(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068034
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】[発明の名称]発熱蓄熱ブロック、火起しユニットおよび火起し兼炭火調理器
(51)【国際特許分類】
F24B 1/02 20060101AFI20240510BHJP
F24B 5/06 20060101ALI20240510BHJP
F24B 13/00 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
F24B1/02 E
F24B5/06
F24B13/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022186928
(22)【出願日】2022-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】517168004
【氏名又は名称】奥村 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100064861
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 文雄
(72)【発明者】
【氏名】奥村 文雄
(57)【要約】 (修正有)
【課題】昭和時代の木炭こんろ、火鉢等の利用を容易とし木炭等の固形燃料の使用を促進する。植物系固形燃料による白炭の着火燃焼・燃焼維持を容易かつ確実とする。木炭等の固形燃料を使用する木炭等加熱器において、昭和時代の灰構造の保温手段に変わる、発熱・保温手段を提供する。
【解決手段】発熱蓄熱ケースと発熱蓄熱集合体と遮蔽カバーとで構成し;発熱蓄熱ケースは底面および周面を遮蔽耐熱壁面とし上面を遮蔽可炎燃焼面とし;発熱蓄熱集合体は、発熱蓄熱ケースの内部空間に挿入した、紙、木片、植物繊維、もみ殻など植物質燃料の発煙発熱材を含む;遮蔽カバーは、発熱蓄熱ケースの天面に位置、複数個の開口と遅延開口とを有し、遮蔽カバーの複数個の開口と遅延開口とを介して外気の燃焼空気の流入流出を可能とし;植物質燃料の他の大部分を蒸焼きして、炭化燃料とすることを特徴とする発熱蓄熱ブロック。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面および周面を遮蔽耐熱壁面とし、上面を遮蔽可炎燃焼面とした発熱蓄熱ケースと、発熱蓄熱ケースの内部空間に挿入した、紙、木片、植物繊維、もみ殻など植物質燃料の発煙発熱材を含む発熱蓄熱集合体と、発熱蓄熱ケースの天面に位置して遮蔽面を形成し、複数個の開口と遅延開口とを有する遮蔽カバーとを含み。
内部空間は、発熱蓄熱ケースと遮蔽カバーとで包囲されて、内部空間に収納されている発熱蓄熱集合体は、外気に対して殆ど密封状態とし、遮蔽カバーの複数個の開口と遅延開口とを介して外気の燃焼空気の流入流出を可能として、
内部空間の上部に燃焼空気を供給することにより、紙、木片、植物繊維、もみ殻など植物質燃料の発煙発熱材を含む発熱蓄熱集合体の上部を、発煙発熱するとともに、植物質燃料の他の大部分を蒸し焼きして、炭化植物質燃料とすることを特徴とする発熱蓄熱ブロック。
【請求項2】
底面および周面を遮蔽耐熱壁面とし、上面を遮蔽可炎燃焼面とした発熱蓄熱ケースと、発熱蓄熱ケースの内部空間に挿入した、紙、木片、植物繊維、もみ殻など植物質燃料の発煙発熱材を含む発熱蓄熱集合体と、発熱蓄熱ケースの天面に位置して遮蔽面を形成し、複数個の開口と遅延開口とを有する遮蔽カバーとを含む発熱蓄熱ブロックと、
発熱蓄熱ブロックの下方に位置する加熱調理器具とを含み、
