(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067893
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20240510BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178293
(22)【出願日】2022-11-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神崎 亜実
(72)【発明者】
【氏名】山崎 尚人
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA07
5L049AA07
(57)【要約】
【課題】製品の製造を管理するための情報を作成する手間を軽減することが可能な情報処理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】製品を構成する複数の部品の情報を受け付け、前記部品を製造するためのプロセスの候補を表示部に表示し、前記部品毎に、前記プロセスの候補のうちからプロセスの選択を受け付け、選択された前記プロセスを含む、前記製品の製造に関するワークフローを作成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
製品を構成する複数の部品の情報を受け付け、
前記部品を製造するためのプロセスの候補を表示部に表示し、
前記部品毎に、前記プロセスの候補のうちからプロセスの選択を受け付け、
選択された前記プロセスを含む、前記製品の製造に関するワークフローを作成する情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記プロセスの選択を受け付ける毎に、前記ワークフローに受け付けた前記プロセスを追加する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記部品毎に選択された前記プロセスを、予め定められた順番に並べて前記ワークフローに追加する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
予め定められた前記順番は、
選択を受け付けた前記プロセスと既に前記ワークフローに追加されているプロセスとの関係で決定される請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示部に表示している前記プロセスがユーザにより指定された状態で他のプロセスの選択を受け付けた場合は、当該選択を受け付けた前記プロセスを、当該指定されている前記プロセスの次の位置のワークフローに追加する請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示部に表示している部品がユーザにより指定された状態で前記プロセスの選択を受け付けた場合は、当該選択を受け付けた前記プロセスを、当該部品の最後の位置のワークフローに追加する請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
複数の前記部品の情報を受け付けた場合に、複数の当該部品を組み合わせた部品である中間部品を前記ワークフローに追加する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記中間部品を含めたワークフローの生成後に情報を受け付けた前記部品は、当該部品の前記プロセスが当該中間部品につながるワークフローを作成する請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
ユーザにより部品が指定された状態で他の部品の情報を受け付けた場合は、ユーザにより指定された状態の部品と情報を受け付けた他の部品とから作成される中間部品をワークフローに追加する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータに、
製品を構成する複数の部品の情報を受け付け、
前記部品を製造するためのプロセスの候補を表示部に表示し、
前記部品毎に、前記プロセスの候補のうちからプロセスの選択を受け付け、
選択された前記プロセスを含む、前記製品の製造に関するワークフローを作成する処理を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プロセッサを備え、前記プロセッサは、受注した製品を製造するための複数の部品を特定し、前記製品の受注から前記複数の部品を用いて前記製品を完成するまでに必要となる複数の工程を特定し、前記複数の部品のうちの少なくとも2つの部品を加工することで生成される中間部品に対して、前記中間部品を示す中間オブジェクトを生成し、前記複数の部品の各々に対して、個々の部品の製造に必要となる工程を示す作業オブジェクトを生成し、複数の部品の前記部品毎に、各部品の製造に必要となる工程を示す前記作業オブジェクトを、前記複数の工程順に並