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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068113
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】広告表示装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0272 20230101AFI20240510BHJP
   H04N 21/24 20110101ALI20240510BHJP
   H04N 21/262 20110101ALI20240510BHJP
【FI】
G06Q30/0272
H04N21/24
H04N21/262
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023149517
(22)【出願日】2023-09-14
(31)【優先権主張番号】P 2022177858
(32)【優先日】2022-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】部谷 秀則
【テーマコード(参考)】
5C164
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5C164FA25
5C164SB41P
5C164SC23P
5C164YA17
5C164YA30
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】広告を視聴者に効率的に表示する表示時間を算出できる広告表示装置、方法及びプログラムを提供すること。
【解決手段】本開示の広告表示装置は、取得部11及び算出部12を備える。取得部11は、視聴端末の位置する地域の情報を取得する。算出部12は、視聴端末の位置する地域の情報に基づいて地域ごとの視聴端末の数を算出し、地域ごとの視聴端末の数に基づいて、地域ごとの広告の表示時間を算出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
視聴端末の位置する地域の情報を取得する取得部と、
視聴端末の位置する地域の情報に基づいて前記地域ごとの視聴端末の数を算出し、前記地域ごとの視聴端末の数に基づいて前記地域ごとの広告の表示時間を算出する算出部と、
を備える広告表示装置。
【請求項2】
前記取得部は、広告の種別情報を取得し、
前記算出部は、広告の種別情報に基づいて、広告の表示時間を算出する
請求項1に記載の広告表示装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記地域ごとの時間帯情報を取得し、
前記算出部は、前記地域ごとの時間帯情報に基づいて、広告の表示時間を算出する
請求項1に記載の広告表示装置。
【請求項4】
コンピュータが、
視聴端末の位置する地域の情報を取得し、
視聴端末の位置する地域の情報に基づいて前記地域ごとの視聴端末の数を算出し、前記地域ごとの視聴端末の数に基づいて、前記地域ごとの広告の表示時間を算出する
方法。
【請求項5】
視聴端末の位置する地域の情報を取得し、
視聴端末の位置する地域の情報に基づいて前記地域ごとの視聴端末の数を算出し、前記地域ごとの視聴端末の数に基づいて、前記地域ごとの広告の表示時間を算出する処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項6】
算出された前記地域ごとの視聴端末の数に基づいて、前記広告の表示サイズを変更して視聴端末に表示させる表示制御部をさらに備える
請求項1又は2に記載の広告表示装置。
【請求項7】
視聴端末に提供される映像は、視聴端末により選択的に部分的な領域を視認可能な映像であり、
前記算出部は、前記部分的な領域ごとに、視聴端末の位置する地域の情報に基づいて前記地域ごとの視聴端末の数を算出し、前記部分的な領域ごとに、前記地域ごとの視聴端末の数に基づいて、前記地域ごとの広告の表示時間を算出する
請求項1又は2に記載の広告表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告表示装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、放送システムが開示されている。当該放送システムは、検索サーバから取得した地域又は地域への移動に関する検索の利用状況に基づいて、コンテンツデータベースに登録されている地域に対して重み付けを行う。放送システムは、各地域の重みに従って、各地域のコンテンツを選択する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-92276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に係る技術では、広告を視聴者に効率的に表示することに改善の余地があった。
【0005】
