(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006802
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】シート成形方法及びシート成形装置
(51)【国際特許分類】
B29C 48/96 20190101AFI20240110BHJP
B29C 48/25 20190101ALI20240110BHJP
B29C 48/88 20190101ALI20240110BHJP
B29C 48/92 20190101ALI20240110BHJP
B29C 48/08 20190101ALI20240110BHJP
【FI】
B29C48/96
B29C48/25
B29C48/88
B29C48/92
B29C48/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108039
(22)【出願日】2022-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003458
【氏名又は名称】芝浦機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 拓朗
(72)【発明者】
【氏名】山室 祐太
(72)【発明者】
【氏名】水沼 巧治
【テーマコード(参考)】
4F207
【Fターム(参考)】
4F207AG01
4F207AJ08
4F207AM04
4F207KA01
4F207KA17
4F207KK64
4F207KL84
(57)【要約】
【課題】シート成形における作業者による手作業を削減することを目的とする。
【解決手段】Tダイ101から吐出されるシートSを成形するシート成形方法は、搬送経路を形成する複数の搬送ロール30にリードフィルムFを掛け回す工程と、所定のロール隙間Gを空けて並列に設けられる第一ロール10及び第二ロール20によって、リードフィルムFに向けて吐出されたシートSとリードフィルムFとを共に挟み込んでシートSをリードフィルムFに接着させる工程と、第一ロール10及び第二ロール20を通過したシートS及びリードフィルムFを複数の搬送ロール30によって搬送する工程と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Tダイから吐出されるシートを成形するシート成形方法であって、
搬送経路を形成する複数の搬送ロールにガイド部を掛け回す工程と、
所定のロール隙間を空けて並列に設けられる第一ロール及び第二ロールによって、前記ガイド部に向けて吐出された前記シートと前記ガイド部とを共に挟み込んで前記シートを前記ガイド部に接着させる工程と、
前記第一ロール及び前記第二ロールを通過した前記シート及び前記ガイド部を前記複数の搬送ロールによって搬送する工程と、を含む、
シート成形方法。
【請求項2】
請求項1に記載のシート成形方法であって、
前記シートを前記ガイド部に接着させる工程では、ストッパによって前記ロール隙間が所定の接着隙間より小さくなることを規制しつつ所定の荷重によって前記第一ロールを前記第二ロールに向けて押圧し、
前記シートが前記ガイド部に接着されると、前記第二ロールに向けた前記第一ロールの荷重を低下させる、
シート成形方法。
【請求項3】
請求項1に記載のシート成形方法であって、
前記シートを前記ガイド部に接着させる工程では、前記第一ロールを前記第二ロールに対して進退させて、前記第一ロールと前記第二ロールとの間の前記ロール隙間を所定の接着隙間となるように制御し、
前記シートが前記ガイド部に接着されると、前記ロール隙間を前記接着隙間よりも大きくなるように制御する、
シート成形方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のシート成形方法であって、
前記ガイド部を掛け回す工程では、前記ガイド部は、繰出部から繰り出され、前記複数の搬送ロールに掛け回されて、回収装置によって回収されており、
所定の切断条件が満たされると、前記繰出部から前記回収装置へ向かう前記ガイド部を切断する工程が実行される、
シート成形方法。
【請求項5】
請求項4に記載のシート成形方法であって、
前記第一ロールの押圧力が所定の荷重閾値を超えると、前記切断条件が満たされているとする、
シート成形方法。
【請求項6】
請求項4に記載のシート成形方法であって、
前記ガイド部に向けて吐出される前記シートの先端部が、前記第一ロール及び前記第二ロールの間を通過した後所定の距離だけ前記搬送経路上で移動すると、前記切断条件が満たされているとする、
シート成形方法。
【請求項7】
請求項4に記載のシート成形方法であって、
前記ガイド部に向けて吐出される前記シートの先端部が、前記第一ロール及び前記第二ロールの間を通過した後所定の時間が経過すると、前記切断条件が満たされているとする、
シート成形方法。
【請求項8】
請求項1から3のいずれか一つに記載のシート成形方法であって、
前記ガイド部として、第一ガイド部及び第二ガイド部が利用され、
前記シートは、前記第一ガイド部及び前記第二ガイド部によって挟持される、
シート成形方法。
【請求項9】
Tダイから吐出されるシート状のシートを成形するシート成形装置であって、
