(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068049
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】太陽電池、太陽電池の製造方法及び光起電力モジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 31/0224 20060101AFI20240510BHJP
H01L 31/18 20060101ALI20240510BHJP
H01L 31/048 20140101ALI20240510BHJP
【FI】
H01L31/04 262
H01L31/04 400
H01L31/04 560
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212267
(22)【出願日】2022-12-28
(31)【優先権主張番号】202211369894.2
(32)【優先日】2022-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519095522
【氏名又は名称】ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】512083920
【氏名又は名称】晶科能源股分有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】リ ウン チー
(72)【発明者】
【氏名】謝明輝
(72)【発明者】
【氏名】陳一帆
(72)【発明者】
【氏名】張国春
(72)【発明者】
【氏名】鄭霈霆
(72)【発明者】
【氏名】楊潔
(72)【発明者】
【氏名】ヂァン シン ウ
【テーマコード(参考)】
5F151
5F251
【Fターム(参考)】
5F151AA02
5F151AA03
5F151AA04
5F151AA05
5F151BA11
5F151CB11
5F151CB22
5F151CB27
5F151FA06
5F151FA14
5F151FA16
5F151FA17
5F151FA30
5F151GA01
5F151GA04
5F151JA02
5F251AA02
5F251AA03
5F251AA04
5F251AA05
5F251BA11
5F251CB11
5F251CB22
5F251CB27
5F251FA06
5F251FA14
5F251FA16
5F251FA17
5F251FA30
5F251GA01
5F251GA04
5F251JA02
(57)【要約】
【課題】本願の実施例は、太陽電池、太陽電池の製造方法及び光起電力モジュールに関するものである
【解決手段】太陽電池は、基板と、基板の表面に位置して第2方向に沿って延びる複数のグリッド線と、を含み、基板の表面が第1方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロットグループを含み、スロットグループが第2方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロットを含み、第2方向に沿って、0<d<4Lであり、ここで、dが隣接するスロット間の間隔であり、Lがスロットの最大寸法であり、各グリッド線は、対応するスロットグループによって限定された領域内にそれぞれ位置し、グリッド線は、基板の表面に位置する第1メッキ層を含み、第1メッキ層は、スロットグループにおける各スロット内に位置する延伸部を含み、かつ延伸部を介して基板の内部と接触する。本願の実施例には、少なくとも太陽電池セルの開放電圧損失を低減し、太陽電池の光電変換効率を向上させることに有利である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板の表面に位置して第2方向に沿って延びる複数のグリッド線と、を含み、
前記基板の表面が第1方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロットグループを含み、前記スロットグループが第2方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロットを含み、前記第2方向に沿って、0<d<4Lであり、ここで、dが隣接する前記スロット間の間隔であり、Lが前記スロットの最大寸法であり、
各前記グリッド線は、対応する前記スロットグループによって限定された領域内にそれぞれ位置し、前記グリッド線は、前記基板の表面に位置する第1メッキ層を含み、前記第1メッキ層は、前記スロットグループにおける各前記スロット内に位置する延伸部を含み、かつ前記延伸部を介して前記基板の内部と接触する、
ことを特徴とする太陽電池。
【請求項2】
前記第2方向において、前記スロットの最大寸法は3μm~50μmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記第2方向において、隣接する前記スロット間の間隔は200μmより小さい、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記基板の表面に垂直な方向において、前記スロットの最大深さは1μmより小さい、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項5】
前記スロットの前記基板の表面における正投影の形状は、円形、楕円形または多角形を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項6】
前記グリッド線は、前記第1メッキ層の前記基板から離れる表面に位置する第2メッキ層と、前記第2メッキ層の前記基板から離れる表面に位置する第3メッキ層と、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項7】
前記基板の表面に垂直な方向において、前記第2メッキ層の最大厚さは、前記第1メッキ層の最大厚さ及び前記第3メッキ層の最大厚さよりも大きい、
ことを特徴とする請求項6に記載の太陽電池。
【請求項8】
前記基板の表面に垂直な方向において、前記第2メッキ層の最大厚さは、2μm~30μmである、
ことを特徴とする請求項6に記載の太陽電池。
【請求項9】
前記基板の表面に垂直な方向において、前記第3メッキ層の最大厚さは、10nm~5μmである、
ことを特徴とする請求項6に記載の太陽電池。
【請求項10】
前記第1メッキ層の導電率は前記第2メッキ層の導電率以下である、
ことを特徴とする請求項6に記載の太陽電池。
【請求項11】
前記基板の表面に垂直な方向において、前記第1メッキ層の最大厚さは、10nm~5μmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項12】
前記基板の表面に垂直な方向において、前記第1メッキ層は、順次配置される2つ以上のサブメッキ層を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項13】
前記第1方向に沿って、隣接する前記スロットグループ間の間隔は、0.5mm~3mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項14】
基板を提供することと、
前記基板の表面に第1方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロットグループを形成することであって、前記スロットグループは、第2方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロットを含み、前記第2方向に沿って、0<d<4Lであり、dが隣接する前記スロット間の間隔であり、Lが前記スロットの最大寸法であることと、
前記基板の表面における各前記スロットグループに前記第2方向に沿って延びる複数のグリッド線を形成することであって、前記グリッド線は、前記基板の表面に位置する第1メッキ層を含み、前記第1メッキ層は、前記スロットグループにおける各前記スロット内に位置する延伸部を含み、かつ前記延伸部を介して前記基板の内部と接触することと、を含む、
ことを特徴とする太陽電池の製造方法。
【請求項15】
前記スロットグループを形成する工程は、レーザーエッチング、イオンエッチングまたはスラリーエッチングを含む、
ことを特徴とする請求項14に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項16】
前記第1メッキ層を形成する工程は、電気メッキ、化学メッキまたは物理気相成長を含む、
