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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067987
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】グリル
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/06 20060101AFI20240510BHJP
【FI】
A47J37/06 366
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178460
(22)【出願日】2022-11-07
(71)【出願人】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】松本 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】石野 敏宏
(72)【発明者】
【氏名】西村 亮紀
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA03
4B040AA08
4B040AB02
4B040AC02
4B040AD04
4B040AE13
4B040CA02
4B040EA02
4B040EA03
4B040EA16
(57)【要約】
【課題】支持枠の前側横枠及び後側横枠の一部を上方側に突出する形態にすることなく、焼網が被支持部を載置する支持枠の支持部を支点に回動されることを適正に抑制できるグリルを提供する。
【解決手段】前方に開口する開口部を有するグリル庫と、開口部を通して前後方向移動可能でグリル庫内に収納可能な支持枠7と、支持枠7に載置される焼網8とを備え、支持枠7は、横方向に沿う姿勢の前側横枠7Fと、横方向に沿う姿勢の後側横枠7Rとを備える形態であり、前側横枠7Fの左右の端部に、グリル庫の前後方向に沿う姿勢の前側支持部Mfが備えられ、後側横枠7Rの左右の端部に、グリル庫の前後方向に沿う姿勢の後側支持部Mrが備えられ、焼網8に、前側支持部Mf及び後側支持部Mrに載置される被支持部Hが設けられている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方に開口する開口部を有するグリル庫と、前記開口部を通して前後方向に移動可能で前記グリル庫内に収納可能な支持枠と、前記支持枠に載置される焼網とを備え、
前記支持枠は、前記グリル庫の前後方向の前端部及び後端部の左右両端側に位置する脚枠と、前記脚枠のうちの前方側の一対の前記脚枠の上端部に亘る左右方向に沿う姿勢の前側横枠と、前記脚枠のうちの後方側の一対の前記脚枠の上端部に亘る左右方向に沿う姿勢の後側横枠とを備える形態であるグリルであって、
前記前側横枠の左右の端部に、前記グリル庫の前後方向に沿う姿勢の前側支持部が備えられ、前記後側横枠の左右の端部に、前記グリル庫の前後方向に沿う姿勢の後側支持部が備えられ、
前記焼網に、前記前側支持部及び前記後側支持部に載置される被支持部が設けられているグリル。
【請求項2】
左右の前記前側支持部が前記前側横枠の左右の端部から後方に突出する形態で形成されて、L字状に屈曲する左右の前側屈曲部が形成され、
左右の前記後側支持部が、前記後側横枠の左右の端部から前方に突出する形態で形成されて、L字状に屈曲する左右の後側屈曲部が形成され、
底壁部と周壁部とからなる本体部、及び、前記周壁部から外方に張り出すフランジを備えるグリルプレートが、左右の前記前側屈曲部及び左右の前記後側屈曲部にて囲まれた空間に前記本体部を挿入可能で、且つ、左右の前記前側屈曲部及び左右の前記後側屈曲部に前記フランジの四隅部を載置可能な形態で設けられている請求項1に記載のグリル。
【請求項3】
前記焼網は、平面視形状が矩形の外枠と、当該外枠の左右に位置する一対の側枠部の間に、当該側枠部の長手方向に並ぶ状態で架設される複数の棒材と、を備える形態であり、
前記外枠の前側に位置する前枠部を前記前側横枠よりもグリル庫前方側に位置させ、かつ、前記外枠の後側に位置する後枠部を前記後側横枠よりもグリル庫後方側に位置させた状態で、前記棒材のうちの、前記前側支持部及び前記後側支持部に載置される前記棒材が、前記被支持部を形成する請求項1又は2に記載のグリル。
【請求項4】
前記棒材が、前記側枠部よりも下方側箇所で水平方向に延びる載置部分と、当該載置部分の左右両端から上方側に延出されて前記側枠部に接続される接続部分とを備え、
前記前側支持部及び前記後側支持部に載置される前記棒材の前記接続部分に、前記被支持部を形成する水平方向に延びる水平部分が形成されている請求項3に記載のグリル。
【請求項5】
前記被支持部が前記前側支持部及び前記後側支持部に載置された状態において、前記前枠部が前記前側横枠よりも下方側に位置し、かつ、前記後枠部が前記後側横枠よりも下方側に位置するように形成され、
前記前側横枠が、長手方向中間部に下方に凹入する形態で前側規制部を備え、前記後側横枠が、長手方向中間部に下方に凹入する形態で後側規制部を備え、
