平坦部とを備えており、
前記第2嵌合部が、前記蓋体周壁に斜め方向に延在する第2嵌合部第1斜面と、同様に前記蓋体周壁に斜め方向に延在し、先端に近づくにつれて前記第2嵌合部第1斜面に近づく第2嵌合部第2斜面と、これら第2嵌合部第1斜面の先端と第2嵌合部第2斜面の先端との間にあって、前記蓋体周壁に平行に延在する第2嵌合部平坦部とを備えている、
ことを特徴とする樹脂製容器。
【請求項2】
前記第1嵌合部の根元の部分の係合周壁の厚みの中央値が0.50~0.60mmであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製容器。
【請求項3】
前記第2嵌合部の根元の部分の蓋体周壁の厚みの中央値が0.25~0.40mmであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製容器。
【請求項4】
前記第1嵌合部平坦部の幅が前記第1嵌合部全体の幅の5~15%であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製容器。
【請求項5】
前記第2嵌合部平坦部の幅が前記第2嵌合部全体の幅の5~15%であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製容器。
【請求項6】
前記第1嵌合部第1斜面と第1嵌合部平坦部とが曲面によって滑らかに繋がれており、かつ、前記第2嵌合部平坦部と第2嵌合部第2斜面とが曲面によって滑らかに繋がれていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製容器。
【請求項7】
前記第1嵌合部平坦部と第1嵌合部第2斜面とが曲面によって滑らかに繋がれており、かつ、前記第2嵌合部第1斜面と第2嵌合部平坦部とが曲面によって滑らかに繋がれていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製容器。
【請求項8】
前記第1嵌合部と第2嵌合部とを互に嵌合させる時対向する斜面を第1嵌合部第1斜面及び第2嵌合部第2斜面とし、前記第1嵌合部と第2嵌合部との嵌合を解く時対向する斜面を第1嵌合部第2斜面及び第2嵌合部第1斜面とするとき、第1嵌合部第1斜面の前記係合周壁に対する角度が第1嵌合部第2斜面の前記係合周壁に対する角度より小さいことを特徴とする請求項1に記載の樹脂製容器。
【請求項9】
前記第1嵌合部と第2嵌合部とを互に嵌合させる時対向する斜面を第1嵌合部第1斜面及び第2嵌合部第2斜面とし、前記第1嵌合部と第2嵌合部との嵌合を解く時対向する斜面を第1嵌合部第2斜面及び第2嵌合部第1斜面とするとき、第2嵌合部第2斜面の前記蓋体周壁に対する角度が第2嵌合部第1斜面の前記蓋体周壁に対する角度より小さいことを特徴とする請求項1に記載の樹脂製容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂製容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、バターやマーガリン等の食品を収納することができる薄型の樹脂製容器が開示されている。この樹脂製容器では、容器本体の側壁の厚みを0.38~0.50mmと薄くし、これにより、使用する樹脂の量を低減させている。また、この樹脂製容器では、容器本体の係合縁の四隅に嵌合リブを設けており、これにより、容器本体に対して蓋部が確実に取り付けられるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した樹脂製容器では、容器本体の側壁等の厚さを0.38~0.5mmと薄くしているものの、樹脂製容器に使用する樹脂の量の更なる削減が望まれており、樹脂製容器の側壁等の更なる薄型化が検討されている。しかしながら、樹脂製容器の薄型化が進むと、嵌合リブが四隅に設けられている容器本体の係合縁等の厚みも薄くする必要がある。この場合、嵌合リブの土台部分が変形しやすくなるため嵌合リブの嵌合力が弱くなり、樹脂製容器を持ち運びする際に嵌合リブが外れてしまい、容器本体が意図せずに蓋体から外れてしまう虞がある。
【0005】
本発明は、容器の薄型化を図りつつ、容器本体と蓋体との嵌合をより確実に行うことができる樹脂製容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、請求項1に記載の発明は、矩形形状の開口を有する容器本体と、前記容器本体の前記開口を覆うように構成された蓋体と、を備えた樹脂製容器であって、
前記容器本体は、底板と、前記底板の周縁から上方に延在する容器周壁と、前記容器周壁の上端から外側に突出するフランジと、前記フランジから上方に延在し、前記蓋体が係合する係合周壁と、前記係合周壁の四隅の外周上に設けられる第1嵌合部と、を有し、
前記蓋体は、天板と、前記天板の周縁から下方に延在する蓋体周壁と、前記蓋体周壁の四隅の内周上に設けられ、前記第1嵌合部に嵌合可能な第2嵌合部と、を有し、
前記第1嵌合部が、前記係合周壁に斜め方向に延在する第1嵌合部第1斜面と、同様に前記係合周壁に斜め方向に延在し、先端に近づくにつれて前記第1嵌合部第1斜面に近づく第1嵌合部第2斜面と、これら第1嵌合部第1斜面の先端と第1嵌合部第2斜面の先端との間にあって、前記係合周壁に平行に延在する第1嵌合部平坦部とを備えており、