べて表示すると共に、連続して処理される工程間の作業オブジェクトを関係づけて表示するワークフロー情報であって、前記中間部品を示す前記中間オブジェクトと、当該中間部品を生成するために使われる前記少なくとも2つの部品に対する作業オブジェクトとを関連付けたワークフロー情報を作成することを特徴とする、情報処理装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、複数の工程を経て生成される成果物の単位を表示列として、表示画面を生成する第1の生成手段と、前記工程の単位を表示列として、表示画面を生成する第2の生成手段と、前記第1の生成手段で生成された表示画面と、前記第2の生成手段で生成された表示画面の何れか1つの表示画面を表示する表示制御手段と、前記第1の生成手段で生成された表示画面を前記第2の生成手段で生成された表示画面に切り替える、あるいは、前記第2の生成手段で生成された表示画面を前記第1の生成手段で生成された表示画面に切り替える切り替え手段を有することを特徴とする情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-25632号公報
【特許文献2】特開2017-49848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
製品の製造を管理するためには、製造する製品を構成する部品の情報に加え、当該製品の製造の工程を表したワークフローを作成する必要がある。
【0006】
本開示は、複数の部品を含む製品の情報と、当該製品の情報に適用するワークフローのテンプレートを作成しておき、作成したテンプレートを当該製品の情報に適用することにより製品の製造を管理するための情報を作成する場合と比べて、製品の製造を管理するための情報を作成する手間を軽減することが可能な情報処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、製品を構成する複数の部品の情報を受け付け、前記部品を製造するためのプロセスの候補を表示部に表示し、前記部品毎に、前記プロセスの候補のうちからプロセスの選択を受け付け、選択された前記プロセスを含む、前記製品の製造に関するワークフローを作成する。
【0008】
第2態様に係る情報処理装置は、前記プロセッサは、前記プロセスの選択を受け付ける毎に、前記ワークフローに受け付けた前記プロセスを追加する。
【0009】
第3態様に係る情報処理装置は、前記プロセッサは、前記部品毎に選択された前記プロセスを、予め定められた順番に並べて前記ワークフローに追加する。
【0010】
第4態様に係る情報処理装置は、予め定められた前記順番は、選択を受け付けた前記プロセスと既に前記ワークフローに追加されているプロセスとの関係で決定される。
【0011】
第5態様に係る情報処理装置は、前記表示部に表示している前記プロセスがユーザにより指定された状態で他のプロセスの選択を受け付けた場合は、当該選択を受け付けた前記プロセスを、当該指定されている前記プロセスの次の位置のワークフローに追加する。
【0012】
第6態様に係る情報処理装置は、前記表示部に表示している部品がユーザにより指定された状態で前記プロセスの選択を受け付けた場合は、当該選択を受け付けた前記プロセスを、当該部品の最後の位置のワークフローに追加する。
【0013】
第7態様に係る情報処理装置は、前記プロセッサは、複数の前記部品の情報を受け付けた場合に、複数の当該部品を組み合わせた部品である中間部品を前記ワークフローに追加する。
【0014】
第8態様に係る情報処理装置は、前記プロセッサは、前記中間部品を含めたワークフローの生成後に情報を受け付けた前記部品は、当該部品の前記プロセスが当該中間部品につながるワークフローを作成する。
【0015】
第9態様に係る情報処理装置は、前記プロセッサは、ユーザにより部品が指定された状態で他の部品の情報を受け付けた場合は、ユーザにより指定された状態の部品と情報を受け付けた他の部品とから作成される中間部品をワークフローに追加する。
【0016】
第10態様に係るプログラムは、コンピュータに、製品を構成する複数の部品の情報を受け付け、前記部品を製造するためのプロセスの候補を表示部に表示し、前記部品毎に、前記プロセスの候補のうちからプロセスの選択を受け付け、選択された前記プロセスを含む、前記製品の製造に関するワークフローを作成する処理を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0017】
第1態様によれば、複数の部品を含む製品の情報と、当該製品の情報に適用するワークフローのテンプレートを作成しておき、作成したテンプレートを当該製品の情報に適用することによる製造管理装置で製品の製造を管理するための情報を作成する場合と比べて、製造管理装置で製品の製造を管理するための情報を作成する手間を軽減することができる、という効果を有する。
【0018】
第2の態様によれば、ワークフローに反映されたプロセスの確認後、その後のプロセスを選択させることができる、という効果を有する。
