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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067908
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】システム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20240510BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
G07G1/12 321P
G07G1/01 301C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178323
(22)【出願日】2022-11-07
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 敬行
(72)【発明者】
【氏名】吉田 敏之
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142CA12
3E142DA07
3E142EA04
3E142FA06
3E142FA42
3E142GA02
3E142GA41
(57)【要約】
【課題】会員カードを情報処理装置に読み取らせることで会員サービスを反映した会計が行われるようにする際の効率化が図られるようにする。
【解決手段】商品の登録を行う登録手段と、前記登録手段による商品登録の完了の宣言を行う宣言手段と、前記登録手段による商品登録が開始されてから前記宣言手段による宣言が行われるまでにおいて、客の操作による会員識別情報の入力を受け付ける第1入力受付手段と、前記宣言手段による宣言が行われたことに応じて、前記第1入力受付手段が入力を受け付けた会員識別情報に基づく会員の特定を行う特定手段とを備えてシステムを構成する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の登録を行う登録手段と、
前記登録手段による商品登録の完了の宣言を行う宣言手段と、
前記登録手段による商品登録が開始されてから前記宣言手段による宣言が行われるまでにおいて、客の操作による会員識別情報の入力を受け付ける第1入力受付手段と、
前記宣言手段による宣言が行われたことに応じて、前記第1入力受付手段が入力を受け付けた会員識別情報に基づく会員の特定を行う特定手段と
を備えるシステム。
【請求項2】
前記特定手段が特定した会員に関する情報を表示する表示手段をさらに備える
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1入力受付手段が会員識別情報の入力を受け付けることなく前記宣言手段による宣言が行われた場合に、会員識別情報が入力されなかった旨の報知を行う報知手段をさらに備える
請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
店員の操作による会員識別情報の入力を受け付ける第2入力受付手段をさらに備え、
前記第2入力受付手段は、前記第1入力受付手段が会員識別情報の入力を受け付けることなく前記宣言手段による宣言が行われた場合に、前記第2入力受付手段による会員識別情報の入力の受け付けを可能とする
請求項1または2に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1入力受付手段は、入力された情報が前記会員識別情報の形式に合致すると判定した場合に、当該会員識別情報の入力を受け付ける
請求項1または2に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1入力受付手段は、会員識別情報の入力を受け付けた後において、以降の会員識別情報の受け付けを停止する
請求項1または2に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1入力受付手段は、光学式読取装置による読取動作により得られる会員識別情報の入力を受け付けるようにされ、
前記光学式読取装置は、前記登録手段による商品登録の開始により読み取りのための光の照射を開始し、前記第1入力受付手段にて会員識別情報を読取動作に得られた場合、または、会員識別情報が得られなかった場合は、前記宣言手段による宣言が行われたことに応じて、前記読み取りのための光の照射を停止する
請求項1または2に記載のシステム。
【請求項8】
会員識別情報の入力が行われかったことで前記特定手段による会員の特定が行われなかった場合に、次回以降の会計において特定された会員に、今回の会計に対応する特典を付与可能な情報を印刷する
請求項1または2に記載のシステム。
【請求項9】
商品の登録を行う登録手段と、
前記登録手段による商品登録の完了の宣言を行う宣言手段と、
前記登録手段による商品登録が開始されてから前記宣言手段による宣言が行われるまでにおいて、客の操作による会員識別情報の入力を受け付ける第1入力受付手段と、
前記宣言手段による宣言が行われたことに応じて、前記第1入力受付手段が入力を受け付けた会員識別情報に基づく会員の特定を行う特定手段と
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
会員カードから読み取った会員コードにより示される顧客に、購入実績に応じたお買い得件を発行する会員サービスを提供可能なPOS端末装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-054102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
会員カードをPOS端末に読み取らせることで会員サービスを反映した会計が行われるにあたっての効率化が図られることが好ましい。
【0005】
そこで、本発明は、会員カードを情報処理装置に読み取らせることで会員サービスを反映した会計を行うにあたっての効率化が図られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決する本発明の一態様は、商品の登録を行う登録手段と、前記登録手段による商品登録の完了の宣言を行う宣言手段と、前記登録手段による商品登録が開始されてから前記宣言手段による宣言が行われるまでにおいて、客の操作による会員識別情報の入力を受け付ける第1入力受付手段と、前記宣言手段による宣言が行われたことに応じて、前記第1入力受付手段が入力を受け付けた会員識別情報に基づく会員の特定を行う特定手段とを備えるシステムである。
【0007】
また、本発明の一態様は、商品の登録を行う登録手段と、前記登録手段による商品登録の完了の宣言を行う宣言手段と、前記登録手段による商品登録が開始されてから前記宣言手段による宣言が行われるまでにおいて、客の操作による会員識別情報の入力を受け付ける第1入力受付手段と、前記宣言手段による宣言が行われたことに応じて、前記第1入力受付手段が入力を受け付けた会員識別情報に基づく会員の特定を行う特定手段とを備える情報処理装置である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態における商品情報処理システムの構成例を示す図である。
図2】本実施形態におけるPOS端末の外観例を示す斜視図である。
図3】本実施形態におけるPOS端末の構成例を示す図である。
図4】本実施形態における会員情報の一例を示す図である。
図5】本実施形態における店員側表示部にて表示される商品登録画面の一例を示す図である。
図6】本実施形態における客側表示部にて表示される操作画面の一例を示す図である。
図7】本実施形態における店員側表示部にて表示される小計画面の一例を示す図である。
図8】本実施形態における客側表示部にて表示される操作画面の一例を示す図である。
図9】本実施形態における未読取報知画面の一例を示す図である。
図10】本実施形態におけるPOS端末が実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施形態>
[商品情報処理システムの構成例]
図1は、本実施形態の商品情報処理システムの構成例を示している。同図の商品販売データ処理システムは、上位装置10、POS端末20、取引管理サーバ30、及び顧客管理サーバ40を備える。