加熱調理器具の運転により、加熱調理器具による加熱および発熱蓄熱ケースの加熱により、発熱蓄熱ブロックの発熱蓄熱集合体を、発煙発熱して炭化植物質燃料とすることを特徴とする発熱蓄熱ブロック。
【請求項3】
底面および周面を遮蔽耐熱壁面とし、上面を遮蔽可炎燃焼面とした発熱蓄熱ケースと、発熱蓄熱ケースの内部空間に挿入した、紙、木片、植物繊維、もみ殻など植物質燃料の発煙発熱材を含む発熱蓄熱集合体と、発熱蓄熱ケースの天面に位置して遮蔽面を形成し、複数個の開口と遅延開口とを有する遮蔽カバーとを含む発熱蓄熱ブロックと、
上記発熱蓄熱ブロックの上方に装備され、周面は遮蔽耐熱構造面とし、上面を開口面とするとともに、周面の一部には貫通孔を形成して、外気の流入を自在とするとともに、底面を開口して上記発熱蓄熱ブロックの天面と連通する着火燃焼ブロックとを含み。
着火燃焼ブロックの木炭等の固形燃料は、火起し時の着火燃焼に際して、発熱蓄熱ブロックより熱風の供給を受けることを特徴とする木炭等の固形燃料の火起しユニット。
【請求項4】
底面および周面を遮蔽耐熱壁面とし、上面を遮蔽可炎燃焼面とした発熱蓄熱ケースと、発熱蓄熱ケースの内部空間に挿入した、紙、木片、植物繊維、もみ殻など植物質燃料の発煙発熱材を含む発熱蓄熱集合体と、発熱蓄熱ケースの天面に位置して遮蔽面を形成し、複数個の開口と遅延開口とを有する遮蔽カバーとを含む発熱蓄熱ブロックと、
発熱蓄熱ブロックの下方に位置する加熱加熱器と、
発熱蓄熱ブロックをその内部燃焼空間の下端部に挿入した木炭加熱器ハウジングとを含み、
前記木炭加熱器ハウジング底面の中央部を開口させ、発熱蓄熱ブロックの底面を加熱調理器具の加熱面と対接させるとともに、
前記木炭加熱器のハウジング底面の周辺部は、加熱調理器具の加熱面との間に間隙を形成することにより加熱調理器具の加熱面と非接触として、
上記加熱調理器具の運転による発熱蓄熱ブロックの加熱に際して、前記木炭加熱器ハウジングに対しての直接加熱を阻止して前記木炭加熱器のハウジングの温度上昇を回避しかつ発熱蓄熱ブロックを効果的に熱伝導したことを特徴とする火起し兼木炭調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木炭、練炭、豆炭等の固形燃料を使用する火鉢、木炭コンロ等の木炭等加熱器「炭火加熱器」について、木炭等の着火手段に関するものである。
火鉢、木炭コンロ等の木炭等加熱器における木炭等の着火手段としては、屋外用に限定して、石油系燃料「例えばエチルアルコール」を使用する火炎バーナーや、石油系燃料「例えばエチルアルコール」を含ム着火促進剤の、有毒ガスを発生する着火手段が公知である。
これらの、石油系燃料「例えばエチルアルコール」を使用する含ム着火手段は、室内用途の火鉢、木炭コンロ等の木炭加熱器に対しては、有毒ガスを発生の危険により使用不可能である。
また、昭和時代には、火鉢、木炭コンロの内部に、かまどの残火、消し炭、藁炭を収納して、着火した木炭などを保温して燃焼継続していたが、これらの藁炭による保温手段はほとんど使用不可能の環境にある。
本願発明者は、特許文献1の登録実用新案第3233634号「白煙を発生する木炭着火ユニット」の考案を開示している。
前記考案は、木炭コンロの内部空間の下部に保温通気層を形成して、着火燃焼部の保温効果により着火材の着火・燃焼を容易としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案公報:登実3233634号「白煙を発生する木炭着火ユニット
【発明の概要】
【0004】
本発明は、室内用途の木炭等加熱器「火鉢、木炭コンロ等の炭火加熱器」における、木炭等の固形燃料の着火燃焼・燃焼継続を、容易かつ確実にすることを課題とする。
