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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067853
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】可変容量容器
(51)【国際特許分類】
   B62J 9/28 20200101AFI20240510BHJP
   B62J 9/23 20200101ALI20240510BHJP
   B65D 21/08 20060101ALI20240510BHJP
   A45C 11/00 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
B62J9/28
B62J9/23
B65D21/08
A45C11/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178224
(22)【出願日】2022-11-07
(71)【出願人】
【識別番号】322011117
【氏名又は名称】合同会社作真
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴田 義和
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045CA01
3B045CE07
3B045DA00
3B045EA02
3B045FA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】内ケース及び外ケースが柔らかい軽量素材からなるソフトタイプであっても、荷物の積載量の変化に応じて収納空間の容量を簡単な操作で増減調整する。
【解決手段】内側に荷物の収納空間が形成される内ケース1と、内ケースの外周面1aに沿って相対的に昇降自在に設けられる外ケース2と、収納空間の底面を覆うように設けられる底壁部3と、収納空間の天井開口部を開閉自在に覆うように設けられる蓋体4と、内ケース及び外ケースの間隙を移動自在に通って内ケースから外ケースに亘り設けられる変形可能な昇降部材5と、を備え、昇降部材は、間隙に対して出入自在に配置される出入り部と、内ケース又は外ケースの露出面に対して着脱自在に位置決め係止される止着部5dと、を有し、露出面に対する止着部の移動により、内ケース又は外ケースのいずれか一方に対して他方が相対的に昇降して、間隙に配置される出入り部の長さが変化する可変容量容器。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両による配送用の可変容量容器であって、
内側に荷物の収納空間が形成される内ケースと、
前記内ケースの外周面に沿って相対的に昇降自在に設けられる外ケースと、
前記収納空間の底面を覆うように設けられる底壁部と、
前記収納空間の天井開口部を開閉自在に覆うように設けられる蓋体と、
前記内ケース及び前記外ケースの間隙を移動自在に通って前記内ケースから前記外ケースに亘り設けられる変形可能な昇降部材と、を備え、
前記昇降部材は、前記間隙に対して出入自在に配置される出入り部と、前記内ケース又は前記外ケースの露出面に対して着脱自在に位置決め係止される止着部と、を有し、前記露出面に対する前記止着部の移動により、前記内ケース又は前記外ケースのいずれか一方に対して他方が相対的に昇降して、前記間隙に配置される前記出入り部の長さが変化することを特徴とする可変容量容器。
【請求項2】
前記昇降部材は、前記内ケース又は前記外ケースのいずれか一方に連結される固着部と、前記間隙に対する出入りで前記間隙に配置される長さが変化する前記出入り部と、前記内ケース又は前記外ケースの他方の端部に沿って屈曲される折り返し部と、前記内ケース又は前記外ケースの他方に形成される係止部に対して着脱自在に取り付けられる前記止着部と、を有し、
前記係止部が前記昇降方向へ高さ位置を変えて複数箇所に配置され、前記係止部に対する前記止着部の取り付け位置の変更によって、前記間隙に対する前記出入り部の配置長さが変化することを特徴とする請求項1記載の可変容量容器。
【請求項3】
前記昇降部材は、前記間隙の全周に亘る筒状シートで構成され、その一端開口部を前記内ケース又は前記外ケースのいずれか一方に取り付け、他端開口部が前記内ケース又は前記外ケースの他方に取り付けられることを特徴とする請求項1又は2記載の可変容量容器。
【請求項4】
