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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068005
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】オゾン水散布装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/461 20230101AFI20240510BHJP
   C25B 1/13 20060101ALI20240510BHJP
   C25B 15/021 20210101ALI20240510BHJP
【FI】
C02F1/461 A
C25B1/13
C25B15/021
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178483
(22)【出願日】2022-11-07
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】鳶 幸生
(72)【発明者】
【氏名】村下 典子
(72)【発明者】
【氏名】小西 良
(72)【発明者】
【氏名】大江 克己
(72)【発明者】
【氏名】中村 哲
【テーマコード(参考)】
4D061
4K021
【Fターム(参考)】
4D061DA03
4D061DB07
4D061EA02
4D061EB04
4D061EB13
4D061EB16
4D061EB40
4D061FA20
4D061GC20
4K021AA09
4K021BA02
4K021CA09
4K021CA12
4K021DB05
4K021DC15
4K021EA06
(57)【要約】
【課題】貯水容器内に貯められ、電気分解によるオゾンの発生に用いられる水が、低い水温に保たれ得るオゾン水散布装置を提供する。
【解決手段】オゾン水スプレー1は、水が貯められる貯水容器110と、電気分解により貯水容器110内の水からオゾンを生成する電解部120と、貯水容器110内の水に電解部120により生成されたオゾンが含まれてなるオゾン水を散布する散布ノズル130と、貯水容器110内の底部から吸水パイプ150を介して水を吸い上げ、散布ノズル130へ送るポンプ140と、貯水容器110内の水を冷却するための冷却容器20と、を備える。電解部120は、ポンプ140により吸い上げられた水を通過させ、当該通過する水を電気分解する。冷却容器20は、蓄冷可能な保冷体30を収納し、貯水容器110の下方に配置されて貯水容器110の底面部110aを冷却する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水が貯められる貯水容器と、
電気分解により前記貯水容器内の水からオゾンを生成する電解部と、
前記貯水容器内の水に前記電解部により生成されたオゾンが含まれてなるオゾン水を散布する散布部と、
前記貯水容器内の水を冷却するための冷却部と、
を備えることを特徴とするオゾン水散布装置。
【請求項2】
請求項1に記載のオゾン水散布装置において、
前記貯水容器内の底部から吸水パイプを介して水を吸い上げ、前記散布部へ送る送水装置をさらに備え、
前記電解部は、前記送水装置により吸い上げられた水を通過させ、当該通過する水を電気分解し、
前記冷却部は、前記貯水容器の下方に配置されて前記貯水容器の底面部を冷却する、
ことを特徴とするオゾン水散布装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のオゾン水散布装置において、
前記冷却部は、冷却されることにより蓄冷可能な保冷体が取出し可能に収納される冷却容器を含む、
ことを特徴とするオゾン水散布装置。
【請求項4】
請求項3に記載のオゾン水散布装置において、
前記冷却容器は、
前記保冷体が投入される投入口を有し、前記保冷体が収納される容器本体と、
前記投入口を塞ぐ閉塞部材と、を含み、
前記容器本体と前記閉塞部材の間には、前記保冷体で結露した水が前記投入口から漏れ出すのを防止する水封部材が設けられる、
ことを特徴とするオゾン水散布装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載のオゾン水散布装置において、
前記冷却部は、ペルチェ素子を有する冷却装置を含む、
ことを特徴とするオゾン水散布装置。
【請求項6】
請求項1に記載のオゾン水散布装置において、
前記冷却部は、前記貯水容器の下方に配置されて前記貯水容器の底面部を冷却する、
ことを特徴とするオゾン水散布装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オゾン水を散布するオゾン水散布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