所定のロール隙間を空けて互いに並列に設けられる第一ロール及び第二ロールと、
前記第一ロールと前記第二ロールとの間の前記ロール隙間を通過した前記シートを搬送する複数の搬送ロールと、
前記第一ロールを前記第二ロールに対して進退させて前記第一ロールと前記第二ロールとの間の前記ロール隙間を調整する駆動部と、
前記複数の搬送ロールに掛け回されて前記搬送ロールによる搬送経路への前記シートの導入を案内するガイド部を繰り出す繰出部と、
前記ガイド部及び前記搬送経路に沿って搬送される前記シートを回収する回収装置と、
前記駆動部の作動を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記第一ロール及び前記第二ロールによって前記ガイド部と前記ガイド部に吐出された前記シートとが挟み込まれるように前記駆動部を制御する、
シート成形装置。
【請求項10】
請求項9に記載のシート成形装置であって、
前記ロール隙間が所定の接着隙間より小さくなるような前記第一ロールの移動を規制するストッパをさらに有し、
前記制御装置は、前記ロール隙間を前記シート及び前記ガイド部が通過した状態では、前記ストッパによって移動が規制されるまで所定の荷重によって前記第一ロールを前記第二ロールに向けて押圧するように前記駆動部を制御する、
シート成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート成形方法及びシート成形装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シート成形方法として、複数の搬送ロール間にガイド部を予め通しておき、ガイド部によってシートを牽引して搬送ロール間に導入する方法が知られている(例えば特許文献1)。特許文献1に記載される通紙装置は、フィルムが搬送される搬送領域に対して搬送ロールの両端側から外側に離れた領域にそれぞれ設けられ、ライン状ガイド部材をフィルムの搬送経路に沿って走行させる複数の誘導部材と、ライン状ガイド部材のそれぞれに設けられ、紐通し用の紐をライン状ガイド部材に連結するための固定部と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の通紙装置では、複数の搬送ロール間に紐通しされた紐を、成形対象であるフィルムに連結する作業が必要とされる。フィルムと紐の連結作業は、通常人手によって行われる。
【0005】
一方、シート成形では、押出機によって溶融混練された樹脂材料がTダイから吐出され、樹脂材料を搬送して延伸することで成形が行われる。Tダイから吐出される樹脂材料は高温であることから、特許文献1に記載の通紙装置のような人手による作業は、極力避けたいというニーズがある。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、シート成形における作業者による手作業を削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様によれば、Tダイから吐出されるシートを成形するシート成形方法は、搬送経路を形成する複数の搬送ロールにガイド部を掛け回す工程と、所定のロール隙間を空けて並列に設けられる第一ロール及び第二ロールによって、ガイド部に向けて吐出されたシートとガイド部とを共に挟み込んでシートをガイド部に接着させる工程と、第一ロール及び第二ロールを通過したシート及びガイド部を複数の搬送ロールによって搬送する工程と、を含む。
【0008】
また、本発明のある態様によれば、Tダイから吐出されるシート状のシートを成形するシート成形装置は、所定のロール隙間を空けて互いに並列に設けられる第一ロール及び第二ロールと、第一ロールと第二ロールとの間のロール隙間を通過したシートを搬送する複数の搬送ロールと、第一ロールを第二ロールに対して進退させて第一ロールと第二ロールとの間のロール隙間を調整する駆動部と、複数の搬送ロールに掛け回されて搬送ロールによる搬送経路へのシートの導入を案内するガイド部を繰り出す繰出部と、ガイド部及び搬送経路に沿って搬送されるシートを回収する回収装置と、駆動部の作動を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、第一ロール及び第二ロールによってガイド部とガイド部に吐出されたシートとが挟み込まれるように駆動部を制御する。
【発明の効果】
【0009】
これらの態様によれば、シートとガイド部とが、第一ロールと第二ロールとによって挟み込まれることで互いに接着される。これにより、シートとガイド部とを自動で接着させることができ、作業者による手作業を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係るシート成形装置を示す概略図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るシート成形装置を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るシート成形方法を示す図であり、ガイド部が搬送ロールに掛け回された状態を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るシート成形方法を示す図であり、Tダイからシートを吐出し、第一支持台がストッパに当接した状態