前記間隙が、前記収納空間に通じる上向き開口と、外部空間に通じる下向き開口を有し、前記下向き開口内で前記外ケースの内周面に前記固着部が連結され、前記出入り部が前記上向き開口を通るとともに、前記折り返し部が前記内ケースの端部に沿って摺動自在に密接するように屈曲されることを特徴とする請求項2記載の可変容量容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車や自動二輪車などの車両による宅配などの配送で用いられる、荷物の量や体積に応じて収納容量が増減可能な可変容量容器に関する。
詳しくは、原動機を持たない自転車(電動アシスト自転車)や手押し台車(ハンドカート,キャリーカート)などの軽車両の荷台、又は自動二輪車(オートバイ)の荷台に搭載されるか、若しくは作業者が背負って自転車や自動二輪車により配送する際に用いられる可変容量容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の可変容量容器として、二輪車の荷台に搭載される二輪車用集配箱がある。この二輪車用集配箱は、二輪車の荷台に固設される有底筒形状の内側本体と、内側本体に外装される筒形状の外側本体と、外側本体を覆う蓋体と、内側本体に外側本体を上下方向に摺動可能に支持する摺動機構と、内側本体に対して外側本体を上下方向の所望高さ位置で係止する係止機構と、が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
摺動機構は、内側本体に上下方向に指向して延設されるレール部と、外側本体にレール部に対して摺接される摺接片と、を設けている。係止機構は、外側本体の操作レバーと、操作レバーにより内側右レール部に対して接離操作される係止体と、を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-251774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両による宅配などの配送に適した可変容量容器は、軽量であることに加えて、衝撃による容器自体の破損を少なくするとともに、荷物の形状などで容器が膨らんでも収納容量を確実に増減できるようにするため、柔らかい軽量素材からなるソフトタイプの需要がある。
また、車両による配送品としては、温度管理が不必要な宅配商品だけでなく、加熱された調理品や冷蔵品や冷凍品などの食品、衛生管理が必要な医薬品などがあり、密閉された可変容量容器の需要がある。
しかし乍ら、特許文献1では、操作レバーにより外側本体の係止縁部を内側本体のレール部に押圧当接させて摺動不能するため、レール部を有する内側本体と係止縁部を有する外側本体は、硬質の変形不能な材料でなければスームズな摺動機構と確実な係止機構とならず、変形が可能な軟質材料では作製できないという問題があった。
さらに、内側本体と外側本体との間には、係止縁部とレール部の押圧当接箇所を除いて略全周に亘って隙間が形成されるため、外部空間から虫などの異物が隙間を通って収納空間に侵入するおそれがあり、特に食品や医薬品などの衛生管理が必要な荷物の搬送には不向きであるという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題を解決するために本発明に係る可変容量容器は、内側に荷物の収納空間が形成される内ケースと、前記内ケースの外周面に沿って相対的に昇降自在に設けられる外ケースと、前記収納空間の底面を覆うように設けられる底壁部と、前記収納空間の天井開口部を開閉自在に覆うように設けられる蓋体と、前記内ケース及び前記外ケースの間隙を移動自在に通って前記内ケースから前記外ケースに亘り設けられる変形可能な昇降部材と、を備え、前記昇降部材は、前記間隙に対して出入自在に配置される出入り部と、前記内ケース又は前記外ケースの露出面に対して着脱自在に位置決め係止される止着部と、を有し、前記露出面に対する前記止着部の移動により、前記内ケース又は前記外ケースのいずれか一方に対して他方が相対的に昇降して、前記間隙に配置される前記出入り部の長さが変化することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の実施形態(第一実施形態)に係る可変容量容器の全体構成を示す説明図であり、図1(a)が収納容量を小さくした状態(小容量状態)の縦断正面図、図1(b)が収納容量を大きくした状態(大容量状態)の縦断正面図である。
図2】同斜視図であり、図2(a)が小容量状態の一部切欠斜視図で要部を部分拡大して示し、図2(b)が大容量状態の一部切欠斜視図で要部を部分拡大して示している。
図3】本発明の他の実施形態(第二実施形態)に係る可変容量容器の全体構成を示す説明図であり、図3(a)が小容量状態の縦断正面図、図3(b)が大容量状態の縦断正面図である。
図4】本発明の他の実施形態(第三実施形態)に係る可変容量容器の全体構成を示す説明図であり、図4(a)が小容量状態の縦断正面図、図4(b)が大容量状態の縦断正面図である。
