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  • 特開-ペット用給餌器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067933
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】ペット用給餌器
(51)【国際特許分類】
   A01K 5/01 20060101AFI20240510BHJP
【FI】
A01K5/01 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178359
(22)【出願日】2022-11-07
(71)【出願人】
【識別番号】000111638
【氏名又は名称】ドギーマンハヤシ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001885
【氏名又は名称】弁理士法人IPRコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】角辻 智也
【テーマコード(参考)】
2B102
【Fターム(参考)】
2B102AA04
2B102AA15
2B102AB02
2B102AB24
2B102AC04
(57)【要約】
【課題】 シンプルな構造で、液状のペットフードを少量ずつ供給することができるペット用給餌器を提供すること。
【解決手段】 球体と、前記球体を回転自在に支持するとともに、流体状のペットフードを収容する容器と、前記容器を覆うとともに、前記容器内の前記球体を外部に露出させる開口を有するカバーと、を具備し、前記球体の回転に伴って、前記球体の表面に付着した前記ペットフードが前記開口から露出すること、を特徴とするペット用給餌器。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
球体と、
前記球体を回転自在に支持するとともに、流体状のペットフードを収容する容器と、
前記容器を覆うとともに、前記容器内の前記球体を外部に露出させる開口を有するカバーと、
を具備し、
前記球体の回転に伴って、前記球体の表面に付着した前記ペットフードが前記開口から露出すること、
を特徴とするペット用給餌器。
【請求項2】
前記カバーが、前記開口から外側に向けて上方に傾斜する斜面を有すること、
を特徴とする請求項1に記載のペット用給餌器。
【請求項3】
前記開口の内径が前記球体の外径より小さいこと、
を特徴とする請求項1に記載のペット用給餌器。
【請求項4】
前記容器が、前記球体の支持面となる底部と、前記底部の外縁から斜め上方に延びる延長部と、を含むこと、
を特徴とする請求項1に記載のペット用給餌器。
【請求項5】
前記斜面が複数の突起を有すること、
を特徴とする請求項2に記載のペット用給餌器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペット用給餌器に関し、特に液体状のペットフードに好適に利用可能なペット用給餌器に関する。
【背景技術】
【0002】
ペットの健康的なスローイーティング(ゆっくり食べること)を促進するべく、種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1(特許第7094596号公報)は、ボウルとボウル受けとスタンドを備えるペット用ヘルスケア食器を開示している。かかる食器では、ボウルは餌や水を収容する領域を均等に3領域又は4領域に区分する3個又は4個の区分部材を備え、区分部材はボウル中央部分が空き領域となる様に放射状に配置され、ボウルは3領域又は4領域の其々異なる形状のスローフィーダー部を備え、ボウル受けはボウルが10~20度に傾斜する様に10~20度の傾斜角の受け部を有し、スタンドはボウルがペットの体高から0~15cm低い位置となる様にボウル受けを支持する。そして、ボウルは傾斜して低くなっている箇所が前部となり、前部からペットがボウルの収容する餌や水を摂取し所定使用期間経過後にボウルの向きを、3領域の場合は120度ずつ、4領域の場合は90度ずつ回転する事でスローフィーダー部により形成されるルートを変更して使用される。
しかし、かかるペット用ヘルスケア食器は、複雑な構造を有する。また、主として固形のペットフードへの利用が想定されており、液体状のペットフードには不向きである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7094596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明の目的は、シンプルな構造で、液状のペットフードを少量ずつ供給することができるペット用給餌器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決すべく、本発明は、
球体と、
