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▶ パライレット,トレバーの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006787
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】ゴルフティー
(51)【国際特許分類】
   A63B 57/10 20150101AFI20240110BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20240110BHJP
【FI】
A63B57/10
A63B102:32
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022108000
(22)【出願日】2022-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】522269004
【氏名又は名称】パライレット,トレバー
【氏名又は名称原語表記】PALAIRET,Trevor
【住所又は居所原語表記】21 Vaughans Road Inverness, Queensland, 4703 Australia
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】パライレット,トレバー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】壊れにくく、且つ飛び去りにくい、ゴルフティーが開示される。
【解決手段】ゴルフティー10は、中心の柱15を囲む壁35を含む頭部12を有し、胴部20は頭部より下にあり、およびステム21、ステムの下のグリップリング構造、およびグリップリング構造より下の、先の尖った先端を備える末端接地ツール30を含む。グリップリング構造は、ステムの拡張部のまわりに配置される1つまたは複数のリング50を含み得る。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフティーであって、前記ゴルフティーは、
頭部であって、前記頭部は、中心の柱と、前記柱を囲み且つリムを有する折り畳み可能な連続した壁とを含み、その結果、中空にされた部分が前記壁と前記柱の間に存在し、ここで前記中心の柱は、平坦であるか又は輪郭形成された上面、上端、および下端を含み、
ここで前記壁は、横断面が円形であり、且つ対称的な曲線または直線の椀形状であり、
ここで前記中心の柱の上面は、前記リムよりも低く、その結果、前記リムは、ゴルフボールを確実に受け入ると同時にゴルフボールが前記中心の柱上に静止することを可能にするように構成された壁の上縁となる、頭部と、
前記頭部に動作可能に接続し且つ前記頭部の下に位置される胴部であって、前記胴部は、前記頭部より下にあるステム、前記ステムより下にあるグリップリング構造、および前記グリップリング構造より下にある末端接地ツールを含み、
ここで前記グリップリング構造は、ゴルフティーが下降されるグラウンドに少なくとも部分的に埋没し、且つグラウンドをグリップするように構成され、
ここで前記末端接地ツールは、先の尖った先端が終端となり、ここで前記ゴルフティーは、中心軸に沿って延在し、中心軸に沿って、前記頭部の最上部から前記先の尖った先端まで延在する高さを有し、前記中心軸に沿って、先の尖った先端から前記高さの40%~60%離れて位置する前記ゴルフティーの質量中心を有する、胴部を含む、
ゴルフティー。
【請求項2】
前記ステムは、天方向から地方向にかけて直径を維持するか、または天方向から地方向にかけて直径を増加させる、請求項1に記載のゴルフティー。
【請求項3】
前記グリップリング構造は、複数のグリップリングを含み、および、前記先の尖った先端は、複数のグリップリングより下に組み込まれる、請求項1に記載のゴルフティー。
【請求項4】
前記グリップリング構造は、複数のグリップリングまたは単数のグリップリングを含み、および前記接地ツールは、弾丸形状であり、前記胴部からの対称的な拡張によって作り出される上部レッジを含み、その結果、前記弾丸形状の上部が前記単数のグリップリングまたは前記複数のグリップリングの外径以下の直径を有する、請求項1に記載のゴルフティー。
【請求項5】
前記グリップリング構造は、複数のグリップリングまたは単数のグリップリングを含み、および、前記単数のグリップリングまたは前記複数のグリップリングは、断面において逆L字に類似するように構成される、請求項1に記載のゴルフティー。
【請求項6】
前記グリップリング構造は、複数のグリップリングまたは単数のグリップリングを含み、および、前記単数のグリップするまたは複数のグリップリングは、偏菱形または台形に類似するように構成される、請求項1に記載のゴルフティー。
【請求項7】
前記グリップリング構造は、前記ステムの下の前記胴部からの、単一の球根形状の拡張しか含まない、請求項1に記載のゴルフティー。
【請求項8】
前記接地ツールは弾丸形状の特徴であり、前記接地ツールの最上部において鋭いまたは湾曲した縁を備えたレッジを有する、請求項1に記載のゴルフティー。
【請求項9】
前記グリップリング構造は、ステムより下の胴部において「L」字形状または「C」字形状の溝によって形成された多数グリップリングを含む、請求項1に記載のゴルフティー。
【請求項10】
前記グリップリング構造は、複数のグリップリングを含み、および前記ステムは、前記複数のグリップリングの外径と同程度の幅広さであり、ここで前記複数のグリップリングは、前記ステムより下の前記胴部に配される同心円状の溝によって形成される、請求項1に記載のゴルフティー。
【請求項11】
前記中心の柱は、ゴルフボールの重量を軸方向に伝えるように構成される、請求項1に記載のゴルフティー。
【請求項12】
前記末端接地ツールは、拡張がない前記ステムの継続を含み、ここで拡張がない前記ステムの継続は、先の尖った先端を構成して終結する、請求項1に記載のゴルフティー。
【請求項13】
前記グリップリング構造は、単一のグリップリング、複数のグリップリング、または複数のグリップする溝を含み、ここで前記単一のグリップリング、前記複数のグリップリング、および前記複数のグリップする溝は、前記ステムより下の前記胴部の下部区画上に同心円状に配置される、請求項1に記載のゴルフティー。
【請求項14】
前記末端接地ツールは、弾丸形状、または魚雷形状である、請求項1に記載のゴルフティー。
【請求項15】
前記頭部は、前記ゴルフティーの質量の15%~25%の間を含む、請求項1に記載のゴルフティー。
【請求項16】
前記頭部は、前記ティーの長さの10%~20%の間を形成する、請求項1に記載のゴルフティー。
【請求項17】
前記ステムの少なくとも一部を囲んで下方に向かって傾斜するスカートをさらに含み、前記スカートは、前記ステムに接合する上部円周と、前記上部円周より大きな下部円周とを有し、前記下部円周は、前記ステムと前記グリップリング構造との間の接合部に垂直に位置合わせされ、または前記接合部の上にあり、ここで前記上部円周より下で、前記スカートと前記ステムとの間に中空空間が形成される、請求項1に記載のゴルフティー。
【請求項18】
前記中心軸と、前記上部円周および前記下部円周を接続する前記スカートの傾斜された表面との間の角は、75~80度の間である、請求項17に記載のゴルフティー。
【請求項19】
前記ステムから放射状に延在する平面スカートを含み、前記平面スカートの下部にある平坦な基部は、前記ステムと前記グリップリング構造との間の接合部と、垂直に位置合わせされ、または、前記接合部より上にある、請求項1に記載のゴルフティー。
【請求項20】
前記グリップリング構造および前記末端接地ツールは、一体となってゴルフティーの質量の約35~50%をなす、請求項1に記載のゴルフティー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は2020年8月23日に出願された米国特許出願第17/000,340号の一部継続出願であり、その全体は本明細書に組み入れられる。
【0002】
この発明はゴルフティーに関する。
【背景技術】
【0003】