容器に貯めた水を電気分解することによりオゾンを生成し、生成したオゾンが水に含まれてなるオゾン水を噴霧するようにしたオゾン水スプレーが、たとえば、特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1のオゾン水スプレーは、原料水が収容される容器と、容器に取り付けられるヘッドと、ヘッドと容器を連通する第1チューブおよび第2チューブと、第2チューブに取り付けられる電解セルとを備える。ヘッドには、ノズル、トリガーおよびピストン・シリンダー機構が設けられる。電解セルは、容器内の底部に配置され、原料水を電気分解することにより、オゾンを生成する。トリガーが操作されると、電解セルの電気分解によりオゾン水が生成され、生成されたオゾン水がピストン・シリンダー機構によりノズルへ送られて、ノズルからオゾン水が噴霧される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6249200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記オゾン水スプレーでは、電解セルにより生成されるオゾン水のオゾン濃度が、容器内に溜められた水の温度に影響され得る。即ち、水温が低いほど、電解セルでオゾンが発生しやすくなり、オゾン濃度が高くなりやすい。よって、容器内の水は、できる限り低い水温に保たれることが望ましい。たとえば、容器内に供給された水が、当該水よりも温度が高い周囲の空気により温められにくくされたり、夏場などに温度が比較的高い水が容器内に供給されたときに、水温が下げられたりすることが望ましい。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、貯水容器内に貯められ、電気分解によるオゾンの発生に用いられる水が、低い水温に保たれ得るオゾン水散布装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主たる態様に係るオゾン水散布装置は、水が貯められる貯水容器と、電気分解により前記貯水容器内の水からオゾンを生成する電解部と、前記貯水容器内の水に前記電解部により生成されたオゾンが含まれてなるオゾン水を散布する散布部と、前記貯水容器内の水を冷却するための冷却部と、を備える。
【0008】
本態様に係るオゾン水散布装置によれば、冷却部により貯水容器に貯められた水が冷却されるので、当該水の温度を低下させたり、上昇しにくくさせたりすることができる。これにより、比較的低温の水を電解部により電気分解できるので、オゾンが発生しやすく、生成されたオゾン水のオゾン濃度が高くなりやすい。
【0009】
本態様に係るオゾン水散布装置において、前記貯水容器内の底部から吸水パイプを介して水を吸い上げ、前記散布部へ送る送水装置をさらに備えるような構成が採られ得る。この場合、前記電解部は、前記送水装置により吸い上げられた水を通過させ、当該通過する水を電気分解するような構成とされ得る。そして、前記冷却部は、前記貯水容器の下方に配置されて前記貯水容器の底面部を冷却するような構成とされ得る。
【0010】
上記の構成によれば、貯水容器内の底部の水が集中的に冷却され、冷却された水が送水装置により吸い上げられて電解部に送られる。このため、貯水容器全体を冷却するような冷却能力の高い冷却部を用いなくてよく、コスト等の増加が抑えられる。
【0011】
本態様に係るオゾン水散布装置において、前記冷却部は、冷却されることにより蓄冷可能な保冷体が取出し可能に収納される冷却容器を含むような構成とされる。
【0012】
上記の構成によれば、貯水容器内の水を冷却するための電力が不要であり、オゾン水散布装置の電力消費が早くなることを防止できる。
【0013】
上記の構成とされた場合、さらに、前記冷却容器は、前記保冷体が投入される投入口を有し、前記保冷体が収納される容器本体と、前記投入口を塞ぐ閉塞部材と、を含むような構成とされ得る。この場合、前記容器本体と前記閉塞部材の間には、前記保冷体で結露した水が前記投入口から漏れ出すのを防止する水封部材が設けられ得る。
【0014】
このような構成とされれば、冷却容器から漏れ出した水により、周りの物が濡れてしまうことを防止できる。
【0015】
本態様に係るオゾン水散布装置において、前記冷却部は、ペルチェ素子を有する冷却装置を含むような構成とされ得る。
【0016】
上記の構成によれば、保冷体に蓄冷させるなどの作業が不要であるため、ユーザの手間がかかりにくい。
【0017】
本態様に係るオゾン水散布装置において、前記冷却部は、前記貯水容器の下方に配置されて前記貯水容器の底面部を冷却するような構成とされ得る。
【0018】
上記の構成によれば、貯水容器に溜められた水は、水量の多少にかかわらず底面部に最も接触しやすいので、底面部が冷却されることにより、水を良く冷却することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、貯水容器内に貯められ、電気分解によるオゾンの発生に用いられる水が、低い水温に保たれ得るオゾン水散布装置を提供できる。
【0020】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明によりさらに明らかとなろう。ただし、以下の実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、実施の形態に係る、オゾン水スプレーの斜視図である。
図2図2(a)および(b)は、それぞれ、実施の形態に係る、筐体が外された状態のオゾン水スプレーを示す前方斜視図および後方斜視図である。
図3図3(a)は、実施の形態に係る、貯水容器が断面で表されたオゾン水散布機構の斜視図である。図3(b)は、実施の形態に係る、筐体が外された状態のオゾン水スプレーの下側部分の背面断面図である。
図4図4(a)および(b)は、実施の形態に係る、冷却容器を構成する容器本体の斜視図である。
図5図5(a)ないし(c)は、実施の形態に係る、冷却容器を構成する受け皿の斜視図である。
図6図6(a)および(b)は、変更例1に係る、オゾン水スプレーの斜視図である。
図7図7(a)および(b)は、変更例1に係る、冷却容器の斜視図である。
図8図8(a)および(b)は、変更例2に係る、オゾン水スプレーの斜視図である。
図9図9(a)は、変更例2に係る、冷却容器の斜視図である。図9(b)は、変更例2に係る、冷却容器および保冷体の斜視図である。図9(c)は、変更例2に係る、冷却容器を構成する閉塞部材の斜視図である。