を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るシート成形方法を示す図であり、シートがガイド部によって牽引されて搬送経路を搬送される状態を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るシート成形装置の変形例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係るシート成形方法のガイド部の一つの変形例を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態に係るシート成形方法のガイド部の他の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るシート成形装置100及びシート成形方法について説明する。なお、各図面においては、説明の便宜上、各構成の縮尺を適宜変更しており、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、複数の同一の構成については、その一部にのみ符号を付し、その他については符号を省略することがある。
【0012】
シート成形装置100は、フィルム製造装置のTダイ101から吐出されるシート状の樹脂材料(以下、「シートS」と称する。)を長手方向に搬送しながら延伸して、シート成形を行うものである(
図1参照)。
【0013】
シート成形装置100は、
図1及び
図2に示すように、所定のロール隙間Gを空けて互いに並列に設けられる第一ロール10及び第二ロール20と、第一ロール10と第二ロール20との間のロール隙間Gを通過したシートS(
図4参照)を搬送する複数の搬送ロール30と、第一ロール10を第二ロール20に対して進退させて第一ロール10と第二ロール20との間のロール隙間Gを調整する駆動部40と、複数の搬送ロール30に掛け回されて搬送ロール30による搬送経路へのシートSの導入を案内するガイド部としてのリードフィルムF(
図3参照)を繰り出す繰出部50と、リードフィルムF及び搬送経路に沿って搬送されるシートSを回収する回収装置55と、繰出部50と第一ロール10及び第二ロール20との間でリードフィルムFを切断する切断装置60と、駆動部40の作動を制御する制御装置70と、を備える。
【0014】
図1に示すように、第一ロール10、第二ロール20、及び搬送ロール30は、それぞれ円柱状に形成され、対応する第一支持台1、第二支持台2、及び第三支持台3によって回転可能に架台4に支持されている。第一ロール10、第二ロール20、搬送ロール30の中心軸は、互いに平行であって、それぞれ水平方向に対して平行である。なお、各図においては、説明の便宜上、単一の搬送ロール30のみを図示している。
【0015】
第一ロール10は、第一ロール10の中心軸に垂直な水平方向(
図1中左右方向)において、第二ロール20に対して相対移動可能に構成される。具体的には、第一ロール10を支持する第一支持台1が、第二ロール20に対して進退できるように、直線運動を案内するスライダ機構5を介して架台4に取り付けられる。第一ロール10が第二ロール20に対して進退することで、第一ロール10と第二ロール20との間のロール隙間Gの大きさが変化する。なお、ロール隙間Gは、第一ロール10と第二ロール20との間の最小隙間を意味するものであり、本実施形態では、水平方向(
図1中左右方向)における第一ロール10と第二ロール20との間の隙間である。
【0016】
第二ロール20を支持する第二支持台2には、第一ロール10と第二ロール20との間のロール隙間Gが所定の隙間(以下、「接着隙間」と称する。)より小さくなることを規制するストッパ7が設けられる。第二支持台2に向かって第一支持台1が移動するのに伴い、ストッパ7が第一支持台1に当接することで、第二ロール20へ向かうそれ以上の第一支持台1の移動がストッパ7により規制される。つまり、第一支持台1の移動方向に沿ったストッパ7の寸法(
図1中左右方向の寸法)に応じて、接着隙間が定められる。接着隙間は、少なくともリードフィルムFの厚さよりも大きな隙間であって、後述のように、ロール隙間Gを通過するリードフィルムF及びシートSが互いに充分に接着される程度の大きさに設定される。
【0017】
Tダイ101は、押出機(図示省略)から供給された溶融材料をスリット(図示省略)から吐出することで、シート状(帯状)に成形されたシートSを供給する。スリットから吐出されたシートSは、Tダイ101の鉛直方向の下方に設けられる第一ロール10と第二ロール20との間のロール隙間Gに導入される。Tダイ101から第一ロール10及び第二ロール20へ向けて吐出されるシートSは、第一ロール10と第二ロール20との間のロール隙間Gに導かれて、第一ロール10により第二ロール20に対して押し付けられる。また、シートSは、ロール隙間Gを通過すると第二ロール20によって第二ロール20の回りを移動し、冷却・固化される。シートSの幅は、第一ロール10及び第二ロール20の幅(軸方向における寸法)よりも小さく形成され、望ましくは、第一ロール10及び第二ロール20の幅の半分以上に形成される。
【0018】