【0019】
第3の態様によれば、ユーザの操作がなくてもプロセスをワークフローの適切な位置に追加することができる、という効果を有する。
【0020】
第4の態様によれば、プロセスを追加する際に、予め定められた順番で当該プロセスを追加することができる、という効果を有する。
【0021】
第5の態様によれば、プロセスを追加するワークフローの位置をユーザの選択により変更することができる、という効果を有する。
【0022】
第6の態様によれば、プロセスを追加するワークフローの位置をユーザの選択により変更することができる、という効果を有する。
【0023】
第7の態様によれば、ユーザが中間部品を追加する場合に比べ、ワークフローを作成する場合のユーザの処理負担を軽減することができる、という効果を有する。
【0024】
第8の態様によれば、中間部品にワークフローがつながらない場合に比べ、ワークフローを作成する場合のユーザの処理負担を軽減することができる、という効果を有する。
【0025】
第9の態様によれば、ユーザにより中間部品を構成する部品を選択することができる、という効果を有する。
【0026】
第10の態様によれば、複数の部品を含む製品の情報と、当該製品の情報に適用するワークフローのテンプレートを作成しておき、作成したテンプレートを当該製品の情報に適用することによる製造管理装置で製品の製造を管理するための情報を作成する場合と比べて、製造管理装置で製品の製造を管理するための情報を作成する手間を軽減することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】実施形態に係る印刷処理システムの概略構成を示す図である。
【
図2】実施形態に係る情報処理装置の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係るプロセスの種類と順番を説明するための説明図である。
【
図4】実施形態に係るワークフロー作成の表示部の表示例を示す図である。
【
図5】実施形態に係るワークフロー作成の表示部の表示例を示す図である。
【
図6】実施形態に係るプロセスの候補の表示部に表示された表示例を示す図である。
【
図7】実施形態に係るワークフロー作成の表示部の表示例を示す図である。
【
図8】実施形態に係るワークフロー作成の表示部の表示例を示す図である。
【
図9】実施形態に係るワークフロー作成の表示部の表示例を示す図である。
【
図10】実施形態に係る情報処理プログラムの部品の作成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】実施形態に係る情報処理プログラムのプロセスの追加処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図12】実施形態に係るワークフロー作成の表示部の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(実施形態)
以下、本開示の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0029】
図1を用いて、本実施形態に係る印刷処理システム1の一例を説明する。
【0030】
図1は、本開示の技術を実施するための実施形態に係る印刷処理システム1の概略構成を示す図である。
【0031】
図1に示すように、印刷処理システム1は、情報処理装置2、経営情報システム3、プリプレスシステム4、印刷システム5、加工装置6を含んでいる。これらの情報処理装置2、経営情報システム3、プリプレスシステム4、印刷システム5、及び加工装置6は、ネットワークNTに接続され、相互に情報授受が可能に構成されている。なお、ネットワークNTには、一例として、インターネットや、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等が適用される。
【0032】
情報処理装置2は、印刷業務を行うためのワークフローの作成を支援するワークフロー作成支援機能を有するコンピュータシステムである。この情報処理装置2には、一例として、サーバコンピュータや、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等の汎用的なコンピュータ装置が適用される。
【0033】
経営情報システム(Management Information System。以下、MISという。)3は、印刷関係の経営情報を管理するコンピュータシステムであり、印刷製品の生産工程管理や在庫管理などを行う。経営情報には、例えば、受注情報、見積り情報、売上げ情報、経営計画、在庫情報などの種々の情報を含めることができる。本実施形態では、MIS3は印刷製品を製造する際に必要な情報をXML(Extensible Markup Language)形式の情報を送信する場合を一例として説明する。なお、MIS3は、JDF(Job Definition Format)及びJMF(Job Messaging Format)等の情報を用いてもよい。
