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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068088
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】印刷システム
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20240510BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240510BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
B41J2/175 175
B41J2/175 301
B41J2/175 167
B41J2/01 401
B41J2/01 451
B41J2/175 151
B41J29/38 204
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109821
(22)【出願日】2023-07-04
(31)【優先権主張番号】P 2022178168
(32)【優先日】2022-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深澤 教幸
【テーマコード(参考)】
2C056
2C061
【Fターム(参考)】
2C056EA19
2C056EB20
2C056EB38
2C056EB44
2C056EB45
2C056EB56
2C056EB59
2C056EC26
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061HJ08
2C061HK11
2C061HK19
2C061HN08
2C061HN15
(57)【要約】
【課題】カートリッジを容易に再利用できる技術を提供する。
【解決手段】印刷システムは、印刷材を収容する印刷材カートリッジであって、印刷材カートリッジを識別する識別情報が記録された識別部を有する印刷材カートリッジと、印刷材カートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、カートリッジ装着部の内部に形成され、識別部を光学的に読み取る装置読取部と、印刷材の消費量を示す消費値を算出する消費値算出部と、装置記憶部と、を有する印刷装置と、サーバー記憶部を有し、印刷装置と通信可能に接続されたサーバー装置と、を備え、消費値は、識別情報と対応付けて、装置記憶部とサーバー記憶部とのいずれか一方に記憶される。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷システムであって、
印刷材を収容する印刷材カートリッジであって、前記印刷材カートリッジを識別する識別情報が記録された識別部を有する印刷材カートリッジと、
印刷装置であって、前記印刷材カートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、前記カートリッジ装着部の内部に形成され、前記識別部を光学的に読み取る装置読取部と、前記印刷材の消費量を示す消費値を算出する消費値算出部と、装置記憶部と、を有する印刷装置と、
サーバー記憶部を有し、前記印刷装置と通信可能に接続されたサーバー装置と、を備え、
前記消費値は、前記識別情報と対応付けて、前記装置記憶部と前記サーバー記憶部とのいずれか一方の記憶部に記憶される、印刷システム。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷システムであって、
前記記憶部は、さらに、前記印刷材カートリッジが前記カートリッジ装着部に挿入されるごとに前記装置読取部が前記識別部を読み取ることで得られる前記識別情報を記憶する、印刷システム。
【請求項3】
請求項2に記載の印刷システムであって、さらに、
算出された前記消費値が予め定められた消費閾値以上である場合において、前記装置読取部が前記識別部を読み取ることで、前記記憶部に記憶された前記識別情報と同じ前記識別情報を取得した場合に、前記記憶部に記憶された前記消費値を初期値にリセットする情報処理部を備える、印刷システム。
【請求項4】
請求項1に記載の印刷システムであって、
前記記憶部は、さらに、前記印刷材カートリッジが挿入されるごとに前記装置読取部が前記識別部を読み取った読み取りタイミングを、前記識別情報に対応付けて記憶する、印刷システム。
【請求項5】
請求項4に記載の印刷システムであって、さらに、
報知部を備え、
前記読み取りタイミングから、前記読み取りタイミングの後に前記印刷材カートリッジから前記印刷材カートリッジが取り外された取り外しタイミングまでの所要時間が、予め定められた時間閾値以上である場合に、取り外された前記印刷材カートリッジが交換時期に達している旨を前記報知部に報知させる情報処理部を備える、印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、印刷システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体噴射装置の装着部に着脱可能に装着されるカートリッジにおいて、カートリッジの外殻を形成するケースに回路基板が配置された構成が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開公報2019/098287号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、カートリッジの外殻に回路基板が取り付けられているため、使用済みのカートリッジを再利用する際に、回路基板を容易に取り外すことができない場合がある。これにより、カートリッジを容易に再利用できない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本開示の一形態によれば、印刷システムが提供される。印刷システムは、印刷材を収容する印刷材カートリッジであって、前記印刷材カートリッジを識別する識別情報が記録された識別部を有する印刷材カートリッジと、印刷装置であって、前記印刷材カートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、前記カートリッジ装着部の内部に形成され、前記識別部を光学的に読み取る装置読取部と、前記印刷材の消費量を示す消費値を算出する消費値算出部と、装置記憶部と、を有する印刷装置と、サーバー記憶部を有し、前記印刷装置と通信可能に接続されたサーバー装置と、を備え、前記消費値は、前記識別情報と対応付けて、前記装置記憶部と前記サーバー記憶部とのいずれか一方に記憶される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】印刷システムの概略構成を示す図。
図2】カートリッジ装着部の正面図。
図3】カートリッジ装着部を-X方向側の装置第2側壁側から見た模式図。
図4】第1実施形態における印刷材カートリッジの側面図。
図5】印刷材カートリッジの正面図。
図6】挿入過程における印刷材カートリッジおよびカートリッジ装着部を示す図。
図7】装着完了状態の印刷材カートリッジおよびカートリッジ装着部を示す図。
図8】印刷システムおよび携帯端末の概略構成を示すブロック図。
図9】カートリッジ判定方法を示すフローチャート。
図10】ステップS19における装置表示部の表示イメージの一例を示す図。
図11】装着完了通知方法を示すフローチャート。
図12】消費値管理方法を示すフローチャート。
図13】交換対象推定方法を示すフローチャート。
図14】端末表示部の表示イメージの一例を示す図。
図15】第2実施形態における印刷システムの概略構成を示すブロック図。
図16】管理テーブルの一例を示す図。
図17】第3実施形態における印刷材カートリッジの側面図。
図18】カートリッジ装着部への印刷材カートリッジの挿入過程を示す図。
図19】識別部の読み取り形状と、識別部の実際の印字形状とを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
A.第1実施形態:
A-1.印刷装置の構成:
図1は、印刷システム1の概略構成を示す図である。図1には、互いに直交する3つの空間軸であるXYZ軸が描かれている。X軸,Y軸,Z軸の矢印が向いている方向は、それぞれX軸,Y軸,Z軸に沿った正の方向を示している。X軸,Y軸,Z軸に沿った正の方向を、それぞれ+X方向,+Y方向,+Z方向とする。X軸,Y軸,Z軸の向いている方向と逆の方向が、それぞれX軸,Y軸,Z軸に沿った負の方向である。X軸,Y軸,Z軸に沿った負の方向を、それぞれ-X方向,-Y方向,-Z方向とする。X軸,Y軸,Z軸に沿った方向で正負を問わないものを、それぞれX方向,Y方向,Z方向と呼ぶ。
【0008】
本実施形態では、印刷システム1の使用状態において、X軸およびY軸が水平面に沿った軸であり、Z軸が重力方向に沿った軸である。つまり、印刷システム1の使用状態とは、印刷システム1を水平面に設置した状態である。以下においては、重力方向を-Z方向とし、反重力方向を+Z方向とする。印刷システム1の前面側から後面側に向かう方向を-Y方向とし、印刷システム1の後面側から前面側に向かう方向を+Y方向とする。また、印刷システム1を前面側である-Y方向側から見たときに、印刷システム1の右面側から左面側に向かう方向を+X方向とし、左面側から右面側に向かう方向を-X方向とする。これ以降に示す図および説明についても同様とする。
【0009】
印刷システム1は、印刷装置10と、印刷装置10に供給する印刷材を収容する印刷材カートリッジ4と、を備える。印刷材カートリッジ4は、印刷材カートリッジ4を識別する識別情報が記録された画像情報としての識別部を有する。本実施形態では、識別部は、マトリクス型2次元コードの一例であるQRコード(登録商標、以下省略)である。
【0010】
印刷装置10は、印刷用紙や樹脂フィルム、布帛等の媒体Pに印刷材を吐出して画像や文字等を印刷する装置である。本実施形態では、印刷装置10は、印刷材としてのインクをヘッド22から吐出するインクジェットプリンターである。インクは、水性インク、油性インク、ジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体状組成物のいずれかであってもよい。また、印刷材は、液体に限らず、粉末状のトナーであってもよい。
【0011】
印刷装置10は、印刷材カートリッジ4を装着するためのカートリッジ装着部6と、主制御装置3と、駆動機構17と、キャリッジ20と、印刷材カートリッジ4から供給される印刷材を吐出するノズルを備えたヘッド22と、を備える。
【0012】
カートリッジ装着部6には、印刷材カートリッジ4が着脱可能に装着される。カートリッジ装着部6は、+Y方向側に位置する装置前壁606を有する。装置前壁606は、印刷材カートリッジ4の収容室600への出入口である挿抜開口部674を有する。印刷材カートリッジ4は、挿抜開口部674を介して、カートリッジ装着部6の収容室600に挿入されることによって装着される。本実施形態では、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6に対する挿入方向DIは、印刷装置10の前面側から後面側に向かう-Y方向である。また、カートリッジ装着部6に装着された印刷材カートリッジ4の取り外し方向DOは、挿入方向DIとは反対方向の+Y方向である。また、本実施形態では、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色のインクに対応して4種類の印刷材カートリッジ4が1つずつ、すなわち、合計4つの印刷材カートリッジ4K,4C,4M,4Yがそれぞれカートリッジ装着部6に装着されている。複数の印刷材カートリッジ4K,4C,4M,4Yの配列方向は、印刷装置10の右面と左面とが対向するX方向である。なお、カートリッジ装着部6に装着される印刷材カートリッジ4の種類、数、および配置は、これに限られるものではない。
【0013】
カートリッジ装着部6への印刷材カートリッジ4の装着が完了した装着完了状態において、印刷材としてのインクは、液体流通管としてのチューブ24を介して、キャリッジ20に設けられたヘッド22に供給される。チューブ24は、インクの種類ごとに設けられている。本実施形態では、印刷装置10から加圧流体が印刷材カートリッジ4内に導入されることで、印刷材カートリッジ4の図示しない液体収容袋からヘッド22にインクが供給される。なお、印刷材カートリッジ4からヘッド22へのインクの供給方法は、これに限られるものではない。インクは、例えば、印刷装置10のポンプ機構によって、印刷材カートリッジ4内から吸引されることで、ヘッド22に供給されてもよい。
【0014】
ヘッド22には、インクの種類ごとにノズルが設けられている。インクは、ノズルから媒体Pに向けて噴射される。本実施形態では、印刷装置10は、カートリッジ装着部6がキャリッジ20の動きとは連動しない、いわゆる「オフキャリッジタイプ」と呼ばれるプリンターである。なお、キャリッジ20にカートリッジ装着部6が設けられ、キャリッジ20と共にカートリッジ装着部6が移動する、いわゆる「オンキャリッジタイプ」と呼ばれるプリンターにも本開示の技術は適用することができる。
【0015】
主制御装置3は、印刷装置10の各部の動作を制御すると共に、印刷材カートリッジ4との信号の授受、および、ユーザー等が所持する携帯端末9との信号の授受を行う。主制御装置3の機能の詳細は、後述する。
【0016】
キャリッジ20は、ヘッド22を媒体Pに対して相対的に移動させる。駆動機構17は、主制御装置3からの制御信号に基づいてキャリッジ20を往復移動させる。駆動機構17は、例えば、タイミングベルト18と、駆動モーター19と、を備える。タイミングベルト18を介して駆動モーター19の動力をキャリッジ20に伝達することによって、キャリッジ20が主走査方向としてのX方向に往復移動する。さらに、印刷装置10は、媒体Pを副走査方向としての+Y方向に移動させるための図示しない搬送機構を備える。印刷が行われる際には、搬送機構によって媒体Pが副走査方向に移動し、前面カバー上11に印刷完了後の媒体Pが出力される。
【0017】
A-2.カートリッジ装着部6の詳細構成:
図2は、カートリッジ装着部6の正面図である。図3は、カートリッジ装着部6を-X方向側の装置第2側壁605側から見た模式図である。カートリッジ装着部6は、印刷材カートリッジ4の種類ごとに設けられる。本実施形態では、印刷装置10は、4つの印刷材カートリッジ4K,4C,4M,4Yのそれぞれが装着される4つのカートリッジ装着部6K,6C,6M,6Yを備える。
【0018】
各カートリッジ装着部6は、図1に示すように、印刷材カートリッジ4を収容する収容室600を有する。本実施形態では、収容室600は、図2および図3に示すように、略直方体形状である。カートリッジ装着部6について、X方向は幅方向であり、Y方向は奥行方向であり、Z方向は高さ方向である。カートリッジ装着部6は、収容室600を形成する6つの壁601~606として、装置後壁601と、装置上壁602と、装置底壁603と、装置第1側壁604と、装置第2側壁605と、装置前壁606と、を備える。なお、本開示において「壁」とは、単一の壁に加えて、複数の壁によって構成される壁を含む概念である。
【0019】
