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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067941
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】ゴミ収集袋
(51)【国際特許分類】
   B65F 1/00 20060101AFI20240510BHJP
   A01K 23/00 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
B65F1/00 J
A01K23/00 L
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178373
(22)【出願日】2022-11-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】522434473
【氏名又は名称】有限会社サムサーラ
(74)【代理人】
【識別番号】100160657
【弁理士】
【氏名又は名称】上吉原 宏
(72)【発明者】
【氏名】井上 加寿美
【テーマコード(参考)】
3E023
【Fターム(参考)】
3E023BA03
3E023BA17
3E023BA20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、いつでもゴミを拾えるように手軽に持ち歩けるゴミ袋であって、且つ手を汚さずにゴミを拾える手袋領域を兼ね備えたゴミ収集袋の提供を課題とするものである。
【解決手段】ゴミを収集するためのゴミ収集袋1であって、前記ゴミ収集袋1は上辺が開口する開口部10を有する袋状物によって構成され、前記ゴミ収集袋1は、該ゴミ収集袋1をめくり返して手を挿入させるための手挿入領域30とゴミを収集するためのゴミ収集領域40とを有し、前記手挿入領域30と前記ゴミ収集領域40は、領域分割部50により分割して配置され、前記領域分割部50が、前記ゴミ収集袋1の一辺の所定箇所から他辺に向かい所定の長さが溶着されている構成を採用した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴミ(G)を収集するためのゴミ収集袋(1)であって、
前記ゴミ収集袋(1)は上辺(21)が開口する開口部(10)を有する袋状物によって構成され、
前記ゴミ収集袋(1)は、該ゴミ収集袋(1)をめくり返して手を挿入させるための手挿入領域(30)とゴミ(G)を収集するためのゴミ収集領域(40)とを有し、
前記手挿入領域(30)と前記ゴミ収集領域(40)は、領域分割部(50)により分割して配置され、
前記領域分割部(50)が、前記ゴミ収集袋(1)の一辺の所定箇所(51)から他辺に向かい所定の長さ(52)で溶着されていることを特徴とするゴミ収集袋(1)。
【請求項2】
前記領域分割部(50)に長手方向へスリット(60)を設けてゴミ収集袋(1)が前記手挿入領域(30)と前記ゴミ収集領域(40)とに分割された袋状の領域を有することを特徴とする請求項1に記載のゴミ収集袋(1)。
【請求項3】
前記領域分割部(50)が、前記ゴミ収集袋(1)の底辺(20)の所定箇所(51)から上辺(21)に向かって所定の長さ(52)で溶着されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のゴミ収集袋(1)。
【請求項4】
前記領域分割部(50)が、前記ゴミ収集袋(1)の側辺(22)の所定箇所(51)から反対側辺に向かって所定の長さ(52)で溶着されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のゴミ収集袋(1)。
【請求項5】
前記ゴミ収集袋(1)の材質がポリエチレン素材(P)であることを特徴とした請求項1又は請求項2に記載のゴミ収集袋(1)。
【請求項6】
前記ゴミ収集袋(1)の材質が生分解性プラスチック素材(S)であることを特徴とした請求項1又は請求項2に記載のゴミ収集袋(1)。
【請求項7】
