(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067855
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】車両用照明装置、および車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/19 20180101AFI20240510BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20240510BHJP
F21S 45/48 20180101ALI20240510BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20240510BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20240510BHJP
F21W 103/10 20180101ALN20240510BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20240510BHJP
F21W 103/35 20180101ALN20240510BHJP
F21W 103/45 20180101ALN20240510BHJP
F21W 103/55 20180101ALN20240510BHJP
F21W 103/40 20180101ALN20240510BHJP
F21W 105/00 20180101ALN20240510BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240510BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20240510BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20240510BHJP
【FI】
F21S43/19
F21S43/14
F21S45/48
F21V19/00 170
F21V19/00 110
F21V19/00 150
F21V23/00 150
F21V23/00 140
F21V23/00 160
F21W103:10
F21W103:20
F21W103:35
F21W103:45
F21W103:55
F21W103:40
F21W105:00
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178228
(22)【出願日】2022-11-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 康弘
【テーマコード(参考)】
3K013
3K014
【Fターム(参考)】
3K013BA01
3K013CA05
3K013CA09
3K014AA01
3K014DA08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】車両用照明装置に設けられる素子の放熱性を向上させることができる車両用照明装置、および車両用灯具を提供することである。
【解決手段】実施形態に係る車両用照明装置1は、絶縁性、または導電性を有するソケット10と、ソケット10の一方の端部に設けられた配線部21と、配線部21に実装された発光素子22と、を具備している。ソケット10が絶縁性を有する場合には、配線部21がソケット10の一方の端部に直接設けられ、発光素子22が配線部21を介して、ソケット10の一方の端部に設けられる。ソケット10が導電性を有する場合には、配線部21が絶縁部を介してソケット10の一方の端部に設けられ、発光素子22が配線部21および前記絶縁部を介してソケット22の一方の端部に設けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性、または導電性を有するソケットと;
前記ソケットの一方の端部に設けられた配線部と;
前記配線部に実装された発光素子と;
を具備し、
前記ソケットが絶縁性を有する場合には、前記配線部が前記ソケットの一方の端部に直接設けられ、前記発光素子が前記配線部を介して、前記ソケットの一方の端部に設けられ、
前記ソケットが導電性を有する場合には、前記配線部が絶縁部を介して前記ソケットの一方の端部に設けられ、前記発光素子が前記配線部および前記絶縁部を介して前記ソケットの一方の端部に設けられる車両用照明装置。
【請求項2】
前記配線部に実装された回路素子をさらに備え、
