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特開2024-67856情報処理方法、コンピュータプログラム及び情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067856
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】情報処理方法、コンピュータプログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20240101AFI20240510BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240510BHJP
   G16Y 20/10 20200101ALI20240510BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20240510BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20240510BHJP
   G16Y 40/30 20200101ALI20240510BHJP
   B65D 25/02 20060101ALN20240510BHJP
【FI】
G06Q10/083
G16Y10/40
G16Y20/10
G16Y20/20
G16Y40/10
G16Y40/30
B65D25/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178232
(22)【出願日】2022-11-07
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】山中 剛
(72)【発明者】
【氏名】坂 壮太郎
(72)【発明者】
【氏名】門脇 淑子
【テーマコード(参考)】
3E062
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
3E062AA01
3E062BA07
3E062BB02
3E062BB09
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】配送用容器内の温度管理を支援する情報処理方法、コンピュータプログラム及び情報処理装置を提供する。
【解決手段】本実施の形態に係る情報処理方法は、情報処理装置が、配送用容器に設けられた温度センサが測定した前記配送用容器内の温度を取得し、取得した前記配送用容器内の温度が、温度変化パターンに対応付けられた温度条件を満たすか否かを判定し、判定結果を通知する。前記温度変化パターンは、前記配送用容器内の温度変化にオーバーシュートを含む第1パターン又は前記オーバーシュートを含まない第2パターンのいずれかであってよい。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が、
配送用容器に設けられた温度センサが測定した前記配送用容器内の温度を取得し、
取得した前記配送用容器内の温度が、温度変化パターンに対応付けられた温度条件を満たすか否かを判定し、
判定結果を通知する、
情報処理方法。
【請求項2】
前記温度変化パターンの入力を受け付け、
取得した前記配送用容器内の温度が、受け付けた前記温度変化パターンに対応付けられた温度条件を満たすか否かを判定する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
取得した複数時点の温度に基づいて前記配送用容器内の温度変化パターンを判定し、
取得した前記配送用容器内の温度が、判定した前記温度変化パターンに対応付けられた温度条件を満たすか否かを判定する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
取得した複数時点の温度に基づいて温度変化率を算出し、
算出した前記温度変化率に基づいて温度変化パターンを判定する、
請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記温度変化パターンは、前記配送用容器内の温度変化にオーバーシュートを含む第1パターン又は前記オーバーシュートを含まない第2パターンのいずれかである、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項6】
取得した複数時点の温度に基づいて温度変化率を算出し、
算出した前記温度変化率に基づいて、温度変化の方向が反転する際の到達温度を算出し、
算出した前記到達温度が所定の温度範囲内であるか否かを判定する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記温度変化パターンが、前記配送用容器内の温度変化にオーバーシュートを含むパターンである場合に、
温度変化の方向が反転した後、温度変化が安定した際の安定温度を取得し、
取得した前記安定温度が前記所定の温度範囲内であるか否かを更に判定する、
請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
配送用容器に設けられた温度センサが測定した前記配送用容器内の温度を取得し、
取得した前記配送用容器内の温度が、温度変化パターンに対応付けられた温度条件を満たすか否かを判定し、
判定結果を通知する
処理を実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項9】
配送用容器に設けられた温度センサが測定した前記配送用容器内の温度を取得する取得部と、
取得した前記配送用容器内の温度が、温度変化パターンに対応付けられた温度条件を満たすか否かを判定する判定部と、
判定結果を通知する通知部と
を備える、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配送用容器内の温度管理を支援する情報処理方法、コンピュータプログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1においては、輸送される収容器の収容空間において測定された温度とこの温度の測定時刻とを含む測定情報を記憶部に格納し、記憶部に格納される測定情報に含まれる温度が収容空間で維持されるべき温度帯の上限値未満に最初に達した時刻を、収容器の輸送の開始時刻と判定する温度管理装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-109347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の温度管理装置は、収容空間の温度が維持されるべき温度帯の上限値未満に最初に達した時刻を求めている。しかしながら、収容空間の温度が上限値未満に達した後に、下限値より低い温度まで達してしまう場合があり得る。
【0005】
本開示は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、配送用容器内の温度管理を支援する情報処理方法、コンピュータプログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る情報処理方法は、情報処理装置が、配送用容器に設けられた温度センサが測定した前記配送用容器内の温度を取得し、取得した前記配送用容器内の温度が、温度変化パターンに対応付けられた温度条件を満たすか否かを判定し、判定結果を通知する。
【発明の効果】