図10図10(a)は、変更例3に係る、オゾン水スプレーの一部断面斜視図である。図10(b)は、変更例3に係る、貯水容器の下方に冷却装置が配置された状態を示す正面図である。
図11図11は、その他の変更例に係る、冷却容器に保冷剤が収納される様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明のオゾン水散布装置の一実施形態であるオゾン水スプレーについて、図面を参照して説明する。
【0023】
図1(a)および(b)は、オゾン水スプレー1の斜視図である。図1(a)は、冷却容器20が閉じられた状態を示し、図1(b)は、冷却容器20が開けられて保冷体30が取り出された状態を示す。
【0024】
オゾン水スプレー1は、筐体10を備える。筐体10は、胴部10aと首部10bと頭部10cとにより構成され、底面が開口する。
【0025】
胴部10aは、その上部が首部10bに向うに従い内側に絞られた、ほぼ円筒状を有する。胴部10aには、前側に、方形状の蓋カバー11と、細長い表示窓12とが設けられる。蓋カバー11は、上方にスライドさせて前方へ開くことができる。表示窓12には、透明な窓部材12aがはめ込まれている。胴部10aには、後側に、タッチ式の電源スイッチ13と、2つの表示部14とが設けられる。電源スイッチ13は、電源のオン/オフ操作に用いられる。2つの表示部14は、オゾン水が散布可能なスタンバイ状態等の運転状態を知らせるために点灯する。
【0026】
首部10bは、ほぼ円筒状を有し、上下方向に延びる。首部10bの前側から操作ボタン51が前方に突出する。頭部10cは、所定の形状を有し、前後方向に延びる。頭部10cの前面には、円形の放出口15が形成される。
【0027】
筐体10の下面には、後述の貯水容器に貯められた水を冷却するために、ほぼ扁平な円柱状を有する冷却容器20が装着される。冷却容器20は、オゾン水スプレー1の底部を構成する。冷却容器20には、冷却されることにより蓄冷可能な保冷体30が取出し可能に収納される。
【0028】
図2(a)および(b)は、それぞれ、筐体10が外された状態のオゾン水スプレー1を示す前方斜視図および後方斜視図である。図3(a)は、貯水容器110が断面で表されたオゾン水散布機構40の斜視図である。図3(b)は、筐体10が外された状態のオゾン水スプレー1の下側部分の背面断面図である。図3(b)では、オゾン水スプレー1が、その中央よりもやや前方である貯水容器110の後端部の位置で切断されている。
【0029】
筐体10内には、オゾン水散布機構40、操作部50および電装ユニット60が配置される。オゾン水散布機構40、操作部50および電装ユニット60は、筐体10内に配置された保持部材70に固定される。
【0030】
保持部材70は、筐体10の底面を塞ぐように配置され、ほぼ円板状を有する第1部材71と、筐体10の正面形状に対応する形状を有し、第1部材71から立ち上がる第2部材72と、第2部材72の上端から前方に延びる第3部材73とにより構成される。保持部材70は、少なくとも第1部材71が、熱導電性が高い材料、たとえば、アルミニウム等の金属材料や熱導電性を高めるフィラーが含まれた樹脂材料により形成される。
【0031】
オゾン水散布機構40は、貯水容器110に貯められた水を電気分解してオゾン水を生成し、生成されたオゾン水を散布する。
【0032】
オゾン水散布機構40は、純水、水道水等の水が貯められる貯水容器110と、電気分解により貯水容器110内の水からオゾンを生成する電解部120と、貯水容器110内の水に電解部120により生成されたオゾンが含まれてなるオゾン水を散布する散布ノズル130と、貯水容器110内の底部から水を吸い上げ、散布ノズル130へ送るポンプ140とを備える。電解部120は、ポンプ140により吸い上げられた水を通過させ、当該通過する水を電気分解する。
【0033】
貯水容器110は、筐体10の胴部10a内において、第1部材71上であって第2部材72の前方に配置される。貯水容器110は、その底面部110aに設けられた5つのボス111が第1部材71に接触し、その中の幾つかのボス111が第1部材71に固定される。また、貯水容器110は、その後部上端に設けられた2つの取付タブ112が第2部材72に固定される。
【0034】
貯水容器110の前面部110bには、貯水容器110内に水を投入するための給水口113が設けられる。給水口113は、蓋114により塞がれる。蓋114は、ねじ式であり、回されることにより開閉する。筐体10の蓋カバー11が開かれると、蓋114が外部に露出する。ユーザは、給水口113が上を向くようにオゾン水スプレー1を寝かせ、蓋114を外して、給水口113から貯水容器110内に水を供給する。
【0035】
ポンプ140は、筐体10の首部10b内において、第2部材72の後側に固定される。ポンプ140は、たとえば、ダイヤフラム駆動方式の小型ポンプである。ポンプ140は、本発明の送水装置に相当する。
【0036】
ポンプ140の吸込口には、吸水パイプ150の一端が接続される。ポンプ140の吐出口には、吐出パイプ160の一端が接続される。吸水パイプ150および吐出パイプ160は、第2部材72の開口部72aを通され、貯水容器110の上部に設けられたゴム製のパッキン115を貫通して貯水容器110内に挿入される。吸水パイプ150は、貯水容器110の底部へと延び、その他端の吸水口151が、貯水容器110の底面部110aに近接する。
【0037】
電解部120は、その内部にイオン交換膜により仕切られた陽極室と陰極室とを有する。陽極室および陰極室には、それぞれ、陽極および陰極が配置される。陰極室は、連通孔により貯水容器110内と連通する。電解部120の上端部には、陽極室に繋がる流入口121および流出口122が設けられる。流入口121には、吐出パイプ160の他端が接続される。流出口122には、送水パイプ170の一端が接続される。送水パイプ170は、パッキン115を貫通して上方へと延びる。