前記球体を回転自在に支持するとともに、流体状のペットフードを収容する容器と、
前記容器を覆うとともに、前記容器内の前記球体を外部に露出させる開口を有するカバーと、
を具備し、
前記球体の回転に伴って、前記球体の表面に付着した前記ペットフードが前記開口から露出すること、
を特徴とするペット用給餌器、を提供する。
【0006】
本発明のペット用給餌器では、前記カバーが、前記開口から外側に向けて上方に傾斜する斜面を有すること、が好ましい。
【0007】
また、本発明のペット用給餌器では、前記開口の内径が前記球体の外径より小さいこと、が好ましい。
【0008】
また、本発明のペット用給餌器では、前記容器が、前記球体の支持面となる底部と、前記底部の外縁から斜め上方に延びる延長部と、を含むこと、が好ましい。
【0009】
また、本発明のペット用給餌器では、前記斜面が複数の突起を有すること、が好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るペット用給餌器では、ペットは球体を回転させ開口の間からペットフードを露出させて初めてペットフードを食すことができる。それゆえ、ペットは自ずとゆっくりと食事をすることになり、ペットの健康を促進することにつながる。すなわち、本願発明は、シンプルな構造で、液状のペットフードを少量ずつ供給することができるペット用給餌器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態1に係るペット用給餌器1の概略図である。
図2】ペット用給餌器1の斜視図及び縦断面図である。
図3】ペット用給餌器1の分解斜視図である。
図4】球体11が容器13内で回転し、ペットフードFを付着させる様子を説明する図である。
図5】実施形態2に係るペット用給餌器2の斜視図及び縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係るペット用給餌器の代表的な実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、本発明はこれら図面に限定されるものではない。図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために、必要に応じて寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表している場合もある。
【0013】
1.実施形態1
図1図4を参照して、実施形態1に係るペット用給餌器1を説明する。本実施形態では好適なペットPとして犬を想定しているが(図1参照)、本発明は犬用のものに限られない。
ペット用給餌器1は、ペット用食器とも言うことができ、例えば図1に示すように、球体11、容器13及びカバー15を含む。このペット用給餌器1は樹脂材料で製作されるが、これに限られない。
【0014】
球体11は、ペットPが舐めることで容器13内で回転する(図4参照)。球体11は中空状であることが好ましいが、これに限られない。例えばペットフードFが付着し易いように、球体11の表面に凹凸や溝が形成されていてもよい。
球体11は例えばABS樹脂などの樹脂で好適に作製されるが、木材等の他の材料で作製されてもよい。球体11として、例えば卓球用ボールを代用することができる。
【0015】
容器13は、球体11を回転自在に支持するとともに、球体11に接触する状態で流体状のペットフードFを収容する(図4参照)。
ここで、ペットフードFは、球体11に付着する程度の粘性を有していればよい。加えて、ペットフードFは、容器13に投入された際に傾斜部133から底部131に向かって流れる程度の流動性を有することが好ましい。したがって、ペットフードFは、このような粘性及び流動性を備えていて、本実施形態に係るペット用給餌器1で利用可能であればよく、例えば液体状、分散体状、溶液状又はペースト状等の流体状であってよい。
【0016】
また、図2(B)に示すように、容器13は、球体11の支持面である底部131と、底部131の外縁から斜め上方に延びる延長部133と、を含む。すなわち、底部131は、流線形凹状部からなるお椀状を呈しており、カバー15の開口151との間で球体11を回転可能に保持する役割を果たし、延長部133は、その傾斜を利用して、ペットフードFを底部131側に流す役割を果たす。
【0017】
底部131と延長部133とは一体的に成型されていることが好ましい。また、底部131と傾斜部133とは滑らかに(つまり段差なく)繋がっていることが好ましい。これにより、延長部133上のペットフードFが、底部131と延長部133との境界領域にとどまらずに、底部131に向かって流動することができる(図4参照)。
ペットフードFが延長部133から底部131側へスムーズに流れるという観点から、傾斜部133の角度は30°~60°であることが好ましい。
【0018】
容器13は、容器13の設置面に沿って外向きに広がる脚部135を有する。脚部135は、ペット用給餌器1の転倒や移動を抑制する。