図5】本発明の他の実施形態(第四実施形態)に係る可変容量容器の全体構成を示す説明図であり、図5(a)が小容量状態の縦断正面図、図5(b)が大容量状態の縦断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る可変容量容器Aは、図1図5に示すように、自転車や自動二輪車などの車両による宅配などの配送で用いられる、荷物(図示しない)の量や体積に応じて収納容量が増減可能な収納箱や収納バッグである。車両による配送用の可変容量容器Aは、柔らかい軽量素材(適度に変形が可能な軟質材質)などのソフトタイプの素材を用いることが好ましい。
車両による配送には、原動機を持たない自転車(電動アシスト自転車)や手押し台車(ハンドカート,キャリーカート)などの軽車両の荷台、又は自動二輪車(オートバイ)の荷台に対し、荷物が収納された可変容量容器Aを搭載して運ぶ「積載配送」に加え、荷物が収納された可変容量容器Aを作業者が背負い自転車や自動二輪車などに乗って運ぶ「携行配送」も含まれる。
「積載配送」用の可変容量容器Aは、車両の荷台やカートの押手(ハンドル)に取り付けるための固定バンド(図示しない)を有する。「携行配送」用の可変容量容器Aは、作業者に対する背負いバンドや肩掛けバンド(図示しない)を有する。
【0008】
詳しく説明すると、本発明の実施形態に係る可変容量容器Aは、内側に荷物の収納空間Sが形成される内ケース1と、内ケース1の外側に設けられる外ケース2と、収納空間Sの底面S1を覆うように設けられる底壁部3と、収納空間Sの天井開口部S2を開閉自在に覆うように設けられる蓋体4と、を主要な構成要素として備えている。
さらに、本発明の実施形態に係る可変容量容器Aは、内ケース1から外ケース2に亘って設けられる昇降部材5を備え、昇降部材5により内ケース1又は外ケース2のいずれか一方に対して他方が相対的に昇降して収納空間Sの容量を増減させている。
内ケース1,外ケース2,底壁部3及び蓋体4は、断熱性に優れて軽量な中空構造や断熱材などで板状に形成される芯体(図示しない)と、芯体の内面及び外面を密封状に覆う防水性に優れたカバーシートとからなる。内ケース1と外ケース2は、上下方向へ積み重ねて嵌り合う箱状に構成される。
「積載配送」に用いられる可変容量容器Aの外ケース2や底壁部3には、車両の荷台やカートの押手に対する固定バンド(図示しない)などが設けられる。「携行配送」に用いられる可変容量容器Aの外ケース2には、背負いバンドや肩掛けバンド(図示しない)などが設けられる。
【0009】
内ケース1は、少なくとも上面を開口した枠状に形成されて、複数の連続した側壁部1sを有し、複数の側壁部1sが収納空間Sの外側を囲むように配置される。
外ケース2は、少なくとも上面を開口した枠状に形成されて、複数の連続した側壁部2sを有し、複数の側壁部2sが内ケース1の側壁部1sと対向して囲むように配置される。
内ケース1及び外ケース2の対向面となる内ケース1の側壁部1sの外周面1aと、外ケース2の側壁部2sの内周面2aとの間には、環状の間隙Gが形成される。間隙Gを挟んで内ケース1及び外ケース2の非対向面となる内ケース1の側壁部1sの内側面1bは、収納空間Sに向いて露出し、外ケース2の側壁部2sの外側面2bは、外部空間Оに向いて露出する。
そして、内ケース1と外ケース2は、間隙Gを挟んで外ケース2の側壁部2sの内周面2aが、内ケース1の側壁部1sの外周面1aに沿って相対的に昇降移動自在に配置される。このため、間隙Gは、内ケース1に対する外ケース2の相対的な昇降移動に伴って、昇降方向の高さ寸法が変わる。
すなわち、図1(a)や図2(a)などに示されるように、外ケース2の中に内ケース1が完全に格納される収納空間Sを小容量にした入れ子状態では、間隙Gの高さ寸法が最も長くなる。この小容量状態から図1(b)及び図2(b)などに示されるように、内ケース1に対して外ケース2を相対的に昇降移動させることにより、間隙Gの高さ寸法が徐々に短くなって収納空間Sの容量を増大させ、収納空間Sが大容量の伸長状態になる。
【0010】
底壁部3は、内ケース1の下面又は外ケース2の下面のいずれか一方に連続して形成されて、荷物の載置面となる。
蓋体4は、内ケース1の上面開口又は外ケース2の上面開口の他方に対して開閉自在に形成される。図示例のように蓋体4が内ケース1の上面開口や外ケース2の上面開口の一辺に対して開閉動自在に連結される場合には、蓋体4の連結部位4aを除く外周にフラップ4bを連設することが好ましい。
これにより、間隙Gの一端開口は、内ケース1の側壁部1sと底壁部3及び蓋体4で区画形成された収納空間Sに通じる。間隙Gの他端開口は、外部空間Оに通じる。
また、内ケース1,外ケース2,底壁部3及び蓋体4は、それぞれの一部が折り曲げ可能に形成され、これらの変形で全体的に折り畳み可能にすることが好ましい。