装置前壁606は、図1および図3に示すように、収容室600に印刷材カートリッジ4を挿入したり取り外したりする際に通過させる挿抜開口部674を形成する。装置後壁601は、図3に示すように、Y方向において装置前壁606と対向し、収容室600の-Y方向側の壁を形成する。装置前壁606と装置後壁601とはそれぞれ、印刷システム1の使用状態において、X方向およびY方向に沿った水平面に概ね垂直な壁である。装置上壁602は、収容室600の+Z方向側の壁を形成する。装置底壁603は、Z方向において装置上壁602と対向し、収容室600の-Z方向側の壁を形成する。装置上壁602と装置底壁603とはそれぞれ、装置後壁601と、装置前壁606と、に交差する。装置上壁602と装置底壁603とはそれぞれ、印刷システム1の使用状態において、X方向およびY方向に沿った水平面と概ね平行な壁である。また、装置第1側壁604は、図2に示すように、収容室600の+X方向側の壁を形成する。装置第2側壁605は、X方向において装置第1側壁604と対向し、収容室600の-X方向側の壁を形成する。装置第1側壁604と装置第2側壁605とはそれぞれ、装置後壁601と、装置前壁606と、装置上壁602と、装置底壁603と、に交差する。装置第1側壁604と装置第2側壁605とはそれぞれ、印刷システム1の使用状態において、X方向およびY方向に沿った水平面に概ね垂直な壁である。なお、本開示において、「交わる」や「交差する」とは、以下の状態(i)~(iii)のいずれかであることを意味する。
(i)2つの構成要素が相互に交差し実際に交わる状態
(ii)一方の構成要素を延ばした場合に他方の構成要素に交わる状態
(iii)相互の構成要素をそれぞれ延ばした場合に互いの構成要素が交わる状態
【0020】
図3に示すように、カートリッジ装着部6は、さらに、規制機構69と、装置側第1位置決め部682と、装置側第2位置決め部684と、印刷材導入部63と、加圧部686と、装置側係合部620と、可動ユニット610と、装置読取部65と、を備える。
【0021】
規制機構69は、図1に示す印刷材カートリッジ4と係合することで、印刷材カートリッジ4の装着完了状態において、印刷材カートリッジ4が取り外し方向DOである+Y方向側に移動することを規制する。規制機構69は、図3に示すように、装置上壁602に配置されている。規制機構69は、レバーであり、操作部691と、装置側規制部692と、バネ部材698と、回転軸部699と、を有する。操作部691は、ユーザーが操作可能となるようにカートリッジ装着部6の外側に露出している。操作部691は、規制機構69の一端部に位置する。装置側規制部692は、規制機構69の他端部に位置する。装置側規制部692は、装置上壁602側から収容室600側に突出する突起である。カートリッジ装着部6の内側である収容室600側に装置側規制部692が配置されるように、バネ部材698は、装置側規制部692を付勢する。
【0022】
装置側第1位置決め部682と装置側第2位置決め部684とはそれぞれ、装置後壁601から取り外し方向DOである+Y方向に延びる柱状部材である。装置側第1位置決め部682は、印刷材カートリッジ4の後述するカートリッジ側第1位置決め部482と対になる位置決め部材である。本実施形態では、装置側第1位置決め部682は、カートリッジ装着部6の高さ方向であるZ方向における中央部よりも装置上壁602側に位置する。装置側第2位置決め部684は、印刷材カートリッジ4の後述するカートリッジ側第2位置決め部484と対になる位置決め部材である。本実施形態では、装置側第2位置決め部684は、Z方向において、加圧部686よりも装置底壁603側に位置する。なお、カートリッジ装着部6における装置側位置決め部682,684の形成数および形成位置は、これに限られるものではない。
【0023】
印刷材導入部63は、印刷材カートリッジ4の後述する印刷材供給部内に挿入されることで、印刷材供給部に接続される。印刷材導入部63には、印刷材供給部から供給された印刷材としてのインクが導入される。具体的には、印刷材導入部63の+Y方向側の端部である先端部63aに形成された開口を介して、印刷材導入部63内にインクが導入される。印刷材導入部63に導入されたインクは、印刷材導入部63から図1に示すチューブ24を通ってヘッド22に流動する。本実施形態では、図3に示すように、印刷材導入部63は、内部にインクが流れる流路が形成された流路管であり、装置後壁601から取り外し方向DOである+Y方向に延びる筒状部材である。本実施形態では、印刷材導入部63の中心軸CLは、Y軸と平行である。なお、本実施形態では、図2に示すように、印刷材導入部63は、カートリッジ装着部6の幅方向であるX方向と高さ方向であるZ方向とにおける中央部に形成されているが、印刷材導入部63の形成位置は、これに限られるものではない。また、印刷材導入部63は、例えば、内部にインクが流れる流路が形成された流路針であってもよい。
【0024】
図2および図3に示す加圧部686は、印刷材カートリッジ4に収容されたインクを図1に示すヘッド22に供給するための加圧流体を流通させる筒状の部材である。加圧流体は、例えば、加圧空気であり、印刷装置10に設けられた図示しない加圧機構によって生成される。加圧部686は、印刷材カートリッジ4の装着完了状態において、印刷材カートリッジ4内に加圧流体を供給する。本実施形態では、加圧部686は、装置後壁601から取り外し方向DOである+Y方向側に延びる。なお、本実施形態では、加圧部686は、カートリッジ装着部6の高さ方向であるZ方向において、印刷材導入部63と装置側第2位置決め部684との間に形成されているが、加圧部686の形成位置は、これに限られるものではない。
【0025】
図3に示す装置側係合部620は、印刷材カートリッジ4の後述するカートリッジ側係合部420と対になる、印刷材カートリッジ4の誤挿入を防止するための部材である。装置側係合部620は、カートリッジ装着部6の収容室600に挿入された印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に適合する正しい印刷材カートリッジ4であるか否かを物理的に判定するための係合部材である。装置側係合部620は、例えば、カートリッジ装着部6の収容室600に正しいインク色の印刷材カートリッジ4が挿入されたか否かを判定するために用いられる。
【0026】
装置側係合部620のパターンは、装着される印刷材カートリッジ4の種類に応じて異なる。詳細には、図2に示すように、各カートリッジ装着部6K,6C,6M,6Yの装置側係合部620K,620C,620M,620Yはそれぞれ、少なくとも1つ以上の突起状のリブによって形成されている。各装置側係合部620において、リブの形成数と形成位置とによって定まるパターンが、収容室600に装着される印刷材カートリッジ4の種類に応じて異なる。本実施形態では、装置側係合部620Kは、図3に示すように、装置後壁601側から装置前壁606側に向かう+Y方向側にベース部630から突出した2つのリブである装置側第1係合部621と、装置側第2係合部622と、によって構成される。なお、装置側係合部620の形成数および形成位置は、これに限られるものではない。装置側係合部620は、カートリッジ装着部6に印刷材カートリッジ4を挿入する挿入過程において、印刷材カートリッジ4のカートリッジ側係合部420と係合可能な位置に形成されていればよい。
【0027】
図3に示す可動ユニット610は、カートリッジ装着部6の収容室600に挿入された印刷材カートリッジ4の挿入方向DIにおける挿入量を取得するための部材である。本実施形態では、可動ユニット610は、3つの可動部611~613と、測定機構619と、を備える。可動部611~613は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、印刷材カートリッジ4の後述する突出部410によって押圧された場合に、挿入方向DIである+Y方向側に押し込まれる。可動部611~613には、取り外し方向DOである+Y方向に突出するように可動部611~613を付勢する付勢部材618が取り付けられている。本実施形態では、装置側係合部620と可動部611~613とは、ベース部630を介して一体に形成されている。換言すると、可動部611~613は、装置側係合部620の形成領域FAに位置する。なお、可動部611~613は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、印刷材カートリッジ4の突出部410により押圧可能な位置に形成されていればよく、装置側係合部620の形成領域FAとは異なる領域に形成されてもよい。
【0028】
3つの可動部611~613は、第1可動部611、第2可動部612、および第3可動部613である。第1可動部611および第2可動部612は、カートリッジ装着部6の高さ方向であるZ方向において、装置側第1位置決め部682と印刷材導入部63との間に形成されている。このとき、第1可動部611は、Z方向において、第2可動部612よりも装置側第1位置決め部682側に位置する。第2可動部612は、Z方向において、印刷材導入部63側に位置する。第3可動部613は、Z方向において、装置側第1係合部621と装置側第2係合部622との間に位置する。なお、可動ユニット610における可動部611~613の形成数および形成位置は、これに限られるものではない。
【0029】
測定機構619は、後述する突出部410の押圧により押し込まれた可動部611~613の押込量L、すなわち、可動部611~613の挿入方向DIへの移動量Lを測定する。測定機構619は、例えば、可動部611~613の挿入方向DIへの移動量Lを測定可能なストロークセンサーである。
【0030】
装置読取部65は、印刷材カートリッジ4の識別部を光学的に読み取って、識別部に記録された識別情報を取得する。本実施形態では、装置読取部65は、QRコードリーダーである。装置読取部65は、例えば、識別部を撮像するCMOSセンサー等の図示しない撮像部と、撮像した撮像画像を処理する図示しない処理部と、を備える。装置読取部65は、識別部に照明光を照射する図示しない照射部を備えてもよい。ここで言う識別情報とは、印刷材カートリッジ4を識別する情報であり、例えば、印刷材カートリッジ4の種類、印刷材カートリッジ4の型番、印刷材カートリッジ4の製造ロット番号、適合機種の品番等の情報である。適合機種とは、印刷材カートリッジ4に適合するカートリッジ装着部6を備えた印刷装置10、すなわち、印刷材カートリッジ4が使用可能な印刷装置10を指す。なお、識別情報には、印刷材カートリッジ4の製造ロット番号に代えて、印刷材カートリッジ4を区別するために印刷材カートリッジ4ごとに割り振られたカートリッジIDが含まれてもよい。さらに、識別部には、識別情報に加えて、印刷材カートリッジ4を使用するユーザーへの注意事項や印刷材カートリッジ4の装着手順を示す情報等が記録されていてもよい。装置読取部65は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、識別部を光学的に読み取り可能な位置に形成される。本実施形態では、装置読取部65は、Z方向において、装置側第1位置決め部682と装置上壁602との間に形成されている。つまり、装置読取部65は、カートリッジ装着部6の内部に形成されている。
【0031】
さらに、印刷装置10は、図1に示すように、ユーザーに対して各種情報を提示する報知部を備える。本実施形態では、報知部は、装置表示部15である。装置表示部15は、装置読取部65が識別部を読み取ることによって得られる印刷材カートリッジ4の識別情報等の各種情報を表示する。装置表示部15は、例えば、印刷装置10の外面に設けられた液晶ディスプレイや有機ELディスプレイである。そして、装置表示部15は、例えば、装着された印刷材カートリッジ4のインク色、型番等を、それぞれの装着位置が分かるように表示してもよい。なお、装置表示部15は、視覚的に情報を表示する機能に加えて、タッチパネルのように、ユーザーからの指示を受け付ける入力操作部としての機能を備えてもよい。また、報知部は、例えば、ユーザーに対して各種情報を音声メッセージとして聴覚的に提示したり、警告音や通知音を発したりするスピーカーであってもよい。
【0032】
A-3.印刷材カートリッジの詳細:
図4は、第1実施形態における印刷材カートリッジ4の側面図である。図4では、印刷材カートリッジ4をカートリッジ第1側壁404側から見た状態を示している。図5は、印刷材カートリッジ4の正面図である。図5は、印刷材カートリッジ4をカートリッジ後壁401側から見た状態を示している。図6は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、印刷材カートリッジ4が装着完了状態となる前の時点における印刷材カートリッジ4およびカートリッジ装着部6を示す図である。図6では、挿入方向DIに沿ったY方向において、印刷材カートリッジ4を収容室600の中央部まで挿入したときの状態を模式的に図示している。図7は、装着完了状態における印刷材カートリッジ4およびカートリッジ装着部6を示す図である。図4から図7までの各図には、印刷材カートリッジ4の装着完了状態におけるXYZ軸を付している。また、図6および図7には、理解の容易のために、可動部611~613にハッチングを付している。なお、図7では、印刷材導入部63および印刷材供給部43の図示は省略している。
【0033】
印刷材カートリッジ4は、図5に示すように、外殻を形成する筐体としてのケース40と、ケース40の内側に配置される印刷材収容部450と、印刷材収容部450に収容した印刷材を外部に排出させる印刷材供給部43と、加圧流体を受け入れる流体受部46と、を備える。図4に示すように、印刷材カートリッジ4の外形、すなわち、ケース40の形状は、略直方体形状である。印刷材カートリッジ4について、X方向は幅方向、Y方向は奥行方向、Z方向は高さ方向である。本実施形態では、印刷材カートリッジ4の外形について、Y方向の寸法が最も大きく、Z方向の寸法、X方向の寸法の順に小さい。
【0034】
ケース40は、例えば、合成樹脂により形成されている。ケース40は、図4および図5に示すように、カートリッジ前壁406と、カートリッジ後壁401と、カートリッジ上壁402と、カートリッジ底壁403と、カートリッジ第1側壁404と、カートリッジ第2側壁405と、を備える。カートリッジ前壁406は、図4に示すように、ケース40の+Y方向側の壁を形成する。カートリッジ後壁401は、Y方向においてカートリッジ前壁406と対向し、ケース40の-Y方向側の壁を形成する。カートリッジ後壁401は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6からの挿入方向DI側に位置する壁である。図7に示すように、カートリッジ前壁406とカートリッジ後壁401とは、印刷材カートリッジ4の装着完了状態において、X方向およびY方向に沿った水平面に概ね垂直な壁である。
【0035】
カートリッジ後壁401は、図5に示すように、印刷材供給部43が配置される配置孔434と、流体受部46が配置される配置凹部461と、を有する。配置孔434は、Y方向に沿ったカートリッジ後壁401の厚み方向にカートリッジ後壁401を貫通する孔である。本実施形態では、配置孔434は、カートリッジ後壁401のうちで、印刷材カートリッジ4の幅方向であるX方向および印刷材カートリッジ4の高さ方向であるZ方向の中心を含む位置に配置されている。配置凹部461は、カートリッジ後壁401のうちで、配置孔434よりも、-Z方向側かつ-X方向側に配置されている。配置凹部461は、少なくとも-Y方向側が開口している。
【0036】
