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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006783
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】電動ブラインド
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/32 20060101AFI20240110BHJP
   E05F 15/665 20150101ALI20240110BHJP
   E06B 9/323 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
E06B9/32
E05F15/665
E06B9/323
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107990
(22)【出願日】2022-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100182349
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 誠治
(72)【発明者】
【氏名】中島 勝輝
【テーマコード(参考)】
2E043
2E052
【Fターム(参考)】
2E043AA01
2E043AA04
2E043BB04
2E043BB24
2E043BC02
2E043BD02
2E043DA01
2E052AA04
2E052BA01
2E052CA06
2E052DA03
2E052DB03
2E052EA07
2E052EB01
2E052EC01
(57)【要約】
【課題】リモコン信号を受光可能な受光部を内蔵する電動ブラインドの待機電力の消費を低減可能な電動ブラインドを提供する。
【解決手段】電動ブラインド100は、モーター122を駆動させてスラット110を開閉させるものであって、モーター122を駆動させるリモコン信号を受光可能に内蔵される受光部170と、受光部170に対して電力供給される第1の状態と、電力供給されない第2の状態との切替を操作可能とするディップスイッチ180と、を備える。かかる構成によれば、リモコン信号を受光可能な受光部を内蔵する電動ブラインドの待機電力の消費を低減可能とすることができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モーターを駆動させて遮蔽材を開閉させる電動ブラインドであって、
前記モーターを駆動させるリモコン信号を受光可能に内蔵される受光部と、
前記受光部に対して電力供給される第1の状態と、電力供給されない第2の状態との切替を操作可能とする切替部と、
を備えることを特徴とする、電動ブラインド。
【請求項2】
遮蔽材を垂下支持するヘッドボックスの左右方向端部に設けられ、前記受光部が前記リモコン信号を受光可能な状態で内装されるサイドキャップを更に有し、
前記切替部は、前記第1の状態と、前記第2の状態との切替を前記サイドキャップの外側から操作可能であることを特徴とする、請求項1に記載の電動ブラインド。
【請求項3】
前記サイドキャップに着脱可能であり、前記切替部が露出しないよう前記サイドキャップの側面を覆うサイドキャップカバーを更に備えることを特徴とする、請求項2に記載の電動ブラインド。
【請求項4】
前記サイドキャップカバーは、前記サイドキャップに着脱可能な着脱部材と、前記着脱部材に取り付けられるカバー部材と、を有することを特徴とする、請求項3に記載の電動ブラインド。
【請求項5】
前記サイドキャップカバーは、前記サイドキャップに取り付けられた状態において、前記サイドキャップカバーの外側から前記切替部による操作を可能とする開口部を有することを特徴とする、請求項3又は4に記載の電動ブラインド。
【請求項6】
モーターを駆動させるためのリモコン信号を受光可能な受光部を内蔵し、前記モーターを駆動させて遮蔽材を開閉させる電動ブラインドであって、
前記受光部に対して電力供給される第1の状態と、電力供給されない第2の状態との切替に係る設定を受け付ける制御部を備え、
前記制御部は、前記設定を受け付けた場合に、前記設定に基づいて、前記第1の状態と、前記第2の状態とを切り替え制御することを特徴とする、電動ブラインド。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動ブラインドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電動ブラインドとして、特開2021-156029号公報(特許文献1)に示されるものがある。同文献には、リモコンからの信号を受光する受光素子を含む受光ユニット(受光部)が巻取パイプを支持するサイドブラケットに内装されており、受光素子の受光方向が可変となるように構成された電動ブラインドが開示されている。
【0003】