本願発明者の、特許文献1の登録実用新案第3233634号「白煙を発生する木炭着火ユニット」の考案は、昭和時代の木炭コンロにおける前記保温手段に対応する保温構造として、木炭コンロの内部空間の下部に保温通気層を形成して、着火燃焼部の保温効果により着火材の着火・燃焼を容易とすることを開示している。
本発明は、特許文献1の考案において、木炭等の着火手段の保温通気層をより高温に維持して、固形燃料に対する着火を容易・確実、着火固形燃料の燃焼維持の強化・確実にすることを課題とする。
【0005】
室内用途の火鉢、木炭コンロ等の木炭等加熱器の着火手段として、公知の野外木炭等加熱器「バーベキュー用コンロ」に用途限定されている石油系燃料「例えばエチルアルコール」を使用する着火手段「火炎バーナー、火炎着火部材」を、室内使用の木炭等加熱器適用することは、亜硫酸ガスその他有毒ガス発生の危険により使用用不可能である。
また、昭和時代には、着火した木炭などの保温手段として、火鉢・木炭コンロの内部に、かまどの残火、消し炭、藁焼却灰を収納していたが、現在は、これらの保温手段はほとんど使用不可能の環境にある。すなわち、燃焼白炭などの保温手段として、従来は適用されていたところの藁焼却灰等の保温手段は入手困難である。
【0006】
よって、本発明は、植物系燃料「紙、木片、植物繊維、もみ殻など植物系燃料の燃焼による燃焼灰を使用して、木炭等の着火を、容易かつ確実とすることを課題とする。
また、木炭、練炭、豆炭等の固形燃料を使用する木炭コンロ等の木炭等加熱器において、従来の藁焼却灰なと灰構造の保温手段に変わる、発熱・保温手段を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願第1発明の発熱蓄熱ブロックは、
底面および周面を遮蔽耐熱壁面とし、上面を遮蔽可炎燃焼面とした発熱蓄熱ケースと、発熱蓄熱ケースの内部空間に挿入した、紙、木片、植物繊維、もみ殻など植物質燃料の発煙発熱材を含む発熱蓄熱集合体と、発熱蓄熱ケースの天面に位置して遮蔽面を形成し、複数個の開口と遅延開口とを有する遮蔽カバーとを含み。
内部空間は、発熱蓄熱ケースと遮蔽カバーとで包囲されて、内部空間に収納されている発熱蓄熱集合体は、外気に対して殆ど密封状態とし、遮蔽カバーの複数個の開口と遅延開口とを介して外気の燃焼空気の流入流出を可能として、
内部空間の上部に燃焼空気を供給することにより、紙、木片、植物繊維、もみ殻など植物質燃料の発煙発熱材を含む発熱蓄熱集合体の上部を、発煙発熱するとともに、植物質燃料の他の大部分を蒸し焼きして、炭化植物質燃料とすることを特徴とする。
本願第2発明の発熱蓄熱ブロックは、本願第2発明に加えて、発熱蓄熱ブロックの下方に位置する加熱調理器具を装備することで、加熱調理器具の運転による加熱および発熱蓄熱ケースの加熱により、発熱蓄熱ブロックの発熱蓄熱集合体を、発煙発熱して炭化植物質燃料とすることを特徴とする。
本願第3発明の木炭等の固形燃料の火起しユニットは、
底面および周面を遮蔽耐熱壁面とし、上面を遮蔽可炎燃焼面とした発熱蓄熱ケースと、発熱蓄熱ケースの内部空間に挿入した、紙、木片、植物繊維、もみ殻など植物質燃料の発煙発熱材を含む発熱蓄熱集合体と、発熱蓄熱ケースの天面に位置して遮蔽面を形成し、複数個の開口と遅延開口とを有する遮蔽カバーとを含む発熱蓄熱ブロックと、
上記発熱蓄熱ブロックの上方に装備され、周面は遮蔽耐熱構造面とし、上面を開口面とするとともに、周面の一部には貫通孔を形成して、外気の流入を自在とするとともに、底面を開口して上記発熱蓄熱ブロックの天面と連通する着火燃焼ブロックとを含み。
着火燃焼ブロックの木炭等の固形燃料は、火起し時の着火燃焼に際して、発熱蓄熱ブロックより熱風の供給を受けることを特徴とする。
本願第4発明の火起し兼木炭調理器は、