【0038】
散布ノズル130は、筐体10の頭部10c内において、第3部材73の先端部に取り付けられる。散布ノズル130は、噴霧ノズルであり、その先端面に頭部10cの放出口15より小さな噴霧口131を有し、当該噴霧口131が放出口15を通じて外部に臨む。散布ノズル130の流入口132には、送水パイプ170の他端が接続される。散布ノズル130は、送水パイプ170から送られてきたオゾン水を霧化して噴霧口131から放出することにより、オゾン水を噴霧、即ち霧状に散布する。散布ノズル130は、本発明の散布部に相当する。
【0039】
オゾン水散布機構40には、貯水容器110内に空気を出入りさせるための通気パイプ180が設けられる。通気パイプ180は、貯水容器110内からパッキン115を貫通して上方へ延び、頭部10c内で向きを変えて前方へ延びる。通気パイプ180の一端部は、貯水容器110内の上端部に位置し、通気パイプ180の他端部は、散布ノズル130の下方に位置する。
【0040】
操作部50は、筐体10の首部10b内において、第2部材72の前側に固定される。操作部50は、オゾン水スプレー1によりオゾン水を散布する際に操作される。操作部50は、操作ボタン51を含み、操作ボタン51が押されると、内部の接点開閉式のスイッチがオンし、操作信号が電装ユニット60に出力される。
【0041】
電装ユニット60は、筐体10の胴部10a内において、第1部材71上であって第2部材72の後方に配置される。電装ユニット60は、前側の第1ハウジング61と後側の第2ハウジング62とを含む。第1ハウジング61は第2部材72に固定され、第2ハウジング62は第1ハウジング61に固定される。
【0042】
第1ハウジング61内にはバッテリー63およびメイン基板(図示せず)が備えられ、第2ハウジング62内にはサブ基板(図示せず)が備えられる。メイン基板には、バッテリー63を充電するための充電回路や、マイクロコンピュータ等を含みポンプ140等の負荷を制御する制御回路などが搭載されている。サブ基板には、電源スイッチ13等の操作を受け付ける入力回路や各表示部14を点灯させるLEDを含む表示回路が搭載されている。
【0043】
オゾン水スプレー1が図示しない充電器に載置されると、充電器から充電回路に電力が供給され、充電回路によりバッテリー63の充電が行われる。充電用の端子は、筐体10の胴部10aの後側に設けられ、端子カバー16に覆われている。充電時には、端子カバー16が取り外される。
【0044】
図4(a)および(b)は、冷却容器20を構成する容器本体210の斜視図である。図5(a)ないし(c)は、冷却容器20を構成する受け皿220の斜視図である。
【0045】
図3(b)、図4(a)および(b)、並びに、図5(a)ないし図5(c)を参照して、冷却容器20および保冷体30について、詳細に説明する。
【0046】
冷却容器20は、容器本体210と、受け皿220と、を含む。容器本体210および受け皿220は、たとえば、樹脂材料により形成される。冷却容器20は、本発明の冷却部に相当する。
【0047】
容器本体210は、扁平な中空円柱状を有し、有底円筒状の下部材211と、当該下部材211の上面開口を覆う円板状の上部材212により構成され、天面部210a、底面部210bおよび周面部210cを含む。
【0048】
周面部210cには、ほぼ半周に亘る長さを有する投入口213が形成される。また、天面部210aおよび底面部210bには、投入口213の一端の近傍に、一対の軸穴214が形成される。さらに、天面部210aには、蓋カバー11の下端部が収容される収容部215が形成される。さらに、底面部210bには、4つの脚216が形成される。
【0049】
受け皿220は、扁平な有底円筒状を有し、底面部220aおよび周面部220bを含む。受け皿220は、容器本体210の内部空間とほぼ同じ大きさである。周面部220bは、容器本体210の投入口213に対応する部分221(以下、張出部221と称する)が、他の部分よりも僅かに肉厚となっていて、僅かに外側に張り出している。
【0050】
受け皿220には、周面部220bの上端面に、弾性材料で形成された環状のパッキン222が設けられる。パッキン222は、本発明の水封部材に相当する。また、受け皿220には、張出部221の一端部に、上下に突出する回動軸223が形成される。さらに、受け皿220には、周面部220bにおける張出部221の他端の外側近傍に、周面部220bの外面から僅かに突出するリブ224が形成される。さらに、受け皿220には、張出部221の他端部に、指を引っ掛けることが可能な凹部225が形成される。
【0051】
回動軸223が一対の軸穴214に挿入されるように、受け皿220が容器本体210に装着される。ユーザは、回動軸223を中心に受け皿220を回動させることにより、受け皿220を容器本体210内に収納でき、また、容器本体210外へ引き出すことができる。
【0052】
保冷体30は、扁平な中空円柱状のケース31内に、液状またはゲル状の保冷剤32が封入された構成を有する(図1(b)、図3(b)参照)。ケース31は、樹脂材料や金属材料により形成できる。保冷剤32は、冷蔵庫等により、所定温度以下、たとえば、0℃以下に冷却されると凝固する。保冷剤32が冷却されて凝固することにより、保冷体30が蓄冷される。保冷体30は、受け皿220の内部空間と同等または小さなサイズとすることができる。
【0053】