前記前枠部に、前記前側規制部に突入する前側突入部が設けられ、前記後枠部に、前記後側規制部に突入する後側突入部が設けられている請求項3に記載のグリル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前方に開口する開口部を有するグリル庫と、前記開口部を通して前後方向に移動可能で前記グリル庫内に収納可能な支持枠と、前記支持枠に載置される焼網とを備え、
前記支持枠は、前記グリル庫の前後方向の前端部及び後端部の左右両端側に位置する脚枠と、前記脚枠のうちの前方側の一対の前記脚枠の上端部に亘る左右方向に沿う姿勢の前側横枠と、前記脚枠のうちの後方側の一対の前記脚枠の上端部に亘る左右方向に沿う姿勢の後側横枠とを備える形態であるグリルに関する。
【背景技術】
【0002】
かかるグリルの従来例として、支持枠の前側横枠及び後側横枠の長手方向の中間部に、上方側に突出する湾曲状の当接部を形成し、前側横枠及び後側横枠における当接部の左右両側に位置する枠部分を、焼網を載置する支持部として用いるようにし、当該支持部に載置される被支持部を焼網に設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1においては、焼網が、平面視形状が矩形の外枠と、当該外枠の左右に位置する一対の側枠部の間に、当該側枠部の長手方向に並ぶ状態で架設される複数の棒材と、を備える形態に構成されている。
そして、外枠の前側に位置する前枠部及び外枠の後側に位置する後枠部の長手方向の中間部には、前枠部を支持枠の前側横枠よりもグリル庫前方側に位置させ、かつ、後枠部を支持枠の後側横枠よりもグリル庫後方側に位置させた状態おいて、上述した上方に突出する姿勢の当接部が挿通する横幅の大きなU字状部材が後方及び前方に突出する姿勢で設けられている。
【0004】
また、外枠の前枠部及び後枠部におけるU字状部材の左右両側箇所に、被支持部を構成する横幅の小さなU字状部材が後方及び前方に突出する姿勢で設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-139453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
焼網には、当該焼網の被支持部が載置される支持枠の支持部を支点として焼網を回動させる荷重が作用する場合があり、このような場合において、焼網が回動されると、焼網が傾斜姿勢になり、焼網から被加熱物がこぼれ落ちる等のトラブルを生じることになるため、焼網の回動を適切に抑制することが望まれる。
【0007】
つまり、例えば、複数の被加熱物を焼網に載置する際や載置した複数の被加熱物を焼網から取り上げる際等において、特に、被加熱物が上述の支点よりも焼網の横幅方向の端部側に位置していると、使用者の操作の影響も加わり、上述の如く焼網を回動させる荷重が強くかかる場合がある等、焼網が、てこの原理により、支持枠の支持部を支点として回動される虞がある。このような場合においても、焼網から被加熱物がこぼれ落ちる等のトラブルを回避する上で、焼網の回動を適切に抑制することが望まれる。
【0008】
従来のグリルにおいては、外枠の前側に位置する前枠部及び外枠の後側に位置する後枠部の長手方向の中間部に設けたU字状部材に、支持枠の前側横枠及び後側横枠に設けた上方に突出する姿勢の当接部が挿入しているから、焼網が支持枠の支持部を支点として回動しようとする際に、U字状部材が当接部に接当することにより、焼網の回動を抑制できることになる。
つまり、外枠の前枠部及び後枠部に設けたU字状部材と、支持枠の前側横枠及び後側横枠に設けた当接部とは、焼網の水平方向の位置を規制する機能を発揮することに加えて、焼網の回動を抑制する機能を発揮することになる。
【0009】
しかしながら、支持枠の前側横枠及び後側横枠に上方側に突出する姿勢の当接部が存在すると、焼網を支持枠に載置する際に、焼網を上方側に突出する姿勢の当接部よりも上方側に位置させながら移動させる必要がある等、上方側に突出する姿勢の当接部が、焼網を支持枠に載置する上で邪魔になる。したがって、支持枠の前側横枠及び後側横枠の一部を上方側に突出する形態にしないことが望まれている。
【0010】
ちなみに、グリルにおいては、焼網に代えて、グリルプレートを支持枠に載置できるようにして、焼網とグリルプレートとを選択できるようにする場合がある。このような場合において、支持枠の前側横枠及び後側横枠に上方側に突出する姿勢の当接部が存在していると、グリルプレートの形状を、当接部に対応する箇所を切り欠いた形状にする必要がある。
このため、グリルプレートの形状が複雑な形状となることに起因して、洗浄し難くなり、また、見た目の形状が悪くなる等、お手入れ性やデザイン性に問題があり、この点からも、支持枠の前側横枠及び後側横枠の一部を上方側に突出する形態にしないことが望まれている。
【0011】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、支持枠の前側横枠及び後側横枠の一部を上方側に突出する形態にすることなく、焼網が被支持部を載置する支持枠の支持部を支点に回動されることを適正に抑制できるグリルを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のグリルは、前方に開口する開口部を有するグリル庫と、前記開口部を通して前後方向に移動可能で前記グリル庫内に収納可能な支持枠と、前記支持枠に載置される焼網とを備え、