【0010】
POS端末20と上位装置10は、店舗STにおいて備えられる。POS端末20は、会計処理を実行する。つまり、POS端末20は、客が購入対象とする商品を登録する商品登録処理と、商品登録処理によって登録された商品に対応する精算処理とを実行する。
上位装置10は、配下のPOS端末20と通信可能に接続され、POS端末20の管理や実績の管理等を行う。上位装置10は、例えばストアコントローラと呼ばれる端末装置であってもよい。ストアコントローラは、例えば取引管理サーバ30から対応の店舗STの商品マスタを取得し、取得した商品マスタを記憶してよい。
なお、同図においては、店舗STにおいて各1つのPOS端末20が設置された例を示しているが、店舗STにおいては複数のPOS端末20が設置されてもよい。同様に、店舗STにおいて、複数の上位装置10が設置されてよい。
【0011】
取引管理サーバ30は、店舗STのそれぞれにおいて行われる取引の管理を行う。例えば、取引管理サーバ30は、店舗STのそれぞれにおいて行われた取引の結果(取引実績)を記憶する。
【0012】
顧客管理サーバ40は、同図に示される複数の店舗STを含む系列店舗の会員として登録された顧客を管理するサーバである。
【0013】
なお、本実施形態の商品情報処理システムが単一の店舗STに対応する場合には、店舗STにおける上位装置10等が取引管理サーバ30や顧客管理サーバ40としての機能を有してよい。
【0014】
なお、図示していないが、クレジットカード決済に対応するクレジットカード決済サーバや、電子マネーの使用での決済に対応する電子マネーサーバ等も、POS端末20を備える店舗STと接続されてよい。
【0015】
[POS端末]
図2は、POS端末20の外観例を示す斜視図である。本実施形態のPOS端末20は、店員と客とが対面して行う会計に対応する。図2は、POS端末20を客側から見た斜視図となる。図3は、POS端末20の構成例を示す図である。図2及び図3において、同一部分には同一符号を付している。
【0016】
以下、図2及び図3を参照しつつ、POS端末20の構成例を説明する。POS端末20は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM202と、RAM203と、ハードディスク204と、客側表示部205と、客側スキャナ206と、決済端末208と、釣銭機209と、店員側表示部210と、キー操作部211と、店員側スキャナ212と、印刷部213と、音声出力部214と、通信部215と、カメラ216とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0017】
CPU201は、中央演算処理装置であり、ROM202に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、POS端末20の動作を制御する。
ROM202は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
【0018】
RAM203は、読み出し書き込みメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM203は、外部から取得した情報(例えば、上位装置10から取得した商品マスタ等)や、処理において生成した情報(例えば、登録処理において生成した登録情報、精算処理において生成した精算情報等)を記憶する。なお、以下の説明において、登録情報と精算情報のいずれか一方又は両方を取引情報と称する場合がある。
【0019】
ハードディスク204は、種々の情報を記憶する。ハードディスク204は、例えば、ROM202に代えて、CPU201が実行するプログラム等を記憶してもよい。また、RAM203に代えて、外部から取得した情報や、処理において生成した情報を記憶してもよい。
なお、ハードディスク204に代えて、例えばSSD(Solid State Drive)等の記憶装置が備えられてもよい。
【0020】
客側表示部205は、客用のタッチディスプレイであり、客(顧客)に種々の情報を表示するとともに、客から種々の入力を受け付ける。
客側スキャナ206は、客が使用するように設けられたスキャナとしての部位であり、例えば、商品に付されているバーコード(商品コード等)等を光学的に読み取る。
【0021】
客側スキャナ206は、後述のフルセルフモード、ダブルスキャンモード、及びセミセルフモードでは、客が商品を登録する際に用いられる。
なお、客は他の方法によって商品を登録してもよい。例えば、客側表示部205に、商品の注文ボタン等が表示されている場合、客は、注文ボタンを操作(押下)し、商品を登録してもよい。
また、客側スキャナ206は、後述の応対モードでは、会員カードの読み取りに用いられる。なお、この際に、POS端末20(あるいは、POS端末20からコードを取得した顧客管理サーバ40)は、客側スキャナ206により読み取られたコードにおける所定の桁が示すフラグ等の値や、読み取られた桁数等をチェックすることにより、読み取った対象が会員カードであると判定した場合に、コードの読み取りにより得られた会員識別情報を記憶(一時記憶)するようにしてもよい。
この際、POS端末20は、コードの読み取りにより得られた会員識別情報を記憶したことに応じて、以降の客側スキャナ206によるコードの読み取りを停止させてよい。停止に際して、POS端末20は、客側スキャナ206からの読み取り光の照射を停止させてよい。
なお、応対モードのPOS端末20は、客側スキャナ206が例えば店員証等から店員コード(店員識別情報を示す)を読み取った場合には、メンテナンス画面に遷移するようにされてよい。例えば、釣銭機209のメンテナンスを行う際には、客側スキャナ206が店員コードを読み取ったことを条件として、メンテナンス画面に移行可能とされてよい。つまり、この場合には、店員側スキャナ212に店員コードを読み取らせても、自動釣銭機のメンテナンス画面には遷移しないようにされる。これにより、現金を扱うこととなる釣銭機209のメンテナンスが可能となったときに店員がその場に不在であるという状況を避けられる。
【0022】
決済端末208は、各種カード(クレジットカード、交通系カード、電子マネーカード等)から情報を読み取って決済に対応する処理を実行可能とされる。また、決済端末208は、会員カード(会員証)、ポイントカード等の情報を読み取ることも可能とされるよい。本実施形態の決済端末208は、例えばカード認識部(読取部)や表示部や操作部を備えてよいが、少なくとも、カード認識部を備えるものであればよい。
【0023】
決済端末208は、POS端末20と接続される個別のデバイスであってよい。この場合の決済端末208は、決済に対応する処理にあたり、POS端末20を経由せずに、顧客管理サーバ40(図1)やクレジットカード決済サーバ(図示せず)等の各種決済サーバとネットワーク経由で通信可能に接続されてよい。
決済端末208は、受信した決済情報を利用して、顧客管理サーバ40やクレジットカード決済サーバ等の決済サーバと通信を行うことで決済処理を実行する。
以降の説明では、決済端末208としてのデバイスがPOS端末20と接続されることで、決済端末208がPOS端末20に含まれる部位であるとして扱う。
【0024】
釣銭機209(現金決済部)は、現金による決済機構であり、紙幣や硬貨の投入口、紙幣や硬貨の排出口を有し、投入口への投入金額を算出し、投入金額と買上金額の差分である釣銭金額を算出し、釣り銭を排出口から排出する。
【0025】
店員側表示部210は、店員用のタッチディスプレイであり、店員に種々の情報を表示するとともに、店員から種々の入力を受け付ける。
キー操作部211は、各種のキー(ボタン)から構成され、店員から種々の入力を受け付ける。
店員側スキャナ212は、店員が使用するスキャナであり、例えば、商品に付されているバーコード(商品コード等)や店員の名札に付された店員コードや会員カードに付された会員コード等を光学的に読み取る。
【0026】
なお、店員側スキャナ212は、店員が商品を登録する際に用いられるが、店員は他の方法によって商品を登録してもよい。例えば、キー操作部211に、商品に対応するキー(例えば、スポーツ新聞に対応するキー等)が配置されている場合、店員は、当該キーを操作(押下)し、当該商品を登録することができる。また、店員側表示部210に、商品に対応するプリセットキーが表示されている場合、店員は、当該プリセットキーを操作し、当該商品を登録することができる。