複数の搬送ロール30は、第一ロール10及び第二ロール20に対して搬送方向の下流側に設けられ、ロール隙間Gを通過したシートSを搬送する。複数の搬送ロール30によって、シートSを下流へ搬送する搬送経路が形成される。複数の搬送ロール30は、それぞれ中心軸周りに所定の方向及び速度で回転駆動される。
【0019】
駆動部40は、第一ロール10を支持する第一支持台1を直線駆動する流体圧シリンダとしての油圧シリンダ41と、油圧供給源(流体圧供給源)としての油圧ポンプ47と、油圧ポンプ47を駆動する駆動源としてのサーボモータ48と、を有する。
【0020】
油圧シリンダ41は、シリンダチューブ42と、シリンダチューブ42内に摺動自在に挿入され、シリンダチューブ42内をロッド側室45とボトム側室46に区画するピストン43と、一端がピストン43に連結され他端がシリンダチューブ42の外部へと突出するピストンロッド44と、を備える。シリンダチューブ42の外部へ突出するピストンロッド44の他端(先端)は、第一ロール10を支持する第一支持台1に連結される。
【0021】
油圧ポンプ47は、サーボモータ48の回転方向に応じて作動油の吐出方向が異なる双方向ポンプである。油圧ポンプ47は、サーボモータ48の回転数に応じた流量によって、サーボモータ48の回転方向に応じて油圧シリンダ41のロッド側室45又はボトム側室46に作動油を供給する。これにより、油圧シリンダ41は、伸縮作動する。サーボモータ48の作動は、制御装置70によって制御される。
【0022】
ピストンロッド44と第一支持台1との間には、油圧シリンダ41から第一支持台1、ひいては第一ロール10に作用する押圧力(荷重)を測定する荷重測定部としての荷重センサ75が設けられる。荷重センサ75は、例えば、ロードセルである。荷重センサ75の測定結果は、制御装置70に入力される。なお、荷重測定部は、荷重センサ75に限定されない。例えば、荷重測定部は、油圧シリンダ41に供給される作動油圧を測定する圧力センサであってもよい。
【0023】
また、架台4には、第二ロール20に対する第一ロール10の変位を測定する隙間測定部としての変位センサ76が設けられる。変位センサ76の測定結果は、制御装置70に入力される。変位センサ76の測定結果に基づいて、第一ロール10と第二ロール20との間のロール隙間Gの大きさを取得することができる。なお、隙間測定部は、変位センサ76に限定されない。例えば、隙間測定部は、油圧シリンダ41のストローク量を測定するストロークセンサであってもよい。
【0024】
また、架台4上には、シートSのロール隙間Gの通過を検知する検知センサ77が設けられている。検知センサ77の検知結果は、制御装置70に入力される。検知センサ77は、接触式、光学式、又は熱式等のセンサを利用することができる。
【0025】
リードフィルムFは、樹脂材料、より具体的には、シートSと同じ材質によって形成されるフィルム状の部材である。リードフィルムFをシートSと同じ材質とすることで、リードフィルムFに対してシートSを接着させやすくなる。リードフィルムFは、繰出部50に貯留される。繰出部50は、例えば、リードフィルムFがロール状に巻回されてリードフィルムFを貯留するボビン51である。なお、各図においては、リードフィルムFは、破線によって模式的に示している。
【0026】
回収装置55は、回転駆動されるボビン56と、ボビン56を回転させるモータ(図示省略)と、を有し、ボビン56が回転することで、繰出部50から供給されたリードフィルムFをロール状に巻き取って回収する。また、回収装置55は、搬送経路の出口から繰り出されたシートSを巻き取って回収する。
【0027】
切断装置60は、繰出部50から繰り出されたリードフィルムFを切断可能であれば、公知の構成を採用できるため、詳細な図示及び説明は省略するが、例えば、切断刃61と、当該切断刃61をリードフィルムFの幅方向(
図1中紙面垂直方向)に移動させるアクチュエータ(図示省略)と、を備えて構成することができる。切断装置60は、制御装置70によって作動が制御される。
【0028】
制御装置70は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、及びI/Oインターフェース(入出力インターフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。RAMはCPUの処理におけるデータを記憶し、ROMはCPUの制御プログラム等を予め記憶し、I/Oインターフェースは接続された機器との情報の入出力に使用される。制御装置70は、少なくとも、本実施形態や変形例に係る制御を実行するために必要な処理を実行可能にプログラムされている。なお、制御装置70は一つの装置として構成されていても良いし、複数の装置に分けられ、各制御を当該複数の装置で分散処理するように構成されていてもよい。
【0029】
制御装置70は、以下に説明するシート成形方法を実行可能となるように、シート成形装置100の各構成の作動を制御する。なお、制御装置70は、シート成形装置100に対して専用で設けられるものに限定されず、フィルム製造装置の他の装置と共通に利用されるものでもよい。
【0030】
制御装置70は、駆動部40に対する制御として、荷重制御と位置制御とを実行可能に構成される。
【0031】
