(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068059
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】プリント回路基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/46 20060101AFI20240510BHJP
H05K 1/18 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
H05K3/46 T
H05K3/46 N
H05K3/46 Q
H05K1/18 S
H05K1/18 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016904
(22)【出願日】2023-02-07
(31)【優先権主張番号】10-2022-0147167
(32)【優先日】2022-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】辛 在浩
【テーマコード(参考)】
5E316
5E336
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
【課題】信号経路の連結を多様にすることができるプリント回路基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、第1絶縁層及び第1コアを含む第1コア層、第2絶縁層及び第2コアを含む第2コア層、第1コアに埋め込まれた第1素子、第2コアに埋め込まれた第2素子、第1コア層に配置され、第1素子と電気的に連結される第1パッド及び第2パッド、第2コア層に配置され、第2素子と電気的に連結される第3パッド及び第4パッド、並びに第1コア層の一面と第2コア層の一面との間に介在する第1連結層を含み、第1パッドと第3パッドとは互いに接して電気的に連結され、第1連結層は、SiO
2、SiN、SiCNのうち少なくとも1つの材料を含む、プリント回路基板及びその製造方法に関するものである。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁層及び第1コアを含む第1コア層と、
第2絶縁層及び第2コアを含む第2コア層と、
前記第1コアに埋め込まれた第1素子と、
前記第2コアに埋め込まれた第2素子と、
前記第1コア層に配置され、前記第1素子と電気的に連結される第1パッド及び第2パッドと、
前記第2コア層に配置され、前記第2素子と電気的に連結される第3パッド及び第4パッドと、
前記第1コア層の一面と前記第2コア層の一面との間に介在する第1連結層と、を含み、
前記第1パッドと前記第3パッドとは互いに接して電気的に連結され、
前記第1連結層はSiO2、SiN、SiCNのうち少なくとも1つの材料を含む、プリント回路基板。
【請求項2】
前記第1パッド及び前記第3パッドは、前記第1連結層によって埋め込まれている、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記第1パッドの厚さは前記第2パッドの厚さより薄い、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
前記第3パッドの厚さは前記第4パッドの厚さより薄い、請求項3に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
前記第1コア層の一面及び他面にそれぞれ配置される第1パターン及び第2パターンと、
前記第2コア層の一面及び他面にそれぞれ配置される第3パターン及び第4パターンと、をさらに含み、
前記第1パターン及び前記第3パターンは互いに接して電気的に連結されている、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
前記第1パターン及び前記第3パターンは、前記第1連結層によって埋め込まれている、請求項5に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
前記第1パターンと前記第2パターンとを互いに連結するように前記第1コア層を貫通する第1ビアと、
前記第3パターンと前記第4パターンとを互いに連結するように前記第2コア層を貫通する第2ビアと、をさらに含む、請求項6に記載のプリント回路基板。
【請求項8】
前記第1コア層の他面に配置される第3絶縁層と、
前記第2コア層の他面に配置される第4絶縁層と、
前記第3絶縁層の一面に配置される第1回路層と、
前記第4絶縁層の一面に配置される第2回路層と、をさらに含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項9】
前記第1コア層の他面に配置され、前記第1絶縁層及び前記第2パッドを覆う第2連結層をさらに含み、
前記第2連結層は、SiO2、SiN、SiCNのうち少なくとも1つの材料を含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項10】
前記第2コア層の他面に配置され、前記第2絶縁層及び前記第4パッドを覆う第3連結層をさらに含み、
前記第3連結層は、SiO2、SiN、SiCNのうち少なくとも1つの材料を含む、請求項9に記載のプリント回路基板。
プリント回路基板。
【請求項11】
前記第1コア層の他面及び前記第2コア層の他面にそれぞれ配置されるパターンと、
前記パターンを互いに連結し、前記第1コア層、前記第2コア層、及び前記第1連結層を貫通する貫通ビアと、をさらに含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項12】
複数のコアのそれぞれにキャビティを形成する段階と、
前記キャビティに素子を実装して絶縁層を介して前記素子を埋め込む段階と、
前記絶縁層上に前記素子と連結されるパッドを形成する段階と、
前記絶縁層及び前記パッドを覆い、且つ前記パッドの一面が露出するように連結層を形成する段階と、
前記パッドの露出した一面が互いに接するように前記複数のコアを連結する段階と、を含み、
前記連結層は、SiO2、SiN、SiCNのうちいずれか1つ以上の材料を含む、プリント回路基板の製造方法。
【請求項13】
前記パッドの露出した一面が互いに接するように前記複数のコアを連結する段階は、
前記複数のコアを互いに付着させる段階と、
焼鈍段階と、を含む、請求項12に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項14】
前記絶縁層及び前記パッドを覆い、且つ前記パッドの一面が露出するように連結層を形成する段階は、
前記絶縁層及び前記パッドを覆うように前記連結層を形成する段階と、
前記連結層の少なくとも一部を除去して前記パッドの一面が露出する段階と、を含む、請求項12に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項15】