前記ソケットが絶縁性を有する場合には、前記発光素子および前記回路素子が前記配線部を介して、前記ソケットの一方の端部に設けられ、
前記ソケットが導電性を有する場合には、前記発光素子および前記回路素子が前記配線部および前記絶縁部を介して前記ソケットの一方の端部に設けられる請求項1記載の車両用照明装置。
【請求項3】
ソケットと;
前記ソケットの一方の端部に設けられた第1の配線部と;
前記ソケットの一方の端部に設けられ、前記ソケット側とは反対側の面に、前記第1の配線部と電気的に接続された第2の配線部を有する基板と;
前記第1の配線部、および前記第2の配線部のいずれかに実装された発光素子と;
前記第1の配線部、および前記第2の配線部のいずれかに実装された回路素子と;
を具備し、
前記発光素子が前記第1の配線部に実装された場合には、前記回路素子が前記第2の配線部に実装され、
前記発光素子が前記第2の配線部に実装された場合には、前記回路素子が前記第1の配線部に実装される車両用照明装置。
【請求項4】
前記ソケットが絶縁性を有する場合には、前記第1の配線部が前記ソケットの一方の端部に直接設けられ、
前記ソケットが導電性を有する場合には、前記第1の配線部が絶縁部を介して前記ソケットの一方の端部に設けられる請求項3記載の車両用照明装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1つに記載の車両用照明装置と;
前記車両用照明装置が取り付けられる筐体と;
を具備した車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車両用照明装置、および車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネルギー化や長寿命化などの観点から、フィラメントを有するランプを備えた車両用照明装置に代えて、発光ダイオードなどの発光素子を備えた車両用照明装置の普及が進んでいる。発光素子を備えた車両用照明装置は、車両用灯具に取り付けるためのソケットと、ソケットの一方の端部側に設けられ、発光素子、および抵抗などの回路素子が実装された基板と、を有している。
【0003】
ここで、発光素子に電流を流すと、発光素子から光が照射されるとともに熱が発生する。発生した熱により、発光素子の温度が最大ジャンクション温度を超えると、発光素子の寿命が短くなったり、発光素子が故障したりするおそれがある。近年においては、車両用照明装置の高光束化のために、発光素子に流れる電流が増加する傾向にあり、発光素子の温度がさらに高くなるおそれがある。
【0004】
また、車両用照明装置の保護や多機能化などのために、回路素子の種類や数が増加する傾向にある。発光素子に電流を流すと回路素子にも電流が流れるため、回路素子においても熱が発生する。回路素子において発生する熱が多い場合や、回路素子と発光素子との間の距離が短い場合などには、回路素子において発生した熱により発光素子の温度が高くなる場合がある。
【0005】
発光素子、および回路素子において発生した熱は、基板を介してソケットに伝わり、ソケットから外部に放出される。この場合、発光素子、および回路素子と、ソケットとの間に基板が設けられていると、発光素子、および回路素子において発生した熱がソケットに伝わり難くなる。そのため、両用照明装置に設けられる素子の放熱が図れなくなるおそれがある。
そこで、車両用照明装置に設けられる素子の放熱性を向上させることができる技術の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、車両用照明装置に設けられる素子の放熱性を向上させることができる車両用照明装置、および車両用灯具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る車両用照明装置は、絶縁性、または導電性を有するソケットと;前記ソケットの一方の端部に設けられた配線部と;前記配線部に実装された発光素子と;を具備している。前記ソケットが絶縁性を有する場合には、前記配線部が前記ソケットの一方の端部に直接設けられ、前記発光素子が前記配線部を介して、前記ソケットの一方の端部に設けられる。前記ソケットが導電性を有する場合には、前記配線部が絶縁部を介して前記ソケットの一方の端部に設けられ、前記発光素子が前記配線部および前記絶縁部を介して前記ソケットの一方の端部に設けられる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、車両用照明装置に設けられる素子の放熱性を向上させることができる車両用照明装置、および車両用灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施の形態に係る車両用照明装置を例示するための模式斜視図である。