荷重制御は、荷重センサ75が測定する油圧シリンダ41から第一ロール10に作用する荷重が、予め設定される荷重目標値となるように駆動部40を制御するものである。荷重制御では、油圧シリンダ41が発揮する荷重が荷重目標値となるように、荷重センサ75の測定結果に基づいて、サーボモータ48の作動がフィードバック制御される。
【0032】
位置制御は、第一ロール10と第二ロール20との間のロール隙間Gが予め設定される隙間目標値となるように制御するものである。位置制御では、ロール隙間Gが隙間目標値となるように、変位センサ76の測定結果に基づいてサーボモータ48の作動がフィードバック制御される。
【0033】
また、位置制御では、荷重上限閾値及び荷重下限閾値が設定される。位置制御の実行中において、荷重センサ75の測定結果が荷重上限閾値を上回る、又は、荷重下限閾値を下回ると、駆動部40の制御が位置制御から圧力制御に切り換えられる。荷重センサ75の測定結果が荷重上限閾値を上回った場合は、その後の圧力制御の荷重目標値は荷重上限閾値に設定される。荷重センサ75の測定結果が荷重下限閾値を下回った場合は、その後の圧力制御の荷重目標値は荷重下限閾値に設定される。
【0034】
シート成形においては、Tダイからのシートの吐出量が一時的に増減することがある。駆動部を位置制御した状態でシートの吐出量が一時的に大きく減少すると、第一ロールと第二ロールとによってシートを充分に挟みこむことができず、シート成形ができなくなるおそれがある。また、油圧シリンダが発揮する荷重が高い状態でシートの吐出量が急激に減少すると、位置制御による制御が追い付かず、高い荷重によって第一ロールが移動して第二ロールに接触するおそれもある。さらに、シートの吐出量が一時的に大きく増加すると、駆動部に対する負荷が大きくなり、シートを所望の形状に成形できなくなると共に設備トラブルが発生するおそれがある。
【0035】
これに対し、位置制御の実行中において、荷重センサ75の測定結果が荷重上限閾値を上回る、又は、下回る場合に圧力制御に切り換えることで、シートの吐出量の増減に合わせて第一ロール10を移動させることができる。これにより、シートSの吐出量の増減によるシート成形の不良、第一ロール10と第二ロール20との接触、及び設備トラブルの発生を防止できる。
【0036】
圧力制御においては、例えば、ロール隙間Gが隙間上限閾値と隙間下限閾値との範囲内にあると、位置制御に切り換えられる。圧力制御から位置制御への切換条件は、これに限定されず、任意に設定することができる。
【0037】
次に、シート成形装置100によるシート成形方法について説明する。
【0038】
本実施形態におけるシート成形方法では、まず、
図3に示すように、繰出部50と回収装置55との間にわたってリードフィルムFを掛け回す。具体的には、繰出部50から供給されるリードフィルムFは、第一ロール10及び第二ロール20の間のロール隙間Gを通過し、搬送経路に沿って複数の搬送ロール30に掛け回され、回収装置55の回収ボビンに掛け回される。なお、この段階では、第一ロール10と第二ロール20との間のロール隙間Gは、少なくともリードフィルムFの厚さ以上であって、好ましくは、接着隙間以上の大きさに設定される。これにより、リードフィルムFをロール隙間Gに通す作業の作業性が向上する。
【0039】
次に、第一ロール10、第二ロール20、搬送ロール30、及び回収装置55のボビン56を所定の回転速度で回転させて、リードフィルムFを搬送方向の下流に向けて移動させる。回収装置55のボビン56が回転してリードフィルムFが下流に向けて移動することで、繰出部50のボビン51が回転し、これにより繰出部50からリードフィルムFが順次繰り出される。なお、この段階では、Tダイ101からのシートSの吐出は停止されている。
【0040】
次に、第一ロール10及び第二ロール20によって、リードフィルムFとシートSとを共に挟み込んで、シートSをリードフィルムFに接着させる。具体的には、まず、
図4に示すように、第一ロール10と第二ロール20との間のロール隙間Gを通過するリードフィルムFに向けて、Tダイ101からシートSを所定の吐出量で吐出する。リードフィルムFに向けて吐出されたシートSは、リードフィルムFと共にロール隙間Gを通過して搬送方向の下流に向けて搬送される。なお、シートSは、ロール隙間Gを通過するリードフィルムFに向けて吐出される構成に限定されず、ロール隙間Gよりも搬送方向の上流側(繰出部50側)において、リードフィルムFに向けて吐出される構成でもよい。
【0041】
また、Tダイ101からのシートSの吐出を開始に伴い、駆動部40を荷重制御して、第二ロール20に向けて第一ロール10を所定の荷重(荷重目標値)で押圧する。これにより、第一ロール10は、ストッパ7に当接するまで移動し、荷重目標値によってストッパ7に押し付けられる(
図4参照)。したがって、第一ロール10と第二ロール20との間のロール隙間Gは、接着隙間に調整される。
【0042】
このように、接着隙間に相当する大きさのロール隙間Gを空けて第一ロール10を第二ロール20に向けて所定の荷重で押し付けている状態で、ロール隙間Gに向けてシートSが供給されることで、シートSとリードフィルムFとが所定の荷重により第一ロール10と第二ロール20とで挟み込まれる。つまり、荷重目標値は、シートS及びリードフィルムFを挟み込んだ状態で第一支持台1がストッパ7に接触する程度の大きさに設定される。このように、シートSとリードフィルムFとは、接着隙間に相当するロール隙間Gを通過することで、第一ロール10と第二ロール20とによって挟み込まれて、互いに接着される。