前記第2嵌合部が、前記蓋体周壁に斜め方向に延在する第2嵌合部第1斜面と、同様に前記蓋体周壁に斜め方向に延在し、先端に近づくにつれて前記第2嵌合部第1斜面に近づく第2嵌合部第2斜面と、これら第2嵌合部第1斜面の先端と第2嵌合部第2斜面の先端との間にあって、前記蓋体周壁に平行に延在する第2嵌合部平坦部とを備えている、
ことを特徴とする樹脂製容器である。
【0007】
本発明の趣旨に従って、容器本体と蓋体とは薄肉とすることができる。例えば、容器本体の前記第1嵌合部の根元の部分の係合周壁の厚みの中央値を0.50~0.70mmと
することができる。このように第1嵌合部の根元の係合周壁の厚みの中央値を0.50~0.70mmとすることにより、嵌合とその解除とを繰り返しても、容器本体の変形を防止することができる。一方、蓋体は一層薄いものとしてもよい。例えば、蓋体の前記第2嵌合部の根元の部分の蓋体周壁の厚みの中央値を0.25~0.40mmとすることが可能である。
【0008】
また、前記第1嵌合部平坦部の幅は前記第1嵌合部全体の幅の5~15%であることができる。また、同様に前記第2嵌合部平坦部の幅が前記第2嵌合部全体の幅の5~15%であることができる。このように第1嵌合部や第2嵌合部において、平坦部の幅を5~15%とすることにより、斜面の幅を大きく取って、第1嵌合部と第2嵌合部との嵌合が不用意にはずれることを、一層確実に防止することができる。
【0009】
次に、第1嵌合部において、第1嵌合部第1斜面と第1嵌合部平坦部とは曲面によって滑らかに繋がれていることが望ましい。また、第1嵌合部平坦部と第1嵌合部第2斜面とも曲面によって滑らかに繋がれていることが望ましい。このように第1嵌合部平坦部とその前後の第1嵌合部第1斜面及び第1嵌合部平坦部とが滑らかに繋がれている場合、第1嵌合部と第2嵌合部との間の嵌合及びその解除をスムーズに行うことができる。なお、同じ理由から、第2嵌合部第1斜面と第2嵌合部平坦部とが曲面によって滑らかに繋がれており、前記第2嵌合部平坦部と第2嵌合部第2斜面とが曲面によって滑らかに繋がれていることが望ましい。
【0010】
次に、前記第1嵌合部と第2嵌合部とを互に嵌合させる時対向する斜面を第1嵌合部第1斜面及び第2嵌合部第2斜面とし、前記第1嵌合部と第2嵌合部との嵌合を解く時対向する斜面を第1嵌合部第2斜面及び第2嵌合部第1斜面とするとき、第1嵌合部第1斜面の前記係合周壁に対する角度が第1嵌合部第2斜面の前記係合周壁に対する角度より小さすることができる。同様に、第2嵌合部第2斜面の前記蓋体周壁に対する角度が第2嵌合部第1斜面の前記蓋体周壁に対する角度より小さくすることができる。この場合には、互に嵌合させる時対向する第1嵌合部第1斜面と第2嵌合部第2斜面とが小さい角度で対向するため、比較的容易に嵌合させることができ、一方、その解除には強い力を要する。このため、嵌合をより一層確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、薄型化を図りつつ、容器本体と蓋体との嵌合を確実に行う容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は本発明の第1の実施形態に係り、容器本体から蓋体を取り外した状態を示す樹脂製容器の分解斜視図である。
【
図2】
図2は本発明の第1の実施形態に係り、その容器本体の斜視図である。
【
図3】
図3は本発明の第1の実施形態に係り、その蓋体の斜視図である。
【
図4】
図4は本発明の第1の実施形態に係り、容器本体と蓋体との嵌合状態を説明するための要部断面説明図である。
【
図5】
図5は本発明の第2の実施形態に係り、容器本体と蓋体との嵌合状態を説明するための要部断面説明図である。
【
図6】
図6は本発明の第3の実施形態に係り、容器本体と蓋体との嵌合状態を説明するための要部断面説明図である。
【
図7】
図7は比較例に使用した樹脂製容器に係り、その要部断面説明図である。
【
図8】
図8は本発明の実施例に使用した樹脂製容器に係り、その容器本体の各部の厚みを説明するための要部断面説明図である。
【
図9】
図9は本発明の実施例に使用した樹脂製容器に係り、その容器本体の各部の長さを説明するための要部断面説明図である。
【
図10】
図10は本発明の実施例に使用した樹脂製容器に係り、その容器本体の係合周壁の表面と第1嵌合部第2斜面との交差角度を説明するための要部断面説明図である。
【
図11】
図11は本発明の実施例に使用した樹脂製容器に係り、その蓋体の各部の厚みを説明するための要部断面説明図である。
【
図12】
図12は本発明の実施例に使用した樹脂製容器に係り、その蓋体の各部の長さを説明するための要部断面説明図である。
【
図13】
図13は本発明の実施例に使用した樹脂製容器に係り、その蓋体の蓋体周壁の表面と第2嵌合部第2斜面との交差角度を説明するための要部断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は本発明の第1の実施形態に係り、容器本体から蓋体を取り外した状態を示す樹脂製容器の分解斜視図である。
図1に示すように、樹脂製容器1は、矩形形状の開口10aを有する容器本体10と、容器本体10の開口10aを覆うように構成された蓋体20とを備えている。樹脂製容器1は、平面視において、例えば、四隅が丸みを帯びている略長方形の形状を有する樹脂からなる容器である。樹脂製容器1は、例えば、デザートカップ、飲料カップ、又は、バターやマーガリン、クリームチーズなどを収容する薄肉容器として使用することができる。樹脂製容器1は、優れた強度(例えば、座屈強度及び落下耐性)を有することから、比較的大容量であってよい。樹脂製容器1の内容積は、例えば、280cc以上であり、280~400ccであってもよい。