多種多様なティーが存在し、その各々が様々なグループの特性を有する。存在している種々の通常用途のティーに関する問題として、(i)ティーがあまりに脆く、たやすく壊れること、(ii)打たれたとき、ティーがグラウンドから飛び去り、失われるか、取りに行く必要があり、そのことが時間をとり、ゲームの楽しみを減じること、(iii)特に低摩擦を謳うタイプの、不適切なボール支持台のために、特に手が震える年配のゴルファーにとって、ゴルフボールをティーに置くのが難しいこと、(iv)頭部が、必要とされる下方圧力を支持しないため、ゴルフボールを使用して従来の方法でティーをグラウンドの中へ差し込むことができないこと(例えば、「ブラシ・ティー」、あるいはゴムまたはシリコンのボール支持部の種類)、(v)ティーがあまりに高価であり、その一方で、使用の容易さ、実用性、耐久性、およびティーショットの後にグラウンドまたはゴルファーのごく近くに留まる性能の点から、真の価値を提供しないこと、(vi)柔軟すぎるステムのため、ティーをグラウンドの中へ差し込むのが難しいこと、(vii)ティーが、指向性のどんな徴候も許していない現行規則に準拠していないこと、および(viii)ティーが容易に壊れるかまたは容易に飛び去るため、頻繁に紛失され、および散乱ゴミの問題になること、が挙げられる。上記の問題すべてに対処する既存のティーはない。
【0004】
通常用途のティーで、容易に破損し、および打たれたときに頻繁に遠くに飛んで紛失されるものには、以下の傾向がある。(i)安価であり、(ii)大量生産され、および、(iii)多量販売される。大量生産されるティーの典型である通常用途のティーは、従来の木製のティー、および頭部が大きい柔軟なプラスチックのティーの種類を含み、その両方ともが非常によく売られている。通常用途のこれらの種類のティーを購入するゴルファーの観念として以下が挙げられる。(i)これらのティーは各自の地元のグラウンドコンディションにおいて使用するのが容易である。(ii)ゴルファーはこれらのティーに精通している。および、(iii)ティーは安く購入できる。大量ロットでこれらのティーを販売することは、それらが頻繁に壊れ、または紛失され、および散乱ゴミの問題となるのを認容することである。通常用途のいくつかのティーは、数個の部位からなり、およびティーの飛び去りと破損の問題に対処するよう設計されている。通常用途のこれらのティーの短所は、(i)費用が増加されること、(ii)使用するのに不便であること、および、(iii)依然としてばらばらに壊れ、または飛び去り、意図されたように機能しないことである。
【0005】
これらの短所を是正するために、ゴルフティーは以下のように製造される。(1)鮮やかな色を呈する。(2)強い複合材料からなる。(3)複数の組み立て済み部分で構築される。(4)空気力学的でないように構成される。(5)生物分解性材料からなる。および(6)衝撃で崩壊する自然素材からなる。しかし、これらの是正措置には次の他の短所が伴う。
【0006】
是正措置1の短所
グラウンドから飛び去る通常用途のティーのために、一般的に講じられる対応策は、鮮やかな色を使用することである。鮮やかな色は、グラウンドから飛び去った後、ティーを見つけるのをより容易にするように意図されている。ゴルファーは、そうした鮮やかな色の通常用途のティーを見つけること、特に最大で10メートルも飛ぶ幾つか様式のものを見つけることが、依然として困難であることに気づいている。ティーグラウンド近辺の小枝、落ち葉、または長い芝生もまた、この問題を悪化させ、そのことがゴルファーを苛立たせ、およびゴルフコース上の散乱ゴミにつながっている。
【0007】
是正措置2および3の短所
強い複合材料および複数の組み立て済み部分(例えば、内蔵スプリングまたは付属のアンカー部材)は、ティーの飛びおよび破損の問題に対処するために使用される。この類のものはコストの増加を伴い、一方でティーの飛びと破損のどちらにも対処することがめったにない。さらに、複合材料および複数の組み立て済み部分からなるティーは、使用するのに必ずしも便利だとは限らず、セットアップのために余分な時間を必要とする。
【0008】
是正措置4の短所
非空気力学のゴルフティーは、最初は飛び出し、そしてあまり遠くに外に飛ばないように設計されている。これらのティーは、依然として飛び、および取りに行く必要があるが、非対称形状であり、従って、全米ゴルフ協会(USGA)の規則に準拠しない。
【0009】
是正措置5および6の短所
生分解性の材料および衝撃で崩壊するおよび自然素材は、散乱ゴミを低減させるが、これらの材料からできているゴルフティーは、より高価な傾向があり、単回の使用に限られ、および耐久性が低くなる。
【0010】
ゴルフティーのマーケティングおよび設計における大きな焦点は、ティーが抗力または摩擦のためにティーショットの質に重大な効果を持ち得るという主張に基づく。例えば、ドライブの距離を増加させることができるか、または回転に影響しないドライブを提供することができると謳うティーの種類がある。この謳われた重大な摩擦に対する調節を試みた現在使用されるティーは、確実にゴルフボールを支持して使いやすいというそれらの主な役割を遂行するのに適切ではない。
【0011】
以上に説明されるとおり、必要とされるのは、これらの短所に対処することができるティーである。
【発明の概要】
【0012】
本発明のいくつかの実施態様の態様は、頭部と胴部を含む、ゴルフティーに関する。頭部は中心の柱と、その柱を囲む折り畳み可能な連続的な壁を含む。折り畳み可能な壁はリムを有し、その結果、壁と柱との間に中空にされた部分が存在する。中心の柱は、平面または輪郭形成された上面、上端部および下端部を含む。壁は、横断面が円形であり、且つ対称的な曲線または直線の椀形状である。中心の柱の上面は、リムよりも低く、その結果、リムは、ゴルフボールを確実に受け入ると同時にゴルフボールが中心の柱の上に静止することを可能にするように構成された壁の上縁となる。胴部は、操作可能に頭部に接続し、頭部より下に位置する。胴部は、頭部より下のステム、ステムより下のグリップリング構造、およびグリップリング構造より下の末端接地ツールを含む。ゴルフティーがグラウンドに押し下げられて、グリップする構造は少なくとも部分的にグラウンドに埋没され、およびグラウンドをグリップするように構成される。末端接地ツールは、先の尖った先端が終端となる。ゴルフティーは、中心軸に沿って延在し、中心軸に沿って頭部の最上部から先の尖った先端まで延在する高さを有し、および中心軸に沿って、先の尖った先端から前記高さの40%~60%離れて位置するゴルフティーの質量中心を有する。
【0013】
ある変形例では、ステムは、天方向から地方向まで直径を維持するか、または天方向から地方向まで直径を増加させる。
【0014】
別の変形例では、グリップリング構造は、複数のグリップリングを含み、および、先の尖った先端は、複数のグリップリングの下方に組み込まれる。
【0015】
さらに別の変形例では、グリップリング構造は、複数のグリップリングまたは単数のグリップリングを含み、および、接地ツールは、弾丸形状であり、弾丸形状の上部が単数のグリップリングまたは複数のグリップリングの外径以下の直径を有するように、胴部からの対称的な拡張によって作り出される上部レッジを含む。
【0016】
さらなる変形例では、グリップリング構造は、複数のグリップリングまたは単数のグリップリングを含み、および、単数のグリップリングまたは複数のグリップリングは、断面において逆L字に類似するように構成される。
【0017】
さらなる変形例では、グリップリング構造は、複数のグリップリングまたは単数のグリップリングを含み、および、単数のグリップリングまたは複数のグリップリングは、略偏菱形または略台形に類似するように構成される。
【0018】
ある変形例では、グリップリング構造は、ステムの下の胴部からの、単一の球根形の拡張だけを含む。
【0019】
別の変形例では、接地ツールは弾丸形状の容貌であり、接地ツールの最上部において鋭角の又は曲線の縁を備えたレッジを有する。
【0020】
さらに別の変形例では、グリップリング構造は、ステムより下の胴部において「L」字型または「C」字型の溝によって形成された複数のグリップリングを含む。
【0021】
さらなる変形例では、グリップリング構造は、複数のグリップリングを含み、およびステムは、上記複数のグリップリングの外径と同程度の幅広さであり、ここで複数のグリップリングは、ステムより下の胴部に配される同心円状の溝によって形成される。
【0022】
さらなる変形例では、中心の柱はゴルフボールの重量を軸方向に伝えるように構成される。
【0023】
ある変形例では、末端接地ツールは、拡張されないステムの継続を含み、ここで拡張されないステムの継続は、尖った先端を構成して終結する。