底面および周面を遮蔽耐熱壁面とし、上面を遮蔽可炎燃焼面とした発熱蓄熱ケースと、発熱蓄熱ケースの内部空間に挿入した、紙、木片、植物繊維、もみ殻など植物質燃料の発煙発熱材を含む発熱蓄熱集合体と、発熱蓄熱ケースの天面に位置して遮蔽面を形成し、複数個の開口と遅延開口とを有する遮蔽カバーとを含む発熱蓄熱ブロックと、
発熱蓄熱ブロックの下方に位置する加熱加熱器と、
発熱蓄熱ブロックをその内部燃焼空間の下端部に挿入した木炭加熱器ハウジングとを含み、
前記木炭加熱器ハウジング底面の中央部を開口させ、発熱蓄熱ブロックの底面を加熱調理器具の加熱面と対接させるとともに、
前記木炭加熱器のハウジング底面の周辺部は、加熱調理器具の加熱面との間に間隙を形成することにより加熱調理器具の加熱面と非接触として、
上記加熱調理器具の運転による発熱蓄熱ブロックの加熱に際して、前記木炭加熱器ハウジングに対しての直接加熱を阻止して前記木炭加熱器のハウジングの温度上昇を回避しかつ発熱蓄熱ブロックを効果的に熱伝導したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本願第1発明は、 外気に対してほとんど密封状態とし、遮蔽カバーの複数個の開港と遅延開口とを介して外気の燃焼空気の流入流出を可能とした発熱蓄熱ブロックであることで、その内部空間の上部に燃焼空気を供給することにより、紙、木片、植物繊維、もみ殻など植物質燃料の発煙発熱材を含む発熱蓄熱集合体の上部を、発煙発熱するとともに、植物質燃料の他の大部分を蒸し焼きして、炭化植物質燃料とする。
よって、木炭等の固形燃料の火起しに際して、発熱蓄熱ブロックの発煙発熱で、着火燃焼エリヤの下方を高温に維持することができて、木炭等の固形燃料の火起し作用を、確実にする効果を有する。
本願第2発明は、着火燃焼エリヤは、発煙発熱蓄熱ブロックを介して、加熱調理器よりのの加熱鉄板熱風の供給を受けることにより、着火燃焼エリヤは、常に高温に維持されて、着火燃焼エリヤの上方の白炭等の固形燃料の燃焼状態を確実に維持する効果を有する。
本願第3発明は、着火燃焼エリヤに位置する着火燃焼ブロックの下方に発熱蓄熱ブロック設けたから、火起し時の着火燃焼に際して、発熱蓄熱ブロックより熱風の供給を受けることにより、木炭等の固形燃料の火起し作用を、確実にする効果を有する。
本願第4発明は、前記木炭加熱器ハウジング底面の中央部を開口させ、発熱蓄熱ブロックの底面を加熱調理器具の加熱面と対接させるとともに、
前記木炭加熱器のハウジング底面の周辺部は、加熱調理器具の加熱面との間に間隙を形成することにより加熱調理器具の加熱面と非接触としたから、
上記加熱調理器具の運転による発熱蓄熱ブロックの加熱に際して、前記木炭加熱器ハウジングに対しての直接加熱を阻止して前記木炭加熱器のハウジングの温度上昇を回避しかつ発熱蓄熱ブロックを効果的に熱伝導することができる。
よって、発熱蓄熱ブロックに対する加熱加熱器による加熱作用を強化することで、着火燃焼エリヤへの熱風の供給を迅速・強化して、着火燃焼エリヤに載置した白炭点火を容易とする効果を有する。発熱蓄熱ブロックを高温に加熱・維持することで、炭加熱器の内部空間へ異動させた着火済白炭の燃焼継続・燃焼強化を維持する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本願第1発明の発熱蓄熱ブロックの発熱蓄熱ケースの第1実施例を示し、a図は斜視図、b図は縦断面図、c図は横断面図。
【
図2】同じく第2実施例を示し、a図は斜視図、b図は縦断面図、c図は横断面図。
【
図4】遮断カバ―を示し、a図は平面図、b図は平面視長手方向の縦断面図、c図は平面視横断方向の縦断面図。
【
図5】発熱蓄熱ブロックの縦断面で、発熱蓄熱集合体2に対する燃焼空気の供給を示す。燃焼空間は、内部空間の上端部に位置して、水平方向に形成されている。
【
図6】
図5と同様の縦断面で、燃焼空間について、他の実施例を示し、燃焼空間は、垂直方向に形成されている。