【0014】
図2は、樹脂製容器1の容器本体10を示す斜視図である。
図1及び
図2に示すように、容器本体10は、底板11、容器周壁12、フランジ13、係合周壁14、及び、四個の嵌合リブ(第1嵌合部)15を有している。
【0015】
底板11は、平面視において、四隅が丸みを帯びている略長方形状を有する板部である。底板11の長辺の長さは、例えば、5~15cmであり、7~12cm又は8~10.5cmであってもよい。底板11の短辺の長さは、例えば、3~12cmであり、5~10cm又は6~8.5cmであってもよい。また、底板11の厚さは、例えば、0.3~0.6mmであり、0.4~0.5mmであってもよい。底板11の厚さが0.3mm以上であることで、落下耐性を確保することができる。他方、底板11の厚さが0.6mm以下であることで、薄型化や軽量化を図ることができる。
【0016】
容器周壁12は、底板11の周縁から上方に延在して容器の内側部分を周方向に囲む壁部分である。容器周壁12は、一対の第1側壁部12aと、一対の第2側壁部12bとを含んで構成される。平面視において、一対の第1側壁部12aは、容器本体10の長辺をなし、他方、一対の第2側壁部12bは容器本体10の短辺をなしている。第1側壁部12aと第2側壁部12bとの各連結部分は曲面形状であってもよい。第1側壁部12a及び第2側壁部12bのそれぞれは、底板11の周縁から斜め上方に延びている部分であり、例えば、
図2に示すように、底板11から遠ざかるにしたがって容器本体10の開口10aが拡大するように傾斜している。なお、第1側壁部12a及び第2側壁部12bは、底板11に対して実質的に鉛直方向に延びていてもよい。
【0017】
第1側壁部12a及び第2側壁部12bの厚さは、例えば、0.25~0.4mmであり、0.3~0.35mmであってもよい。第1側壁部12a及び第2側壁部12bの厚さが0.25mm以上であることで、落下耐性を確保することができる。他方、第1側壁部12a及び第2側壁部12bの厚さが0.4mm以下又は0.38mm未満であることで、軽量化や薄型化を図ることができ、また使用するプラスチック量の低減を図ることができる。ここでは、第1側壁部12a及び第2側壁部12bの全体が上記範囲の厚さを有
する態様を例示するが、側壁部の一部が上記範囲の厚さを有する薄肉部であってもよい。プラスチック使用量削減の観点から、側壁部における薄肉部の面積割合は好ましくは50%以上であり、より好ましくは70%以上であり、更に好ましくは90%以上である。
【0018】
フランジ13は、容器周壁12の上端から外側に突出する部分であり、平面視において、四隅が丸みを帯びる略長方形の枠形状を有している。フランジ13は、第1側壁部12a及び第2側壁部12bに連なって形成されており、第1側壁部12a及び第2側壁部12bよりも外側に突出する。フランジ13は、内側から外側に向けて突出する部分(横方向の突出長さ)を有しているため、第1側壁部12a及び第2側壁部12bよりも肉厚に形成されている。フランジ13の上下方向における厚さは、第1側壁部12a及び第2側壁部12bの厚さ(内側から外側に向けた横方向における厚さ)と同じであってもよいし、それより薄くてもよいし、厚くてもよい。フランジ13は、容器周壁12の上端から内側に突出する部分を含んでいてもよい。この場合、フランジ13の内側の上面はフラットな面であり、内容物を覆う各種のシートをヒートシールできる構成であってもよい。
【0019】
係合周壁14は、フランジ13から更に上方に延在し、蓋体20を容器本体10に係合する際に蓋体20をガイドすると共に係合を行わせる部分である。係合周壁14は、一対の第1係合壁14aと一対の第2係合壁14bとを含んで構成されており、周方向に延びる壁部である。平面視において、一対の第1係合壁14aは、長手方向に延在して、容器本体10の長辺をなしている。他方、一対の第2係合壁14bは、第1係合壁14aよりも短く、短手方向に延在して、容器本体10の短辺をなしている。第1係合壁14aと第2係合壁14bとの各連結部分は曲面形状であってもよい。係合周壁14の厚さは、容器周壁12の厚さと同様であってもよく、例えば、0.25~0.4mmであり、0.3~0.35mmであってもよく、また、容器周壁12より薄くてもよい。なお、ここでいう厚さは、係合周壁14の平均厚さである。係合周壁14の厚さが0.25mm以上であることで、落下耐性を確保することができる。他方、係合周壁14の厚さが0.4mm以下又は0.38mm未満であることで、軽量化や薄型化を図ることができ、また使用するプラスチック量の低減を図ることができる。
【0020】
嵌合リブ(第1嵌合部)15は、容器本体10に蓋体20を係合させた際に、蓋体20の嵌合リブ(第2嵌合部)23(詳細は後述する)に嵌合して、蓋体20を容器本体10に取り付けるための嵌合部である。第1嵌合部15は、係合周壁14の四隅の外周上に外側に突出するようにそれぞれ設けられており、蓋体20において同じく四隅に設けられた第2嵌合部23にそれぞれ嵌合して、蓋体20から容器本体10が外れないようにされている。第1嵌合部15は、例えば、係合周壁14の丸みを帯びた四隅に設けられており、平面視した際に、隅部が丸みを帯びるように一部曲線を含むように形成されている。第1嵌合部15は、フランジ13よりも厚肉となるように形成されており、フランジ13を含む開口端部において肉厚差を生じさせる部分となっている。