蓄冷された保冷体30が受け皿220に置かれ(収容され)、受け皿220が容器本体210内に収納される。これにより、保冷体30が冷却容器20内に収納される(図1(a)、(b)参照)。受け皿220が容器本体210内に収納されると、受け皿220の周面部220bのリブ224が容器本体210の周面部210cに圧接した状態となる。これにより、受け皿220は、容器本体210から引き出される方向に回動しにくくなる。容器本体210の投入口213が、受け皿220の張出部221により塞がれる。張出部221の外面と容器本体210の周面部210cの外面が面一となるため、見栄えが良い。
【0054】
上記の通り、受け皿220は、容器本体210の投入口213を閉塞する機能も有する。よって、受け皿220は、本発明の閉塞部材に相当する。
【0055】
図3(b)に示すように、貯水容器110の底面部110aは、当該底面部110aの各ボス111が、保持部材70の第1部材71が接触する。第1部材71には、格子状に設けられた複数のリブにより、下方に突出するほぼ方形状の突起部74が設けられる。突起部74は、容器本体210の天面部210aである上部材212に接触する。
【0056】
冷却容器20では、保冷体30により容器本体210の天面部210a(上部材212)が冷却(吸熱)される。天面部210aには、貯水容器110の底面部110aが第1部材71を介して接触しており、貯水容器110の底面部110aが容器本体210の天面部210aにより第1部材71を介して冷却される。これにより、貯水容器110内に溜められた水、特に貯水容器110の底部の水が冷却され、当該水の温度が、低下したり、上昇しにくくなったりする。
【0057】
なお、容器本体210は、上部材212を相対的に熱導電性の高い材料で形成し、下部材211を相対的に熱導電性の低い材料で形成することもできる。この場合、外部の熱が容器本体210内に伝わりにくくなって保冷体30が温まりにくくなり、また、保冷体30により上部材212および第1部材71を介して貯水容器110を冷却しやすくなる。
【0058】
さらに、貯水容器110の底面部110aと容器本体210の天面部210aとの間に第1部材71が介在するのではなく、貯水容器110の底面部110aが、直接、容器本体210の天面部210aに接触するようにされてもよい。
【0059】
図3(b)に示すように、受け皿220が容器本体210に収納された状態において、受け皿220のパッキン222が容器本体210の天面部210aに接触する。これにより、受け皿220と容器本体210との間がパッキン222により水封される。よって、受け皿220内の空気が低温の保冷体30に接触することにより、受け皿220内で結露水が発生しても、結露水は、受け皿220内から漏れ出しにくく、投入口213から容器本体210の外部に漏れ出しにくい。
【0060】
保冷体30が温まり、冷却効果が無くなると、冷却容器20から保冷体30が取り出される。この際、ユーザは、指を凹部225に引っ掛けて受け皿220を回動させ、受け皿220を容器本体210から引き出す。その後、受け皿220から保冷体30が取り出される。また、受け皿220内に結露水が存在する場合には、結露水が廃棄される。
【0061】
次に、オゾン水スプレー1による、オゾン水を散布する動作について説明する。
【0062】
オゾン水スプレー1に電源が投入された状態(スタンバ状態)において、操作ボタン51が押されると、ポンプ140および電解部120が所定時間(たとえば、3秒間)動作する。電解部120では、陽極および陰極に通電される。
【0063】
ポンプ140の動作により、貯水容器110の底部の水(底面部110aの近傍の水)が吸水口151から吸い込まれ、吸水パイプ150、ポンプ140および吐出パイプ160を通って電解部120に送られる。
【0064】
流入口121通じて電解部120内に流入した水が陽極室を通過すると、その水が電気分解されてオゾンが生成される。このとき、水素も生成されるが、水素はイオン交換膜を通って陰極室へ移動し、連通孔を通じて貯水容器110内に排出される。生成されたオゾンが水に溶解し、オゾン水が生成される。
【0065】
オゾン水は、流出口122を通じて電解部120から流出し、送水パイプ170を流れて散布ノズル130へと至り、霧状となって散布ノズル130から散布される。これにより、オゾン水スプレー1の放出口15からオゾン水が散布される。散布されたオゾン水が対象物に掛けられ、対象物が除菌される。
【0066】
このとき、貯水容器110の底部の水は、冷却容器20内の保冷体30により冷却されて比較的低温に保たれているので、当該水が電解部120に送られたときに、電気分解によってオゾンが発生しやすい。これにより、生成されるオゾン水のオゾン濃度が高くなりやすい。よって、オゾン水による高い除菌効果が得られやすい。
【0067】
<実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、オゾン水スプレー1は、水が貯められる貯水容器110と、電気分解により貯水容器110内の水からオゾンを生成する電解部120と、貯水容器110内の水に電解部120により生成されたオゾンが含まれてなるオゾン水を散布する散布ノズル130と、を備える。さらに、オゾン水スプレー1は、貯水容器110内の水を冷却するための冷却部として、冷却されることにより蓄冷可能な保冷体30が取出し可能に収納される冷却容器20を備える。
【0068】
この構成によれば、蓄冷された保冷体30が収納された冷却容器20により貯水容器110に貯められた水が冷却されるので、当該水の温度を低下させたり、上昇しにくくさせたりすることができる。これにより、比較的低温の水を電解部120により電気分解できるので、オゾンが発生しやすく、生成されたオゾン水のオゾン濃度が高くなりやすい。よって、散布されたオゾン水による高い除菌効果が得られやすい。