【0007】
一実施形態による場合は、配送用容器内の温度管理を支援することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る情報処理システムの一構成例を示す模式図である。
図2】実施の形態1に係る端末装置の一構成例を示すブロック図である。
図3】本実施の形態に係る配送用容器の一構成例を示すブロック図である。
図4】温度変化のパターンを説明するための模式図である。
図5】最低到達温度の予測を説明する為の模式図である。
図6】配送用容器の内部の温度変化と適正温度範囲との関係の一例を示す模式図である。
図7】配送用容器の内部の温度変化と適正温度範囲との関係の一例を示す模式図である。
図8】配送用容器の内部の温度変化と適正温度範囲との関係の一例を示す模式図である。
図9】本実施の形態に係る端末装置が行う温度判定処理の手順を示すフロートである。
図10】本実施の形態に係る端末装置が行う温度判定処理の手順を示すフロートである。
図11】本実施の形態に係る端末装置が行う温度変化パターン判定処理の手順を示すフローチャートである。
図12】実施の形態2に係る情報処理システムの一構成例を示す模式図である。
図13】実施の形態2に係るサーバ装置の一構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態に係る情報処理システムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0010】
<システム概要>
図1は、実施の形態1に係る情報処理システムの一構成例を示す模式図である。本実施の形態に係る情報処理システムは、例えば冷凍又は冷蔵等の温度管理が必要な荷物を配送する配送業者等により利用され得るシステムである。情報処理システムは、配送作業者が使用する端末装置1及び荷物を収容する配送用容器3等を備えて構成されている。本実施の形態に係る情報処理システムは、配送作業者の端末装置1が配送用容器3の内部の温度情報を取得して、例えば配送用容器3の内部の温度が適正温度となったこと、又は、適正温度から外れたこと等を配送作業者に通知することにより、配送作業者による配送用容器3の温度管理を支援するシステムである。
【0011】
本実施の形態に係る配送用容器3は、例えば保温性の高い容器に予め冷やされた保冷材を入れて適正温度を保つことで、冷凍又は冷蔵等が必要な荷物を配送するための容器である。配送作業者は、例えば冷蔵庫又は冷凍庫等で予め冷やされた保冷材を配送用容器3の中に入れ、配送用容器3の内部が適正温度になるまで待つ。内部が適正温度になった後、配送作業者は、配送する荷物を配送用容器3の中に収容し、配送用容器3を配送車両に積載して配送先へ向かう。配送作業者が荷物を配送用容器3に入れてから配送先で取り出すまでの間、配送用容器3の内部は所定の適正温度範囲内に保たれることが望まれる。
【0012】
本実施の形態に係る配送用容器3は、内部の温度を測定するセンサと、端末装置1との間で情報を授受するための無線通信機能とを備えている。なお配送用容器3は、温度を測定するセンサ以外に、例えば配送用容器3の開閉を検知するセンサ、又は、配送用容器3に加わる加速度を検知するセンサ等の種々のセンサを備えていてよい。本実施の形態において配送用容器3は、所定の周期で内部の温度を測定し、測定結果を端末装置1へ送信する。
【0013】
端末装置1には、例えばスマートフォン又はタブレット型端末装置等の汎用的な情報処理装置が用いられ得る。ただし端末装置1は、汎用的な情報処理装置ではなく、配送業に専用の情報処理装置であってもよい。また端末装置1は、可搬型の情報処理装置であることが好ましいが、例えば配送車両等に固定された情報処理装置であってもよい。本実施の形態において端末装置1は、配送用容器3との間で無線通信を行うことにより、配送用容器3のセンサが測定した内部の温度に関する温度情報を周期的に取得する。端末装置1は、取得した温度情報を基に、配送用容器3の内部の温度の予測及び判定等の処理を行い、これらの処理結果を配送作業者へ通知する。
【0014】
なお本実施の形態においては、端末装置1が配送用容器3の内部の温度の予測及び判定等の処理を行っているが、これに限るものではなく、例えば遠隔のサーバ装置等がこれらの処理を行ってもよい。端末装置1は、ネットワークを介したサーバ装置との通信を行い、配送用容器3から取得した温度情報をサーバ装置へ送信する。サーバ装置は、端末装置1からの温度情報を受信して、配送用容器3の内部の温度の予測及び判定等の処理を行い、これらの処理結果を端末装置1へ送信する。端末装置1は、サーバ装置1から処理結果を受信して、配送作業者へ通知することができる。
【0015】
また本実施の形態においては、配送用容器3の内部を低温に保つ場合、いわゆる保冷の場合を想定して説明を行うが、これに限るものではない。例えば調理済みの料理を配送する場合等に配送用容器3の内部を常温又は高温に保つ場合、いわゆる保温の場合にも、本実施の形態に係る技術を適用するが可能である。保温の場合、例えば予め温められた保温材を配送用容器3に入れることで、配送用容器3の内部を適正温度に保つことができる。
【0016】
<装置構成>
図2は、実施の形態1に係る端末装置1の一構成例を示すブロック図である。本実施の形態に係る端末装置1は、処理部11、記憶部(ストレージ)12、通信部(トランシーバ)13、表示部14、操作部15及びGPS(Global Positioning System)受信部16等を備えて構成されている。端末装置1は、配送作業者が所持及び使用する装置であり、例えば近距離無線通信により配送用容器3との無線通信を行う機能を有する。端末装置1は、例えばスマートフォン又はタブレット型端末装置等の汎用の情報処理装置に、所定のアプリケーションプログラムをインストールすることによって実現され得る。
【0017】
処理部11は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro-Processing Unit)等の演算処理装置、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を用いて構成されている。処理部11は、記憶部12に記憶されたプログラム12aを読み出して実行することにより、配送用容器3からセンサによる温度の測定結果等の情報を取得する処理、及び、取得した情報を配送作業者へ通知する処理等の種々の処理を行う。
【0018】
記憶部12は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ素子又はハードディスク等の記憶装置等を用いて構成されている。記憶部12は、処理部11が実行する各種のプログラム、及び、処理部11の処理に必要な各種のデータを記憶する。本実施の形態において記憶部12は、処理部11が実行するプログラム12aを記憶している。
【0019】
本実施の形態においてプログラム(コンピュータプログラム、プログラム製品)12aは遠隔のサーバ装置等により配信され、これを端末装置1が通信にて取得し、記憶部12に記憶する。ただしプログラム12aは、例えば端末装置1の製造段階において記憶部12に書き込まれてもよい。例えばプログラム12aは、メモリカード又は光ディスク等の記録媒体99に記録されたプログラム12aを端末装置1が読み出して記憶部12に記憶してもよい。例えばプログラム12aは、記録媒体99に記録されたものを書込装置が読み出して端末装置1の記憶部12に書き込んでもよい。プログラム12aは、ネットワークを介した配信の態様で提供されてもよく、記録媒体99に記録された態様で提供されてもよい。