【0021】
図3は、樹脂製容器1の蓋体20を示す斜視図である。
図1及び
図3に示すように、蓋体20は、天板21、蓋体周壁22、四個の嵌合リブ(第2嵌合部)23、及び、把持部25を有している。
【0022】
天板21は、平面視において、四隅が丸みを帯びている略長方形の形状を有している。天板21の長辺の長さは、例えば、5~15cmであり、7~12cm又は8~10.5cmであってもよい。天板21の短辺の長さは、例えば、3~12cmであり、5~10cm又は6~8.5cmであってもよい。また、天板21の厚さは、例えば、0.3~0.6mmであり、0.4~0.5mmであってもよい。天板21の厚さが0.3mm以上であることで、落下耐性を確保することができる。他方、天板21の厚さが0.6mm以下であることで、軽量化を図ることができる。
【0023】
蓋体周壁22は、天板21の周縁から下方に延在して蓋体の内側部分を周方向に囲む壁部である。蓋体周壁22は、容器本体10に蓋体20が取り付けられた際に、容器本体10の係合周壁14の外側を取り囲むように位置して係合周壁14と対向する。蓋体周壁22は、一対の第1蓋体壁22aと、一対の第2蓋体壁22bとを含んで構成されている。平面視において、一対の第1蓋体壁22aは、蓋体20の長辺をなし、他方、一対の第2蓋体壁22bは蓋体20の短辺をなしている。第1蓋体壁22aと第2蓋体壁22bとの各連結部分は曲面形状であってもよい。第1蓋体壁22a及び第2蓋体壁22bの厚さは、例えば、0.25~0.4mmであり、0.3~0.35mmであってもよい。第1蓋体壁22a及び第2蓋体壁22bの厚さが0.25mm以上であることで、落下耐性を保することができる。他方、第1蓋体壁22a及び第2蓋体壁22bの厚さが0.4mm以下又は0.35mm以下であることで、軽量化や薄型化を図ることができ、また使用するプラスチック量の低減を図ることができる。なお、蓋体周壁22は、対向する係合周壁14よりも厚みが薄くてもよい。
【0024】
嵌合リブ(第2嵌合部)23は、容器本体10に蓋体20を係合させた際に、容器本体10の嵌合リブ(第1嵌合部)15に嵌合して、蓋体20を容器本体10に取り付けるための嵌合部である。第2嵌合部23は、蓋体周壁22の四隅の内周上に内側に突出するようにそれぞれ設けられている。嵌合リブ23は、例えば、蓋体周壁22の丸みを帯びた四隅に設けられており、平面視した際に、隅部が丸みを帯びるように一部曲線を含むように形成されている。
【0025】
把持部25は、樹脂製容器1を使用者が保持する際に自然と把持するように誘導させる部分である。把持部25は、例えば、側面から見て台形形状の凹部及びその上の突出部を有する構成である。このような構成により、使用者が把持部25を自然と把持するようになる。把持部25は、一対の第1蓋体壁22aそれぞれの外周面であって嵌合リブ24の外側に対応する領域に設けられている。このような構成により、把持部25を使用者が自然と把持するようになる。なお、蓋体に設けられる把持部は、この構成に限られず、使用者が把持するように誘導させる他の構成であってもよい。例えば、凹部を設けずに平面上に長手方向に伸びる複数の突出部からなるものであってもよい。
【0026】
前述のように、容器本体10に蓋体20を係合させた際に、蓋体20から容器本体10が外れないようにするため、第1嵌合部15と第2嵌合部23とは互いに嵌合する。これら第1嵌合部15と第2嵌合部23は、いずれも、2つの斜面と、これら2つの斜面の間に位置する平坦部とを有している。これら2つの斜面は、その一方の斜面が平坦部の上方に位置し、他方が下方に位置している。
【0027】
図4は容器本体10と蓋体20との嵌合状態を説明するための要部断面説明図で、各斜面と平坦部との位置関係を示すものである。すなわち、まず、容器本体10の第1嵌合部15は、第1嵌合部平坦部15
2の上方に第1嵌合部第1斜面15
1を備えており、また、第1嵌合部平坦部15
2の下方に第1嵌合部第2斜面15
3を備えている。そして、第1嵌合部第1斜面15
1は、係合周壁14の外面側表面から第1嵌合部平坦部15
2に向かって立ち上がるように延在している。また、第1嵌合部第2斜面15
3は、第1嵌合部平坦部15
2係合周壁14の外面側表面に向かって延在している。そして、両斜面15
1,15
3は、これらの先端に位置する第1嵌合部平坦部15
2に近づくにつれて、互にその間の距離が短くなって、第1嵌合部第1斜面15
1は第1嵌合部第2斜面15
3に近づき、第1嵌合部第2斜面15
3は第1嵌合部第1斜面15
1に近づく。すなわち、第1嵌合部第1斜面15
1、第1嵌合部平坦部15
2及び第1嵌合部第2斜面15
3で構成される第1嵌合部15の断面形状はほぼ台形状である。
【0028】
また、蓋体20の第2嵌合部23は、第2嵌合部平坦部232の上方に第2嵌合部第1斜面231を備えており、また、第2嵌合部平坦部232の下方に第2嵌合部第2斜面233を備えている。そして、第2嵌合部第1斜面231は、蓋体周壁22の内面側表面から第2嵌合部平坦部232に向かって立ち上がるように延在している。また、第1嵌合部第2斜面233は、第1嵌合部平坦部232から蓋体周壁22の内面側表面に向かって延在している。そして、両斜面231,233も、これらの先端に位置する第2嵌合部平坦部232に近づくにつれて、互にその間の距離が短くなって、第2嵌合部第1斜面231は第2嵌合部第2斜面233に近づき、第2嵌合部第2斜面233は第2嵌合部第1斜面231に近づく。第2嵌合部第1斜面231、第2嵌合部平坦部232及び第2嵌合部第2斜面233で構成される第2嵌合部23の断面形状もほぼ台形状である。