前記連結層の少なくとも一部を除去して前記パッドの一面が露出する段階は、前記連結層をグラインディングする工程で行われる、請求項14に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項16】
前記連結層は、前記複数のコアのそれぞれの両面に形成される、請求項12に記載のプリント回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント回路基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、人工知能(Artificial Intelligence、AI)技術などの発達により、指数関数的に増加したデータを処理するためのHBM(High Bandwidth Memory)などのメモリチップ及びCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのプロセッサチップなどを含むマルチチップパッケージが使用されている。また、チップを駆動するための様々な電子部品を内蔵している基板構造が使用されており、様々なチップ及び電子部品を基板上に埋め込む基板構造において、基板の厚さの低減及び連結、並びに信号経路を単純化し、かつ多様化しながらも信頼性を向上させるための研究が続いている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の様々な目的の一つは、電子部品などが内蔵されたプリント回路基板において、信号経路の連結を多様にすることができるプリント回路基板及びその製造方法を提供することである。
【0004】
本発明の様々な目的の他の一つは、複数の素子が内蔵されたプリント回路基板及びその製造方法を提供することである。
【0005】
本発明の様々な目的の他の一つは、信頼性を向上させることができるプリント回路基板及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明を通じて提案するいくつかの解決手段の一つは、第1絶縁層及び第1コアを含む第1コア層、第2絶縁層及び第2コアを含む第2コア層、第1コアに埋め込まれた第1素子、第2コアに埋め込まれた第2素子、第1コア層に配置され、第1素子と電気的に連結される第1パッド及び第2パッド、第2コア層に配置され、第2素子と電気的に連結される第3パッド及び第4パッド、並びに第1コア層の一面と第2コア層の一面との間に介在する第1連結層を含み、第1パッドと第3パッドとは互いに接して電気的に連結され、第1連結層は、SiO2、SiN、SiCNのうち少なくとも1つの材料を含む、プリント回路基板を提供することである。
【0007】
本発明を通じて提案するいくつかの解決手段のうち他の一つは、複数のコアにキャビティを形成する段階、キャビティに絶縁層を介して素子を埋め込む段階、絶縁層上に素子と連結されるパッドを形成する段階、絶縁層及び上記パッドを覆い、且つ上記パッドの一面が露出するように連結層を形成する段階、及びパッドの露出した一面が互いに接するように複数のコアを連結する段階を含み、連結層は、SiO2、SiN、SiCNのうち少なくとも1つの材料を含む、プリント回路基板の製造方法を提供することである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の様々な効果のうち一効果として、電子部品などが内蔵されたプリント回路基板において、信号経路の連結を多様にすることができるプリント回路基板及びその製造方法を提供することができる。
【0009】
本発明の様々な効果のうち他の一効果として、複数の素子が内蔵されたプリント回路基板及びその製造方法を提供することができる。
【0010】
本発明の様々な効果のうち他の一効果として、信頼性を向上させることができるプリント回路基板及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【
図2】電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
【
図3】一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【
図4】他の一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【
図5】さらに他の一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【
図6】さらに他の一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【
図7a】一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【
図7b】一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【
図8a】他の一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【
図8b】他の一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【
図9a】さらに他の一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【
図9b】さらに他の一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【
図10a】さらに他の一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【
図10b】さらに他の一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付の図面を参照して本発明について説明する。図面における要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために誇張又は縮小することができる。
【0013】
電子機器
図1は、電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【0014】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/又は電気的に連結されている。これらは、後述する他の電子部品とも結合されて様々な信号ライン1090を形成する。
【0015】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップ;セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップ;アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の異なる形態のチップ関連電子部品が含まれてもよいことは言うまでもない。また、これらのチップ関連部品1020を互いに組み合わせてもよいことは勿論である。チップ関連部品1020は、上述したチップや電子部品を含むパッケージの形態であってもよい。