ことを特徴とする請求項14に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項17】
前記グリッド線を形成する工程ステップは、電気メッキ工程によって前記第1メッキ層の前記基板から離れる表面に第2メッキ層を形成することをさらに含む、
ことを特徴とする請求項14に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項18】
前記グリッド線を形成する工程ステップは、電気メッキ工程または化学メッキ工程によって前記第2メッキ層の前記基板から離れる表面に第3メッキ層を形成することをさらに含む、
ことを特徴とする請求項17に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項19】
請求項1~13のいずれか1項に記載の太陽電池を複数接続してなる電池ストリングと、
前記電池ストリングの表面を覆うための封止層と、
前記封止層の前記電池ストリングから離れた表面を覆うためのカバープレートと、を含む、
ことを特徴とする光起電力モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は、太陽電池の技術分野に関し、特に太陽電池、太陽電池の製造方法及び光起電力モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は優れた光電変換能力を持っているため、太陽電池はクリーンエネルギー開発の重点となっている。太陽電池の光電変換効率を確保するために、太陽電池に対する研究開発が絶え間なく行なわれている。太陽電池セルを製造する過程において、基板表面にスロットを開け、スロットにグリッド線を作製することで、太陽電池セルで発生した電流の集約を実現し、バスリボンを介して電池セルで発生した電流をモジュール側に伝送する。
【0003】
しかしながら、現在の設計プランに係る太陽電池には、太陽電池セルの光電変換効率が低いという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例には、少なくとも太陽電池セルの開放電圧損失を低減し、太陽電池の光電変換効率を向上させることに有利である太陽電池、太陽電池の製造方法及び光起電力モジュールが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の実施例は、太陽電池を提供し、基板と、前記基板の表面に位置して第2方向に沿って延びる複数のグリッド線と、を含み、前記基板の表面が第1方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロットグループを含み、前記スロットグループが第2方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロットを含み、前記第2方向に沿って、0<d<4Lであり、ここで、dが隣接する前記スロット間の間隔であり、Lが前記スロットの最大寸法であり、各前記グリッド線は、対応する前記スロットグループによって限定された領域内にそれぞれ位置し、前記グリッド線は、前記基板の表面に位置する第1メッキ層を含み、前記第1メッキ層は、前記スロットグループにおける各前記スロット内に位置する延伸部を含み、かつ前記延伸部を介して前記基板の内部と接触する。
【0006】
また、前記第2方向において、前記スロットの最大寸法は3μm~50μmである。
【0007】
また、前記第2方向において、隣接する前記スロット間の間隔は200μmより小さい。
【0008】
また、前記基板の表面に垂直な方向において、前記スロットの最大深さは1μmより小さい。
【0009】
また、前記スロットの前記基板の表面における正投影の形状は、円形、楕円形または多角形を含む。
【0010】
また、前記グリッド線は、前記第1メッキ層の前記基板から離れる表面に位置する第2メッキ層と、前記第2メッキ層の前記基板から離れる表面に位置する第3メッキ層と、をさらに含む。
【0011】
また、前記基板の表面に垂直な方向において、前記第2メッキ層の最大厚さは、前記第1メッキ層の最大厚さ及び前記第3メッキ層の最大厚さよりも大きい。
【0012】
また、前記基板の表面に垂直な方向において、前記第2メッキ層の最大厚さは、2μm~30μmである。
【0013】
また、前記基板の表面に垂直な方向において、前記第3メッキ層の最大厚さは、10nm~5μmである。
【0014】
また、前記第1メッキ層の導電率は前記第2メッキ層の導電率以下である。
【0015】
また、前記基板の表面に垂直な方向において、前記第1メッキ層の最大厚さは、10nm~5μmである。
【0016】
また、前記基板の表面に垂直な方向において、前記第1メッキ層は、順次配置される2つ以上のサブメッキ層を含む。
【0017】
また、前記第1方向に沿って、隣接する前記スロットグループ間の間隔は、0.5mm~3mmである。
【0018】
それに応じて、本願の実施例は、太陽電池の製造方法をさらに提供し、基板を提供することと、前記基板の表面に第1方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロットグループを形成することであって、前記スロットグループは、第2方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロットを含み、前記第2方向に沿って、0<d<4Lであり、dが隣接する前記スロット間の間隔であり、Lが前記スロットの最大寸法であることと、前記基板の表面における各前記スロットグループに前記第2方向に沿って延びる複数のグリッド線を形成することであって、前記グリッド線は、前記基板の表面に位置する第1メッキ層を含み、前記第1メッキ層は、前記スロットグループにおける各前記スロット内に位置する延伸部を含み、かつ前記延伸部を介して前記基板の内部と接触することと、を含む。
【0019】
また、前記スロットグループを形成する工程は、レーザーエッチング、イオンエッチングまたはスラリーエッチングを含む。
【0020】
また、前記第1メッキ層を形成する工程は、電気メッキ、化学メッキまたは物理気相成長を含む。
【0021】
また、前記グリッド線を形成する工程ステップは、電気メッキ工程によって前記第1メッキ層の前記基板から離れる表面に第2メッキ層を形成することをさらに含む。
【0022】
また、前記グリッド線を形成する工程ステップは、電気メッキ工程または化学メッキ工程によって前記第2メッキ層の前記基板から離れる表面に第3メッキ層を形成することをさらに含む。
【0023】
それに応じて、本願の実施例は、光起電力モジュールをさらに提供し、上記のいずれか1項に記載の太陽電池を複数接続してなる電池ストリングと、前記電池ストリングの表面を覆うための封止層と、前記封止層の前記電池ストリングから離れた表面を覆うためのカバープレートと、を含む。
【発明の効果】
【0024】
本願の実施例により提供される技術案は、少なくとも以下の利点を有する。
【0025】
本願の実施例により提供される太陽電池の技術案では、太陽電池の基板の表面に第1方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロットグループが形成され、スロットグループは第2方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロットを含み、かつ第2方向に沿って、隣接するスロット間の間隔が0より大きくかつスロットの最大寸法の4倍より小さい。スロットグループに間隔をあけて配置される複数のスロットを設置し、かつ第2方向に沿って、隣接するスロット間の間隔を0より大きくスロットの最大長さの4倍より小さくするように設定し、これによって、スロットグループのスロットパターンが不連続なドット状パターンで構成され、スロットグループにおけるスロット面積及び基板表面のスロット総面積を小さくし、さらに電池セルの開放電圧損失を低減し、太陽電池の光電変換効率を高めることができる。また、第2方向に沿って、隣接するスロット間の間隔とスロットの最大寸法とは0<d<4Lという関係を満たすことで、隣接するスロット間の間隔が小さすぎると隣接するスロットが重なって型開け損傷が増大するという問題を避け、かつ隣接するスロットの間隔が大きすぎることに起因して隣接するスロットの間のグリッドセグメントの中央領域に位置するグリッド線の幅が狭すぎてグリッド線の電流伝送能力が低下するという問題を避け、太陽電池の光生成キャリアの生成能力及びグリッド線の電流伝送能力を確保することができる。第2方向に沿って延びるグリッド線を製造する過程において、各スロットグループの上方に基板の表面に位置する第1メッキ層を製造し、第1メッキ層はスロットグループにおける各スロット内に位置する延伸部を含み、かつ延伸部を介して基板の内部と接触し、スロットグループにおける各スロット内に位置する延伸部を含み、かつ延伸部を介して基板の内部と接触する第1メッキ層を製造することで、グリッド線と基板との間の結合力を向上させ、太陽電池セルのグリッド線の脱落に起因する太陽電池セルの光電変換効率の低下を避け、太陽電池セルの光電変換効率をさらに確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