前記支持枠は、前記グリル庫の前後方向の前端部及び後端部の左右両端側に位置する脚枠と、前記脚枠のうちの前方側の一対の前記脚枠の上端部に亘る左右方向に沿う姿勢の前側横枠と、前記脚枠のうちの後方側の一対の前記脚枠の上端部に亘る左右方向に沿う姿勢の後側横枠とを備える形態であるものであって、その特徴構成は、
前記前側横枠の左右の端部に、前記グリル庫の前後方向に沿う姿勢の前側支持部が備えられ、前記後側横枠の左右の端部に、前記グリル庫の前後方向に沿う姿勢の後側支持部が備えられ、
前記焼網に、前記前側支持部及び前記後側支持部に載置される被支持部が設けられている点にある。
【0013】
すなわち、支持枠の前側横枠の左右の端部に、グリル庫の前後方向に沿う姿勢の前側支持部が備えられ、支持枠の後側横枠の左右の端部に、グリル庫の前後方向に沿う姿勢の後側支持部が備えられている。そして、焼網に設けた被支持部が、前側支持部及び後側支持部に載置されることにより、焼網が支持枠に載置されることになる。
【0014】
支持枠の前側横枠の左右の端部に位置する左右の前側支持部及び支持枠の後側横枠の左右の端部に位置する左右の後側支持部は、支持枠の横幅方向において、支持枠の端部側に位置するものであるから、前側支持部及び後側支持部に載置される焼網の被支持部を、焼網の横幅方向において、焼網の端部側に位置させることができる。
【0015】
換言すれば、焼網の横幅方向において、当該焼網における被支持部よりも端部側に位置する部分が十分に小さくなる。
このため、焼網の被支持部よりも端部側に位置する部分に荷重が作用しても、てこの原理によって発生するモーメントを十分に小さくできることになる。その結果、被加熱物の荷重等が焼網における被支持部よりも端部側に位置する部分に作用することがあっても、焼網が支持枠の支持部を支点に回動されることを適正に抑制できる。
【0016】
つまり、上述の如く、従来では、支持枠の前側横枠及び後側横枠の一部を上方側に突出する形態にして、焼網が支持枠の支持部を支点に回動されることを抑制することになるが、このように、支持枠の前側横枠及び後側横枠の一部を上方側に突出する形態にすることなく、焼網が支持枠の支持部を支点に回動されることを適正に抑制できる。
【0017】
要するに、本発明のグリルの特徴構成によれば、支持枠の前側横枠及び後側横枠の一部を上方側に突出する形態にすることなく、焼網が被支持部を載置する支持枠の支持部を支点に回動されることを適正に抑制できる。
【0018】
本発明のグリルの更なる特徴構成は、左右の前記前側支持部が前記前側横枠の左右の端部から後方に突出する形態で形成されて、L字状に屈曲する左右の前側屈曲部が形成され、
左右の前記後側支持部が、前記後側横枠の左右の端部から前方に突出する形態で形成されて、L字状に屈曲する左右の後側屈曲部が形成され、
底壁部と周壁部とからなる本体部、及び、前記周壁部から外方に張り出すフランジを備えるグリルプレートが、左右の前記前側屈曲部及び左右の前記後側屈曲部にて囲まれた空間に前記本体部を挿入可能で、且つ、左右の前記前側屈曲部及び左右の前記後側屈曲部に前記フランジの四隅部を載置可能な形態で設けられている点にある。
【0019】
すなわち、焼網を支持枠から取り外した状態において、グリルプレートを支持枠に載置することができるから、焼網とグリルプレートとを選択して使用できることになる。
そして、グリルプレートは、底壁部と周壁部とからなる本体部を、左右の前側屈曲部及び左右の後側屈曲部にて囲まれた空間に挿入し、かつ、周壁部から外方に張り出すフランジの四隅部を、左右の前側屈曲部及び左右の後側屈曲部に載置した状態で、支持枠に載置されることになる。
【0020】
つまり、グリルプレートの本体部の前後方向や左右方向の位置を左右の前側屈曲部及び左右の後側屈曲部にて位置決めしながら、グリルプレートのフランジを左右の前側屈曲部及び左右の後側屈曲部にて受止める形態で、グリルプレートを支持枠に載置できる。
【0021】
そして、支持枠の前側横枠及び後側横枠は、その一部を上方側に突出する形態にするものではないから、換言すれば、支持枠の前側横枠及び後側横枠は上方側に突出する部分を備えないものであるから、グリルプレートの形状を、洗浄し易く、また、見た目が良い形状にする等、お手入れ性やデザイン性に優れた形状にすることができる。
【0022】
要するに、本発明のグリルの更なる特徴構成によれば、焼網とグリルプレートとを選択でき、しかも、グリルプレートをお手入れ性やデザイン性に優れた形状にすることができる。
【0023】
本発明のグリルの更なる特徴構成は、前記焼網は、平面視形状が矩形の外枠と、当該外枠の左右に位置する一対の側枠部の間に、当該側枠部の長手方向に並ぶ状態で架設される複数の棒材と、を備える形態であり、
前記外枠の前側に位置する前枠部を前記前側横枠よりもグリル庫前方側に位置させ、かつ、前記外枠の後側に位置する後枠部を前記後側横枠よりもグリル庫後方側に位置させた状態で、前記棒材のうちの、前記前側支持部及び前記後側支持部に載置される前記棒材が、前記被支持部を形成する点にある。