【
図2】
図1における車両用照明装置のA-A線断面図である。
【
図3】他の実施形態に係る車両用照明装置を例示するための模式断面図である。
【
図4】車両用灯具を例示するための模式部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0012】
(車両用照明装置)
本実施の形態に係る車両用照明装置1は、例えば、自動車や鉄道車両などに設けることができる。自動車に設けられる車両用照明装置1としては、例えば、フロントコンビネーションライト(例えば、デイタイムランニングランプ(DRL:Daytime Running Lamp)、ポジションランプ、ターンシグナルランプなどが適宜組み合わされたもの)や、リアコンビネーションライト(例えば、ストップランプ、テールランプ、ターンシグナルランプ、バックランプ、フォグランプなどが適宜組み合わされたもの)などに用いられるものを例示することができる。ただし、車両用照明装置1の用途は、これらに限定されるわけではない。
【0013】
図1は、本実施の形態に係る車両用照明装置1を例示するための模式斜視図である。
図2は、
図1における車両用照明装置1のA-A線断面図である。
図1、および
図2に示すように、車両用照明装置1には、例えば、ソケット10、発光部20、および給電端子30が設けられている。
【0014】
ソケット10は、例えば、装着部11、バヨネット12、フランジ13、放熱フィン14、およびコネクタホルダ15を有する。
装着部11は、フランジ13の、放熱フィン14が設けられる側とは反対側の面に設けられている。装着部11の外形形状は、柱状とすることができる。装着部11の外形形状は、例えば、円柱状である。装着部11は、例えば、フランジ13側とは反対側の端部に開口する凹部11aを有する。
【0015】
バヨネット12は、例えば、装着部11の側面に設けられる。バヨネット12は、車両用照明装置1の外側に向けて突出している。バヨネット12は、フランジ13と対向している。バヨネット12は、複数設けることができる。バヨネット12は、車両用照明装置1を、例えば、後述する車両用灯具100の筐体101に装着する際に用いられる。バヨネット12は、ツイストロックに用いることができる。
【0016】
フランジ13は、板状を呈している。フランジ13は、例えば、略円板状を呈している。フランジ13の側面は、バヨネット12の側面よりも車両用照明装置1の外方に位置している。
【0017】
放熱フィン14は、フランジ13の、装着部11側とは反対側に設けられる。放熱フィン14は、少なくとも1つ設けることができる。例えば、
図1、および
図2に示すように、ソケット10には複数の放熱フィン14を設けることができる。複数の放熱フィン14は、所定の方向に並べて設けることができる。放熱フィン14は、例えば、板状、または筒状を呈している。
【0018】
コネクタホルダ15は、フランジ13の、装着部11側とは反対側に設けられている。コネクタホルダ15は、放熱フィン14と並べて設けることができる。コネクタホルダ15は、筒状を呈し、内部にシール部材105aを有するコネクタ105が挿入される。
【0019】
ソケット10は、発光部20、および給電端子30を保持する機能と、発光部20において発生した熱を外部に伝える機能を有する。そのため、ソケット10は、熱伝導率の高い材料から形成するのが好ましい。また、近年においては、ソケット10は、発光部20において発生した熱を効率よく放熱することができ、且つ、軽量であることが望まれている。
【0020】
そのため、ソケット10は、例えば、高熱伝導性樹脂から形成することができる。高熱伝導性樹脂は、例えば、樹脂と、無機材料を用いたフィラーと、を含む。高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)やナイロン(Nylon)などの樹脂に、酸化アルミニウムなどの絶縁性を有する材料を用いたフィラーを混合させたものとすることができる。フィラーが絶縁性を有していれば、絶縁性を有する高熱伝導性樹脂とすることができるので、絶縁性を有するソケット10とすることができる。
【0021】