前記領域分割部(50)が、前記ゴミ収集袋(1)の底辺の所定箇所(51)から上辺に向かって所定の長さ(52)で溶着され、前記ゴミ収集袋の材質がポリエチレン素材(P)であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のゴミ収集袋(1)。
【請求項8】
前記領域分割部(50)が、前記ゴミ収集袋(1)の側辺の所定箇所(51)から反対側辺に向かって所定の長さ(52)で溶着され、前記ゴミ収集袋の材質が生分解性プラスチック素材(S)であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のゴミ収集袋(1)。
【請求項9】
前記手挿入領域(30)に親指挿入領域(33)を形成するための親指領域分割部(31)を設けたことを特徴とする請求項1に記載のゴミ収集袋(1)。
【請求項10】
前記親指領域分割部(31)に長手方向への親指用スリット(32)を設けて
前記手挿入領域(30)が前記親指挿入領域(33)とに更に分割された袋状の領域を有することを特徴とする請求項9に記載のゴミ収集袋(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴミ収集袋に関し、詳しくは、ゴミ拾い用の手袋となる領域と、ゴミを収集するゴミ収集領域が分割配置されて一体を成すゴミ収集袋の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゴミ拾いは、自治体が主催する地域のゴミ拾いの日や、学校などで行われている河川敷などのゴミ拾い運動、または、イベントにおけるボランティア清掃等でよく行われている。また、近年においては個人の方や企業が率先して地域のゴミ拾いを自主的に行ったりするなど、環境美化活動が行われている。その際、ゴミを収集するためのゴミ袋を利用することとなるが、ゴミを素手で拾う事には感染等、衛生面での問題があり、トングを使ったり、ビニールの手袋などを利用したりしている。
【0003】
しかしながら、ボランティアなどで予めゴミ拾いを予定しているときはトングなどの準備も出来るが、日常歩いているときにゴミが落ちている場合などは、そのような道具を常に持ち合わせているわけではない。この場合には素手で拾うのを躊躇し、ゴミを拾うことを断念してしまうこともある。特に煙草の吸い殻は煙草の臭いが手に付いたり、吐き捨てられたガムなどは感染症の問題もあり素手で拾うことは避けるべきである。そこで、簡単にゴミを拾えるゴミ袋と手袋の代わりになるものを持ち歩くことが有効であり、日頃から持ち歩けて手を汚さず衛生的で手軽にゴミを拾えるゴミ袋が望まれる。
【0004】
従来品の中には手が汚れないような様々な態様のゴミ袋がある。例えば手袋などが付いているなど工夫を凝らしたゴミ袋などである。しかしこれらはコストがかかり経済的な負担が大きくなる。他方、ゴミ袋と一緒に薄手のビニール手袋を持ち歩くことも有効であるといえる。しかし、それだと手袋とビニール袋の二点を持ち歩かなくてはならないこととなり、日常的に常備することを考えると準備する手間とコスト削減から部材は少ない方が良いといえる。
【0005】
そこで、上記の問題に鑑み、従来からも種々の技術が提案されてきた。例えば、発明の名称を「汚物処理用具付手袋件ゴミ袋」とし、「ペットの散歩に出かけるさい、従来の用具のように散歩の障害にならず一人でも多くのペットの飼主が、汚物を処理して持ち帰えれるような極めて簡単な汚物処理用具を提供する。」ことを目的とし、具体的な解決手段として、その構成を「手袋兼ゴミ袋の先端部分内側に、汚物処理用具を接着しさらに火ばさみ用さし込み口を設け、袖口近くの中側にひもを取り付けたことを特徴とする。」とするものである。しかしながら、特許文献1に記載の発明は、ペットの汚物拾いを主体としているが、手を汚さずに手軽に拾えるというところは本願発明と共通しているといえるが、手袋単体でゴミ(ペットの汚物)を拾う構成であるため、本発明のように何度もゴミを拾って収容できるゴミ収容領域を有していない。従って、ゴミを拾ったら次にゴミが落ちていても拾うことができないという点で本発明と相違している。