【0024】
すなわち、焼網が、平面視形状が矩形の外枠と、当該外枠の左右に位置する一対の側枠部の間に、当該側枠部の長手方向に並ぶ状態で架設される複数の棒材と、を備える形態に形成されている。
そして、外枠の前側に位置する前枠部を支持枠の前側横枠よりもグリル庫前方側に位置させ、かつ、外枠の後側に位置する後枠部を支持枠の後側横枠よりもグリル庫後方側に位置させた状態で、棒材のうちの、被支持部として機能する棒材が、前側支持部及び後側支持部に載置される形態で、焼網が支持枠に載置されることになる。
【0025】
このように、焼網が支持枠に載置された状態において、焼網の外枠の前側に位置する前枠部を支持枠の前側横枠よりもグリル庫前方側に位置させ、かつ、焼網の外枠の後側に位置する後枠部を支持枠の後側横枠よりもグリル庫後方側に位置させるものであるから、焼網の前後長さを長くして、焼網に広い載置面を備えさせることができるものとなり、より大きな被加熱物(調理物)を載置して調理することができるものとなる等、使い勝手の向上を図ることができる。
【0026】
また、棒材のうちの、一部の棒材にて被支持部を形成するものであるから、被支持部を形成するための特別な部材を焼網に備えさせる必要がないため、焼網の簡素化を図ることができる。
【0027】
要するに、本発明のグリルの更なる特徴構成によれば、焼網に広い載置面を備えさせて、使い勝手の向上を図ることができ、しかも、焼網の簡素化を図ることができる。
【0028】
本発明のグリルの更なる特徴構成は、前記棒材が、前記側枠部よりも下方側箇所で水平方向に延びる載置部分と、当該載置部分の左右両端から上方側に延出されて前記側枠部に接続される接続部分とを備え、
前記前側支持部及び前記後側支持部に載置される前記棒材の前記接続部分に、前記被支持部を形成する水平方向に延びる水平部分が形成されている点にある。
【0029】
すなわち、棒材が、側枠部よりも下方側箇所で水平方向に延びる載置部分と、当該載置部分の左右両端から上方側に延出されて側枠部に接続される接続部分とを備えるものであるから、載置部分の左右両端から上方側に延出される接続部分が存在することにより、被加熱物(調理物)が焼網からこぼれ落ちることを接続部分にて受止める等、被加熱物を焼網に適切に載置することができる。
【0030】
また、前側支持部及び後側支持部に載置される棒材の接続部分に、被支持部を形成する水平方向に延びる水平部分が形成されているから、つまり、接続部分に水平部分を備えさせて、その水平部分を被支持部とするものであるから、被支持部を前側支持部及び後側支持部に安定性良く載置することができるため、焼網を支持枠に安定性良く載置できる。
【0031】
要するに、本発明のグリルの更なる特徴構成によれば、被加熱物を焼網に適切に載置することができ、しかも、焼網を支持枠に安定性良く載置できる。
【0032】
本発明のグリルの更なる特徴構成は、前記被支持部が前記前側支持部及び前記後側支持部に載置された状態において、前記前枠部が前記前側横枠よりも下方側に位置し、かつ、前記後枠部が前記後側横枠よりも下方側に位置するように形成され、
前記前側横枠が、長手方向中間部に下方に凹入する形態で前側規制部を備え、前記後側横枠が、長手方向中間部に下方に凹入する形態で後側規制部を備え、
前記前枠部に、前記前側規制部に突入する前側突入部が設けられ、前記後枠部に、前記後側規制部に突入する後側突入部が設けられている点にある。
【0033】
すなわち、被支持部が前記前側支持部及び前記後側支持部に載置された状態、換言すれば、焼網が支持枠に載置された状態において、前枠部が前側横枠に接当すること、及び、後枠部が後側横枠に接当することにより、焼網の支持枠に対する前後方向での位置が規制されることになる。
【0034】
また、焼網が支持枠に載置された状態において、前側突入部が前側規制部に接当すること、及び、後側突入部が後側規制部に接当することにより、焼網の支持枠に対する左右方向での位置が規制されることになる。
【0035】
そして、焼網を支持枠に載置する際に、焼網を支持枠の上方相当位置に移動させ、その後、下降させれば、前枠部を前側横枠の前方側に位置させ、かつ、後枠部を後側横枠の後方側に位置させ、加えて、前側突入部を前側規制部に突入させ、かつ、後側突入部を後側規制部に突入させる状態にすることができるから、焼網を支持枠に載置する作業を良好に行うことができる。
【0036】
要するに、本発明のグリルの更なる特徴構成によれば、焼網の支持枠に対する前後方向での位置及び左右方向での位置を適切に規制でき、しかも、焼網を支持枠に載置する作業を良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】ガスコンロの斜視図である。
図2】焼網を装着したグリル皿を引き出した状態の斜視図である。
図3】グリルプレートを装着したグリル皿を引き出した状態の斜視図である。
図4】焼網を支持枠に載置した状態の斜視図である。
図5】焼網の斜視図である。
図6】支持枠及びグリル皿の斜視図である。
図7】焼網の被支持部が支持枠に載置される状態を示す要部拡大図である。