一つ又は複数の実施例は、対応する添付の図面における図で例示的に説明され、これらの例示的な説明は、実施例を限定するものではなく、特に断りのない限り、添付の図面における図は比例上の制限を形成しない。
【
図1】
図1は、本願の一実施例により提供される太陽電池のスロットの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本願の一実施例により提供される太陽電池のグリッド線の構成を示す図である。
【
図3】
図3は、本願の一実施例により提供される太陽電池の第1メッキ層の構成を示す図である。
【
図4】
図4は、本願の一実施例に係る太陽電池のスロットの構成を示す部分拡大図である。
【
図5】
図5は、本願の一実施例に係る太陽電池のスロットの構成を示す別の部分拡大図である。
【
図6】
図6は、本願の一実施例に係る太陽電池のスロットの構成を示す別の部分拡大図である。
【
図7】
図7は、本願の一実施例に係る別の太陽電池のグリッド線の構成を示す図である。
【
図8】
図8は、本願の別の実施例に係る太陽電池の製造方法のフローチャートである。
【
図9】
図9は、本願の別の実施例に係る光起電力モジュールの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
背景技術から分かるように、従来技術の太陽電池には、光電変換効率が低いという問題がある。
【0028】
本願の一実施例では、太陽電池が提供され、太陽電池の表面にグリッド線を設置する過程において、基板の表面に第1方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロットグループが形成され、各スロットグループは第2方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロットを含み、かつ第2方向に沿って、隣接するスロット間の間隔が0より大きくかつスロットの最大寸法の4倍より小さい。第2方向に沿って、隣接するスロット間の間隔が0より大きくかつスロット最大寸法の4倍より小さい複数のスロットを設けてスロットグループを形成することにより、スロットグループのスロットパターンが不連続なドット状パターンで構成されることに類似して、スロット面積を小さくし、さらにセルの開放電圧損失を低減し、光生成キャリアの生成能力を確保し、グリッド線の幅が小さすぎるグリッドセグメントの存在を避け、グリッド線の電流伝送能力を確保し、太陽電池の光電変換効率を高めることができる。グリッド線を製造する過程において、基板表面に位置する第1メッキ層を各スロットに製造し、第1メッキ層はスロットグループにおける各スロット内に位置する延伸部を含み、かつ延伸部を介して基板内部と接触する。グリッド線に対して、スロットグループにおける各スロット内に位置する延伸部を介して基板内部と接触する第1メッキ層を設けることで、グリッド線と基板との結合力を高め、基板表面のグリッド線の脱落に起因する太陽電池セルの光電変換効率の低下を避け、太陽電池セルの光電変換効率をさらに確保することができる。
【0029】
以下、本願の各実施例について図面を結合して詳細に説明する。しかしながら、当業者は理解できるが、読者に本願をよりよく理解させるために、本願の各実施例において多数の技術的細部が提案されているが、これらの技術的細部または以下の各実施例に基づく種々の変更や修正がなくても、本願が保護を要求している技術案を実現することができる。
【0030】
図1~3に示すように、
図1は太陽電池表面のスロットの構成を示す図であり、
図2は太陽電池表面のグリッド線の構成を示す図であり、
図3は第1メッキ層の構成を示す図であり、太陽電池は、基板101と、基板101の表面に位置して第2方向に沿って延びる複数のグリッド線104と、を含み、基板101の表面が第1方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロットグループ102を含み、スロットグループ102が第2方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロット103を含み、第2方向に沿って、0<d<4Lであり、ここで、dが隣接するスロット103間の間隔であり、Lがスロット103の最大寸法であり、各グリッド線104は、対応するスロットグループ102によって限定された領域内にそれぞれ位置し、グリッド線104は、基板101の表面に位置する第1メッキ層105を含み、第1メッキ層105は、スロットグループ102における各スロット103内に位置する延伸部1051を含み、かつ延伸部1051を介して基板101の内部と接触し、ここで、X方向が第1方向であり、Y方向が第2方向である。
【0031】
基板101の表面に第1方向に沿って間隔をあけて配置されるスロットグループ102は、レーザーエッチング、スラリーエッチング、イオンエッチング等の方式によって形成することができ、スロットグループ102には、第2方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロット103を含み、かつ第2方向に沿って、隣接するスロット103間の間隔dが、0より大きくかつスロット103の最大寸法Lの4倍より小さく、例えば、dが0.5L、1L、1.5L、2Lまたは3L等であってもよい。太陽電池セルの基板101の表面にスロットを開けて、第1方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロットグループ102を構築する過程において、各スロットグループ102について、第2方向に沿って複数のスロット103を間隔をあけて配置し、かつ隣接するスロット103間の間隔dが0より大きくスロット103の最大寸法Lの4倍より小さいことを確保する。第2方向に沿って、隣接するスロット103間の間隔dを0~ロット103の最大寸法Lの4倍に設定して、間隔をあけて配置される複数のスロット103からなるスロットグループ102を形成することで、スロットグループ102内のスロットパターンが不連続なドット状のスロットパターンから構成されることに類似し、基板101の表面におけるスロットの面積を小さくし、太陽電池の開放電圧損失を低減し、太陽電池の光電変換効率を高めることができる。第2方向に沿って延びるグリッド線104を製造する過程において、グリッド線104は基板101の表面に位置する第1メッキ層105を介して基板101と接触し、第1メッキ層105はスロットグループ102における各スロット103を介して基板101と内部的と接触する延伸部1051を含む。第1メッキ層105は基板101の表面に位置する部分だけでなく、基板101と内部的と接触する延伸部1051も含むため、グリッド線104と基板101との結合力を大幅に高め、基板101に設置されるグリッド線104の強固さを確保し、基板101に位置するグリッド線104の脱落が発生して太陽電池の電流集約能力を低下させてしまうことを可能な限り回避し、太陽電池の光電変換効率をさらに確保することができる。
【0032】
また、第2方向に沿って、隣接するスロット103間の間隔とスロット103の最大寸法とは0<d<4Lという関係を満たし、隣接するスロット103間の間隔が0より大きいことを確保することで、隣接するスロット103間の間隔が小さすぎると隣接するスロット103が重なって型開け損傷が増大するという問題を避け、太陽電池の光生成キャリアの生成能力を確保することができる。グリッド線104は各スロット103を起点として第2方向に成長するため、成長したグリッド線104はスロット103の中央に位置する幅が最も大きく、かつグリッド線104の幅は現在の位置と隣接するスロット103の中央との間隔が大きくなるにつれて次第に小さくなる。そのため、隣接するスロット103間の間隔を4Lより小さい値に設定し、隣接するスロット103間のグリッドセグメントの中央領域に位置するグリッド線104の幅が十分に大きくなるように確保し、隣接するスロット103の間隔が大きすぎることに起因して隣接するスロット103の間のグリッドセグメントの中央領域に位置するグリッド線104の幅が狭すぎてグリッド線の電流伝送能力が低下するという問題を避け、グリッド線の電流伝送能力を確保することができる。また、グリッド線104に狭すぎるグリッドセグメントが存在しないことを確保するとともに、スロット103に位置するグリッド線104の幅が大きすぎることに起因してグリッド線104が基板101の表面に占める表面積が増加して太陽電池の光吸収面積が低下するという問題を避け、太陽電池の光吸収能力を確保することができる。