カートリッジ上壁402は、ケース40の+Z方向側の壁を形成する。カートリッジ底壁403は、Z方向においてカートリッジ上壁402と対向し、ケース40の-Z方向側の壁を形成する。カートリッジ上壁402とカートリッジ底壁403とはそれぞれ、カートリッジ後壁401と、カートリッジ前壁406と、に交差する。カートリッジ上壁402とカートリッジ底壁403とは、印刷材カートリッジ4の装着完了状態において、X方向およびY方向に沿った水平面と概ね平行な壁である。
【0037】
カートリッジ第1側壁404は、図5に示すように、ケース40の+X方向側の壁を形成する。カートリッジ第2側壁405は、X方向においてカートリッジ第1側壁404と対向し、ケース40の-X方向側の壁を形成する。カートリッジ第1側壁404とカートリッジ第2側壁405とはそれぞれ、カートリッジ後壁401と、カートリッジ上壁402と、カートリッジ底壁403と、カートリッジ前壁406と、に交差する。カートリッジ第1側壁404とカートリッジ第2側壁405とは、印刷材カートリッジ4の装着完了状態において、X方向およびY方向に沿った水平面に概ね垂直な壁である。
【0038】
図5に示す印刷材収容部450は、印刷材を収容する容器である。本実施形態では、印刷材収容部450は、可撓性を有する袋状のフィルムによって形成されたインクパックである。印刷材収容部450は、インクの消費と共に容積が減少する。なお、印刷材収容部450の構成は、これに限られるものではない。印刷材収容部450は、印刷材を収容できる構成であればよく、例えば、ケース40の内部空間によって形成されてもよい。
【0039】
図5に示す印刷材供給部43は、印刷材収容部450に収容された印刷材としてのインクをカートリッジ装着部6の印刷材導入部63に供給するための部材である。印刷材供給部43の一端には、印刷材収容部450に収容されたインクを外部に流出させることで、印刷装置10に印刷材を供給する供給口431が取り付けられている。印刷材供給部43は、供給口431を介して、印刷材収容部450と連通する。本実施形態では、供給口431は、配置孔434に配置されている。
【0040】
図5に示す流体受部46は、ケース40の外部と内部とを連通させる。流体受部46は、加圧部686から供給される加圧流体を受け入れる。流体受部46は、配置凹部461のうちで、+Y方向側の凹部底面465から-Y方向に延びる筒状部材である。図7に示すように、流体受部46は、印刷材カートリッジ4の装着完了状態において、カートリッジ装着部6の加圧部686内に挿入されることで、加圧部686と接続される。これにより、流体受部46は、加圧部686から供給される加圧流体を受ける。流体受部46に供給された加圧流体は、ケース40内に導入されてケース40内を加圧することで、印刷材収容部450を外側から加圧する。これにより、印刷材収容部450に収容されたインクが供給口431を介して印刷材導入部63に供給される。なお、印刷材カートリッジ4は、印刷材収容部450の構成に応じて、流体受部46の代わりに、ケース40の内部と外部とを連通させる大気連通孔等を備えてもよい。
【0041】
図5および図6に示すように、印刷材カートリッジ4は、さらに、カートリッジ側規制部492と、カートリッジ側第1位置決め部482と、カートリッジ側第2位置決め部484と、カートリッジ側係合部420と、突出部410と、識別部45と、を備える。
【0042】
カートリッジ側規制部492は、図7に示すように、収容室600側に突出した突起状の装置側係合部620を受け入れる凹部である。印刷材カートリッジ4の装着完了状態において、装置側規制部692とカートリッジ側規制部492とは係合している。一方で、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程においては、図6に示すように、装置側規制部692とカートリッジ側規制部492とは係合することなく、互いに干渉しない位置関係を維持する。
【0043】
カートリッジ側第1位置決め部482は、図7に示すように、装置側第1位置決め部682を受け入れ可能な孔である。つまり、カートリッジ側第1位置決め部482は、装置側第1位置決め部682と対応する位置に形成されている。カートリッジ側第2位置決め部484は、装置側第2位置決め部684を受け入れ可能な孔である。つまり、カートリッジ側第2位置決め部484は、装置側第2位置決め部684と対応する位置に形成されている。
【0044】
なお、本実施形態では、図6および図7に示すように、装置側位置決め部682,684が凸状部材であり、カートリッジ側位置決め部482,484が装置側位置決め部682,684を受け入れる凹状部材であるが、これに限られるものではない。例えば、カートリッジ側位置決め部482,484が凸状部材であり、装置側位置決め部682,684が、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、カートリッジ側位置決め部482,484を受け入れる凹状部材であってもよい。
【0045】
カートリッジ側係合部420は、図7に示すように、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、装置側係合部620と係合する。本実施形態では、カートリッジ側係合部420は、カートリッジ後壁401から装置側第1位置決め部682の突出方向と同じ+Y方向に窪んだ、装置側係合部620を受け入れるための凹部である。以下において、カートリッジ側係合部420が形成された面を形成面とも呼ぶ。本実施形態では、形成面は、カートリッジ後壁401の外表面である。つまり、形成面は、図6に示すように、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、装置読取部65が識別部45を読み取るときの光軸方向DLについて装置読取部65と対向し、光軸方向DLと直交する面である。なお、形成面は、平面であってもよく、後述の図17に示すような傾斜面407aを有していてもよく、図4に示すような凹凸を有する面であってもよい。本実施形態では、カートリッジ側係合部420と供給口431とはいずれも、同一の面である形成面に形成されている。
【0046】
図2に示すように、カートリッジ側係合部420の形状は、印刷材カートリッジ4の種類に応じて異なる。本実施形態では、カートリッジ側係合部420は、カートリッジ側第1係合部421と、カートリッジ側第2係合部422と、によって構成される。カートリッジ側第1係合部421は、カートリッジ後壁401から装置側第1係合部621の突出方向と同じ+Y方向に窪んだ、装置側第1係合部621を受け入れるための凹部である。カートリッジ側第2係合部422は、カートリッジ後壁401から装置側第2係合部622の突出方向と同じ+Y方向に窪んだ、装置側第2係合部622を受け入れるための凹部である。
【0047】
なお、カートリッジ側係合部420は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、装置側係合部620と係合可能な位置に形成されていればよく、カートリッジ側係合部420の形成数および形成位置は、これに限られるものではない。また、本実施形態では、図6および図7に示すように、装置側係合部620が凸状部材であり、カートリッジ側係合部420が装置側係合部620を受け入れる凹状部材であるが、これに限られるものではない。例えば、カートリッジ側係合部420が凸状部材であり、装置側係合部620がカートリッジ側係合部420を受け入れる凹状部材であってもよい。すなわち、カートリッジ側第1係合部421が凸状部材であり、装置側第1係合部621がカートリッジ側第1係合部421を受け入れる凹状部材であってもよい。このとき、装置側第2係合部622は凸状部材であり、カートリッジ側第2係合部422は装置側第2係合部622を受け入れる凹状部材であってもよい。
【0048】
突出部410は、図6および図7に示すように、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、カートリッジ装着部6の可動部611~613と接触して可動部611~613を押圧することで、可動部611~613を挿入方向DIである-Y方向側に押し込む。突出部410は、挿入方向DIである-Y方向に延びるリブである。本実施形態では、カートリッジ側係合部420と突出部410とは、一体に形成されている。換言すると、突出部410は、カートリッジ側係合部420の形成領域FAに位置する。なお、突出部410は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、可動部611~613を押圧可能な位置に形成されていればよく、カートリッジ側係合部420の形成領域FAとは異なる領域に形成されてもよい。
【0049】
本実施形態では、突出部410は、第1突出部411と、第2突出部412と、第3突出部413と、によって構成される。第1突出部411と第2突出部412と第3突出部413とは、印刷材カートリッジ4の高さ方向であるZ方向において、この順に設けられている。具体的には、第1突出部411は、Z方向において、カートリッジ側第1位置決め部482側に設けられた2つの凹部418,419の間に形成されている。2つの凹部418,419は、第1凹部418と、第1凹部418よりも-Z方向側に位置する第2凹部419である。第1凹部418と第2凹部419とはいずれも、カートリッジ後壁401から取り外し方向DOである+Y方向側に窪んでいる。第2突出部412は、第2凹部419とカートリッジ側第1係合部421との間に形成されている。第3突出部413は、カートリッジ側第1係合部421とカートリッジ側第2係合部422との間に形成されている。
【0050】
図5に示す識別部45は、複数の明色セルBと複数の暗色セルDとの配列パターンに応じて模様と形状とが形成されるコードである。識別部45には、印刷材カートリッジ4を識別する識別情報Jが記録されている。識別部45は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、カートリッジ装着部6の内部に形成された装置読取部65により光学的に読み取り可能な位置に形成されている。識別部45を光学的に読み取り可能な位置とは、例えば、図6に示すように、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、装置読取部65が識別部45を読み取るときの読み取り方向であるレンズの光軸方向DLについて、装置読取部65と対向する位置である。本実施形態では、レンズの光軸方向DLは、Y方向である。そして、識別部45は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ後壁401のうちで、カートリッジ上壁402側、かつ、カートリッジ第2側壁405側に形成されている。つまり、カートリッジ側係合部420と、供給口431と、識別部45とはいずれも、同一の面である形成面に形成されている。
【0051】
また、本実施形態では、識別部45は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ後壁401にレーザー印字により形成されている。識別部45は、例えば、レーザーマーカーによって形成される。レーザーマーカーは、例えば、レーザー光の照射により、合成樹脂等により形成されたケース40の外表面の状態を変化させることで、レーザー光が照射された照射領域と、レーザー光が照射されていない非照射領域と、に色調差を生じさせる。つまり、識別部45の明色セルBと暗色セルDとは、照射領域と非照射領域との色調差によって形成される。なお、識別部45の種類、形成位置、および形成方法は、これに限られるものではない。
【0052】
A-4.印刷材カートリッジの着脱方法の説明:
カートリッジ装着部6に印刷材カートリッジ4を装着する際、ユーザーは、カートリッジ後壁401と装置後壁601とが対向する状態で、挿抜開口部674から収容室600内に向けて、印刷材カートリッジ4を挿入方向DIに押し進める。これにより、図6に示すように、印刷材カートリッジ4が挿抜開口部674から収容室600内に挿入される。このとき、本実施形態では、装置側第1位置決め部682と装置側第2位置決め部684とはそれぞれ、装置側係合部620よりも+Y方向側に延びている。つまり、装置側第1位置決め部682の先端部682aと装置側第2位置決め部684の先端部684aとはそれぞれ、装置側第1係合部621の先端部621aおよび装置側第2係合部622の先端部622aよりも+Y方向側に位置する。そのため、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、装置側位置決め部682,684は、装置側係合部620とカートリッジ側係合部420とが係合する前にカートリッジ側位置決め部482,484に案内される。詳細には、装置側第1位置決め部682は、カートリッジ側第1位置決め部482に収容される。装置側第2位置決め部684は、カートリッジ側第2位置決め部484に収容される。これにより、カートリッジ装着部6に対する印刷材カートリッジ4の位置決めがなされて、挿入方向DIと直交するX方向およびZ方向における印刷材カートリッジ4の移動が規制される。
【0053】
印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、カートリッジ装着部6に対する印刷材カートリッジ4の位置決めがなされた後に、カートリッジ側係合部420と装置側係合部620との係合が開始される。図7に示すように、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、カートリッジ装着部6に適合する正しい印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に挿入された場合は、装置側係合部620とカートリッジ側係合部420とが衝突することなく嵌まり合うようにして係合する。一方で、図示しないが、カートリッジ装着部6に適合しない印刷材カートリッジ4、例えば、異なるインク色の印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に挿入された場合は、装置側係合部620とカートリッジ側係合部420とが係合することなく衝突する。そして、装置側係合部620とカートリッジ側係合部420との衝突により、更なる印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入が阻害される。このようにして、カートリッジ装着部6の収容室600に挿入された印刷材カートリッジ4について、カートリッジ装着部6に適合する正しい印刷材カートリッジ4であるか否かが判定される。
【0054】
また、図7に示すように、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、印刷材カートリッジ4を挿入方向DIに押し進めることで、突出部410の先端部411a~413aと可動部611~613の先端部611a~613aとが接触する。そして、可動部611~613が突出部410によって押圧されることで、可動部611~613は、付勢部材618による+Y方向への付勢力に抗して、挿入方向DIである-Y方向側に押し込まれる。このとき、測定機構619は、可動部611~613の挿入方向DIへの移動量Lを測定する。測定機構619によって測定された可動部611~613の挿入方向DIへの移動量Lは、主制御装置3に出力される。
【0055】