脚部135の裏面には移動抑止のために滑り止め(図示せず)が取り付けられてよい。滑り止めとしてはゴムが好適に用いられるが、これに限られない。
【0019】
カバー15は、容器13を覆う、例えばドーム状の部材である(図3参照)。カバー15は、容器13内の球体11を露出させる開口151を有する。
開口151の内径R2は球体11の外径R1より小さいことが好ましい(図2(B)参照)。これにより、球体11を容器13とカバー15の間に保持することができ、したがって球体11の脱落を防止することができる。
更に球体11の十分な露出の観点をも加味すれば、球体11の外径が開口151の内径よりも1mm~10mm程度小さいこと(即ち、球体11と開口151の隙間が1mm~10mm程度であること)が好ましい。
【0020】
カバー15は、開口151から外側に向けて上方に傾斜する斜面153を有することが好ましい。斜面153があることで、ペットPが球体11を舐めやすい。
本実施形態では、斜面153が、カバー15の本体とは別パーツとして構成されている。これにより、ペットPが舐める部位をカバー15の本体よりも柔らかくすることができ、ペットPを保護することができる。ただし、斜面153はカバー15の本体と一体的に形成されてもよい。
【0021】
特にペットPが犬である場合には、斜面153が複数の突起ないしブラシ155を有することが好ましい。球体11を舐める際にペットPの舌が突起155に接触し、ペットPの舌を清浄に保つことができる。
突起155の外径、高さ、間隔はペットPの種類や大きさ等に応じて適宜設定することができる。
【0022】
次いで、ペット用給餌器1の使用方法を説明する。
ユーザは、ペット用給餌器1からカバー15を外し、容器13にペットフードFを注入する。そして、カバー15を容器13に装着する。ユーザがペット用給餌器1ペットフードFを補充する際には、必要に応じてペット用給餌器1を洗浄したうえで、上記の手順を繰り返す。ペット用給餌器1はシンプルな構造であるから、上記の作業は簡便であり、しかもペット用給餌器1に汚れが溜まりにくい。
【0023】
図1に例示するようにペットP(例えば犬)が球体11を舐めると、図4に示すように球体11が容器13内で回転する。球体11の回転により、ペットフードFが球体11の表面に付着する。そして、球体11上のペットフードFは、球体11の回転に応じて上方向に移動し開口151から露出し、ペットPは露出したペットフードFを食する。
すなわち、ペットPは球体11を回転させてはじめてペットフードFを舐めることができる。したがって、ユーザは、ペットPにペットフードFを少量ずつ舐めさせることができ、これによりペットPによるペットフードFの食べ過ぎを抑制することができ、ひいてはペットPの健康を保つことができる。
【0024】
また、容器13において、底部131と延長部133とは段差なく滑らかに接続されていてもよく、段差からなる目盛が設けられていてもよい。当該目盛は、略水平状の環状凸部で構成すればよく、容器13に入れるペットフードFの量の目安として使用することができる。そのため、ペットフードFが延長部133からスムーズに底部131側に流れ、球体11に常に付着しやすい。したがって、容器13に投入されたペットフードFはほぼ全て球体11に付着することとなる。それゆえ、ペットPは容器13内のペットフードFをほぼ全部舐めることができ、舐め残しの低減が期待できる。
【0025】
2.実施形態2
図5を参照して、実施形態2に係るペット用給餌器2を説明する。本実施形態では好適なペットPとして特に猫を想定しているが、これに限られるものではない。
【0026】
ペット用給餌器2は、実施形態1のペット用給餌器1と同様に、球体11、容器13及びカバー25を含む。球体11、容器13としては実施形態1と同様のものを用いることができるので、詳細な説明を省略する。
【0027】
カバー25は、容器13を覆う、例えばドーム状の部材であって、容器13内の球体11を露出させる開口251を有する。
カバー25は、開口251から外側に向けて上方に傾斜する斜面253を有する。ただし、斜面253に突起ないしブラシは形成されず、斜面253の表面は滑らかである。猫の舌には糸状乳頭と呼ばれる小さな突起が生えているため、斜面253の表面を滑らかにすることで、猫の舐める動作に支障が生じないようにしている。
【0028】
以上、本発明の一実施形態に係るペット用給餌器の具体的な態様について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、それら設計変更に係るものも本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0029】
1,2 ペット用給餌器
11 球体
13 容器
15,25 カバー
151,251 開口
153,253 斜面
F ペットフード

図1
図2
図3
図4
図5