絶縁性を有する高熱伝導性樹脂を含み、装着部11、バヨネット12、フランジ13、放熱フィン14、およびコネクタホルダ15が一体に成形されたソケット10とすれば、発光部20において発生した熱を効率よく放熱することができる。また、ソケット10の重量を軽くすることができる。この場合、射出成形法などを用いて、装着部11、バヨネット12、フランジ13、放熱フィン14、およびコネクタホルダ15を一体成形することができる。また、インサート成形法を用いて、絶縁性を有するソケット10と、給電端子30とを一体成形することもできる。
【0022】
なお、高熱伝導性樹脂は、樹脂に、炭素などの導電性を有する材料を用いたフィラーを混合させたものとすることもできる。この様な高熱伝導性樹脂からソケット10を形成する場合にも、射出成形法などを用いて、装着部11、バヨネット12、フランジ13、放熱フィン14、およびコネクタホルダ15を一体成形することができる。
【0023】
ソケット10は、アルミニウム合金などの金属から形成することもできる。金属からソケット10を形成する場合には、ダイカスト法などを用いて、装着部11、バヨネット12、フランジ13、放熱フィン14、およびコネクタホルダ15を一体成形することができる。
【0024】
炭素などの導電性を有する材料を用いたフィラーを含む高熱伝導性樹脂や、金属を用いても、熱伝導率の高いソケット10とすることができる。ただし、これらの材料は導電性を有している。ソケット10が導電性を有する材料を含む場合には、ソケット10と発光部20との間、および、ソケット10と給電端子30との間を絶縁すればよい。
【0025】
発光部20は、例えば、配線部21、発光素子22、および回路素子23を有する。
配線部21は、例えば、ソケット10の一方の端部(例えば、凹部11aの底面11a1)に設けられる。配線部21は、例えば、発光素子22、および回路素子23を実装するための配線パターンとすることができる。ソケット10が絶縁性を有する場合には、配線部21が、ソケット10の一方の端部に直接設けられる。例えば、配線部21は、無電解メッキ法やスクリーン印刷法などを用いて、凹部11aの底面11a1に直接設けることができる。
【0026】
ソケット10が導電性を有する場合には、配線部21と、ソケット10の一方の端部との間に絶縁部を設けることができる。例えば、凹部11aの底面11a1に、絶縁性を有する樹脂を塗布したり、絶縁性を有する無機材料(例えば、酸化アルミニウム)をコーティングしたりして、膜状の絶縁部を形成することができる。また、例えば、二色成形法を用いて、発光部20が設けられる領域と、給電端子30が設けられる領域とを絶縁性を有する高熱伝導性樹脂を用いて成形し、その他の領域を導電性を有する高熱伝導性樹脂により成形することができる。すなわち、ソケット10が導電性を有する場合には、配線部21が絶縁部を介してソケット10の一方の端部に設けられる。
配線部21は、例えば、無電解メッキ法やスクリーン印刷法などを用いて、絶縁部の上に直接設けることができる。
【0027】
配線部21は、例えば、銀を主成分とする材料や、銅を主成分とする材料などから形成することができる。また、配線部21や、後述する膜状の抵抗器などを覆う被覆部を設けることもできる。被覆部は、例えば、ガラス材料を含むことができる。
【0028】
発光素子22は、配線部21に実装されている。ソケット10が絶縁性を有する場合には、発光素子22が配線部21を介して、ソケット10の一方の端部に設けられる。ソケット10が導電性を有する場合には、発光素子22が配線部21および絶縁部を介してソケット10の一方の端部に設けられる。
【0029】
発光素子22は、少なくとも1つ設けることができる。複数の発光素子22が設けられる場合には、複数の発光素子22を直列接続することができる。
図1に例示をした車両用照明装置1には1つの発光素子22が設けられている。
発光素子22は、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。
【0030】
発光素子22は、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)型などの表面実装型の発光素子とすることもできるし、チップ状の発光素子とすることもできる。
図1に例示をした発光素子22は、表面実装型の発光素子である。
【0031】
表面実装型の発光素子22には、チップ状の発光素子、チップ状の発光素子が実装される電極を有するパッケージ基板、パッケージ基板に設けられ、チップ状の発光素子を囲むリフレクタ、および、リフレクタの内側に設けられ、チップ状の発光素子を覆う封止部などが一体に設けられている。そのため、発光素子22が表面実装型の発光素子である場合には、パッケージ基板に設けられた電極を配線部21に電気的に接続すれば良い。
【0032】