本実施形態では、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、第1突出部411の先端部411aと第1可動部611の先端部63aとが接触した状態で、第1可動部611が第1突出部411に押圧される。これにより、第1可動部611は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、第1突出部411によって挿入方向DI側である-Y方向側に押し込まれる。また、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、第2突出部412の先端部412aと第2可動部612の先端部612aとが接触した状態で、第2可動部612が第2突出部412に押圧される。これにより、第2可動部612は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、第2突出部412によって挿入方向DI側に押し込まれる。さらに、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、第3突出部413の先端部413aと第3可動部613の先端部613aとが接触した状態で、第3可動部613が第3突出部413に押圧される。これにより、第3可動部613は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、第3突出部413によって挿入方向DI側に押し込まれる。
【0056】
なお、本実施形態では、図7に示すように、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、可動部611~613が突出部410に押圧された場合に、可動部611~613の少なくとも一部がベース部630内に押し込まれるようにして収容されているが、これに限られるものではない。可動部611~613は、例えば、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において突出部410により押圧された場合に、突出部410の押圧力に応じて、挿入方向DIに沿ったY方向の寸法を変化させることが可能な伸縮部材ないし弾性部材によって形成されてもよい。
【0057】
さらに、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、識別部45と装置読取部65とのY方向における距離が装置読取部65の焦点距離FLとなったときに、識別部45は、装置読取部65によって読み取られる。装置読取部65が識別部45を光学的に読み取ることによって得られた識別情報Jは、主制御装置3に出力される。なお、可変焦点レンズ等により、焦点距離FLは可変であってもよい。
【0058】
印刷材カートリッジ4をさらに挿入方向DIに押し進めることで、カートリッジ側規制部492が装置側規制部692の位置に到達する。これにより、装置側規制部692は、バネ部材698の付勢力により、回転軸部699を中心として重力方向側である-Z方向側に回動する。これにより、装置側規制部692が収容室600側に移動してカートリッジ側規制部492に受け入れられて、装置側規制部692とカートリッジ側規制部492とが係合する。以上により、印刷システム1は、カートリッジ装着部6への印刷材カートリッジ4の装着が完了した装着完了状態となる。
【0059】
カートリッジ装着部6に装着された印刷材カートリッジ4を取り外す際には、まず、図6に示すように、ユーザーは、操作部691を-Z方向側に押し下げて押下状態とする。これにより、印刷材カートリッジ4と装置側規制部692とが、カートリッジ装着部6から印刷材カートリッジ4を取り外す過程において干渉しない状態となる。次に、ユーザーは、印刷材カートリッジ4を取り外し方向DOに引き抜く。これにより、印刷材カートリッジ4が収容室600から挿抜開口部674を介して取り外される。なお、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6に対する着脱作業の少なくとも一部は、機械的に行われてもよい。
【0060】
A-5.主制御装置の詳細構成:
図8は、印刷システム1および印刷システム1と通信可能な携帯端末9の概略構成を示すブロック図である。図8では、印刷システム1の構成の一部を代表して図示している。主制御装置3は、印刷装置10の動作を制御すると共に、各種処理を実行する。主制御装置3は、装置通信部34と、装置記憶部33と、装置CPU31と、を備える。主制御装置3は、装置通信部34を介して、装置表示部15、装置読取部65、および携帯端末9等の外部機器と通信可能に接続される。
【0061】
装置記憶部33は、主制御装置3に設けられた記憶部である。装置記憶部33は、印刷装置10の動作を制御する各種プログラムと、各種閾値332~334と、装置読取部65が読み取った識別情報Jと、を記憶する。本実施形態では、各種閾値332~334は、可動閾値332、消費閾値333、および時間閾値334であり、装置CPU31の機能に基づく処理に用いられる。さらに、装置記憶部33は、適合データベース331と、消費値336と、読み取り回数338と、読み取りタイミング339とを含む各種データを記憶する。各種データ331,334~339は、識別情報Jと対応付けて記憶されている。装置記憶部33に記憶された各種データ331,334~339の詳細は、後述する。装置記憶部33は、例えば、RAMやROM、書き換え可能な不揮発性メモリー等を含む。
【0062】
装置CPU31は、装置記憶部33に記憶された各種プログラムおよびデータ等を展開することにより、動作制御部311と、適合判定部312と、通知部313と、消費値算出部314と、情報処理部315として機能する。本実施形態では、装置CPU31は、装置記憶部33に記憶された各種プログラムおよびデータ等を展開することで、上記の機能を実現する。動作制御部311は、印刷装置10の動作を制御する。適合判定部312は、装置読取部65が識別部45を読み取ることによって得られる識別情報Jを用いて、印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に適合するか否かを判定する。通知部313は、可動部611~613の移動量Lが予め定められた可動閾値332以上となった場合に、カートリッジ装着部6に対する印刷材カートリッジ4の装着が完了したことを報知部に通知する。消費値算出部314は、例えば、ヘッド22からの印刷材の吐出回数をカウントすることで、印刷により消費された印刷材の消費量を示す消費値336を算出する。情報処理部315は、特定の印刷材カートリッジ4の消費値336を管理したり、特定の印刷材カートリッジ4が交換対象であるか否かを推定したりするための各種処理を実行する。なお、装置CPU31の少なくとも一部の機能は、ハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0063】
図9は、カートリッジ判定方法を示すフローチャートである。カートリッジ判定方法は、装置読取部65が識別部45を読み取ることによって得られる識別情報Jを用いて、カートリッジ装着部6に挿入された印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に適合する正しい印刷材カートリッジ4であるか否かを判定する方法である。
【0064】
まず、ステップS11において、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、識別部45と装置読取部65との光軸方向DLであるY方向における距離が装置読取部65の焦点距離FLとなったときに、装置読取部65は、印刷材カートリッジ4に設けられた識別部45を読み取る。具体的には、図6に示すように、装置読取部65は、識別部45としてのQRコードを撮像する。そして、装置読取部65は、例えば、識別部45を撮像した撮像画像を取り込んで2値化処理することで、識別部45を光学的に読み取る。
【0065】
次に、図9に示すステップS13において、装置読取部65は、読み取った識別部45を解析して識別情報Jを取得する。具体的には、装置読取部65は、例えば、撮像画像を2値化処理した2値画像に含まれるコードを、予め定められたコードの規格に従ってデコードすることによって、識別部45に記録された元データとしての識別情報Jを取得する。なお、装置読取部65の機能の少なくとも一部は、主制御装置3により実行されてもよい。
【0066】
次に、ステップS15において、適合判定部312は、識別情報Jを用いて、印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に適合するか否かを判定する。具体的には、適合判定部312は、装置通信部34を介して、装置読取部65が取得した識別情報Jを取得する。そして、適合判定部312は、例えば、取得した識別情報Jと、適合データベース331と、を比較することで、カートリッジ装着部6に挿入された印刷材カートリッジ4が、カートリッジ装着部6に適合する正しい印刷材カートリッジ4であるか否かを判定する。ここで言う適合データベース331とは、カートリッジ装着部6に適合する正しい印刷材カートリッジ4の種別を示すデータの集合体であり、例えば、印刷装置10の品番と、印刷装置10に適合する印刷材カートリッジ4の型番とを対応付けたデータベースである。例えば、適合判定部312は、取得した識別情報Jに含まれる印刷材カートリッジ4の型番と、適合データベース331において印刷装置10の品番に対応付けられた印刷材カートリッジ4の型番と、が一致するかを確認する。適合判定部312は、取得した識別情報Jと適合データベース331とで印刷材カートリッジ4の型番が一致する場合に、カートリッジ装着部6に挿入された印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に適合する正しい印刷材カートリッジ4であると判定する。
【0067】
ステップS15において「Yes」と判定した場合、すなわち、カートリッジ装着部6に挿入された印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に適合する正しい印刷材カートリッジ4であると判定した場合、適合判定部312は、ステップS17を実行する。ステップS17において、適合判定部312は、識別情報J、および、ステップS15における判定結果Kが適合であった旨を装置表示部15に表示させる。それ以降、印刷装置10による正常な印刷動作が可能となる。これに対して、ステップS15において「No」と判定した場合、すなわち、カートリッジ装着部6に挿入された印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に適合しない不適合な印刷材カートリッジ4であると判定した場合、適合判定部312は、ステップS19を実行する。それ以降、印刷装置10による印刷動作は停止される。
【0068】
図10は、ステップS19における装置表示部15の表示イメージの一例を示す図である。図9に示すステップS19において、適合判定部312は、識別情報J、および、ステップS15における判定結果Kが不適合であった旨を装置表示部15に表示させる。図10に示す例では、識別情報Jとして、カートリッジ装着部6に挿入された印刷材カートリッジ4のインク色J1と、印刷材カートリッジ4の型番J2と、ユーザーへの注意事項J3とが、装置表示部15に表示されている。また、カートリッジ装着部6に挿入された印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に適合しない不適合な印刷材カートリッジ4であることを示すために、ステップS15における判定結果Kについて、「カートリッジ判定結果:NG」と表示されている。なお、装置表示部15に表示される情報の種類および表示態様は、これに限られるものではない。また、カートリッジ装着部6に不適合な印刷材カートリッジ4が挿入されたと判定した場合に、適合判定部312は、印刷動作をさせないように制御してもよい。これにより、カートリッジ側係合部420と装置側係合部620との構造的な係合によって、適切な印刷材カートリッジ4のみをカートリッジ装着部6に装着可能な構成とした場合に、例えば、以下の事態を防ぐことができる。何らかの事情でカートリッジ側係合部420および装置側係合部620の構造が改変され、カートリッジ装着部6への印刷材カートリッジ4の適合性を判別する機能が働かない状態となっても、誤ったインク色の印刷材カートリッジ4により印刷する事態を防ぐことができる。
【0069】
ステップS11からステップS19までの各工程の実行により、ユーザーは、装置表示部15の表示内容を視認することで、カートリッジ装着部6に挿入した印刷材カートリッジ4の識別情報J等の各種情報を確認することができる。さらに、ユーザーは、装置表示部15の表示内容を視認することで、カートリッジ装着部6に挿入した印刷材カートリッジ4が、カートリッジ装着部6に適合する正しい印刷材カートリッジ4であるか否かを確認することができる。従って、印刷材カートリッジ4のケース40に、識別情報Jを記載、記憶したラベルや回路基板を取り付けることを省略することができ、回収した印刷材カートリッジ4のリサイクル環境負荷を低減することができる。
【0070】
図11は、装着完了通知方法を示すフローチャートである。装着完了通知方法は、可動部611~613の移動量Lが予め定められた可動閾値332以上となった場合に、カートリッジ装着部6に対する印刷材カートリッジ4の装着が完了したことを通知する方法である。
【0071】
まず、ステップS21において、測定機構619は、可動部611~613の挿入方向DIへの移動量Lを測定する。図6および図7に示す例では、可動部611~613の挿入方向DIへの移動量Lは、図6に示す第1距離L1から図7に示す第2距離L2を減じた距離Lに相当する。第1距離L1とは、可動部611~613が突出部410によって押圧されていない状態、すなわち、可動部611~613と突出部410とが接触していない状態において、ベース部630から露出している可動部611~613のY方向における寸法L1を言う。第2距離L2とは、可動部611~613が突出部410によって押圧されている状態において、ベース部630から露出している可動部611~613のY方向における寸法L2を言う。
【0072】
次に、図11に示すステップS23において、通知部313は、装置通信部34を介して、測定機構619が測定した可動部611~613の挿入方向DIへの移動量Lを取得する。次に、ステップS25において、通知部313は、取得した可動部611~613の挿入方向DIへの移動量Lと予め定められた可動閾値332とを比較する。ステップS25において「Yes」と判定した場合、すなわち、可動部611~613の挿入方向DIへの移動量Lが可動閾値332以上である場合、通知部313は、ステップS27を実行する。これに対して、ステップS25において「No」と判定した場合、すなわち、可動部611~613の挿入方向DIへの移動量Lが可動閾値332未満である場合、装置CPU31は、ステップS21に戻り、ステップS21からステップS25までの各工程を繰り返し実行する。
【0073】
ステップS27において、通知部313は、カートリッジ装着部6に対する印刷材カートリッジ4の装着が完了したこと、すなわち、カートリッジ装着部6に挿入した印刷材カートリッジ4が装着完了状態となったことをユーザーに通知する。通知部313は、例えば、カートリッジ装着部6に対する印刷材カートリッジ4の装着が完了したことを示す表示を装置表示部15に表示させることで、カートリッジ装着部6に挿入した印刷材カートリッジ4の装着が完了したことをユーザーに通知する。また、通知部313は、例えば、報知部としての図示しないスピーカーから通知音を発生させることによって、カートリッジ装着部6に挿入した印刷材カートリッジ4の装着が完了したことをユーザーに通知してもよい。