【0020】
通信部13は、例えばBluetooth(登録商標)又は無線LAN等の近距離無線通信を他の装置との間で行う。本実施の形態において配送用容器3は同様の近距離無線通信を行う機能を備えており、端末装置1の通信部13は、通信範囲内に存在する一又は複数の配送用容器3との間で通信を行うことができる。通信部13は、処理部11から与えられたデータを他の装置へ送信すると共に、他の装置から受信したデータを処理部11へ与える。なお端末装置1は、配送用容器3との近距離無線通信を行うための通信部13の他に、携帯電話通信網、無線LAN及びインターネット等を介してサーバ装置等との通信を行う通信部を更に備えてよい。
【0021】
表示部14は、液晶ディスプレイ等を用いて構成されており、処理部11の処理に基づいて種々の画像及び文字等を表示する。操作部15は、ユーザの操作を受け付け、受け付けた操作を処理部11へ通知する。例えば操作部15は、機械式のボタン又は表示部14の表面に設けられたタッチパネル等の入力デバイスによりユーザの操作を受け付ける。また例えば操作部15は、マウス及びキーボード等の入力デバイスであってよく、これらの入力デバイスは端末装置1に対して取り外すことが可能な構成であってもよい。
【0022】
GPS受信部16は、GPSの人工衛星から送信される電波を受信し、受信した電波に含まれる情報を処理部11へ与える。処理部11は、GPS受信部16から与えられた情報に基づいて、端末装置1の位置(例えば緯度及び経度)を特定する処理を行うことができる。
【0023】
また本実施の形態に係る端末装置1は、記憶部12に記憶されたプログラム12aを処理部11が読み出して実行することにより、情報取得部11a、到達温度予測部11b、パターン判定部11c、温度判定部11d及び通知処理部11e等がソフトウェア的な機能部として処理部11に実現される。情報取得部11aは、通信部13にて一又は複数の配送用容器3との通信を周期的に繰り返し行い、配送用容器3からセンサの検知結果等の種々の情報を取得する。本実施の形態において情報取得部11aは、例えば1分間に1回の周期で、配送用容器3の温度センサが測定した内部の温度に関する情報を取得する。
【0024】
到達温度予測部11bは、情報取得部11aが配送用容器3から取得した温度情報を基に、配送用容器3の内部の温度が到達する最低温度(保温の場合は最高温度)を予測する処理を行う。本実施の形態において到達温度予測部11bは、情報取得部11aが取得した時系列の温度情報を基に、配送用容器3の内部の温度の変化率(1次微分値)を算出する。到達温度予測部11bは、算出した温度変化率に基づいて、到達温度を予測する。
【0025】
パターン判定部11cは、配送用容器3の内部の温度変化のパターンがいずれであるかを判定する処理を行う。詳細は後述するが、本願発明者は、様々な条件で配送用容器3の内部の温度変化を調べ、温度変化のパターンが大きく2つに分類できることを見出した。本実施の形態においてパターン判定部11cは、配送用容器3の温度変化のパターンがこの第1のパターン又は第2のパターンのいずれであるかを判定する。
【0026】
温度判定部11dは、情報取得部11aが取得した温度情報、到達温度予測部11bが予測した到達温度、及び、パターン判定部11cが判定した温度変化のパターンに基づいて、配送用容器3の温度が適正温度の範囲内であるか否か等を判定する。本実施の形態においては、配送用容器3の温度変化のパターンに応じて異なる判定条件が定められている。温度判定部11dは、パターン判定部11cが判定したパターンに対応する条件を用いて判定を行う。
【0027】
通知処理部11eは、温度判定部11dによる判定結果を通知する処理を行う。例えば通知処理部11eは、配送用容器3の内部の温度が適正温度範囲に入った場合に、準備が完了した旨の通知を行う。また例えば通知処理部11eは、配送用容器3の内部の温度が適正温度から外れた場合に、異常が発生した旨の通知を行う。通知処理部11eは、例えば表示部14に所定のメッセージを表示することによって、配送作業者にこれらの通知を行う。また通知処理部11eは、図示しないスピーカ等による音声出力により通知を行ってもよく、メッセージ表示と音声出力とを併せて通知を行ってもよい。また通知処理部11eは、例えば異常等が発生したと判定された場合には赤色、及び、適正な温度範囲に入ることが予測された場合には緑色等のように、所定の色を表示することで配送作業者に対する通知を行ってもよい。
【0028】
図3は、本実施の形態に係る配送用容器3の一構成例を示すブロック図である。本実施の形態に係る配送用容器3は、制御部(コントローラ)31、記憶部(ストレージ)32、通信部(トランシーバ)33、温度センサ34、開閉センサ35及び加速度センサ36等を備えている。なお図3には配送用容器3が備える電子的な機能部を図示し、それ以外の機能部については図示を省略している。
【0029】
制御部31は、配送用容器3が備える電子的な機能部の動作を制御することにより種々の処理を行う。制御部31は、例えば温度センサ34、開閉センサ35及び加速度センサ36等のセンサが出力する信号を周期的にサンプリングすることで各センサの検知結果を取得し、取得した情報を記憶部32に記憶する。制御部31は、例えば記憶部32に記憶した情報を周期的に読み出して端末装置1へ送信する。
【0030】
記憶部32は、例えばフラッシュメモリ又はEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の不揮発性のメモリ素子を用いて構成される。記憶部32は、制御部31から与えられる情報、例えば温度センサ34、開閉センサ35及び加速度センサ36等の検知結果に関する情報を記憶する。通信部33は、例えばBluetooth又は無線LAN等の近距離無線通信を他の装置との間で行う。本実施の形態において通信部33は、端末装置1の通信部13との間で無線通信を行う。通信部33は、制御部31から与えられたデータを他の装置へ送信すると共に、他の装置から受信したデータを制御部31へ与える。
【0031】
温度センサ34は、配送用容器3の内部に設けられ、配送用容器3の内部の温度を検知するセンサである。温度センサ34は、例えば熱電対、サーミスタ又は測温抵抗体等を用いて構成され得る。温度センサ34は、例えば配送用容器3の内部の温度に応じた電気信号を制御部31へ出力する。
【0032】
開閉センサ35は、配送用容器3の開閉を検知するセンサである。配送用容器3は例えば開閉可能な蓋又は扉等を備えており、配送用容器3に荷物を収容する場合、及び、配送用容器3に収容された荷物を取り出す場合等に配送作業者がこの蓋又は扉等を開閉する。開閉センサ35は、例えば蓋又は扉等の開閉に応じて遮断及び導通が切り替わるスイッチを用いて構成され、配送用容器3が開状態又は閉状態のいずれであるかを示す信号を制御部31へ出力する。
【0033】
加速度センサ36は、配送用容器3の適所に配置され、配送用容器3に加わる加速度を検知するセンサである。加速度センサ36は、例えば圧電型、ピエゾ抵抗型又は静電容量型等のセンサが用いられ得る。加速度センサ36は、例えば配送用容器3に加わる加速度に応じた電気信号を制御部31へ出力する。
【0034】