【0033】
基板101は入射光を受光して光生成キャリアを生成するために用いられ、いくつかの実施例では、基板101はシリコン基板であってもよく、シリコン基板の材料は単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンまたは微結晶シリコンの少なくとも1種であってもよい。他のいくつかの実施例では、基板101の材料は炭化珪素、有機材料または多成分化合物であってもよい。多成分化合物は、ペロブスカイト、ガリウム砒素、テルル化カドミウム、セレン化銅インジウムなどを含むが、これらに限定されない。
【0034】
また、第1方向と第2方向とは互いに直交してもよいし、90度未満の挟角、例えば、60度、45度、30度などが存在してもよく、第1方向と第2方向とは同一方向でなければよい。本実施例では、説明と理解の便宜上、第1方向と第2方向とが互いに直交している場合を例として説明する。具体的な応用において、実際のニーズと応用シナリオに応じて、第1方向と第2方向との挟角の設定を調整することができるが、本実施例ではこれについて限定しない。
【0035】
いくつかの実施例では、第2方向において、スロット103の最大寸法は3μm~50μmである。グリッド線104は第1メッキ層105における延伸部1051を利用して、スロット103を介して基板101の内部と接触し、グリッド線104と基板101との間の接触抵抗はスロット103の断面積とかかわり、スロット103の断面積が大きいほど、グリッド線104が延伸部1051を利用して基板101と電気的と接触する抵抗は小さくなるが、スロット103の断面積が大きすぎると、セルの開放電圧損失が増加し、太陽電池の光電変換効率に影響を及ぼしてしまう。スロット103の幅、深さなどの条件が一致している場合、スロット103の第2方向における最大寸法が小さすぎると、グリッド線104と基板101との電気的接触抵抗が大きすぎるため、グリッド線104の電流集約及び伝送の能力を低減し、スロット103の第2方向における最大寸法が大きすぎると、太陽電池の開放電圧損失が大きすぎるため、電池の光電変換効率が低下してしまう。
【0036】
したがって、グリッド線104と基板101が電気的と接触する接触抵抗と太陽電池の開放電圧損失の両方の観点から、第2方向に沿って、各スロットグループ102を形成するスロット103の最大寸法を3μm~50μmに設定することができる。例えば、第2方向に沿って、スロット103の最大寸法を4μm、6μm、10μm、25μmまたは45μmなどに設定することができる。スロット103の第2方向における最大寸法を3μm~50μmに設定することで、基板101の表面のスロット面積を小さくし、太陽電池セルの開放電圧損失を低減し、太陽電池セルの光電変換効率を高めることができると同時に、グリッド線104が延伸部1051を利用して基板101と接触した時の接触抵抗をできる限り小さくし、接触抵抗が大きすぎてグリッド線104の電流集約及び伝送の能力が低下し、電池セルの効率が低下することを避ける。
【0037】
また、基板101の表面におけるスロット103の断面積が大きすぎないように、スロット103を構築する過程において、スロット103のエッジにおける任意の2点間を結ぶ線の最大寸法を3μm~50μmに設定することができ、例えば、レーザーエッチングを採用してスロット103を形成する場合、レーザースポットのエッジにおける任意の2点間の距離は3μm~50μmである。これにより、基板101の表面におけるスロット103の断面積は直径が3μm~50μmである円の面積の間に制限され、グリッド線104と基板101間の接触抵抗をできる限り低減するとともに、電池セルの開放電圧損失をできる限り低減し、電池セルの効率を確保する。
【0038】
いくつかの実施例では、第2方向において、隣接するスロット103間の間隔は200μmより小さい。基板101の第2方向に沿った最大寸法が一致している場合、スロットグループ102に含まれるスロット103の数は、スロット103の第2方向に沿った最大寸法だけでなく、隣接するスロット103の第2方向に沿った間隔にもかかわっている。第2方向に沿って、隣接するスロット103間の間隔が大きすぎると、スロットグループ102に含まれるスロット103の数が少なくなり、さらに基板101の表面のスロット面積が小さくなり、グリッド線104と基板101との接触抵抗が大きくなり、グリッド線104の電流集約及び伝送の能力が悪くなり、電池セルの光電変換効率が低くなる。
【0039】
したがって、グリッド線104と基板101との接触抵抗及び電池セルの開放電圧損失の両方の観点から、スロット103を設置する過程において、第2方向におけるスロット103の最大寸法と隣接するスロット103の間隔との関係だけでなく、隣接するスロット103の第2方向における間隔の最大寸法を制限し、第2方向に沿って、隣接するスロット103の間隔を200μmより小さい範囲に設定する必要があり、例えば、スロット103の最大寸法に基づいて、隣接するスロット103の間隔を3μm、6μm、12μm、60μmまたは120μmなどに設定することができる。これにより、基板101の表面のスロット面積が十分に大きいことを確保し、グリッド線104の電流集約及び伝送の能力の低下に起因する電池セルの効率低下を避けることができる。
【0040】
理解できるように、隣接するスロット103間の間隔は、同じであってもよいし、異なっていてもよく、第2方向に沿って、隣接するスロット103の間隔が200μm以下であり、かつ、0より大きくスロット103の最大寸法の4倍より小さいという条件を満たせばよく、本実施例では、隣接するスロット103間の間隔が一致するか否かについて制限しない。
【0041】
いくつかの実施例では、スロット103の基板101の表面における正投影の形状は、円形、楕円形または多角形を含む。スロット103は、グリッド線104における第1メッキ層105の延伸部1051を収容する機能を果たし、これによって、延伸部1051が基板101の内部と接触できるようになる。したがって、第1メッキ層105を製造する時に選択された材料とグリッド線104の具体的な応用シナリオに応じて、スロット103の基板101の表面における正投影の形状を設定することができる。
【0042】
例えば、第1メッキ層105を製造するために選択された材料自体の電気抵抗が大きい場合、正投影が面積の大きな円形または楕円形であるスロット103を基板101の表面に形成し、グリッド線104が延伸部1051を利用してスロット103を介して基板101の内部と電気的と接触する時の接触面積をできる限り増やし、グリッド線104と基板101間の接触抵抗を下げることができる。第1メッキ層105を製造するために選択された材料自体の電気抵抗が小さい場合、正投影が面積の小さい三角形または菱形などの多角形であるスロット103を基板101の表面に形成することができ、基板101におけるスロット面積をできる限り小さくし、太陽電池の開放電圧損失を低減し、太陽電池の光電変換効率を高めることができる。したがって、応用シナリオ及び必要に応じて、スロット103の基板101の表面における正投影を調整して、断面積の異なるスロット103を形成することができる。これにより、グリッド線104と基板101の間の接触抵抗をできる限り下げると同時に、太陽電池の開放電池損失を低減し、太陽電池の光電変換効率をできる限り高めることができる。
【0043】
いくつかの実施例では、基板101の表面に垂直な方向において、スロット103の最大深さは1μmより小さい。スロット103を製造する過程において、必要に応じて製造されたスロット103の基板101の表面における正投影の形状を選択することができる。説明の便宜上、以下では、スロット103の基板101の表面における正投影が円形である場合を例として説明する。
【0044】
図2~4に示すように、
図4は1つのスロット103を拡大する構成を示す図であり、スロット103が位置する基板101の表面に垂直な方向において、スロット103の最大深さSは、スロット103が基板101内に延びる最大延伸長さであり、S=S1-S2という式により算出されることができ、ここで、S1はスロット103が位置する基板101の表面に垂直な方向における基板101の最大深さであり、S2は、基板101の表面に垂直な方向において、スロット103が基板101内のスロット103から離れる基板101の第1表面に位置するエッジと、スロット103が位置する第1表面に対向する基板101における第2表面との間隔の最大値である。