【0029】
そして、この
図4から容易に分かるように、蓋体20が容器本体10から外れて開口した状態から、第1嵌合部15と第2嵌合部23とを互に嵌合させて施蓋する際には、蓋体20の第2嵌合部第2斜面23
3が容器本体10の第1嵌合部第1斜面15
1に対向し、第1嵌合部第1斜面15
1を乗り越えなくてはならない。反対に容器本体10と蓋体20とが嵌合された状態から第1嵌合部15と第2嵌合部23との嵌合を解いて開口するときには、蓋体20の第2嵌合部第1斜面23
1が容器本体10の第1嵌合部第2斜面15
3に対向し、第1嵌合部第1斜面15
1を乗り越えなくてはならない。そこで、このような施蓋や開口を容易とするため、第1嵌合部第1斜面15
1と第1嵌合部平坦部15
2との間、第1嵌合部平坦部15
2と第1嵌合部第2斜面15
3との間、第2嵌合部第1斜面23
1と第2嵌合部平坦部23
2との間、そして、第2嵌合部平坦部23
2と第2嵌合部第2斜面23
3との間が曲面によって滑らかに繋がれていことが望ましい。
【0030】
なお、前記第1嵌合部第1斜面151と第1嵌合部平坦部152とが曲面によって滑らかに繋がれており、かつ、前記第2嵌合部平坦部232と第2嵌合部第2斜面233とが曲面によって滑らかに繋がれている場合には、第1嵌合部15と第2嵌合部23とを互に嵌合させて施蓋することが容易となる。
【0031】
一方、第1嵌合部平坦部152と第1嵌合部第2斜面153とが曲面によって滑らかに繋がれており、かつ、前記第2嵌合部第1斜面231と第2嵌合部平坦部232とが曲面によって滑らかに繋がれている場合には、第1嵌合部15と第2嵌合部23との嵌合を解いて開口することが容易となる。
【0032】
なお、容器本体10の前記第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みを0.50~0.70mmとすることができる。このように第1嵌合部の根元の係合周壁14の厚みを0.50~0.70mmとすることにより、嵌合とその解除とを繰り返しても、容器本体の変形を防止することができる。一方、蓋体20は一層薄いものとしてもよい。例えば、蓋体20の前記第2嵌合部23の根元の部分の蓋体周壁22の厚みを0.25~0.40mmとすることが可能である。
【0033】
また、前記第1嵌合部平坦部152の幅は、前記第1嵌合部全体の幅の5~15%であることができる。また、同様に前記第2嵌合部平坦部232の幅が前記第2嵌合部全体の幅の5~15%であることができる。このように第1嵌合部15や第2嵌合部23において、平坦部152,232の幅を5~15%とすることにより、各斜面151,153,231,233の幅を大きく取って、第1嵌合部15と第2嵌合部23との嵌合が不用意にはずれることを、一層確実に防止することができる。
【0034】
また、嵌合の際に第1嵌合部15と第2嵌合部23とが引っ掛かる量を「かかり量」と定義すると(
図4参照)、かかり量は、例えば、0.33~0.50mmで、充分な嵌合力を得ることができる。もっとも、後述する実施例1~3を相互に比較して分かるように
、かかり量が長いほど嵌合力も強くなる。望ましくは0.40mm以上である。
【0035】
ところで、
図4に示す第1の実施形態においては、第1嵌合部第1斜面15
1と第1嵌合部第2斜面15
3とが面対称の位置及び形状を有しており、このため、第1嵌合部15が水平面を対象軸(対象面)として上下方向に面対称の形状を有している。また、同様に、第2嵌合部23も水平面を対象軸(対象面)として上下方向に面対称の形状を有している。しかし、第1嵌合部15も第2嵌合部23もこのように上下方向に対称の形状である必要はない。
【0036】
図5は、上下方向に非対称の形状を有する第1嵌合部15及び第2嵌合部23を有する樹脂製容器(第2の実施形態)を示すもので、容器本体と蓋体との嵌合状態を説明するための要部断面説明図である。
【0037】
この第2の実施形態に係る樹脂製容器の第1嵌合部15において、容器本体10の第1嵌合部第1斜面151の係合周壁14の外面側表面に対する角度1αが第1嵌合部第2斜面153の係合周壁14の外面側表面に対する角度1βより小さく構成されている。また、蓋体20の第2嵌合部第2斜面233の蓋体周壁22の内面側表面に対する角度2βが第2嵌合部第1斜面231の蓋体周壁22の内面側表面に対する角度2αより小さい。前述のように、第1嵌合部15と第2嵌合部23とを互に嵌合させて施蓋する際には、蓋体20の第2嵌合部第2斜面233が容器本体10の第1嵌合部第1斜面151に対向するが、第1嵌合部第1斜面151の係合周壁14の外面側表面に対する角度1α及び第2嵌合部第2斜面233の蓋体周壁22の内面側表面に対する角度2βが小さいので、第1嵌合部第1斜面151と第2嵌合部第2斜面233とは小さい角度で対向する。このため、比較的容易に嵌合させて施蓋することができる。
【0038】