【
図7】発熱蓄熱ケースの
図1および
図2と異なる形状の実施例を示す略図。
【
図8】本願第2発明の発熱蓄熱ブロックを示し、a図は第1実施例を示す略図、b図は第2実施例を示す略図、c図は第3実施例を示す略図。
【
図9】本願第3発明の火起しユニット示し、木炭加熱器ハウジングDの底面の中央部に開口を形成し、 a図を略図、b図は円筒型「七輪型」、c図は平面視長方形の箱型「焼肉用こんろ」を示す。
【
図10】本願第4発明の火起し器兼木炭調理器の第1実施例を示す略図。
【
図11】本願第4発明の火起し器兼木炭調理器の第2実施例を示す略図。
【
図12】発熱蓄熱ブロックAと、着火燃焼ブロックBと、加熱調理器Cと木炭加熱器ハウジングDの使用形態例を示す略図。
【本発明の好適な実施の形態】
【0010】
本願第1発明の発熱蓄熱ブロックは、発熱蓄熱ケース1と、発熱蓄熱集合体2と、遮蔽カバー3とで構成する。
発熱蓄熱ケース1は、底面および周面を遮蔽耐熱壁面とし、上面を遮蔽可炎燃焼面とする。
発熱蓄熱集合体2は、発熱蓄熱ケースの内部空間に挿入した、紙、木片、植物繊維、もみ殻など植物質燃料の発煙発熱材を含む。
遮蔽カバー3は、発熱蓄熱ケースの天面に位置して遮蔽面とするか゛、複数個の開口と遅延開口とを有し、遮蔽カバーの複数個の開口と遅延開口とを介して外気の燃焼空気の流入流出を可能とする。
本願第2発明は、第1発明の発熱蓄熱ブロックと、
発熱蓄熱ブロックの下方に位置する加熱調理器具とで構成する。
加熱調理器具の運転により、加熱調理器具の加熱および発熱蓄熱ケースの加熱により、発熱蓄熱ブロックの発熱蓄熱集合体を、発煙発熱させて、炭化植物質燃料とすることを特徴とする。
本願第3発明は、第1発明の発熱蓄熱ブロックと、
該発熱蓄熱ブロックの上方に装備され、周面は遮蔽耐熱構造面とし、上面を開口面とするとともに、周面の一部には貫通孔を形成して、外気の流入を自在とするとともに、底面を開口して上記発熱蓄熱ブロックの天面と連通する着火燃焼ブロックとで構成する。火起し時の着火燃焼に際して、着火燃焼ブロックの木炭等の固形燃料は、発熱蓄熱ブロックより熱風の供給を受ける
本願第4発明は、第1発明の発熱蓄熱ブロックと、該発熱蓄熱ブロックの下方に位置する加熱加熱器と、発熱蓄熱ブロックをその内部燃焼空間の下端部に挿入した木炭加熱器ハウジングとで構成する。
前記木炭加熱器ハウジング底面の中央部を開口する構造として、発熱蓄熱ブロックの底面を加熱調理器具の加熱面と対面させる構造とする。
前記木炭加熱器ハウジング底面の周辺部は、加熱調理器具の加熱面との間に間隙を形成する。よって、前記木炭加熱器ハウジング底面の周辺部は、加熱調理器具の加熱面と非接触とする。
その結果、上記加熱調理器具の運転による発熱蓄熱ブロックの加熱に際して、前記木炭加熱器ハウジングは直接加熱が阻止される。
発熱蓄熱ブロックと熱伝導して発熱蓄熱ブロックを効果的に加熱する。
着火燃焼エリヤへの熱風の供給を迅速・強化して、着火燃焼エリヤに載置した白炭点火を容易とする。
【実施例0011】
本願第1発明の発熱蓄熱ブロックAは、
図1ないし
図6を参照して、
平面視で、四角形、多角形、円形、楕円形等の各種形状とし、周面を平面形状とする箱状形状であって、発熱蓄熱ケース1、発熱蓄熱集合体2および遮蔽カバー3とで構成する。
図1の実施例では、は、平面視で四角形として、立方体移形状である。
図2の実施例では、は、平面視で円形として、円柱形状である。
【0012】
発熱蓄熱ケース1は、 底面11および周面12を連続形成し、上面を解放した形状の金属成形品で、底面11および周面12を遮蔽耐熱壁面を構成する。