【0024】
別の変形例では、グリップ構造は、単一のグリップリング、複数のグリップリング、または複数のグリップ溝を含み、ここで単一のグリップリング、複数のグリップリング、および複数のグリップ溝は、ステムより下の胴部の下部区画で同心的に配置される。
【0025】
また別の変形例では、末端接地ツールは、弾丸形状、または魚雷形状である。
【0026】
さらなる変形例では、頭部は、ティーの質量の15%~25%の間を含む。
【0027】
さらなる変形例では、頭部は、ティーの長さの10%~20%の間を形成する。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態では、ゴルフティーは、ステムの少なくとも部分を囲んで下方に向かって傾斜するスカートをさらに含む。スカートは、ステムに接合する上部円周と、上部の円周より大きな下部円周とを有する。下部円周は、ステムとグリップリング構造との間の接合部と、垂直に位置合わせされ、または、接合部より上にある。上部円周より下で、スカートとステムとの間に中空空間が形成される。
【0029】
中心軸と、上部円周および下部円周とを接続するスカートの傾斜された表面との間の角は、75~80度の間であり得る。
【0030】
ある変形例では、ゴルフティーは、ステムから放射状に延在する平面スカートを含む。スカートの下部平面基底は、ステムとグリップリング構造との間の接合部に沿って垂直に位置合わせされ、または、該接合部の上に位置する。
【0031】
別の変形例では、グリップリング構造および末端接地ツールは、一体となってゴルフティーの質量の約35~50%をなす。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明は、1つまたは複数の多様な実施態様に従って、以下の図面を参照して詳細に説明される。図面は例証の目的のためにのみ提供され、また、単に、本発明の典型的な実施形態または例示的な実施形態を図解する。これらの図面は、読み手の本発明の理解を容易にするために提供され、本発明の幅広さ、範囲、または適用可能性を制限しないように考慮されるものとする。例証の明確さおよび容易さのために、これら図面は同一縮尺である必要はないことに、留意されたい。
【0033】
図1】本発明の原理による、好ましいゴルフティーの正面図である。
図2】本発明の原理による、図1のゴルフティーの直線A-Aの断面図である。
図3】本発明の原理による、ゴルフティーの斜視図である。
図4】本発明の原理による、ゴルフティーの別の正面図である。
図5】本発明の原理による、ゴルフティーのまた別の正面図である。
図6】本発明の原理による、一連の溝を備えたより幅が広いゴルフティーの正面図である。
図7】本発明の原理による、球根形状のグリップリングを有する、ゴルフティーの正面図である。
図8】スカートを有し、グリップリング構造がグラウンドの中へ完全に埋没される時にスカートの下部がグラウンドに接触するようにステムから延在する、本発明のいくつかの実施態様によるゴルフティーの正面図である。
図9図8のゴルフティーの断面図である。
図10図8図9のゴルフティーの斜視図である。
図11】本発明のいくつかの実施態様による、ステムから放射状に延在する平面スカートを有するティーを例示する。
図12】本発明のいくつかの実施態様による、ステムから放射状に延在する平面スカートを有するティーを例示する。
【0034】
図面は、網羅的であること、または本発明を開示された正確な形状へ制限することを、意図していない。本発明が修正および変更を伴って実施され得ること、および本発明が特許請求の範囲とそれらの同等物によってのみ制限されることは、理解されよう。
【0035】
本明細書に含まれる図のいくつかは、異なる視角からの本発明の様々な実施形態を例証する。付随的な説明文は、「平面」、「底面」または「側面」図などの図を参照する可能性があるが、そのような参照は単に説明的であって、特に明示的に述べられていなければ、本発明が特定の空間的配向において使用または実施されることを意味することも、要求することもない。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本明細書のシステムと方法の特徴は、非常に長持ちするゴルフティーを対象とする。このティーは、機能的なゴルフボール保持頭部を有し、広範囲のティーグランド条件に対して十分に頑強であり、グラウンドから飛び去らない。従って、ティーは、現在使用されているティーの問題を解決する。
【0037】
本発明は、例示的実施態様の観点から本明細書に記載される。この記載の読後、当業者にとって、本発明が異なる実施形態および代替的な実施形態においてどのように実施され得るのかが明らかとなるだろう。
【0038】
随時に、本発明は、例示的環境の観点から本明細書に記載される。これらの環境の観点からの説明は、本発明の様々な特徴および実施形態が、例示的な応用において描写される場合を可能にするために提供される。この記載の読後、当業者にとって、本発明が異なった環境および代替的な環境においてどのように実施され得るのかが明らかとなるだろう。
【0039】
別途定義されない限り、本明細書に使用される全ての技術的用語および科学的用語は、この発明が属する当業者によって普通に理解されるような、同様な意味を有する。本明細書において引用された全ての特許、出願、公開された出願および他の刊行物は、それら全体を参照することによって組み込まれる。この章において明らかされる定義が、参照によって本明細書に組込まれる出願、公開された出願、および他の刊行物において明記される定義に反するか、あるいは一致しない場合、本明細書において明記される定義は、参照によって本明細書に組込まれる定義よりも優先される。
【0040】
図1図7を参照すると、例示的であり、限定しないが、寸法はミリメートル(mm)単位である。頭部(12)を有するゴルフティー(10)(例えば、GOLDWOLF(商標)およびTENACITEE(商標))は、通常用途のゴルフティーの有益な態様を妥協することなく、通常用途のゴルフティーに見られる既存の欠陥をすべて克服する。ゴルフティー(10)の利点として、(i)広く安定したボール保持台による最大限の使いやすさ、(ii)広範囲のティーグラウンド条件に適応可能な、より頑強な構造、(iii)衝撃を吸収する特徴による耐破壊特性、(iv)既存のティーにはない、グリップする特徴による非飛行性能、(v)頭部(12)の設計による、ティーショットに対する干渉を回避するためのゴルフボールの抗力の緩和、および(vi)心地よい審美性と仕上げの質感が挙げられる。
【0041】
図1では、ゴルフティー(10)は、垂直の中心軸Yに沿って外部壁(40)から先の尖った先端まで80.0mmの長さLを有する。外部壁(40)は、長さ2.0mmおよび幅15.0mmである。ゴルフティー(10)の中間区画は、幅6.0mmのステムである。
【0042】
図2では、ゴルフティー(10)は、中空にされた部分(60)内に位置する中心の柱(15)を有し、ここで中心の柱(15)の幅は上部4mm、下部で4.5mmである。ボール指示リム(45)を有する壁(35)は、胴部(20)に接続する。グリップリング構造(55)(グリップリング(50)を含む)と先の尖った先端とを備える末端接地ツール(30)は、胴部(20)の下部側にある。
【0043】
図3では、ゴルフティー(10)は、中心の柱(15)を囲む壁(35)を含む頭部(12)を有し、胴部(20)は頭部(12)より下にあり、およびステム(21)、ステムの下のグリップリング構造(55)、およびグリップリング構造より下の、先の尖った先端を備える末端接地ツール(30)を含む。グリップリング構造(55)は、ステム(21)の拡張部のまわりに配置される1つまたは複数のリング(50)を含み得る。
【0044】
図4では、ゴルフティー(10)の断面が図示される。
【0045】
図5では、ゴルフティー(10)の上部は頭部(12)および中心の柱(15)を有し、および下部は先の尖った先端を有する。この変形例において、ステム(21)より幅が広い単一のグリップリング(50)が提示され、および弾丸形状の接地ツール(30)よりすぐ上に配置されて上方に面して拡張されたレッジ(58)を形成する。
【0046】