第1嵌合部15と第2嵌合部23との嵌合を解いて開口するときには、蓋体20の第2嵌合部第1斜面231が容器本体10の第1嵌合部第2斜面153に対向するが、第2嵌合部第1斜面231の蓋体周壁22の内面側表面に対する角度2α及び第1嵌合部第2斜面153の係合周壁14の外面側表面に対する角度1βが大きいので、第2嵌合部第1斜面231と第1嵌合部第2斜面153とは大きい角度で対向する。このため、これらの嵌合を解くのに要する力が大きくなり、その嵌合がより確実となって、意図せずに外れてしまうことがない。タブレットケースのように樹脂製容器が嵌合を外す必要がない場合には、このように嵌合を解くのに要する力が大きいものが向いている。
【0039】
なお、このように第1嵌合部15及び第2嵌合部23が上下方向に非対称の形状を有する場合には、第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みや第2嵌合部23の根元の部分の蓋体周壁22の厚みは均一なものとならない。この第2の実施形態に係る樹脂製容器においては、第1嵌合部第1斜面151の根元の部分の係合周壁14の厚みが最も薄く、第1嵌合部第2斜面153の根元の部分の係合周壁14の厚みが最も厚い。そして、その間の位置の根元の部分の係合周壁14の厚みはこれら最大値と最小値の間の厚みである。このように第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みが均一でない場合には、その中央値が0.50~0.70mmであればよい。第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みの中央値を0.50~0.70mmとすることにより、嵌合とその解除とを繰り返しても、容器本体の変形を防止することができる。同様に、の根元の部分の蓋体周壁22の厚みが均一でない場合には、その中央値を0.25~0.40mmとすればよい。
【0040】
次に、
図6は本発明の第3の実施形態に係り、容器本体10と蓋体20との嵌合状態を説明するための要部断面説明図である。この実施形態においては、容器本体10の第1嵌合部第1斜面15
1の係合周壁14の外面側表面に対する角度1αが第1嵌合部第2斜面
15
3の係合周壁14の外面側表面に対する角度1βより大きく構成されている。また、蓋体20の第2嵌合部第2斜面23
3の蓋体周壁22の内面側表面に対する角度2βが第2嵌合部第1斜面23
1の蓋体周壁22の内面側表面に対する角度2αより大きい。
【0041】
この実施形態では、第1嵌合部15と第2嵌合部23とを嵌合させて施蓋する際に比較的大きい力を要する。一方、容易に嵌合を解いて開口することができる。
【実施例0042】
次に、実施例及び比較例により本発明を説明する。
【0043】
実施例1~3は、
図5を参照しながら、第2の実施の形態として説明した形状の樹脂製容器である。この樹脂製容器は容器本体10の第1嵌合部15が上下非対称で、係合周壁14の外面側表面に対する第1嵌合部第1斜面15
1の角度1αが第1嵌合部第2斜面15
3の角度1βより小さく構成されている。また、第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みは不均一で、第1嵌合部第1斜面15
1の根元の部分の係合周壁14の厚みが最小値であり、第1嵌合部第2斜面15
2の根元の部分の係合周壁14の厚みが最大値である。
【0044】
蓋体20の第1嵌合部23も上下非対称で、蓋体周壁22の内面側表面に対する第2嵌合部第2斜面233の角度2βが第2嵌合部第1斜面231の角度2αより小さく構成されている。一方、第2嵌合部23の根元の部分の蓋体周壁22の厚みは均一で、そのどの位置でも0.35mmである。
【0045】
また、比較例1~2は、第1嵌合部15がその先端が丸まっていて、平坦部がない断面山形のリブで構成されており、第2嵌合部23も先端が丸まっていて、平坦部がない断面山形のリブで構成されているものである。これら比較例1~2の樹脂製容器については、
図7にその要部断面説明図を示す。
【0046】
また、容器本体の各部の厚み、幅、角度については、
図8~
図10にその説明図を示す。また、蓋体の厚み、幅、角度については、
図11~
図13にその説明図を示す。これら
図8~
図13で使用した符号の意味は、以下の実施例で説明するとおりである。
【0047】
(実施例1)
実施例1として、次の各寸法を有する樹脂製容器を製造して、この樹脂製容器における開閉荷重(嵌合力、単位はN(ニュートン)を測定した。
容器本体の質量:8.90g。
容器本体の平均厚み:0.25mm。
係合周壁14の厚み1A:0.35mm。
第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みの最小値1B:0.50mm。
第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みの中央値1C:0.59mm。
第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みの最大値1D:0.67mm。
第1嵌合部平坦部152の幅1E:0.19mm。
第1嵌合部15全体の幅1F:1.80mm。
1Fに対する1Eの割合:10.6%。
第1嵌合部第2斜面153の係合周壁14の外面側表面に対する角度1β:45度。
蓋体の質量:6.36g。
蓋体の平均厚み:0.30mm。
蓋体周壁22の厚み2A:0.35mm。
第2嵌合部平坦部232の幅2E:0.17mm。