なお、図2に示される店員側スキャナ212は、店員が手に持って操作するハンディタイプとされているが、例えばPOS端末20の店員側において固定的に設けられる態様であってよい。
【0027】
印刷部213は、媒体を印刷する部位であり、例えば、レシート等の種々の伝票を用紙に印刷し、印刷した用紙を排出部213aから排出させる。以降において、印刷部213により用紙に印刷を行って排出部213aから排出させることを、発行とも記載する。
【0028】
音声出力部214は、音声を出力する。例えば、音声出力部214は、音声ガイダンス等を出力する。また、音声出力部214は、所定の動作に応じて電子音を出力することも可能である。
通信部215は、上位装置10、取引管理サーバ30、及び顧客管理サーバ40等との通信可能に接続する。
【0029】
カメラ216は、客側の立ち位置にて会計に関する操作を行う客の様子を撮像するように設けられる。カメラ216が撮像して得られた撮像画像は、会計を行う客を監視する監視画像や、客がPOS端末20の客側の手前に存在しているか否かを検出するための画像解析に利用する画像として用いることができる。また、POS端末20は、カメラ216の撮像によって得られた撮像画像をハードディスク204等の記憶装置に記憶させることができる。
【0030】
なお、POS端末20は、所定のパターン、色で点灯することで、店員に向けて所定の報知を行うサインポールを備えてよい。
【0031】
[POS端末の動作モードについて]
続いて、POS端末20の動作モードについて説明する。POS端末20は、通常業務中での会計に対応して4種類の動作モード(応対モード、フルセルフモード、ダブルスキャンモード、セミセルフモード)を有する。
【0032】
〔応対モード〕
応対モードは、店員と客とが対面で応対しながら使用されるモードである。具体的に、応対モードは、店員側にて店員の操作に応じて登録処理を実行し、客側にて客の操作に応じて精算処理を実行する動作モードである。応対モードの場合、店員は、客の買上商品を、店員側の店員側スキャナ212、店員側表示部210、キー操作部211等を利用して登録する。
【0033】
客は、客側にて客側表示部205における表示を確認しながら、釣銭機209に貨幣を投入する、あるいは決済端末208に決済に用いるカードを読み取らせて精算を行う。
なお、POS端末20は、店員による登録処理が完了(合計金額が確定)してから釣銭機209への貨幣の投入が可能なようにされてもよいが、登録処理が完了する前の段階から釣銭機209に貨幣を投入可能とされてもよい。
【0034】
〔フルセルフモード〕
フルセルフモードは、客側にて登録処理と精算処理とを実行可能とされる動作モードである。フルセルフモードの場合、客は、POS端末20の客側において備えられる客側スキャナ206、客側表示部205を用いて商品を登録する操作を行う。POS端末20は、客の操作に応じて商品登録処理を実行する。
【0035】
登録処理が完了した場合、客は、客側表示部205において買上商品の合計金額を確認し、釣銭機209に貨幣を投入、または、クレジットカード決済の場合には決済端末208を操作して精算を行う。つまり、POS端末20は、客の操作等(釣銭機209への貨幣の投入、決済端末208の操作)により、精算処理を実行する。
なお、フルセルフモードにおいて、店員が客による会計の状況を把握可能なように、店員側表示部210にて会計の進捗に応じた表示が行われてよい。
【0036】
〔ダブルスキャンモード〕
ダブルスキャンモードは、店員側での店員の操作に応じた商品登録処理と、客側での客の操作に応じた商品登録処理とが同時並行で実行可能とされ、客側にて客の操作に応じて精算処理を実行可能とされる動作モードである。
【0037】
〔セミセルフモード〕
セミセルフモードは、2台以上のPOS端末20による動作モードであって、登録専用モードに設定されたPOS端末20が店員側での店員の操作に応じて登録処理を実行し、精算専用モードに設定されたPOS端末20が客側での客の操作に応じて精算処理を実行する動作モードである。
【0038】
登録専用モードのPOS端末20は、商品登録処理が完了したことに応じて、精算専用モードのPOS端末20のいずれか1つに対して、商品登録処理結果が反映された精算情報を送信する。
精算情報を受信した精算専用モードのPOS端末20は、登録専用モードのPOS端末20の位置から精算のために赴いてきた客の操作に応じて精算処理を実行する。
【0039】
[顧客情報について]
顧客管理サーバ40は、顧客の管理にあたり、会員として登録された顧客ごとの顧客情報を記憶する。
図4は、1の顧客に対応する顧客情報の一例を示している。同図の顧客情報は、会員識別情報、顧客基本情報、取引履歴情報、会員ランク、及び特典情報の領域を含む。
【0040】
会員識別情報の領域は、対応の会員としての顧客を一意に示す会員識別情報を格納する。
【0041】
顧客基本情報の領域は、対応の会員としての顧客の顧客基本情報を格納する。顧客基本情報は、例えば対応の顧客の氏名、性別、生年月日、住所等を含んでよい。
【0042】
取引履歴情報の領域は、対応の顧客がこれまでに系列の店舗STにて行った取引(会計)ごとの履歴を示す取引履歴情報を格納する。
【0043】
会員ランクの領域は、対応の会員としての顧客に付与されている会員ランクを格納する。会員ランクは、例えば会員の継続期間、これまでの取引実績における購入金額の累計、来店回数等に応じて定まるものとされてよい。
【0044】
特典情報の領域は、対応の会員としての顧客が利用可能な特典を示す特典情報を格納する。
特典情報において示される特典は、例えば具体的には、会員である顧客に共通に付与される共通特典が含まれてよい。共通特典は、例えば特定の商品の値引き、付与ポイントの増加等であってよい。また、特典情報において示される特典は、対応の顧客に固有となる特典(個別特典)が含まれてよい。個別特典は、例えば、支払金額に対して会員ランクやこれまでの取引実績等に応じて設定された割引、誕生日割引、これまでの取引実績に基づく商品のリコメンド等であってよい。また、共通特典と個別特典の各特典に関する特典情報において、特典が使用可能となる条件(例えば、合計金額が所定以上であるなど)、特典の有効期限、制限事項(例えば、利用可能回数など)が含まれてよい。
【0045】
[会員カードの読み取りに関する処理について]
会員である客は、一取引に応じた会計を応対モードのPOS端末20にて店員と対面して行うにあたり、自分が所持する会員カードに付された会員コードを、POS端末20に備えられる客側スキャナ206(会員カードの形式によっては決済端末208でもよい)に読み取らせるようにする。会員カードに付された会員コードは、会員識別情報を示す。以降において、会員カードに付された会員コードを読み取らせることについては、「会員カードの読み取り」として記載する場合がある。
なお、会員コードは、例えば置数操作によって入力することも可能である。しかしながら、客にとって置数操作は不慣れで煩雑であることから、客側での会員コードの入力は、客側スキャナ206等を用いたスキャン操作に制限されてよい。
【0046】
対応モードのもと、一取引に応じた会計の流れにおけるPOS端末20での会員カードの読み取りは、店員側スキャナ212と客側スキャナ206とのいずれによっても可能なように構成することができる。
なお、店員側での会員コードの入力は、例えば会員コードまたは会員コード付きクーポンバーコードなどを店員側スキャナ212等により読み取らせる操作、あるいは、店員側表示部210にて表示された会員コード入力画面あるいはキー操作部211に対する操作に応じて行われてよい。また、店員側での会員コードの入力は、電話番号などを検索キーとする会員コードの検索や音声入力などによって可能とされてもよい。
【0047】
会計中において、店員側スキャナ212により会員カードを読み取る場合には、同じ店員が、商品コードの読み取りと会員カードの読み取りとを同じ店員側スキャナ212を操作して順次行う。この場合、POS端末20は、店員側スキャナ212の商品コードの読み取りに応じた上位装置10(ストアコントローラ)との通信と、会員カードの読み取りに応じた顧客管理サーバ40との通信とをそれぞれ異なるタイミングで行える。