なお本実施の形態に係る配送用容器3は、少なくとも温度センサ34を備えており、開閉センサ35又は加速度センサ36を備えていなくてもよい。本実施の形態に係る配送用容器3の制御部31は、所定の周期(例えば1分間に1回の周期)で温度センサ34が出力する信号をサンプリングすることで、内部の温度の測定結果を取得する。制御部31は、取得した温度の情報を記憶部32に記憶し、所定の周期(例えば1分間に1回の周期、ただし上記のサンプリングの周期と一致する必要はない)でこの温度情報を端末装置1へ送信する。
【0035】
<温度変化パターン>
上述のように、本願発明者は様々な条件で配送用容器3の内部の温度変化を調べ、温度変化のパターンが大きく2つに分類できることを見出した。図4は、温度変化のパターンを説明するための模式図である。図4には、横軸を時間とし、縦軸を温度とした、配送用容器3の内部の温度変化を示すグラフが2つ示されている。図4(A)のグラフは第1温度変化パターンであり、図4(B)のグラフは第2温度変化パターンである。
【0036】
第1温度変化パターンにおいて配送用容器3の内部の温度は、保冷材等の投入後に急激に減少して最低温度(本例では約-6℃~-7℃)に到達する。最低温度に到達した後、配送用容器3の内部の温度は、急激な増加に転じる。本実施の形態において、配送用容器3の内部の温度が急激な減少から急激な増加に転じる現象を「オーバーシュート」と呼び、第1温度変化パターンはこのオーバーシュートを含む温度変化パターンである。配送用容器3の内部の温度は、オーバーシュートによる急激な温度の増加の後、徐々に温度の増加率が低減していき、温度の増加率が少ない安定温度に達する。図4(A)のグラフでは、配送用容器3の内部の温度は、オーバーシュートの後、約6時間程度が経過した後に、約0℃の安定温度に達している。その後、配送用容器3の内部の温度は、徐々に増加しながらも適正温度の範囲内に保たれ、例えば保冷材が溶けた後(本例では約24時間が経過した後)に温度の増加率が高まり、室温程度の温度まで徐々に増加する。
【0037】
第2温度変化パターンにおいて配送用容器3の内部の温度は、保冷材等の投入後に急激に減少して最低温度(本例では約-19℃~-20℃)に到達する。最低温度に到達した後、配送用容器3の内部の温度は、徐々に増加するもののオーバーシュートの現象を示すことなく、温度の増加率が少ない安定温度となる。図4(B)のグラフでは、配送用容器3の内部の温度は、最低温度に達した後、この最低温度付近で温度変化が安定している。その後、配送用容器3の内部の温度は、徐々に増加しながらも適正温度の範囲内に保たれ、例えば保冷材が溶けた後(本例では約9時間が経過した後)に温度の増加率が高まり、室温程度の温度まで徐々に増加する。
【0038】
なお、配送用容器3の内部の温度変化が第1温度変化パターン又は第2温度変化パターンのいずれであるかは、例えば保冷材等の投入後の急激な温度減少により最低温度に到達した後、温度変化の方向が減少から増加に転じた後の温度の増加率が所定の閾値を超えるか否かに応じて判定され得る。換言すれば、配送用容器3の内部の温度の変化にオーバーシュートが含まれるか否かは、最低温度に到達した後の温度の増加率が所定の閾値を超えるか否かに応じて決定され得る。
【0039】
また、配送用容器3の内部の温度変化が第1温度変化パターン又は第2温度変化パターンのいずれであるかは、例えば配送用容器3の大きさ(容量)、投入する保冷材の種類、投入する保冷材の個数、及び、保冷材を投入する前の温度等の要因で決まることが本願発明者の調査及び研究により判明している。そこで本実施の形態においては、例えば配送作業者が配送用容器3へ保冷材を投入する前に、端末装置1が配送作業者に対して温度変化パターンがいずれであるかを問い合わせ、これに応じて配送作業者が自身の経験等に照らし合わせて温度変化パターンがいずれであるかを端末装置1へ入力する。端末装置1は、配送作業者の入力に応じて第1温度変化パターン又は第2温度変化パターンのいずれであるかを判断し、後続の温度判定等の処理を行うことができる。
【0040】
なお端末装置1は、配送作業者に対して温度変化パターンがいずれであるかを直接的に問い合わせるのではなく、例えば配送用容器3の大きさ及び保冷材の投入個数等を問い合わせてもよい。端末装置1は、例えば配送用容器3の大きさ及び保冷材の投入個数等の情報と、配送用容器3の内部の温度の温度変化パターンとを対応付けたテーブル等の情報を予め記憶している。端末装置1は、配送先住所が入力した配送用容器3の大きさ及び保冷材の投入個数等の情報を基に、予め記憶したテーブルを参照し、これらの入力情報に対応する温度変化パターンがいずれであるかを判定することができる。
【0041】
また、例えば配送作業者が自身の経験等に照らし合わせて温度変化パターンを判断することができない場合等、端末装置1に対して温度変化パターン又は之に関連する情報を配送作業者が入力できない又は入力しない場合があり得る。このような場合に端末装置1は、配送用容器3のセンサから取得した温度に基づいて、配送用容器3の内部の温度が最低温度に到達した後の温度の上昇率を算出し、この上昇率が所定の閾値を超えるか否かに応じて温度変化パターンを判定する。
【0042】
<到達温度の予測>
本実施の形態に係る端末装置1は、配送用容器3の内部の温度変化パターンが第1温度変化パターン又は第2温度変化パターンのいずれであるかに関わらず、保冷材が投入された後に配送用容器3の内部の温度が到達する最低温度(以下、最低到達温度という)を予測する処理を行う。図5は、最低到達温度の予測を説明する為の模式図である。図5には、配送用容器3の内部の温度[℃]を縦軸とし、温度変化率[℃/分]を横軸とするグラフが示されている。なお本実施の形態において温度の変化率は、配送用容器3の温度センサ34が周期的に内部の温度を測定することにより得られる時系列的な温度について、ある時点の温度からその1つ前の時点の温度を引いた差分値である。温度変化率がプラスの値である場合には配送用容器3の内部の温度が増加し、温度変化率がマイナスの値である場合には配送用容器3の内部の温度が減少している。
【0043】
図示の例では、保冷材の投入直後から配送用容器3の内部の温度は、約-5℃/分の(絶対値が)大きい変化率で急激に減少している。その後、配送用容器3の内部の温度変化率は徐々に0℃/分へ近づくように減少していき、最終的に0℃/分となる。この温度変化率が0℃/分となった際の温度が、最低到達温度である。図5において矢印で示すように、最初の数点を除き、温度変化率の変化率(即ち、温度の2次微分値)はほぼ一定である。
【0044】
本実施の形態に係る端末装置1は、例えば配送作業者が保冷材を配送用容器3へ投入した後、配送用容器3の内部の温度を判定する処理を開始し、配送用容器3から周期的に温度センサ34による温度の測定結果を含む温度情報を取得する。端末装置1は、温度情報の取得を周期的に繰り返し行うことで時系列の温度情報を取得しており、例えば今回に取得した温度と1つ前に取得した温度との差分を、温度の変化率(温度の一次微分値)として算出する。更に端末装置1は、今回に算出した変化率と前回に算出した変化率との差分を変化率の変化率(温度の2次微分値)として算出する。
【0045】
端末装置1は、例えば配送用容器3から得られる最初の数点の温度情報を除いて、配送用容器3の温度の変化率と、温度の2次微分値とを算出する。端末装置1は、数回分の温度の2次微分値を算出した後、例えばこれら数回分の2次微分値の平均値を算出する。端末装置1は、その時点の温度と、その時点の温度の変化率と、算出した2次微分値の平均値とを基に、温度の変化率が0になる際の配送用容器3の温度を算出することができる。端末装置1は、算出した温度を最低到達温度の予測値とすることができる。図5に示す例では、最低到達温度は約-3℃と予測され得る。