通常用途のティーと比較すると、頭部(12)は、直径が12mm~15mmと比較的大きいが、最大20mmになり得る通常用途のティーほど幅広くはない。頭部(12)の幅および固有安定性は、ゴルフボールを保持しながら垂直の圧迫力に抵抗するするための構造支柱を提供する。これにより、ゴルフボールをその上で平衡状態に保つのが難しい、小さな頭部を有するものを含め、評判が良く且つ通常用途のティーの多くとは対照的に、ゴルフティー(10)の使用がさらに容易となる。花びら構成およびブラシ・ティーの頭部は脆く、および、従来の方法でゴルフボールを使用してグラウンドの中へティーを押し込むのに必要な下方圧力を受けることができない。ゴルフティー(10)の最小抗力の特性は、ゴルフボールの重量を軸方向に支持する中心の柱によって提供される。頭部(12)の壁(35)の「椀状」または「聖杯状」の構造は、壁が薄く、暑さが1.3mm~2.0mmの間である。この程度の薄さでもなお、下向きの圧縮力に対する安定性が提供される。厚みの下限は、およそ0.8mmであり、その厚みでは、壁(35)は十分にこの役割を遂行することができなかった。しかしながら、構成材料の選択は、下向きの圧縮力に対して十分な安定性を与えるという役割を果たす。
【0047】
クラブの衝撃力との相互作用における頭部(12)の性能特性は、以下の目的に貢献する。(i)ゴルフティー(10)は壊れない(すなわち破壊に対する回復力の向上)、および、(ii)C1、C2、C3、およびC4によってゴルフティー(10)は飛び去らない。
【0048】
C1:クラブによる衝撃と同時に壁(35)が折り畳まれる(即ち、たわみ込む)ことで、ステムとグラウンドへの力の移動が緩衝される。この機能が十分に発揮されるために、この緩衝機能に係る適切な程度の抵抗を提供するように、壁(35)の厚みには下限もある。その下限はおよそ0.8mmであるが、この制限は、構造プラスチックの特性にも依存する。この緩衝作用は、はきしみを低減させ、ティーが折れるリスクの低減、ならびに、グラウンドから引き抜かれる傾向の低減を伴う。
【0049】
C2:壁がたわみ込む上述の性能は、レッジを有する固い頭部と比べ、「引っ掛かる」可能性を低下させる。クラブが固い頭部のレッジの下に引っ掛かる余地がある場合、このことは、ティーをグラウンドから引き抜くこと、またはティーの断頭をもたらし得る。これらのティーの欠陥は、両方とも頭部の壁(35)の「聖杯状」の設計によって回避される。ゴルフティー(10)は、適切な構成材料に依存する。
【0050】
C3:よりソリッド(非中空)な頭部設計と比較して、頭部(12)またはボールカップの中空度は、頭部(12)の質量を低減させる。従って、ゴルフティー(10)は頭部偏重にならない。本発明のいくつかの実施形態では、ゴルフティーは、中心軸Yに沿って延在し、中心軸に沿って、頭部の最上部から先の尖った先端まで延在する高さLを有し、中心軸に沿って、先の尖った先端から高さの40%~60%離れて位置するゴルフティーの質量中心を有する。非限定的な例では、ゴルフティー(10)の頭部(12)は、ティーの長さのおよそ10~20%を含み、質量のおよそ15~25%を包含している。このことは、設計によっては70%を超えることさえある、より高い質量割合を頭部に有する通常用途のティーの多くとは対照的である。その低い質量および低い重心(質量中心)のために、ゴルフティー(10)は、ゴルフクラブによって打たれた時にそれ自体がグラウンドのグリップから開放されるのに十分な運動量を蓄積しない。第1のスタイル(または変形例)とは対照的に、他の様式は大きな頭部(12)を有するが、それらもまた中空であり、そのことによって頭部(10)に過度に質量が集中することがなく、従って、ティーの質量中心は、ゴルフティーの中心軸に沿って、先の尖った先端から高さの40%~60%の距離に維持される。通常用途のティーよりも向上されたグラウンド保持性能をゴルフティー(10)に与えるステムの埋設部分の特徴は、さらに以下で説明される。
【0051】
C4:「聖杯状」の壁の構成、および側面から打たれた際の前述の折り畳み又はたわみ込みと跳ね戻りの性能に関して、ゴルフティー(10)における連続壁の構成に固有の強度と回復力がある。これは、通常用途のティーの一部において見られるように「花びら」に分割された壁構成とは対照的である。連続壁の構成の主な利点は、従来の方法で使用されるようにゴルフボールの垂直力に耐えてティーをグラウンドに差し込めるということである。「花びら構成」のティーは、この従来的且つ便利なティー挿入技法が可能ではないため、使用が比較的さらに困難である。「花びら構成」と比較すると、クラブからの衝撃の最中および衝撃の後で、変形が生じ、全体的に「聖杯状」である壁の構成の元の形状へと回復する跳ね戻りがある。変形は、鈍的な「D」形状に類似し、壁全体が変形する。連続壁で衝撃が共有されると、「花びら構成」と比較して、衝撃力の拡散が助けられ、頑強性と耐久性が向上する。加えて、衝撃が共有されると、壁が元の形状へと跳ね戻るのが助けられる。図面で表されるように、上部すなわちリム区画の厚みは、壁の下部区画と比較して大きい。これにより、この衝撃ゾーンでの回復がさらに大きくなり、リムはより容易に元の形状に跳ね戻ることができるが、この特徴は、ゴルフティー(10)が達成する2つの主な機能において、必要不可欠な特徴ではない。2つの主な機能は、非飛行特徴と非破壊特徴であり、この厚くされたリムが提供されないときでも、両方の特徴は十分に提供される。
【0052】
リム(45)は、図2に示されるように、壁(35)の、輪郭形成された丸い上面である。一実施形態では、リムの幅は1.3mmであり、および、リムの上面の輪郭は、標準サイズのゴルフボールに合わせて形成される。外側壁(40)には垂直の上部区画があり、その高さは2mmであり、リム縁の鋭角をより少なくすることで取り扱いをより快適にすることができる。また、クラブからの衝撃は、より鋭角の縁の上で生じる衝撃よりも、わずかに分散されるようになる。より鋭角の縁の上で生じる衝撃は、その他の点で、縁をへこませるか、またはより容易に損傷を与える場合があるが、上述したように、リムの厚みの拡張に関して、この特徴は、本発明の2つの主な機能において必要不可欠な特徴ではない。頭部がさらに延長されて頭部が円筒形状となる変形例では、クラブ衝撃ゾーンは、延長され、およびリムだけに集束されない。このように衝撃ゾーンが延展することで、頭部(12)はより一貫して効果的に衝撃を吸収することができる。延長された頭部設計はまた、ゴルフティー(10)の質量を増加させ、より大きな運動量とグラウンドから引き抜かれる傾向がさらに大きくなる。従って、衝撃吸収の有益な効果は、質量の増加によって部分的に打ち消される。従って、頭部を長くするか、短くするかの選択は、いずれかの選択肢の機能的利点の程度全体ではなく、嗜好性によって左右される場合がある。
【0053】
図3に図示されるように、ゴルフティー(10)の頭部は中心の柱(15)を有する。中心の柱(15)は、上部で3.8mmの直径を有し、および下部で4.5mmへとより大きく太さが変化する。中心の柱(15)の高さは、ゴルフボールの従来のサイズによって決定される。ゴルフボールは、ボールカップ上に留まり、および中心の柱(15)の上部との接触状態にあり、および「聖餐杯のような」壁(35)のリムとの接触状態にある。そのため、中心の柱(15)は、リムの高さより下に位置する。中心の柱(15)の厚みは、例示されるように、2.5mmから6mmまで変化してもよく、射出成形プロセスにおけるテーパーの利点のため、通常はテーパーされ、それはゴルフティー(10)のために利用される好ましい製造法である。当該生産方式が許容するならば、テーパーが所望の機能にとって必要ではなくなり、テーパーなしでもよい。中空にされた部分(60)は、中心の柱(15)を取り囲み、頭部の壁(35)によって境界されるボイドスペースであり、円形であり、および略逆円錐形へと先細りにされる。
【0054】
C5、C6、およびC7は、中心の柱(15)の3つの用途または有用な機能である。それが記載される。
【0055】
C5:中心の柱(15)は、ボールの重量を軸方向に伝え、そのことは、リムによって支持される重量を最小限にする。このことは、ティーショット中にボールとリムとの間の潜在的摩擦を低減させる効果を持つ。この機能が最小限の摩擦を可能にする一方、それは望ましいと考えられが、ボール台の構成は、存在する通常用途の低摩擦ティーと比較して、ボール保持の著しく改善された安定性を提供する。
【0056】
C6:中心の柱(15)は、頭部(12)に対し、ティーを接地するプロセスにおける構造的支持をさらに提供し、およびゴルフティー(10)とボールが下方へと強打される「ミスヒット」に耐える。
【0057】
