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  • 特開-動物用オムツカバー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067809
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】動物用オムツカバー
(51)【国際特許分類】
   A01K 23/00 20060101AFI20240510BHJP
【FI】
A01K23/00 S
A01K23/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178150
(22)【出願日】2022-11-07
(71)【出願人】
【識別番号】506422342
【氏名又は名称】株式会社すとろーはうす
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100155457
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】南 恵太
(72)【発明者】
【氏名】南 恵美
(72)【発明者】
【氏名】黄 偉倫
(57)【要約】
【課題】オムツを付けていることが外観上分かりにくく、且つ、動物が自分で外しにくいオムツカバーを提供する。
【解決手段】オムツカバー1は、背面被覆部4及び腹被覆部5を有する筒状の胴部2と、オムツ保持部3とを備える。オムツ保持部3は、腹被覆部5から後側に延びる下部カバー8と、背面被覆部4の内側に重ねて設けられ、下部カバー8の端部が着脱自在に取り付けられる上部カバー9とを有する。上部カバー9と下部カバー8との取付部が背面被覆部4で覆われている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の背中を覆う背面被覆部、及び、動物の腹部を覆う腹被覆部を有する筒状の胴部と、動物の臀部に装着されたオムツを保持するオムツ保持部とを備えた動物用オムツカバーであって、
前記オムツ保持部が、前記腹被覆部から後側に延びる下部カバーと、前記背面被覆部の内側に重ねて設けられ、前記下部カバーの端部が着脱自在に取り付けられる上部カバーとを有し、
前記上部カバーと前記下部カバーとの取付部が前記背面被覆部で覆われる動物用オムツカバー。
【請求項2】
前記下部カバーに設けたフック部材と、前記上部カバーに設けたループ部材とからなる面ファスナーを有し、
前記上部カバー全体を、前記ループ部材となるパイル生地で形成した請求項1に記載の動物用オムツカバー。
【請求項3】
前記背面被覆部が、前記上部カバーの全域を覆う請求項1又は2に記載の動物用オムツカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬や猫等の四足歩行動物に装着されるオムツカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
室内で飼育される犬や猫等のペットが、老齢化や病気・けが等により自力でトイレに行けなくなった場合、オムツを履かせる場合がある。この場合、ペットが動くことでオムツがずれたり、ペット自身が口や足でオムツを外したりする事態を防ぐために、オムツを所定位置で保持するオムツカバーを着用させることがある。
【0003】
オムツカバーとしては、パンツ型のオムツカバー(例えば、下記の特許文献1参照)や、服と一体化したオムツカバー(例えば、下記の特許文献2参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5580497号公報
【特許文献2】特開平3-292834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示されるようなパンツ型のオムツカバーは、ずれやすいため、動物が口や足でずり下げてしまう。また、オムツを付けていることが一目瞭然であり、外観上好ましいとは言えない。
【0006】
これに対し、特許文献2に示されたオムツカバーは、服と一体化しているため、オムツを付けていることが一見しては分かりにくい。しかし、オムツカバーを着用した状態でオムツを着脱可能とするために、動物の臀部を被覆する上フラップと下フラップとをボタン等で留めているため、動物がボタン等を口や足で外してしまう恐れがある。
【0007】
そこで、本発明は、オムツを付けていることが外観上分かりにくく、且つ、動物が自分で外しにくいオムツカバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明は、動物の背中を覆う背面被覆部、及び、動物の腹部を覆う腹被覆部を有する筒状の胴部と、動物の臀部に装着されたオムツを保持するオムツ保持部とを備えた動物用オムツカバーであって、
前記オムツ保持部が、前記腹被覆部から後側に延びる下部カバーと、前記背面被覆部の内側に重ねて設けられ、前記下部カバーの端部が着脱自在に取り付けられる上部カバーとを有し、