【0069】
さらに、保冷体30が用いられるため、貯水容器110内の水を冷却するための電力が不要であり、バッテリー63の電力消費が早くなることを防止できる。
【0070】
さらに、本実施の形態によれば、オゾン水スプレー1は、貯水容器110内の底部から吸水パイプ150を介して水を吸い上げ、散布ノズル130へ送るポンプ140を備える。電解部120は、ポンプ140により吸い上げられた水を通過させ、当該通過する水を電気分解し、冷却容器20は、貯水容器110の下方に配置されて貯水容器110の底面部110aを冷却する。
【0071】
この構成によれば、貯水容器110内の底部の水が集中的に冷却され、冷却された水がポンプ140により吸い上げられて電解部120に送られる。このため、貯水容器110全体を冷却するような冷却能力の高い冷却部を用いなくてよく、コスト等の増加が抑えられる。
【0072】
さらに、本実施の形態によれば、冷却容器20は、保冷体30が投入される投入口213を有し、保冷体30が収納される容器本体210と、保冷体30を収容し且つ投入口213を塞ぐ受け皿220と、を含む。容器本体210と受け皿220の間には、保冷体30で結露した水が投入口213から漏れ出すのを防止するパッキン222が設けられる。
【0073】
この構成によれば、冷却容器20から漏れ出した結露水により、周りの物が濡れてしまうことを防止できる。
【0074】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態等によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0075】
<変更例1>
図6(a)および(b)は、変更例1に係る、オゾン水スプレー1の斜視図である。図7(a)および(b)は、変更例1に係る、冷却容器20Aの斜視図である。図6(a)および図7(a)は、冷却容器20Aが閉じられた状態を示し、図6(b)および図7(b)は、冷却容器20Aが開けられた状態を示す。図7(a)では、容器本体310が分解された状態で示されており、図7(b)では、容器本体310を構成する上部材312が省略されている。
【0076】
本変更例では、オゾン水スプレー1が、冷却容器20に替えて、冷却容器20Aを備える。
【0077】
冷却容器20Aは、容器本体310と、閉塞部材320とを含む。容器本体310および閉塞部材320は、たとえば、樹脂材料により形成される。冷却容器20Aは、本発明の冷却部に相当する。
【0078】
容器本体310は、扁平な中空円柱状を有し、有底円筒状の下部材311と、当該下部材311の上面開口を覆う円板状の上部材312により構成され、天面部310a、底面部310bおよび周面部310cを含む。容器本体310は、周面部310cのほぼ半周の下側部分と底面部310bのほぼ半分が、投入口313として開口する。また、天面部310aには、蓋カバー11の下端部が収容される収容部314が形成される。
【0079】
閉塞部材320は、ヒンジ部330を介して回動可能に容器本体310に取り付けられ、容器本体310の投入口313を塞ぐ。
【0080】
ヒンジ部330は、一対の円筒状の支持部331と、2つの支持部331の間に挟まれた円筒状の回動部332と、2つの支持部331および回動部332を貫通する軸333とを含む。回動部332が、一対の支持部331に対して回動可能である。一対の支持部331が容器本体310と一体に形成され、回動部332が閉塞部材320と一体に形成される。
【0081】
閉塞部材320は、ほぼ半円状の底面部320aとほぼ半円筒状の周面部320bと、を含む。周面部320bの左端面の近傍に、ヒンジ部330の回動部332が形成される。底面部320aの後端面と、周面部320bの左右の端面および上端面には、それぞれ、弾性部材で形成されたパッキン321,322,323が設けられる。パッキン321,322,323は、本発明の水封部材に相当する。
【0082】
閉塞部材320には、周面部320bの右端面に、フック部324が形成される。容器本体310には、投入口313の近傍に、フック部324が係合する係合部315が設けられる。
【0083】
蓄冷された保冷体30が容器本体310内に収納された後、閉塞部材320が閉じられ、投入口313が閉塞部材320で塞がれる。これにより、保冷体30が冷却容器20A内に収納される(図6(a)、(b)参照)。フック部324が係合部315に係合し、閉塞部材320が開きにくくなる。
【0084】
閉塞部材320が閉じられると、閉塞部材320と容器本体310との間がパッキン321,322,323により水封される。これにより、冷却容器20A内で結露水が発生しても、結露水は、投入口313から冷却容器20Aの外部に漏れ出しにくい。
【0085】
上記実施の形態と同様、冷却容器20Aの天面部310a(上部材312)に保持部材70の第1部材71の突起部74が接触する。保冷体30が収納された冷却容器20Aにより、貯水容器110内に溜められた水、特に貯水容器110の底部の水が冷却され、当該水の温度が、低下したり、上昇しにくくなったりする。
【0086】
保冷体30が温まり、冷却効果が無くなると、冷却容器20Aから保冷体30が取り出される。係合部315に係合したフック部324は、その先端部が外部に露出している。ユーザは、指でフック部324と係合部315との係合を解除し、閉塞部材320を開けて容器本体310の投入口313を開放させる。投入口313が開放された状態では、保冷体30のほぼ半分が外部に露出する。これにより、ユーザは、容器本体310、即ち冷却容器20A内から保冷体30を容易に取り出すことができる。容器本体310内に結露水が存在する場合には、投入口313が下側を向くようにオゾン水スプレー1が傾けられ、結露水が廃棄される。