これによれば、状況に応じて受光素子の受光方向を変えることで受光感度を落とさずにリモコン操作をすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-156029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示されるような従来の電動ブラインドでは、受光部がブラインド本体に内蔵されているため、リモコン信号の受信待機状態においても待機電力が消費されることが知られている。そのため、受光部を内蔵する電動ブラインドであっても、リモコン信号の受光を必要としない場合には待機電力の消費を低減したいという要望がある。
【0006】
そこで本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、リモコン信号を受光可能な受光部を内蔵する電動ブラインドの待機電力の消費を低減可能な電動ブラインドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によれば、モーターを駆動させて遮蔽材を開閉させる電動ブラインドであって、前記モーターを駆動させるリモコン信号を受光可能に内蔵される受光部と、前記受光部に対して電力供給される第1の状態と、電力供給されない第2の状態との切替を操作可能とする切替部と、を備えることを特徴とする、電動ブラインドが提供される。
【0008】
かかる構成によれば、電動ブラインドに内蔵された受光部に電力供給される状態(第1の状態)と、電力供給されない状態(第2の状態)との切替が可能となる。このため、内蔵された受光部によるリモコン信号の受光が不要となった場合に、受光部に対して電力が供給されないように切り替えることができる。よって、リモコン信号を受光可能な受光部を内蔵する電動ブラインドの待機電力の消費を低減可能とすることができる。
なお、受光部によるリモコン信号の受光が不要となる場合の例としては、リモコン信号を受信可能な外付け受信機を取り付けた場合や、複数の電動ブラインドを連装して他のブラインドの受光部が受光したリモコン信号によって一括操作可能とする場合等が上げられる。
【0009】
本発明は様々な応用が可能である。例えば、遮蔽材を垂下支持するヘッドボックスの左右方向端部に設けられ、前記受光部が前記リモコン信号を受光可能な状態で内装されるサイドキャップを更に有し、前記切替部は、前記第1の状態と、前記第2の状態との切替を前記サイドキャップの外側から操作可能としてもよい。かかる構成によれば、サイドキャップに受光部を内装した構造において、サイドキャップの外側から切替部を操作して容易に第1の状態と第2の状態との切替を行うことが可能となる。
【0010】
また、前記サイドキャップに着脱可能であり、前記切替部が露出しないよう前記サイドキャップの側面を覆うサイドキャップカバーを更に備えるようにしてもよい。かかる構成によれば、切替部がサイドキャップから露出しないため意匠性を向上させることが可能となる。
【0011】
また、前記サイドキャップカバーは、前記サイドキャップに着脱可能な着脱部材と、前記着脱部材に取り付けられるカバー部材と、を有するようにしてもよい。かかる構成によれば、意匠性をより向上させることが可能となる。
【0012】
また、前記サイドキャップカバーは、前記サイドキャップに取り付けられた状態において、前記サイドキャップカバーの外側から前記切替部による操作を可能とする開口部を有するようにしてもよい。かかる構成によれば、サイドキャップにサイドキャップカバーを取り付けた後からでも、容易に第1の状態と第2の状態との切替を行うことが可能となる。
【0013】
また、本発明の第2の観点によれば、モーターを駆動させるためのリモコン信号を受光可能な受光部を内蔵し、前記モーターを駆動させて遮蔽材を開閉させる電動ブラインドであって、前記受光部に対して電力供給される第1の状態と、電力供給されない第2の状態との切替に係る設定を受け付ける制御部を備え、前記制御部は、前記設定を受け付けた場合に、前記設定に基づいて、前記第1の状態と、前記第2の状態とを切り替え制御することを特徴とする、電動ブラインドが提供される。
【0014】
かかる構成によれば、制御部をソフトウェアによって構成することができ、ソフトウェアによる切替によって受光部170が第1の状態と第2の状態とに切り替えられる。このようなソフトウェアによる切り替え制御によって、第1の観点と同様の効果を得ることが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、リモコン信号を受光可能な受光部を内蔵する電動ブラインドの待機電力の消費を低減可能な電動ブラインドを提供することができる。本発明のその他の効果については、後述する発明を実施するための形態においても説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態の電動ブラインド100の正面図である。
図2】ヘッドボックス120の一方の端部を正面側から見た斜視図である。
図3】ヘッドボックス120の一方の端部を背面側から見た斜視図である。
図4】サイドキャップ140、着脱部材151、カバー部材152を分離した状態をヘッドボックスの一方の端部を正面側から見た斜視図である。
図5】サイドキャップ140を背面側から見た斜視図である。
図6】サイドキャップ140を裏側から見た斜視図である。
図7】サイドキャップ140からサイドキャップカバー150を取り外した状態を示す斜視図である。