【0016】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi-Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の異なる多数の無線又は有線標準やプロトコルのうちの任意のものが含まれてもよい。また、ネットワーク関連部品1030をチップ関連部品1020と併せて互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0017】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(low Temperature Co-Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルタ、MLCC(Multi-Layer Ceramic Condenser)などが含まれる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の異なる様々な用途のために使用されるチップ部品形態の受動素子などが含まれてもよい。また、その他の部品1040をチップ関連部品1020及び/又はネットワーク関連部品1030と互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0018】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/又は電気的に連結されても又はされなくてもよい他の電子部品を含むことができる。他の電子部品の例としては、カメラモジュール1050、アンテナモジュール1060、ディスプレイ1070、バッテリ1080などがある。但し、これらに限定されるものではなく、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、羅針盤、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカ、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、CD(compact disk)、DVD(digital versatile disk)などであってもよい。これら以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために使用されるその他の電子部品などが含まれてもよいことは言うまでもない。
【0019】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、個人用情報端末機(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニタ(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビ(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであってもよい。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、データを処理する任意の他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0020】
図2は、電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
【0021】
図面を参照すると、電子機器は、例えば、スマートフォン1100であり得る。スマートフォン1100の内部には、マザーボード1110が収容されており、このようなマザーボード1110には、様々な部品1120が物理的及び/又は電気的に連結されている。また、カメラモジュール1130及び/又はスピーカ1140のようにマザーボード1110に物理的及び/又は電気的に連結されても又はされなくてもよい他の部品が内部に収容されている。部品1120のうち一部は、上述したチップ関連部品であってもよく、例えば、部品パッケージ1121であってもよいが、これに限定されるものではない。 部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品を含む電子部品が表面実装配置されたプリント回路基板の形態であり得る。あるいは、部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品が内蔵されたプリント回路基板の形態であってもよい。一方、電子機器は必ずしもスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述したように他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0022】
プリント回路基板
図3は、一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【0023】
図3を参照すると、一例に係るプリント回路基板は、第1絶縁層121及び第1コア111を含む第1コア層101、第2絶縁層122及び第2コア112を含む第2コア層102、第1コア111に埋め込まれた第1素子201、第2コア112に埋め込まれた第2素子202、第1コア層101に配置され、第1素子201と電気的に連結される第1パッド161及び第2パッド162、第2コア層102に配置され、第2素子202と電気的に連結される第3パッド163及び第4パッド164、並びに第1コア層101の一面と第2コア層102の一面との間に介在する第1連結層171を含み、第1パッド161と第3パッド163とは互いに接して電気的に連結され、第1連結層171はSiO
2、SiN、SiCNのうちいずれか1つ以上の材料を含む。
【0024】
第1コア層101は第1絶縁層121及び第1コア111で構成され、第2コア層102は第2絶縁層122及び第2コア112で構成される。第1コア111及び第2コア112は絶縁材料を含むことができる。絶縁材料は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はそのような樹脂と共に、無機フィラー、有機フィラー及び/又はガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、及び/又は Glass Fabric)を含む材料を含むことができる。絶縁材料は、感光性材料及び/又は非感光性材料であり得る。例えば、絶縁材料としては、SR(Solder Resist)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)、PPG(Prepreg)、RCC(Resin Coated Copper)の絶縁材、CCL(Copper Clad Laminate)の絶縁材等が用いられてもよいが、これらに限定されるものではなく、それら以外にも、異なるその他の高分子素材が用いられてもよい。また、第1コア111の場合には、ガラス材料を含むコアである、いわゆるガラスコア(Glass Core)であってもよい。さらに、第1コア111は、ガラス材料のみで構成される純粋なガラスコアであってもよい。一方、第1コア111がガラスコアで構成される場合には、プリント回路基板における反り特性を制御するのに有利であり得る。特に、一例に係るプリント回路基板は、複数の素子が埋め込まれたコアを含むように高性能プリント回路基板を実現するために、第1コア111はガラスコアを用いることができる。後述するように薄く形成される複数のコアが積層された構造を有するため、一般的にガラスコアが有する割れ現象を制御することができる。第1コア111及び第2コア112は、上下積層されることでプリント回路基板のコア部を構成することができるため、一般的なプリント回路基板において使用されるコアより薄くてもよいが、これに限定されるものではなく、必要に応じて、一般的なプリント回路基板のコアの厚さと同様の厚さのコアを積層してもよい。