【0034】
プリプレスシステム4は、「プリプレス」のプロセスを行うコンピュータシステムである。プリプレスシステム4は、一例として、刷版を用いずに印刷を行うデジタル印刷装置や、刷版を用いて印刷を行うオフセット印刷装置を含むシステムが適用される。
【0035】
印刷システム5は、「印刷」のプロセスを行うコンピュータシステムである。印刷システム5は、一例として、刷版を用いずに印刷を行うデジタル印刷装置や、刷版を用いて印刷を行うオフセット印刷装置を含むシステムが適用される。
【0036】
加工装置6は、「加工」のプロセスを行う装置である。加工装置6は、一例として、製品を構成する部品の生成が完了したものにカバーを付与するカバー付装置や、オフセット印刷済みの部品に対して折り加工されたものを丁合いする丁合装置が適用される。
【0037】
なお、印刷製品の印刷業務は、上述の各システム及び各装置のみに限定されるものではなく、印刷業務上で利用可能な他のシステム及び他の装置を含めてもよい。例えば、下版として知られている、印刷製品の依頼者側が印刷内容を確認して、印刷の実行段階に移行することを確認、承認、及び依頼することを処理する下版管理システムを備えてもよい。
【0038】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置2の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態に係る情報処理装置2は、制御部20と、記憶部22と、通信部24と、表示部26と、操作部28と、を備えている。
【0039】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)20A、RAM(Random Access Memory)20B、ROM(Read Only Memory)20C、及び入出力インターフェース(I/O)20Dを備えており、これら各部がバス20Eを介して各々接続されている。ここで、CPU20Aは、プロセッサの一例である。
【0040】
I/O20Dには、記憶部22と、通信部24と、表示部26と、操作部28と、を含む各機能部が接続されている。これらの各機能部は、I/O20Dを介して、CPU20Aと相互に通信可能とされる。
【0041】
記憶部22としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の補助記憶装置が用いられる。記憶部22には、本実施形態に係る情報処理を実現するための情報処理プログラム22Aや各種のデータ22Bが記憶される。CPU20Aは、情報処理プログラム22Aを記憶部22から読み出してRAM20Bに展開して処理を実行する。これにより、情報処理プログラム22Aを実行した情報処理装置2は、本開示の情報処理装置として動作する。なお、この情報処理プログラム22Aは、ROM20Cに記憶されていてもよい。
【0042】
表示部26には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。表示部26は、タッチパネルを一体的に有していてもよい。操作部28には、例えば、キーボードやマウス等の操作入力用のデバイスが設けられている。表示部26及び操作部28は、情報処理装置2のユーザから各種の指示を受け付ける。表示部26は、ユーザから受け付けた指示に応じて実行された処理の結果や、処理に対する通知等の各種の情報を表示する。また、本実施形態では、プロセスの候補やワークフローを表示する。
【0043】
通信部24は、インターネットや、LAN、WAN等のネットワークNTに接続されており、外部装置との間でネットワークNTを介して通信が可能とされる。
【0044】
なお、本実施形態では、情報処理装置2が、MIS3から印刷製品を製造する際に必要な情報(以下、MIS情報という。)を取得するものとする。このMIS情報は、例えば、XML形式で記述された情報である。MIS情報は、一例として、印刷製品を構成する部品を示す部品タイプID、及び部品等の各種情報を含む。なお、MIS情報には、ワークフローのテンプレートを含んでいてもよい。また、情報処理装置2が、MIS情報を取得しなくてもよい。
【0045】
図3を用いて、本実施形態におけるプロセスの種類と予め定められた順番について説明する。
【0046】
プロセスとしては、本実施形態では、
図3に示すように、「制作」、「プリプレス」、「受入」、「刷版出力」、「部品カスタム」、「印刷」、「加工」などがある。「制作」は、印刷製品の原稿の制作を行う作業を示すプロセスである。「プリプレス」は、印刷物を印刷する以前の工程の総称として使われ、一般的に入稿された原稿に対して、デザイン、写植、組版、版下作成、色分解、レタッチ、週販、刷版製版などの工程を含みうる。また、必要に応じて試験的に印刷を実施して、印刷結果の良否を確認するためにプリプレスプロセスを使うことがある。「受入」は、部品又は製品を受け取る作業を示す。「刷版出力」は、印刷用の刷版を作成する作業を示すプロセスである。「部品カスタム」は、部品に対して特殊な可能や処理を施す作業の総称を示すプロセスである。「印刷」は、印刷用のデザインデータを基に、紙その他の印刷媒体に印刷を行うプロセスである。「加工」は、印刷物に対して施す加工作業を行うプロセスである。なお、プロセスは、