図8】グリルプレート及び蓋体の斜視図である。
図9】グリルプレートを支持枠に載置した形態を示す平面図である。
図10】別形態の焼網を示す平面図である。
図11】別形態の被支持部が支持枠に載置される状態を示す要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
〔実施形態〕
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(グリル付きガスコンロの構成)
図1に示すように、グリル付ガスコンロGCは、複数(例示図では3個)のガスコンロ1及びグリルGを備えている。つまり、グリル付ガスコンロGCは、ケーシング2及び天板3を備え、複数のガスコンロ1が天板3を貫通する状態で備えられ、グリルGが、天板3の下方側でケーシング2の左右中間箇所に設けられている。尚、天板3の後部側箇所には、グリルGからの調理排気を排出する排気口4が形成されている。
【0039】
グリルGは、図2及び図3に示すように、前方に開口する開口部Bを備える筒状のグリル庫Dを備えている。
グリル庫Dの天井部には、調理物加熱用の上部バーナ5Aが備えられ、グリル庫Dの左右の側壁部の内方側における下方側箇所には、調理物加熱用の下部バーナ5Bが備えられている。つまり、本実施形態では、グリルバーナ5として、上部バーナ5Aと左右一対の下部バーナ5Bとが備えられている。
本実施形態のグリルGは、グリルバーナ5を備えるガスグリルである。
【0040】
図1に示すように、ケーシング2の前面パネルには、ガスコンロ1の点消火を行い且つ火力調節を行うコンロ操作具1A、ガスコンロ1を用いた自動調理を設定するコンロ用設定部1B、及び、グリルバーナ5の点消火及び火力調節を行い且つグリルバーナ5を用いた自動調理を設定するグリル用設定部5Eが備えられている。
ちなみに、コンロ用設定部1B及びグリル用設定部5Eは、下端側を中心とする揺動により開閉されるものであり、図1においては、開き状態を例示する。
【0041】
(グリルの構成)
図2及び図3に示す如く、グリル庫Dには、開口部Bを通して前方(グリル庫Dの前方側)へ移動可能で、且つ、後方へ移動してグリル庫Dの内部に収容可能なグリル皿6が設けられ、グリル皿6に支持される支持枠7(図6参照)が設けられている。
そして、焼網8とグリルプレート9とが、支持枠7に載せ替え自在に載置されるように構成されている。
【0042】
つまり、焼網8に調理物を載置した焼網調理(図2参照)と、グリルプレート9に調理物を載置したプレート調理(図3参照)とを行えるように構成されている。
尚、グリルプレート9の上部に載置される蓋体10(図8)が設けられ、プレート調理を行う際に、蓋体10を装着する形態と蓋体10を外した形態とを選択できるように構成されている。
【0043】
本実施形態では、左右の下部バーナ5Bの下側に、可動レール11Aがグリル庫Dの前後方向にスライド自在に支持されている。つまり、グリル庫Dの側壁部の底部側箇所に固定レール(図示せず)が長手方向を前後方向(グリル庫前後方向)に向けた状態で設けられ、この固定レールに、中間レール11Bがグリル庫Dの前後方向にスライド自在に支持され、この中間レール11Bに、可動レール11Aがグリル庫Dの前後方向にスライド自在に支持されている。
そして、グリル皿6が、可動レール11Aの上部に載置されて、可動レール11Aとともに前後に移動するように構成されている。
【0044】
グリル皿6は、図6に示すように、平面視略矩形状で上方に開口する容器状の皿本体部6Aと、皿本体部6Aの外周部から外方に連設される皿フランジ部6Bとを備える形態に構成されている。
そして、グリル皿6は、支持枠7に支持された焼網8に載置された調理物(被加熱物)からの油脂等の滓を受け止め回収するように構成されている。
【0045】
本実施形態では、図2及び図3に示す如く、左右の可動レール11Aに、位置決め突起12が上方に向けて突設され、グリル皿6の皿フランジ部6Bには、図6に示す如く、位置決め突起12が係合する位置決め挿通孔13が形成されている。
したがって、位置決め挿通孔13が位置決め突起12に係合するようにグリル皿6を可動レール11Aに載置することで、グリル皿6が可動レール11Aの所定位置に所定の向きで載置されるようになっている。
【0046】
図3に示す如く、可動レール11Aの前端部には、扉装着板14Aが装着され、この扉装着板14Aに、グリル庫Dの開口部Bを開閉するグリル扉14(図1参照)が取付けられている。
したがって、使用者は、グリル扉14の把持部を掴んでグリル扉14を前方へ引き出すことにより、開口部Bを通してグリル皿6を前方(グリル庫前方)に移動させ、グリル扉14を後方へ押し込むことにより、グリル皿6をグリル庫Dの内部に収納させることができるように構成されている。
【0047】
(支持枠の構成)
支持枠7は、図6に示す如く、一つの丸棒材を屈曲して形成されている。すなわち、支持枠7は、グリル庫Dの前後方向に沿う姿勢の左右一対の下部枠7Uと、左右一対の下部枠7Uの前端部及び後端部の夫々から上方に向けて突出する脚枠7Kと、脚枠7Kのうちの前方側の一対の脚枠7Kの上端部に亘る左右方向に沿う姿勢の前側横枠7Fと、脚枠7Kのうちの後方側の一対の脚枠7Kの上端部に亘る左右方向に沿う姿勢の後側横枠7Rとを備える形態に形成されている。