【0046】
なお上記の最低到達温度の予測は、配送用容器3の温度の変化パターンが第1温度変化パターン又は第2温度変化パターンのいずれであるかに関わらず有効な方法であることが、本願発明者により確認されている。また本実施の形態において、最低到達温度の予測値は、例えば配送用容器3の温度が適正温度範囲に入らない恐れがあることを配送作業者に通知するために用いられ得る。
【0047】
また本実施の形態においては、端末装置1が算出する時系列的な複数の変化率について、この変化率が0又は0に近い値である状態が複数回続いた場合に、配送用容器3の内部の温度が安定温度に達したと判断する。安定温度の判断基準となる温度範囲及び連続回数は、本実施の形態に係る情報処理システムの設計者等により予め定められ、端末装置1に予め記憶される。
【0048】
<温度判定>
本実施の形態に係る情報処理システムでは、所定の上限値及び下限値により規定される温度範囲を適正範囲とし、配送用容器3の内部の温度がこの適正範囲に入ったこと、適正範囲に入らないこと、適正範囲に入ったが適正範囲から出る恐れがあること、又は、適正範囲から出たこと等を端末装置1が判定して配送作業者に通知する。なお適正範囲を規定する上限値及び下限値は、例えば配送作業者により予め入力され、端末装置1の記憶部12等に設定情報として記憶される。また適正範囲は、上限値及び下限値の2つの値で規定されるのではなく、例えば上限値のみ又は下限値のみ等で規定されていてもよい。
【0049】
上述のように、配送用容器3の内部の温度の変化パターンは、第1温度変化パターン又は第2温度変化パターンのいずれかである。本実施の形態に係る情報処理システムでは、端末装置1は温度の変化パターンが第1温度変化パターン又は第2温度変化パターンのいずれであるかに応じて、配送用容器3の内部の温度の判定に異なる温度条件が設定されている。
【0050】
図6図8は、配送用容器3の内部の温度変化と適正温度範囲との関係の一例を示す模式図である。図6及び図7には第1温度変化パターンでの温度変化の例を示し、図8には第2温度変化パターンでの温度変化の例を示してある。また各図には、配送用容器3の内部の温度変化と適正温度範囲の上限値及び下限値との関係を示すグラフを3つずつ示してある。各グラフにおいて太実線が配送用容器3の温度であり、細実線が上限値であり、破線が下限値である。
【0051】
図6(a)には、第1温度変化パターンにおいて、配送用容器3の内部の最低到達温度が上限値より高い場合が示されている。この場合、配送用容器3の内部の温度が適正温度範囲に入ることはない。よって端末装置1は、第1温度変化パターンにおいて最低到達温度が適正温度範囲より高いことを予測した時点で、配送作業者に対して配送用容器3の内部の温度が適正温度範囲に入らない可能性があることを通知することができる。この場合に端末装置1は、例えば配送用容器3に投入した保冷材の数が不足している可能性があること、保冷材の種類が不適切であること、又は、保冷材が十分に冷やされていない可能性があること等を配送作業者に通知してよい。
【0052】
図6(b)には、第1温度変化パターンにおいて、配送用容器3の内部の最低到達温度が適正範囲内であるが、オーバーシュート後の安定温度が上限値より高い場合が示されている。この場合、配送用容器3の内部の温度は短時間だけ適正温度範囲内となるが、その後は適正温度範囲外となるため、配送作業者がこの配送用容器3を配送作業に用いることはできない。よって端末装置1は、配送用容器3の内部の温度が最低到達温度に達した後、配送用容器3の内部の温度が増加して上限値より高くなった時点、又は、配送用容器3の内部の温度が上限値より高い安定温度となった時点で、配送作業者に対して配送用容器3の内部の温度が適正温度範囲外であることを通知することができる。この場合にも端末装置1は、例えば配送用容器3に投入した保冷材の数が不足している可能性があること、保冷材の種類が不適切であること、又は、保冷材が十分に冷やされていない可能性があること等を配送作業者に通知してよい。
【0053】
図6(c)には、第1温度変化パターンにおいて、配送用容器3の内部の最低到達温度が適正範囲であり、且つ、オーバーシュート後の安定温度が適正範囲内である場合が示されている。この場合、配送作業者はこの配送用容器3を配送作業に用いることができる。よって端末装置1は、配送用容器3の内部の温度が最低到達温度に達した後、適正範囲内の安定温度となった時点で、配送作業者に対して配送用容器3の内部の温度が適正範囲内であることを通知することができる。
【0054】
図7(d)には、第1温度変化パターンにおいて、配送用容器3の内部の最低到達温度が下限値より低い温度まで下がっているが、オーバーシュート後の安定温度が適正範囲内である場合が図示されている。この場合であっても、配送作業者はこの配送用容器3を配送作業に用いることができる。よって端末装置1は、配送用容器3の内部の温度が最低到達温度に達した後、温度が上昇して適正範囲内の安定温度となった時点で、配送作業者に対して配送用容器3の内部の温度が適正範囲内であることを通知することができる。
【0055】
図7(e)には、第1温度変化パターンにおいて、配送用容器3の内部の最低到達温度が下限値より低い温度まで下がり、且つ、オーバーシュート後の安定温度が下限値より低い場合が図示されている。この場合、配送作業者がこの配送用容器3を配送作業に用いることはできない。よって端末装置1は、配送用容器3の内部の温度が最低到達温度に達した後、温度が上昇して安定温度に達しても適正温度範囲外であることを判定した時点で、配送作業者に対して配送用容器3の内部の温度が適正温度範囲外であることを通知することができる。この場合に端末装置1は、例えば配送用容器3に投入した保冷材の数が多すぎる可能性があること、保冷材の種類が不適切であること、又は、配送用容器3内における保冷材の配置が不適切であること等を配送作業者に通知してよい。
【0056】
図7(f)には、第1温度変化パターンにおいて、配送用容器3の内部の最低到達温度が下限値より低い温度まで下がり、且つ、オーバーシュート後の安定温度が上限値より高い場合が図示されている。この場合、配送用容器3の内部の温度はオーバーシュート後の短時間だけ適正温度範囲内となるが、その後は適正温度範囲外となるため、配送作業者がこの配送用容器3を配送作業に用いることはできない。よって端末装置1は、配送用容器3の内部の温度が最低到達温度に達した後、配送用容器3の内部の温度が増加して上限値より高くなった時点、又は、配送用容器3の内部の温度が上限値より高い安定温度となった時点で、配送作業者に対して配送用容器3の内部の温度が適正温度範囲外であることを通知することができる。この場合にも端末装置1は、例えば配送用容器3に投入した保冷材の数が不足している可能性があること、保冷材の種類が不適切であること、又は、保冷材が十分に冷やされていない可能性があること等を配送作業者に通知してよい。
【0057】
図8(g)には、第2温度変化パターンにおいて、配送用容器3の内部の最低到達温度が上限値より高い場合が示されている。この場合、配送用容器3の内部の温度が適正温度範囲に入ることはない。よって端末装置1は、第2温度変化パターンにおいて最低到達温度が適正温度範囲より高いことを予測した時点で、配送作業者に対して配送用容器3の内部の温度が適正温度範囲に入らない可能性があることを通知することができる。この場合に端末装置1は、例えば配送用容器3に投入した保冷材の数が不足している可能性があること、保冷材の種類が不適切であること、又は、保冷材が十分に冷やされていない可能性があること等を配送作業者に通知してよい。