図3に示すものに限定されない。
【0047】
また、プロセスの予め定められた順番は、
図3に示す順番である。例えば、「制作」は受注構成リストにある部品毎のプロセスの1番目(最上位置)にのみ追加可能である。また、「受入」と「印刷」は、順番が同順位であり、初期状態ではプロセス追加ボタン112により追加された順番でワークフローに追加される。すなわち、プロセスを追加する場合に、「制作」、「プリプレス」、「刷版出力」、「受入」又は「印刷」、「加工」の順番を満たさない配置はされないように設定されている。なお、ユーザにより、ワークフロー表示部130に表示されているワークフローのプロセスをマウスでドラッグすることなどにより、プロセスの順番を変更することを可能としてもよい。
【0048】
また、「部品カスタム」は、順番が定められていないプロセスであり、ユーザが指定したプロセスの次に追加される。具体的には、ユーザがマウスで受注構成リスト表示部120に表示されているプロセスをクリックすることで指定した状態にした後に、プロセス追加ボタン112を操作することで選択された場合に、指定されている状態のプロセスの次の位置のワークフローに追加される。なお、「部品カスタム」は、ユーザが指定したプロセスの次に追加される場合に限定されない。例えば、ユーザが指定したプロセスの前に追加されてもよいし、ユーザが指定したプロセスの次に追加されるか前に追加されるかをユーザが選択可能にしてもよい。また、「部品カスタム」は、ユーザが指定した部品の最後の位置のワークフローに追加されてもよい。具体的には、ユーザがマウスで受注構成リスト表示部120に表示されている部品をクリックすることで指定した状態にした後に、プロセス追加ボタン112を操作することで選択された場合に、指定されている状態の部品の最後の位置のワークフローに追加されてもよい。なお、「部品カスタム」は、ユーザが指定した部品の最後の位置のワークフローに追加される場合に限定されない。例えば、ユーザが追加する位置を選択可能にしてもよい。
【0049】
また、予め定められた順番は、選択を受け付けたプロセスと既にワークフローに追加されているプロセスとの関係で決定される。例えば、「刷版出力」は、順番が「03」であるが、順番が「刷版出力」よりも前の「02」である「プリプレス」がワークフローに追加されていない場合は、「制作」の次の2番目の位置に追加される。また、「制作」と「プリプレス」がワークフローに存在する状態で、「プリプレス」が追加された場合は、「制作」と「刷版出力」との間の2番目の位置のワークフローに追加される。すなわち、
図3に示す予め定められた順番は絶対的な順番ではなく、ワークフローに追加されているプロセスとの関係で相対的に決定される順番である。
【0050】
図4乃至
図9を用いて、ワークフロー作成の表示部26の表示例を説明する。
【0051】
図4は、ユーザにより受注作成ボタン(図示せず)が操作された場合の表示部26の画面100の表示例を示す図である。
【0052】
画面100は、ボタン表示部110、受注構成リスト表示部120及びワークフロー表示部130を含んでいる。ボタン表示部110には、部品の情報を追加する際に操作する部品追加ボタン111、プロセスを追加する際に操作するプロセス追加ボタン112、部品やプロセスを削除する際に操作する削除ボタン113が表示される。また、受注構成リスト表示部120には、部品追加ボタン111により追加された部品、プロセス追加ボタン112により追加されたプロセスが表示される。また、ワークフロー表示部130には、部品追加ボタン111により追加された部品と、プロセス追加ボタン112により追加されたプロセスを含むワークフローとが表示される。
【0053】
図5は、
図4に示す状態から部品と当該部品に「印刷」のプロセスが追加された場合の表示部26の画面100の表示例を示す図である。具体的には、
図4に示す状態で、ユーザにより部品追加ボタン111が操作されることで受注構成リスト表示部120に「部品1」が追加される。ここで、部品は、印刷製品を構成するものであり、例えば、「表紙」、「本文」、及び「カバー」などが含まれる。そして、当該「部品1」に対しユーザによりプロセス追加ボタン112が操作された場合に、
図6に示すように、プロセスの候補がリスト状に表示され、表示されているプロセスから「印刷」のプロセスが選択された場合に、予め定められた順番で受注構成リスト表示部120の「部品1」に対し「印刷」のプロセスが追加されると共に、予め定められた順番でワークフロー表示部130の「部品1」に対し「印刷」のプロセスが追加される。また、本実施形態では、受注構成リスト表示部120とワークフロー表示部130に「受付」と「発送」のプロセスが表示されているが、これは、何らかのプロセスが追加された場合にユーザの操作によらずCPU20Aが追加している。しかし、「受付」と「発送」のプロセスについてもユーザの操作によって追加されるようにしてもよい。ここで、「受付」は、依頼者から印刷製品の少なくとも一部の製造の依頼を受ける作業を示すプロセスであり、「発送」は、製造が完了した印刷製品を発送する作業を示すプロセスである。
