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特開2024-67872リトラクタカバー及びシートベルト装置
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  • 特開-リトラクタカバー及びシートベルト装置 図1
  • 特開-リトラクタカバー及びシートベルト装置 図2
  • 特開-リトラクタカバー及びシートベルト装置 図3
  • 特開-リトラクタカバー及びシートベルト装置 図4
  • 特開-リトラクタカバー及びシートベルト装置 図5
  • 特開-リトラクタカバー及びシートベルト装置 図6
  • 特開-リトラクタカバー及びシートベルト装置 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067872
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】リトラクタカバー及びシートベルト装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 22/34 20060101AFI20240510BHJP
【FI】
B60R22/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178259
(22)【出願日】2022-11-07
(71)【出願人】
【識別番号】318002149
【氏名又は名称】Joyson Safety Systems Japan合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100144967
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 隆之
(72)【発明者】
【氏名】市田 善之
(72)【発明者】
【氏名】原田 進
(72)【発明者】
【氏名】森崎 研太
(72)【発明者】
【氏名】中原 広流
(72)【発明者】
【氏名】湯木 翔太
【テーマコード(参考)】
3D018
【Fターム(参考)】
3D018GA01
(57)【要約】
【課題】リトラクタで生じる異音が車両内に拡散することを抑制するリトラクタカバー及びシートベルト装置を提供する。
【解決手段】リトラクタカバー1は、ウェビングWの巻き取り及び巻き出しを行うリトラクタ2を覆う不織布成形体であり、側面の一部が開口部となった箱状のものである。このリトラクタカバー1は、底面部10と、底面部10の辺縁部10a、10b、10cから起立する側壁部11、12、13と、側壁部11、12、13の上縁に連なり、底面部10に対向する上面部14と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェビングの巻き取り及び巻き出しを行うリトラクタを覆う不織布成形体であり、側面の一部が開口部となった箱状のリトラクタカバーであって、
底面部と、
前記底面部の辺縁部から起立する側壁部と、
前記側壁部の上縁に連なり、前記底面部に対向する上面部と、
を備えるリトラクタカバー。
【請求項2】
前記底面部には、前記リトラクタのフレーム形状にあわせた切り欠きが形成されている、請求項1に記載のリトラクタカバー。
【請求項3】
前記上面部には、前記ウェビングが通過可能な幅の切り欠きが形成されている、請求項1に記載のリトラクタカバー。
【請求項4】
前記上面部には、前記リトラクタのフレームから上方に延出するブラケットが挿通可能な挿通孔が形成されている、請求項3に記載のリトラクタカバー。
【請求項5】
前記上面部にはL字状のスリット部が形成されており、前記スリット部の一端は側面開口部に連なる、請求項1に記載のリトラクタカバー。
【請求項6】
ウェビングの巻き取り及び巻き出しを行うリトラクタと、
前記リトラクタに装着された請求項1乃至5のいずれかに記載のリトラクタカバーと、
を備えるシートベルト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の移動体に設けられるシートベルト装置のリトラクタをカバーするリトラクタカバー及びシートベルト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等に設置されるシートベルト装置は、ウェビングと、該ウェビングを巻き取るリトラクタと、該ウェビングが掛通されたタングと、該タングが装着されるバックル等を備えている。
【0003】
現在普及が進んでいる電気自動車やハイブリッド車は静音性が高く、車両内のさらなる静音性向上のため、リトラクタで生じる異音の抑制が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭61-38253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、リトラクタで生じる異音が車両内に拡散することを抑制するリトラクタカバー及びシートベルト装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のリトラクタカバーは、ウェビングの巻き取り及び巻き出しを行うリトラクタを覆う不織布成形体であり、側面の一部が開口部となった箱状のリトラクタカバーであって、底面部と、前記底面部の辺縁部から起立する側壁部と、前記側壁部の上縁に連なり、前記底面部に対向する上面部と、を備えるものである。
【0007】
本発明の一態様では、前記底面部には、前記リトラクタのフレーム形状にあわせた切り欠きが形成されている。
【0008】
本発明の一態様では、前記上面部には、前記ウェビングが通過可能な幅の切り欠きが形成されている。
【0009】
本発明の一態様では、前記上面部には、前記リトラクタのフレームから上方に延出するブラケットが挿通可能な挿通孔が形成されている。
【0010】
本発明の一態様では、前記上面部にはL字状のスリット部が形成されており、前記スリット部の一端は側面開口部に連なる。
【0011】