【0058】
図8(h)には、第2温度変化パターンにおいて、配送用容器3の内部の最低到達温度が適正範囲内である場合が示されている。この場合、配送作業者はこの配送用容器3を配送作業に用いることができる。第2温度変化パターンでは最低到達温度とその後の安定温度とはほぼ同じであるため、端末装置1は、配送用容器3の内部の温度が最低到達温度に達した時点、又は、最低到達温度の予測値が適正温度範囲内であり且つ配送用容器3の内部の温度が適正温度範囲内に入った時点で、配送作業者に対して配送用容器3の内部の温度が適正範囲内であることを通知することができる。
【0059】
図8(i)には、第2温度変化パターンにおいて、配送用容器3の内部の最低到達温度が下限値より低い場合が示されている。この場合、投入された保冷材が溶けるまで、配送用容器3の内部の温度が適正温度範囲内に入ることはなく、配送作業者がこの配送用容器3を配送作業に用いることはできない。よって端末装置1は、第2温度変化パターンにおいて最低到達温度が適正温度範囲より低いことを予測した時点、又は、配送用容器3の内部の温度が下限値より下がった時点で、配送作業者に対して配送用容器3の内部の温度が適正温度範囲外であることを通知することができる。この場合に端末装置1は、例えば配送用容器3に投入した保冷材の数が多すぎる可能性があること、保冷材の種類が不適切であること、又は、配送用容器3内における保冷材の配置が不適切であること等を配送作業者に通知してよい。
【0060】
このように、本実施の形態に係る情報処理システムでは、温度変化パターンに対してそれぞれ異なる温度条件が定められており、端末装置1は、配送作業者の入力又は自らの判断に基づいて温度変化パターンがいずれであるかを判定し、温度変化パターンに応じた温度条件を用いて、配送用容器3の内部の温度が適正温度範囲になったか否か等の判定を行う。
【0061】
図9及び図10は、本実施の形態に係る端末装置1が行う温度判定処理の手順を示すフロートである。本実施の形態に係る端末装置1の処理部11は、例えば配送用容器3に保冷材を投入した配送作業者の操作により、本フローチャートの処理を開始する。処理部11の到達温度予測部11bは、情報取得部11aが配送用容器3から周期的に繰り返し取得した時系列の温度情報に基づき、配送用容器3の内部の温度について最低到達温度を予測する処理を行う(ステップS1)。このときに到達温度予測部11bは、例えば処理の開始から数回分の温度情報を基に、配送用容器3の内部の温度の変化率(一次微分値)と、この変化率の変化率(二次微分値)とを算出し、温度の変化率が0になる際の配送用容器3の内部の温度を算出し、算出した温度を最低到達温度の予測値とすることができる。
【0062】
次いで処理部11は、例えば処理の開始前等の時点において配送作業者による温度変化パターンの入力がなされたか否かを判定する(ステップS2)。温度変化パターンの入力がなされている場合(S2:YES)、処理部11は、ステップS4へ処理を進める。温度変化パターンの入力がなされていない場合(S2:NO)、処理部11のパターン判定部11cは、情報取得部11aが取得した温度情報を基に、温度変化パターンが第1温度変化パターン又は第2温度変化パターンのいずれであるかを判定する温度変化パターン判定処理を行い(ステップS3)、ステップS4へ処理を進める。なお温度変化パターン判定処理の詳細については、後述する。
【0063】
処理部11の温度判定部11dは、配送作業者により入力された温度変化パターン又はステップS3の処理にて判定した温度変化パターンが第1温度変化パターンであるか否かを判定する(ステップS4)。第1温度変化パターンである場合(S4:YES)、温度判定部11dは、ステップS1にて予測した最低到達温度が適正温度範囲の上限値より高いか否かを判定する(ステップS5)。最低到達温度が上限値より高い場合(S5:YES)、処理部11の通知処理部11eは、例えば「保冷材を確認してください。凍結不足・数量不足・保冷材種類の選択ミスの可能性があります。」等のメッセージを表示部14に表示してエラーを通知し(ステップS9)、処理を終了する。
【0064】
最低到達温度が上限値より低い場合(S5:NO)、温度判定部11dは、配送用容器3の内部の温度が安定温度に達したか否かを判定する(ステップS6)。このときに温度判定部11dは、例えば配送用容器3の内部の温度が最低到達温度に達した後、情報取得部11aが周期的に取得する温度情報に基づき、配送用容器3の内部の温度の変化率を繰り返し算出する。温度判定部11dは、繰り返し算出する変化率について、変化率≒0の状態(変化率が0±αの範囲内にある状態)が所定回数連続した場合に、配送用容器3の内部の温度が安定温度に達したと判定することができる。なお、上記のαの値、及び、安定温度に達したと判定する連続回数は、本実施の形態に係る情報処理システムの設計者等により予め決定される。配送用容器3の内部の温度が安定温度に達していない場合(S6:NO)、温度判定部11dは、安定温度に達するまで待機する。
【0065】
配送用容器3の内部の温度が安定温度に達した場合(S6:YES)、温度判定部11dは、安定温度が適正温度範囲の下限値より高く且つ上限値より低いか否かを判定する(ステップS7)。安定温度が適正温度範囲の下限値より高く且つ上限値より低い場合(S7:YES)、即ち安定温度が適正温度範囲内である場合、通知処理部11eは、例えば「適正な温度になりました。」等のメッセージを表示部14に表示して、配送用容器3の内部の温度が適正温度範囲であることを通知し(ステップS8)、処理を終了する。
【0066】
安定温度が適正温度範囲の下限値より低い、又は、上限値より高い場合(S7:NO)、即ち安定温度が適正温度範囲外である場合、通知処理部11eは、メッセージを表示部14に表示してエラーを通知し(ステップS9)、処理を終了する。なおこのときに通知処理部11eは、安定温度が下限値より低い場合、例えば「保冷材を確認してください。過剰数量・保冷材種類の選択ミス・保冷材設置位置ミスの可能性があります。」等のメッセージを表示することができる。安定温度が上限値より高い場合、通知処理部11eは、例えば「保冷材を確認してください。凍結不足・数量不足・保冷材種類の選択ミスの可能性があります。」等のメッセージを表示することができる。
【0067】
また、温度変化パターンが第1温度変化パターンではない、即ち第2温度変化パターンである場合(S4:NO)、温度判定部11dは、ステップS1にて予測した最低到達温度が適正温度範囲の下限値より高く且つ上限値より低いか否かを判定する(ステップS10)。最低到達温度が適正温度範囲の下限値より低い、又は、上限値より高い場合(S10:NO)、通知処理部11eは、メッセージを表示部14に表示してエラーを通知し(ステップS13)、処理を終了する。なおこのときに通知処理部11eは、最低到達温度が下限値より低い場合、例えば「保冷材を確認してください。過剰数量・保冷材種類の選択ミス・保冷材設置位置ミスの可能性があります。」等のメッセージを表示することができる。最低到達温度が上限値より高い場合、通知処理部11eは、例えば「保冷材を確認してください。凍結不足・数量不足・保冷材種類の選択ミス
の可能性があります。」等のメッセージを表示することができる。
【0068】