【0054】
また、本実施形態では、ワークフローは、各プロセスが作業順に並べて表示され、各プロセスを示す「○(丸の図形)」を点線でつないで表示している。
【0055】
図7は、
図5に示す状態から、ユーザによりプロセスを追加する操作が繰り返されることにより「制作」、「プリプレス」、「刷版出力」、「加工」、「部品カスタム」のプロセスが追加された場合の表示部26の画面100の表示例を示す図である。ここで、「制作」、「プリプレス」、「刷版出力」、「加工」のプロセスを追加するユーザの操作の順番は、上述したように、ワークフロー表示部130に表示されている順番でされる必要はなく、追加する操作の順番にかかわらず、予め定められた順番(
図3参照)に並び替えられる。すなわち、例えば、「加工」のプロセスが追加された後に、「印刷」のプロセスが追加された場合であっても、「加工」のプロセスの前に「印刷」のプロセスがワークフローに追加される。
【0056】
図8は、
図5に示す状態から、部品が追加された場合の表示部26の画面100の表示例を示す図である。具体的には、
図5に示す状態で、ユーザにより部品追加ボタン111が操作されることで、受注構成リスト表示部120に「部品2」が追加されると共に、ワークフロー表示部130に「部品2」が追加される。そして、CPU20Aは、複数の部品を受け付けたことから、「部品1」と「部品2」とを組み合わせた部品である「中間部品」を、受注構成リスト表示部120とワークフロー表示部130とに追加する。ここで、複数の部品がワークフローに含まれた状態で、プロセスを追加する場合は、受注構成リスト表示部120に表示されているプロセスを追加する部品をユーザがマウスでクリックすることで指定した状態にした後に、プロセス追加ボタン112を操作することで、当該部品のワークフローにプロセスが追加される。また、ワークフローに追加されるプロセスの順番は、部品毎の順番である。すなわち、「部品1」でプロセスを予め定められた順番に並べ、「部品2」でプロセスを予め定められた順番で並べる。また、中間部品は、例えば、「表紙」と「本文」とを組み合わせて生成される「ブックブロック」、「ブックブロック」と「カバー」とを組み合わせて生成される「完成品」などが含まれる。
【0057】
図9は、
図8に示す状態から、部品が追加された場合の表示部26の画面100の表示例を示す図である。具体的には、
図8に示す状態で、ユーザにより部品追加ボタン111が操作されることで、受注構成リスト表示部120に「部品3」が追加されると共に、ワークフロー表示部130に「部品3」が追加される。ワークフロー表示部130に追加される「部品3」は、
図9に示すように、当該「部品3」のプロセスが、「中間部品」につながるワークフローが作成される。
【0058】
次に、
図10及び
図11を参照して、情報処理装置2の作用について説明する。
図10は、情報処理装置2において実行される情報処理プログラム22Aの部品の作成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0059】
情報処理装置2において、情報処理プログラム22Aの起動が指示されると、CPU20Aは、以下の各ステップを実行する。なお、図示しないが、本フローチャートの前提として、MIS3から、MIS情報を取得していてもよい。
【0060】
ステップS100において、CPU20Aは、ユーザから受注を受け付ける。ここで、ユーザによる受注は、表示部26に表示されている受注作成ボタン(図示せず)を操作部28の一例であるマウスでクリックすることで行われる。そして、次のステップS101に進む。
【0061】
ステップS101において、CPU20Aは、ユーザから部品追加を受け付けたか否かを判定する。部品追加を受け付けたと判定した場合は、次のステップS102に進み、部品追加を受け付けたと判定しない場合は、再度ステップS101となる。ここで、ユーザによる部品追加は、ボタン表示部110に表示されている部品追加ボタン111(
図4参照)を操作部28の一例であるマウスでクリックすることで行われる。
【0062】
ステップS102において、CPU20Aは、上述したステップS101で受け付けた部品を作成する。具体的には、作成する順番に「部品1」、「部品2」などと名称を付与する。そして、ワークフロー表示部130に部品を表示する。ここで、部品の名称は、CPU20Aが付与する場合に限定されず、ユーザが操作部28の一例であるキーボードを用いて入力してもよい。そして、次のステップS103に進む。
【0063】