図8】受光部170の分解斜視図である。
図9】線組128を説明するための図である。
図10】電動ブラインド100を連装した状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について説明する。まず、電動ブラインド100の構成について、図1図3を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の電動ブラインド100の正面図である。図2は、ヘッドボックス120の一方の端部を正面側から見た斜視図である。図3は、ヘッドボックス120の一方の端部を背面側から見た斜視図である。
【0019】
電動ブラインド100は、図1に示したように、モーター122を駆動させてスラット110(遮蔽材)を開閉させるものであって、スラット110を垂下支持するヘッドボックス120と、ヘッドボックス120の左右方向端部に設けられるサイドキャップ140と、を備える。そして、サイドキャップ140は、サイドキャップ140の内部を前面側から覆う前面部141と、底側から覆う底面部142と、電装品に電力供給又は信号送信可能な線組128(図9参照)をヘッドボックス120の後方側及び上方側に配回し可能に収容するように構成されている。以下、各構成要素について説明する。
【0020】
スラット110は、開口部を閉鎖する遮蔽材である。スラット110は、図1に示したように、ヘッドボックス120から垂下するラダーコード111によって上下方向に複数支持されている。スラット110は、ラダーコード111の傾動によって回転する。また、スラット110は、ヘッドボックス120から垂下し、スラット110の下方に配置されるボトムレール112に連結される昇降コード113によって昇降可能である。
【0021】
ヘッドボックス120は、ブラケットBRを介して図示していない窓枠や天井等に固定される。ヘッドボックス120内には、図1に示したように、ラダーコード111の上端が傾動可能に連結されるとともに、昇降コード113の上端が巻取り及び巻解き可能に連結されるドラム121と、ドラム121を回転駆動するモーター122と、モーター122の駆動力をドラム121に伝達する駆動軸123と、が設けられる。
【0022】
また、ヘッドボックス120内には、モーター122を駆動させる駆動ユニット124と、駆動ユニット124の駆動を制御する制御ユニット125と、モーター122の回転方向及び回転量を検出するエンコーダ126と、商用電源からの交流電力を直流電力に変換して駆動ユニット124及び制御ユニット125を駆動するために供給するスイッチング電源127と、リモコンRCからの信号を受光する受光部170と制御ユニット125を接続する線組128(配線)と、が設けられている。
【0023】
ヘッドボックス120内には、スラット110が上限まで畳み込まれたことを検知するための上限リミット129が設けられている。上限リミット129の先端は、ヘッドボックス120の下方に突出しており、スラット110が上限まで畳み込まれたときに当接して検知する。
【0024】
ヘッドボックス120の一端部からは、図1に示したように、商用電源に接続するための電源コード130(配線)が導出されている。電源コード130は、スイッチング電源127に接続されている。なお、本実施形態における電装品は、モーター122、駆動ユニット124、制御ユニット125、エンコーダ126、スイッチング電源127、及び上限リミット129によって構成される。
【0025】
ヘッドボックス120の一端部には、図2に示したように、サイドキャップ140が嵌め合わされて装着されている。サイドキャップ140には、サイドキャップカバー150が嵌め合わされている。サイドキャップ140とサイドキャップカバー150とによって、図3に示したように、電源コード130を導出可能な開口である後方案内部160と上方案内部162が後部と上部に構成される。本実施形態では、電源コード130は、後方案内部160を介して外部に導出されるが、上方案内部162を介して導出されるようにしてもよい。サイドキャップ140の前側の下部の角には、図1に示したように、受光部170が設けられている。
【0026】
ヘッドボックス120の他端側には、図1に示したように、他端側サイドキャップ190が設けられている。他端側サイドキャップ190は、ヘッドボックス120の他方の端部を単に閉鎖するものであり、サイドキャップ140と同様の構成でもよく、異なる構成でもよい。
【0027】
本実施形態の特徴的な構成であるサイドキャップ140について、図4図7を参照しながら説明する。図4は、サイドキャップ140、着脱部材151、カバー部材152を分離した状態をヘッドボックス120の一方の端部を正面側から見た斜視図である。図5は、サイドキャップ140を背面側から見た斜視図である。図6は、サイドキャップ140を裏側から見た斜視図である。図7は、サイドキャップ140からサイドキャップカバー150を取り外した状態を示す斜視図である。
【0028】
(サイドキャップ140)