【0045】
スロット103を製造する時に、スロット103が位置する基板101の表面に垂直な方向において、スロット103の最大深さは太陽電池の開放電圧損失に影響を与え、さらに太陽電池の光電変換効率に影響を与える。したがって、スロット103のスロット深さが大きすぎる場合、すなわちスロット103が位置する基板101の表面に垂直な方向において、スロット103が基板101の内部に向かって延びる距離が大きすぎる場合、太陽電池に大きな開放電圧損失が発生し、太陽電池の光電変換効率が低下してしまう。このため、スロット103を設置する場合、基板101の表面に垂直な方向において、スロット103の最大深さを1μmより小さい範囲内、例えば0.1μm、0.15μm、0.3μm、0.5μm、0.85μmなどに設定する必要がある。これにより、スロット103のスロット深さの太陽電池の開放電圧損失に対する影響を低減し、開放電圧損失が大きすぎることに起因する太陽電池の光電変換効率の低下を避けるとともに、第1メッキ層105と基板101の間の結合力が十分に大きいことをできる限り確保し、基板101の表面におけるグリッド線104が脱落して太陽電池の電流集約及び伝送の能力が低下して太陽電池の効率に影響を与えることを避けることができる。
【0046】
また、
図1、
図5及び
図6に示すように、
図5は基板101の平面構造に誘電体膜層106が存在するスロット103の構成を示す図であり、
図6は基板101のテクスチャー構造に誘電体膜層106が存在するスロット103の構成を示す図である。基板101の表面が平面構造であり、かつ平面構造に誘電体膜層106が存在する場合、基板101の表面に垂直な方向において、スロット103の最大深さは、スロット103の基板101内部における延伸距離だけでなく、スロット103が貫通する誘電体膜層106の最大厚さも含み、スロット103の基板101内部における延伸距離が1μmを超えないように制御する必要がある。したがって、スロット103を製造する過程において、スロット103が位置する基板101の表面に垂直な方向において、誘電体膜層106の最大厚さに応じて、スロット103の最大深さを適切に増やすことにより、スロット103の最大深さが誘電体膜層106の最大厚さより大きく、かつ誘電体膜層106の最大厚さ+1μmより小さいことを確保することができる。基板101の表面がテクスチャー構造であり、かつテクスチャー構造に誘電体膜層106が存在した場合、スロット領域は隣接する2つのテクスチャー突起部の間の領域であってもよく、スロット103が位置する基板101の表面に垂直な方向において、スロット103の最大深さは、スロット領域に含まれないテクスチャー突起部における誘電体膜層106のエッジと基板101の表面との最大間隔Aと、スロット領域に含まれるテクスチャー突起部における誘電体膜層106のエッジと基板101の表面との最大間隔Bと、の差である。したがって、テクスチャー構造の基板101にスロット103を形成する過程において、選択された隣接する2つのテクスチャー突起部の間では、スロット103が位置する基板101の表面に垂直な方向において基板101内に向かってエッチングし、かつエッチング前後において、テクスチャー突起部における誘電体膜層106と基板101の表面間の最大間隔の差は1μmを超えない。
【0047】
図1~7に示すように、いくつかの実施例では、グリッド線104は、第1メッキ層105の基板101から離れる表面に位置する第2メッキ層107と、第2メッキ層107の基板101から離れる表面に位置する第3メッキ層108と、をさらに含む。
【0048】
グリッド線104を構築する過程において、グリッド線104と基板101との間の結合の強固さだけでなく、太陽電池使用中、グリッド線104の電流伝送能力及びスクレーピング、衝突などが発生した後の作動能力も配慮する必要がある。したがって、グリッド線104を製造する過程において、グリッド線104を第1メッキ層105と、第1メッキ層105の基板101から離れる表面に位置する第2メッキ層107と、第2メッキ層107の基板101から離れる表面に位置する第3メッキ層108とから構成かれるように設置することができる。ここで、第1メッキ層105の主な機能は、基板101の表面と接触する部分と、スロット103に位置しかつ基板101の内部と接触する延伸部1051とによって、基板101と十分に結合し、グリッド線104と基板101の結合の安定性を高めることであり、第2メッキ層107の主な機能は、グリッド線104の電流伝送中核として集約された電流を伝送することであり、第3メッキ層108の主な機能は、第2メッキ層107の保護層として、スクレーピングまたは衝突が発生した場合に、第2メッキ層107が損傷したり破断したりすることを避け、グリッド線104の電流集約及び伝送の能力を確保することである。
【0049】
したがって、グリッド線104を製造する過程において、3つのメッキ層を重ねてグリッド線104を構成し、第1メッキ層105によってグリッド線104と基板101の間の結合安定性を効果的に向上させ、第2メッキ層107によってグリッド線104の電流伝送能力を確保し、第3メッキ層108によってグリッド線104の実際応用における適応能力を効果的に向上させ、グリッド線104が破断する可能性を低減し、グリッド線104の作動安定性を向上させ、太陽電池の光電変換効率を確保する。
【0050】
いくつかの実施例では、基板101の表面に垂直な方向において、第2メッキ層107の最大厚さは、第1メッキ層105の最大厚さ及び第3メッキ層108の最大厚さよりも大きい。
【0051】
第2メッキ層107は、基板101と接触する第1メッキ層105と上層に位置する第3メッキ層108との間に位置し、第2メッキ層107の中核機能は基板101で発生した電流を集約して伝送することであり、第2メッキ層107の電流集約及び伝送の能力は自身の電気抵抗と相関がある。製造過程で採用される材質と方法が一致している場合、同じ長さの第2メッキ層107の電気抵抗の大きさが自身の断面積と相関があり、断面積は、第2メッキ層107の基板101の表面に垂直な方向における最大厚さ及び第2メッキ層107の第2方向に垂直な方向における最大厚さと相関がある。第2メッキ層107の第2方向に垂直な方向における最大厚さが一定である場合、第2メッキ層107の電気抵抗は、基板101の表面に垂直な方向における第2メッキ層107の最大厚さと負の相関がある。
【0052】
したがって、グリッド線104自体の全体厚さが一定であることを考慮した上で、基板101の表面に垂直な方向において、第2メッキ層107の最大厚さを可能な限り増やし、第2メッキ層107の最大厚さを第1メッキ層105の最大厚さ及び第3メッキ層108の最大厚さより大きくするようにすることで、グリッド線104の全体抵抗を低減し、グリッド線104の電流集約及び伝送の能力を高め、太陽電池の光電変換効率を確保する。
【0053】
いくつかの実施例では、基板101の表面に垂直な方向において、第2メッキ層107の最大厚さは、2μm~30μmである。第2メッキ層107の中核機能は、電流を集約かつ伝送するグリッド線104の中核層とすることで、第2メッキ層107は、その断面積が大きいほどその電気抵抗が小さくなり、電流に対する集約伝送能力も高くなる。グリッド線104の全体厚さ及び電流集約及び伝送の能力の両方の要求を配慮して、メッキ層が位置する基板101の表面に垂直な方向において、第2メッキ層107は、最大厚さが小さすぎる場合、その断面積が小さすぎるため、電気抵抗が大きすぎるようになり、効果的に電流集約と電流伝送を行うことができなくなる。第2メッキ層107の最大厚さが大きすぎる場合、グリッド線104の全体厚さが大きすぎるため、グリッド線104の製造コストが増加し、かつ太陽電池の重量が大きすぎるようになってしまう。
【0054】
したがって、第2メッキ層107を製造する時、基板101の表面に垂直な方向において、第2メッキ層107の最大厚さは、2μm~30μm、例えば、3μm、5μm、8μm、15μmまたは25μmなどに設定される。第2メッキ層107の断面積が十分に大きくることを確保し、第2メッキ層107の電気抵抗が大きすぎることを避け、グリッド線104の電流集約及び伝送の能力を確保すると同時に、グリッド線104の全体厚さが適切であり、グリッド線104の製造コストと太陽電池の重量を下げることを確保する。
【0055】