【0048】
つまり、支持枠7は、グリル皿6におけるグリル庫Dの前後方向の前端部及び後端部の左右両端側に位置する脚枠7Kと、脚枠7Kのうちの前方側の一対の脚枠7Kの上端部に亘る左右方向に沿う姿勢の前側横枠7Fと、脚枠7Kのうちの後方側の一対の脚枠7Kの上端部に亘る左右方向に沿う姿勢の後側横枠7Rとを備える形態に構成されている。
【0049】
また、支持枠7は、前側横枠7Fの左右の端部に、グリル庫Dの前後方向に沿う姿勢の前側支持部Mfを備え、後側横枠7Rの左右の端部に、グリル庫Dの前後方向に沿う姿勢の後側支持部Mrを備えている。
つまり、支持枠7は、左右一対の下部枠7U、4つの脚枠7K、前側横枠7F、後側横枠7R、前側支持部Mf、及び、後側支持部Mrを備える形態に、一つの丸棒材を屈曲して形成されている。
【0050】
左右の前側支持部Mf及び左右の後側支持部Mrは、後述の如く、焼網8を載置支持する焼網支持部として機能することになる。
つまり、焼網8には、支持枠7の前側支持部Mf及び後側支持部Mrに載置される被支持部Hが設けられており、その詳細は後述する。
【0051】
また、左右の前側支持部Mfが前側横枠7Fの左右の端部から後方に突出する形態で形成されて、L字状に屈曲する左右の前側屈曲部Lfが形成されている。
同様に、左右の後側支持部Mrが、後側横枠7Rの左右の端部から前方に突出する形態で形成されて、L字状に屈曲する左右の後側屈曲部Lrが形成されている。
左右の前側屈曲部Lf及び左右の後側屈曲部Lrは、後述の如く、グリルプレート9を載置支持するプレート支持部として機能することになる。
【0052】
ちなみに、図9に示す如く、平面視において、左右の下部枠7Uは、その前端部及びその後端部において内方側に曲がる折曲部7zを備えている。
また、後側横枠7Rは、左右の下部枠7Uの後端部から後方に突出する位置に位置し、同様に、前側横枠7Fは、左右の下部枠7Uの前端部から前方に突出する位置に位置している。
【0053】
そして、左右の前側支持部Mfが、前側横枠7Fの左右端部から後方側に向けて、左右の下部枠7Uの前端部よりも後方に相当する位置まで延びる状態で設けられている。
同様に、左右の後側支持部Mrが、後側横枠7Rの左右の端部から前方側に向けて、左右の下部枠7Uの後端部よりも前方側に相当する位置まで延びる状態で設けられている。
従って、左右の下部枠7Uの前端部と左右の前側支持部Mfの後端部とを接続する脚枠7Kが、上方側ほど後方側に傾斜する姿勢で形成されているのに対して、左右の下部枠7Uの後端部と左右の後側支持部Mrの前端部とを接続する脚枠7Kが、上方側ほど前方側に傾斜する姿勢で形成されている。
【0054】
さらに、前側横枠7Fが、長手方向中間部に下方に凹入する形態で前側規制部Nfを備え、後側横枠7Rが、長手方向中間部に下方に凹入する形態で後側規制部Nrを備える形態に形成されている。
前側規制部Nf及び後側規制部Nrは、後述の如く、支持枠7に載置された焼網8を位置決めする位置決め規制部として機能することになる。
【0055】
また本実施形態では、図6に示す如く、後側の左右の脚枠7Kに亘る状態で整流板15が溶接される状態で設けられている。この整流板15は、下部バーナ5Bの燃焼ガスを上方側に整流案内する整流体として機能することになる。
また、整流板15の下端部の左右には、下方に突出する板状突起15aが形成され、グリル皿6の皿フランジ部6Bの後方側部分には、板状突起15aが係合する係合孔部16が形成されている。
したがって、支持枠7をグリル皿6に載置する際に、板状突起15aを係合孔部16に係合させた状態で支持枠7をグリル皿6に載置することにより、支持枠7のグリル皿6に対する位置が適正位置に位置決めされ、結果的に、焼網8やグリルプレート9のグリル皿6に対する位置が適正位置に位置決めされることになる。
【0056】
ちなみに、本実施形態では、グリル皿6の皿フランジ部6Bの左右側部分に、支持枠7の左右の下部枠7Uが載置されることになり、そして、皿フランジ部6Bの左右部分には、支持枠7の左右の下部枠7Uの横ずれを受け止める受止凸部17が設けられている。
【0057】
(焼網の構成)
焼網8は、図5に示すように、平面視形状が矩形の外枠8Aと、当該外枠8Aの左右に位置する一対の側枠部Asの間に、当該側枠部の長手方向に並ぶ状態で架設される複数の棒材8Bと、を備える形態である。
つまり、外枠8Aが、焼網8の前後幅方向に沿う一対の側枠部Asと焼網8の横幅方向に沿う一対の横枠部Ayとを備える形態に形成されている。そして、複数(例示図では16個)の棒材8Bが、一対の側枠部Asの間に架設されている。
ちなみに、本実施形態では、棒材8Bの端部が、一対の側枠部Asの下端側に溶接されている。
【0058】
焼網8は、前後及び左右に対称に形成されて、前後のいずれかをグリル庫Dの後方側に位置させるように向けた状態で支持枠7に載置されるものである。したがって、一対の横枠部Ayは、図4に示す如く、グリル庫Dの前後方向の前側に位置するときには、外枠8Aの前側に位置する前枠部Afとなり、グリル庫Dの前後方向の後側に位置するときには、外枠8Aの後側に位置する後枠部Arとなる。