サイドキャップ140は、ヘッドボックス120の一端部に嵌め合わされるものである。サイドキャップ140は、図4に示したように、外周がヘッドボックス120の端部形状に沿った形状であり、ヘッドボックス120に対して着脱自在である。サイドキャップ140は、サイドキャップ140の内部を前面側から覆う前面部141と、底側から覆う底面部142と、前後方向において略中央位置まで上側を覆う上面部143と、ヘッドボックス120の一端部を閉塞する側面部144と、を備える。前面部141、底面部142及び上面部143は、左右方向の幅が同じであり、連続して形成されている。
【0029】
側面部144は、図4及び図5に示したように、前後方向における途中位置から後端にかけてヘッドボックス120の一端部方向に凹んだ形状の配線収容部144aと、配線収容部144aの前側端部から前端にかけてヘッドボックス120の一端部から離間する方向に階段状に張り出した張り出し部144bによって構成されている。配線収容部144aと張り出し部144bの境目には、図5に示したように、上端から下方に切り欠かれた切欠部144cが形成されている。切欠部144cは、図6に示したように、上面部143の後端部にも略L字状に形成されている。切欠部144cからは、ヘッドボックス120の内部から電源コード130が引き出される。
【0030】
配線収容部144aは、ヘッドボックス120内から導出された配線を収容可能である。よって、配線はヘッドボックス120から導出された後、一旦サイドキャップ140内に収容され、例えばサイドキャップ140の後端から室内側に露出しないように導出させることができるため、意匠性を向上させることができる。また、配線をヘッドボックス120の左右方向端部から引き出して配回すためにヘッドボックス120の長手方向におけるサイズをスラット110の長手方向におけるサイズより小さく形成する「ボックスカット」が不要となる。結果として、施工性を損なうことなく意匠性を向上させることが可能となる。配線収容部144aには、図5及び図6に示したように、2つのモジュラージャック145-1、145-2(配線接続部)が配線収容部144aを貫通して上下方向に設けられている。
【0031】
モジュラージャック145-2の下には、図4に示したように、受光部170に対して電力供給される第1の状態と、電力供給されない第2の状態との切替を可能とする切替部であるディップスイッチ180が設けられている。受光部170に対して電力が供給されないように切り替えることによって待機電力の消費を低減させることが可能となる。受光部170によるリモコン信号の受光が不要となる場合の例としては、リモコン信号を受信可能な外付け受信機を取り付けた場合や、後述するように、複数の電動ブラインドを連装して他のブラインドの受光部が受光したリモコン信号によって一括操作可能とする場合等が上げられる。
【0032】
ディップスイッチ180は、図6に示したように、配線収容部144aに形成されたスイッチ取付部146によって配線収容部144aを貫通して取り付けられる。また、ディップスイッチ180は、サイドキャップ140の側面を覆うサイドキャップカバー150によって露出が防止されている。さらに、ディップスイッチ180は、サイドキャップカバー150の着脱部材151からカバー部材152を取り外し、開口部153を介して外側から操作可能である。このように、ディップスイッチ180は、第1の状態と第2の状態との切替をサイドキャップ140の外側から操作可能である。
【0033】
張り出し部144bは、図5に示したように、前面部141及び底面部142の側端部との間に若干隙間が形成されるようにヘッドボックス120寄りに配置されている。張り出し部144b内の底面部142の前方には、図6に示したように、受光部170が配置される。
【0034】
サイドキャップ140には、図7に示したように、配線収容部144aの後部の上部と、張り出し部144bの前後方向略中央の上部と下部と、にサイドキャップカバー150と嵌合する嵌合孔144dが設けられている。
【0035】
(サイドキャップカバー150)
サイドキャップカバー150は、サイドキャップ140に着脱可能であり、サイドキャップ140の側面を覆うものである。サイドキャップカバー150は、図4に示したように、サイドキャップ140に着脱可能な着脱部材151と、着脱部材151に取り付けられるカバー部材152と、を有する。カバー部材152は、例えばヘッドボックス120の正面に取付けられるカバー部材やスラット110と同じ材料を利用することができる。
【0036】
着脱部材151は、図4に示したように、配線収容部144aと対応する位置に開口部153が形成されている。また、着脱部材151にはカバー部材152をスライドさせて収納する収納部154が構成されている。カバー部材152は、方形状の薄板であり、着脱部材151の開口部153を閉鎖することができる。
【0037】
着脱部材151は、図7に示したように、サイドキャップ140の3つの嵌合孔144dと対応する位置に嵌合爪155が形成されている。着脱部材151は、前後方向途中位置から後端部にかけて上方に突出する上部突出部156が形成されている。上部突出部156は、前後方向に延びる面156aと左右方向に延びる面156bとによって略L字状に形成されている。
【0038】