【0011】
内ケース1,外ケース2,底壁部3及び蓋体4の一例として図1(a)(b)及び図2(a)(b)と図3(a)(b)に示される場合には、内ケース1及び外ケース2が四角枠状に形成され、内ケース1の側壁部1sの下端開口を塞ぐように四角形の底壁部3が連設され、外ケース2の側壁部2sの上端開口に対して蓋体4を開閉自在に連設している。このため、内ケース1及び外ケース2の間隙Gは、上端に収納空間Sに通じる上向き開口G1と、下端に外部空間Оに通じる下向き開口G2と、を有する。
また、内ケース1,外ケース2,底壁部3及び蓋体4の他の例として図4(a)(b)と図5(a)(b)に示される場合には、内ケース1及び外ケース2が四角枠状に形成され、外ケース2の側壁部2sの下端開口を塞ぐように四角形の底壁部3が連設され、内ケース1の側壁部1sの上端開口に対して四角形の蓋体4を開閉自在に連設している。このため、内ケース1及び外ケース2の間隙Gは、上端に外部空間Оに通じる上向き開口G1と、下端に収納空間Sに通じる下向き開口G2と、を有する。
なお、それ以外の変形例として図示しないが、内ケース1及び外ケース2を三角枠状に形成して、底壁部3及び蓋体4を三角形にすることや、内ケース1及び外ケース2を多角枠状に形成して、底壁部3及び蓋体4を多角形にするなどの形状変更が可能である。
【0012】
昇降部材5は、折り曲げなどの変形が可能で且つ防水性に優れたシート材料からなり、シート材料が内ケース1及び外ケース2の間隙Gを移動自在に通って、内ケース1又は外ケース2のいずれか一方から他方に亘り掛け渡される。昇降部材5は、シート材料の一部が間隙Gに対して出入自在に配置(残留)され、間隙Gに配置されるシート材料の一部の長さ寸法は、間隙Gの高さ寸法の変化に連動して変わる。
ここで、間隙Gの高さ寸法を変化させる方法の一例としては、まず先に昇降部材5となるシート材料を間隙Gから引き出すなど、間隙Gに対する昇降部材5の出し入れ量(長さ)の調整操作により、内ケース1に対し外ケース2が相対的に昇降移動して、収納空間Sの容量を増減させる「シート出し入れ方法」がある。
また、間隙Gの高さ寸法を変化させる方法の他の例としては、まず先に内ケース1に対して外ケース2を昇降させるなど、内ケース1に対する外ケース2の相対的な昇降操作により、間隙Gに配置されるシート材料の一部の長さ寸法が変わって、収納空間Sの容量を増減させる「ケース上げ下げ方法」がある。
さらに、昇降部材5は、間隙Gの全周に亘る筒状シートで構成され、その一端開口部を内ケース1又は外ケース2のいずれか一方に取り付け、他端開口部を内ケース1又は外ケース2の他方に取り付けることが好ましい。
【0013】
詳しく説明すると、昇降部材5は、内ケース1又は外ケース2のいずれか一方に連結される固着部5aと、間隙Gに対して出入自在に配置される出入り部5bと、内ケース1又は外ケース2の他方の端部に沿って屈曲される折り返し部5cと、内ケース1又は外ケース2の他方に対して着脱自在に取り付けられる止着部5dと、を有する。
固着部5aは、昇降部材5となる変形可能なシート材料の一端に形成され、内ケース1の側壁部1s又は外ケース2の側壁部2sのいずれか一方に対して、固着部5aを着脱不能に連結固定する。
内ケース1の側壁部1sや外ケース2の側壁部2sに対する固着部5aの連結手段5a′としては、縫合糸やステープラ(ホチキス)による縫い合わせなどの分離不能な手段を用いることが好ましい。
また、縫い合わせなどの分離不能な手段に代えて、面ファスナーや留め具などによる仮止め手段を用いることも可能である。図示例では、間隙G内に配置された内ケース1の側壁部1sや外ケース2の側壁部2sの先端面又は基端面に対して、固着部5aを連結手段5a′で連結固定している。
【0014】
出入り部5bは、昇降部材5となる変形可能なシート材料の一部となる中間部分に形成され、間隙Gに対して出入り部5bが出入自在に配置される。出入り部5bは、後述する止着部5dの移動(配置換え)に伴う間隙Gに対する出入りで、間隙Gに配置される長さ寸法(間隙Gに対する出入り部5bの配置長さ)が変更可能になる。
つまり、間隙Gに対する出入り部5bの配置長さの変更例として前述した「シート出し入れ方法」では、後述する止着部5dの移動により、間隙Gに対する出入り部5bの出し入れ量(長さ)の調整操作が可能になって、間隙Gの高さ寸法が変化する。
また、間隙Gに対する出入り部5bの配置長さの変更例として前述した「ケース上げ下げ方法」では、後述する止着部5dの移動により、内ケース1に対する外ケース2の相対的な昇降操作が可能になって、間隙Gの高さ寸法が変化する。