C7:中心の柱(15)は、バットレスとして作用することにより、聖杯状の壁への構造的な防護を提供する。このように、中心の柱(15)は、壁(35)への過剰屈曲および損傷に至ることを予防する。
【0058】
ゴルフティー(10)の胴部(20)は、頭部(12)の基底から固体連通し、鋭角の先端まで延在する。胴部(20)は3つの区画、(S1)頭部(12)より下のステム(21)、(S2)胴部より下のグリップリング構造、および(S3)グリップリング構造より下の弾丸形状または魚雷形状の接地ツールを有する。ここで拡張がないステムの継続は、先の尖った先端を構成して終結する。グリップリング構造と弾丸形状の接地ツールは、ステムからの拡張によって形成される。弾丸形状の構造が取り除かれる場合、残りの部分は、先の尖った先端の構成で終結するステムの継続である。この区画は、追加のリングがないままであるか、または接地ツールの代わりに追加のリングを包含する場合があり、または、追加のリングまたは直径が徐々に減少する一連のリングを含む場合がある。
【0059】
胴部(20)は、長い形状であってもよい。本明細書のシステムと方法の範囲内で、ティーがわずかに長くなる変形と、ティーが短くなる変形とがある。原料組成物、構造、および寸法に基づくステムの特性は、明示された目的に寄与する。ステムをグラウンドに挿入する深さは重要な変数であり、これも明示された目的に寄与するので、本記載に含まれる。ステムは、図面で示されるように、6mmの直径を有し、頑強性でありグラウンドに残るという有用性の目的が達成される。適切なプラスチック組成物では、およそ5mmからおよそ7mmまでの範囲のステム厚みが、頑強でありグラウンドに残ることを達成するための寸法である。ゴルフティー(10)の変形が短くなるほどより幅が狭いステムに適し、変形が長くなるほどより厚いステムに適している。ステムは「弾丸形状」の区画(25)に至るまで先細りが生じず、先の尖った先端(30)において頂点に達する。このステム構成は、既知のソリッド・ステムのティーより厚い。このように厚みが増加し、および先細りがないことで、硬直性と頑強性の程度が増加する。このことに寄与するのは、強力な組成材料である。ゴルフティー(10)の性能特性の向上において重要な因子である柔軟性の程度は維持される。
【0060】
対照的に、「ステップアップ(step-up)」ティーまたは、「ステップダウン(step-down)」ティーは、中空管ステムを有し、通常、ウエストが、(i)非柔軟であり、および、(ii)「ステップ」の高さまでゴルフティー(10)よりも幅広径である。「ステップ・ティー」の埋められる下部区画は、ソリッドであるが、ゴルフティー(10)よりも有意に狭く、4mmから4.5mmの厚みを有する。「ステップ」は、好みに応じた、一致した高さを備えるが、様々なクラブ選択に適切に利用可能なようにいくつかのサイズが必要とされる。従って、ゴルファーは、紛失と破損に対応するため、各種類の十分なティーを準備する必要があるが、それは便利ではない。ベストセラーであって、安価で、比較的耐久性があり、およびあまり遠くに飛ばない傾向はあるが、通常用途のこの種のティーは、(F1)グラウンドの高さで壊れる、(F2)ウエスト部分が折れる、または(F3)最上部から垂直にまたは斜めに裂ける、といった破損傾向を示すことが多い。このことは、ボールが「トップ(topping)」によりミスヒットされる時、しばしば接合部にわたって生じる。「トップ」の状況において、ステップは、通常用途の「ステップ・ティー」の下方への移動に抵抗し、それによって、ステムを爆発的な圧迫力にさらす。「ステップ・ティー」変種のこれらの弱さは、ティーグラウンドのまわりのゴミの散乱につながる。示された(S1)ステム構成を備えるゴルフティー(10)は、破損傾向F1~F3を見せない。従って、ゴルフティー(10)は、より耐久性がある。また、ゴルフティー(10)の高は調節可能であり、そのことは高さ調節が可能でない「ステップ・ティー」に対して利点であり得る。「ステップ・ティー」のステップは、飛びに対して最小限の効果しかもたらさず、故に「ステップ・ティー」は通常、打たれた後に飛び、不便であるが、ゴルフティー(10)はこれも回避する。
【0061】
ゴルフティー(10)の増加した厚みは、増加した強度、頑強性、および剛性を与え、一方で、衝撃力のいくらかを吸収するためにある程度の柔軟性を維持する。増加された屈強さは、より堅いティーグラウンドの中への挿入を支援する。このことは、先細りしてより薄くなっている通常用途の既存のプラスチック・ティーをしのぐ有用性を提供する。通常用途のティーの既存のプラスチック・ティーの、このより大きな程度の柔軟性は、それらを破損から保護するために利用されているが、これらのティーは、(i)しばしば、より堅いグラウンドの中へ差し込むことができず、および、(ii)特に頭部偏重の変形例は、グラウンドから「くねり」出て、10メートル飛ぶ場合もあり、従って非常に紛失されがちである。これに対して、ゴルフティー(10)は、使用機会の95%以上でグラウンドにしっかりと留まり、または、ゴルフティー(10)がグラウンドから出て来る稀な場合でも挿入位置の近傍に留まる。ゴルフティー(10)のステム、および特に接地区画、ならびに前述の低重心の頭部設計は、この「くねり」を予防し、それによりゴルフティー(10)がグラウンドに残るのを助ける。従って、ゴルフティー(10)は、(i)上述の頭部「聖杯状」の壁の反発性、(ii)上述のステムのある程度の柔軟性と弾性、および、(iii)梃子の力の元でもたらされるグラウンドの中へのエネルギー散逸へと、局所化されるエネルギー散逸に依存する。このことは、柔軟なステムと高い重心を有して、最大10メートルも飛び、容易に紛失されるか取って来るのに時間を浪費させ得る一般的用途の既存のティーとは、対照的である。
【0062】
ゴルフティー(10)の最適な性能は、ゴルフティー(10)が長さの25%から50%の間が埋まるところまで、差し込まれるときに得られる。このことが、前述の機構によって十分なエネルギー散逸を可能にし、ゴルフティー(10)を損傷から保護する。この最適な範囲よりも深くティーを埋めることによって、エネルギー吸収のために利用可能なステムはより少なくなる。グラウンドグリップもより少なくもたらされるようになり、その結果、深さの増分ごとに、ティーのより小さな区画に加わる力とストレスの集束が対応して増加する。このストレスはグラウンド面で最大であり、特にグラウンドが堅く、ティーの50%以上が埋められているとき、問題となる。このシナリオでは、衝撃は密であり、クラブを介して、およびゴルファーの手の中へ、きしみとして感じられる。従って、ゴルフティー(10)は、このリスクを回避するために、前述の最適な深さ範囲において、または最大50%までの深さで使用されることが好ましい。フェアウェー・ウッドとハイブリッド・クラブは、アイアンよりもこのティーに害を与えるシナリオを生じる可能性がわずかに少なめである。ティーに対する衝撃は、常に、柔軟な聖杯状の壁のリムで起こり、および、これらのクラブの基部は鈍的である。この条件をもってしても、ティーが深く埋められているほど、ティーに対する損傷のリスクは増加する。部分的な例外は、ティーが最大限に差し込まれ、それによって頭部または頭部の部分だけがグラウンドより上にある状況である。このシナリオでは、特にウッドまたはハイブリッドを使用する間、打たれることに弱いティーの唯一の部分が柔軟な頭部であるため、ティーに対する損傷を回避するよりよい見込みがある。これらのティーをより深くするシナリオすべての保護因子は、濡れて柔らかいグラウンドであり、ティーの埋められた部分からの衝撃エネルギーを吸収し、およびグラウンド面から下方へ、ティーの埋められた先端に至るまで、程度の減衰をもたらす。グラウンドより下でのゴルフティー(10)の協働的な特徴と、衝撃力下でエネルギーを分散するグラウンドとの相互作用が以下に記載される。
【0063】