サイドキャップ140に着脱部材151が取り付けられると、図6に示したように、前後方向に延びる面156aはサイドキャップ140の上面部と連続するように構成される。また、左右方向に延びる面156bは、配線収容部144aに接するように構成される。左右方向の延びる面156bの先端には、サイドキャップ140の配線収容部144aに形成されている嵌合孔144dと嵌合する嵌合爪155が設けられている。
【0039】
サイドキャップ140とサイドキャップカバー150が取り付けられると、図3に示したように、サイドキャップ140とサイドキャップカバー150の後方に配線を導出可能な開口である後方案内部160が構成される。また、サイドキャップ140とサイドキャップカバー150の上方に配線を導出可能な開口である上方案内部162が構成される。本実施形態では、後方案内部160から電源コード130が導出される。後方案内部160から導出された電源コード130は、サイドキャップ140の背面側に導かれて室内側に露出しないため、意匠性が良い。
【0040】
サイドキャップ140に設けられる受光部170について、図6に加えて図8を参照しながら説明する。図8は、受光部170の分解斜視図である。受光部170は、図8に示したように、2つの受光素子171、172と、2つの受光素子171、172が一方の面に対して所定角度を形成して設けられている基部173と、カバー174と、によって構成されている。
【0041】
2つの受光素子171、172と基部173は、図6に示したように、サイドキャップ140の張り出し部144b内において底面部142の前方側に設けられる。一方の受光素子171は、サイドキャップ140の前方を向き、他方の受光素子172は、サイドキャップ140の下方を向く。これにより、受光感度を向上させることができる。基部173の他方の面には、線組128が接続されるコネクタ175が設けられている。
【0042】
カバー174は、図8に示したように、略L字状に構成されている。カバー174は、図6に示したように、サイドキャップ140の前面部141と底面部142に跨ってサイドキャップ140から突出するように取り付けられる。
【0043】
線組128について、図9を参照しながら説明する。線組128は、3つに分かれている。第1の線組128aは、制御ユニット125に接続される制御ユニット用コネクタ200とモジュラージャック145-1、145-2に接続されるモジュラージャック用コネクタ201とを連結する。第2の線組128bは、制御ユニット用コネクタ200と受光部170の基部173のコネクタ175に接続される受光部用コネクタ202とを連結する。第3の線組128cは、ディップスイッチ180と制御ユニット用コネクタ200及び受光部用コネクタ202とを連結する。
【0044】
2台の電動ブラインド100-1、100-2を連装した状態について、図10を参照しながら説明する。図10は、電動ブラインド100を連装した状態を示す正面図である。2台の電動ブラインド100-1、100-2は、図10に示したように、一方の電動ブラインド100-1のサイドキャップ140と他方の電動ブラインド100-2の他端側サイドキャップ190とが隣り合うように配置される。電源コード130は、サイドキャップ140の後方案内部160又は上方案内部162から導出されるため、他端側サイドキャップ190に干渉することがない。よって、2台の電動ブラインド100-1、100-2を極力近づけて配置することができる。
【0045】
このように、2台の電動ブラインド100-1、100-2を連装すると、例えば、一方の電動ブラインド100-1の受光部170が受光したリモコン信号によって2台の電動ブラインド100-1、100-2を一括操作することができる。この場合、他方の電動ブラインド100-2のディップスイッチ180を第2の状態にして電力が供給されないようにすることができる。このようにすると、他方の電動ブラインド100-2の待機電力の消費を低減可能とすることができる。
【0046】
(第1の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、電動ブラインド100に内蔵された受光部170に電力供給される状態(第1の状態)と、電力供給されない状態(第2の状態)との切替が可能となる。このため、内蔵された受光部170によるリモコン信号の受光が不要となった場合に、受光部170に対して電力が供給されないように切り替えることができる。よって、リモコン信号を受光可能な受光部170を内蔵する電動ブラインド100の待機電力の消費を低減可能とすることができる。
【0047】
また、サイドキャップ140に受光部170を内装した構造において、サイドキャップ140の外側からディップスイッチ180を操作して容易に第1の状態と第2の状態との切替を行うことが可能となる。
【0048】
また、ディップスイッチ180がサイドキャップ140から露出しないため意匠性を向上させることが可能となる。
【0049】
また、サイドキャップカバー150は、サイドキャップ140に着脱可能な着脱部材151と、着脱部材151に取り付けられるカバー部材152と、を有するため、意匠性をより向上させることが可能となる。
【0050】
サイドキャップカバー150にディップスイッチ180を操作可能な開口部153を設けたため、サイドキャップ140にサイドキャップカバー150を取り付けた後からでも、容易に第1の状態と第2の状態との切替を行うことが可能となる。