理解できるように、第2メッキ層107を製造する過程において、太陽電池の正面と裏面の性能に一定の相違点があることを配慮して、太陽電池の正面に位置するグリッド線104を製造する過程では、メッキ層が位置する基板101の表面に垂直な方向における第2メッキ層107の最大厚さは3μm~15μm、例えば、4μm、6μm、9μmまたは13μmなどに設定されることができる。太陽電池の裏面に位置するグリッド線104を製造する過程では、基板101の表面に垂直な方向における第2メッキ層107の最大厚さは7μm~20μm、例えば8μm、10μm、13μmまたは16μmなどに設定されることができる。本実施例では、基板101の表面に垂直な方向における第2メッキ層107の最大厚さの具体的な値について制限しない。
【0056】
いくつかの実施例では、基板101の表面に垂直な方向において、第3メッキ層108の最大厚さは、10nm~5μmである。第3メッキ層108の中核機能は、第2メッキ層107の保護層として、グリッド線104にスクレーピングまたは衝突が発生した場合、第2メッキ層107が損傷したり破断したりすることを避けることである。グリッド線104の全体厚さ及び第3メッキ層108の第2メッキ層107に対する保護能力の両方の要求を配慮して、メッキ層が位置する基板101の表面に垂直な方向において、第3メッキ層108の最大厚さが小さすぎる場合、保護能力は第3メッキ層108の最大厚さと正比例するため、その保護能力は限られており、グリッド線104に衝突またはスクレーピングが発生した場合、第2メッキ層107を損傷から保護することを確保できない。第3メッキ層108の最大厚さが大きすぎる場合、グリッド線104の全体厚さが大きすぎるため、グリッド線104の製造コストが増加し、太陽電池の重量が大きすぎるようになってしまう。
【0057】
したがって、他の条件が一致している場合、基板101の表面に垂直な方向において、第3メッキ層108の最大厚さは10nm~5μm、例えば、50nm、150nm、500nm、1μm、2μmまたは4μmなどに設定されることができる。第3メッキ層108の第2メッキ層107に対する保護能力を確保すると同時に、グリッド線104の全体厚さが適切であり、グリッド線104の製造コストと太陽電池の重量を削減することを確保する。
【0058】
いくつかの実施例では、基板101の表面に垂直な方向において、第1メッキ層105の最大厚さは、10nm~5μmである。第1メッキ層105の中核機能は、グリッド線104と基板101の間の結合力を高め、太陽電池の使用中にグリッド線104が脱落したり仮想短絡したりすることを避ける。グリッド線104の全体厚さ及び第1メッキ層105の結合力に対する向上効果の両方の要求を配慮して、メッキ層が位置する基板101の表面に垂直な方向において、第1メッキ層105の最大厚さが小さすぎる場合、受力限界が小さく、太陽電池使用中にグリッド線104が脱落したり仮想短絡したりするなどの問題を効果的に避けることができない。第1メッキ層105の最大厚さが大きすぎる場合、グリッド線104の全体厚さが大きすぎて、さらにグリッド線104の製造コストが増加し、太陽電池の重量が大きすぎるようになってしまう。
【0059】
したがって、他の条件が一致している場合、基板101の表面に垂直な方向において、第1メッキ層105の最大厚さは10nm~5μm、例えば、100nm、500nm、1μm、2μmまたは4μmなどに設定されることができる。第1メッキ層105のグリッド線104と基板101間の結合力に対する向上効果を確保し、グリッド線104の脱落を避けると同時に、グリッド線104の全体厚さが適切であり、グリッド線104の製造コストと太陽電池の重量を削減することを確保する。
【0060】
いくつかの実施例では、基板101の表面に垂直な方向において、第1メッキ層105は、順次配置される2つ以上のサブメッキ層を含む。第1メッキ層105の中核機能は、グリッド線104と基板101との結合力を高めることであるため、第1メッキ層105を製造する過程では、メッキ層が位置する基板101の表面に垂直な方向において第1メッキ層105を2つ以上のサブメッキ層に分割し、各サブメッキ層を1つずつ製造して第1メッキ層105を形成することができる。1つずつ製造された2つ以上のサブメッキ層で第1メッキ層105を構成することで、第1メッキ層105は構造のより均一な複数のサブメッキ層によって結合して形成され、第1メッキ層105自体の構造の密着度をさらに向上させ、第1メッキ層105の受力限界を高め、さらにグリッド線104と基板との結合力を向上させ、グリッド線104の脱落や仮想短絡などの問題を可能な限り避けることができる。
【0061】
いくつかの実施例では、第1メッキ層105の導電率は第2メッキ層107の導電率以下である。第1メッキ層105の中核機能はグリッド線104と基板101の間の結合力を高めることであり、第2メッキ層107の中核機能はグリッド線104の電流集約及び伝送の能力を確保することである。したがって、第1メッキ層105を製造する過程において、第1メッキ層105と基板101の間の結合力に対する選択された材料の影響を優先的に考慮し、結合力のより良好な材料を選択して第1メッキ層105を製造する。第2メッキ層107を製造する過程において、選択された材料の導電率を優先的に考慮し、導電率のより良好な材料を選択して第2メッキ層107を製造することで、導電率が低くいが基板101との結合力がより強い第1メッキ層105及び導電率が高い第2メッキ層107を形成し、グリッド線104と基板101との結合安定性を確保するとともに、グリッド線104の電流集約と輸送能力を同時に考慮し、太陽電池の光電変換効率を確保する。
【0062】
いくつかの実施例では、第1方向に沿って、隣接するスロットグループ102間の間隔は、0.5mm~3mmである。グリッド線104は、対応するスロットグループ102によって限定された領域内にそれぞれ位置するため、隣接するスロットグループ102間の間隔は太陽電池の表面におけるグリッド線104の密度に影響を与え、グリッド線104の機能は太陽電池によって発生した電流を集約かつ伝送することである。第1方向に沿って、隣接するスロットグループ102間の間隔が小さいほど、グリッド線104の密度が高くなり、太陽電池の電流集約及び伝送の能力が高くなるとともに、隣接するスロットグループ102の密度が大きいほど、太陽電池の表面のスロット面積も大きくなり、さらに開放電圧損失も大きくなり、電池の電流生成能力が低下してしまう。
【0063】
したがって、第1方向に沿って、隣接するスロットグループ102を設置する過程において、グリッド線104の電流集約及び伝送の能力及び、太陽電池の開放電圧損失と電流発生能力を同時に考慮する必要があり、隣接するスロットグループ102間の間隔を0.5mm~3mm、例えば、0.6mm、1mm、1.5mm、2mmまたは2.8mmなどに設定することにより、太陽電池の表面のグリッド線104の密度を確保し、太陽電池の電流集約及び伝送の能力を高めることができるだけでなく、太陽電池の開放電圧損失が大きすぎないように確保し、太陽電池の電流生成能力と光電変換効率に影響を与えることを避けることができる。
【0064】
以上のように、本願の一実施例が提供する太陽電池では、基板101の表面に第1方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロットグループ102を構築し、各スロットグループ102が第2方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロット103を含み、かつ第2方向に沿って、隣接するスロット103間の間隔が0より大きくスロット103の最大厚さの4倍より小さく、これによって、スロットグループ102のスロットパターンが不連続なドット状パターンで構成され、スロット面積を小さくし、さらに電池セルの開放電圧損失を低減し、太陽電池の光電変換効率を高めることができる。グリッド線104を製造する過程において、各スロットグループ102に基板101の表面に位置する第1メッキ層105を製造し、第1メッキ層105はスロットグループ102における各スロット103内に位置する延伸部1051を含み、かつ延伸部1051を介して基板101の内部と接触し、グリッド線104と基板101との間の結合力を向上させ、基板101の表面におけるグリッド線104の脱落に起因する太陽電池セルの光電変換効率の低下を避け、太陽電池セルの光電変換効率をさらに確保できる。
【0065】
また、本願の他の一実施例は、上記の実施例に係る太陽電池を形成できる太陽電池の製造方法をさらに提供する。
図8に示すように、製造方法の具体的な流れは、以下のステップを含む。
【0066】
基板101を提供する。
【0067】
図1と
図3に示すように、基板101に複数のスロットグループ102を形成する。
【0068】