発光素子22がチップ状の発光素子である場合には、チップ状の発光素子22を、COB(Chip On Board)により配線部21に電気的に接続する。チップ状の発光素子22は、上部電極型の発光素子、上下電極型の発光素子、フリップチップ型の発光素子のいずれであってもよい。
【0033】
発光素子22がチップ状の発光素子である場合には、枠部、および封止部をさらに設けることができる。
例えば、枠状を呈し、チップ状の発光素子を囲む枠部を凹部11aの底面11a1に接着することができる。枠部は、例えば、樹脂から形成される。樹脂は、例えば、PBT(polybutylene terephthalate)、PC(polycarbonate)、PET、ナイロン、PP(polypropylene)、PE(polyethylene)、PS(polystyrene)などの熱可塑性樹脂とすることができる。
【0034】
枠部は、チップ状の発光素子22を覆う封止部の形成範囲を規定する機能と、リフレクタの機能とを有することができる。そのため、枠部は、反射率を向上させるために、酸化チタンの粒子などを含んでいたり、白色の樹脂を含んでいたりすることができる。
【0035】
封止部は、枠部の内側に設けられる。封止部は、枠部により囲まれた領域を覆うように設けられる。封止部は、チップ状の発光素子22を覆うように設けられる。封止部は、透光性を有する樹脂を含んでいる。封止部は、例えば、枠部の内側に樹脂を充填することで形成される。樹脂の充填は、例えば、ディスペンサなどを用いて行われる。充填する樹脂は、例えば、シリコーン樹脂などである。
【0036】
また、封止部には蛍光体を含めることができる。蛍光体は、例えば、YAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)などとすることができる。ただし、蛍光体の種類は、車両用照明装置1の用途などに応じて所定の発光色が得られるように適宜変更することができる。
【0037】
なお、枠部は省くこともできる。枠部が省かれる場合には、例えば、ドーム状の封止部が凹部11aの底面11a1に形成される。ただし、枠部が設けられていれば封止部の形成範囲を規定することができるので、ソケット10の小型化、ひいては車両用照明装置1の小型化を図ることができる。また、枠部がリフレクタの機能を有していれば、チップ状の発光素子22から照射された光の利用効率を向上させることができる。
また、必要に応じて、封止部の上に光学要素を設けることもできる。光学要素は、例えば、凸レンズ、凹レンズ、導光体などである。
【0038】
回路素子23は、発光素子22を有する発光回路を構成するために用いられる受動素子、または能動素子とすることができる。回路素子23は、例えば、発光素子22が設けられる領域の周辺に設けることができる。回路素子23は、配線部21に実装されている。回路素子23は、配線部21を介して、発光素子22と電気的に接続されている。
ソケット10が絶縁性を有する場合には、発光素子22および回路素子23が配線部21を介して、ソケット10の一方の端部に設けられる。
ソケット10が導電性を有する場合には、発光素子22および回路素子23が配線部21および絶縁部を介してソケット10の一方の端部に設けられる。
【0039】
回路素子23は、例えば、抵抗23a、保護素子23b、および制御素子23cなどとすることができる。
ただし、回路素子23の種類は例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子22を有する発光回路の構成に応じて適宜変更することができる。例えば、回路素子23は、前述したものの他に、コンデンサ、正特性サーミスタ、負特性サーミスタ、インダクタ、サージアブソーバ、バリスタ、集積回路、演算素子などであってもよい。
【0040】
抵抗23aは、例えば、表面実装型の抵抗器、リード線を有する抵抗器(酸化金属皮膜抵抗器)、スクリーン印刷法などを用いて形成された膜状の抵抗器などとすることができる。膜状の抵抗器は、例えば、スクリーン印刷法および焼成法を用いて形成することができる。膜状の抵抗器の材料は、例えば、酸化ルテニウム(RuO
2)である。なお、
図1に例示をした抵抗23aは、表面実装型の抵抗器である。
【0041】
ここで、発光素子22の順方向電圧特性には、ばらつきがあるので、アノード電極とグランド電極との間の印加電圧を一定にすると、発光素子22から照射される光の明るさ(光束、輝度、光度、照度)にばらつきが生じる。そのため、発光素子22から照射される光の明るさが所定の範囲内に収まるように、発光素子22に直列接続された抵抗23aにより、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。この場合、抵抗23aの抵抗値を変化させることで、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。