一方、会計中において、店員側スキャナ212により会員カードを読み取る場合、POS端末20では、店員側スキャナ212による商品コードの読み取りに応じてストアコントローラと通信するタイミングと、客側スキャナ206による会員コードの読み取りに応じて顧客管理サーバ40と通信するタイミングとが同時となって処理が干渉し、通信に影響を与える可能性が生じる。
上記のような通信への影響を回避するため、例えば会員カードを読み取らせる操作について、店員による商品登録が完了し、店員が小計操作を行った後において行うようにしてもよい。つまり、店員による商品登録が行われている間、客は会員カードを客側スキャナ206に読み取らせることができないようにしてよい。しかしながら、この場合には、客が自分で客側スキャナ206に会員コードを読み取らせようとする場合には、客は、店員による商品の登録が完了するまで待つことが必要になる。商品登録が行われているときにも会員カードの読み取りが可能となれば、客は自分のペースで会員カードを読み取らせることができ、会計の完了までに要する時間の短縮も期待できる。
【0048】
そこで、本実施形態におけるPOS端末20は、対応モードにおいて、商品登録中において、客が客側スキャナ206により会員カードを読み取らせる操作を行うことが可能なようにされる。ここでの商品登録中とは、一取引に対応する登録対象の商品のうちの1つ目の商品の登録が開始されてから、全ての商品の登録が完了して小計操作が行われるまでの間に対応する。小計操作は、一取引における商品登録の完了を宣言する操作となる。
【0049】
図5は、商品登録中において店員側表示部210にて表示される操作画面の一例を示している。
商品登録中において店員側表示部210にて表示される操作画面には、商品登録画面AR1が配置されている。
同図の商品登録画面AR1は、一取引ごとに対応する商品登録内容を示すシート(商品登録明細表示領域)が重ねられた構造を有する。各商品登録明細表示領域にはタブ(商品登録タブ:見出し領域の一例)が付されている。同図においては、3つの商品登録タブTAB1-1、TAB1-2、TAB1-3が表示されている。同図の商品登録画面AR1は、これら3つの商品登録明細表示領域が重ねられた状態の構造を有する。
商品登録タブTAB1-1、TAB1-2、TAB1-3には、登録順番号を示す数字が表示されている。登録順番号は、商品の登録が開始された順番を示す。同図においては、商品登録タブTAB1-1、TAB1-2、TAB1-3のそれぞれに登録順番号「1」、「2」、「3」が表示されている。これは、商品の登録が開始された順番が、商品登録タブTAB1-1に対応する取引、商品登録タブTAB1-2に対応する取引、商品登録タブTAB1-3に対応する取引の順であることを示す。
なお、以降の説明にあたり、個々の商品登録タブTAB1-1、TAB1-2、TAB1-3等について特に区別しない場合には、商品登録タブTAB1と記載する。
【0050】
本実施形態において、同図のように3つの商品登録タブTAB1が表示されているということは、POS端末20にて商品登録は開始されたが未だ商品登録が完了していない(商品登録中の)取引が3つあることを示している。なお、商品登録タブTAB1は、商品登録中の取引だけではなく、商品登録が待機中である状態に対応して設けられるものがあってよい。店員は、これら3つの商品登録明細表示領域のうちで、最前面に配置される商品登録明細表示領域に対する操作を行って対応の取引についての商品登録を行うことができる。最前面よりも下に配置される商品登録明細表示領域が対応する取引については、商品登録が保留された状態である。
店員は、商品登録タブTAB1に対する操作(例えば、タッチ操作)を行うことで、操作された商品登録タブTAB1の付された商品登録明細表示領域を最前面に移動させ、最前面に移動された商品登録明細表示領域に対応する取引の商品登録を行うことができる。つまり、店員は、商品登録タブTAB1に対する操作によって複数の商品登録中の取引のうちから任意の1つの取引に対応する商品登録明細表示領域をアクティブとなるように選択し、アクティブの商品登録明細表示領域に対応する取引における商品登録操作を行うことができる。
【0051】
同図においては、商品登録タブTAB1-1の付された商品登録明細表示領域がアクティブとされた状態が示されている。アクティブとされた商品登録明細表示領域においては、商品ボタンエリアAR10が配置されている。商品ボタンエリアAR10においては、商品ごとに対応する商品ボタンが配置される。商品ボタンには、例えば対応の商品を示す商品名が表示されている。
店員は、商品登録操作において、商品ボタンに対する操作を行うことで、登録対象の商品の指定を行うことができる。具体的に、「商品B」との商品名の商品を登録対象として指定したい場合、店員は、商品ボタンエリアAR10において配置される商品ボタンのうち、「商品B」と表示された商品ボタンに対する操作を行えばよい。「商品B」の商品ボタンに対する操作により、「商品B」が登録対象として指定される。続けて、店員は、例えば「商品B」についての数量などを入力する操作を行うことができる。店員は、買上商品ごとに上記のような操作を行っていくことで、順次、商品の登録を行っていくことができる。
【0052】
同図の商品登録明細表示領域においては、現段階において2つの商品が登録されていることが示されている。具体的には、同図の商品登録明細表示領域における登録商品リスト領域AR11には、「商品A」、「商品B」の順で2つの商品が登録されたことが示されている。また、登録商品領域AR12には、最後に登録された「商品B」についての情報が示されている。また、合計金額領域AR13においては、これまでに登録された商品の総数が「2」であり、これら2つの商品の合計金額が1900円であることが示されている。
【0053】
また、同図の操作画面においては、商品登録画面AR1とともに共通エリアAR20(共通領域の一例)が配置されている。
共通エリアAR20は、店員側表示部210の表示領域全体において、商品登録画面AR1としての領域とは異なる領域に配置されている。本実施形態において、商品登録画面AR1が表示される領域は、例えばメインとなる操作画面が表示される領域(操作画面領域の一例)に対応し、当該領域においては、店員の操作や処理の進行等に応じて操作画面の表示が切り替わる。
共通エリアAR20は、このようなメインとなる操作画面の表示の切り替わりに応じて変化せずに同じ態様での表示が維持される領域である。換言すれば、共通エリアAR20は、店員側表示部210においてメインとなる操作画面が提供する機能が変更されても、これに応じて変更することなく同じ機能を提供する。
例えば、同図において図示は省略しているが、共通エリアAR20においては、例えばニアフルやニアエンド等のPOS端末20の状態(ステータス)を店員に報知するステータス情報や、品券指定等の特定の操作が行われるボタン等が配置されてよい。
【0054】
商品登録中において客側スキャナ206により会員カードの読み取りが行われたことに応じては、POS端末20にて表示している画面にて、店員向けに会員カードの読み取りが行われたことが報知されてよい。
店員に向けての会員カードの読み取りが行われたことの報知は、店員側表示部210にて表示として行われてよい。一具体例として、図5に示されるように、会員カードの読み取りが行われたことに応じて、共通エリアAR20において、会員カード情報エリアAR30を表示させてよい。具体的に、同図の会員カード情報エリアAR30においては、会員カードからの会員識別情報の読み取りが行われた旨のメッセージ(読取済メッセージ)と、会員カードから読み取った会員識別情報(会員番号)が示される。会員カード情報エリアAR30は、会員カードの読み取りが行われるまでは非表示の状態であってもよい。
なお、このように会員カードの読み取りが行われたことを報知する表示は、共通エリアAR20以外の所定のエリアにて表示されてよい。例えば、会員カードの読み取りが行われたことを報知する表示は、商品登録画面AR1の上側において商品登録タブTAB1が配置されていないエリアや、対応の商品登録タブTAB1にて行われてよい。
なお、読取済メッセージに代えて、あるいは読取済メッセージに加えて、会員カードの読み取りが行われたことを示す所定の絵柄のアイコンが表示されてもよい。