【0006】
また、発明の名称を「手袋付きゴミ袋」とし、解決しようとする課題を「本考案は、水分が中に浸透しない手袋がゴミ収集分別作業時には常に用意されており、作業者に喜ばれるようなゴミ袋の開発をその技術課題とするものである。」とするもので、具体的な解決手段を「一端が開口しており、前記開口部分の中央にコ字状の切り取りミシン目が施され、該ミシン目の内側の矩形部分がミシン目から切り離し可能になっている有底筒状のゴミ袋本体と、手袋の形状に表裏のシートが線状に融着されて手袋が形成されている前記矩形部分とで構成されていることを特徴とする。」としたものである。特許文献2に記載の発明は手袋を装着してゴミが拾えるというところは手を汚さずにゴミ拾いを可能とする本発明と共通するところである。しかしながら、袋に付いている手袋を切り取るという作業をしてからのゴミ拾いは手軽とは言えない。また、複雑な形状の手袋が取り外し可能な構成となっており、製造も本発明に比べると手間がかかるという問題を残すものである。
【0007】
また、発明の名称を「ゴミ収納袋」とし、解決しようとする課題を「袋自体の有するスペースを有効に活用できるゴミ収納袋の提供」とするもので、具体的な解決手段を「前面と後面の左右側縁と底縁を密閉縁とし上縁のみを開口縁としてなる袋において、上縁の中央部に下方へ向けて前面から後面に及ぶ切り取り繊に区画される除去部を配設し、該除去部において、上縁を開口して全面から該除去部において、上縁を開口して全面から後面に及ぶ手の係止縁を連続溶着して成るゴミ収納袋」としたものである。しかしながら、特許文献3に記載の発明は特許文献2の技術と同様に、手を汚さずにゴミを拾うための手袋が付いている構成となっていることは本発明の課題と共通しているが、ゴミを収集する袋から手袋を切り取って外さなくてはならない構造となっている為、ゴミを拾う前にそのひと手間があり、手軽にゴミを拾えるとは言えないものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平8-154519号
【特許文献2】実用新案登録第3078942号
【特許文献3】公開実用新案公報平3―33802号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、いつでもゴミを拾えるように手軽に持ち歩けるゴミ袋であって、且つ手を汚さずにゴミを拾える手袋を兼ね備えたゴミ収集袋の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、衛生的にゴミを収集するためのゴミ収集袋であって、前記ゴミ収集袋は上辺が開口する開口部を有する袋状物によって構成され、前記ゴミ収集袋は、該ゴミ収集袋をめくり返して手を挿入させるための手挿入領域とゴミを収集するためのゴミ収集領域とを有し、前記手挿入領域と前記ゴミ収集領域は、領域分割部により分割して配置され、前記領域分割部が、前記ゴミ収集袋の一辺の所定箇所から他辺に向かい所定の長さで溶着されている構成を採用する。
【0011】
また、本発明は、前記領域分割部の長手方向へスリットを設けて、ゴミ収集袋が前記手挿入領域と前記ゴミ収集領域とに分割された袋状の領域をそれぞれ有する構成を採用することもできる。
【0012】
また、本発明は、前記領域分割部が、前記ゴミ収集袋の底辺の所定箇所から上辺に向かって所定の長さで溶着されている構成を採用することもできる。
【0013】
また、本発明は、前記領域分割部が、前記ゴミ収集袋の側辺の所定箇所から反対側辺に向かって所定の長さで溶着されている構成を採用することもできる。
【0014】
また、本発明は、前記ゴミ収集袋の材質がポリエチレン素材であるという構成を採用することもできる。
【0015】
また、本発明は、前記ゴミ収集袋の材質が生分解性プラスチック素材であるという構成を採用することもできる。
【0016】
また、本発明は、前記領域分割部が、前記ゴミ収集袋の底辺の所定箇所から上辺に向かって所定の長さで溶着され、且つ、前記ゴミ収集袋の材質がポリエチレン素材である構成を採用することもできる。
【0017】