前記上部カバーと前記下部カバーとの取付部が前記背面被覆部で覆われる動物用オムツカバーを提供する。
【0009】
このように、本発明に係る動物用オムツカバーでは、胴部の背面被覆部の内側に上部カバーを重ねて設け、上部カバーと下部カバーとの接続部を背面被覆部で覆うようにした。これにより、上部カバーと下部カバーの接続部を、動物が口や足で取り外す事態を防止できる。また、上部カバーと下部カバーの接続部が外部から見えない状態となるため、オムツを付けていることが分かりにくくなる。
【0010】
上記の動物用オムツカバーでは、下部カバーに設けたフック部材と、上部カバーに設けたループ部材とからなる面ファスナーで、両カバーを着脱可能に取り付けることができる。このとき、上部カバーに、別途形成したループ部材を固定すると、ループ部材を設けた範囲内にしか下部カバーのフック部材を取りつけることができないため、取付位置の調整範囲が限られる。また、上部カバーのうち、ループ部材が固定された部分が硬くなるため、着心地が悪くなって動物にストレスを与える恐れがある。
【0011】
そこで、上部カバー全体を、ループ部材となるパイル生地で形成することが好ましい。これにより、上部カバーのどの部分にでもフック部材を取り付けることができるため、下部カバーの上部カバーへの着脱が容易になる。また、上部カバー全体をタオル地等の軟らかいパイル生地で形成することで、着心地が良くなるため、動物に与えるストレスを軽減できる。
【0012】
上記の動物用オムツカバーでは、背面被覆部が、上部カバーの全域を覆う大きさであることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明の動物用オムツカバーによれば、オムツを付けていることが外観上分かりにくく、且つ、動物が自分でオムツカバーを外してしまう事態を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る動物用オムツカバーを動物に着用させた状態の側面図である。
図2】上記動物用オムツカバーを上から見た平面図である。
図3】上記動物用オムツカバー単体を下から見た底面図である。
図4】上記動物用オムツカバー単体を上から見た平面図である。
図5】上記動物用オムツカバーを動物に装着する様子を示す斜視図である。
図6】上記動物用オムツカバーを動物に装着する様子を示す斜視図である。
図7】上記動物用オムツカバーを動物に装着する様子を示す斜視図である。
図8】他の実施形態に係る動物用オムツカバーを動物に着用させた状態の側面図である。
図9】さらに他の実施形態に係る動物用オムツカバーを下から見た底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
本発明の一実施形態に係る動物用オムツカバー1(以下、単に「オムツカバー1」とも言う。)は、図1及び図2に示すように、犬や猫等の四足歩行動物(図示例では犬)に着用させるものであり、動物の臀部に装着されたオムツMを保持するためのものである。オムツカバー1は、動物の胴体を覆う胴部2と、動物の臀部を覆うオムツ保持部3とを有する。尚、オムツカバー1を動物に装着した状態で、動物の首側を「前側」、動物の臀部側を「後側」と言う。
【0017】
胴部2は、動物の背中を覆う背面被覆部4と、動物の腹部を覆う腹被覆部5とを有する筒状を成している。本実施形態では、胴部2に、動物の首が挿通される首挿通部6と、動物の前足が挿通される一対の前足挿通部7とが設けられる。本実施形態では、背面被覆部4と腹被覆部5とをそれぞれ別個に形成した後、これらを縫合することで、筒状の胴部2が形成される。この他、筒状の胴部2をニット等で一体に形成してもよい。
【0018】
オムツ保持部3は、下部カバー8と、上部カバー9とを有する。尚、理解しやすいように、上部カバー9には散点を付している。
【0019】
下部カバー8は、胴部2の腹被覆部5から後側に延びている(図3参照)。下部カバー8には、犬の尻尾を通すための尻尾挿通部10が設けられる。図示例では、腹被覆部5と下部カバー8とが一枚の生地で連続的に形成されている。
【0020】
上部カバー9は、胴部2とは異なる生地で形成され、背面被覆部4の内側に重ねて設けられる(図3及び4参照)。本実施形態では、背面被覆部4の前後方向中央部よりも後端寄りの部分、具体的には背面被覆部4を前後方向におおよそ3等分したときの最も後側の部分を後端部分4aとし、この後端部分4aの内側に上部カバー9が設けられる。背面被覆部4の内側に、上部カバー9の前端9a(鎖線参照)が縫合等により固定される。図示例では、上部カバー9の前端9aが、前後方向と略直交する方向に沿って延び(図4参照)、上部カバー9のうち、前端9aのみが背面被覆部4に固定されている。上部カバー9は、背面被覆部4の後端部分4aと概ね同形状で、後端部分4aよりも一回り小さい形状を成している。これにより、上部カバー9の全域が、背面被覆部4で覆われている。
【0021】