折り返し部5cは、昇降部材5となる変形可能なシート材料の中間で出入り部5bよりも他端側の屈曲部位であり、内ケース1の側壁部1s又は外ケース2の側壁部2sの端部(先端部や基端部)に沿って、断面V字形や断面U字形又は断面逆V字形や断面逆U字形などに折り曲げられる。このため、折り返し部5cは、間隙Gに対する出入り部5bの移動に伴って、内ケース1の先端部や外ケース2の基端部に対して摺動自在に接する。
【0015】
止着部5dは、昇降部材5となる変形可能なシート材料の他端に形成され、内ケース1の露出面(内側面1b)又は外ケース2の露出面(外側面2b)に対して、止着部5dを着脱自在に位置決め係止するとともに、止着部5dの移動を可能にしている。
止着部5dの移動とは、間隙Gの高さ寸法を所望の長さに変える目的のため、内ケース1の露出面となる内側面1bや外ケース2の露出面となる外側面2bに形成される複数の係止部1c,2cに対し、止着部5dの取り付け位置を変えて位置決め係止し直すことである。
内ケース1の内側面1bには、内ケース1の係止部1cが内ケース1及び外ケース2の相対的な昇降方向へ高さ位置を変えて複数箇所に配置される。外ケース2の外側面2bには、外ケース2の係止部2cが内ケース1及び外ケース2の相対的な昇降方向へ高さ位置を変えて複数箇所に配置される。内ケース1の係止部1cや外ケース2の係止部2cに対する止着部5dの着脱手段5d′としては、面ファスナーや留め具などによる仮止め部材を用いることが好ましい。図示例では、内ケース1の係止部1cや外ケース2の係止部2cが昇降方向へ複数箇所に分割して配置される。また、その他の例として図示しないが、内ケース1の係止部1cや外ケース2の係止部2cを面ファスナーなどで昇降方向へ連続して配置することも可能である。
【0016】
このため、昇降部材5は、高さ位置が異なる内ケース1の複数の係止部1cや外ケース2の複数の係止部2cに対し、止着部5dの移動で位置決め係止し直すことにより、間隙Gに対する出入り部5bの配置長さが長短変化する。
図1(a)や図2(a)などに示されるように、外ケース2の中に内ケース1を完全に格納した収納空間Sが小容量の入れ子状態では、内ケース1の複数の係止部1cや外ケース2の複数の係止部2cに対して、止着部5dの取り付け位置を、間隙Gに対する出入り部5bの配置長さが長くなるように位置決め係止している。このため、内ケース1又は外ケース2のいずれか一方に対して他方は相対的に昇降せず、間隙Gの高さ寸法は変化しない。
この小容量状態で内ケース1の係止部1cや外ケース2の係止部2cに対する止着部5dの係止を解除すれば、図1(b)及び図2(b)などに示されるように、間隙Gの高さ寸法を所望の長さに変える目的で、止着部5dの移動が可能になる。
つまり、前述した「シート出し入れ方法」では、係止解除された止着部5dを別の係止部1c,2cに向け移動して、間隙Gに対する昇降部材5の出し入れ量(長さ)を調整操作することにより、内ケース1に対し外ケース2が相対的に昇降移動して、間隙Gに対する出入り部5bの配置長さが短くなる。
また、前述した「ケース上げ下げ方法」では、内ケース1に対する外ケース2の相対的な昇降操作で、間隙Gに対する出入り部5bの配置長さが短くなることにより、係止解除された止着部5dを別の係止部1c,2cに移動可能にしている。このように「シート出し入れ方法」又は「ケース上げ下げ方法」のどちら一方を選択しても、収納空間Sが大容量の伸長状態を保持できて、同様に収納空間Sの容量を増減できる。
【0017】
ところで、可変容量容器Aに収納される荷物としては、温度管理を必要としない一般的な宅配商品に加えて、保温が必要な調理品,保冷が必要な冷蔵品や冷凍品などの食品,衛生管理が必要な医薬品などが含まれる。このような荷物に対応するには、外部空間Оから虫などの異物が侵入しない密閉構造に構成する必要がある。
そこで、可変容量容器Aは、内ケース1及び外ケース2の間隙Gを昇降部材5の筒状シートで塞いだ密閉構造とすることが好ましい。
密閉構造の可変容量容器Aは、昇降部材5の筒状シートにおいてその一端開口部となる固着部5aを、内ケース1の側壁部1s又は外ケース2の側壁部2sのいずれか一方に対して着脱不能に連結固定し、他端開口部となる止着部5dを、内ケース1の側壁部1s又は外ケース2の側壁部2sの他方に形成される係止部1c,2cに対して着脱自在に取り付けている。この場合の固着部5aは、内ケース1の側壁部1s又は外ケース2の側壁部2sのいずれか一方に対し全周に亘って連結固定され、止着部5dは、係止部1c,2cに対し全周に亘って着脱自在に取り付けられる。さらに、昇降部材5の筒状シートで中間の環状屈曲部となる折り返し部5cは、内ケース1の側壁部1s又は外ケース2の側壁部2sの端部(先端部や基端部)に沿って摺動自在に密接するように折り曲げられる。
【0018】
次に、本発明の実施形態に係る可変容量容器Aの一例(第一実施形態)と変形例(第二実施形態~第四実施形態)について説明する。