ステップS103において、CPU20Aは、部品が2つ以上あるか、すなわち、ステップS102で作成した部品を含めて、複数の部品がワークフローに含まれているか判定する。部品が2つ以上あると判定した場合は、次のステップS104に進み、部品が2つ以上あると判定しない場合は、後述するステップS107に進む。
【0064】
ステップS104において、CPU20Aは、中間部品があるか否かを判定する。すなわち、既に中間部品を作成しており、ワークフローに含まれているか判定する。中間部品があると判定した場合は、後述するステップS106に進み、中間部品があると判定しない場合は、次のステップS105に進む。
【0065】
ステップS105において、CPU20Aは、中間部品を作成する。そして、作成した中間部品をワークフロー表示部130に表示する。そして、次のステップS106に進む。
【0066】
ステップS106において、CPU20Aは、上述したステップS105で作成した中間部品を各部品の最終プロセスに接続するワークフローを作成する。そして、次のステップS107に進む。
【0067】
ステップS107において、ワークフローに、上述したステップS102で作成した部品、ステップS105で作成した中間部品を反映して、ワークフロー表示部130に表示する。そして、処理を終了する。
【0068】
図11は、情報処理装置2において実行される情報処理プログラム22Aのプロセスの追加処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0069】
情報処理装置2において、情報処理プログラム22Aの起動が指示されると、CPU20Aは、以下の各ステップを実行する。なお、図示しないが、本フローチャートの前提として、MIS3から、MIS情報を取得していてもよい。
【0070】
ステップS200において、CPU20Aは、ユーザからプロセスの追加を受け付ける。ここで、ユーザによるプロセスの追加は、ボタン表示部110に表示されているプロセス追加ボタン112(
図4参照)を操作部28の一例であるマウスでクリックすることで行われる。そして、次のステップS201に進む。
【0071】
ステップS201において、CPU20Aは、表示部26に、プロセスの候補を表示する(
図6参照)。そして、次のステップS202に進む。
【0072】
ステップS202において、CPU20Aは、ユーザからプロセスの選択を受け付ける。そして、次のステップS203に進む。
【0073】
ステップS203において、CPU20Aは、上述したステップS200で受け付けたプロセスを予め定められた順番に並べてワークフローに追加する。そして、処理を終了する。ここで、複数のプロセスを追加する場合は、かかる処理を繰り返す。また、作成されたワークフローは、記憶部22に記憶される。
【0074】
(変形例)
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0075】
全ての部品を1つの中間部品につながるワークフローを作成する場合に限定されず、例えば、
図12に示すように、部品1と部品2とを中間部品1に、部品3と部品4とを中間部品2に、それぞれつながるワークフローを作成してもよい。この場合には、ユーザにより部品が指定された状態で他の部品の情報を受け付けた場合は、ユーザにより指定された状態の部品と情報を受け付けた他の部品とから作成される中間部品をワークフローに追加することで実現する。また、ユーザにより中間部品を指定後、部品を受け付けた場合は、当該部品を指定されている中間部品につながるワークフローに追加することで実現してもよい。その他、ユーザが中間部品につながる部品を選択可能としてもよい。
【0076】
また、部品の追加は、部品追加ボタン111を操作することで行われる場合に限定されず、MIS情報から取得してもよい。
【0077】
また、プロセスは、1つずつ追加する場合に限定されず、複数を同時に追加することを可能にしてもよい。具体的には、リスト状に表示されたプロセスから複数のプロセスを選択して、当該選択後、OKボタンなどを操作することで複数のプロセスを同時にワークフローに追加することを可能にしてもよい。
【0078】
なお、上記実施形態では、プログラムが記憶部22に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークNTを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0079】
また、上述した実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0080】
また、上述した実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上述した各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0081】
以上の実施形態に関し、更に以下を開示する。
【0082】
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