【0074】
ここで、カートリッジ装着部6への印刷材カートリッジ4の装着が完了していないときには、印刷材供給部43と印刷材導入部63との接続が完了していない。そのため、印刷材カートリッジ4の装着が完了する前に印刷が開始された場合、例えば、印刷材導入部63から空気が引き込まれることによってチューブ24内に残存した印刷材としてのインクに気泡が発生し、ドット抜け等の印刷不良を生じるおそれがある。また、印刷材カートリッジ4の装着が完了する前に印刷が開始された場合、印刷材供給部43内に印刷材導入部63が導入されていない状態のまま、印刷材収容部450から印刷材が供給される場合がある。このように、カートリッジ装着部6に対して印刷材カートリッジ4が中途半端に挿入されているときに印刷が開始された場合、印刷材が、印刷材導入部63に供給されることなく印刷材カートリッジ4の供給口431から漏出するおそれがある。印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、印刷材カートリッジ4の装着が完了する前に印刷材が供給口431から漏出した場合、収容室600が印刷材によって汚染されるおそれがある。さらに、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、印刷材カートリッジ4の装着が完了する前に印刷材が供給口431から漏出した場合、漏出した印刷材が他の種類の印刷材を導入する印刷材導入部63に到達して混色が生じるおそれがある。
【0075】
これに対して、本実施形態では、ステップS21からステップS27までの各工程の実行により、ユーザーは、カートリッジ装着部6に対する印刷材カートリッジ4の装着が完了したか否かを確認することができる。そのため、ユーザーは、カートリッジ装着部6への印刷材カートリッジ4の装着が完了したことを確認した上で、印刷システム1に印刷動作を開始させることができる。よって、印刷材カートリッジ4の装着時において、印刷不良等の不具合が生じる可能性を低減することができる。また、印刷システム1は、ユーザーに対して、適切な印刷材カートリッジ4が装着されたか否かを通知することができるため、ユーザーに安心感を与えることができる。さらに、適切な印刷材カートリッジ4が装着されない場合には、印刷装置10の主制御装置3により、印刷動作を停止するように制御してもよい。
【0076】
図12は、消費値管理方法を示すフローチャートである。消費値管理方法は、特定の印刷材カートリッジ4の消費値336を管理する方法である。本実施形態では、図8に示す装置記憶部33は、識別情報Jと、印刷により消費された印刷材の消費量を示す消費値336と、を対応付けて記憶している。
【0077】
まず、ステップS31において、消費値算出部314は、消費値336を算出する。本実施形態では、消費値算出部314は、印刷によりヘッド22から吐出された印刷材の吐出量を用いて、印刷材収容部450内の印刷材の消費量を管理するソフトカウンターである。つまり、本実施形態では、消費値算出部314は、印刷材の吐出量を示す消費値336を用いて、印刷材収容部450に収容された印刷材の残量を管理する。消費値算出部314は、例えば、ヘッド22から印刷材が吐出されるたびに、1回あたりの印刷材の吐出量を消費値336に加算する。換言すると、消費値算出部314は、1回あたりの印刷材の吐出量に対してヘッド22から印刷材を吐出した回数を乗じた値を消費値336として算出する。すなわち、本実施形態では、消費値336は、カウントを開始した時点から現時点までの印刷材の吐出量を示すソフトカウント値である。なお、図1に示すように、複数の印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6にそれぞれ装着されている場合には、消費値算出部314は、複数の印刷材カートリッジ4のそれぞれについて消費値336をカウントする。
【0078】
次に、図12に示すステップS32において、情報処理部315は、算出された消費値336と、装置記憶部33に予め記憶された消費閾値333と、を比較する。消費閾値333は、例えば、ソフトカウント値の最大値に対して所定割合となる値である。例えば、識別情報Jに対応する印刷材カートリッジ4の印刷材収容量から計算されたソフトカウント値の最大値から95%を、実質的なインク残量がわずかであるとした消費閾値333と設定してもよい。ステップS32において「Yes」と判定した場合、すなわち、算出された消費値336が予め定められた消費閾値333以上である場合に、ステップS33を実行する。これに対して、ステップS32において「No」と判定した場合、すなわち、算出された消費値336が消費閾値333未満である場合、装置CPU31は、ステップS31に戻り、ステップS31とステップS32とをこの順に繰り返し実行する。
【0079】
ステップS33において、情報処理部315は、消費値336が消費閾値333以上となった印刷材カートリッジ4について、交換を促すメッセージ等を装置表示部15に表示させる。つまり、情報処理部315は、消費値336が消費閾値333以上である場合に、カートリッジ装着部6に装着中の印刷材カートリッジ4の印刷材が所定割合以上消費され、印刷材の残量がゼロに近づいているとして、交換を促す表示を装置表示部15に表示させる。なお、情報処理部315は、例えば、印刷材カートリッジ4の交換を促す音声メッセージを報知部としてのスピーカーから発生させることにより、印刷材カートリッジ4が交換時期に達している旨をユーザーに通知してもよい。さらに、情報処理部315は、空打ちを防止させるために、印字動作を停止させるよう制御してもよい。また、ステップS33は、消費値管理方法において、必須の工程ではない。
【0080】
情報処理部315は、ステップS32において「Yes」と判定した後に、ステップS34において印刷材カートリッジ4の取り外しを検知した場合に、ステップS35を実行する。つまり、ステップS34において「Yes」と判定した場合に、情報処理部315は、ステップS35を実行する。これに対して、ステップS34において「No」と判定した場合に、情報処理部315は、ステップS33に戻り、ステップS33とステップS34とをこの順に繰り返し実行する。情報処理部315は、例えば、図7に示す可動部611~613の挿入方向DIへの移動量Lを用いて、印刷材カートリッジ4の取り外しを検知する。また、情報処理部315は、例えば、装置読取部65による識別部45の読み取りの可否によって、印刷材カートリッジ4の取り外しを検知してもよい。この場合、情報処理部315は、例えば、カートリッジ装着部6への印刷材カートリッジ4の装着が完了した後においても予め定められた時間ごとに、識別部45を装置読取部65に読み取らせる。情報処理部315は、装置読取部65が読み取りを実行した場合に、読み取りが完了せず、識別部45を取得できない場合に、カートリッジ装着部6の収容室600内に印刷材カートリッジ4が存在しないとして、印刷材カートリッジ4の取り外しを検知する。
【0081】
ステップS35において、情報処理部315は、装置記憶部33に記憶された消費値336であって、識別情報Jに対応する消費値336を初期値にリセットする。このとき、消費値336の初期値は、ゼロであってもよく、ゼロ以外の予め定められた任意の値であってもよい。これによって、識別情報Jに対応する印刷材カートリッジ4に印刷材がリフィルされて、再び印刷装置10に装着される際、印刷材の残量なしと判断され、印刷されない事態になることを避け、使用を続けることができる。つまり、回収された使用済みの印刷材カートリッジ4をリフィルし、再度印刷に使用する場合にも、印刷装置10側で、過去に装着された印刷材カートリッジ4の消費値336を適切に管理することができる。これにより、印刷材カートリッジ4を適切に再利用することができる。
【0082】
なお、記憶部としての装置記憶部33は、さらに、読み取り回数338を識別情報Jに対応付けて記憶してもよい。ここで言う読み取り回数338とは、印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に挿入されるごとに、装置読取部65が識別部45を読み取った回数を示すデータである。つまり、読み取り回数338は、カートリッジ装着部6への印刷材カートリッジ4の挿抜回数に等しい。識別情報Jと読み取り回数338とはそれぞれ、印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に挿入に伴い、装置読取部65が識別部45を読み取るたびに、装置記憶部33に記憶される。
【0083】
図13は、交換対象推定方法を示すフローチャートである。交換対象推定方法は、カートリッジ装着部6から取り外された印刷材カートリッジ4が交換対象であるか否かを推定する方法である。本実施形態では、記憶部としての装置記憶部33は、図8に示すように、識別情報Jと、印刷材カートリッジ4の読み取りタイミング339と、を対応付けて記憶している。ここで言う読み取りタイミング339とは、印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に挿入されるごとに、装置読取部65が識別部45を読み取ったタイミングを示すデータである。読み取りタイミング339は、例えば、装置読取部65が識別部45を読み取った時点の年月日および時分秒を示すデータである。読み取りタイミング339は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入に伴い、装置読取部65が識別部45を読み取るたびに、装置記憶部33に記憶される。
【0084】
図13に示すように、まず、ステップS51において、情報処理部315は、印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6から取り外されたことを検知する。ステップS51において「Yes」と判定した場合、すなわち、印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6から取り外されたことを検知した場合に、情報処理部315は、ステップS53を実行する。これに対して、ステップS51において「No」と判定した場合は、印刷材カートリッジ4の取り外しを検知するまで繰り返しステップS51を実行する。
【0085】
ステップS53において、情報処理部315は、装置記憶部33に記憶された読み取りタイミング339であって、ステップS51において取り外しを検知した印刷材カートリッジ4の読み取りタイミング339を参照する。そして、情報処理部315は、読み取りタイミング339から、読み取りタイミング339の後にカートリッジ装着部6から印刷材カートリッジ4が取り外された取り外しタイミングまでの所要時間である挿抜所要時間を算出する。ここで言う取り外しタイミングは、例えば、情報処理部315が印刷材カートリッジ4の取り外しを検知したタイミングである。
【0086】
次に、ステップS55において、情報処理部315は、ステップS53において算出した挿抜所要時間と予め定められた時間閾値334とを比較する。時間閾値334は、例えば、印刷材の寿命時間と、印刷材の消費値336が消費閾値333に到達するまでの推定所要時間と、のいずれか短い時間である。ここで言う印刷材の寿命時間とは、印刷材収容部450に収容された印刷材が製造された時点から使用期限に至る時点までの時間を指す。また、推定所要時間とは、通常の使用頻度により印刷システム1を使用した場合に、印刷材カートリッジ4の使用開始時点から、印刷材の消費値336が消費閾値333以上となる時点までの時間を指す。換言すると、推定所要時間は、印刷材カートリッジ4の使用を開始してから、印刷材収容部450の印刷材の残量がゼロに近づくことで、印刷材収容部450への印刷材の補充ないし印刷材収容部450の交換が必要となるまでの時間である。
【0087】
ステップS55において「Yes」と判定した場合、つまり、挿抜所要時間が時間閾値334以上の場合、ステップS56において、情報処理部315は、取り外しを検知した印刷材カートリッジ4を交換対象と推定する。これに対して、ステップS55において「No」と判定した場合、すなわち、挿抜所要時間が時間閾値334未満である場合、ステップS57において、情報処理部315は、取り外しを検知した印刷材カートリッジ4は、交換することなく継続使用が可能であると推定する。そして、ステップS59において、情報処理部315は、ステップS56およびステップS57に示した推定結果を報知部に報知させる。本実施形態では、挿抜所要時間が予め定められた時間閾値334以上である場合に、情報処理部315は、取り外された印刷材カートリッジ4が交換時期に達している旨のメッセージを装置表示部15に表示させる。この場合、同じ印刷材カートリッジ4が再びカートリッジ装着部6へ装着されたとしても、印字動作を行わないように制御してもよい。一方で、挿抜所要時間が時間閾値334未満である場合に、情報処理部315は、例えば、取り外された印刷材カートリッジ4が継続使用可能である旨のメッセージを装置表示部15に表示させる。また、挿抜所要時間が時間閾値334未満である場合に、情報処理部315は、例えば、取り外された印刷材カートリッジ4をカートリッジ装着部6に再度装着することを促す旨のメッセージを装置表示部15に表示させてもよい。
【0088】
このように、ステップS51からステップS59までの各工程を実行することで、印刷システム1は、取り外した印刷材カートリッジ4が交換対象であるかどうかを推定することができる。つまり、印刷システム1は、識別情報Jと、カートリッジ装着部6への印刷材カートリッジ4の挿抜タイミングと、を対応付けて記憶することで、取り外した印刷材カートリッジ4が交換対象であるかどうかを推定することができる。さらに、推定結果を装置表示部15に表示させることで、ユーザーは、取り外した印刷材カートリッジ4が交換対象であるか否かを簡便に把握することができる。これにより、ユーザーは、印刷材の使用期限や通常の使用頻度における交換時期を考慮して、印刷材カートリッジ4を交換することができる。そのため、印刷システム1は、印刷材カートリッジ4が交換時期に達していることにより印刷品質が低下することを抑制できる。よって、印刷システム1は、印刷材カートリッジ4が交換対象であるか否かについての推定結果を、印刷材カートリッジ4の品質の維持および管理に活用することができる。
【0089】
なお、カートリッジ装着部6に印刷材カートリッジ4が複数回に亘って挿抜された場合、情報処理部315は、特定の印刷材カートリッジ4が最初に読み取られた読み取りタイミング339から最後の取り外しタイミングまでの所要時間を挿抜所要時間としてもよい。つまり、この場合に、情報処理部315は、特定の印刷材カートリッジ4における最初の読み取りタイミング339からの累積時間を時間閾値334と比較することで、印刷材カートリッジ4が交換対象であるか否かを推定してもよい。
【0090】
A-6.携帯端末による識別情報の確認方法:
図14は、携帯端末9による識別部45の読み取りイメージと端末表示部97の表示イメージの一例を示す図である。識別部45は、さらに、携帯端末9に読み取られることで、携帯端末9の端末表示部97に識別情報Jを表示させる。携帯端末9は、図8に示すように、端末表示部97と、端末読取部95と、端末制御装置90と、を備える。図14に示すように、端末表示部97は、例えば、スマートフォンやタブレット端末のディスプレイである。端末読取部95は、印刷材カートリッジ4の識別部45を光学的に読み取る。本実施形態では、端末読取部95は、スマートフォンやタブレット端末に設けられたカメラである。
【0091】
端末制御装置90は、図8に示すように、端末通信部94と、端末記憶部93と、端末CPU91と、を備える。端末制御装置90は、端末通信部94を介して、端末表示部97、端末読取部95、および印刷装置10等の外部機器と通信可能に接続される。端末記憶部93は、携帯端末9の動作を制御する各種プログラム等を記憶する。端末記憶部93は、例えば、RAMやROM、書き換え可能な不揮発性メモリー等を含む。端末CPU91は、端末記憶部93に記憶された各種プログラムを展開することにより、端末動作制御部911と、端末取得部913と、表示制御部915として機能する。端末動作制御部911は、携帯端末9の動作を制御する。端末取得部913は、端末読取部95が読み取った識別部45を解析して識別情報Jを取得する。表示制御部915は、端末取得部913によって取得された識別情報J等の各種情報を端末表示部97に表示させる。
【0092】
上記第1実施形態によれば、回路基板におけるメモリー情報やラベルに表示された識別情報を、それぞれの目的に使用されるための1つの共通した識別部45として印刷材カートリッジ4に形成することができる。ここで言う回路基板におけるメモリー情報とは、例えば、消費値336等の印刷材カートリッジ4を使用することにより変化する印刷材カートリッジ4の状態を示す情報である。また、ラベルに表示された識別情報とは、例えば、印刷材カートリッジ4のインク色J1や型番J2、複数の印刷材カートリッジ4を識別するカートリッジIDである。つまり、上記第1実施形態によれば、メモリー内の情報と、ラベルが示す情報と、を1つの部材である識別部45として形成することができる。このようにすると、画像情報としての識別部45に、印刷材カートリッジ4に関する種々の情報を集約することができる。これにより、各情報を一体的に読み出すことができる。
【0093】
また、上記第1実施形態によれば、図6に示すように、装置読取部65は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、印刷材カートリッジ4の識別情報Jを記録した識別部45を光学的に読み取って解析することで識別情報Jを取得することができる。そして、適合判定部312は、取得した識別情報Jを装置表示部15に表示させることで、識別情報Jをユーザーに通知することができる。このようにすると、識別情報Jを記録した回路基板を印刷材カートリッジ4の外殻を成すケース40に取り付けることなく、識別情報Jを記録した識別部45によって代替することができる。これにより、印刷材カートリッジ4から回路基板を取り外す作業を要することなく、使用済みの印刷材カートリッジ4を再利用することができる。よって、印刷材カートリッジ4を容易に再利用することができる。
【0094】
また、上記第1実施形態によれば、図14に示すように、ユーザーは、携帯端末9を用いて印刷材カートリッジ4の識別部45を光学的に読み取ることで、印刷材カートリッジ4の識別情報Jや使用上の注意事項J3等の各種情報を確認することができる。なお、例えば、読み取った識別部45に対応する識別情報Jが記憶されているサーバー装置8と通信することで、適宜アップデートされた各種情報を表示するようにしてもよい。このようにすると、印刷材カートリッジ4の外殻を成すケース40に、識別情報Jを含む各種情報を記載したラベルを貼り付けることなく、ユーザーに印刷材カートリッジ4の識別情報J等の各種情報を提示することができる。これにより、使用済みの印刷材カートリッジ4を再利用する際に、ラベルを取り外す作業を要しないため、印刷材カートリッジ4をさらに容易に再利用することができる。
【0095】
また、上記第1実施形態によれば、ユーザーは、携帯端末9を用いて印刷材カートリッジ4の識別部45を光学的に読み取ることで、予め印刷材カートリッジ4の装着手順を確認することができる。これにより、ユーザーは、端末表示部97に表示された印刷材カートリッジ4の装着手順を確認しながら、カートリッジ装着部6に印刷材カートリッジ4を適切に装着することができる。よって、印刷システム1は、ユーザーの利便性を向上させることができる。なお、端末表示部97には、印刷材カートリッジ4の装着手順だけでなく、印刷材カートリッジ4を使い終わった場合の回収手順についても表示させることができれば望ましい。
【0096】
また、上記第1実施形態によれば、図14に示すように、識別情報Jと共に注意事項J3を端末表示部97に表示させることができる。これにより、印刷材カートリッジ4の使用上の注意事項J3をより確実にユーザーに通知することができる。
【0097】
また、上記第1実施形態によれば、図14に示すように、端末読取部95によって識別情報Jが読み取られることで、表示制御部915は、印刷材カートリッジ4を使用するユーザーへの注意事項J3を端末表示部97に表示させることができる。これにより、ユーザーは、印刷材カートリッジ4の使用上の注意事項J3を簡便な操作により確認することができる。
【0098】
また、上記第1実施形態によれば、図5に示すように、識別部45は、印刷材カートリッジ4にレーザー印字により形成されている。このようにすると、印刷材カートリッジ4の外殻を成すケース40にラベル等の別部材を貼り付けることなく、識別部45を形成することができる。つまり、印刷材カートリッジ4をラベルレスにすることができる。これにより、使用済みの印刷材カートリッジ4を再利用する際に、ラベルを取り外す作業を要しないため、印刷材カートリッジ4をより一層容易に再利用することができる。さらに、識別部45が印刷材カートリッジ4にレーザー印字により印字されていれば、印刷材カートリッジ4を何度も再利用した場合でも、劣化することなく、装置読取部65により、識別情報Jを正確に読み取ることができる。
【0099】
また、上記第1実施形態によれば、識別情報Jを記録した回路基板やラベルに代えて識別部45を設けることで、印刷材カートリッジ4の外殻を成すケース40に取り付ける回路基板を省略したり、ケース40に貼り付けるラベルを小型化ないし省略したりすることができる。さらに、識別部45を装置読取部65および端末読取部95によって読み取ることで、カートリッジ装着部6に対する印刷材カートリッジ4の適合性や識別情報Jをユーザーに対して簡便に提示することができる。よって、ユーザーの使い勝手を損なうことなく、環境負荷を低減した印刷システム1を提供することができる。
【0100】
また、上記第1実施形態によれば、図6に示すように、識別部45と装置読取部65とのY方向における距離が焦点距離FLとなったときに、装置読取部65は、識別部45を読み取って識別情報Jを取得することができる。そして、適合判定部312は、識別情報Jを用いて、カートリッジ装着部6に挿入された印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に適合するか否かを判定して、図10に示すように、識別情報Jと判定結果Kとをユーザーに通知することができる。このようにすると、カートリッジ装着部6への印刷材カートリッジ4の装着が完了する前に、カートリッジ装着部6に挿入された印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に適合する正しい印刷材カートリッジ4であるか否かをユーザーに通知することができる。そのため、印刷システム1は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、印刷材カートリッジ4の誤挿入をユーザーにいち早く気付かせることができる。また、適合判定部312が、カートリッジ装着部6に挿入された印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に適合しないと判定した場合、印刷動作を停止するように制御してもよい。これにより、印刷システム1は、印刷材供給部43内に印刷材導入部63が導入される前に印刷材カートリッジ4の誤挿入を検知でき、または印刷動作を停止することができるため、種類の異なる印刷材が印刷材導入部63に混入する可能性を低減することができる。
【0101】
また、上記第1実施形態によれば、図6および図7に示すように、識別部45は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、カートリッジ装着部6の内部に形成された装置読取部65により光学的に読み取り可能な位置に形成されている。このとき、装置読取部65によって識別部45を読み取り可能な位置は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、装置読取部65が識別部45を読み取るときの光軸方向DLについて装置読取部65と対向する位置である。つまり、識別部45は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、光軸方向DLについて、装置読取部65と対向する位置に配置される。このようにすると、装置読取部65は、識別部45を正面から読み取ることができる。これにより、装置読取部65は、識別部45をより確実に読み取ることができる。換言すると、識別部45の読み取り精度を向上させることができる。
【0102】
また、上記第1実施形態によれば、図5に示すように、識別部45は、カートリッジ側係合部420が形成された形成面に形成されている。この場合、挿入過程において、カートリッジ側係合部420と装置側係合部620との係合の有無と、装置読取部65が識別部45を読み取ることで得られる識別情報Jと、によってカートリッジ装着部6に適合する正しい印刷材カートリッジ4か否かを判定できる。これにより、カートリッジ装着部6に適合しない印刷材カートリッジ4が装着される可能性をより確実に低減することができる。
【0103】
また、上記第1実施形態によれば、図5に示すように、供給口431は、カートリッジ側係合部420と識別部45とが形成された形成面に形成されている。このようにすると、カートリッジ側係合部420と装置側係合部620との係合の有無と、識別情報Jと、の両者によってカートリッジ装着部6に適合する正しい印刷材カートリッジ4か否かを判定した上で、印刷材導入部63を印刷材供給部43内に導入することができる。これにより、異なる種類の印刷材が印刷材導入部63に混入する可能性をさらに低減することができる。
【0104】
また、上記第1実施形態によれば、形成面は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において装置読取部65が識別部45を読み取るときの光軸方向DLについて対向し、光軸方向DLと直交する面である。このようにすると、装置読取部65は、識別部45を正面から読み取ることができる。これにより、識別部45の読み取り精度を向上させた状態において、印刷材導入部63を印刷材供給部43内に導入することができる。
【0105】
また、上記第1実施形態によれば、図6および図7に示すように、装置側第1位置決め部682と装置側第2位置決め部684とはそれぞれ、装置側係合部620よりも+Y方向側に延びている。つまり、装置側第1位置決め部682の先端部682aと装置側第2位置決め部684の先端部684aとはそれぞれ、装置側第1係合部621の先端部621aおよび装置側第2係合部622の先端部622aよりも+Y方向側に位置する。このようにすると、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、装置側係合部620と後述するカートリッジ側係合部420とが係合する前に、カートリッジ装着部6に対する印刷材カートリッジ4の位置決めを行うことができる。これにより、装置側係合部620とカートリッジ側係合部420とをより正確に係合させることができるため、印刷材カートリッジ4の誤挿入をより確実に防止することができる。
【0106】
また、上記第1実施形態によれば、図10および図14に示すように、ユーザーは、装置表示部15と端末表示部97との両者によって印刷材カートリッジ4の識別情報Jを確認することができる。これは、印刷装置10における装置読取部65と、携帯端末9における端末読取部95と、の両方がそれぞれ同じ識別部45を読み取ることができるためである。これにより、印刷システム1は、ユーザーの利便性を向上させることができると共に、ユーザーに対して、印刷材カートリッジ4の装着状況をより確実に知らせることができる。
【0107】
また、上記第1実施形態によれば、記憶部としての装置記憶部33は、印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に挿入されるごとに装置読取部65が識別部45を読み取ることで得られる識別情報Jを記憶する。これにより、図12および図13に示すように、識別情報Jと対応付けられた読み取り回数338や読み取りタイミング339を手がかりとして、印刷材カートリッジ4を交換したり消費値336をリセットしたりするタイミングを推定することができる。
【0108】
また、上記第1実施形態によれば、図12に示すように、記憶部としての装置記憶部33は、識別情報Jと消費値336とを対応付けて記憶する。そして、消費値336が消費閾値333以上の場合において、装置読取部65が識別部45を読み取ることで、装置記憶部33に記憶された識別情報Jと同じ識別情報Jを取得した場合に、消費値336は、初期値にリセットされる。これは、消費値336が消費閾値333以上の場合、識別情報Jにおける印刷材カートリッジ4は、例えば、一旦使用が終了し、回収され、インク等の印刷材をリフィルされた上でユーザーに戻り、再び印刷装置10に装着されたと判断するためである。その判断の正確性を高めるため、前回使用時に消費値336が消費閾値333に達した際に、印刷装置10は、インクエンドである旨を報知したり、印字を停止したりすることで、印刷材カートリッジ4の交換を促すようにしてもよい。なお、識別情報Jに対応する印刷材カートリッジ4内の印刷材の残量が無くなるタイミングとしての消費閾値333も記憶されている。このように、印刷システム1は、識別情報Jと消費値336とを対応付けて記憶することで、リフィル後の印刷材カートリッジ4が同一の印刷装置10に装着された場合に、消費値336を初期値にリセットすることで正しくカウントすることができる。
【0109】
また、上記第1実施形態によれば、記憶部としての装置記憶部33は、印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に挿入されるごとに装置読取部65が読み取った読み取り回数338を識別情報Jに対応付けて記憶してもよい。このようにすると、印刷システム1は、カートリッジ装着部6に挿入された印刷材カートリッジ4の識別情報Jを取得して、識別情報Jに対応する読み取り回数338を参照することで、カートリッジ装着部6への印刷材カートリッジ4の挿入を新たに検知できる。
【0110】
なお、本開示において「再利用」とは、リフィル、リユース、リサイクルを含む概念である。ここで言う「リフィル」とは、使用済みの印刷材カートリッジ4の印刷材収容部450に印刷材を供給したり、使用済みの印刷材カートリッジ4の印刷材収容部450を交換したりすることによって、印刷材カートリッジ4を再使用可能に再生することを言う。「リユース」とは、使用済みの印刷材カートリッジ4における構成要素の少なくとも一部を繰り返し再使用することを言う。「リサイクル」とは、使用済みの印刷材カートリッジ4における構成要素の少なくとも一部を原材料やエネルギー源として用いることによって再資源化することを言う。