第2嵌合部23全体の幅2F:1.52mm。
2Fに対する2Eの割合:11.2%。
第2嵌合部第2斜面233の蓋体周壁22の内面側表面に対する角度2β:45度。
かかり量:0.34mm。
【0048】
(実施例2)
実施例2として、次の各寸法を有する樹脂製容器を製造して、この樹脂製容器における開閉荷重(嵌合力、単位はN(ニュートン)を測定した。
容器本体の質量:8.90g。
容器本体の平均厚み:0.25mm。
係合周壁14の厚み1A:0.35mm。
第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みの最小値1B:0.49mm。
第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みの中央値1C:0.58mm。
第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みの最大値1D:0.67mm。
第1嵌合部平坦部152の幅1E:0.24mm。
第1嵌合部15全体の幅1F:1.89mm。
1Fに対する1Eの割合:10.6%。
第1嵌合部第2斜面153の係合周壁14の外面側表面に対する角度1β:45度。
蓋体の質量:6.36g。
蓋体の平均厚み:0.30mm。
蓋体周壁22の厚み2A:0.35mm。
第2嵌合部平坦部232の幅2E:0.19mm。
第2嵌合部23全体の幅2F:1.59mm。
2Fに対する2Eの割合:11.9%。
第2嵌合部第2斜面233の蓋体周壁22の内面側表面に対する角度2β:45度。
かかり量:0.38mm。
【0049】
(実施例3)
実施例3として、次の各寸法を有する樹脂製容器を製造して、この樹脂製容器における開閉荷重(嵌合力、単位はN(ニュートン)を測定した。
容器本体の質量:8.91g。
容器本体の平均厚み:0.25mm。
係合周壁14の厚み1A:0.35mm。
第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みの最小値1B:0.47mm。
第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みの中央値1C:0.57mm。
第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みの最大値1D:0.66mm。
第1嵌合部平坦部152の幅1E:0.25mm。
第1嵌合部15全体の幅1F:1.99mm。
1Fに対する1Eの割合:12.6%。
第1嵌合部第2斜面153の係合周壁14の外面側表面に対する角度1β:45度。
蓋体の質量:6.37g。
蓋体の平均厚み:0.30mm。
蓋体周壁22の厚み2A:0.35mm。
第2嵌合部平坦部232の幅2E:0.22mm。
第2嵌合部23全体の幅2F:1.70mm。
2Fに対する2Eの割合:12.9%。
第2嵌合部第2斜面233の蓋体周壁22の内面側表面に対する角度2β:45度。
かかり量:0.46mm。
【0050】
(実施例4)
角度1βを50度とし、幅1Eを0.17mmとした他は、実施例1と同様に樹脂製容
器を製造して、この樹脂製容器における開閉荷重(嵌合力、単位はN(ニュートン)を測定した。なお、念のため、この樹脂製容器の各寸法を示すと、次のとおりである。
容器本体の質量:8.90g。
容器本体の平均厚み:0.25mm。
係合周壁14の厚み1A:0.35mm。
第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みの最小値1B:0.50mm。
第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みの中央値1C:0.59mm。
第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みの最大値1D:0.67mm。
第1嵌合部平坦部152の幅1E:0.17mm。
第1嵌合部15全体の幅1F:1.80mm。
1Fに対する1Eの割合:9.4%。
第1嵌合部第2斜面153の係合周壁14の外面側表面に対する角度1β:50度。
蓋体の質量:6.36g。
蓋体の平均厚み:0.30mm。
蓋体周壁22の厚み2A:0.35mm。
第2嵌合部平坦部232の幅2E:0.17mm。
第2嵌合部23全体の幅2F:1.52mm。
2Fに対する2Eの割合:11.2%。
第2嵌合部第2斜面233の蓋体周壁22の内面側表面に対する角度2β:45度。
かかり量:0.34mm。
【0051】
(実施例5)
角度1βを50度とし、幅1Eを0.17mmとした他は、実施例2と同様に樹脂製容器を製造して、この樹脂製容器における開閉荷重(嵌合力、単位はN(ニュートン)を測定した。この樹脂製容器の各寸法を示すと、次のとおりである。
容器本体の質量:8.90g。
容器本体の平均厚み:0.25mm。
係合周壁14の厚み1A:0.35mm。
第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みの最小値1B:0.49mm。
第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みの中央値1C:0.58mm。
第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みの最大値1D:0.67mm。