また、本発明は、前記領域分割部が、前記ゴミ収集袋の側辺の所定箇所から反対側辺に向かって所定の長さで溶着され、且つ、前記ゴミ収集袋の材質が生分解性プラスチック素材である構成を採用することもできる。
【0018】
また、本発明は、前記手挿入領域に親指挿入領域を形成するための親指領域分割部を設けた構成を採用することもできる。
【0019】
また、本発明は、前記親指領域分割部に長手方向への親指用スリットを設けて前記手挿入領域が前記親指挿入領域とに更に分割された袋状の領域を有する構成を採用することもできる。
【発明の効果】
【0020】
また、本発明に係るゴミ収集袋によれば、ゴミ袋の一部が手袋領域として利用できる構造であるため、手を汚さずにゴミ拾いができ、衛生的であるという優れた効果を発揮する。
【0021】
また、本発明に係るゴミ収集袋によれば、一枚の袋にゴミ袋と手袋を兼ね備えた構成になっていることから、トングや手袋を別途用意することなく、出かける際にいつもバックに忍ばせておくことができ、気軽にゴミ拾いが可能となるという優れた効果を発揮する。
【0022】
また、一枚の袋で手を汚さずにゴミを拾おうとすると、手に袋を通して手袋代わりにしてゴミを拾い、次に同じ袋で一回目と同じように手袋代わりに使用しようとすると中身のゴミが出てしまうという不都合なことが起きていた。しかしながら、本発明に係るゴミ収集袋によれば、手袋に使用する部分とゴミを収容する部分とが分かれていることから、ゴミを収容するゴミ収集領域にゴミがいっぱいになるまで何度も手挿入領域を利用して手を汚さずにゴミ拾いをすることが可能となるという優れた効果を発揮する。
【0023】
また、本発明に係るゴミ収集袋によれば、手挿入領域とゴミ収集領域を領域分割部により分割する一枚の袋で構成される為、低コストで簡単に製造できるという優れた効果を発揮する。
【0024】
また、本発明に係るゴミ収集袋において、領域分割部を縦方向となるように底辺から上辺に向かって配置した場合にはゴミ収集領域の間口を大きく取ることが可能であり、ゴミの入れやすさや大きなゴミの収容なども可能となるといった優れた効果を発揮する。
【0025】
また、本発明に係るゴミ収集袋において、領域分割部を横方向となるように側辺から他の側辺に向かって配置した場合には、ゴミ収集領域の間口は小さくなるが、ゴミ収集領域を広く取ることが可能であり、多くのゴミの収容なども可能となるといったという優れた効果を発揮する。
【0026】
また、本発明に係るゴミ収集袋において、素材にポリエチレン素材を使用した場合には、耐水性が高いという特徴があるため、水分を含んだゴミ等を処理する際でも水漏れ等を防止して清掃を行えるという優れた効果を発揮する。
【0027】
また、本発明に係るゴミ収集袋において、素材に生分解性プラスチック素材使用した場合には、自然界において微生物が関与して環境に悪影響を与えない低分子化合物に分解されるプラスチックであることから、例えば生ごみ等を処理する際にそのまま土壌に埋めることが可能であるといえる。また、登山やアウトドアなどに出た生ごみなどは、現地で土に埋められるため、ゴミを持ち帰る手間が省けるとともに環境に優しいものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明に係るゴミ収集袋の基本構成を説明する基本構成説明図である。
図2】本発明に係るゴミ収集袋の使用方法を説明する使用方法説明図である。
図3】本発明に係るゴミ収集袋の使用を実施している実施状態説明図である。
図4】本発明に係るゴミ収集袋の手挿入領域に親指領域分割部を設ける実施例を説明する実施例説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、ゴミGを収集するためのゴミ収集袋であって、前記ゴミ収集袋は上辺が開口する開口部を有する袋状物によって構成され、前記ゴミ収集袋は、該ゴミ収集袋をめくり返して手を挿入させるための手挿入領域とゴミGを収集するためのゴミ収集領域とを有し、前記手挿入領域と前記ゴミ収集領域は、領域分割部により分割して配置され、前記領域分割部が、前記ゴミ収集袋の一辺の所定箇所から他辺に向かい所定の長さが溶着されている構成としたことを最大の特徴とするものである。以下、図面に基づいて説明する。但し、係る図面に記載された形状や寸法に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の創作として発揮する効果の得られる範囲内で変更可能である。