基板101の表面に複数のスロットグループ102を形成する過程において、第1方向に沿って複数のスロットグループ102を間隔をあけて配置し、各スロットグループ102には、第2方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロット103が含まれ、かつ第2方向に沿って、0<d<4Lであり、dが隣接するスロット103間の間隔であり、Lがスロット103の最大寸法である。
【0069】
いくつかの実施例では、スロットグループ102を形成する工程は、レーザーエッチング、イオンエッチングまたはスラリーエッチングを含む。複数のエッチング工程から、応用シナリオと必要に応じて適切な工程を選択し、考案の適応性を高める。
【0070】
図2と
図3に示すように、各スロットグループ102に第2方向に沿って延びる複数のグリッド線104をそれぞれ形成する。
【0071】
複数のグリッド線104を形成する過程において、基板101の表面に位置し、スロットグループ102における各スロット103内に位置する延伸部1051を含み、かつ延伸部1051を介して基板101の内部と接触する第1メッキ層105を各スロットグループ102に形成し、そして、第1メッキ層105に各グリッド線104を形成する。
【0072】
いくつかの実施例では、第1メッキ層105を形成する工程は、電気メッキ、化学メッキまたは物理気相成長を含む。複数のメッキ層の生産工程で応用シナリオと必要に応じて適切な工程を選択し、考案の適応性と実用性を高める。
【0073】
図2と
図7に示すように、いくつかの実施例では、グリッド線104を形成する工程ステップは、電気メッキ工程によって第1メッキ層105の基板101から離れる表面に第2メッキ層107を形成することをさらに含む。
【0074】
いくつかの実施例では、グリッド線104を形成する工程ステップは、電気メッキ工程または化学メッキ工程によって第2メッキ層107の基板101から離れる表面に第3メッキ層108を形成することをさらに含む。
【0075】
第1メッキ層105の材料は、ニッケル、銅、チタン、アルミニウム、金、亜鉛、コバルト、パラジウム、インジウム、クロム、タングステンのうちの1種または複数種を含み、第2メッキ層107は銅などであってもよく、第3メッキ層108は錫または銀などであってもよい。
【0076】
それに対応して、本願の別の実施例は、光起電力モジュールをさらに提供し、
図9を参照すると、光起電力モジュールは、上記実施例で提供された太陽電池100を複数接続してなる電池ストリングと、電池ストリングの表面を覆うための封止層120と、封止層120の電池ストリングから離れた表面を覆うためのカバープレート130と、を含む。太陽電池110は、全体または複数のスライスの形で電気的に接続されることで複数の電池ストリングを形成し、複数の電池ストリングは、直列及び/又は並列に電気的に接続されている。
【0077】
具体的には、いくつかの実施例において、複数のセルストリング間は、伝導バンド140によって電気的に接続されていてもよい。封止層120は、太陽電池110の正面又は裏面を覆い、具体的には、封止層120は、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)接着フィルム、ポリエチレンオクテン-エラストマー(POE)接着フィルム、またはポリエチレンテレフタレート(PET)接着フィルム等の有機封止フィルムであってもよい。いくつかの実施例において、カバープレート130は、ガラスカバープレートやプラスチックカバープレートなどの光透過機能を有するカバープレートであってもよい。具体的には、カバープレート130の封止層120に向かう表面を凹凸面にしてもよく、これによって、入射光線の利用率を高めることができる。
【0078】
本願は、好ましい実施例で上記のように開示されているが、特許請求の範囲を限定するものではなく、いずれの当業者であれば、本願の構想から逸脱することなく、若干の可能な変動及び修正を加えることができるため、本願の保護範囲は、本願の請求項によって規定される範囲に従うべきである。
【0079】
当業者であれば、前記の各実施形態は本願を実現する具体的な実施例であるが、実用上では本願の精神と範囲を逸脱することなく、形式及び細部において様々な変更が可能であることが理解できる。いずれの当業者は、本願の精神と範囲を逸脱しない限り、それぞれ変更及び修正を行うことが可能であるため、本願の保護範囲は、請求項に限定された範囲を基準にすべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板の表面に位置して第2方向に沿って延びる複数のグリッド線と、を含み、
前記基板の表面が第1方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロットグループを含み、前記スロットグループが第2方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロットを含み、前記第2方向に沿って、0<d<4Lであり、ここで、dが隣接する前記スロット間の間隔であり、Lが前記スロットの最大寸法であり、
各前記グリッド線は、対応する前記スロットグループによって限定された領域内にそれぞれ位置し、前記グリッド線は、前記基板の表面に位置する第1メッキ層を含み、前記第1メッキ層は、前記スロットグループにおける各前記スロット内に位置する延伸部を含み、かつ前記延伸部を介して前記基板の内部と接触し、前記グリッド線は、前記第1メッキ層の前記基板から離れる表面に位置する第2メッキ層と、前記第2メッキ層の前記基板から離れる表面に位置する第3メッキ層と、をさらに含む、
ことを特徴とする太陽電池。
【請求項2】
前記第2方向において、前記スロットの最大寸法は3μm~50μmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記第2方向において、隣接する前記スロット間の間隔は200μmより小さい、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記基板の表面に垂直な方向において、前記スロットの最大深さは1μmより小さい、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項5】
前記スロットの前記基板の表面における正投影の形状は、円形、楕円形または多角形を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項6】
前記基板の表面に垂直な方向において、前記第2メッキ層の最大厚さは、前記第1メッキ層の最大厚さ及び前記第3メッキ層の最大厚さよりも大きい、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項7】
前記基板の表面に垂直な方向において、前記第2メッキ層の最大厚さは、2μm~30μmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項8】
前記基板の表面に垂直な方向において、前記第3メッキ層の最大厚さは、10nm~5μmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項9】
前記第1メッキ層の導電率は前記第2メッキ層の導電率以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項10】
前記基板の表面に垂直な方向において、前記第1メッキ層の最大厚さは、10nm~5μmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項11】
前記基板の表面に垂直な方向において、前記第1メッキ層は、順次配置される2つ以上のサブメッキ層を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項12】
前記第1方向に沿って、隣接する前記スロットグループ間の間隔は、0.5mm~3mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項13】
基板を提供することと、
前記基板の表面に第1方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロットグループを形成することであって、前記スロットグループは、第2方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロットを含み、前記第2方向に沿って、0<d<4Lであり、dが隣接する前記スロット間の間隔であり、Lが前記スロットの最大寸法であることと、