【0043】
なお、Tダイ101からのシートSの吐出の開始と、駆動部40に対する荷重制御の開始との順番の前後は、問わない。
【0044】
ロール隙間Gを通過することでシートSとリードフィルムFが接着されると、シートSは、リードフィルムFによって牽引されて搬送経路に導入され、搬送ロール30によって搬送経路の下流へと搬送される。搬送経路を搬送されたシートS及びリードフィルムFは、回収装置55のボビン56によってロール状に巻き取られて、回収される。
【0045】
次に、シートSがリードフィルムFに接着されると、繰出部50から回収装置55に向かうリードフィルムFを切断装置60により切断する。制御装置70は、所定の切断条件が成立すると切断装置60を駆動してリードフィルムFを切断する。つまり、切断条件は、シートSがリードフィルムFに接着されたと判断できる条件である。切断条件として、例えば、シートSの先端部が、ロール隙間Gを通過した後所定の距離だけ搬送経路上で移動する、又は、シートSの先端部が、ロール隙間Gを通過した後所定時間が経過する、という条件を採用することができる。また、複数の切断条件が成立するかを確認し、いずれか一つが成立した場合に切断装置60を駆動するように構成してもよい。
【0046】
シートSの先端部がロール隙間Gを通過した後所定の距離だけ搬送経路上で移動したかは、搬送経路上でのシートSの通過を検知する検知センサ77によって検知される。なお、検知センサ77は、
図1等に示すように、シートSのロール隙間Gの通過を検知する位置に設けられてもよいし、当該位置よりもさらに搬送経路の下流側においてシートSの通過を検知できるように設けられてもよい。
【0047】
また、シートSの先端部が、ロール隙間Gを通過した後所定時間が経過したかについては、検知センサ77と、タイマ(図示省略)と、を利用することで検知することができる。
【0048】
リードフィルムFが切断されると、Tダイ101から吐出されるシートSは、単独でロール隙間Gを通過し、搬送経路を搬送される(
図5参照)。単独で搬送経路を搬送されたシートSも、先に搬送されるシートS及びリードフィルムFと同様に、回収装置55によって回収される。
【0049】
リードフィルムFが切断されシートSの単独での搬送が安定すると、製品となるシートSの成形が行われる。シートSは、搬送経路に沿って搬送され、搬送ロール30の回転速度(シートSの搬送速度)に応じてシートSが延伸されることで成形される。シートSを成形する際には、シートSを成形して取得する製品の仕様に応じて、Tダイ101から吐出されるシートSの吐出量、搬送ロール30の回転速度、及び駆動部40に対する制御が適宜変更される。
【0050】
例えば、接着隙間は、シートSとリードフィルムFとをより確実に接着するために、リードフィルムFの厚さより大きく、製品として取得するシートSの厚さ及びリードフィルムFの厚さの合計よりも小さく設定される。また、同じくシートSとリードフィルムFとをより確実に接着するために、シートSとリードフィルムFとを接着させる工程では、その後のシートSを成形する工程よりも、Tダイ101からのシートSの吐出量は少なく、搬送ロール30の回転速度は遅く設定される。
【0051】
よって、リードフィルムFが切断された後(シートSがリードフィルムFに接着された後)は、Tダイ101からのシートSの吐出量を増加させると共に、駆動部40に対する荷重制御の荷重目標値を低下させる。これにより、シートSから第一ロール10に加わる反力が大きくなると共に、第二ロール20に対する第一ロール10の押圧力が低下して、第一ロール10と第二ロール20との間のロール隙間Gが接着隙間よりも大きな隙間となる。なお、荷重制御の荷重目標値の低下に代えて、荷重制御を位置制御に切り換えてもよい。この場合、隙間目標値は、接着隙間よりも大きな値に設定される。
【0052】
また、リードフィルムFが切断された後は、搬送ロール30の回転数が増加される。これにより、第一ロール10と第二ロール20との接触を防止するためにロール隙間Gが比較的大きくなっても、搬送ロール30の回転速度を制御することで、シートSを所望の厚さに成形することができる。このようにして、シートSが所望の形状に成形される。
【0053】
なお、リードフィルムFが切断された後に、Tダイ101から吐出されるシートSの吐出量、搬送ロール30の回転速度、及び駆動部40に対する制御を変更することは、必須ではない。シートSの吐出量、搬送ロール30の回転速度、及び駆動部40の制御の一部のみを変更してもよいし、所望のシート形状を得られる場合には、これらを変更せず維持していてもよい。また、上記実施形態とは反対に、リードフィルムFの切断後において、シートSの吐出量の減少、搬送ロール30の回転速度の減少、及び駆動部40の荷重制御の荷重目標値の増加のいずれか又はすべてが行われてもよい。
【0054】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
【0055】