【0111】
B.第2実施形態:
B-1.第2実施形態における印刷システムの構成および機能:
図15は、第2実施形態における印刷システム1aおよび印刷システム1aと通信可能な携帯端末9の概略構成を示すブロック図である。印刷システム1aは、第1印刷装置10と、第2印刷装置10aと、印刷装置10,10aと通信可能に接続されたサーバー装置8と、を備える。本実施形態では、識別情報Jを含む印刷材カートリッジ4の各種情報や各種閾値332~334は、サーバー装置8に記憶され、管理される。ここで言う印刷材カートリッジ4の各種情報とは、識別情報Jの他に、例えば、消費値336、読み取り回数338、および、読み取りタイミング339である。よって、第1実施形態において装置記憶部33に記憶されていた印刷材カートリッジ4の各種情報や各種閾値332~334は、装置記憶部33に代えて、サーバー装置8に記憶される。第1印刷装置10および第2印刷装置10aの他の構成は、図8に示す第1実施形態と同一である。また、携帯端末9は、図8に示す第1実施形態と同一の構成である。図15に示すように、携帯端末9は、第1印刷装置10、第2印刷装置10a、および、サーバー装置8等の外部機器と通信可能に接続される。第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付すと共に説明を省略する。
【0112】
サーバー装置8は、例えば、クラウドサーバーである。サーバー装置8は、第1印刷装置10および第2印刷装置10aのカートリッジ装着部6に着脱される印刷材カートリッジ4の各種情報を印刷材カートリッジ4ごとに管理する。具体的には、第1印刷装置10と第2印刷装置10aとのそれぞれにおいて取得された印刷材カートリッジ4の各種情報は、サーバー装置8に出力されて、サーバー装置8において管理される。そして、サーバー装置8は、第1印刷装置10や第2印刷装置10a、携帯端末9等の外部機器の要求に応じて、印刷材カートリッジ4の各種情報を外部機器9,10,10aに提供する。さらに、サーバー装置8は、第1印刷装置10や第2印刷装置10a、携帯端末9等の外部機器の要求に応じて、サーバー記憶部83に記憶した各種閾値332~334やデータベース335,831をそれら外部機器に提供する。これにより、印刷システム1aは、複数台の印刷装置10,10aのカートリッジ装着部6に着脱される印刷材カートリッジ4を一括して管理すると共に、端末表示部97や装置表示部15を介して、印刷材カートリッジ4の各種情報等をユーザーや外部機器に提供する。
【0113】
サーバー装置8は、サーバー通信部85と、サーバー記憶部83と、サーバーCPU81と、を備える。サーバー装置8は、サーバー通信部85を介して、第1印刷装置10、第2印刷装置10a、および、携帯端末9等の外部機器と通信可能に接続される。
【0114】
サーバー記憶部83は、サーバー装置8に設けられた記憶部である。サーバー記憶部83は、例えば、RAMやROM、書き換え可能な不揮発性メモリー等を含む。サーバー記憶部83は、管理テーブル830と、適合データベース831と、保管場所データベース335と、可動閾値332と、消費閾値333と、時間閾値334と、を含む各種データを記憶する。
【0115】
図16は、管理テーブル830の一例を示す図である。管理テーブル830は、印刷材カートリッジ4の各種情報を識別情報Jごとに紐付けたテーブルである。図16に示す例では、印刷材カートリッジ4の識別情報JとしてのカートリッジIDと、消費値336と、読み取り回数338と、読み取りタイミング339とが、印刷材カートリッジ4ごとに対応付けられている。なお、管理テーブル830に含まれる情報の種類や値はこれに限られるものではない。
【0116】
適合データベース831は、本実施形態のように、サーバー装置8に複数の印刷装置10,10aが通信可能に接続され、印刷材カートリッジ4を使用可能な印刷装置10,10aが複数存在する場合に、例えば、以下のような構成をとる。具体的には、適合データベース831は、印刷材カートリッジ4の型番によって区別される1種類の印刷材カートリッジ4に対して、複数の異なる適合機種の品番を対応付けて記憶したデータベースである。また、適合データベース831は、1種類の印刷材カートリッジ4に対して、同一の品番を有する複数の印刷装置10,10aの製造ロット番号を対応付けて記憶したデータベースであってもよい。このとき、識別情報Jには、適合機種の品番に代えて、複数の印刷装置10,10aを区別するために各印刷装置10,10aに割り振られた装置IDが含まれてもよい。また、例えば、同じインク種のように、同じ印刷材が収容された印刷材カートリッジ4であっても、それぞれ固有の識別情報Jが割り当てられることを考慮すると、それら複数の印刷材カートリッジ4が、それぞれ適合機種として1つの印刷装置10に対応付けられる場合もある。
【0117】
保管場所データベース335は、印刷材カートリッジ4の保管場所を示すデータベースである。具体的には、保管場所データベース335は、例えば、印刷材カートリッジ4の型番と印刷システム1aが設置された施設内における保管場所とを対応付けたデータベースである。なお、サーバー記憶部83に記憶される各種データの少なくとも一部は、印刷装置10,10aの装置記憶部33に記憶されてもよい。
【0118】
サーバーCPU81は、サーバー記憶部83に記憶された各種プログラムおよびデータ等を展開することにより、情報取得部811と、情報処理部815として機能する。情報取得部811は、サーバー通信部85を介して、印刷材カートリッジ4の識別情報Jや消費値336等の各種情報を取得する。情報処理部815は、印刷装置10,10aの消費値算出部314によって算出された消費値336を基に、サーバー記憶部83に記憶された管理テーブル830に含まれる消費値336を更新する。さらに、情報処理部815は、サーバー記憶部83に記憶された管理テーブル830を参照して、特定の印刷材カートリッジ4が交換対象であるか否かを推定する。そして、情報処理部815は、推定結果を印刷装置10,10aの装置表示部15や携帯端末9の端末表示部97に表示させる。なお、装置CPU31の少なくとも一部の機能は、サーバーCPU81によって実行されてもよい。また、サーバーCPU81の少なくとも一部の機能は、装置CPU31によって実行されてもよい。
【0119】
B-2.印刷システムと携帯端末との連携:
端末読取部95が識別部45を読み取ったときに、端末取得部913は、識別情報Jを取得すると共に、サーバー記憶部83に記憶された適合データベース831を参照する。そして、表示制御部915は、端末読取部95を介して取得した識別情報Jと、サーバー記憶部83に記憶された適合データベース831と、を比較することで、印刷材カートリッジ4が使用可能な複数の印刷装置10,10aを端末表示部97に表示させることができる。具体的には、表示制御部915は、例えば、取得した識別情報Jに含まれる印刷材カートリッジ4の型番と一致する印刷材カートリッジ4の型番を適合データベース831から抽出する。表示制御部915は、適合データベース831において、抽出した印刷材カートリッジ4の型番に対応付けられた適合機種の品番を有する印刷装置10,10aを、印刷材カートリッジ4が使用可能な印刷装置10,10aであるとして端末表示部97に表示させる。つまり、識別部45は、携帯端末9によって読み取られることで、携帯端末9の端末表示部97に印刷材カートリッジ4が使用可能な印刷装置10,10aの候補を複数表示させることができる。
【0120】
さらに、消費値336が消費閾値333以上であると情報処理部815によって判断された印刷材カートリッジ4の識別部45を端末読取部95が読み取ったときに、端末取得部913は、識別情報Jを取得すると共に、保管場所データベース335を参照する。そして、表示制御部915は、端末読取部95を介して取得した識別情報Jと、サーバー記憶部83に記憶された保管場所データベース335と、を比較することで、交換可能な印刷材カートリッジ4の保管場所を端末表示部97に表示させることができる。つまり、印刷材の残量が予め定められた閾値以下であると印刷装置10によって判断された印刷材カートリッジ4の識別部45は、携帯端末9によって読み取られることで、交換可能な印刷材カートリッジ4の保管場所を端末表示部97に表示させることができる。これにより、交換対象の印刷材カートリッジ4が装着された印刷装置10と、印刷材カートリッジ4の保管場所とが離れている場合にも、ユーザーは、持ち運び可能な携帯端末9の端末表示部97の情報を基に、印刷材カートリッジ4を新たに準備することができる。よって、印刷材カートリッジ4を交換するユーザーの利便性をより一層向上させることができる。なお、この場合、消費値336が消費閾値333以上であると判断された印刷材カートリッジ4は使用済みであるとして、表示制御部915は、廃棄場所を端末表示部97に表示させてもよい。これは、保管場所データベース335のように、廃棄場所データベースをサーバー記憶部83に記憶させることで可能となる。
【0121】
上記第2実施形態によれば、図15に示すように、印刷システム1aは、複数の印刷装置10,10aと、印刷装置10,10aと通信可能に接続されたサーバー装置8と、を備える。これにより、印刷システム1aは、複数台の印刷装置10,10aのカートリッジ装着部6に着脱される印刷材カートリッジ4の情報をサーバー装置8によって一括して管理することができる。そのため、例えば、特定の印刷材カートリッジ4を第1印刷装置10に装着して使用した後に、印刷材を再充填して、第2印刷装置10aに装着した場合であっても、印刷システム1は、消費値336や読み取り回数338、読み取りタイミング339を適切に管理することができる。つまり、印刷材カートリッジ4の各種情報を識別情報Jと紐付けてサーバー記憶部83に記憶することで、異なる印刷装置10,10aに印刷材カートリッジ4が装着される場合であっても、印刷材カートリッジ4の各種情報を継続して管理することができる。
【0122】
また、上記第2実施形態によれば、ユーザーは、複数台の印刷装置10,10aのそれぞれに装着された印刷材カートリッジ4の識別情報Jや管理テーブル830の内容を端末表示部97によって確認することができる。これにより、ユーザーの利便性をさらに向上させることができる。
【0123】
なお、識別部45には、さらに、サーバー装置8の宛先等のサーバー装置8に関する情報が記録されていてもよい。サーバー装置8の宛先は、例えば、サーバー装置8についてのURLである。
【0124】
C.第3実施形態:
図17は、第3実施形態における印刷材カートリッジ4aの側面図である。図17では、印刷材カートリッジ4aをカートリッジ第1側壁404側から見た状態を示している。本実施形態では、ケース40aの構成の一部が図4に示す第1実施形態とは異なる。具体的には、カートリッジ後壁401は、カートリッジ上壁402との接続部分において、傾斜壁407を有する。この点が、識別部45aの形状が第1実施形態とは異なる。印刷材カートリッジ4aの他の構成については、第1実施形態と同一である。第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付すと共に説明を省略する。
【0125】
図18は、カートリッジ装着部6への印刷材カートリッジ4aの挿入過程を示す図である。傾斜壁407は、カートリッジ後壁401とカートリッジ上壁402とカートリッジ第1側壁404とカートリッジ第2側壁405とが交差する角部に設けられている。傾斜壁407は、印刷材カートリッジ4aのうち、装置読取部65が識別部45aを読み取るときの光軸方向DLと直交する第1方向に対して傾斜した壁である。本実施形態においても、光軸方向DLは、装置読取部65から識別部45aに向かう+Y方向である。また、本実施形態では、第1方向は、印刷材カートリッジ4aの高さ方向に沿ったZ方向である。識別部45aは、傾斜壁407の外表面としての傾斜面407aに形成されている。
【0126】
図19は、識別部45の読み取り形状651と、識別部45aの実際の印字形状451とを示す図である。識別部45が傾斜面407aに形成されている場合、装置読取部65が識別部45aを読み取った際の読み取り形状651が識別情報Jを判別できる正規の形状にならない場合がある。この場合、読み取り形状651が識別情報Jを判別できる正規の形状となっていないために、装置読取部65が識別部45aを読み取ることができない場合がある。そこで、本実施形態では、識別部45aが装置読取部65に読み取られたときに識別情報Jを判別できる正規の形状となるように、すなわち、読み取り形状651が正規の形状となるように、識別部45aの印字形状451を変更している。具体的には、識別部45aを構成する明色セルBおよび暗色セルDの形状はそれぞれ、装置読取部65との距離が近い近方部分457ほど光軸方向DLと第1方向とに直交する第2方向の寸法が正規の形状に対して小さい形状である。また、明色セルBおよび暗色セルDの形状はそれぞれ、装置読取部65との距離が遠い遠方部分455ほど第2方向の寸法が正規の形状に対して大きい形状である。なお、本実施形態において、第2方向は、X方向である。
【0127】
上記第3実施形態によれば、図18に示すように、識別部45aは、印刷材カートリッジ4aのうち、装置読取部65が識別部45aを読み取るときの光軸方向DLと直交する第1方向に対して傾斜した傾斜面407aに形成されている。そして、上記第3実施形態では、図19に示すように、識別部45aが装置読取部65に読み取られたときに識別情報Jを判別できる正規の形状となるように、明色セルBと暗色セルDとの印字形状451を変更している。このようにすると、識別部45が傾斜面407aに形成されている場合、すなわち、識別部45aの形成方向と光軸方向DLとが垂直でない場合に、読み取り形状651を正規の形状とすることができる。これにより、識別部45が傾斜面407aに形成されている場合にも、装置読取部65が識別部45aを読み取って識別情報Jを取得することができる。
【0128】
また、上記第3実施形態によれば、回路基板を備えた従来の印刷材カートリッジの形状が傾斜壁407を備える形状である場合に、印刷材カートリッジ4の金型等を変更することなく、回路基板を識別部45に置き換えた印刷材カートリッジ4を提供することができる。これにより、印刷材カートリッジ4の構成を従来の構成から上記第3実施形態における構成に変更した場合に、製造コストが増大する可能性を低減することができる。
【0129】
D.他の実施形態:
D-1.他の実施形態1:
上記実施形態では、識別部45は、印刷材カートリッジ4を識別する識別情報Jが記録されたQRコードであったが、これに限られるものではない。識別部45は、例えば、識別情報Jが記録された1次元コードとしてのバーコードであってもよく、スタック型2次元コードであってもよい。また、識別部45は、例えば、QRコード以外の他のマトリクス型2次元コードであってもよい。このような形態であっても、識別部45,45aは、複数の明色セルBと複数の暗色セルDとの配列パターンに応じて模様と形状とが形成されるコードである。このとき、QRコード以外のコードからなる識別部45aが傾斜面407aに形成される場合には、明色セルBと暗色セルDとの形状をそれぞれ、識別部45aが装置読取部65に読み取られたときに識別情報Jを判別できる正規の形状となるようにすればよい。このような形態であっても、装置読取部65は、識別部45,45aを読み取ることができる。