図1(a)(b)~図2(a)(b)に示される第一実施形態の可変容量容器A1は、内ケース1及び外ケース2の間隙Gが、収納空間Sに通じる上向き開口G1と外部空間Оに通じる下向き開口G2を有し、下向き開口G2内で昇降部材5の固着部5aが外ケース2の内周面2aに連結され、出入り部5bが上向き開口G1を通るとともに、折り返し部5cが内ケース1の先端部(上端部)に沿って屈曲され、内ケース1の内側面1bに形成された係止部1cに対して止着部5dを着脱自在に取り付けている。
図示例では、昇降部材5の固着部5aとなる筒状シートの一端開口部が、外ケース2の内周面2aの下端全周に対して連結固定される。内ケース1の内側面1bの高位置と低位置(二箇所)に係止部1cを全周に亘って配置し、高位置又は低位置の係止部1cに対して、止着部5dとなる筒状シートの他端開口部が着脱自在に取り付けられている。
【0019】
このため、第一実施形態の可変容量容器A1は、図1(a)及び図2(a)に示される小容量状態で、高位置の係止部1cに対し止着部5dを取り付けて、間隙Gに対する出入り部5bの配置長さが長くなるようにセットされている。これにより、内ケース1に対し外ケース2が相対的に下降して、収納空間Sの収納容量が最小となる。
また、図1(b)及び図2(b)に示される大容量状態では、高位置の係止部1cから取り外された止着部5dを、低位置の係止部1cに向け押し下げて取り付けることで、間隙Gから出入り部5bが引き出されて、間隙Gに対する出入り部5bの配置長さを短くするようにセットされる。これにより、内ケース1に対し外ケース2が相対的に上昇して、収納空間Sの収納容量が最大となる。
【0020】
図3(a)(b)に示される第二実施形態の可変容量容器A2は、上向き開口G1内で昇降部材5の固着部5aが内ケース1の外周面1aに連結され、出入り部5bが下向き開口G2を通るとともに、折り返し部5cが外ケース2の基端部(下端部)に沿って屈曲され、外ケース2の外側面2bに形成された係止部2cに対して止着部5dを着脱自在に取り付けた構成が、前述した第一実施形態とは異なり、それ以外の構成は第一実施形態と同じものである。
図示例では、昇降部材5の固着部5aとなる筒状シートの一端開口部が、内ケース1の外周面1aの上端全周に連結固定されている。外ケース2の外側面2bの高位置と低位置(二箇所)に係止部2cを全周に亘って配置し、高位置又は低位置の係止部2cに対して、止着部5dとなる筒状シートの他端開口部が着脱自在に取り付けられている。
【0021】
このため、第二実施形態の可変容量容器A2は、図3(a)に示される小容量状態で、低位置の係止部2cに対し止着部5dを取り付けて、間隙Gに対する出入り部5bの配置長さが長くなるようにセットされている。これにより、内ケース1に対して外ケース2が相対的に下降して、収納空間Sの収納容量が最小となる。
また、図3(b)に示される大容量状態では、低位置の係止部2cから取り外された止着部5dを、高位置の係止部2cに向け引き上げて取り付けることで、間隙Gから出入り部5bが引き出されて、間隙Gに対する出入り部5bの配置長さを短くするようにセットされる。これにより、内ケース1に対して外ケース2が相対的に上昇して、収納空間Sの収納容量が最大となる。
【0022】
図4(a)(b)に示される第三実施形態の可変容量容器A3は、内ケース1及び外ケース2の間隙Gが、外部空間Оに通じる上向き開口G1と収納空間Sに通じる下向き開口G2を有し、上向き開口G1内で昇降部材5の固着部5aが外ケース2の内周面2aに連結され、出入り部5bが下向き開口G2を通るとともに、折り返し部5cが内ケース1の基端部(下端部)に沿って屈曲され、内ケース1の内側面1bに形成された係止部1cに対して止着部5dを着脱自在に取り付けた構成が、前述した第一実施形態や第二実施形態とは異なり、それ以外の構成は第一実施形態や第二実施形態と同じものである。
図示例では、昇降部材5の固着部5aとなる筒状シートの一端開口部が、外ケース2の内周面2aの上端全周に連結固定されている。内ケース1の内側面1bの高位置と低位置(二箇所)に係止部1cを全周に亘って配置し、高位置又は低位置の係止部1cに対して、止着部5dとなる筒状シートの他端開口部が着脱自在に取り付けられている。
【0023】
このため、第三実施形態の可変容量容器A3は、図4(a)に示される小容量状態で、低位置の係止部1cに対し止着部5dを取り付けて、間隙Gに対する出入り部5bの配置長さが長くなるようにセットされている。これにより、内ケース1に対して外ケース2が相対的に下降して、収納空間Sの収納容量が最小となる。