上記実施形態では、第二支持台2には、第一ロール10と第二ロール20との間のロール隙間Gが所定の接着隙間を下回ることを規制するストッパ7が設けられる。シート成形方法において、シートSをリードフィルムFに接着する工程においては、第一支持台1をストッパ7に接触させ、所定の荷重目標値で第一ロール10を第二ロール20に向けて押圧する。これにより、ロール隙間Gを通過するシートS及びリードフィルムFは、所定の荷重目標値によって第一ロール10と第二ロール20とに挟み込まれて互いに接着される。
【0056】
これに対し、ストッパ7を設けずに、ロール隙間Gが接着隙間となるように駆動部40を位置制御して、ロール隙間GにシートSとリードフィルムFとを通過させるようにしてもよい。この方法によっても、シートS及びリードフィルムFが接着隙間をもって第一ロール10と第二ロール20とに挟み込まれて互い接着する。この変形例では、例えば、リードフィルムFが切断された後は、隙間目標値が接着隙間よりも大きい隙間に設定された位置制御によって、シートSの搬送が行われる。つまり、シートSがリードフィルムFに接着された後は、ロール隙間Gは、接着隙間よりも大きくなる。また、この変形例では、例えば、駆動部40による第一ロール10の押圧力が、所定の荷重閾値を超える場合に切断条件が成立したとしてもよい。この場合、荷重閾値は、圧力制御の荷重上限閾値よりも小さく、かつ、荷重下限閾値よりも大きく設定される。そして、リードフィルムFが切断された後は、荷重閾値以下の値を荷重目標値として駆動部40を圧力制御してもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、リードフィルムFは、帯状に形成される単一のリードフィルムFである。これに対し、ガイド部として、2枚のリードフィルムF1,F2(第一ガイド部及び第二ガイド部)が用いられてもよい。この場合、
図6に示すように、2枚のリードフィルムF1,F2は、重ね合わされてロール隙間G及び搬送経路を通過する。Tダイ101から吐出されるシートSは、2枚のリードフィルムF1,F2に挟まれるようにして供給される。このような変形例によれば、シートSの熱によって第二ロール20の温度が上昇し、これにより、シートSが第二ロール20に接着されることを防止することができる。
【0058】
また、ガイド部は、全体が帯状のリードフィルムFである必要はない。例えば、ガイド部は、
図7に示すように、樹脂製のフィルム状のフィルムガイド部としてのリードフィルムFと、リードフィルムFに接続されるリード部L1と、を有していてもよい。リード部Lは、例えば、紐、布、紙、又は樹脂によって形成することができる。リード部L1が先に搬送され、リードフィルムFはリード部L1よりも搬送経路において上流側となる。リードフィルムFを繰出部50と回収装置55との間で掛け回す工程では、リード部L1は、搬送経路に沿って搬送ロール30に掛け回され回収装置55の回収ボビンに掛け回される。また、この工程では、リードフィルムFは、ロール隙間Gよりも上流側(繰出部50側)に位置させておく。そして、Tダイ101から吐出されるシートSは、リードフィルムFに向けて供給され、リードフィルムFとシートSとが第一ロール10と第二ロール20とに挟み込まれることで、互いに接着される。このような変形例でも上記実施形態と同様の作用効果を奏する。また、この変形例では、上記実施形態と比較して、リードフィルムFの量を削減できるため、コスト削減を図ることができる。
【0059】
また、
図8に示すように、ガイド部は、板材や棒材によって形成される第一リード部L2と、第一リード部L2にそれぞれ接続されシートSの幅方向に並べて設けられる複数の第二リード部L3と、第二リード部L3に接続されるリードフィルムFと、を有して構成されるものでもよい。第二リード部L3は、例えば、紐、布、紙、又は樹脂によって形成される。この変形例においても、
図7に示す変形例と同様に、第一リード部L2から先に搬送され、リードフィルムFは第一リード部L2及び第二リード部L3よりも搬送経路において上流側となる。この変形例であっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏すると共にコスト削減を図ることができる。
【0060】
また、上記実施形態は、駆動部40は、油圧シリンダ41、油圧ポンプ47、サーボモータ48を備える。これに対し、駆動部40は、油圧シリンダ41に代えて、エアシリンダやその他の流体圧シリンダを備えていてもよい。また、駆動部40は、ボールねじ機構とボールねじ機構を駆動するサーボモータ48とを備える直動機構であってもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、リードフィルムFを切断する切断装置60を備え、制御装置70によって切断装置60の作動が制御される。これに対し、切断装置60の構成は必須のものではない。切断装置60による自動切断に代えて、作業者の手作業によってリードフィルムFを切断してもよい。この場合であっても、シートSとリードフィルムFとの接着は自動で行われるため、シート成形における手作業を減少させることができる。
【0062】
また、上記実施形態では、リードフィルムFを回収する回収装置55を有する。これに対し、回収装置55は、必須のものではない。例えば、回収装置55に代えて、作業者が直接リードフィルムFを牽引するようにしてもよいし、リードフィルムFを牽引するニップロールを設けてもよい。
【0063】