【0055】
図6は、商品登録中において客側表示部205にて表示される操作画面を示している。同図の操作画面においては、図5の商品登録画面AR1と同様にこれまでの商品登録結果が反映されている。つまり、同図の操作画面においては、商品Aに続いて商品Bが登録されており、登録された商品A、商品Bに対応する合計金額は1900円であることが示されている。
【0056】
客側表示部205の操作画面においても、商品登録中において客側スキャナ206により会員カードの読み取りが行われたことに応じてその旨を報知する表示が行われてよい。
具体的には、例えば図6の操作画面に会員カード情報エリアAR40を配置するようにされてよい。会員カード情報エリアAR40には、読取済メッセージと会員番号とが表示されている。会員カード情報エリアAR40は、会員カードの読み取りが行われるまでは非表示の状態であってもよい。
【0057】
本実施形態のPOS端末20は、上記の図5図6に示した操作画面が表示されている商品登録中において、会員カードの読み取りが行われた際、読み取られた会員コードから取得した会員識別情報を直ちに顧客管理サーバ40に送信することはせず、一時的に記憶しておくようにされる。この際の、会員識別情報の記憶先は、RAM203またはハードディスク204であってよい。
そして、POS端末20は、小計操作が行われたことに応じて、顧客管理サーバ40に対して、記憶していた会員識別情報を含む会員特定要求を送信する。
【0058】
顧客管理サーバ40は、受信した会員特定要求に含まれるのと同じ会員識別情報を含む会員情報を検索する。顧客管理サーバ40は、検索した会員情報に格納される情報のうちから会計に必要な情報(会計利用情報)を取得する。会計利用情報には、特典情報が含まれる。顧客管理サーバ40は、取得した会計利用情報を含む会員特定情報をPOS端末20に送信する。
POS端末20は、受信した会員特定情報に含まれる会計利用情報の内容を反映した小計の計算を行い、計算後の小計結果を示す小計画面を表示する。
【0059】
本実施形態において、このように会員カードの読み取りに応じて取得された会員識別情報に対応する会員としての顧客に対応する顧客情報が検索されることが顧客の特定に相当する。また、POS端末20では、検索された顧客情報に基づく会計利用情報を小計結果に反映させることが顧客の特定に相当する。
【0060】
本実施形態においては、上記のように、商品登録中において客が会員カードを読み取らせる操作を行うことができる。
そのうえで、POS端末20は、商品登録中において会員カードが読み取られたことで取得した会員識別情報を記憶しておくようにされる。POS端末20は、小計操作が行われたことに応じて会員識別情報を含む会員特定要求を送信して、顧客管理サーバ40から会員特定情報を取得するようにされる。
商品登録中は、POS端末20は、店員の操作に応じて店員側スキャナ212が商品から読み取ったのと同じ商品コードが対応付けられた商品情報を、ストアコントローラが記憶する商品マスタから取得する。つまり、商品登録中のPOS端末20は、商品コードの読み取りが行われる都度にストアコントローラと通信を行っていることから比較的に通信負荷が重い状態にある。このような商品登録中の状態において、さらに会員カードの読み取りに応じてPOS端末20が顧客管理サーバ40と会員特定要求と会員特定情報の送受信を行うことは、さらに通信負荷に負担を与えることになる。
なお、POS端末20は、商品コードの読み取りに応じて、取引管理サーバ30と通信を行い、取引管理サーバ30が記憶する商品マスタから商品情報を取得してもよいが、この場合にも、上記の通信負荷の負担は同様に生じる。
そこで、本実施形態では、POS端末20が、商品登録中に会員特定要求を送信せずに、商品登録が完了した小計操作のタイミングで会員特定要求を送信するようにされている。これにより、商品登録中の通信負荷をさらに重くしないようにできる。
【0061】
図7は、店員側表示部210にて表示される小計画面AR5の一例を示している。同図の小計画面は、図5に示した商品登録結果のもとで小計操作が行われたうえで、会計利用情報に含まれていた特典情報において示される個別特典割引が小計結果として反映された内容を有している。
小計画面AR5において、登録商品エリアAR51には、今回の取引においてこれまでに登録された商品についての各項目が、上段から下段にかけて登録順に従った配列順で配置される。
同図の登録商品エリアAR51においては、登録順に従って、「商品A」、「商品B」の2つ商品ごとの項目が配置されている。
「商品A」の項目においては、税込み単価800円の「商品A」が1個登録されたことで、「商品A」についての税込み金額が800円であることが示されている。
「商品B」の項目においては、税込み単価1100円の「商品B」が1個登録されたことで、「商品B」についての税込み金額が1100円であることが示されている。
【0062】
また、登録商品エリアAR51においては、商品Bに続く項目において、今回の小計結果に適用された個別特典割引の内容が示されている。同図における個別特典割引の項目は、合計金額に対して10%の割引を適用するものであることを示している。
【0063】
小計画面AR5において、小計金額エリアAR52は、これまでの商品の登録結果に基づく小計結果が示される。同図の小計金額エリアAR52においては、登録された商品の個数が2個であり、登録された2個の商品の合計金額が1900円であることが示されている。
また、小計画面AR5において、小計金額エリアAR52の下には、特典情報エリアAR54が配置されている。特典情報エリアAR54は、小計金額に対して適用される割り引き(値引き)としての特典の情報を示すエリアである。同図の特典情報エリアAR54においては、小計金額である1900円に対して10%の割引を行うことで190円の値引きが行われることが示されている。
小計画面AR5において、合計金額エリアAR53は、これまでの商品の登録結果に基づく合計金額が示される。合計金額としては、1900円の小計金額から190円を差し引いた1710円が示される。
【0064】
また、同図の小計画面AR5は、小計操作に応じて図5の商品登録画面AR1から切り替わるように表示されたものである。これに対して、共通エリアAR20は、商品登録画面AR1から小計画面AR5への切り替わりに応じて変更されることなく、図5の商品登録画面AR1が表示されていたときと共通の情報が継続して表示される。
そのうえで、この場合の小計画面AR5における会員カード情報エリアAR30においては、会員特定情報に基づいて新たに得られた情報として、会員名と会員に付与されている累積ポイント数とが追加して表示されている。
【0065】
個別特典割引は、顧客ごとに内容が異なることから、小計操作に応じて会員特定情報が取得されることで、POS端末20での表示が可能となる。
一方、商品に対して設定される値引き等の特典は、対応の商品コードの読み取りに応じて取得される商品情報に示されている。このため、商品に対して設定される特典に関する情報は、例えば商品登録画面の登録商品リスト領域AR11における対応の商品のリスト項目において表示されてよい。
また、共通特典は、会員に対して共通に適用されるものである。このため、POS端末20は、共通特典の情報を記憶してさえすれば、商品登録中において会員カードの読み取りが行われたことに応じてその旨を報知する表示を開始させることができる。共通特典の情報は、例えば店員側表示部210における商品登録画面AR1と客側表示部205における操作画面とにおいて、所定の態様で表示されてよい。
【0066】
図8は、小計操作後において店員側表示部210にて図7の小計画面AR5が表示されているときに、客側表示部205にて表示される操作画面の一例を示している。
同図の操作画面においては、図7と同様の小計結果が反映されている。つまり、同図の操作画面においては、小計金額に対応して客が支払うべき支払い金額が1710円であり、当該1710円の支払金額は、10%の個別特典割引が適用された金額であることが示されている。
また、この場合には、例えば所定のタイミングで行われた顧客の操作によって、決済種別として現金による支払いが指定されていた。このように決済種別として現金が指定されていることに応じて、同図の操作画面においては預かり金額の領域が併せて表示される。預かり金額の領域は、客が今回の支払いのため現時点までに釣銭機209に投入した貨幣の合計金額(預かり金額)を表示する。