また、図4(b)に示される大容量状態では、低位置の係止部1cから取り外された止着部5dを、高位置の係止部1cに向け引き上げて取り付けることで、間隙Gから出入り部5bが引き出されて、間隙Gに対する出入り部5bの配置長さを短くするようにセットされる。これにより、内ケース1に対して外ケース2が相対的に上昇して、収納空間Sの収納容量が最大となる。
【0024】
図5(a)(b)に示される第四実施形態の可変容量容器A4は、下向き開口G2内で昇降部材5の固着部5aが内ケース1の外周面1aに連結され、出入り部5bが上向き開口G1を通るとともに、折り返し部5cが外ケース2の先端部(上端部)に沿って屈曲され、外ケース2の外側面2bに形成された係止部2cに対して止着部5dを着脱自在に取り付けた構成が、前述した第一実施形態~第三実施形態とは異なり、それ以外の構成は第一実施形態~第三実施形態と同じものである。
図示例では、昇降部材5の固着部5aとなる筒状シートの一端開口部が、内ケース1の外周面1aの下端全周に連結固定される。外ケース2の外側面2bの高位置と低位置(二箇所)に係止部2cを全周に亘って配置し、高位置又は低位置の係止部2cに対して、止着部5dとなる筒状シートの他端開口部が着脱自在に取り付けられている。
【0025】
このため、第四実施形態の可変容量容器A4は、図5(a)に示される小容量状態で、高位置の係止部2cに対し止着部5dを取り付けて、間隙Gに対する出入り部5bの配置長さが長くなるようにセットされている。これにより、内ケース1に対して外ケース2が相対的に下降して、収納空間Sの収納容量が最小となる。
また、図5(b)に示される大容量状態では、高位置の係止部2cから取り外された止着部5dを、低位置の係止部2cに向け押し下げて取り付けることで、間隙Gから出入り部5bが引き出されて、間隙Gに対する出入り部5bの配置長さを短くするようにセットされる。これにより、内ケース1に対して外ケース2が相対的に上昇して、収納空間Sの収納容量が最大となる。
【0026】
このような本発明の実施形態に係る可変容量容器Aによると、外ケース2の中に内ケース1を完全に格納した収納空間Sが小容量の入れ子状態では、間隙Gの高さ寸法が長くて、間隙Gに配置される昇降部材5の出入り部5bの長さ寸法も長くなる。このため、収納空間Sは小容量となる。また、この小容量状態から内ケース1の露出面(内側面1b)又は外ケース2の露出面(外側面2b)に対する止着部5dの移動で、内ケース1又は外ケース2のいずれか一方に対して他方を相対的に昇降させることにより、間隙Gに配置される昇降部材5の出入り部5bの長さ寸法が短くなって、収納空間Sの容量が増大する。
したがって、内ケース1及び外ケース2が柔らかい軽量素材からなるソフトタイプであっても、荷物の積載量の変化に応じて収納空間Sの容量を増減調整することができる。
その結果、硬質の変形不能な材料でなければスームズな摺動機構と確実な係止機構が得られない従来のものに比べ、全体重量が軽くて取り扱い易いとともに、荷物の形状などで容器が膨らんでも収納容量を確実に増減できて、車両による宅配などの配送に適した可変容量容器Aを提供することができる。
これに加えて、収納空間Sの収納容量を最大して多量の荷物が積載された状態(大容量状態)で荷物の配送を開始し、荷物の配送に伴い荷物の積載量が減少して、未配送の荷物に作業者の手が届き難くなった時に、間隙Gに配置される昇降部材5の出入り部5bの長さ寸法を長くするだけで、収納空間Sの高さが低下して容量が減少する。このため、収納空間Sの天井開口部S2から底面S1までの距離が短くなり、最下位の荷物に作業者の手が届くようになる。
したがって、配送途中のどこでも簡単な作業で素早く収納空間Sの高さを調整することができる。
その結果、収納空間Sの底面S1近くに載置された荷物であっても作業者の手が容易に届いて取り出すことができる。このため、作業性の向上が図れて宅配などに適した可変容量容器Aを提供することができる。
【0027】
特に、昇降部材5は、内ケース1又は外ケース2のいずれか一方に連結される固着部5aと、間隙Gに対する出入りで間隙Gに配置される長さが変化する出入り部5bと、内ケース1又は外ケース2の他方の端部に沿って屈曲される折り返し部5cと、内ケース1又は外ケース2の他方に形成される係止部1c,2cに対して着脱自在に取り付けられる止着部5dと、を有し、係止部1c,2cが昇降方向へ高さ位置を変えて複数箇所に配置され、係止部1c,2cに対する止着部5dの取り付け位置の変更によって、間隙Gに対する出入り部5bの配置長さを変化させることが好ましい。
この場合には、外ケース2の中に内ケース1が完全に格納された入れ子状態では、内ケース1の係止部1cや外ケース2の係止部2cに対する止着部5dの取り付け位置を、間隙Gに対して出入り部5bの配置長さが長くなるようにセットする。このため、収納空間Sは小容量となる。また、この小容量状態で係止部1c,2cに対する止着部5dの取り付け位置を、間隙Gに対して出入り部5bの配置長さが短くなるようにセットし直すことにより、内ケース1又は外ケース2のいずれか一方に対して他方が相対的に昇降して、収納空間Sの容量が増大する。