【0087】
<変更例2>
図8(a)および(b)は、変更例2に係る、オゾン水スプレー1の斜視図である。図9(a)は、変更例2に係る、冷却容器20Bの斜視図である。図9(b)は、変更例2に係る、冷却容器20Bおよび保冷体30Aの斜視図である。図9(c)は、変更例2に係る、冷却容器20Bを構成する閉塞部材420の斜視図である。図8(a)および図9(a)は、冷却容器20Aが閉じられた状態を示し、図8(b)および図9(b)は、冷却容器20Aが開けられた状態を示す。図9(a)では、容器本体410が分解された状態で示されており、図9(b)では、容器本体410を構成する上部材412が省略されている。
【0088】
本変更例では、オゾン水スプレー1が、冷却容器20に替えて、冷却容器20Bを備える。
【0089】
冷却容器20Bは、容器本体410と、閉塞部材420とを含む。容器本体410および閉塞部材420は、たとえば、樹脂材料により形成される。冷却容器20Bは、本発明の冷却部に相当する。
【0090】
容器本体410は、扁平な中空円柱状を有し、有底円筒状の下部材411と、当該下部材411の上面開口を覆う円板状の上部材412により構成され、天面部410a、底面部410bおよび周面部410cを含む。周面部410cには、ほぼ半周に亘る長さを有する投入口413が形成される。また、底面部410bには、投入口413の右端の近傍に、円筒状の支持部414が形成される。さらに、天面部410aには、蓋カバー11の下端部が収容される収容部415が形成される。
【0091】
閉塞部材420は、容器本体410の投入口413の形状に対応するように、ほぼ半円筒状を有する。閉塞部材420には、左端部にU字状のアーム421が設けられる。アーム421の先端部には回動軸422が形成される。また、閉塞部材420には、左右の端面および上下の端面に、それぞれ、弾性部材で形成されたパッキン423,424が設けられる。
【0092】
閉塞部材420には、周面部420bの右端面に、フック部425が形成される。容器本体410には、投入口413の近傍に、フック部425が係合する係合部416が設けられる。
【0093】
回動軸422が支持部414に挿入されるように、閉塞部材420が容器本体410に装着される。閉塞部材420は、回動軸422を中心に回動することにより開閉する。
【0094】
図9(b)に示すように、保冷体30Aは、容器本体410の内部に存在する支持部414およびアーム421と干渉しないように、ケース31の一部が凹む。その他の構成は、上記実施の形態の保冷体30と同様である。
【0095】
蓄冷された保冷体30Aが容器本体410内に収納された後、閉塞部材420が閉じられ、投入口413が閉塞部材420で塞がれる。これにより、保冷体30Aが冷却容器20B内に収納される(図8(a)、(b)参照)。フック部425が係合部416に係合し、閉塞部材420が開きにくくなる。
【0096】
閉塞部材420が閉じられると、閉塞部材420と容器本体410との間がパッキン423,424により水封される。これにより、冷却容器20B内で結露水が発生しても、結露水は、投入口413から冷却容器20Bの外部に漏れ出しにくい。
【0097】
上記実施の形態と同様、冷却容器20Bの天面部410a(上部材412)に保持部材70の第1部材71の突起部74が接触する。保冷体30Aが収納された冷却容器20Bにより、貯水容器110内に溜められた水、特に貯水容器110の底部の水が冷却され、当該水の温度が、低下したり、上昇しにくくなったりする。
【0098】
保冷体30Aが温まり、冷却効果が無くなると、冷却容器20Bから保冷体30Aが取り出される。ユーザは、指でフック部425と係合部416との係合を解除し、閉塞部材420を開けて容器本体410の投入口413を開放させる。容器本体310内に結露水が存在する場合には、保冷体30Aが取り出された後、結露水が廃棄される。
【0099】
なお、冷却容器20Bでは、支持部414および回動軸422が容器本体410の内部に存在し、外部に張り出していない。よって、支持部414および回動軸422は、何かに当たって破損することが生じにくい。
【0100】
<変更例3>
図10(a)は、変更例3に係る、オゾン水スプレー1の一部断面斜視図である。図10(b)は、変更例3に係る、貯水容器110の下方に冷却装置80が配置された状態を示す正面図である。
【0101】
本変更例では、貯水容器110内の水を冷却するために、オゾン水スプレー1がペルチェ素子84を有する冷却装置80を備える。冷却装置80は、本発明の冷却部に相当する。
【0102】
筐体10の下面には、ほぼ扁平な中空円柱状を有し、冷却装置80が収容されるハウジング90が装着される。ハウジング90は、オゾン水スプレー1の底部を構成する。ハウジング90の周面部90aには、全周に亘って多数の通気孔91が形成される。
【0103】
冷却装置80は、ペルチェモジュール81と、冷却ファン82と、吸熱ブロック83とにより構成される。ペルチェモジュール81は、ペルチェ素子84と、ペルチェ素子84の放熱面に接続される放熱フィン85とを含む。冷却ファン82は、放熱フィン85に風を送り、放熱フィン85を冷却する。吸熱ブロック83は、下面がペルチェ素子84の吸熱面に接続される。また、吸熱ブロック83は、ハウジング90の天面部90bおよび保持部材70の第1部材71を貫通し、上面が貯水容器110の底面部110aに接触する。冷却装置80には、バッテリー63の電力が供給される。
【0104】