また、この場合の操作画面における会員カード情報エリアAR40においては、会員特定情報に基づいて新たに得られた情報である、累積ポイント数が追加して表示されている。
【0067】
なお、商品ごとに対応して適用される割引等の特典については、商品登録中において客側表示部205にて商品登録経過を示すように表示される商品登録画面において、商品が登録されて商品情報が得られたことに応じて、適用対象の商品の項目に付加されるようにして特典の内容が示されてよい。
また、共通特典についても、商品登録中において会員カードの読み取りが行われたことに応じてその旨を報知する表示が、客側表示部205の操作画面にて表示されてよい。
【0068】
なお、小計画面が表示されている状態から、例えば商品の追加登録が必要となったことに応じて商品登録画面に戻った際には、会員カード情報エリアAR30は、小計画面とともに表示されていたときの内容を引き継いで、読取済メッセージ、会員番号、会員名、累積ポイント数が表示されてよい。この点については、客側表示部205にて表示される操作画面における会員カード情報エリアAR40も同様であってよい。
【0069】
また、商品登録中に会員カードを読み取らせる操作が行われないまま小計操作が行われた場合には、店員側表示部210にて、会員コードの読み取りが行われていないことを店員に報知する未読取報知画面が表示される。
【0070】
図9は、未読取報知画面の一例を示している。同図の未読取報知画面は、小計画面に対して重畳して表示されるダイアログウィンドウの形式とされてよい。
同図の未読取報知画面においては、例えば「会員カードが未入力です。」のように、今回の取引の会計において、未だ会員カードの読み取りが行われていないことを店員に報知する旨のメッセージが表示されている。
【0071】
また、未読取報知画面においては、非入力宣言ボタンBT11と入力宣言ボタンBT12とが配置されている。
非入力宣言ボタンBT11は、このまま会員カードの読み取り(会員コードの入力)を行うことなく会計を完了させることを宣言する操作が行われるボタンである。
入力宣言ボタンBT12は、会員カードを読み取らせたうえで会計を進めることを宣言する操作が行われるボタンである。
店員は、客に会員カードを読み取らせてから会計を進めるか否かを問い合わせ、客からの回答に応じて、非入力宣言ボタンBT11と入力宣言ボタンBT12とのいずれかを操作する。
【0072】
非入力宣言ボタンBT11が操作された場合、POS端末20は、未読取報知画面を消去して小計画面を表示させる。この場合には、会員特定情報は得られていないことから、小計画面は、会計利用情報が反映されていない内容を示している。
【0073】
一方、入力宣言ボタンBT12が操作された場合、POS端末20は、客側スキャナ206ではなく、店員側スキャナ212の読み取り動作を有効とする。店員側スキャナ212は、読み取り光を照射する状態となることで、読み取り動作が有効となる。店員は、客に会員カードを提示してもらい、読み取り動作が有効となった店員側スキャナ212により、提示された会員カードを読み取らせる操作を行う。このように会員カードの読み取りが行われたことに応じて、POS端末20は、会員カードの読み取りにより取得した会員識別情報を含む会員特定要求を送信する。POS端末20は、会員特定要求の送信に応じて顧客管理サーバ40から送信された会員特定情報を受信し、受信した会員特定情報に含まれる会計利用情報が反映された小計画面を表示させる。この際、客側表示部205にて表示されている操作画面においても会計利用情報が反映された内容が提示されている。
【0074】
このように小計画面が表示された後は、POS端末20は、客の精算に対応する操作に応じて精算処理を実行する。
【0075】
なお、非入力宣言ボタンBT11が操作される場合としては、例えば客が会員カードを持参し忘れていたり、持参してはいるがすぐには取り出せないような場合がある。会計に応じて客に付与される特典がポイントに限定されているような場合において、客が会員カードを持参し忘れたりすぐに取り出せないことで非入力宣言ボタンBT11を操作した場合には、例えば店員の操作に応じてポイント付加コードを印刷した用紙が印刷部213により発行されるようにしてよい。ポイント付加コードは、今回の会計に応じたポイントを、例えば次回の同じ客の会計に際して追加できるようにするためのコードである。このようなポイント付加コードは、例えば今回の会計に応じて発行されるレシートに印刷されてもよい。店員は、例えば次回の会計において客からポイント付加コードを提示された場合には、会計においてポイント付加コードを店員側スキャナ212に読み取らせる操作を行ってポイントを付加できる。
さらに、ポイント付加コードには、会員コード、加算ポイント数、加算期限日等の情報を含めてよい。客は、自分のスマートフォン等の携帯端末にインストールした会員アプリケーションに上記のように情報が含まれるポイント付加コードを読み取らせることで、ポイントが加算されるようにしてよい。この場合、客の携帯端末は、読み取ったポイント付加コードを顧客管理サーバ40に送信し、顧客管理サーバ40は、受信したポイント付加コードに含まれる情報に基づいて、会員に対するポイント加算に関する処理を実行する。この際、ポイント付加コードには、当該ポイント付加コードに一意となる識別コードや発行日時等の識別情報を含めるようにしたうえで、顧客管理サーバ40は、ポイント付加コードに含まれる識別情報に基づいて、同一のポイント付加コードによる2回目以降のポイント加算を制限するように処理してよい。
【0076】
また、例えば非入力宣言ボタンBT11が操作された後において、会員登録を行っていないが会員登録を行いたいとの意思を有している客に応じて、POS端末20は、客が会員登録を行いたいとの意思のあることを確認する操作(登録意思確認操作)が可能とされてよい。登録意思確認操作は、客側にて行えるようにされてもよいし、店員側にて行えるようにされてもよい。
POS端末20は、登録意思確認操作が行われたことに応じて、例えば会員登録のサイトにアクセスすることのできるURL等のコード(会員登録コード)を印刷した用紙を発行してよい。会員登録コードも、例えば今回の会計に応じて発行されるレシートに印刷されてもよい。
【0077】
[処理手順例]
図10のフローチャートを参照して、本実施形態のPOS端末20が会計において実行する処理手順例について説明する。以下の処理は、CPU201が実行するものとして捉えられてよいが、以降の説明では、POS端末20が主体で処理を実行するものとして説明する。
【0078】
ステップS100:POS端末20は、一取引に対応する商品登録が開始されるのを待機する。商品登録の開始トリガは、商品登録待機の状態から1つ目の商品を登録するための最初の商品コードの読み取り(スキャン)が店員側スキャナ212により行われたタイミングでよい。あるいは、例えば店員が1つ目の商品登録のために店員側スキャナ212を持ったことが、例えば店員側スキャナ212に備えられるセンサにより検出されたことであってよい。
センサは、例えば、店員側スキャナ212が手に持たれたことに応じた動きを検出する加速度センサ、ジャイロセンサ、あるいは手に持たれた際に店員側スキャナ212が手から受ける圧力を検出する圧力センサ等であってよい。この場合には、待機状態においては店員側スキャナ212からの読み取り光の照射を停止させておき、センサにより店員側スキャナ212が持たれたことが検出されたことに応じて、読み取り光の照射を開始させてよい。
あるいは、商品登録の開始トリガは、POS端末20の操作画面あるいは物理的なキーやタッチパネル上の所定の領域(図5図7のタブを押下したタイミングや登録開始キー)をタッチしたことにより商品登録開始宣言の操作が行われたことであってよい。
【0079】
ステップS102:商品登録が開始されたことに応じて、POS端末20においては、店員側スキャナ212について読み取り光の照射を開始させ、コードを読み取り可能な状態としてよい。このように店員側スキャナ212が読み取り光を照射している状態のもとで、POS端末20は、店員側スキャナ212による商品コードの読み取りが行われたか否かを判定する。