したがって、簡素な構造で且つ簡単な変更操作により荷物の積載量の変化に応じて収納空間Sの容量を増減調整することができる。
その結果、更なる全体重量の軽量化が図れるとともに、操作に不慣れな初心者でも確実に収納容量を増減できて利便性に優れる。
【0028】
さらに、昇降部材5は、間隙Gの全周に亘る筒状シートで構成され、その一端開口部を内ケース1又は外ケース2のいずれか一方に取り付け、他端開口部を内ケース1又は外ケース2の他方に取り付けることが好ましい。
したがって、収納空間Sを外部空間Оと遮断した密閉構造にすることができる。
その結果、内側本体と外側本体との間に係止縁部とレール部の押圧当接箇所を除いて略全周に亘って隙間が形成される従来のものに比べ、外部空間Оから虫などの異物が間隙Gを通って収納空間Sに侵入することを防止でき、特に食品や医薬品などの衛生管理が必要な荷物の配送に適している。
これに加えて、収納空間Sを密閉構造とすることにより、保温性や保冷性が向上して、保温が必要な調理品,保冷が必要な冷蔵品や冷凍品などの食品を配送する収納箱や収納バッグとしても利用できる。
【0029】
また、図1(a)(b)~図2(a)(b)に示されるように、間隙Gが、収納空間Sに通じる上向き開口G1と、外部空間Оに通じる下向き開口G2を有し、下向き開口G2内で固着部5aが外ケース2の内周面2aに連結され、出入り部5bが上向き開口G1を通るとともに、折り返し部5cを内ケース1の端部(上端部)に沿って摺動自在に密接するように屈曲することが好ましい。
このような第一実施形態の可変容量容器A1によると、内ケース1及び外ケース2の間隙Gは、下向き開口G2のみが外部空間Оに露出し、昇降部材5と外ケース2の間は、下向き開口G2内で固着部5aが外ケース2の内周面2aと連結することで閉塞される。昇降部材5と内ケース1との間は、折り返し部5cが内ケース1の端部(上端部)と密接することで閉塞される。このため、雨水が下向き開口G2から間隙Gを通って収納空間S内に入り込まない。これに加えて、昇降部材5の固着部5a,出入り部5b,折り返し部5cが止着部5dを含めて外部空間Оに露出しないため、昇降部材5の全体が雨水で濡れて汚れない。
したがって、間隙Gを通った収納空間Sへの雨水の浸入と、雨水による昇降部材5の汚れを完全に防止することができる。
その結果、降雨時に荷物を配送しても間隙Gから浸入した雨水で収納空間Sの荷物が濡れず、昇降部材5の雨水で濡れた汚れ箇所が収納空間Sの荷物に接触しないので、荷物を雨水で汚すことなく安心して配送できる。
【0030】
なお、前示の実施形態(第一実施形態~第四実施形態)において図示例では、間隙G内に配置された内ケース1の側壁部1sや外ケース2の側壁部2sの先端面又は基端面に対して、昇降部材5の固着部5aを連結手段5a′で連結固定したが、これに限定されず、昇降部材5の固着部5aが折り返し部5cのように間隙Gを通って折り返され、連結手段5a′で連結固定してもよい。この場合には、内ケース1の側壁部1sや外ケース2の側壁部2sに対する固着部5aの連結強度が向上する。
さらに、内ケース1の係止部1cや外ケース2の係止部2cを、内ケース1の側壁部1sや外ケース2の側壁部2sにおいて昇降方向へ高位置と低位置の二箇所に分割して配置したが、これに限定されず、内ケース1の係止部1cや外ケース2の係止部2cを、三箇所以上に分割して配置することや、面ファスナーなどで昇降方向へ連続して配置してもよい。この場合には、連続配置された内ケース1の係止部1cや外ケース2の係止部2cに対して、止着部5dを任意の高さ位置で止着部5dを取り付け可能となるため、内ケース1に対して外ケース2が相対的に任意の高さ位置まで昇降させて保持可能になる。
また、前示の第一実施形態~第四実施形態では、止着部5dの係止解除後に間隙Gに対する昇降部材5の出し入れ量(長さ)を調整操作する「シート出し入れ方法」のみを説明したが、これに限定されず、止着部5dの係止解除後に内ケース1に対して外ケース2を相対的に昇降操作する「ケース上げ下げ方法」であってもよい。「ケース上げ下げ方法」の場合も「シート出し入れ方法」と同様な作用や利点が得られる。
【符号の説明】
【0031】
A 可変容量容器 1 内ケース
1a 外周面 1c 係止部
2 外ケース 2a 内周面
2c 係止部 3 底壁部
4 蓋体 5 昇降部材
5a 固着部 5b 出入り部
5c 折り返し部 5d 止着部
G 間隙 G1 上向き開口
G2 下向き開口 О 外部空間
S 収納空間 S1 底面
S2 天井開口部
図1
図2
図3
図4
図5