第1嵌合部平坦部152の幅1E:0.19mm。
第1嵌合部15全体の幅1F:1.89mm。
1Fに対する1Eの割合:10.1%。
第1嵌合部第2斜面153の係合周壁14の外面側表面に対する角度1β:50度。
蓋体の質量:6.36g。
蓋体の平均厚み:0.30mm。
蓋体周壁22の厚み2A:0.35mm。
第2嵌合部平坦部232の幅2E:0.19mm。
第2嵌合部23全体の幅2F:1.59mm。
2Fに対する2Eの割合:11.9%。
第2嵌合部第2斜面233の蓋体周壁22の内面側表面に対する角度2β:45度。
かかり量:0.38mm。
【0052】
(実施例6)
角度1βを50度とし、幅1Eを0.17mmとした他は、実施例3と同様に樹脂製容器を製造して、この樹脂製容器における開閉荷重(嵌合力、単位はN(ニュートン)を測定した。この樹脂製容器の各寸法を示すと、次のとおりである。
容器本体の質量:8.91g。
容器本体の平均厚み:0.25mm。
係合周壁14の厚み1A:0.35mm。
第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みの最小値1B:0.47mm。
第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みの中央値1C:0.57mm。
第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みの最大値1D:0.66mm。
第1嵌合部平坦部152の幅1E:0.23mm。
第1嵌合部15全体の幅1F:1.99mm。
1Fに対する1Eの割合:11.6%。
第1嵌合部第2斜面153の係合周壁14の外面側表面に対する角度1β:50度。
蓋体の質量:6.37g。
蓋体の平均厚み:0.30mm。
蓋体周壁22の厚み2A:0.35mm。
第2嵌合部平坦部232の幅2E:0.22mm。
第2嵌合部23全体の幅2F:1.70mm。
2Fに対する2Eの割合:12.9%。
第2嵌合部第2斜面233の蓋体周壁22の内面側表面に対する角度2β:45度。
かかり量:0.46mm。
【0053】
(比較例1)
比較例1として、次の各寸法を有する樹脂製容器を製造して、この樹脂製容器における開閉荷重(嵌合力、単位はN(ニュートン)を測定した。なお、前述のように、第1嵌合部15及び第2嵌合部23のどちらも、その先端が丸まっていて、平坦部がない断面山形のリブで構成されているものである(
図7参照)。
容器本体の質量:12.63g。
容器本体の平均厚み:0.47mm。
係合周壁14の厚み1A:0.47mm。
第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みの最小値1B:0.62mm。
第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みの中央値1C:0.71mm。
第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みの最大値1D:0.79mm。
蓋体の質量:9.88g。
蓋体の平均厚み:0.50mm。
蓋体周壁22の厚み2A:0.50mm。
かかり量:0.34mm。
【0054】
(比較例2)
比較例2として、次の各寸法を有する樹脂製容器を製造して、この樹脂製容器における開閉荷重(嵌合力、単位はN(ニュートン)を測定した。この比較例2の樹脂製容器も、第1嵌合部15及び第2嵌合部23のどちらも、その先端が丸まっていて、平坦部がない断面山形のリブで構成されている(
図7参照)。
容器本体の質量:8.90g。
容器本体の平均厚み:0.25mm。
係合周壁14の厚み1A:0.35mm。
第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みの最小値1B:0.50mm。
第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みの中央値1C:0.59mm。
第1嵌合部15の根元の部分の係合周壁14の厚みの最大値1D:0.67mm。
蓋体の質量:6.36g。
蓋体の平均厚み:0.30mm。
蓋体周壁22の厚み2A:0.35mm。
かかり量:0.34mm。
【0055】
(結果及び考察)
実施例1~6,比較例1~2について、容器本体と蓋体との合計質量、かかり量と共に、嵌合力を表1に示す。
【0056】
【0057】
この結果から分かるように、平坦部を有する断面略台形状の第1嵌合部及び第2嵌合部を備えた実施例1~6は、平坦部を持たない断面山形の第1嵌合部及び第2嵌合部を有する比較例1~2に比べて、容器本体と蓋体との合計質量が軽量であり、したがって薄肉であるにも拘わらず、強い嵌合力を示す。しかも、実施例1と比較例1~2とを対比して分かるように、そのかかり量が同じであっても、断面略台形状の第1嵌合部及び第2嵌合部を有する場合(実施例1)の方が、断面山形の第1嵌合部及び第2嵌合部を有する比較例1~2より嵌合力が強いのである。
【0058】
なお、実施例1~3および実施例4~6を相互に対比することにより、断面略台形状の第1嵌合部及び第2嵌合部を有する場合には、かかり量が長いほど嵌合力も強いことが理解できる。また、実施例1と4、実施例2と5、および実施例3と6を相互に対比することにより、第1嵌合部及び第2嵌合部の断面略台形状の斜面の角度が小さいために斜面の長さが長い方が、嵌合力が強いことが理解できる。