【0025】
第1絶縁層121及び第2絶縁層122も絶縁材料を含むことができる。第1絶縁層121及び第2絶縁層122は、それぞれ第1コア111及び第2コア112と同じ材料を含むこともできるが、これに限定されるものではなく、第1絶縁層121及び第2絶縁層122は、それぞれ第1コア111及び第2コア112とは異なる材料を含むこともできる。
【0026】
第1コア層101及び第2コア層102には、それぞれ第1素子201及び第2素子202が埋め込まれてもよい。第1素子201及び第2素子202はそれぞれ様々な種類の電子部品であってもよい。例えば、様々な種類の能動部品及び/又は受動部品などであってもよい。能動部品は、数百~数百万個以上の素子が一つのチップ内に集積化された様々な種類の集積回路(IC:Integrated Circuit)ダイであってもよい。受動部品は、MLCC(Multi-Layer Ceramic Capacitor)のようなチップ型のキャパシタ、PI(Power Inductor)のようなチップ型のインダクタなどがその例として挙げられる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、他の種類の能動部品及び/又は受動部品が配置されてもよい。
【0027】
一方、第1素子201及び第2素子202はそれぞれ複数の素子であってもよい。すなわち、第1素子201は、第1コア層101に複数埋め込まれてもよく、第2素子202は、第2コア層102に複数埋め込まれてもよい。
図3では、第1素子201及び第2素子202がそれぞれ2つであると表現しているが、第1素子201及び第2素子202の個数はこれより少なくてもよく、多くてもよい。また、第1素子201及び第2素子202は必ずしも同じ個数の素子を含むとは限らず、第1素子201の個数及び第2素子202の個数は必要に応じて適宜調節することができる。
【0028】
第1素子201は、第1コア層の一面及びこれに対向する他面にそれぞれ配置される第1パッド161及び第2パッド162と電気的に連結される。また、第2素子202は、第2コア層の一面及びこれに対向する他面にそれぞれ配置される第3パッド163及び第4パッド164と電気的に連結される。第1~第4パッド161、162、163、164は、第1素子201及び第2素子202が基板の他の構成と電気的に連結されるための手段であり、第1パッド161及び第3パッド163は互いに連結されて第1素子201及び第2素子202の直接的な連結を担うことができる。
【0029】
第1~第4パッド161、162、163、164は金属物質を含む。金属物質は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができ、好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これらに限定されるものではない。第1~第4パッド161、162、163、164は一般的な回路パターンであってもよく、部品が実装されてもよいなど、設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。第1~第4パッド161、162、163、164は、SAM(Semi Additive Process)、MSAP(Modified Semi Additive Process)、TT(Tenting)又はサブトラクティブ工法のうちいずれか1つで形成されてもよいが、これらに限定されるものではない。
【0030】
第1素子201及び第2素子202は、それぞれビアを介して第1~第4パッド161、162、163、164と電気的に連結されることができる。ビアは、第1~第4パッド161、162、163、164と同じ金属物質を含むことができ、第1~第4パッド161、162、163、164と同時に形成されてもよいが、これに限定されず、ビアを先に形成した後、第1~第4パッド161、162、163、164を形成してもよい。
【0031】
第1コア層101の一面に配置される第1パッド161と第2コア層102の一面に配置される第3パッド163とは、互いに接触して電気的に連結されることができる。すなわち、第1素子201と第2素子202とが第1パッド161及び第3パッド163を介して電気的に連結されることができ、この場合、第1素子201と第2素子202は、それぞれ第1コア層101及び第2コア層102に埋め込まれて最短経路で連結されることができる。従来の複数のコア層に電子部品を実装する方法としては、電子部品間の電気的連結が直接的になされず、コア層の上部に信号経路を連結しながら信号経路を迂回することが必須であった。これに対し、一例に係るプリント回路基板は、複数の薄いコア層にそれぞれ埋め込まれた素子がパッドを介して直接連結されることができるため、素子間の連結経路を単純化することができ、多様な経路確保が可能である。したがって、薄い複数のコアのそれぞれに複数の電子部品を埋め込む構造を有しながらも信号経路を多様に確保できるという利点があるため、コアの厚さを低減することができ、限られたコアの総厚さで多数の電子部品を埋め込むことができ、かつ信頼性を確保することができる。
【0032】
第1パッド161の厚さは、第2パッド162の厚さより薄く形成されることができる。また、第3パッド163の厚さは、第4パッド164の厚さより薄く形成されることができる。ある構成の厚さとは、当該構成の一面から一面と対向する他面までの平均垂直距離を意味し、測定過程及び製造工程で発生する誤差を含み得る大まかな概念である。後述するように、プリント回路基板の製造方法において、コア層に連結層を形成した後、グラインディング工程により一部が除去されるため、互いに連結される第1パッド161及び第3パッド163は一部が除去されることがあり、第1パッド161の厚さは第2パッド162の厚さより薄いことがあり、第3パッド163の厚さは第4パッド164の厚さより薄くなるように形成される。しかし、必ずしも第1パッド161の厚さが第2パッド162の厚さより薄い必要はなく、製造段階中のグラインディング工程において第1パッド161の一部が除去されないように工程を行う場合には、第1パッド161の厚さは、第2パッドの厚さと実質的に同一であることができ、第1パッド161が一部除去されることを考慮して、第1パッド161を第2パッド162より厚く形成した後に一部を除去することもできるため、第1パッド161の厚さが第2パッド162の厚さより大きいこともある。これは、第3パッド163の厚さ及び第4パッド164の厚さに対しても同様に適用することができる。