本開示は、広告を視聴者に効率的に表示する表示時間を算出できる広告表示装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の広告表示装置は、
視聴端末の位置する地域の情報を取得する取得部と、
視聴端末の位置する地域の情報に基づいて前記地域ごとの視聴端末の数を算出し、前記地域ごとの視聴端末の数に基づいて、前記地域ごとの広告の表示時間を算出する算出部と、を備える。
【0007】
本開示の方法は、
コンピュータが、
視聴端末の位置する地域の情報を取得し、
視聴端末の位置する地域の情報に基づいて前記地域ごとの視聴端末の数を算出し、前記地域ごとの視聴端末の数に基づいて、前記地域ごとの広告の表示時間を算出する。
【0008】
本開示のプログラムは、
視聴端末の位置する地域の情報を取得し、
視聴端末の位置する地域の情報に基づいて前記地域ごとの視聴端末の数を算出し、前記地域ごとの視聴端末の数に基づいて、前記地域ごとの広告の表示時間を算出する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によって、広告を視聴者に効率的に表示する表示時間を算出できる広告表示装置、方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係る広告表示装置10の構成の一例を示すブロック図である。
図2】第1の実施形態に係る広告表示装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
図3】第1の実施形態に係る広告表示装置10の算出部12による広告表示基本時間を算出する動作の一例を示すフローチャートである。
図4】第1の実施形態に係る広告表示装置10の算出部12による広告表示基本時間の算出結果の一例を示す図である。
図5】第1の実施形態に係る広告表示装置10の算出部12による視聴端末数平均値の算出結果の一例を示す図である。
図6】第2の実施形態に係る広告表示装置20における広告種別情報の一例を示す図である。
図7】第2の実施形態に係る広告表示装置20における広告種別係数情報の一例を示す図である。
図8】第2の実施形態に係る広告表示装置20の動作の一例を示すフローチャートである。
図9】第3の実施形態に係る広告表示装置30の時間帯別係数情報の一例を示す図である。
図10】第3の実施形態に係る広告表示装置30の地域ごとの時間帯情報の一例を示す図である。
図11】第3の実施形態に係る広告表示装置30の動作の一例を示すフローチャートである。
図12】第4の実施形態に係る広告表示装置40の動作の一例を示すフローチャートである。
図13】第5の実施形態に係る広告表示方法の一例を説明するための模式図である。
図14】第5の実施形態に係る広告表示方法の他の例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0012】
(第1の実施形態)
まず、図1を用いて、第1の実施形態に係る広告表示装置10の構成を説明する。
図1は、第1の実施形態に係る広告表示装置10の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、広告表示装置10は、例えばサーバであり、各機能ブロックが複数台のコンピュータによって実現されてもよい。また、広告表示装置10は、機能の全て又は一部が半導体装置等の汎用又は専用の回路で実現されてもよい。視聴端末100は、例えばスマートフォンやタブレットなどの携帯端末や、PC(Personal Computer)などの固定端末などの広告表示装置10による広告が表示される映像を視聴する端末である。広告表示装置10は、インターネットなどのネットワークNWを介して、ユーザが用いる1又は複数の視聴端末100と通信する。通信は、無線通信又は有線通信によって行われる。
【0013】
広告表示装置10は、音楽ライブやスポーツ中継などの配信映像と共に、広告を視聴端末100に表示させる。具体的には、広告表示装置10は、取得部11、算出部12、表示制御部13及び記憶部14を備える。
【0014】
取得部11は、視聴端末100のIP(Internet Protocol)アドレスなどから、視聴端末100の位置する地域の情報を取得する。地域の情報は、視聴端末100がどの国のどの地域に位置するか情報である。
【0015】
算出部12は、地域ごとの視聴端末100の数を算出する。算出部12は、地域ごとの視聴端末100の数に基づいて、地域ごとの広告の表示時間(以下、広告表示基本時間)を算出する。具体的には、算出部12は、地域ごとの視聴端末100の数を算出し、算出された視聴端末100の数の平均値を算出する。算出部12は、地域ごとの視聴端末100の数と視聴端末100の数の平均値とに基づいて、地域ごとの広告の表示時間(以下、広告表示基本時間)を算出する。
【0016】
表示制御部13は、配信映像と共に、地域ごとの広告表示基本時間で視聴端末100に広告を表示させる。表示させる広告は、視聴端末100の数が多い地域向けの広告が設定される。表示させる広告が複数ある場合、広告のセットが組まれてもよい。表示させる広告は、例えば、広告を配信映像に合成させたワイプ広告である。