図1図5に図示されるように、ある変形におけるのこぎり歯状のグリップリングは、ステムの、鋭角の縁を付けられた、およびリング様の、拡張であり得る。別の変形例では、ステムがグリップリングの外径の直径である場合、リングは、図6に示されるようなステムからの拡張ではなく、むしろ円周方向の直立した「L」字形の溝によって作り出されるように見える。いくつかの実施形態では、グリップリングはステムにおいて「C」形状の溝によって作り出される。図1図5では、リングの側面輪郭が、それぞれ、わずかに鋭角を伴って、逆「L」字に類似していることが観察される。図6に表されるように、ある範囲のリングの角度、湾曲、鋭さ、間隔、辺長、辺長比、および数が、同じ目的を満たすために適用され得る。これらのリングは、胴部において「弾丸形状」の接地ツールより上に配置される。胴部に配置されたリングは、ゴルファーがティーショットのためにセットアップする時、グラウンドに埋められることが意図される。ゴルフティー(10)の機能にとって、リングのすべてが埋められることは、必須ではないことに留意されたい。しかしティーが浅く埋められる程、つまり、グラウンド及び芝生の根と接触するグリッピングリングが少なくなる程、ティーがグラウンドから飛び去る可能性が高くなる。逆L字輪郭で表わされたリング(50)の壁は、下方および外向きに面するように角度を付けられて、低い摩擦でグラウンドの中へ挿入されることが可能となり、同時に、2つの表面のより短いほうが上向きに面するレッジ(58)を提供することが可能となる。頭部のリムで典型的に生じるクラブとの衝撃において、梃子式の力が生じ、頭部とステムを介してグラウンドまで伝達される。リングは、ティーの穴の上部前面に向かって水平に駆動される。グリップが先端のどこに配されるかは、既存の発明との機能的差異の重要点である。表土の堅固さに応じて、この相互作用は、鈍的な支点またはティーをピボットさせる領域を生み出す。このレバー状の力の放出と伝達において、リングは支点領域と相互作用しながら、同時にその相互作用を安定させる。上向きに面するレッジと鋭角の縁は、グラウンドと根に対してほぼ水平に駆動された時、ティーの上向きの運動に対抗する。根との相互作用は、既存の発明において重要なものとして認識されてこなかったが、ゴルフティー(10)の機能に不可欠な、新しい概念であることに留意されたい。このように、ゴルフティー(10)がグラウンドから飛び出すことは、予防される。この相互作用では、典型的にはグラウンドの破壊がある。破壊の程度は、表土の堅固さと芝生の根の密度に依存する。典型的なグラウンドコンディションでは、リングから遠位にあるステムの区画は、この梃子式の相互作用において後ろに駆動され、それによって、様々な程度にグラウンドを破壊する。グリップリングの高さ、およびそれより上で、破壊は、ティーの穴の正面側にも及び、ティーは前進方向にグラウンドを凹ませる。この前進デンティングは、部分的に草の根によって制限されている。弾丸形状の下部末端区間の動きは、挿入とエネルギー散逸に関して、以下に記載される。
【0064】
グリップリングが支点領域より下にあるようにゴルフティー(10)が深く埋められるほど、リングは「ティー穴」の背面の壁との摩擦相互作用を生成する効果を発揮する。この相互作用の性質は、表土の堅固にも依存する。この相互作用では、埋められた胴部のより多くの部分が関わる。従って、グラウンドから加わる全体的な保持力はより大きい。支点のまわりでゴルフティー(10)を屈曲させることは、表土密度に応じてある程度、グリップリングを後ろに引く。そして、後壁の表土がより密で深いほど、それに対してグリップリングは、より大きな摩擦力を及ぼす。このシナリオでは、ゴルフティー(10)は、グラウンドから排出されない。先に留意したとおり、グラウンドより上のティーの区画に、より集束されたストレスが加えられ、それは地表面で最も大きい。
【0065】
第1のスタイルの例において示される実施形態では、グリップリングは外径8mmのリングを有し、一方、ステムの直径は6mmであり、リングまであと半径1mmを余す。角度のために、リングのレッジの実際の幅は、約1.1mmである。リングの周囲は2.5cm以上であるのに対し、既存のティーの接地部の周囲は1.5cm未満である。前述のグリップリングの直径の有効範囲は、ほぼ7mmから10mmまでである。各グリップリングのレッジの幅は、0.5mmから3mmの範囲である。レッジの幅は、リングの外径とステムの直径との差、あるいはリングと対応付けられるステムの区画の直径との差に依存する。各グリップリングの直径がゴルフティー(10)の単一の例の中で一定である必要がないことに留意されたい。ティーショットの後、ゴルフティー(10)は典型的にグラウンドにまだ立っており、および、そのまわりの表土がほぐされる。その後、ゴルフティー(10)はまた、しばしば前に傾けられ、それによって容易に回収することができる。表土がほぐされるため、たとえティーがまだ立っていても、再びティーショットを行なう必要がある場合は、ゴルフティー(10)を指し直すことが望ましい。これは表土の緻密性がティー保持因子として重要なためである。もしゴルフティー(10)を指し直さずに、ティーショットを再び行なうならば、ゴルフティー(10)がグラウンドから放出される可能性が増加する。ただこの状況においてさえ、ゴルフティー(10)は遠くに飛ばない。
【0066】
リング間の凹部が鋭角である場合、泥が詰まり、典型的には泥は乾くと剥がれ落ちる。一実施形態では、リング間の割れ目は、泥詰まりの改善を支援するために、丸みがつけられる。低摩擦構成材料もまた、泥詰まりの回避に役立つ。
【0067】
一実施形態では、図6に表わされるように、摩擦リングは、ステムからの拡張ではなく溝として形成される。溝部が弾丸形状の接地ツールの上端から、グラウンドの高さを超える高さにまで及んでいる場合、この構成により、ステムの溝の区画が地上に出ていることになる。このことは、より小さな剛性とより大きな柔軟性を生じる。この構成の利点は、適切な深さ範囲の増加であり、ここでグリップリングは、ティー穴の上に存在し、ボールの高さのより大きな範囲を実現する。別の潜在的利点は、よく屈曲して脆くない適切な構成材料があれば、グラウンドより上の「フレックス・ゾーン」の保護要因となることである。溝がつけられた構成については、胴部(20)は、溝を受け入れるために、より幅広く、より重くする必要があり、さらには、溝がつけられた区画において十分な強度を持つ必要がある。本明細書におけるすべての潜在的なスタイルと同様に、このスタイルのゴルフティー(10)の性能特性決定において、構成材料の選択は、不可欠である。
【0068】
設計A、B、およびCは、目的を達成しながら異なっているゴルフティー(10)のスタイルであり、ここでゴルフティー(10)は、しっかりしたボールカップと、すべてのティーショットに適応する調節可能な高さと、破壊とグラウンドからの飛び去りへの抵抗性を有して高度に機能的である。
【0069】
ゴルフティー(10)は、適切な構成材料に依存する。ゴルフティー(10)は「熱可塑性プラスチック」の射出成型を使用して構築されることが意図される。熱可塑性プラスチックの複数の変種が存在し、および、それらの特性は、一様でない長さ、分枝度、および一様でない分子間結合強度を有し得るポリマーの分子構成に依存する。硬度と強度を増加させるために、賦形剤も添加される。
【0070】
ほとんどの既存のプラスチック・ゴルフティーは、高密度ポリエチレン(HDPE)またはポリプロピレンで構築される。これらのプラスチックは強く、天候耐久性、および破壊耐久性がある。また、それらは安価である。ティーの薄い変種などの、より大きな剛性が必要とされる状況では、複合材料を生成するために添加剤が使用され得る。しかしながら、複合材料は折れ易い傾向がある。
【0071】
ゴルフティー(10)の設計は、クラブの衝撃力の吸収するために、多くのプラスチックに見られる柔軟性を利用し、および変形の後で元の形状に戻るために回復力を利用する。しかしながら、ゴルフティー(10)は、この柔軟性と回復力をユニークに利用して、耐久性とティーグラウンドに留まり続けることの両方を提供するように設計されているが、それは単一構成要素のティーにおいてはまだ達成されていないことである。ゴルフティー(10)の設計はまた、従来に見られたよりも大きな厚みを利用して、その機能にとって不可欠な屈強性と、様々な表土における汎用性の拡大とを達成する。
【0072】
一実施形態では、図7に表わされるように、好ましくはより短い弾丸形状の接地ツール(30)を有する、単数で、大きい、球根形状のグリップリング(50)は、適切な一組の性能特性を提供する。前述の支点またはティーをピボットさせる領域は、球根で安定化され、ゴルフティー(10)の回転を可能にする。この回転において、接地ツール(30)はグラウンドに切り込むのであるが、それはエネルギーを消費する作用である。従って、接地ツールは、この回転を可能にするためにより小さくなる。球根の上部曲線では、ここで球根がステム(21)と融合するのだが、衝撃の間に最もストレスにさらされるステムの要所で強度を提供する。またこの単一の球根状のリングによって与えられる回転範囲の増加は、ゴルフティー(10)を保護する。改変された接地ツールとグリップリング寸法のおかげで、ゴルフティー(10)のこの変形例は、ティーグラウンド条件の範囲が柔らかいほど、最も適応し得る。球根状のグリップリングが「接地ツール」の支援によって差し通されるマット状の芝生の根は、グリップと回転に関する球根の効果において、やはり重要な因子である。従って、この芝生の根の層は、ゴルフティー(10)のすべての可能なスタイルの特質と著しくおよび有効に相互作用し、および「非破壊」と「非飛行」の性能目標に寄与するが、それはいかなる既存の単一構成要素のゴルフティーにおいて得られていない。