【0033】
一例に係るプリント回路基板は、第1コア層101の一面と第2コア層102の一面との間に配置される第1連結層171を含む。第1連結層171は絶縁材料を含んでもよく、絶縁材料としてはSiを含む化合物であってもよい。例えば、第1連結層171は、SiO2、SiN、SiCNなどの材料のうち、1つ又は2つ以上の材料を含むことができるが、これに限定されるものではなく、様々な材料を用いることができる。第1連結層171がSiO2、SiN、SiCN等のうち1つ以上の材料を含む絶縁層に該当し、第1コア層101の第1連結層171と第2コア層102の第1連結層171とが互いに結合して、一体をなすことができる。すなわち、第1コア層101と第2コア層102とは、いわゆるハイブリッドボンディング(hybrid bonding)によって互いに結合することができる。ハイブリッドボンディングは、チップとチップの間を積み重ねる工法として利用することができ、連結しようとする2つの構成を配置して温度を調節することにより化学的結合及び物理的結合を行うことである。温度条件を設定して金属材料の膨張及び粒界の大きさの拡大などにより第1パッド161及び第3パッド163を互いに連結することができ、第1連結層171も、このような段階で結合することができる。すなわち、ハイブリッドボンディングによって素子を埋め込むそれぞれの単位コア層を上下結合することができ、素子は直接連結されたパッドを介して互いに電気的に連結されることができる。つまり、第1連結層171は、上述した材料のうちいずれか1つ以上を含むことができるが、これに限定されず、ハイブリッドボンディングを行うことができる材料であれば、如何なるものが含まれてもよい。本発明では、第1連結層171の材料を例示として、SiO2、SiN、SiCNのうち1つ以上を含むものと開示しているが、これは例示的なものに過ぎず、後述する内容においても同様である。第1コア層101に配置された第1連結層171と第2コア層102に配置された第1連結層171との境界が確認できるが、必ずしもその境界がはっきりと確認可能なものではなく、第1コア層101の第1連結層171と第2コア層102の第1連結層171とが一体をなすと同時に、第1パッド161及び第3パッド163が一体をなすことができるため、その境界が確認されないこともある。
【0034】
第1連結層171は、第1コア層101の一面及び第2コア層102の一面に沿って形成されるため、第1素子201及び第2素子202を互いに連結する第1パッド161及び第3パッド163は、第1連結層171によって埋め込まれることができる。第1パッド161及び第3パッド163が第1連結層171に埋め込まれるとは、第1パッド161の一面と第3パッド163の一面とが互いに接触して連結されながら、第1パッド161の側面及び第3パッド163の側面が第1連結層171によって覆われることができることを意味するが、これに必ずしも限定されるものではなく、第1パッド161の一面と第3パッド163の一面とが正確に一致しなくても、その一致しない部分が第1連結層171によって覆われていることを意味することができる。すなわち、第1パッド161と第3パッド163とが互いに連結されていない部分は、第1連結層171によって覆われる。
【0035】
一例に係るプリント回路基板は、第1コア層101の他面及び第2コア層102の他面にそれぞれ配置される第2連結層172を含むことができる。第2連結層172は、第1コア層101の他面に配置されて第1絶縁層121及び第2パッド162を覆い、第2コア層102の他面に配置された第2連結層172は、第2絶縁層122及び第4パッド164を覆うことができる。第2連結層172は、第1連結層のような材料を含むことができ、例えば、SiO
2、SiN、SiCNのうち1つ以上の材料を含むことができる。また、これらに限定されるものではなく、上述したように第1連結層171に用いることができる材料であれば、第2連結層172にも使用することができる。第2連結層172は、第1連結層171が形成される段階で第1コア層101及び第2コア層102の他面にそれぞれ第2連結層172がさらに形成されることができる。第2連結層172は、第1コア層101及び第2コア層102の他面に形成され、それぞれ第3絶縁層123及び第4絶縁層124と連結されることができる。一方、
図3では、コア層が2つであると表現しているが、これに限定されるものではなく、より多い個数のコア層を含む場合にも、連結層を介して互いに連結されることができる。
【0036】
一例に係るプリント回路基板は、第1コア層101の一面及び他面にそれぞれ配置される第1パターン131及び第2パターン132と、第2コア層102の一面及び他面にそれぞれ配置される第3パターン133及び第4パターン134とをさらに含むことができる。
【0037】
第1~第4パターン131、132、133、134は、第1コア層101及び第2コア層102に配置されてプリント回路基板の信号伝達を行う。これらは複数のパターンを含むことができ、第1~第4パッド161、162、163、164と同じ金属物質を含むことができる。第1~第4パターン131、132、133、134は、第1~第4パッド161、162、163、164と同じ段階で形成されてもよいが、これに限定されるものではなく、段階的に形成されてもよい。
【0038】
第1コア層101の一面に配置される第1パターン131と第2コア層102の一面に配置される第3パターン133とは互いに接して電気的に連結されることができる。第1パターン131と第3パターン133とが互いに接して電気的に連結されることは、第1パッド161と第3パッド163が互いに接して電気的に連結されるのと同じである。また、第1パターン131及び第3パターン133は第1連結層171によって埋め込まれ、これは、第1パッド161及び第3パッド163が第1連結層171によって埋め込まれてもよいのと同じである。
【0039】
一例に係るプリント回路基板は、第1ビア141及び第2ビア142をさらに含むことができる。第1ビア141は、第1パターン131と第2パターン132とを互いに連結するように第1コア層101を貫通し、第2ビア142は第3パターン133と第4パターン134とを互いに連結するように第2コア層102を貫通する。第1ビア141は第1コア層101の第1コア111及び第1絶縁層121を貫通することができ、第2ビア142は第2コア層102の第2コア112及び第2絶縁層122を貫通することができる。第1ビア141及び第2ビア142は金属材料を含むことができ、第1~第4パターン131、132、133、134と同じ材料を含むことができる。第1ビア141及び第2ビア142は、第1~第4パターン131、132、133、134と同じ段階で同時に製造されてもよいが、これに限定されるものではなく、段階的に形成されてもよい。
【0040】
一例に係るプリント回路基板は、第3絶縁層123及び第4絶縁層124、第1回路層151及び第2回路層152をさらに含むことができる。
【0041】