【0042】
抵抗23aが表面実装型の抵抗器やリード線を有する抵抗器などの場合には、発光素子22の順方向電圧特性に応じて適切な抵抗値を有する抵抗23aを選択する。抵抗23aが膜状の抵抗器の場合には、抵抗23aの一部を除去すれば、抵抗値を増加させることができる。例えば、膜状の抵抗器にレーザ光を照射すれば、膜状の抵抗器の一部を容易に除去することができる。
【0043】
保護素子23bは、例えば、逆方向電圧が発光素子22に印加されないようにするため、および、逆方向からのパルスノイズが発光素子22に印加されないようにするために設けられる。保護素子23bは、例えば、ダイオードとすることができる。
図1に例示をした保護素子23bは、表面実装型のダイオードである。
【0044】
制御素子23cは、例えば、発光素子22に印加する電圧を切り替えるために設けられる。制御素子23cは、例えば、トランジスタや集積回路とすることができる。なお、
図1に例示をした制御素子23cは、表面実装型の集積回路である。
【0045】
給電端子30は、複数設けられている。複数の給電端子30は、棒状体とすることができる。複数の給電端子30は、例えば、所定の方向に並べて設けられる。複数の給電端子30の一方の端部は、凹部11aの底面11a1から突出している。複数の給電端子30の一方の端部は、凹部11aの底面11a1に設けられた配線部21と半田付けされる。複数の給電端子30の他方の端部は、コネクタホルダ15の孔の内部に露出している。コネクタホルダ15の孔の内部に露出する複数の給電端子30には、コネクタ105が嵌め合わされる。複数の給電端子30は、例えば、銅合金などの金属から形成される。なお、複数の給電端子30の形状、配置、材料などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
【0046】
前述したように、ソケット10が導電性を有する材料を含む場合がある。この様な場合には、複数の給電端子30と、導電性を有する材料を含むソケット10との間に絶縁部を設けることができる。絶縁部は、例えば、柱状を呈し、絶縁性を有する樹脂から形成することができる。絶縁部は、例えば、ソケット10に設けられた孔に圧入したり、孔の内壁に接着したりすることができる。複数の給電端子30は、絶縁部の内部に設けられ、絶縁部に保持される。なお、前述したように、二色成形法を用いて、導電性を有する材料を含むソケット10と、絶縁部とを一体成形することもできる。また、インサート成形法を用いて、導電性を有する材料を含むソケット10、絶縁部、および複数の給電端子30を一体成形することもできる。
【0047】
ソケット10が絶縁性を有している場合には、ソケット10が複数の給電端子30を保持する。例えば、インサート成形法などを用いて、ソケット10と複数の給電端子30を一体成形することができる。また、ソケット10に設けられた孔に複数の給電端子30を圧入したり、孔の内壁に複数の給電端子30を接着したりすることができる。
【0048】
ここで、一般的には、板状の基板の面に配線パターンを設け、配線パターンに発光素子22、および回路素子23を電気的に接続している。そして、発光素子22、および回路素子23が設けられた基板をソケット10の一方の端部に設けている。
【0049】
この場合、発光素子22、および回路素子23において発生した熱は、基板を介してソケット10に伝わり、ソケット10から外部に放出される。基板は、セラミックスなどの熱伝導率の高い材料から形成されるが、基板が設けられていると、発光素子22などにおいて発生した熱がソケット10に伝わり難くなる。
【0050】
本実施の形態に係る車両用照明装置1においては、ソケット10の一方の端部に、配線部21を設け、配線部21に発光素子22、および回路素子23を実装している。すなわち、基板を介さずに、配線部21、発光素子22、および回路素子23をソケット10の一方の端部に設けている。そのため、発光素子22、および回路素子23において発生した熱をソケット10に効率良く伝えることができる。
【0051】
なお、前述した様に、導電性を有する材料を含むソケット10の場合には、ソケット10と配線部21との間に絶縁部が設けられる。しかしながら、絶縁部の厚みは、基板の厚みよりも薄くすることができる。そのため、絶縁部が設けられる場合であっても、基板が設けられる場合に比べて、発光素子22、および回路素子23において発生した熱をソケット10に伝えやすくなる。