【0030】
図1は、本発明に係るゴミ収集袋の基本構成を説明する基本構成説明図であり、図1(a1)は側辺に平行に領域分割部50が設けられる構成を示し、図1(a2)は側辺に平行に領域分割部50が設けられ、係る分割領域50にスリット60が設けられている構成を示し、図1(b1)は、底辺に平行に領域分割部50が設けられる構成を示し、図1(b2)は、側辺に平行に領域分割部50が設けられ、係る分割領域50にスリット60が設けられている構成を示している。以下、構成要素ごとに説明する。
【0031】
ゴミ収集袋1は、ゴミGを収集するための袋であって、係るゴミ収集袋1は上辺が開口する開口部10を有する袋状物によって構成され、該ゴミ収集袋1をめくり返して手を挿入させるための手挿入領域30とゴミGを収集するためのゴミ収集領域40とを有し、前記手挿入領域30と前記ゴミ収集領域40は、領域分割部50により分割して配置され、前記領域分割部50が、前記ゴミ収集袋1の一辺の所定箇所51から他辺に向かい所定の長さ52が溶着されているものである。
【0032】
開口部10は、袋状物におけるゴミ収容口であって、図面上の上辺21となる辺に配置されるものである。なお、図面に示したゴミ収集のための袋状物は矩形のものであるが、取手(持ち手)付きの場合は両側に設けられる持ち手部分のあいだのマチにより拡がって開口する開口部10となる。
【0033】
底辺20は、袋状物における前記上辺21に平行且つ対向する辺であり、図面上の下部に示したものである。また、図1乃至図3には示しておらず図4のみに示したが、係る底辺20は通常のゴミ袋においては溶着されている辺である。
【0034】
上辺21は、袋状物における前記底辺20に対向する辺であり、図面上の上部に示したものである。なお、図面に示したゴミ収集のための袋状物は矩形のものであり、図面には示していないが取手(持ち手)付きの場合は、持ち手部分の形状に沿った辺となる。
【0035】
側辺22は、袋状物における前記上辺21及び底辺22に対して垂直方向となる辺を示すものであり、図面上左右となる側部に示したものである。なお、係る側辺22にマチを設ける構成の袋状物とすることも好適である。
【0036】
手挿入領域30は、領域分割部50により分割されたゴミ収集袋1のうち、手を挿入して作業を行う手袋代わりの領域であり、係る領域により手を汚さずにゴミGをゴミ収集領域40へと移動させる部分である。
【0037】
ゴミ収集領域40は、手挿入領域30により挿入された手によって拾われたゴミGを収容する領域である。
【0038】
領域分割部50は、手挿入領域30とゴミ収集領域40を分割するために設けられる溶着部であり、図面においてハッチングされた部分である。係る領域分割部50は、一辺の所定箇所から他辺に向かい所定の長さが溶着されているものである。具体的には、接着剤による溶着や、加熱による溶着などが施されるものである。なお、一般的なゴミ袋は底辺の縁部のみが溶着されている。
【0039】
所定箇所51は、領域分割部50が設けられる位置を特定するものであり、ゴミ収集袋1の一辺(底辺20又は側辺22)のうち、領域分割部50の片側端部の位置を特定するものである。これは同時に手挿入領域30における手の挿入間口幅となる。手の大きさについては、国立研究開発法人産業技術総合研究所が、2004年~2011年に、日本人男女530名に対して行った手の寸法調査によると、計測された項目のうち、男性平均で手長が183.4mm、手幅が83.3mm、手囲みが202.5mmとなっている。従って、係るデータを考慮すれば、手を挿入させるための間口として必要な寸法となる所定箇所51とは、底辺20又は側辺22から内側へ10.0cm以上離れた位置に配置すれば良く、他方で、あまり大きく内側に配置するとその分ゴミ収集領域40が小さくなってしまうため、底辺又は側辺22から内側へ10.0cmという位置が一つの目安となる。