第3絶縁層123は第1コア層101の他面に配置される絶縁層であり、第4絶縁層124は第2コア層102の他面に配置される絶縁層である。第3絶縁層123及び第4絶縁層124はそれぞれ絶縁材料を含むことができ、これらは第1絶縁層121及び第2絶縁層122と同じ材料を含むことができる。
図3には、第3絶縁層123及び第4絶縁層124が一体に形成されたことが簡略に示されているが、第3絶縁層123及び第4絶縁層124は複数の絶縁層であってもよく、複数の絶縁層は境界が表現されてもよい。
【0042】
第1回路層151及び第2回路層152は、第3絶縁層123及び第4絶縁層124にそれぞれ配置される回路層である。第1回路層151及び第2回路層152は金属材料を含むことができ、第1~第4パターン131、132、133、134と同じ金属材料を含むことができる。
図3では、第1回路層及び第2回路層が3つの層として示されているが、これに限定されるものではなく、より多い数の回路層を含んでもよく、より少ない数の回路層を含んでもよい。第1回路層151及び第2回路層152はそれぞれ複数の回路層を含むことができ、それぞれの複数の回路層は互いに電気的に連結又は互いに短絡して信号伝達を行うことができ、第1~第4パッド161、162、163、164と第1~第4パターン131、132、133、134とも電気的に連結されることができる。一方、第1回路層151及び第2回路層152の複数の回路層のそれぞれを互いに層間連結するビアをさらに含むことができる。
【0043】
なお、
図3では、第3絶縁層123及び第4絶縁層124、第1回路層151及び第2回路層152が互いに対称であると示しているが、これに限定されるものではなく、第3絶縁層123の数、第4絶縁層124の数は自由に変更可能であり、第1回路層151及び第2回路層152に対しても自由に変更可能であることは勿論である。
【0044】
一方、一例に係るプリント回路基板は、第3絶縁層123及び第4絶縁層124にさらに形成されるキャビティ、電子部品等をさらに含むことができ、プリント回路基板の最外側に配置される半田レジストをさらに含むことができ、上部に電子部品が実装されるためのパッド、ポストなどをさらに含むことができる。すなわち、
図3に示す構成に限定されるものではなく、他にもプリント回路基板の一般的な構成をさらに含むことができ、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、利用可能な構成をさらに含むことができる。
【0045】
図4は、他の一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【0046】
図4を参照すると、他の一例に係るプリント回路基板は第2連結層172を含まない。これは、他の一例に係るプリント回路基板の製造方法において、第1連結層171を形成する段階で第2連結層172をさらに形成しないものとして製造されて発生する。第2連結層172が第1コア層101の他面及び第2コア層102の他面に形成されないため、第1コア層101の他面及び第2コア層102の他面は第3絶縁層及び第4絶縁層と接することができる。
【0047】
一方、
図4においても、コア層は、第1コア層101及び第2コア層102で構成される2つの層として示されているが、これに限定されるものではなく、3つのコア層以上が積層される構成を有してもよい。この場合には、コア層の間を連結するための第1連結層171が配置されるものであり、積層されたコア層の両方の最外部には連結層が形成されない構成を有するものである。
【0048】
第2連結層172を含まない以外の構成のうち、一例に係るプリント回路基板と同様の構成は、他の一例に係るプリント回路基板にも適用することができるため、これに関する重複説明は省略する。
【0049】
図5は、さらに他の一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【0050】
図5を参照すると、さらに他の一例に係るプリント回路基板は、第1コア層101の一面及び第2コア層102の一面にそれぞれ配置される第1パターン131及び第3パターン133を含まず、第1コア層101の他面及び第2コア層102の他面にそれぞれ配置される第2パターン132及び第4パターン134のみを含む。
【0051】
一方、さらに他の一例に係るプリント回路基板は、第2パターン132及び第4パターン134を互いに連結し、第1コア層101、第2コア層102、及び第1連結層171を貫通する貫通ビア143をさらに含む。さらに他の一例に係るプリント回路基板の貫通ビア143は、一例に係るプリント回路基板の第1ビア141及び/又は第2ビア142と同じ材料で形成されることができる。製造段階で貫通ビア143が形成される位置に予め貫通孔領域を形成しておくことができ、第1コア層101及び第2コア層102が第1連結層171によって結合された後に、第1コア層101、第2コア層102及び第1連結層171を一括して貫通する貫通孔を形成して貫通ビア143をめっきすることができる。一例に係るプリント回路基板にて上述したように、第1コア111及び第2コア112がガラスコアを含む場合には、コア層の製造段階で貫通ビア143が形成される位置に予め貫通孔領域を形成しておくことができ、この場合には、複数のコアを積層した後に一括して貫通する貫通孔を形成することよりも、コアの製造段階で反り又は割れ現象を防止することができる。しかし、貫通ビア143が形成される位置に予め貫通孔領域を形成しておくことは、第1コア111及び第2コア112の材料に限定されずに行うことができる。第1コア層101及び第2コア層102を製造する段階で貫通ビア143が形成される領域に予め貫通孔領域を形成しておく段階を行う場合には、貫通ビア143が第1絶縁層121及び第2絶縁層122により側面が覆われることができ、第1コア111及び第2コア112とは離隔して配置されることができる。
【0052】
貫通ビア143以外の構成のうち、一例に係るプリント回路基板又は他の一例に係るプリント回路基板と同様の構成は、さらに他の一例に係るプリント回路基板にも適用することができるため、これに関する重複説明は省略する。
【0053】
図6は、さらに他の一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【0054】
図6を参照すると、さらに他の一例に係るプリント回路基板は、第1コア層101の一面及び第2コア層102の一面にそれぞれ配置される第1パターン131及び第3パターン133を含まず、第1コア層101の他面及び第2コア層102の他面にそれぞれ配置される第2パターン132及び第4パターン134のみを含む。
【0055】
一方、さらに他の一例に係るプリント回路基板は、第2パターン132及び第4パターン134を互いに連結し、第1コア層101、第2コア層102、及び第1連結層171を一括して貫通する貫通ビア143を含む。さらに他の一例に係るプリント回路基板は、第1コア層101及び第2コア層102が第1連結層171によって連結された後、貫通ビア143が形成されるため、貫通ビア143の側面は、第1コア111及び第2コア112と接することができる。これは、第1コア111及び第2コア112がガラスコアを含まない場合に可能な構造であり、第1コア層101及び第2コア層102が結合された後にこれを一括して貫通する貫通孔を形成することができる。したがって、コア層を製造する段階において、貫通ビアに対応する領域に予め貫通孔を形成せずとも貫通ビア143を形成することができる。