製品を構成する複数の部品の情報を受け付け、
前記部品を製造するためのプロセスの候補を表示部に表示し、
前記部品毎に、前記プロセスの候補のうちからプロセスの選択を受け付け、
選択された前記プロセスを含む、前記製品の製造に関するワークフローを作成する情報処理装置。
【0083】
(((2)))
前記プロセッサは、
前記プロセスの選択を受け付ける毎に、前記ワークフローに受け付けた前記プロセスを追加する(((1)))に記載の情報処理装置。
【0084】
(((3)))
前記プロセッサは、
前記部品毎に選択された前記プロセスを、予め定められた順番に並べて前記ワークフローに追加する(((1)))又は(((2)))に記載の情報処理装置。
【0085】
(((4)))
予め定められた前記順番は、
選択を受け付けた前記プロセスと既に前記ワークフローに追加されているプロセスとの関係で決定される(((3)))に記載の情報処理装置。
【0086】
(((5)))
前記表示部に表示している前記プロセスがユーザにより指定された状態で他のプロセスの選択を受け付けた場合は、当該選択を受け付けた前記プロセスを、当該指定されている前記プロセスの次の位置のワークフローに追加する(((2)))又は(((3)))に記載の情報処理装置。
【0087】
(((6)))
前記表示部に表示している部品がユーザにより指定された状態で前記プロセスの選択を受け付けた場合は、当該選択を受け付けた前記プロセスを、当該部品の最後の位置のワークフローに追加する(((2)))又は(((3)))に記載の情報処理装置。
【0088】
(((7)))
前記プロセッサは、
複数の前記部品の情報を受け付けた場合に、複数の当該部品を組み合わせた部品である中間部品を前記ワークフローに追加する請求項(((1)))~(((6)))のいずれかに記載の情報処理装置。
【0089】
(((8)))
前記プロセッサは、
前記中間部品を含めたワークフローの生成後に情報を受け付けた前記部品は、当該部品の前記プロセスが当該中間部品につながるワークフローを作成する(((7)))に記載の情報処理装置。
【0090】
(((9)))
前記プロセッサは、
ユーザにより部品が指定された状態で他の部品の情報を受け付けた場合は、ユーザにより指定された状態の部品と情報を受け付けた他の部品とから作成される中間部品をワークフローに追加する(((1)))~(((8)))のいずれかに記載の情報処理装置。
【0091】
(((10)))
コンピュータに、
製品を構成する複数の部品の情報を受け付け、
前記部品を製造するためのプロセスの候補を表示部に表示し、
前記部品毎に、前記プロセスの候補のうちからプロセスの選択を受け付け、
選択された前記プロセスを含む、前記製品の製造に関するワークフローを作成する処理を実行させるためのプログラム。
【0092】
(((1)))によれば、複数の部品を含む製品の情報と、当該製品の情報に適用するワークフローのテンプレートを作成しておき、作成したテンプレートを当該製品の情報に適用することによる製造管理装置で製品の製造を管理するための情報を作成する場合と比べて、製造管理装置で製品の製造を管理するための情報を作成する手間を軽減することができる、という効果を有する。
【0093】
(((2)))によれば、ワークフローに反映されたプロセスの確認後、その後のプロセスを選択させることができる、という効果を有する。
【0094】
(((3)))によれば、ユーザの操作がなくてもプロセスをワークフローの適切な位置に追加することができる、という効果を有する。
【0095】
(((4)))によれば、プロセスを追加する際に、予め定められた順番で当該プロセスを追加することができる、という効果を有する。
【0096】
(((5)))によれば、プロセスを追加するワークフローの位置をユーザの選択により変更することができる、という効果を有する。
【0097】
(((6)))によれば、プロセスを追加するワークフローの位置をユーザの選択により変更することができる、という効果を有する。
【0098】
(((7)))によれば、ユーザが中間部品を追加する場合に比べ、ワークフローを作成する場合のユーザの処理負担を軽減することができる、という効果を有する。
【0099】
(((8)))によれば、中間部品にワークフローがつながらない場合に比べ、ワークフローを作成する場合のユーザの処理負担を軽減することができる、という効果を有する。
【0100】
(((9)))によれば、ユーザにより中間部品を構成する部品を選択することができる、という効果を有する。
【0101】
(((10)))によれば、複数の部品を含む製品の情報と、当該製品の情報に適用するワークフローのテンプレートを作成しておき、作成したテンプレートを当該製品の情報に適用することによる製造管理装置で製品の製造を管理するための情報を作成する場合と比べて、製造管理装置で製品の製造を管理するための情報を作成する手間を軽減することができる、という効果を有する。
【符号の説明】
【0102】
1 印刷処理システム
2 情報処理装置
26 表示部