【0040】
具体例を示すと、例えば、小型の家庭用室内ゴミ箱に適したサイズである指定ゴミ袋としての10L(10リットル)サイズでは、係るゴミ袋の寸法が概ね横400×縦500mm前後であることから、先に示した様に成人男性の手幅が略85mmとして、これに多少の余裕を持たせた100mmとすれば、例えば、図1(a1)に示すように、横方向の400mmに対し、片側側辺から300mm、他方の辺から100mmの位置となる。
【0041】
所定の長さ52は、領域分割部50の長さを特定し、上辺又は側辺の所定箇所51から溶着される長さを意味し、係る所定の長さ52はゴミ収集領域40のゴミGを投入する間口に影響する。即ち、例えば縦方向に領域分割部50が設けられる場合では、ゴミ収集領域40そのものの収集領域が大きく影響を受け、横方向に領域分割部50が設けられる場合には、ゴミGを手挿入領域30からゴミ収集領域40へ移す際の間口の大きさに影響する。
【0042】
スリット60は、領域分割部50を割くように入れられた切込であり、係るスリット60によって手挿入領域30とゴミ収集領域40とがそれぞれ袋状に分割する。
【0043】
ポリエチレン素材Pは、日本で一般的にゴミ袋に利用されているものである。係るポリエチレン製のポリ袋やゴミ袋には、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンの大きく二つの種類に分かれており、それぞれ原料の材質の違いから性質が異なっているものである。高密度ポリエチレンは、耐熱性や耐水性が高いという特徴の他に厚みを薄くでき、尖ったものを突き刺した際には縦裂けしやすいなどの特徴がある。又はシャカシャカ音がするといった特徴もある。これに対して低密度ポリエチレンは、耐寒性が高く耐熱性は低い。また、耐水性が高いという特徴がある。なお、本発明に係るゴミ収集袋1に利用する場合には、高密度でも低密度でも耐水性は高いことから、これらを特に限定することはない。いずれも、水分を含んだゴミG等を処理する際、水漏れ等を防止して清掃を行えるという利点があるといえる。
【0044】
生分解性プラスチック素材Sは、自然界において微生物が関与して環境に悪影響を与えない低分子化合物に分解されるプラスチックのことであり、本発明に係るゴミ収集袋1に利用した場合には、例えば生ごみ等を処理する際にそのまま土壌に埋めることが可能となる。また、登山やアウトドアなどに出た生ごみなども、現地で土に埋められるため、ゴミGを持ち帰る手間が省けるとともに環境に優しいものである。
【0045】
ゴミGは、一般の生活に伴って発生する不要なものであり、本発明においては道端などに落ちているゴミのことである。特に素手で触ると衛生上に良くないと思われる吐き捨てられたガムやたばこの吸い殻等のことである。
【0046】
図2は、本発明に係るゴミ収集袋の使用方法を説明する使用方法説明図であり、図2(a)は、本発明に係るゴミ収集袋の手挿入領域30に手を挿入する前の状態を示し、図2(b)は、手挿入領域30の中に手を挿入している途中の状態を示し、図2(c)は、手挿入領域30から手を挿入した後、上辺21の開口部10を通過して該開口部10よりも外側に位置するゴミGを掴んで拾う状態を示し、図2(c)は、開口部10よりも外側で掴んだゴミGをゴミ収集領域40に導いて放している状態を示している。図2(d)は、開口部10よりも外側で掴んだゴミGをゴミ収集領域40に取り込んだ状態を示し、図2(e)は、ゴミGをゴミ収集領域40に取り込んだ後、開口部10の両端を結んで封締めした状態を示している。
【0047】
手Hは、ゴミGを収集する作業者の手である。
【0048】
図3は、本発明に係るゴミ収集袋の使用を実施した実施状態説明図であり、図3(a1)は、外形形状が矩形であって、領域分割部50が側辺と平行に配置される構成を採用したゴミ収集袋1におけるゴミ拾い前の空の状態を示し、図3(a2)は、外形形状が矩形であって、領域分割部50が側辺と平行に配置され、且つスリット60によってゴミ収集領域40と手挿入領域30に分かれる構成を採用したゴミ収集袋1において、ゴミ拾いによりゴミ収集領域40にゴミGを収集し、開口部10を封締めした状態を示し、図3(a3)は、外形形状が矩形であって、領域分割部50が側辺と平行に配置され且つスリット60によってゴミ収集領域40と手挿入領域30に分かれる構成を採用したゴミ収集袋1においてゴミ拾いによりゴミ収集領域40にゴミGを収集し、さらに開口部10から手挿入領域30へもゴミGを収納させて開口部10を封締めした状態を示している。