なお、発熱蓄熱ケース1は、金属製品に限定されるものではなく、遮蔽耐熱の構造を広く適用されるものである。例えば、陶器製品、セメント製品とすることもできる。更に、厚紙等の紙成形品として遮蔽性を確保し、耐熱性塗料のコーチィングにより耐熱を確保しすることで、遮蔽耐熱の構造とすることもできる。
【0013】
発熱蓄熱集合体2は、紙、木片、植物繊維、もみ殻など植物質燃料の発煙発熱材を含む固形材料の集合体で、発熱蓄熱ケース1の内部空間に充填されている。
図3を参照して、実施例においては、植物質燃料の発煙発熱材Maに、セラミック粒子等の保温材Mbを混合した。すなわち、もみ殻、粒状木材、切削木片等の植物質燃料の発煙発熱材と、粒状石、粒状切削石片、陶器切削片、火山灰成形品等のセラミック系保温材Mbを混合して、集合体として蓄熱性を高めた、さらに、鉄粉、粒状鉄粉成形品、金属切削片、粒状切削片成形品、金属板片、玉状金属成形品等の金属系保温材Mcを混合してもよいものである。
さらに、セラミック系保温材Mbと金属系保温材Mcとののみの混合して、植物質燃料の発煙発熱材Maを省いて良いものである。この場合には、植物質燃料の発煙発熱材Maに代わる発熱機能として、水/酸素の供給により化学反応で発熱する構成を追加する。
【0014】
図4を参照して、遮蔽カバー3は、発熱蓄熱ケース1の内部空間に充填した前記発熱蓄熱集合体2の天面に位置して前記発熱蓄熱集合体2の上面に対して、遮蔽可燃面を形成するものである。遮蔽カバー3には、複数個の開口g3と遅延開口g33とを形成する。
実施例においては、3mm厚の帯状平板32を複数個で構成し、帯状平板32の相互間に1mm厚の3厚紙33を介在させて遅延開口g33を構成した。
最初は、複数個の開口g3のみが、発熱蓄熱集合体2に対する通気口となる。
そののち、1mm厚厚紙33の燃焼・消失により、複数個の開口gおよび遅延開口g33が通気口となる。
最後には、3mm厚の帯状平板32の燃焼・消失により、発熱蓄熱集合体2の上面に対して、全面開口となる。
【0015】
図5は発熱蓄熱ブロックAの縦断面を示し、上述の遮蔽カバー3を装備した実施例における発熱蓄熱集合体2に対する燃焼空気kの供給を示す。
燃焼空間Eは、内部空間の上端部に位置して、水平方向に形成されている。
【0016】
図6は、燃焼空間Eについて、他の実施例を示し、a,b、cの実施例では、燃焼空間Eは、垂直方向に形成されて、トンネル燃焼空間として作用している。発熱蓄熱ケース1の側面下端部に貫通孔31gを形成してトンネル燃焼空間Eへの外気kの流入口としている。
A 中心部に形成している。
B 発熱蓄熱ケース1寄りに形成している。
C 発熱蓄熱ケース1外側に隣接して形成している。
D 発熱蓄熱ブロックAの内部には、垂直燃焼空間、水平空間も存在しない所の蜜封方式としている。発熱蓄熱集合体2を内部発熱を開始するための、水/酸素の供給機構を付設する。
【0017】
以上の実施例では、発熱蓄熱ケース1は、断面視・平面視で、四角形、多角形、円形、楕円形等の各種形状とし、周面を平面形状とする箱状形状としたが、周面を曲面形状、複合平面形状としてもよいものである。その一例を
図7に示す、イ:太鼓型、ロ:酒樽型、ハ:逆円錐型、ニ:正逆円錐結合型、その他結合型が考えられる。
【0018】
本願第2発明は、前述発熱蓄熱ブロックAと、該発熱蓄熱ブロックAの下方に位置した加熱調理器具Cとで構成する。
発熱蓄熱ブロックAと加熱調理器具Cとの間に、加熱鉄板30を介装した。
図8のa図においては、加熱調理器具Cの調理用加熱鉄板30aを加熱鉄板とする。
加熱調理器具Cの運転により、加熱調理器具の加熱鉄板の加熱、さらに発熱蓄熱ケース1の加熱――発熱蓄熱ブロックの発熱蓄熱集合体2の発煙発熱となる。
図8のb図の加熱調理器具Cは,熱調理器具Cの熱源CH=調理用加熱鉄板30aの下方に位置させているところの、調理用加熱鉄板30aを装備する加熱調理器具を示し、電気熱源内蔵型式の加熱調理器具「焼肉用ホットプレート、電気鍋」、焼肉用ガスこんろ、焼肉用LPカセットこんろなどが該当する。