【0059】
棒材8Bが、側枠部Asよりも下方側箇所で水平方向に延びる載置部分Eaと、当該載置部分Eaの左右両端から上方側に延出されて側枠部Asに接続される接続部分Ebとを備えている。
複数の棒材8Bのうちの前後両端を除いた棒材8Bの接続部分Ebは、側枠部Asの下方箇所では水平方向に沿う姿勢となり、その後、載置部分Eaに向けて斜め下方に延びる姿勢となるように形成されている。
【0060】
複数の棒材8Bのうちの前後両端の棒材8Bの接続部分Ebは、図7に示すように、側枠部Asの下方箇所では水平方向に沿う姿勢となり、その後、斜め上方に向かう傾斜姿勢となり、次に、水平方向に沿う姿勢となり、最後に、載置部分Eaに向けて斜め下方に延びる傾斜姿勢となるように形成されている。
そして、図4及び図7に示す如く、接続部分Ebにおける斜め上方に向かう傾斜姿勢となる部分から水平方向に沿う姿勢となる部分にて、支持枠7の前側支持部Mf及び後側支持部Mrに載置される被支持部Hが形成されている。
【0061】
つまり、図4に示すように、外枠8Aの前側に位置する前枠部Afを支持枠7の前側横枠7Fよりもグリル庫前方側に位置させ、かつ、外枠8Aの後側に位置する後枠部Arを支持枠7の後側横枠7Rよりもグリル庫後方側に位置させた状態で、棒材8Bのうちの、前側支持部Mf及び後側支持部Mrに載置される棒材8Bが、被支持部Hを形成する。
【0062】
ちなみに、本実施形態では、被支持部Hを形成する接続部分Ebを、図7に示す如く、側枠部Asの下方の水平方向に沿う姿勢部分、斜め上方に向かう傾斜姿勢となる部分、水平方向に沿う姿勢部分、及び、斜め下方に延びる傾斜姿勢となる部分とから構成したが、被支持部Hを形成する接続部分Ebの形態は、図11に示す如く、変更してもよい。
すなわち、側枠部Asの下方の水平方向に沿う姿勢部分、及び、斜め下方に延びる傾斜姿勢となる部分とから構成してもよい。
つまり、焼網8をグリル庫Dの内部に収納させたときに、側枠部Asがグリル庫Dの側壁部に装着された部材に干渉する虞があるが、図7に示す形態や図11に示す形態を、グリル庫Dの側壁部の状態に合せて選択して、側枠部Asがグリル庫Dの側壁部に装着された部材との干渉を回避できる。
【0063】
図4に示す如く、被支持部Hが前側支持部Mf及び後側支持部Mrに載置された状態において、前枠部Afが前側横枠7Fよりも下方側に位置し、かつ、後枠部Arが後側横枠7Rよりも下方側に位置するように形成されている。つまり、外枠8Aが、横枠部Ayを側枠部Asよりも下方に位置させる形態に形成されている。
また、図4及び図6に示す如く、前枠部Afに、支持枠7の前側規制部Nfに突入する前側突入部8Fが設けられ、後枠部Arに、支持枠7の後側規制部Nrに突入する後側突入部8Rが設けられている。
前側突入部8F及び後側突入部8Rは、棒材をコの字状に屈曲させることにより形成されて、前枠部Af及び後枠部Arに溶接されている。
【0064】
そして、焼網8が支持枠7に載置された状態において、前枠部Afが前側横枠7Fに接当すること、及び、後枠部Arが後側横枠7Rに接当することにより、焼網8の支持枠7に対する前後方向での位置が規制されることになる。
また、焼網8が支持枠7に載置された状態において、前側突入部8Fが前側規制部Nfに接当すること、及び、後側突入部8Rが後側規制部Nrに接当することにより、焼網8の支持枠7に対する左右方向での位置が規制されることになる。
【0065】
ちなみに、上述の如く、一対の横枠部Ayが、グリル庫Dの前後方向の前側に位置するときには、外枠8Aの前側に位置する前枠部Afとなり、グリル庫Dの前後方向の後側に位置するときには、外枠8Aの後側に位置する後枠部Arとなるものであるから、前側突入部8F及び後側突入部8Rは、図5に示す如く、一対の横枠部Ayに対して、突入部8Nとして装着されている。
そして、焼網8が支持枠7に載置された状態において、一対の突入部8Nが、前側突入部8F及び後側突入部8Rとして機能することになる。
【0066】
尚、一対の突入部8Nを形成するにあたり、コの字状の棒材を横枠部Ayに溶接することに代えて、図10に示す如く、外枠8Aにおける横枠部Ayを凹形状に折り曲げ加工する形態で形成してもよい。
【0067】
(焼網の回動抑制について)
本実施形態の焼網8の被支持部Hを支持枠7の左右の前側支持部Mf及び左右の後側支持部Mrに載置した状態において、焼網8における支持点(左右の前側支持部Mf及び左右の後側支持部Mr)から隣接する端部までの長さは、9mmで、支持点(左右の前側支持部Mf及び左右の後側支持部Mr)から離れる端部までの長さは、78mmとなる。
この関係を、焼網8に100グラムの調理物を載置した状態についてのモーメント比として考えると、9対39となる。この状態で、焼網8における支点(左右の前側支持部Mf及び左右の後側支持部Mr)から隣接する端部を押圧することにより焼網8を回動させるには、433gf以上の力が必要であることが確認できた。
【0068】
これに対して、従来(特開2015-139453号)に記載の構造では、焼網における支持点から隣接する端部までの長さは、10mmで、支持点から離れる端部までの長さは、60mmとなる。