【0056】
貫通ビア143以外の構成のうち、一例に係るプリント回路基板、他の一例に係るプリント回路基板、又はさらに他の一例に係るプリント回路基板と同様の構成は、さらに他の一例に係るプリント回路基板にも適用することができるため、重複説明は省略する。
【0057】
プリント回路基板の製造方法
図7a~
図7bは、一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【0058】
図7aを参照して説明すると、一例に係るプリント回路基板は、単位コア層を先に作製する。説明の便宜上、第1コア層についてのみ説明し、特に制限がない限り、このような説明は第2コア層に関しても適用することができる。もし、複数の単位コア層を有するプリント回路基板であれば、複数の単位コア層に対しても適用できることは同様である。
【0059】
まず、第1コア111にキャビティを形成して第1素子201を埋め込み、第1パッド161、第2パッド162、第1パターン131、第2パターン132及び第1ビア141を形成する。
【0060】
第1コア111にキャビティを形成する段階は、機械的ドリル又はレーザドリルを使用してドリリング工法で形成することができるが、特にこれに限定されるものではない。第1コア111に形成されたキャビティ上に仮接着層を用いて第1素子201を固定させた後、第1絶縁層121を用いて第1素子201を埋め込む。その後、第1素子と連結されるビアを形成しながら、第1パッド161及び第2パッド162を形成し、第1コア層101を貫通する第1ビア141と第1パターン131及び第2パターンを形成する。
【0061】
その後に、第1コア層101の一面に第1連結層171を形成し、第1コア層101の他面には第2連結層172を形成する。
【0062】
第1連結層171と第2連結層172は同時に形成されてもよいが、これに限定されるものではなく、第1連結層171を形成した後に第2連結層172を形成してもよい。第1連結層171は、一例に係るプリント回路基板にて上述したように、SiO2、SiN、SiCNなどの材料のうち1つ以上を含む絶縁物質で構成されてもよい。第1連結層171は、第1絶縁層121の一面に配置され、第1絶縁層121の一面と第1パッド161及び第1パターン131の境界に沿って延びるように形成されてもよい。第2連結層172は、第1絶縁層121の他面と第2パッド162及び第2パターン132の境界に沿って延びるように形成されてもよい。すなわち、第1連結層171は第1絶縁層121、第1パッド161及び第1パターン131を覆うことができ、第2連結層172は第1絶縁層121、第1パッド161及び第1パターン131を覆うことができる。
【0063】
その後、第1連結層171の少なくとも一部を除去して、第1パッド161及び第1パターン131の一面を外部に露出させる。このとき、第1連結層171の少なくとも一部を除去する段階は機械的グラインディング方法を用いることができ、CMP(Chemical-Mechanical polishing)工法を用いることもできるが、これに限定されるものではない。
【0064】
図7bを参照すると、まず、第1コア層101の一面と第2コア層102の一面とを互いに対向して接するように連結する。
【0065】
このとき、第1コア層101と第2コア層とを連結するために、第1コア層101の一面に配置される第1パッド161の露出した一面と第2コア層102の一面に配置される第3パッド163の露出した一面とを接するように接着した後、焼鈍(アニーリング、Annealing)工程を行う。焼鈍工程は、2つの段階を経て行われることができるが、これに限定されるものではなく、より多くの段階を経て行われてもよく、特定の温度で一度に行われてもよい。焼鈍工程の第一段階では、第1コア層101及び第2コア層102のそれぞれの第1連結層171の間で化学的結合がなされることができる。その後、焼鈍工程の第二段階では、第1パッド161及び第3パッド163の膨張、並びに第1パターン131及び第3パターン133の膨張が発生し、粒界の成長により上部及び下部の構成が物理的に結合し、電気的連結がなされることができる。第二段階の工程温度は、第一段階の工程温度より高くてもよいが、これに限定されるものではない。
【0066】
第1コア層101と第2コア層102は第1連結層171によって連結され、第1連結層171の結合部分には境界が現れることがある。しかし、第1連結層171の結合部分は、必ずしもその境界がはっきりと現れないこともある。第1コア層101に配置される第1連結層171と第2コア層102に配置される第1連結層171は付着して焼鈍工程によって結合されるため、それぞれの第1絶縁層121は境界が明確でないことがある。
【0067】
その後、第1コア層101の他面及び第2コア層102の他面には、それぞれ第3絶縁層123及び第4絶縁層124がさらに形成されてもよく、第3絶縁層123及び第4絶縁層124上にそれぞれ第1回路層151及び第2回路層152が形成されてもよい。第3絶縁層123及び第4絶縁層124は複数の絶縁層であってもよく、第1回路層151及び第2回路層152は複数の回路層であってもよい。また、複数の絶縁層と複数の回路層とが交互に積層されてもよい。複数の絶縁層及び複数の回路層は、必要に応じて、その数を自由に調節できることは、一例に係るプリント回路基板の説明にて上述した通りである。
【0068】
図8a~
図8bは、他の一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【0069】
図8aを参照すると、他の一例に係るプリント回路基板の製造方法は、第1コア層101の他面に第2連結層172を形成する段階を含まなくてもよい。もし、3つ以上のコア層が積層される構造の場合には、最外部に積層されるコア層のそれぞれの外側面に第2連結層172が形成されないものとして構造を自由に変更することができる。すなわち、他の一例に係るプリント回路基板は、コア層の間で互いに連結される面ではない、他面の領域に第2連結層172が形成されないものと理解すべきである。
【0070】
その他の段階のうち、一例に係るプリント回路基板の製造方法と同様の構成は、他の一例に係るプリント回路基板にも適用することができるため、これに関する重複説明は省略する。
【0071】
図9a~
図9bは、さらに他の一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【0072】
図9aを参照すると、さらに他の一例に係るプリント回路基板は、第1コア層101を貫通する第1ビア141を形成する段階を含まなくてもよい。第1コア層101を製造する段階では、貫通ビア143が形成される領域に第1コア111を貫通する貫通孔を予め形成することができる。すなわち、第1コア111に第1素子201を実装するためのキャビティを形成する段階で、貫通孔を形成することができる。