最低到達温度が適正温度範囲の下限値より高く且つ上限値より低い場合(S10:YES)、即ち最低到達温度が適正温度範囲内である場合、温度判定部11dは、情報取得部11aが取得した最新の温度情報に基づいて、配送用容器3の内部の現在の温度が正温度範囲の上限値より低いか否かを判定する(ステップS11)。現在の温度が上限値より高い場合(S11:NO)、温度判定部11dは、現在の温度が上限値より低くなるまで待機する。現在の温度が上限値より低い場合(S11:YES)、通知処理部11eは、例えば「適正な温度になりました。」等のメッセージを表示部14に表示して、配送用容器3の内部の温度が適正温度範囲であることを通知し(ステップS12)、処理を終了する。
【0069】
図11は、本実施の形態に係る端末装置1が行う温度変化パターン判定処理の手順を示すフローチャートであり、図9に示したフローチャートのステップS3にて行われる処理である。本実施の形態に係る端末装置1の処理部11の情報取得部11aは、配送用容器3から温度情報を取得する(ステップS21)。処理部11のパターン判定部11cは、情報取得部11aが取得した温度情報を基に、配送用容器3の内部の温度の変化率を算出する(ステップS22)。パターン判定部11cは、ステップS22にて算出した変化率について、変化率≒0の状態(変化率が0±αの範囲内にある状態)であるか否かを判定する(ステップS23)。
【0070】
変化率≒0の状態である場合(S23:YES)、パターン判定部11cは、情報取得部11aにより繰り返し取得される温度情報に基づいて、変化率≒0の状態が所定回数連続したか否かを判定する(ステップS24)。変化率≒0の状態が所定回数連続していない場合(S24:NO)、パターン判定部11cは、ステップS21へ処理を戻す。変化率≒0の状態が所定回数連続した場合(S24:YES)、パターン判定部11cは、温度変化パターンが第2温度変化パターンであると判定し(ステップS26)、温度変化パターン判定処理を終了する。
【0071】
変化率≒0の状態ではない場合(S23:NO)、パターン判定部11cは、前回に算出した変化率と今回に算出した変化率とを比較して、変化率の符号が負から正に反転したか否かを判定する(ステップS25)。変化率の符号が正負反転していない場合(S25:NO)、パターン判定部11cは、ステップS21へ処理を戻す。変化率の符号が負から正に反転した場合(S25:YES)、パターン判定部11cは、温度変化パターンが第1温度変化パターンであると判定し(ステップS27)、温度変化パターン判定処理を終了する。
【0072】
<まとめ>
以上の構成の本実施の形態に係る情報処理システムでは、端末装置1が、配送用容器3に設けられた温度センサ34が測定した内部の温度を取得し、取得した配送用容器3の内部の温度が、温度変化パターンに対応付けられた温度条件を満たすか否かを判定し、判定結果を通知する。温度変化パターンは、例えば温度変化にオーバーシュートを含む第1温度変化パターン又はオーバーシュートを含まない第2温度変化パターンのいずれかとすることができる。これにより情報処理システムは、配送用容器3の温度変化パターンに適した温度管理の支援を実現することが期待できる。
【0073】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、端末装置1が配送作業者から温度変化パターンの入力を受け付けて、受け付けた温度変化パターンに対応付けられた温度条件を満たすか否かを判定する。これにより情報処理システムは、配送作業者の経験等に照らし合わせて温度変化パターンが判断可能な場合に、配送作業者から適切な温度変化パターンを受け付けて温度管理の支援を行うことが期待できる。
【0074】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、端末装置1が配送用容器3から周期的に取得した複数時点の温度に基づいて配送用容器3の温度変化パターンを判定する。端末装置1は、配送用容器3から取得した複数時点の温度に基づいて温度変化率を算出し、算出した温度変化率に基づいて温度変化パターンを判定することができる。これにより情報処理システムは、配送作業者が温度変化パターンを判断できない場合であっても、端末装置1が温度変化パターンを判定して、適切な温度変化パターンに基づく温度管理の支援を行うことが期待できる。
【0075】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、端末装置1が配送用容器3から周期的に取得した複数時点の温度に基づいて温度変化率を算出し、算出した温度変化率に基づいて、温度変化の方向が反転する際の到達温度を算出し、算出した到達温度が所定の温度範囲内であるかを判定する。これにより情報処理システムは、配送用容器3の内部の到達温度を温度変化率に基づいて予測することができ、予測した到達温度を基により早いタイミングで判定を行うことが期待できる。
【0076】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、温度変化パターンがオーバーシュートを含む第1温度変化パターンである場合、このオーバーシュートについて温度変化の方向願反転した後、配送用容器3の内部の温度が安定した際の安定温度を端末装置1が取得し、安定温度が所定の温度範囲内であるか否かを判定する。これにより情報処理システムは、オーバーシュート時の温度変化により誤判定することなく、配送用容器3が適正な温度範囲になったことを精度よく判定することが期待できる。
【0077】
なお本実施の形態においては、配送用容器3に保冷材を投入して保冷を行う場合について説明したが、本実施の形態に係る技術は保冷に限るものではなく、保温にも同様に適用することができる。配送用容器3に予め温めた保温材を投入した場合、配送用容器3の内部の温度は上昇して安定温度に到達するが、オーバーシュートの後に安定温度に到達する温度変化パターンと、オーバーシュートなしに安定温度に到達する温度変化パターンとが生じ得る。情報処理システムは、上述の保冷における処理を正負反転させて行う、例えば上限値を下限値に、下限値を上限値に、最低温度を最高温度に、最低到達温度を最高到達温度に、増加を減少に、減少を増加に読み替え、また例えば条件中の不等号の向きを反転させることで、保温を行う場合に対応することができる。
【0078】
<実施の形態2>
図12は、実施の形態2に係る情報処理システムの一構成例を示す模式図である。実施の形態2に係る情報処理システムは、配送作業者が使用する端末装置201及び荷物を収容する配送用容器3と、配送用容器3の内部温度の判定等の処理を行うサーバ装置202とを備えて構成されている。端末装置201及びサーバ装置202は、例えば携帯電話通信網及びインターネット等のネットワークを介して通信を行うことができる。
【0079】
実施の形態2に係る情報処理システムにおいて、配送用容器3は、所定の周期で内部の温度を測定し、測定結果を含む温度情報を端末装置201へ送信する。実施の形態2に係る端末装置201は、配送用容器3から送信された温度情報を受信し、受信した温度情報に例えば自身のID、タイムスタンプ及び端末装置201の位置情報等の情報を適宜に追加し、この温度情報をサーバ装置202へ送信する。
【0080】
実施の形態2に係るサーバ装置202は、端末装置201が周期的に送信する温度情報を受信し、受信した温度情報を基に、配送用容器3の内部の温度の予測及び判定等の処理を行う。サーバ装置202は、温度の予測処理及び判定処理等の処理結果を端末装置201へ送信する。端末装置201は、サーバ装置202から送信される情報を受信し、受信した情報に基づいて配送用容器3の内部の温度の予測結果及び判定結果等を配送作業者へ通知する。