以上に説明した様に、本実施の形態に係る車両用照明装置1とすれば、車両用照明装置1に設けられる素子の放熱性を向上させることができる。
【0052】
またさらに、本実施の形態に係る車両用照明装置1とすれば、以下に説明する様に、ソケット10の小型化、ひいては車両用照明装置1の小型化を図ることもできる。
前述した様に、一般的には、発光素子22、および回路素子23が設けられた基板をソケット10の一方の端部に設けている。基板に、発光素子22、および回路素子23を設けると、基板に無駄なスペースが生じ易くなる。例えば、配線パターンを、基板の周縁に沿って設ける際には、配線パターンと基板の周縁との間にスペースを設ける必要がある。この様なスペースは、配線パターンを形成する際には必要となるが、基板をソケット10の一方の端部に設ける際には無駄なスペースとなる。そのため、発光素子22、および回路素子23が設けられた基板をソケット10の一方の端部に設けると、ソケット10の基板が設けられる領域が大きくなるので、ソケット10の小型化、ひいては車両用照明装置1の小型化が困難となる。
【0053】
また、近年においては、車両用照明装置1の保護や多機能化などのために、回路素子23の種類や数が増加する傾向にある。そのため、基板の平面寸法が大きくなり、ソケット10の小型化、ひいては車両用照明装置1の小型化がさらに困難となる。
【0054】
本実施の形態に係る車両用照明装置1とすれば、ソケット10の一方の端部に、配線部21を設け、配線部21に発光素子22、および回路素子23を実装している。そのため、基板を介して、発光素子22、および回路素子23を設ける場合に比べて、ソケット10の小型化、ひいては車両用照明装置1の小型化を図ることができる。
【0055】
図3は、他の実施形態に係る車両用照明装置1aを例示するための模式断面図である。
図3に示すように、車両用照明装置1aには、例えば、ソケット10、発光部20a、および給電端子30が設けられている。
【0056】
発光部20aは、例えば、配線部21a(第1の配線部の一例に相当する)、配線部21b(第2の配線部の一例に相当する)、発光素子22、回路素子23、および基板24を有する。
ソケット10が絶縁性を有する場合には、配線部21aがソケット10の一方の端部に直接設けられる。ソケット10が導電性を有する場合には、配線部21aが絶縁部を介してソケット10の一方の端部に設けられる。
【0057】
車両用照明装置1aを点灯した際には、発光素子22、および回路素子23において熱が発生する。この場合、一般的には、発光素子22において発生する熱が、回路素子23において発生する熱よりも多くなる。また、回路素子23が抵抗23aなどの場合には、温度に対する特性の変化が小さくなる。
また、基板24を用いると、例えば、複数の回路素子23を予め基板24に設けることができるので、生産性を向上させることができる。
【0058】
そのため、車両用照明装置1aにおいては、発熱量の多い発光素子22を、ソケット10の一方の端部に設け、発熱量の少ない回路素子23を基板24に設ける様にしている。
【0059】
例えば、基板24の中央領域に、厚み方向を貫通する孔24aを設け、凹部11aの底面11a1に設けられた発光素子22が、基板24の孔24aの内部に位置するようにすることができる。この場合、発光素子22が電気的に接続される配線部21aは、凹部11aの底面11a1に設けることができる。回路素子23が実装される配線部21bは、基板24の上(ソケット10側とは反対側の面)に設けることができる。配線部21aと配線部21bは、基板24の厚み方向を貫通する導通ビア(貫通ビア)などを介して電気的に接続することができる。
すなわち、基板24は、ソケット10の一方の端部に設けられ、ソケット10側とは反対側の面に、配線部21aと電気的に接続された配線部21bを有する。
【0060】
なお、一般的には、発光素子22の発熱量は、回路素子23の発熱量よりも多いが、発熱量の比較的少ない発光素子22が車両用照明装置に設けられる場合がある。この様な場合には、発熱量が少ない発光素子22と発熱量が少ない回路素子23を基板24に設け、発熱量が多い回路素子23をソケット10の一方の端部に設けることができる。
例えば、抵抗23aよりも発熱量が多い発光素子22、および、抵抗23aよりも発熱量が多い回路素子23を、ソケット10の一方の端部に設けることができる。
【0061】