【0073】
したがって、第1コア層101を形成する段階で第2パッド162及び第2パターン132を形成しなくてもよく、複数のコア層を結合した後に第2パッド162、第2パターン132及び貫通ビア143を同時に形成してもよい。
【0074】
図9bを参照すると、第1コア層101の一面と第2コア層102の一面とを互いに連結した後、第2パッド162、第2パターン132及び貫通ビア143を形成することができる。第1コア層101と第2コア層102とが結合しながら貫通孔領域が互いに重なるように配置されるため、第1コア層101と第2コア層102との重なった貫通孔領域に再び絶縁層及び連結層が貫通するように新たな貫通孔を形成した後、めっきを行って貫通ビアを形成することができる。工程の簡素化のために、貫通ビアを形成しながら第2パッド162及び第2パターン132を同時に形成することもできる。一方、
図9bには示されていないが、第1コア層101の他面に第2パッド162を形成することは、第1コア層101と第2コア層102との結合前に行うこともできる。第1コア層101の他面に第2パッド162を先に形成し、第1コア層101及び第2コア層102を結合する場合には、第2パッド162を形成する段階が別途に行われ、工程が一段階さらに増えることができる。
図9bに示すように、第1コア層101及び第2コア層102を結合した後に貫通ビア143を形成しながら、第2パッド162及び第2パターン132が同時に形成されることが好ましい。
【0075】
その他の段階のうち、一例に係るプリント回路基板の製造方法又は他の一例に係るプリント回路基板の製造方法と同様の構成は、さらに他の一例に係るプリント回路基板にも適用することができるため、これに関する重複説明は省略する。
【0076】
図10a~10bは、さらに他の一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【0077】
図10aを参照すると、さらに他の一例に係るプリント回路基板は、第1コア層101を貫通する第1ビア141を形成する段階を含まなくてもよく、貫通ビア143が形成される領域に第1コア111を貫通する貫通孔を予め形成する段階を含まなくてもよい。すなわち、第1コア111に第1素子201を実装する段階及び第1素子201と連結される第1パッド161を形成する段階を含むことができ、第1連結層171を形成した後、第1連結層171の少なくとも一部を除去する段階のみを含むことができる。
図10aには示されていないが、第1コア層101を製造する段階で第1絶縁層121の他面に第2パッド162を形成することもできる。
【0078】
図10bを参照すると、第1コア層101の一面と第2コア層102の一面とを互いに連結した後、第2パッド162、第2パターン132及び貫通ビア143を形成することができる。第1コア111、第2コア112、第1絶縁層121、第2絶縁層122及び第1連結層171を一括して貫通する貫通孔を形成した後、めっきを行って貫通ビア143を形成することができる。第1コア層101と第2コア層102とを結合した後に貫通ビア143を形成するため、貫通ビア143の側面は第1コア111及び第2コア112の側面と接することができる。
【0079】
その他の段階のうち、一例に係るプリント回路基板の製造方法、他の一例に係るプリント回路基板の製造方法、又はさらに他のプリント回路基板の製造方法と同様の構成及び段階は、さらに他の一例に係るプリント回路基板にも適用することができるため、これに関する重複説明は省略する。
【0080】
本発明において、断面上における意味は、対象物を垂直に切断したときの断面形状、又は対象物をサイドビューで見たときの断面形状を意味することができる。また、平面上における意味は、対象物を水平に切断したときの形状、又は対象物をトップビュー又はボトムビューで見たときの平面形状であることができる。
【0081】
本発明において「上側」、「上部」、「上面」などは、便宜上、図面の断面を基準に電子部品が実装可能な面に向かう方向を意味するものとして使用し、「下側」、「下部」、「下面」などは、その反対方向として使用した。但し、これは説明の便宜上、方向を定義したものであって、特許請求の範囲の権利範囲がこのような方向に対する記載によって特に限定されるものではないことは勿論である。
【0082】
本発明において「連結される」とは、直接連結されることだけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結されることを含む概念である。また、「電気的に連結される」とは、物理的に連結された場合と、連結されていない場合の両方を含む概念である。さらに、「第1」、「第2」などの表現は、ある構成要素と他の構成要素とを区分するために使用されるものであり、当該構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、権利範囲を逸脱しない範囲内で、第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、同様に第2構成要素は第1構成要素と命名されてもよい。
【0083】
本発明において使用される「一例」という表現は、互いに同じ実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかし、上記提示された一例は、他の一例の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一例に説明されている事項が他の一例に説明されていなくても、他の一例においてその事項と反対又は矛盾する説明がない限り、他の一例に関する説明として理解されることができる。
【0084】
本発明において使用される用語は、単に一例を説明するために使用されたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0085】
101:第1コア層
102:第2コア層
111:第1コア
112:第2コア
121:第1絶縁層
122:第2絶縁層
123:第3絶縁層
124:第4絶縁層
131:第1パターン
132:第2パターン
133:第3パターン
134:第4パターン
141:第1ビア
142:第2ビア
143:貫通ビア
151:第1回路層
152:第2回路層
161:第1パッド
162:第2パッド
163:第3パッド
164:第4パッド
171:第1連結層
172:第2連結層
201:第1素子
202:第2素子
1000:電子機器
1010:メインボード
1020:チップ関連部品
1030:ネットワーク関連部品
1040:その他の部品
1050:カメラモジュール
1060:アンテナモジュール
1070:ディスプレイ
1080:バッテリ
1090:信号ライン
1100:スマートフォン
1110:スマートフォン内部のメインボード
1120:スマートフォン内部の電子部品
1121:スマートフォン内部のアンテナモジュール
1130:スマートフォン内部のカメラモジュール
1140:スマートフォン内部のスピーカ