【0073】
一実施形態では、ゴルフティー(10)の遠位端部分は、「弾丸状」または「魚雷状」の接地ツール(30)と呼ばれる。これは、先のとがった先端部(30)を有する前述のグリップリング(50)と結合して、機能的なユニットを形成する。最も幅広い部分は7.0mmであり、接地部分の直径が4.0mmである標準的なティーよりも75%厚い。この部分の加工可能な厚さは、6.0mmから10.0mmである。この厚みと緩やかなカーブは、ティーの中でも斬新でユニークなものである。一般的なティーの先端は、先細り型、非先細り型にかかわらず、鉛筆のような形状である。一般的ではない曲線先端の変形例は、カーブがより急であり、典型的には最大径が4.0~4.5mmとかなり細くなっている。接地ツールは、グリップリング、ステム、およびヘッドと協働して、壊れず飛ばないティーという明示された目的を達成する。接地ツールは、ゴルファーがグラウンドに押し付けると、穴を作る。接地ツールの形状や構成が堅牢であることと、ティー全体の堅牢性が向上したことにより、接地ツールがより高い範囲の表土条件下で機能することが可能になる。接地ツールの輪郭の曲線が緩やかであり、また表土の締固めが可能であるため、本発明の接地ツールのグラウンド保持能力は向上する。既存のティーよりも接地ツール(30)の直径が大きくなることで、表土との接触面積が増えて、この相互作用の圧力が大きくなり、摩擦と接地保持能力が高まる。ゴルフティー(10)の接地部分に相対的に撓みがないため、「くねり」効果が生じない。接地ツールの厚みにより、より広い穴を形成することができる。これにより、前記グリップリングは、低摩擦の挿入を有利にする前述の角度に助けられ、容易に挿入され得る。接地ツールの堅牢性、非屈曲性、および前述の曲線は、ゴルフティー(10)の他のすべての部分と協働して、明示された性能目標を達成するためのものである。ゴルフティー(10)がクラブによって衝撃を受けるティーショットでは、梃子の原理で接地ツールが後方に駆動される。この後ろ向きの運動には、(i)接地ツール(30)の先端が徐々に狭まって鋭利になり、周囲の土の一体性を壊すことによる表土の破壊と、接地ツールの湾曲した後端が穴の後壁に対してずり上がる傾向とがある。ゴルフティー(10)は、表土の破壊と湾曲した後縁の傾向により、わずかに浮き上がる傾向がある。この浮き上がりに対して、同時に圧密された穴の上部前壁や芝生の根に押し付けられているグリップリングの前述のレッジは、強く直接的に対抗する。接地ツールの表土破壊作用とずり上がり作用は、いずれもゴルフティー(10)を損傷から守る重要なエネルギー放散作用である。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態では、接地ツール(30)の上部は、リングを取り囲む本体の部分よりわずかに広い。この態様では、第2のレッジ(59)は、弾丸形状の接地ツールの上部に作成されて、その上の摩擦リングのレッジ(55)の狭いバージョンとして作用することによって、引き抜きに抵抗するための追加の摩擦を提供する。第1の例示されたスタイルにおいて示される実施形態(図1図3)において、レッジ(59)は幅0.5mmである。他の実施形態において、レッジ(59)は3.0mm程度の幅広さであり得る。ゴルフティー(10)が典型的により圧縮された表土に接地されたとき、上部レッジ(55)のうち最も深いレッジ(59)の位置のおかげで、前述の衝撃相互作用の間に著しい摩擦効果が及ぼされる。このことは、ティーショットの衝撃の後にゴルフティー(10)がグラウンドに残るという明示された目的に寄与する。レッジ(59)は、断面が直線状であっても曲線状であってもよい。
【0075】
第2の例示されたスタイルに示される実施形態(図4および図5)では、グリップリング構造は、レッジ(55)を有する鋭いリップ状の膨張の外観を有する。接地ツールよりも広い直径のリングは、ネジにおけるネジ山のように、グリップ能力を増加させる。このグリップ能力は、接地ツールがグリップリングよりも広い状況など、より幅広い接地ツールまたはより幅が狭いリングによって、部分的に相殺される。
【0076】
一実施形態では、単一のグリップリングを作成するためのリップを組み込み、追加のグリップリングを持たない、強化されたレッジ(55)を有する接地ツールが存在する。ゴルフティー(10)のそのようなプロトタイプを用いた実験により、ティーがグラウンドに残るティーショットの割合が90~95%という高い効力があることが明らかになった。また、複数のグリップリングを使用した場合の有効性は、表土のタイプ、芝生の量、芝生の根の密度にもよるが、95~100%である。
【0077】
ゴルフティー(10)の材料構成は、射出成形の製造技術に適した熱可塑性プラスチックである。一般的な熱可塑性プラスチックとしては、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、ナイロンなどが挙げられる。適用される熱可塑性プラスチックの特性は、軽量性、耐衝撃性、低摩擦面、硬度、弾力性、耐久性、柔軟性、色持ちのバランスが最も優れていることである。これらの特性はすべて明示された目的を達成するための必要であるが、特性のうちのいくつかは相互排除的であり(例えば、硬度と柔軟性)、従って特性の最適のバランスを要求する。ポリプロピレンの試作品は、硬度が理想的でないにもかかわらず、目的を達成することに成功した。この試作品は、平均的な表土条件下で1年間、定期的に使用しても、破損や紛失を起こさなかった。ポリプロピレンの最も優れた特性はその硬度であり、重量または質量が非常に低くはあるが、十分なものである。これにより、ポリプロピレン系のゴルフティー(10)は、より硬い表土条件において頑強であるが、経時的には先端が鈍化する傾向があり、それでも使用可能である。他の加工用プラスチックには、ナイロンの水和物との相互作用の問題や、高価で加工が難しいなど、それぞれのデメリットがある。
【0078】
図8図10で示される実施形態では、ゴルフティー(10)にはステム(21)から対角線上に下方へ伸びるスカート(104)がある。スカート(104)は、ステム(21)の少なくとも部分を囲む。
【0079】
スカートは、ステムに接合する上部円周(104a)と、上部の円周より大きな下部円周(104b)とを有する。下部円周(104b)は、ステム(21)とグリップリング構造(55)との間の接合部Jと垂直に位置合わせされてもよく、または接合部Jのわずかに上に配置されてもよい。このように、グリップリング構造(55)がグラウンドの中へ完全に埋められているとき、下部円周はグラウンドに接触している。上部円周(104b)より下で、スカート(104)とステム(21)との間に中空空間(106)が形成される。これにより、ユーザーは、一貫して同じ高さでグラウンドにティー差し込むことができ、およびグリップリング構造(55)がグラウンドの中へ完全に埋められていることが保証される。
【0080】
スカート(104)は、ティーの重心軸に対して0でない角度αで傾斜する。角度αは、ティーが射出成型によって容易に製造することが可能なように、75~80度であってよい。
【0081】
ティーが打たれる時、ティーの全体がグラウンドにおいて前に移動するため、スカート(104)は鋤のようにグラウンドの中へと食い込む。
【0082】
スカート(104)がない場合、ティーが打たれる時、ティーの全体のたわみがある。ティーの地上部分が最もたわみ、特にグラウンドとの接点でたわむ。従って、グラウンドがティーによって「切断」されることになる。これにより接地部分のグリップが多少緩む場合がある。そのため、ティーが最初に前方にたわんだ後に反動で戻ると、ティーがグラウンドから後方に跳ね出す可能性がある。
【0083】