以下、本実施形態の作用効果について説明する。
【0064】
Tダイ101から吐出されるシートSを成形するシート成形方法は、搬送経路を形成する複数の搬送ロール30にリードフィルムFを掛け回す工程と、所定のロール隙間Gを空けて並列に設けられる第一ロール10及び第二ロール20によって、リードフィルムFに向けて吐出されたシートSとリードフィルムFとを共に挟み込んでシートSをリードフィルムFに接着させる工程と、第一ロール10及び第二ロール20を通過したシートS及びリードフィルムFを複数の搬送ロール30によって搬送する工程と、を含む。
【0065】
Tダイ101から吐出されるシートSを成形するシート成形装置100は、所定のロール隙間Gを空けて互いに並列に設けられる第一ロール10及び第二ロール20と、第一ロール10と第二ロール20との間のロール隙間Gを通過したシートSを搬送する複数の搬送ロール30と、第一ロール10を第二ロール20に対して進退させて第一ロール10と第二ロール20との間のロール隙間Gを調整する駆動部40と、複数の搬送ロール30に掛け回されて搬送ロール30による搬送経路へのシートSの導入を案内するリードフィルムFを繰り出す繰出部50と、リードフィルムF及び搬送経路に沿って搬送されるシートSを回収する回収装置55と、駆動部40の作動を制御する制御装置70と、を備え、制御装置70は、第一ロール10及び第二ロール20によってリードフィルムFとリードフィルムFに吐出されたシートSとが挟み込まれるように駆動部40を制御する。
【0066】
これらの構成では、シートSとリードフィルムFとが、第一ロール10と第二ロール20とによって挟み込まれることで互いに接着される。これにより、シートSとリードフィルムFとを自動で接着させることができ、作業者による手作業を削減することができる。
【0067】
また、本実施形態のシート成形方法は、シートSをリードフィルムFに接着させる工程では、ストッパ7によってロール隙間Gが所定の接着隙間より小さくなることを規制しつつ所定の荷重によって第一ロール10を第二ロール20に向けて押圧し、シートSがリードフィルムFに接着されると、第二ロール20に向けた第一ロール10の荷重を低下させる。
【0068】
また、シート成形装置100は、ロール隙間Gが所定の接着隙間より小さくなるような第一ロール10の移動を規制するストッパ7をさらに有し、制御装置70は、ロール隙間GをシートS及びリードフィルムFが通過した状態では、ストッパ7によって移動が規制されるまで所定の荷重によって第一ロール10を第二ロール20に向けて押圧するように駆動部40を制御する。
【0069】
これらの構成では、ロール隙間Gが接着隙間を下回るような第一ロール10の移動はストッパ7によって規制されるため、第一ロール10と第二ロール20との接触を防止することができる。
【0070】
また、本実施形態のシート成形方法は、シートSをリードフィルムFに接着させる工程では、第一ロール10を第二ロール20に対して進退させて、第一ロール10と第二ロール20との間のロール隙間Gを所定の接着隙間となるように制御し、シートSがリードフィルムFに接着されると、ロール隙間Gを接着隙間よりも大きくなるように制御する。
【0071】
この構成では、駆動部40の制御によってロール隙間Gを接着隙間とすることができるため、ロール隙間Gを規定するストッパ7を設ける必要がなく、装置構成を簡略化して低コスト化することができる。
【0072】
また、本実施形態のシート成形方法は、リードフィルムFを掛け回す工程では、リードフィルムFは、繰出部50から繰り出され、複数の搬送ロール30に掛け回されて、回収装置55によって回収されており、所定の切断条件が満たされると、繰出部50から回収装置55へ向かうリードフィルムFを切断する工程が実行される。
【0073】
また、本実施形態のシート成形方法は、駆動部40による第一ロール10の押圧力が所定の荷重閾値を超えると、切断条件が満たされているとする。
【0074】
また、本実施形態のシート成形方法は、リードフィルムFに向けて吐出されるシートSの先端部が、第一ロール10及び第二ロール20の間を通過した後所定の距離だけ搬送経路上で移動すると、切断条件が満たされているとする。
【0075】
また、本実施形態のシート成形方法は、リードフィルムFに向けて吐出されるシートSの先端部が、第一ロール10及び第二ロール20の間を通過した後所定の時間が経過すると、切断条件が満たされているとする。
【0076】
これらの構成では、リードフィルムFの切断を自動で行うことができるため、作業者による手作業を削減することができる。
【0077】
また、本実施形態のシート成形方法では、2つのリードフィルムFが利用され、シートSは、2つのリードフィルムFによって挟持される。
【0078】
この構成では、第一ロール10及び第二ロール20に対するシートSの接着が、2つのリードフィルムFにより防止される。
【0079】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0080】
100 シート成形装置
7 ストッパ
10 第一ロール
20 第二ロール
30 搬送ロール
40 駆動部
50 繰出部
55 回収装置
60 切断装置
70 制御装置
101 Tダイ
S シート
F,F1,F2 リードフィルム(ガイド部)