【0081】
図13は、実施の形態2に係るサーバ装置202の一構成例を示すブロック図である。実施の形態2に係るサーバ装置202は、処理部221、記憶部222及び通信部223等を備えて構成されている。処理部221は、CPU又はMPU等の演算処理装置、ROM及びRAM等を用いて構成されている。処理部221は、記憶部222に記憶されたプログラム222aを読み出して実行することにより、配送用容器3の内部温度の予測及び判定等の処理を行う。
【0082】
記憶部222は、例えばハードディスク等の大容量の記憶装置を用いて構成されている。実施の形態2において記憶部222は、処理部221が実行するプログラム222aを記憶する。プログラム222aは、ネットワークを介した配信の態様で提供されてもよく、記録媒体98に記録された態様で提供されてもよい。通信部223は、例えばインターネット、LAN(Local Area Network)又は携帯電話通信網等を含むネットワークを介して、配送作業者が使用する一又は複数の端末装置201との間で通信を行う。
【0083】
なお記憶部222は、サーバ装置202に接続された外部記憶装置であってもよい。またサーバ装置202は、複数のコンピュータを含んで構成されるマルチコンピュータであってよく、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよい。またサーバ装置202は、上記の構成に限定されず、例えば可搬型の記憶媒体に記憶された情報を読み取る読取部、操作入力を受け付ける入力部、又は、画像を表示する表示部等を含んでもよい。
【0084】
また実施の形態2に係るサーバ装置202には、記憶部222に記憶されたプログラム222aを処理部221が読み出して実行することにより、情報取得部211a、到達温度予測部11b、パターン判定部11c、温度判定部11d及び通知処理部211e等がソフトウェア的な機能部として処理部221に実現される。
【0085】
実施の形態2に係るサーバ装置202の到達温度予測部11b、パターン判定部11c及び温度判定部11dが行う処理は、実施の形態1に係る端末装置1の到達温度予測部11b、パターン判定部11c及び温度判定部11dが行う処理と略同じであるため、説明は省略する。
【0086】
実施の形態2に係るサーバ装置202の情報取得部211aは、通信部223にて端末装置201との通信を行うことにより、端末装置201が配送用容器3から取得した温度情報を取得する。情報取得部211aが取得した情報に基づいて、サーバ装置202の到達温度予測部11b、パターン判定部11c及び温度判定部11dの処理が行われる。
【0087】
通知処理部221eは、温度判定部11dによる判定結果を含む情報を端末装置201へ送信することにより、この判定結果を端末装置201に通知させる処理を行う。通知処理部221eは、例えば配送用容器3の内部の温度が適正温度範囲に入った場合に、準備が完了した旨の通知を端末装置201に行わせる。通知処理部221eは、例えば配送用容器3の内部の温度が適正温度から外れた場合に、異常が発生した旨の通知を端末装置201に行わせる。
【0088】
なおブロック図の図示は省略するが、実施の形態2に係る端末装置201は、図2に示した実施の形態1に係る端末装置1の到達温度予測部11b、パターン判定部11c及び温度判定部11dを備えていなくてよい。実施の形態2に係る端末装置201は、配送用容器3から取得した情報をサーバ装置202へ送信することで、配送用容器3及びサーバ装置202の間の情報授受を仲介する。また端末装置201は、サーバ装置202から受信した情報に基づき配送作業者への通知を行うことにより、サーバ装置202及び配送作業者の間の情報授受を仲介する。
【0089】
なお、実施の形態2に係る情報処理システムのその他の構成は、実施の形態1に係る情報処理システムと同様であるため、同様の箇所には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0090】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0091】
<付記>
(付記1)
情報処理装置が、
配送用容器に設けられた温度センサが測定した前記配送用容器内の温度を取得し、
取得した前記配送用容器内の温度が、温度変化パターンに対応付けられた温度条件を満たすか否かを判定し、
判定結果を通知する、
情報処理方法。
(付記2)
前記温度変化パターンの入力を受け付け、
取得した前記配送用容器内の温度が、受け付けた前記温度変化パターンに対応付けられた温度条件を満たすか否かを判定する、
付記1に記載の情報処理方法。
(付記3)
取得した複数時点の温度に基づいて前記配送用容器内の温度変化パターンを判定し、
取得した前記配送用容器内の温度が、判定した前記温度変化パターンに対応付けられた温度条件を満たすか否かを判定する、
付記1又は付記2に記載の情報処理方法。
(付記4)
取得した複数時点の温度に基づいて温度変化率を算出し、
算出した前記温度変化率に基づいて温度変化パターンを判定する、
付記3に記載の情報処理方法。
付記5
前記温度変化パターンは、前記配送用容器内の温度変化にオーバーシュートを含む第1パターン又は前記オーバーシュートを含まない第2パターンのいずれかである、
付記1から付記3までのいずれか1つに記載の情報処理方法。
(付記6)
取得した複数時点の温度に基づいて温度変化率を算出し、
算出した前記温度変化率に基づいて、温度変化の方向が反転する際の到達温度を算出し、
算出した前記到達温度が所定の温度範囲内であるか否かを判定する、
付記1から付記5までのいずれか1つに記載の情報処理方法。
(付記7)
前記温度変化パターンが、前記配送用容器内の温度変化にオーバーシュートを含むパターンである場合に、
温度変化の方向が反転した後、温度変化が安定した際の安定温度を取得し、
取得した前記安定温度が前記所定の温度範囲内であるか否かを更に判定する、
付記6に記載の情報処理方法。
(付記8)
コンピュータに、
配送用容器に設けられた温度センサが測定した前記配送用容器内の温度を取得し、
取得した前記配送用容器内の温度が、温度変化パターンに対応付けられた温度条件を満たすか否かを判定し、
判定結果を通知する
処理を実行させる、コンピュータプログラム。
(付記9)
配送用容器に設けられた温度センサが測定した前記配送用容器内の温度を取得する取得部と、
取得した前記配送用容器内の温度が、温度変化パターンに対応付けられた温度条件を満たすか否かを判定する判定部と、
判定結果を通知する通知部と
を備える、情報処理装置。
【符号の説明】
【0092】
1 端末装置(情報処理装置、コンピュータ)
3 配送用容器
11 処理部
11a 情報取得部
11b 到達温度予測部
11c パターン判定部
11d 温度判定部
11e 通知処理部
12 記憶部
12a プログラム(コンピュータプログラム)
13 通信部
14 表示部
15 操作部
16 GPS受信部
31 制御部
32 記憶部
33 通信部
34 温度センサ
35 開閉センサ
36 加速度センサ
201 端末装置
202 サーバ装置(情報処理装置、コンピュータ)
221 処理部
221a 情報取得部
221e 通知処理部
222 記憶部
222a プログラム(コンピュータプログラム)
223 通信部
図1
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