この関係を、焼網に100グラムの調理物を載置した状態についてのモーメント比として考えると、10対30となる。この状態で、焼網における支点から隣接する端部を押圧することにより焼網を回動させるには、300gf以下の力で回転できることが確認できた。
【0069】
つまり、実施形態の焼網8は、従来例の焼網に較べて、1.4倍以上の力を加えないと回動させることができないこと、換言すれば、従来例の焼網では、実施形態の焼網8に較べて、約70%未満の力で回動させることができることが確認できた。
【0070】
(グリルプレートの構成)
図8に示す如く、グリルプレート9が、底壁部9dと周壁部9sとからなる本体部9A、及び、周壁部9sから外方に張り出すフランジ9Bを備えている。尚、例示図では、底壁部9dは波形状に形成されているが、平板状にする等、底壁部9dの形状は各種変更できる。
【0071】
そして、図9に示す如く、グリルプレート9が、左右の前側屈曲部Lf及び左右の後側屈曲部Lrにて囲まれた空間に本体部9Aを挿入可能で、且つ、左右の前側屈曲部Lf及び左右の後側屈曲部Lrにフランジ9Bの四隅部を載置可能な形態で設けられている。
ちなみに、グリルプレート9は、本体部9Aが左右の前側屈曲部Lf及び左右の後側屈曲部Lrにて囲まれた空間に挿入されると、その外面が左右の前側屈曲部Lf及び左右の後側屈曲部Lrにて受止め支持されることにより、前後方向並びに横方向の移動が規制された状態で支持枠7に支持されることになる。
【0072】
(蓋体の構成)
図8に示すように、蓋体10は、上向き凹状の蓋本体部10Aと、蓋本体部10Aの下端部から外方に張り出す蓋フランジ部10Bとを備え、蓋本体部10Aの上壁部には、調理物を露出するための露出開口部10Dが形成されている。
ちなみに、露出開口部10Dは、上部バーナ5Aにて調理物を適切に加熱するための開口として形成されている。
【0073】
また、蓋体10の蓋フランジ部10Bの左右のフランジ部には、下方に突出する突出部10fが形成されている。
この突出部10fに対応して、グリルプレート9のフランジ9Bには、突出部10fが係合する係合孔9fが開口されている。
【0074】
そして、蓋体10の蓋フランジ部10Bをグリルプレート9のフランジ9Bに載置する状態で蓋体10をグリルプレート9に装着した際に、突出部10fが係合孔9fに係合することにより、蓋体10がグリルプレート9に対して位置決めされるように構成されている。
【0075】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態においては、グリル付ガスコンロGCに装備するグリルGを例示したが、本発明のグリルGは、グリル単体として構成する場合や、他の機器と組み合わされたグリルGとして構成する場合に適用できるものである。
【0076】
(2)上記実施形態においては、グリル皿6を、固定レールと可動レール11Aと中間レール11Bとにより、グリル庫Dの前後方向に移動自在に支持する場合を例示したが、例えばグリル庫Dの左右の側壁にグリル皿案内用溝を形成し、グリル皿6の皿フランジ部6Bをグリル皿案内用溝に挿入することで、グリル皿6をグリル庫Dの前後方向に移動自在に支持する等、グリル皿6をグリル庫Dの前後方向に移動自在に支持する構成は各種変更できる。
【0077】
(3)上記実施形態においては、焼網8に加えて、グリルプレート9を備える場合を例示したが、本発明は、グリルプレート9を省略する形態で実施してもよい。
【0078】
(4)上記実施形態では、支持枠7における焼網8を支持するための前側支持部Mf及び後側支持部Mrを利用しながら、グリルプレート9を支持する前側屈曲部Lf及び後側屈曲部Lrを形成する場合を例示したが、前側支持部Mfや後側支持部Mrを利用せずに、グリルプレート9を支持する支持部を形成する等、グリルプレート9を支持枠7に支持する形態は各種変更できる。
【0079】
(5)上記実施形態では、支持枠7が、グリル庫Dの前後方向に沿う姿勢の左右一対の下部枠7Uを備える場合を例示したが、脚枠7Kをグリル皿6に直接接続する等、左右一対の下部枠7Uを省略する形態で実施してもよい。
【0080】
(6)上記実施形態では、支持枠7が、グリル皿6に支持される場合を例示したが、例えば直接可動レール11Aに支持される等、支持枠7が支持される構成は各種変更できる。
【0081】
尚、上述した実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【符号の説明】
【0082】
7 支持枠
7F 前側横枠
7K 脚枠
7R 後側横枠
7U 下部枠
8 焼網
8A 外枠
8B 棒材
8F 前側突入部
8R 後側突入部
9 グリルプレート
9A 本体部
9B フランジ
9d 底壁部
9s 周壁部
Af 前枠部
Ar 後枠部
As 側枠部
B 開口部
D グリル庫
Ea 載置部分
Eb 接続部分
H 被支持部
Lf 前側屈曲部
Lr 後側屈曲部
Mf 前側支持部
Mr 後側支持部
Nf 前側規制部
Nr 後側規制部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11