前記基板の表面における各前記スロットグループに前記第2方向に沿って延びる複数のグリッド線を形成することであって、前記グリッド線は、前記基板の表面に位置する第1メッキ層を含み、前記第1メッキ層は、前記スロットグループにおける各前記スロット内に位置する延伸部を含み、かつ前記延伸部を介して前記基板の内部と接触し、前記グリッド線は、前記第1メッキ層の前記基板から離れる表面に位置する第2メッキ層と、前記第2メッキ層の前記基板から離れる表面に位置する第3メッキ層と、をさらに含むことと、を含む、
ことを特徴とする太陽電池の製造方法。
【請求項14】
前記スロットグループを形成する工程は、レーザーエッチング、イオンエッチングまたはスラリーエッチングを含む、
ことを特徴とする請求項13に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項15】
前記第1メッキ層を形成する工程は、電気メッキまたは化学メッキを含む、
ことを特徴とする請求項13に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項16】
前記グリッド線を形成する工程ステップは、電気メッキ工程によって前記第1メッキ層の前記基板から離れる表面に前記第2メッキ層を形成することをさらに含む、
ことを特徴とする請求項13に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項17】
前記グリッド線を形成する工程ステップは、電気メッキ工程または化学メッキ工程によって前記第2メッキ層の前記基板から離れる表面に前記第3メッキ層を形成することをさらに含む、
ことを特徴とする請求項16に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項18】
請求項1~12のいずれか1項に記載の太陽電池を複数接続してなる電池ストリングと、
前記電池ストリングの表面を覆うための封止層と、
前記封止層の前記電池ストリングから離れた表面を覆うためのカバープレートと、を含む、
ことを特徴とする光起電力モジュール。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0072】
いくつかの実施例では、第1メッキ層105を形成する工程は、電気メッキまたは化学メッキを含む。複数のメッキ層の生産工程で応用シナリオと必要に応じて適切な工程を選択し、考案の適応性と実用性を高める。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板の表面に位置して第2方向に沿って延びる複数のグリッド線と、を含み、
前記基板の表面が第1方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロットグループを含み、前記スロットグループが第2方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロットを含み、前記第2方向に沿って、0<d<4Lであり、ここで、dが隣接する前記スロット間の間隔であり、Lが前記スロットの最大寸法であり、
各前記グリッド線は、対応する前記スロットグループによって限定された領域内にそれぞれ位置し、前記グリッド線は、前記基板の表面に位置する第1メッキ層を含み、前記第1メッキ層は、前記基板の表面に位置する部分と、前記スロットグループにおける各前記スロット内に位置しかつ前記基板の内部と接触する延伸部と、を含み、前記グリッド線は、前記第1メッキ層の前記基板から離れる表面に形成される第2メッキ層と、前記第2メッキ層の前記基板から離れる表面に形成される第3メッキ層と、をさらに含み、前記基板の表面に垂直な方向において、前記第2メッキ層の最大厚さは、前記第1メッキ層の最大厚さ及び前記第3メッキ層の最大厚さよりも大きく、前記第3メッキ層の材料は錫または銀である、
ことを特徴とする太陽電池。
【請求項2】
前記第2方向において、前記スロットの最大寸法は3μm~50μmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記第2方向において、隣接する前記スロット間の間隔は200μmより小さい、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記基板の表面に垂直な方向において、前記スロットの最大深さは1μmより小さい、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項5】
前記スロットの前記基板の表面における正投影の形状は、円形、楕円形または多角形を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項6】
前記基板の表面に垂直な方向において、前記第2メッキ層の最大厚さは、2μm~30μmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項7】
前記基板の表面に垂直な方向において、前記第3メッキ層の最大厚さは、10nm~5μmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項8】
前記第1メッキ層の導電率は前記第2メッキ層の導電率以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項9】
前記基板の表面に垂直な方向において、前記第1メッキ層の最大厚さは、10nm~5μmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項10】
前記基板の表面に垂直な方向において、前記第1メッキ層は、順次配置されかつ1つずつ製造された2つ以上のサブメッキ層を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項11】
前記第1方向に沿って、隣接する前記スロットグループ間の間隔は、0.5mm~3mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項12】
基板を提供することと、
前記基板の表面に第1方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロットグループを形成することであって、前記スロットグループは、第2方向に沿って間隔をあけて配置される複数のスロットを含み、前記第2方向に沿って、0<d<4Lであり、dが隣接する前記スロット間の間隔であり、Lが前記スロットの最大寸法であることと、
前記基板の表面における各前記スロットグループに前記第2方向に沿って延びる複数のグリッド線を形成することであって、前記グリッド線は、前記基板の表面に位置する第1メッキ層を含み、前記第1メッキ層は、前記基板の表面に位置する部分と、前記スロットグループにおける各前記スロット内に位置しかつ前記基板の内部と接触する延伸部と、を含み、前記グリッド線は、前記第1メッキ層の前記基板から離れる表面に形成される第2メッキ層と、前記第2メッキ層の前記基板から離れる表面に形成される第3メッキ層と、をさらに含み、前記基板の表面に垂直な方向において、前記第2メッキ層の最大厚さは、前記第1メッキ層の最大厚さ及び前記第3メッキ層の最大厚さよりも大きく、前記第3メッキ層の材料は錫または銀であることと、を含む、
ことを特徴とする太陽電池の製造方法。
【請求項13】
前記スロットグループを形成する工程は、レーザーエッチング、イオンエッチングまたはスラリーエッチングを含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項14】
前記第1メッキ層を形成する工程は、電気メッキまたは化学メッキを含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項15】
前記グリッド線を形成する工程ステップは、電気メッキ工程によって前記第1メッキ層の前記基板から離れる表面に前記第2メッキ層を形成することをさらに含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項16】
前記グリッド線を形成する工程ステップは、電気メッキ工程または化学メッキ工程によって前記第2メッキ層の前記基板から離れる表面に前記第3メッキ層を形成することをさらに含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項17】
請求項1~11のいずれか1項に記載の太陽電池を複数接続してなる電池ストリングと、
前記電池ストリングの表面を覆うための封止層と、
前記封止層の前記電池ストリングから離れた表面を覆うためのカバープレートと、を含む、
ことを特徴とする光起電力モジュール。