【0049】
図3(b1)は、外形形状が矩形であって、領域分割部50が側辺と垂直に配置される構成を採用したゴミ収集袋1におけるゴミ拾い前の空の状態を示し、図3(b2)は、外形形状が矩形であって、領域分割部50が側辺と垂直に配置され、且つスリット60によってゴミ収集領域40と手挿入領域30に分かれる構成を採用したゴミ収集袋1において、ゴミ拾いによりゴミ収集領域40にゴミGを収集し、開口部10を封締めした状態を示し、図3(b3)は、外形形状が矩形であって、領域分割部50が側辺と垂直に配置され、且つスリット60によってゴミ収集領域40と手挿入領域30に分かれる構成を採用したゴミ収集袋1において、ゴミ拾いによりゴミ収集領域40にゴミGを収集し、さらに開口部10から手挿入領域30にもゴミGを収納させて開口部10を封締めした状態を示している。
【0050】
図3(c1)は、外形形状が持ち手付きの形状であって、領域分割部50が側辺と垂直に配置される構成を採用したゴミ収集袋1におけるゴミ拾い前の空の状態を示し、図3(c2)は、外形形状が持ち手付きの形状であって、領域分割部50が側辺と垂直に配置される構成を採用したゴミ収集袋1において、ゴミ拾いによりゴミ収集領域40にゴミGを収集し、開口部10を封締めした状態を示し、図3(c3)は、外形形状が持ち手付きの形状であって、領域分割部50が側辺と垂直に配置される構成を採用したゴミ収集袋1において、ゴミ拾いによりゴミ収集領域40にゴミGを収集し、さらに開口部10から手挿入領域30にもゴミGを収納させて開口部10を封締めした状態を示している。
【0051】
図4は、本発明に係るゴミ収集袋の手挿入領域に親指領域分割部を設ける実施例を説明する実施例説明図であり、図4(a)は、手挿入領域30の一部分を更に分割して、親指領域33を形成するための親指領域分割部31を設けた構成を示すものであり、図4(b)は、更に親指挿入分割部31にスリット32を設けた構成を示すものである。
【0052】
図4(a)に示すとおり、係る親指領域33は、手挿入領域30におけるゴミ収集袋1をめくり返して親指を挿入しやすくする部分であって、親指領域分割部31は、ゴミ収集袋1内においてゴミGを掴みやすくするための領域として手挿入領域30を分割する溶着部分である。係る親指領域分割部31には図4(b)に示すようなスリット32を設けることも好適であり、スリット32が手挿入領域30を割くように切込むことでゴミ収集袋1を返して親指を挿入し易くし、それをきっかけにして手挿入領域30へ手全体も挿入し易くなる。また、親指単独の領域が出来ることで親指を自由に動かすことが可能となり、ゴミGを掴みやすくすることができるものである。また、親指と他の指を分割できれば、手挿入領域30内において親指領域33はゴミ収集領域40側に設けられる構成でも、またその逆側に寄せて設けられる構成のどちらでも良い。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明に係るゴミ収集袋によれば、人の手を汚さずにゴミ拾いが可能であり、ゴミ収集領域内部のゴミが一杯になるまで何度も手を挿入させゴミ拾いが出来ることで、ゴミ拾いボランティアの方や地域の清掃などにも利用でき、多くの需要が見込まれる。よって産業上利用可能性は高いと思慮されるものである。
【符号の説明】
【0054】
1 ゴミ収集袋
10 開口部
20 底辺
21 上辺
22 側辺
30 手挿入領域
31 親指領域分割部
32 親指用スリット
33 親指挿入領域
40 ゴミ収集領域
50 領域分割部
51 所定箇所
52 所定の長さ
60 スリット
P ポリエチレン素材
S 生分解性プラスチック素材
G ゴミ
H 手

図1
図2
図3
図4