【0051】
(変形例)
制御ユニット125は、受光部170に対して電力供給される第1の状態と、電力供給されない第2の状態との切替に係る設定を受け付けた場合、この設定に基づいて、第1の状態と、第2の状態とを切り替え制御する制御部を備えることができる。
【0052】
より具体的に説明すると、例えば電動ブラインド100には設定ボタンが設けられており、ユーザは設定ボタンを操作することで、第1の状態又は第2の状態の何れの状態にするのかを設定することができる。そして、制御ユニット125は、ユーザによる設定ボタンの操作を介して、第1の状態と、第2の状態との切替に係る設定を受け付けると、受け付けた設定に基づいて、第1の状態と、第2の状態とを切り替え制御する。
【0053】
かかる構成によれば、制御部をソフトウェアによって構成することができ、ソフトウェアによる切替によって受光部170が第1の状態と第2の状態とに切り替えられる。このようなソフトウェアによる切り替え制御によって、リモコン信号を受光可能な受光部170を内蔵する電動ブラインド100の待機電力の消費を低減可能とすることができる。
【0054】
なお、設定ボタンの構成としては、例えば第1の状態に対応したボタンと、第2の状態に対応したボタンが設けられており、ユーザが押下したボタンに応じて第1の状態と、第2の状態とを設定できるようにしてもよい。また、設定ボタンは一つであってもよく、この場合、ユーザが設定ボタンを押下した回数や押下時間(長押し等)に応じて第1の状態と、第2の状態とを設定できるようにしてもよい。
【0055】
また、電力供給されない第2の状態はリモコン操作で設定可能とし、電力供給される第1の状態はユーザによるボタン操作で設定するようにしてもよい。
【0056】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0057】
例えば、上記実施形態では、切替部をディップスイッチ180としたが、本発明はこの例に限定されない。受光部に対して電力供給される第1の状態と、電力供給されない第2の状態との切替を操作可能であれば、任意に設計することができる。
【0058】
また、上記実施形態では、ディップスイッチ180をサイドキャップ140に設けたが、本発明はこの例に限定されない。受光部に対して電力供給される第1の状態と、電力供給されない第2の状態との切替を操作可能であれば、任意に設計することができる。例えば、ヘッドボックスの任意の位置に設けてもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、ディップスイッチ180が露出しないようサイドキャップ140の側面を覆うサイドキャップカバー150を設けたが、本発明はこの例に限定されない。受光部に対して電力供給される第1の状態と、電力供給されない第2の状態との切替を操作可能であれば、任意に設計することができる。例えば、サイドキャップカバーを設けず、ディップスイッチをサイドキャップの側面から露出するようにしてもよい。また、ディップスイッチをサイドキャップカバーから露出するように設けてもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、ディップスイッチ180をサイドキャップカバー150の開口部153を介して操作可能としたが、本発明はこの例に限定されない。受光部に対して電力供給される第1の状態と、電力供給されない第2の状態との切替を操作可能であれば、任意に設計することができる。例えば、サイドキャップカバーを外して操作する構成としてもよい。
【0061】
以上説明した実施形態・応用例・変形例等は、適宜組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0062】
100 電動ブラインド
110 スラット(遮蔽材)
111 ラダーコード
112 ボトムレール
113 昇降コード
120 ヘッドボックス
121 ドラム
122 モーター
123 駆動軸
124 駆動ユニット
125 制御ユニット
126 エンコーダ
127 スイッチング電源
128 線組(配線)
129 上限リミット
130 電源コード(配線)
140 サイドキャップ
141 前面部
142 底面部
143 上面部
144 側面部
144a 配線収容部
144b 張り出し部
144c 切欠部
144d 嵌合孔
145-1、145-2 モジュラージャック(配線接続部)
150 サイドキャップカバー
151 着脱部材
152 カバー部材
153 開口部
154 収納部
155 嵌合爪
156 上部突出部
156a 前後方向に延びる面
156b 左右方向に延びる面
160 後方案内部
162 上方案内部
170 受光部
171 一方の受光素子
172 他方の受光素子
173 基部
174 カバー
175 コネクタ
180 ディップスイッチ(切替部)
190 他端側サイドキャップ
200 制御ユニット用コネクタ
201 モジュラージャック用コネクタ
202 受光部用コネクタ
BR ブラケット
RC リモコン

図1
図2
図3
図4
図5
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図8
図9
図10