図8のc図の加熱調理器具Cは,熱調理器具Cの熱源CH=調理用加熱鉄板30aの存在しないところの、熱源露出ヒータ型式の加熱調理器具を示し、抵抗線加熱の電熱器、ガスこんろ、LPカセットこんろなどが該当する。
【0019】
本願第3発明の、木炭等の固形燃料の火起しユニットは、
第1発明の発熱蓄熱ブロックAと、 上記発熱蓄熱ブロックAの上方に装備された着火燃焼ブロックBとで構成する。
図9の実施例においては、着火燃焼ブロックBの燃焼ケース20は。筒状形状で、その周面21は遮蔽耐熱構造面とし、上面22を開口面とするとともに、周面の一部には貫通孔を形成して、外気kの流入を自在とするとともに、底面23を開口して発熱蓄熱ブロックAの天面と連通する構成である。
燃焼ケース20には、着火固形燃料集合体M2を収容する。
発熱蓄熱集合体M2は、紙、木片、植物繊維、もみ殻など植物質燃料の発煙発熱材を含む固形材料の集合体で、発熱蓄熱ケース1の内部空間に充填されている。
実施例においては、植物質燃料の発煙発熱材Maに、セラミック粒子の保温材Mcを混合した。すなわち、もみ殻、粒状木材、切削木片等の植物質燃料の発煙発熱材Maと粒状石、粒状切削石片、陶器切削片、火山灰成形品等の保温材Mcを混合した集合体として蓄熱性を高めた。さらに、木炭等の固形燃料「木炭粉末粒子、軟質木炭など」Mmを上部に追加した。
火起し時の着火燃焼に際して、着火燃焼ブロックBの木炭等の固形燃料は、発熱蓄熱ブロックAより熱風の供給を受ける〉
【0020】
本願第4発明の引き起こし器兼木炭調理器は、
第1発明の発熱蓄熱ブロックAと、該発熱蓄熱ブロックAの下方に位置する加熱調理器Cと木炭加熱器ハウジングDとで構成する、
図10のa図を参照して、木炭加熱器ハウジングDは、その底面の中央部に開口Daを形成している。b図は円筒型「七輪――市販の七輪底面に開口Daを形成」、c図は平面視長方形の箱型「焼肉用こんろ-市販の焼肉用こんろ底面に開口Daを形成」を示す。
発熱蓄熱ブロックAは、木炭加熱器ハウジングDの内部空間HA/および開口Daの内部に装備されている。
図11の実施例においは、発熱蓄熱ブロックAは、木炭加熱器ハウジングDの内部燃焼空間HAの下端部/および底面中央部に開口Daに、挿入装備されている。
発熱蓄熱ブロックAの底面は、加熱調理器Cの加熱鉄板30aと接触している。発熱蓄熱ブロックAの底面には、外気供給通路を形成すめための水平溝33を形成する必要がある。
図12の実施例においは、発熱蓄熱ブロックAは、木炭加熱器ハウジングDの内部燃焼空間HAの下端部/および底面中央部に開口Daに、挿入装備され、かつて発熱蓄熱ブロックAの底面下部は突出して、発熱蓄熱ブロックAの底面下方に位置している。
よって、前記木炭加熱器ハウジング底面の周辺部は、加熱調理器具の加熱面との間に間隙を形成する。前記木炭加熱器ハウジング底面の周辺部は、加熱調理器具の加熱面と非接触とする。前記間隙を通して外気の供給を可能とする。
その結果、上記加熱調理器具の運転による発熱蓄熱ブロックの加熱に際して、前記木炭加熱器ハウジングは直接加熱が阻止される。
発熱蓄熱ブロックと熱伝導して発熱蓄熱ブロックを効果的に加熱する。
着火燃焼エリヤへの熱風の供給を迅速・強化して、着火燃焼エリヤに載置した白炭点火を容易とする。
【0021】
本発明の利用例に関して、
図13は、発熱蓄熱ブロックAと、着火燃焼ブロックBと、加熱調理器Cと木炭加熱器ハウジングDとの組合わせと、昭和時代の木炭こんろ、 火鉢の使用例示する。
本発明は、木炭などの炭化固形燃料の消費増強で、電力使用・灯油使用の低減で節電等の対策に寄与するとともに、木炭などの炭化固形燃料の利用促進により産業の発展に寄与するものである。