下部カバー8の後端(腹被覆部5との接続部と反対側の端部)は、上部カバー9に着脱自在に取り付け可能とされる。本実施形態では、下部カバー8と上部カバー9とが面ファスナーを介して取り付けられる。具体的には、図4に示すように、下部カバー8の後端の内面(オムツカバー1を動物に装着したときに内側となる面)に、フック部材11が取り付けられる。図示例では、下部カバー8の後端に、一枚の帯状のフック部材11が取り付けられている。尚、フック部材の形状はこれに限らず、例えば、複数に分割したフック部材を下部カバー8の後端に取り付けてもよい。一方、上部カバー9に、フック部材11と係合可能なループ部材が設けられる。図示例では、上部カバー9全体が、ループ部材となるパイル生地で形成されている。パイル生地とは、表面に多数の微小なループが設けられた生地であり、上部カバー9の上面の全域に微小なループが設けられている。
【0022】
以下、犬にオムツカバー1を装着する手順を説明する。まず、動物の臀部にオムツMを装着した後、オムツカバー1の胴部2の後側の開口部から動物の首を挿入し、オムツカバー1の首挿通部6及び前足挿通部7にそれぞれ動物の首及び前足を挿通する。そして、図5に示すように、上部カバー9を動物の背中の後端に配すると共に、背面被覆部4の後端部分4aを前方にめくり上げて上部カバー9を露出させる。このとき、上部カバー9の前端9aのみが背面被覆部4に固定されているため、背面被覆部4の後端部分4a全体を前方にめくり上げることができ、上部カバー9の全域を露出させることができる。
【0023】
この状態で、下部カバー8の後端を動物の後足の間を通し(図5参照)、その後、下部カバー8の後端を上方に持ち上げながら、尻尾挿通部10に動物の尻尾を挿通する(図6参照)。そして、下部カバー8の後端に設けられたフック部材11を、上部カバー9に設けられたループ部材(本実施形態では上部カバー9自体)の上面に取り付ける。このとき、上部カバー9全体が、ループ部材となるパイル生地で形成されているため、上部カバー9の上面の任意の位置に下部カバー8の後端に設けられたフック部材11を取りつけることができる。これにより、犬のサイズ(例えば胴の長さ)に応じて、上部カバー9に対する下部カバー8の取付位置を調整することができる。特に、図示例では、上部カバー9の全域が、背面被覆部4で覆われることなく露出しているため、下部カバー8に設けられたフック部材11を取り付けやすい。
【0024】
その後、背面被覆部4の後端部分4aを後側に戻し、この後端部分4aで上部カバー9と下部カバー8との取付部(重合部)を覆う(図7参照)。図示例では、上部カバー9の全域が背面被覆部4の後端部分4aで覆われる(図2参照)。これにより、上部カバー9と下部カバー8との取付部が外部から見えないため、図1に示すように、一見すると通常の動物用被服を着用しているように見える。特に、図示例では、下部カバー8と胴部2とが同一の生地で形成されているため、外見上は一体型(つなぎタイプ)の動物用被覆を着ているように見え、オムツを装着していることが分かりにくくなっている。
【0025】
また、上部カバー9と下部カバー8との取付部、特に、下部カバー8の後端が、背面被覆部4で覆われることで、犬が口や足で下部カバー8の後端を引っ張って上部カバー9から外してしまう事態を防止できる。
【0026】
また、本実施形態では、上部カバー9が、ループ部材として機能するパイル生地で形成されている。このように、動物の皮膚に直接接触する上部カバー9を軟らかいパイル生地で形成することで、上部カバー9に、別途形成したループ部材を固定する場合と比べて着心地が良くなるため、動物に与えるストレスを軽減できる。
【0027】
本発明は、上記の実施形態に限られない。以下、本発明の他の実施形態を説明するが、上記の実施形態と同様の点については重複説明を省略する。
【0028】
図8は、犬の背中を大きく露出させた、いわゆるサロペットタイプのオムツカバー1である。このオムツカバー1は、犬の首が挿通される首挿通部6を有する環状部材12が設けられ、この環状部材12に腹被覆部5の前端が固定されている。背面被覆部4は、腹被覆部5に対して短く、前端が犬の胴体の前後方向中央よりもやや後方寄りの位置に配される。環状部材12と背面被覆部4との前後方向間から、犬の背中が露出している。このようなサロペットタイプのオムツカバー1に対しても、本発明を適用することができる。
【0029】
また、オムツ保持部3の構成は上記に限られない。例えば、図9に示す実施形態では、下部カバー8の後端を二股に分岐させ、分岐した部分13,13の間に尻尾挿通部10を設けている。この場合、分岐した部分13,13の後端に、それぞれフック部材11が固定される。
【符号の説明】
【0030】
1 動物用オムツカバー
2 胴部
3 オムツ保持部
4 背面被覆部
5 腹被覆部
6 首挿通部
7 前足挿通部
8 下部カバー
9 上部カバー
10 尻尾挿通部
11 フック部材
12 環状部材
M オムツ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9