すなわち、発光素子22は、配線部21a、および配線部21bのいずれかに実装することができる。回路素子23は、配線部21a、および配線部21bのいずれかに実装することができる。
例えば、発光素子22が配線部21aに実装された場合には、回路素子23が配線部21bに実装される様にすることができる。例えば、発光素子22が配線部21bに実装された場合には、回路素子23が配線部21aに実装される様にすることができる。
【0062】
(車両用灯具)
本発明の1つの実施形態において、車両用照明装置1を具備した車両用灯具100を提供することができる。前述した車両用照明装置1に関する説明、および車両用照明装置1の変形例(例えば、車両用照明装置1a)は、いずれも車両用灯具100に適用することができる。
【0063】
なお、以下においては、一例として、車両用灯具100が自動車に設けられるフロントコンビネーションライトである場合を説明する。ただし、車両用灯具100は、自動車に設けられるフロントコンビネーションライトに限定されるわけではない。車両用灯具100は、自動車や鉄道車両などに設けられる車両用灯具であればよい。
【0064】
図4は、車両用灯具100を例示するための模式部分断面図である。
図4に示すように、車両用灯具100は、例えば、車両用照明装置1、筐体101、カバー102、光学要素103、シール部材104、およびコネクタ105を有する。
【0065】
筐体101には、車両用照明装置1が取り付けられる。筐体101は、装着部11を保持する。筐体101は、一方の端部側が開口した箱状を呈している。筐体101は、例えば、光を透過しない樹脂などから形成される。筐体101の底面には、装着部11の、バヨネット12が設けられた部分が挿入される取付孔101aが設けられる。取付孔101aの周縁には、装着部11に設けられたバヨネット12が挿入される凹部が設けられる。なお、筐体101に取付孔101aが直接設けられる場合を例示したが、取付孔101aを有する取付部材が筐体101に設けられていてもよい。
【0066】
車両用照明装置1を車両用灯具100に取り付ける際には、装着部11のバヨネット12が設けられた部分を取付孔101aに挿入し、車両用照明装置1を回転させる。すると、例えば、取付孔101aの周縁に設けられた嵌合部にバヨネット12が保持される。この様な取り付け方法は、ツイストロックと呼ばれている。
【0067】
カバー102は、筐体101の開口を塞ぐように設けられる。カバー102は、透光性樹脂などから形成される。カバー102は、レンズなどの機能を有することもできる。
【0068】
光学要素103には、車両用照明装置1から出射した光が入射する。光学要素103は、車両用照明装置1から出射した光の反射、拡散、導光、集光、所定の配光パターンの形成などを行う。例えば、
図4に例示をした光学要素103はリフレクタである。この場合、光学要素103は、車両用照明装置1から出射した光を反射して、所定の配光パターンを形成する。
【0069】
シール部材104は、フランジ13と筐体101の間に設けられる。シール部材104は、環状を呈し、ゴムやシリコーン樹脂などの弾性を有する材料から形成される。
【0070】
車両用照明装置1が車両用灯具100に取り付けられた際には、シール部材104は、フランジ13と筐体101との間に挟まれる。そのため、シール部材104により、筐体101の内部空間を密閉することができる。また、シール部材104の弾性力により、バヨネット12が筐体101に押し付けられる。そのため、車両用照明装置1が、筐体101から脱離するのを抑制することができる。
【0071】
コネクタ105は、コネクタホルダ15の内部に露出している複数の給電端子30の端部に嵌め合わされる。コネクタ105には、点灯回路などが電気的に接続される。そのため、コネクタ105を複数の給電端子30の端部に嵌め合わせることで、点灯回路などと、発光素子22とを電気的に接続することができる。
【0072】
また、コネクタ105には、シール部材105aが設けられている。シール部材105aを有するコネクタ105が、コネクタホルダ15の内部に挿入された際には、コネクタホルダ15の内部が水密となるように密閉される。
【0073】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0074】
1 車両用照明装置、1a 車両用照明装置、10 ソケット、11 装着部、11a 凹部、11a1 底面、20 発光部、21 配線部、21a 配線部、21b 配線部、22 発光素子、23 回路素子、23a 抵抗、23b 保護素子、23c 制御素子、24 基板、100 車両用灯具、101 筐体