また、商品登録が開始されたことに応じて、POS端末20は、客側スキャナ206の読み取りによる会員識別情報の取得について許可し、客側スキャナ206についても読み取り光の照射を開始させて、コードを読み取り可能な状態としてよい。また、POS端末20は、商品登録中においては、顧客管理サーバ40との通信について禁止するよう設定してよい。
【0080】
ステップS104:商品コードの読み取りが行われた場合、POS端末20は、読み取られた商品コードに対応する1品目の商品の商品登録処理を実行する。商品登録処理に際して、POS端末20は、読み取られた商品コードに対応する商品情報をストアコントローラから取得し、取得した商品情報を利用して、今回の商品コードの読み取りに対応する商品登録結果が反映されるように、店員側表示部210にて表示される商品登録画面AR1と、客側表示部205にて表示される操作画面とを更新する。
【0081】
ステップS106:ステップS102にて商品コードの読み取りがない、あるいはステップS104の処理の後、POS端末20は、客側スキャナ206による会員カードの読み取りが行われたか否かを判定する。この際、POS端末20は、コードを読み取ったことに応じて、例えば読み取ったコードにおける所定の桁の値等が、店舗STに対応する会員カードの会員識別情報の形式と合致するか否かを判定してよい。POS端末20は、読み取ったコードが会員カードの会員識別情報の形式と合致していれば、会員カードの読み取りが行われたと判定する。一方、POS端末20は、読み取ったコードが会員カードの会員識別情報の形式と合致していなければ、会員カードの読み取りが行われないと判定してよい。この際、POS端末20は、会員カードの読み取りがエラーとなったことの報知を表示や音声出力等によって行ってよい。
なお、既に会員カードが読み取られて、会員識別情報を記憶している状態であれば、ステップS106の処理はスキップされてよい。
【0082】
ステップS108:客側スキャナ206による会員カードの読み取りが行われた場合、POS端末20は、会員カードの読み取りに応じて取得した会員識別情報を、RAM203またはハードディスク204に記憶させる。また、POS端末20は、会員カードの読み取りが行われたことに応じて、客側スキャナ206からの読み取り光の照射を停止させてよい。
【0083】
ステップS110:ステップS106にて会員カードの読み取りが行われない、あるいはステップS108の処理の後、POS端末20は、店員による小計操作が行われたか否かを判定する。
小計操作が行われない場合には、ステップS102に処理が戻される。
【0084】
ステップS112:小計操作が行われた場合、POS端末20は、現在において会員識別情報を記憶しているか否かを判定する。
なお、小計操作が行われたことに応じて、店員側スキャナ212は、これまでの読み取り光の照射を停止してよい。
【0085】
ステップS114:ステップS112にて会員識別情報を記憶していると判定した場合、POS端末20は、RAM203またはハードディスク204が記憶している会員識別情報を含む会員特定要求を顧客管理サーバ40に送信する。POS端末20は、会員特定要求の送信に伴って、RAM203またはハードディスク204に記憶されていた会員識別情報を消去してよい。
【0086】
ステップS116:POS端末20は、ステップS114による会員特定要求の送信に応じて顧客管理サーバ40が送信した会員特定情報を受信する。
【0087】
ステップS118:ステップS112にて会員識別情報を記憶していないと判定した場合、POS端末20は、店員側表示部210に未読取報知画面を表示させる。
【0088】
ステップS120:POS端末20は、ステップS118により表示された未読取報知画面を表示している状態のもとで、未読取報知画面に対する操作として、入力宣言ボタンBT12が操作されたか否かを判定する。
【0089】
ステップS122:入力宣言ボタンBT12が操作された場合、POS端末20は、店員側スキャナ212に読み取り光の照射を開始させる。この場合、店員は、店員側スキャナ212に会員カードを読み取らせる操作を行う。POS端末20は、会員カードの読み取りに応じて会員識別情報を取得する。
ステップS122の処理の後は、ステップS114、S116の処理が実行される。これにより、POS端末20は、ステップS122により取得した会員識別情報に対応する会員特定情報を得る。
【0090】
なお、ステップS122の処理が実行されたことに応じて、POS端末20は、会員コードを読み取るために読み取り光を照射する状態の客側スキャナ206の読み取り光の照射が停止されるようにしてよい。また、POS端末20は、ステップS122の処理以外として、例えば会員識別情報と紐付けされたクーポンからクーポン識別情報を読み取ったことで対応の会員識別情報を取得したり、会員識別情報としての番号の値数入力や顧客の電話番号入力の操作により会員識別情報を取得した場合でも、客側スキャナ206の読み取り光の照射を停止してよい。
【0091】
ステップS124:ステップS116の処理の後、あるいはステップS120にて非入力宣言ボタンBT11が操作されたと判定された場合、POS端末20は、店員側表示部210にて小計画面を表示させる。
ステップS116の処理を経てステップS124に至った場合、POS端末20は、ステップS116にて受信した会員特定情報の内容を反映させた小計画面を表示させる。また、POS端末20は、受信した会員特定情報の内容を反映させた操作画面を客側表示部205にて表示させる。
ステップS120にて非入力宣言ボタンBT11が操作されたと判定されたことによりステップS124に至った場合には会員特定情報は得られていない。この場合のPOS端末20は、会員特定情報の反映されていない小計結果を示す小計画面を店員側表示部210にて表示させ、同様の小計結果が示される操作画面を客側表示部205にて表示させる。
【0092】
なお、同図の処理において、商品登録中であっても、店員側スキャナ212による会員コードの読み取りは可能とされてよい。この場合において、商品登録中に客側スキャナ206により会員コードの読み取りが行われたということは、店員の会計における作業負担の軽減が図られ、会計も早めに完了させることが可能となる。この点で、会計中においては、できるだけ客が客側スキャナ206を操作して会員カードを読み取ることが好ましい。そこで、商品登録中に客側スキャナ206により会員コードの読み取りが行われたことに応じた客への対価としてのポイントの付与であるとか、会計に際して発行されるレシートに、客が会員カードの読み取りを行ってくれたことへの感謝のメッセージ等を印刷してもよい。
【0093】
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について説明する。
[第1変形例]
本変形例において、POS端末20は、商品登録中において会員カードを読み取ったタイミングに応じて、当該会員カードの読み取りに応じて取得した会員識別情報に応じた会員特定要求を顧客管理サーバ40に送信するようにされる。
顧客管理サーバ40は、受信した会員特定要求に応じた会員特定情報の送信を、POS端末20からの商品登録完了通知が受信されるまで保留する。
POS端末20は、小計操作が行われたことに応じて、顧客管理サーバ40に商品登録完了通知を送信する。商品登録完了通知の送信は、会員特定情報の送信の要求を行うことに相当する。
顧客管理サーバ40は、商品登録完了通知の受信に応じて、送信を保留していた会員特定情報をPOS端末20に送信する。
なお、顧客管理サーバ40は、会員特定要求の受信に応じて会員特定情報を生成したうえで商品登録完了通知が受信されるまで、会員特定情報の送信を保留してもよい。あるいは、POS端末20は、会員特定要求を受信したタイミングでは、会員特定情報を生成せずに待機し、商品登録完了通知が受信されたことに応じて会員特定情報を生成してPOS端末20に送信してもよい。
【0094】
[第2変形例]
上記実施形態のPOS端末20は、応対モード、フルセルフモード、ダブルスキャンモード、セミセルフモードの間で動作モードの切り替えが可能とされうえで、応対モードを設定した場合を例に挙げた。しかしながら、本実施形態に適用されるPOS端末としては、例えば応対モードと同じ機能が固定的に設定された応対モード専用のものであってもよい。
【0095】
[第3変形例]