本発明のシートベルト装置は、ウェビングの巻き取り及び巻き出しを行うリトラクタと、前記リトラクタに装着された本発明のリトラクタカバーと、を備えるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、環境負荷の低い材料を使用して、リトラクタで生じる異音が車両内に拡散することを抑制し、車両内の静音性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係るリトラクタカバーの斜視図である。
図2】同実施形態に係るリトラクタカバーの斜視図である。
図3】リトラクタカバーをリトラクタに装着する例を示す図である。
図4】別の実施形態に係るリトラクタカバーの斜視図である。
図5】リトラクタカバーをリトラクタに装着する例を示す図である。
図6】別の実施形態に係るリトラクタカバーの斜視図である。
図7】リトラクタカバーをリトラクタに装着する例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
【0015】
図1図2に示すように、本発明の実施形態に係るリトラクタカバー1は、底面部10、側壁部11~13及び上面部14を備え、側面の一部が開口部(側面開口部)となった箱状であり、シートベルト装置のリトラクタ2(図3参照)を覆うものである。リトラクタ2に装着されたリトラクタカバー1は、図1及び図2の上下方向が、車両に搭載された状態の上下方向となる。以下、リトラクタカバー1の上下方向は、車両に搭載された状態での上下方向とする。
【0016】
リトラクタカバー1は、不織布を成形機で加熱・加圧して作製される不織布成形体であり、硬質で保形性を有する。不織布の材料は、例えば、パルプ、コットン、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン等である。リトラクタカバー1の厚みは、例えば0.5~10mm程度である。
【0017】
底面部10は、互いに平行に延びる一対の辺縁部10a,10bと、辺縁部10a,10bの一端に連なる辺縁部10cと、辺縁部10a,10bの他端に連なる辺縁部10dとを有する。辺縁部10cは、辺縁部10a,10bと直交する方向に延びる。辺縁部10dには、リトラクタ2のフレーム形状に合わせた切り欠き40が形成されている。
【0018】
側壁部11は、辺縁部10cから起立する。側壁部12は、辺縁部10aから起立する。側壁部13は、辺縁部10bから起立する。
【0019】
上面部14は、側壁部11~13の上縁に連なり、底面部10に対向する平面である。上面部14の側面開口部側の辺縁部14dには、後述するウェビングWが通過可能な幅の切り欠き50が形成されている。また、上面部14の中央部には、後述するリトラクタ2のブラケット23が挿通される挿通孔51が形成されている。
【0020】
図3に示すように、リトラクタ2は、フレーム20、フレーム20に回転可能に保持され、ウェビングWの巻き取り・巻き出しを行うスプール21、プリテンショナ22、フレーム20から上方に延出するブラケット23等を有する。
【0021】
プリテンショナ22は、車両衝突時にスプール20をウェビング巻き取り方向に大トルクにて巻き取り、ウェビングの緩みを除去するためのものである。例えば、プリテンショナ22は、車両衝突時にガスを発生させるガス発生器、ダクト、ダクト内に装填された動力伝達部材等を有する。
【0022】
リトラクタ2にリトラクタカバー1を装着する場合、リトラクタカバー1の側面開口部を介して、リトラクタ2をスプール21側からリトラクタカバー1内に進入させる。このとき、ブラケット23を挿通孔51に挿通させる。フレーム20の下部に、リトラクタカバー1の底面部10の切り欠き40を嵌め込み、フレーム20に対しリトラクタカバー1を固定する。
【0023】
ブラケット23の上端部を、締結部材を用いて車体メンバ(図示略)に連結させることで、リトラクタ2が車体に取り付けられる。ウェビングWはリトラクタカバー1の上面部14の切り欠き50を通過する。
【0024】
リトラクタ2の周囲をリトラクタカバー1で覆っているため、リトラクタ2で生じる異音が車両内に拡散することを抑制し、車両内の静音性を向上させることができる。
【0025】
また、リトラクタカバー1は不織布成形体であり、環境負荷の低い材料で構成されていると共に、重量の観点からも有利である。
【0026】
図4に示すリトラクタカバー1Aのように、上面部14に、切り欠き50に代えてL字状のスリット部52を形成してもよい。スリット部52は、側面開口部から側壁部12,13と平行に延びる第1スリット52aと、第1スリット52aの一端に連なり、第1スリット52aと直交する方向(側壁部11に平行)に延びる第2スリット52bとを有する。挿通孔51は第2スリット52bより側面開口部側に位置する。
【0027】
第1スリット52a及び第2スリット52bの幅は1.2~20mm程度である。第2スリット52bの長さは、ウェビングWの幅よりも大きい。
【0028】
図5に示すように、リトラクタ2にリトラクタカバー1Aを装着する場合、リトラクタカバー1Aの側面開口部を介して、リトラクタ2をスプール21とは反対側からリトラクタカバー1内に進入させる。このとき、第1スリット52aを介してウェビングWを第2スリット52bへ案内すると共に、ブラケット23を挿通孔51に挿通させる。フレーム20の下部に、リトラクタカバー1Aの底面部10の切り欠き40を嵌め込み、フレーム20に対しリトラクタカバー1Aを固定する。
【0029】
図6に示すリトラクタカバー1Bのように、側壁部12,13にスリット60~62を形成し、図7に示すようにリトラクタ2のフレーム20に取り付けたブラケット25の端部をスリット60~62に嵌め込んで、リトラクタカバー1Bを固定してもよい。
【0030】
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は上記以外の構成とされてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 バックルカバー
2 リトラクタ
10 底面部
11~13 側壁部
14 上面部
20 フレーム
21 スプール
22 プリテンショナ
23 ブラケット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7