【0130】
D-2.他の実施形態2:
上記実施形態では、識別部45,45aは、印刷材カートリッジ4にレーザー印字により形成されていたが、これに限られるものではない。識別部45,45aは、例えば、識別部45,45aを印字可能な寸法を有するラベルに予め印字され、印刷材カートリッジ4,4aの外殻に貼り付けされることで、印刷材カートリッジ4,4aと一体に形成されてもよい。このような形態であっても、識別情報等を記録した回路基板を印刷材カートリッジ4,4aの外殻に取り付けることなく、識別部45,45aを印字したラベルによって代替することができる。これにより、回路基板を取り外す作業を要することなく、使用済みの印刷材カートリッジ4を再利用することができる。また、このような形態であれば、ラベルに識別情報Jの全てを印字する必要がないため、印刷材カートリッジ4,4aに貼り付けるラベルを小型化することができる。これにより、使用済みの印刷材カートリッジ4,4aを再利用する際に、ラベルを取り外す作業に要する作業量を低減することができる。また、この形態であれば、印刷材カートリッジ4,4aを再利用する際に、新たな識別部45,45aが印字されたラベルを既存のラベルを覆うようにして貼り付けることで、ラベルを取り外すことなく、識別部45,45aを変更することができる。これにより、印刷材カートリッジ4,4aを容易に再利用することができる。
【0131】
D-3.他の実施形態3:
上記第1実施形態では、図5に示すように、カートリッジ側係合部420と、供給口431と、識別部45とはいずれも、カートリッジ後壁401に形成されていたが、これに限られるものではない。供給口431は、例えば、印刷材カートリッジ4の外殻を形成する各壁401~406において、カートリッジ側係合部420および識別部45が形成されている形成面とは異なる面に形成されていてもよい。例えば、カートリッジ側係合部420および識別部45がカートリッジ後壁401に形成されている場合に、供給口431は、カートリッジ底壁403に形成されていてもよい。この場合、配置孔434は、カートリッジ底壁403に形成される。このような形態でも、カートリッジ側係合部420と装置側係合部620との係合の有無と、装置読取部65が識別部45を読み取ることで得られる識別情報Jとにより、カートリッジ装着部6に適合する正しい印刷材カートリッジ4が挿入されたかを判定できる。
【0132】
D-4.他の実施形態4:
上記実施形態では、印刷装置10,10aは、印刷材としてのインクを吐出するインクジェットプリンターであったが、これに限られるものではない。印刷装置10,10aは、例えば、印刷材としてのトナー等の粉体を用いて印刷を行うプリンターであってもよい。この場合、印刷材カートリッジ4,4aは、印刷材としての粉体を収容するトナーカートリッジである。
【0133】
D-5.他の実施形態5:
上記実施形態では、印刷材カートリッジ4,4aは、印刷のために印刷装置10,10aに供給するための印刷材を収容していたが、これに限られるものではない。印刷材カートリッジ4,4aは、印刷のために印刷装置10,10aに供給するための印刷材を収容する用途に代えて、印刷装置10,10aから排出され、利用に供されなかった印刷材を回収して収容する用途に用いられてもよい。この場合、印刷材カートリッジ4,4aは、例えば、ヘッド22のクリーニング動作等によって印刷に利用されなかった印刷材としてのインクを回収する廃液タンクであってもよい。
【0134】
D-6.他の実施形態6:
上記実施形態では、印刷システム1,1aは、印刷材の吐出量を示す消費値336を用いて、印刷材収容部450に収容された印刷材の残量を管理していた。しかし、本開示は、これに限られるものではない。印刷システム1,1aは、例えば、印刷材収容部450に収容された印刷材の残量を光学的に検出するプリズムセンサー等のフォトセンサの出力値を用いて、印刷材収容部450に収容された印刷材の残量を管理してもよい。また、印刷システム1,1aは、例えば、圧電素子を備えた圧電型センサーの出力値を用いて、印刷材収容部450に収容された印刷材の残量を管理してもよい。
【0135】
D-7.他の実施形態7:
上記実施形態では、図13に示すように、カートリッジ装着部6から取り外された印刷材カートリッジ4が交換対象であるか否かを推定していた。しかし、本開示は、これに限られるものではない。印刷材カートリッジ4は、カートリッジ装着部6に装着された状態において、交換対象であるか否かを推定されてもよい。この場合、情報処理部315,815は、例えば、記憶部33,83に記憶された識別情報Jと読み取りタイミング339とを参照する。そして、情報処理部315,815は、例えば、読み取りタイミング339から現時点までの経過時間が予め定められた時間閾値334以上である場合に、印刷材カートリッジ4を交換対象と推定する。このような形態であれば、カートリッジ装着部6に装着されている印刷材カートリッジ4が交換対象であるか否かを推定して、ユーザーに通知することができる。なお、情報処理部315,815は、例えば、経過時間が時間閾値334未満で、かつ、経過時間と時間閾値334との差異が所定時間以下となった場合に、印刷材カートリッジ4が交換時期に近づいている旨のメッセージを装置表示部15に表示させてもよい。また、情報処理部315,815は、例えば、通常の使用頻度により印刷システム1を使用した場合に、印刷材カートリッジ4が交換時期に達するまでの予測時間や推定交換時期を装置表示部15に表示させてもよい。これにより、印刷材カートリッジ4による印字品質を損なうことを防ぐことができる。
【0136】
D-8.他の実施形態8:
上記実施形態では、図6に示すように、印刷材導入部63は、装置側係合部620よりも+Y方向側に延びていた。つまり、印刷材導入部63の先端部63aは、装置側係合部620の先端部621a,622aよりも+Y方向側に位置していた。しかし、本開示は、これに限られるものではない。例えば、印刷材導入部63の先端部63aが装置側係合部620の先端部621a,622aよりも-Y方向側に位置するように、カートリッジ装着部6に印刷材導入部63が形成されていてもよい。このような形態であれば、印刷材導入部63と印刷材供給部43とが接続される前に、装置側係合部620とカートリッジ側係合部420とを係合させることができる。これにより、印刷材導入部63と印刷材供給部43とが接続される前に、カートリッジ装着部6の収容室600に挿入された印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に適合する正しい印刷材カートリッジ4であるか否かを判定することができる。そのため、誤った種類の印刷材が印刷材導入部63に供給される可能性をさらに低減することができる。
【0137】
D-9.他の実施形態9:
上記実施形態において、携帯端末9の端末表示部97に表示されていた表示内容は、印刷装置10,10aの装置表示部15に表示されてもよい。また、上記実施形態において、装置表示部15に表示されていた表示内容は、端末表示部97に表示されてもよい。
【0138】
E.他の形態:
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0139】
(1)本開示の一形態によれば、印刷システムが提供される。この形態によれば、印刷システムは、印刷材を収容する印刷材カートリッジであって、前記印刷材カートリッジを識別する識別情報が記録された識別部を有する印刷材カートリッジと、印刷装置であって、前記印刷材カートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、前記カートリッジ装着部の内部に形成され、前記識別部を光学的に読み取る装置読取部と、前記印刷材の消費量を示す消費値を算出する消費値算出部と、装置記憶部と、を有する印刷装置と、サーバー記憶部を有し、前記印刷装置と通信可能に接続されたサーバー装置と、を備え、前記消費値は、前記識別情報と対応付けて、前記装置記憶部と前記サーバー記憶部とのいずれか一方に記憶される。この形態によれば、カートリッジ装着部への印刷材カートリッジの挿入過程において、印刷材カートリッジの識別情報を記録した識別部が光学的に読み取られることによって識別情報を取得することができる。このようにすると、識別情報を記録した回路基板を印刷材カートリッジの外殻に取り付けることなく、識別情報を記録した識別部によって代替することができる。これにより、回路基板を印刷材カートリッジから取り外す作業を要することなく、使用済みの印刷材カートリッジを再利用することができる。さらに、この形態によれば、記憶部は、印刷材カートリッジごとの消費値を記憶することができる。
【0140】
(2)上記形態において、前記記憶部は、さらに、前記印刷材カートリッジが前記カートリッジ装着部に挿入されるごとに前記装置読取部が前記識別部を読み取ることで得られる前記識別情報を記憶してもよい。この形態によれば、識別情報が取得された回数およびタイミングを基に、消費値を管理したり、印刷材カートリッジの交換時期を推定したりすることができる。
【0141】
(3)上記形態において、さらに、算出された前記消費値が予め定められた消費閾値以上である場合において、前記装置読取部が前記識別部を読み取ることで、前記記憶部に記憶された前記識別情報と同じ前記識別情報を取得した場合に、前記記憶部に記憶された前記消費値を初期値にリセットする情報処理部を備えてもよい。この形態によれば、印刷材が予め定められた量以上に残存している使用途中の印刷材カートリッジの消費値がリセットされることを防止できる。これにより、印刷システムは、消費値をより正確にカウントして記憶することができる。
【0142】
(4)上記形態において、前記記憶部は、さらに、前記印刷材カートリッジが挿入されるごとに前記装置読取部が前記識別部を読み取った読み取りタイミングを、前記識別情報に対応付けて記憶してもよい。この形態によれば、記憶部は、印刷材カートリッジごとの読み取りタイミングを、識別情報と対応付けて記憶することができる。このようにすると、印刷システムは、読み取りタイミングを基に、印刷材カートリッジの交換時期を推定することができる。
【0143】
(5)上記形態において、さらに、報知部を備え、前記読み取りタイミングから、前記読み取りタイミングの後に前記印刷材カートリッジから前記印刷材カートリッジが取り外された取り外しタイミングまでの所要時間が、予め定められた時間閾値以上である場合に、取り外された前記印刷材カートリッジが交換時期に達している旨を前記報知部に報知させる情報処理部を備えてもよい。この形態によれば、印刷システムは、識別情報と対応付けられた読み取りタイミングを用いて、取り外された印刷材カートリッジが交換時期に達しているか否かを推定することができる。さらに、この形態によれば、印刷システムは、読み取りタイイングから取り外しタイミングまでの所要時間が時間閾値以上である場合に、報知部を介して、取り外された印刷材カートリッジが交換時期に達している旨を報知することができる。よって、印刷材カートリッジが交換対象であるか否かについての推定結果を、印刷材カートリッジの品質の維持および管理に活用することができる。
【0144】
上述した本開示の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本開示の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本開示の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本開示の独立した一形態とすることも可能である。
【0145】
本開示は、印刷システム以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、印刷システムの製造方法、印刷システムの制御方法、その制御方法を実現するコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した一時的でない記録媒体などの形態で実現することができる。
【符号の説明】
【0146】
1,1a…印刷システム、3…主制御装置、4,4a,4K,4M,4C,4Y…印刷材カートリッジ、6,6K,6M,6C,6Y…カートリッジ装着部、8…サーバー装置、9…携帯端末、10,10a…印刷装置、11…前面カバー、15…装置表示部、17…駆動機構、18…タイミングベルト、19…駆動モーター、20…キャリッジ、22…ヘッド、24…チューブ、31…装置CPU、33…装置記憶部、34…装置通信部、40,40a…ケース、43…印刷材供給部、45,45a…識別部、46…流体受部、63…印刷材導入部、63a…印刷導入部の先端部、65…装置読取部、69…規制機構、81…サーバーCPU、83…サーバー記憶部、85…サーバー通信部、90…端末制御装置、91…端末CPU、93…端末記憶部、94…端末通信部、95…端末読取部、97…端末表示部、311…動作制御部、312…適合判定部、313…通知部、314…消費値算出部、315,815…情報処理部、331,831…適合データベース、332…可動閾値、333…消費閾値、334…時間閾値、335…保管場所データベース、336…消費値、338…読み取り回数、339…読み取りタイミング、401…カートリッジ後壁、402…カートリッジ上壁、403…カートリッジ底壁、404…カートリッジ第1側壁、405…カートリッジ第2側壁、406…カートリッジ前壁、407…傾斜壁、407a…傾斜面、410…突出部、411…第1突出部、411a…第1突出部の先端部、412…第2突出部、412a…第2突出部の先端部、413…第3突出部、413a…第3突出部の先端部、418…第1凹部、419…第2凹部、420…カートリッジ側係合部、421…カートリッジ側第1係合部、422…カートリッジ側第2係合部、431…供給口、434…配置孔、450…印刷材収容部、451…印字形状、455…遠方部分、457…近方部分、461…配置凹部、465…凹部底面、482…カートリッジ側第1位置決め部、484…カートリッジ側第2位置決め部、492…カートリッジ側規制部、600…収容室、601…装置後壁、602…装置上壁、603…装置底壁、604…装置第1側壁、605…装置第2側壁、606…装置前壁、610…可動ユニット、611…第1可動部、611a…第1可動部の先端部、612…第2可動部、612a…第2可動部の先端部、613…第3可動部、613a…第3可動部の先端部、618…付勢部材、619…測定機構、620,620K,620M,620C,620Y…装置側係合部、621…装置側第1係合部、621a…装置側第1係合部の先端部、622…装置側第2係合部、622a…装置側第2係合部の先端部、630…ベース部、651…読み取り形状、674…挿抜開口部、682…装置側第1位置決め部、682a…装置側第1位置決め部の先端部、684…装置側第2位置決め部、684a…装置側第2位置決め部の先端部、686…加圧部、691…操作部、692…装置側規制部、698…バネ部材、699…回転軸部、811…情報取得部、830…管理テーブル、911…端末動作制御部、913…端末取得部、915…表示制御部、B…明色セル、CL…中心軸、D…暗色セル、DI…挿入方向、DL…光軸方向、DO…取り外し方向、FA…形成領域、FL…焦点距離、J…識別情報、J1…インク色、J2…印刷材カートリッジの型番、J3…注意事項、K…判定結果、L…移動量、L1…第1距離、L2…第2距離、P…媒体
図1
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