取引管理サーバ30や顧客管理サーバ40は、例えばクラウドサーバとされたうえで、POS端末20は、例えばクラウドサーバと通信を行うシンクライアントとして機能するように構成されてよい。シンクライアントしてのPOS端末20は、クラウドサーバから送信される画面のデータを利用して、店員側表示部210や客側表示部205にて表示を行う。この際、クラウドサーバは、ウェブページ形式の画面をPOS端末20に送信し、POS端末20は、自己に実装されたブラウザによりウェブページ形式の画面を表示させてよい。POS端末20は、画面に対して行われた操作を示すコマンドをクラウドサーバに送信し、クラウドサーバは、コマンドに応じた処理を実行し、実行結果が反映された画面のデータをPOS端末20に表示させるようにしてよい。
【0096】
<実施形態の総括>
[技術分野]
本発明は、システム及び情報処理装置に関する。
[背景技術]
会員カードから読み取った会員コードにより示される顧客に、購入実績に応じたお買い得件を発行する会員サービスを提供可能なPOS端末装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2009-054102号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
会員カードをPOS端末に読み取らせることで会員サービスを反映した会計が行われるようにする際の効率化が図られることが好ましい。
そこで、本発明は、会員カードをPOS端末に読み取らせることで会員サービスを反映した会計が行われるようにする際の効率化が図られるようにすることを目的とする。
【0097】
[課題を解決するための手段]
(1)本実施形態の一態様は、商品の登録を行う登録手段と、前記登録手段による商品登録の完了の宣言を行う宣言手段(例えば、小計操作)と、前記登録手段による商品登録が開始されてから前記宣言手段による宣言が行われるまでにおいて、客の操作による会員識別情報の入力(例えば、客が客側スキャナ206に会員カードを読み取らせる操作)を受け付ける第1入力受付手段(例えば、客側スキャナ206)と、前記宣言手段による宣言が行われたことに応じて、前記第1入力受付手段が入力を受け付けた会員識別情報に基づく会員の特定を行う特定手段とを備えるシステムである。
【0098】
上記構成によれば、客が商品登録中において客側スキャナ206により会員コードを読み取らせる操作を行っておき、商品登録が完了して小計操作が行われた段階で、POS端末20が、例えば顧客管理サーバ40と通信を行って、商品登録中に読み取られた会員コードから取得した会員識別情報を利用して会員の特定を行える。これにより、客は、商品登録中に会員カードを読み取らせる操作が可能となる。また、店員は、客に会員カードの有無を確認したうえで客から会員カードを受け取って店員側スキャナ212に読み取らせる操作を行わなくともよい。また商品登録中のPOS端末20の通信負荷に負担を与えないようにできる。この結果、会員カードをPOS端末に読み取らせることで会員サービスを反映した会計が行われるようにする際の効率化が図られる。
【0099】
(2)本実施形態の一態様は、(1)に記載のシステムであって、前記特定手段が特定した会員に関する情報を表示する表示手段をさらに備えてよい。
【0100】
上記構成により、特定された会員に関する情報を表示により出力することができる。
【0101】
(3)本実施形態の一態様は、(1)に記載のシステムであって、前記第1入力受付手段が会員識別情報の入力を受け付けることなく前記宣言手段による宣言が行われた場合に、会員識別情報が入力されなかった旨の報知(例えば、未読取報知画面の表示)を行う報知手段をさらに備えてよい。
【0102】
上記構成によれば、商品登録中に客側スキャナ206による会員コードの読み取りが行われなかった場合には、その旨が報知されることから、小計操作後においても、会員識別情報を取得するように対応できる。
【0103】
(4)本実施形態の一態様は、(1)から(3)のいずれか1つに記載のシステムであって、店員の操作による会員識別情報の入力を受け付ける第2入力受付手段(例えば、店員側スキャナ212)をさらに備え、前記第2入力受付手段は、前記第1入力受付手段が会員識別情報の入力を受け付けることなく前記宣言手段による宣言が行われた場合に、前記第2入力受付手段による会員識別情報の入力の受け付けを可能としてよい。
【0104】
上記構成によれば、商品登録中に客側スキャナ206による会員コードの読み取りが行われなかった場合には、店員側スキャナ212を店員が操作して会員コードの読み取りを行うことが可能となる。
【0105】
(5)本実施形態の一態様は、(1)から(4)のいずれか1つに記載のシステムであって、前記第1入力受付手段は、入力された情報が前記会員識別情報の形式に合致すると判定した場合に、当該会員識別情報の入力を受け付けてよい。
【0106】
上記構成によれば、客側スキャナ206が会員識別情報以外のコードを読み取って会員を特定する処理が実行されてしまわないようにすることができる。
【0107】
(6)本実施形態の一態様は、(1)から(5)のいずれか1つに記載のシステムであって、前記第1入力受付手段は、会員識別情報の入力を受け付けた後において、以降の会員識別情報の受け付けを停止してよい。
【0108】
上記構成によれば、会員識別情報の入力が受け付けられた後は、以降の会員識別情報の入力の受け付けを停止させることができるので、複数回にわたって会員識別情報が読み取られてしまうようなエラーを防止できる。また、会員識別情報の受け付けの停止に応じて、客側スキャナ206の読み取り光の照射も停止させて、無駄な読み取り光の照射をさせないようにすることもできる。
【0109】
(7)本実施形態の一態様は、(1)から(6)のいずれか1つに記載のシステムであって、前記第1入力受付手段は、光学式読取装置による読取動作により得られる会員識別情報の入力を受け付けるようにされ、前記光学式読取装置は、前記登録手段による商品登録の開始により読み取りのための光の照射を開始し、前記宣言手段による宣言が行われたことに応じて、前記読み取りのための光の照射を停止してよい。
【0110】
上記構成によれば、客側スキャナ206により会員コードを読み取ることが許可されている期間に限定して客側スキャナ206の読み取り光を照射させるようにすることができる。
【0111】
(8)本実施形態の一態様は、(1)から(7)のいずれか1つに記載のシステムであって、会員識別情報の入力が行われかったことで前記特定手段による会員の特定が行われなかった場合に、次回以降の会計において特定された会員に、今回の会計に対応する特典を付与可能な情報(例えば、会員登録コード)を印刷してよい。
【0112】
上記構成によれば、会員登録していない客に会員登録してもらうことを効果的に促すことができる。
【0113】
(9)本実施形態の一態様は、商品の登録を行う登録手段と、前記登録手段による商品登録の完了の宣言を行う宣言手段と、前記登録手段による商品登録が開始されてから前記宣言手段による宣言が行われるまでにおいて、客の操作による会員識別情報の入力を受け付ける第1入力受付手段と、前記宣言手段による宣言が行われたことに応じて、前記第1入力受付手段が入力を受け付けた会員識別情報に基づく会員の特定を行う特定手段とを備える情報処理装置である。
【0114】
なお、上述の上位装置10、POS端末20、取引管理サーバ30、及び顧客管理サーバ40等の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の上位装置10、POS端末20、取引管理サーバ30、及び顧客管理サーバ40等の処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク、SSD等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0115】
10 上位装置、20 POS端末、30 取引管理サーバ、40 顧客管理サーバ、205 客側表示部、206 客側スキャナ、208 決済端末、209 釣銭機、210 店員側表示部、211 キー操作部、212 店員側スキャナ、213 印刷部、215 通信部
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