冷却装置80のペルチェ素子84に通電されると、吸熱ブロック83を介して貯水容器110の底面部110aから吸熱が行われ、底面部110aが冷却される。これにより、貯水容器110内に溜められた水、特に貯水容器110の底部の水が冷却され、当該水の温度が、低下したり、上昇しにくくなったりする。
【0105】
本変更例では、冷却容器20に替えて冷却装置80が用いられているので、保冷体30に蓄冷させる作業や冷却容器20に対して保冷体30を出し入れする作業が不要であり、ユーザの手間がかかりにくい。
【0106】
<その他の変更例>
上記実施の形態では、冷却容器20、即ち容器本体210のサイズに合わせて作成された保冷体30が、冷却容器20に収納される。しかしながら、保冷体30に替えて、あるいは、保冷体30に加えて、図11に示すように、冷却容器20に収納可能なサイズを有する市販の保冷剤30B(たとえば、袋体にゲル状の薬剤が封入された構成を有する)を、冷却容器20に収納することも可能である。同様に、上記変更例1の冷却容器20Aおよび上記変更例2の冷却容器20Bに市販の保冷剤30Bを収納することも可能である。保冷剤30Bは、本発明の保冷体に相当する。
【0107】
さらに、上記実施の形態では、蓄冷可能な保冷体として、扁平な中空円柱状のケース31内に、液状またはゲル状の保冷剤32が封入された構成の保冷体30が用いられる。しかしながら、石、陶器等の熱容量が高い材料により形成され、扁平な中実円柱状を有する保冷体が用いられてもよい。
【0108】
さらに、上記実施の形態では、冷却容器20において、容器本体210と受け皿220との間の水封を行うためのパッキン222が、受け皿220側に設けられる。しかしながら、パッキン222が、受け皿220側でなく容器本体210側に設けられてもよい。即ち、容器本体210の天面部210aの下面において、受け皿220の周面部220bの上端面が接する部分に、パッキン222が設けられてもよい。
【0109】
同様に、上記変更例1の冷却容器20Aにおいて、容器本体310と閉塞部材320との間の水封を行うためのパッキン321,322,323が、閉塞部材320側でなく、容器本体310側に設けられてもよい。さらに、上記変更例2の冷却容器20Bにおいて、容器本体410と閉塞部材420との間の水封を行うためのパッキン423,424が、閉塞部材420側でなく、容器本体410側に設けられてもよい。
【0110】
さらに、上記実施の形態では、ポンプ140の下流に電解部120が設けられ、貯水容器110内から吸い上げられてポンプ140から吐き出された水が電解部120に送られる。しかしながら、電解部120がポンプ140の上流に設けられ、貯水容器110内から吸い上げられポンプ140に吸い込まれる前の水が電解部120を通過するようにされてもよい。この場合、たとえば、電解部120の流入口121が貯水容器110内の底部に位置し、電解部120の流出口122に吸水パイプ150が接続される。そして、ポンプ140の吐出口に送水パイプ170が接続される。この構成の場合も、ポンプ140は、貯水容器110内の底部の水を、吸水パイプ150を介して吸い上げる。
【0111】
さらに、上記実施の形態では、電解部120が貯水容器110の中に配置される。しかしながら、電解部120が貯水容器110の外に配置されてもよい。
【0112】
さらに、電解部120の構成は、上記実施の形態の構成に限られず、貯水容器110内の水から電気分解によりオゾンを発生することができれば、如何なる構成でもよい。たとえば、電解部120は、内部が流水路となるケース内に、棒状の陽極と、陽極の外周に螺旋状に巻かれた線状の陰極と、陽極と陰極との間に介在するイオン交換膜と、を備えるような構成とされてもよい。
【0113】
さらに、上記実施の形態では、オゾン水スプレー1が、ポンプ140により貯水容器110から吸い上げられた水を電解部120により電気分解してオゾン水を生成するような構成のオゾン水散布機構40を備える。しかしながら、オゾン水スプレー1は、貯水容器内に貯められた状態の水を電解部により電気分解してオゾン水を生成し、生成されたオゾン水をポンプにより吸い上げるような構成のオゾン水散布機構を備えてもよい。
【0114】
さらに、上記実施の形態では、オゾン水スプレー1が、散布部として、オゾン水を噴霧するような構成の散布ノズル130を備える。しかしながら、オゾン水スプレー1が、散布部として、オゾン水をシャワー状に放出するような構成の散布ノズルを備えてもよい。
【0115】
さらに、上記実施の形態では、オゾン水スプレー1が、送水装置として、電動式のポンプ140を備える。しかしながら、オゾン水スプレー1が、送水装置として、ピストン・シリンダー機構を備えてもよい。この場合、トリガーが操作されると、この操作に連動してピストン・シリンダー機構が作動し、貯水容器110から吸い上げられた水が散布ノズル130へ送られる。
【0116】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0117】
1 オゾン水スプレー(オゾン水散布装置)
20 冷却容器(冷却部)
20A 冷却容器(冷却部)
20B 冷却容器(冷却部)
30 保冷体
30A 保冷体
30B 保冷剤(保冷体)
80 冷却装置(冷却部)
84 ペルチェ素子
110 貯水容器
110a 底面部
120 電解部
130 散布ノズル(散布部)
140 ポンプ(送水装置)
150 吸水パイプ
210 容器本体
220 受け皿(閉塞部材)
222 パッキン(水封部材)
310 容器本体
320 閉塞部材
321 パッキン(水封部材)
322 パッキン(水封部材)
323 パッキン(水封部材)
410 容器本体
420 閉塞部材
423 パッキン(水封部材)
434 パッキン(水封部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11