下方へ角度付けられたスカート(104)は、グラウンドに押し当てられることにより、接地部の前進を低減させて、グラウンドの緩みを低減させる。これにより、ティーが反動で戻る間に飛び出すのを防ぐためのある程度のグリップが維持される。
【0084】
(低減された)前方屈曲が起こると、スカートの縁は前方駆動期にグラウンドの中へと突っ込み、それにより、持ち上がる傾向または「くねり出る(snaking out)」傾向が減少される。
【0085】
より固いグラウンドグリップおよび減少された持ち上がり傾向によって、はね返り期にティーが(後方に)放出される可能性は著しく小さくなる。
【0086】
図11図12は、本発明のいくつかの実施態様による、ステム(21)から放射状に延在する平面スカート(108)を有するティーを例示する。
【0087】
平面スカート(108)は、ユーザーがティーを一貫して同じ高でグラウンドの中へと設置することを可能にし、および、グリップリング構造(55)がグラウンドの中に完全に埋められて、完全なグリップ能力が達成されることを確かなものにする。本発明のいくつかの実施形態では、図11において見られるように、平面スカート(108)は、ステム(21)とグリップリング構造(55)との間の接合部Jのわずかに上に基底を有する。本発明のいくつかの実施形態では、平面スカート108は、基部を図12において見られるように、ステム(21)およびグリップリング構造(55)との間の接合部Jと位置を合わせるする。
【0088】
図1図12の実施形態のすべてに戻って、発明者は、最も遠くへ(最大10メートル)飛ぶと知られている先行技術のゴルフティーが、通常用途のすべてのゴルフティーの中で質量中心が最も高いものと見られることを発見した。従って発明者は、先行技術では、ティーをグラウンドと相互作用させてティーをグラウンドに接続させるティーの部位が、比例的により小さく、かつ低い質量であるという理解に達した。この状況において生じる「くねる(snaking)」現象が説明される。
【0089】
以上の観点から、発明者は、説明されたように、低下された質量中心を有するティーが、引き抜かれて飛ぶことに対して自然により安定していると理解してきた。ティーの安定性における別の重要な因子は、グラウンドと相互作用する全体質量の割合である。
【0090】
本発明のいくつかの実施形態では、本発明のゴルフティー(10)の安定性は、その低くされた質量中心だけでなく、グランドと相互作用するその質量の割合にも起因する。通常用途の他のすべてのゴルフティーに比べ、本発明のゴルフティー(10)は、グラウンドと相互作用する質量のより大きな割合を有する。本発明のいくつかの実施形態では、ティーの質量の約35%から50%は、グリップリング構造(55)と端末接地ツール(30)とによって形成される(従って、ティーの質量の約35~50%は、接合部Jより下にある)。この事実は、上述された他のグリップする特徴、および衝撃吸収する特徴とともに、ゴルフティー(10)がインパクトの後にグラウンドに残るその性能において、いかに他のあらゆる単一構成要素のティーをしのぐことができるかを理解するのに重要な点である。挿入の深さは、従って、重要ではあるが、どんなティーでも、ティーがグラウンドに残ることを100%保証するような挿入の決まった値はない。図8図12に例示される、スカート形オプションは、正確なティーの高さに寄与し、それは、また高度な安定のための挿入要件の深さを満たす。
【0091】
本発明の様々な実施形態が上述されてきた一方で、それらは限定ではなく、例としてのみ提示されたことを理解されたい。同様に、様々な図は、本発明のための例示的なアーキテクチャまたは他の構成を描く場合があり、これは、本発明に含まれ得る特徴および機能性の理解を助けるために行われる。本発明は、図示された例示的なアーキテクチャまたは構成に限定されるものではなく、所望の機能は、様々な代替的なアーキテクチャおよび構成を使用して実施され得る。実際、当業者であれば、本発明の所望の機能を達成するために、どのように代替の機能的、論理的、または物理的な区画および構成を実施することができるかは明らかであろう。また、本明細書に描写されたもの以外の多くの様々な構成モジュール名は、様々な区画に適用され得る。加えて、操作の記載および方法の請求項については、工程が本明細書に提示される順序は、コンテキストで別段されない限り、様々な実施形態が詳述された機能を同じ順序で実行するように実施されること指定しない。
【0092】
本発明は、様々な例示的な実施形態及び実施の観点から上述されているが、1つまたは複数の個別の実施形態において記載されている様々な特徴、態様および機能性は、それらが記載されている特定の実施形態への適用可能性に制限されず、むしろ、単独または様々な組み合わせで、本発明の1つまたは複数の他の実施形態に適用可能であり、そのような実施形態が記載されるかどうか、およびそのような特徴が記載される実施形態の一部として提示されるかどうかは問わない。故に、本発明の広さおよび範囲は、上記の例示的な実施形態の何れによっても限定されるべきではない。
【0093】
本明細書で使用される用語および語句ならびにそれらの変種は、明示的に別段の指定がない限り、限定的なものではなく、非限定的なものとして解釈されるべきである。先述の例のように、用語「含む(こと)」は、議論の中で、事項の典型的な実例を提供するために使用されるのであって、網羅的または限定的なリストでななく、用語「1つの(a)」または「1つの(an)」は、「少なくとも1つ」および「1つまたは複数の」などを意味すると解釈されるべきであり、また、「従来の」、「伝統的な」、「通常の」、「標準的な」、「既知の」などの形容詞や同様の意味の用語は、記載された事項を所与の期間または所与の時点において利用可能な事項に限定するものと解釈されるべきではなく、代わりに、現在または将来のいずれかの時点で、利用可能または既知である従来の技術、伝統的な技術、通常の技術、または標準的な技術を包含すると読まれるべきである。同様に、本明細書において、当業者にとって明白または既知の技術に言及する場合、その技術は、現在または将来のいずれかの時点における熟練者にとって明白または既知の技術を包含するものである。
【0094】
接続詞「および」で連結された一群の項目は、それら各項目のすべてがグループ内に存在することを要求するものとして読んではならず、明示的に別段の指定がない限り、「および/または」として読まれるべきである。同様に、接続詞「または」で連結された一群の項目は、その群の間での相互孤立性を要求すると解釈されるべきでなく、むしろ、明示的に別段の指定がない限り、「および/または」と解釈されるべきである。さらに、本発明の項目、要素、または構成要素が単数形で記載または請求されいても、単数形への限定が明示的に述べられない限り、複数形はその範囲内にあると企図される。加えて、図面における単一の指示線が2つ以上の別の参考番号(第1、第2、などの参考番号)につながり(および各参照番号が、詳細な記載の中の異なるテキスト部分を指し)、および、両方のテキスト部分が当該図面項目を指定することが矛盾することになる時、図面は、2つの異なる変形を例示していると解釈されるべきである。ある変形例では、図面項目は第1の参照番号によって参照され、別の変形例では、図面項目は第2の参照番号などによって参照される。
【0095】
いくつかの例における、「1または複数の」、「少なくとも」、「限定されないが」、あるいは他の類似などの拡大させる語や語句の存在は、そのような拡大させる語句が不在の例において、より狭い事例が意図されるか必要とされるかもしれないことを意味すると読まれるべきではない。用語「モジュール」の使用は、機能の構成要素がモジュールの一部としてすべて1つの共通のパッケージ内で構成されると説明することも主張するも意図しない。確かに、CTRLロジックや、他の構成要素など、1つのモジュールの様々な構成要素のいずれか或いはすべてが、単一のパッケージに結合されても、別々に維持されてもよく、さらに複数の場所にわたって分散されてもよい。
【0096】
加えて、様々な実施形態は明らかにする、典型的なブロック図とフローチャートおよび他の図解の表現で本明細書に記載される。本明細書を読んだ後に当業者に明白になるように、例示された実施形態およびそれらの様々な代替案は、示された例に制限されることなく実施することができる。例えば、ブロック図およびそれらに伴う記載は特定のアーキテクチャまたは構成を決定するものとして解釈されるべきでない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【外国語明細書】