記憶部14は、視聴端末100に表示する広告の情報等を記憶する。
【0017】
続いて、図2図5を用いて、第1の実施形態に係る広告表示装置10の動作を説明する。
【0018】
図2は、第1の実施形態に係る広告表示装置10の動作の一例を示すフローチャートである。図2に示すように、まず、広告表示装置10の取得部11は、視聴端末100の位置する地域の情報(以下、地域情報)を取得する(ステップS11)。次に、算出部12は、取得された視聴端末100の地域情報に基づいて、地域ごとの広告表示基本時間を算出する(ステップS12)。ステップS12は、具体的には図3を用いて後述される。次に、表示制御部13は、地域ごとの広告表示基本時間で広告を視聴端末100に表示する(ステップS13)。
【0019】
図3は、第1の実施形態に係る広告表示装置10の算出部による広告表示基本時間を算出する動作の一例を示すフローチャートである。
【0020】
図3に示すように、まず、算出部12は、視聴端末100の地域情報に基づいて、地域番号n(nは1~Nの自然数)ごとの視聴端末100の数Xn(XnはX1~XNの自然数)を算出する(ステップS121)。以下、視聴端末100の数Xnは視聴端末数Xnと称される。次に、算出部12は、地域ごとの視聴端末数X1~XNの平均値μを算出する(ステップS122)。以下、地域ごとの視聴端末数X1~XNの平均値μは視聴端末数平均値μと称される。
【0021】
次に、算出部12は、地域番号nに1を設定する(ステップS123)。次に、算出部12は、視聴端末数Xnは視聴端末数平均値μ×1.2以上(Xn≧μ×1.2)であるか否かを判定する(ステップS124)。
【0022】
ステップS124で視聴端末数Xnは視聴端末数平均値μ×1.2以上であると判定した場合(ステップS124のYES)、算出部12は、地域番号nでの広告表示基本時間を1分に設定する(ステップS125)。そして、算出部12は、ステップS1211の処理に進む。
【0023】
ステップS124で視聴端末数Xnは視聴端末数平均値μ×1.2未満であると判定された場合(ステップS124のNO)、算出部12は、視聴端末数Xnは視聴端末数平均値μ×0.8以上(Xn≧μ×0.8)であるか否かを判定する(ステップS126)。
【0024】
ステップS126で視聴端末数Xnは視聴端末数平均値μ×0.8以上であると判定された場合(ステップS126のYES)、算出部12は、地域番号nでの広告表示基本時間を45秒に設定する(ステップS127)。そして、算出部12は、ステップS1211の処理に進む。
ステップS126で視聴端末数Xnは視聴端末数平均値μ×0.8未満であると判定された場合(ステップS126のNO)、算出部12は、視聴端末数Xnは0であるか否かを判定する(ステップS128)。
【0025】
ステップS128で視聴端末数Xnは0でないと判定された場合(ステップS128のNO)、算出部12は、地域番号nでの広告表示基本時間を30秒に設定する(ステップS129)。そして、算出部12は、ステップS1211の処理に進む。
ステップS128で視聴端末数Xnは0であると判定された場合(ステップS128のYES)、算出部12は、地域番号nでの広告表示基本時間を0秒に設定する(ステップS1210)。そして、算出部12は、ステップS1211の処理に進む。
【0026】
ステップS1211では、算出部12は、地域番号nがN(n=N)であるか否かを判定する。地域番号nがNであると判定された場合(ステップS1211のYES)、算出部12は、処理を終了する。一方、地域番号nがNでないと判定された場合(ステップS1211のNO)、算出部12は、ステップS1212の処理に進む。
【0027】
ステップS1212では、算出部12は、地域番号nに1を加える(n=n+1)。そして、算出部12は、ステップS124の処理に戻る。
【0028】
図4は、第1の実施形態に係る広告表示装置10の算出部12による広告表示基本時間の算出結果の一例を示す図である。
図4に示す一例では、広告表示基本時間が算出される地域は、アメリカのニューヨーク、ロサンゼルス及びシアトル、中国の北京、上海及び広州、フランスのパリ、リヨン及びトゥールーズ、日本の東京、大阪及び福岡、並びに、オーストラリアのキャンベラ、シドニー及びメルボルンの15の地域である。
【0029】
また、15の地域ごとに算出された視聴端末数は、例えば、アメリカのニューヨークの視聴端末数は、3,000である。フランスのパリの視聴端末数は、500である。日本の東京の視聴端末数は、10,000である。
【0030】
図5は、第1の実施形態に係る広告表示装置10の算出部12による視聴端末数平均値の算出結果の一例を示す図である。
図5に示す一例では、図4に示される15の地域ごとの視聴端末数に基づいて算出される視聴端末全数、地域数、及び視聴端末数平均値などを示す。15の地域ごとの視聴端末数に基づいて算出された視聴端末数平均値は、2,993である。ここで、視聴端末数平均値×1.2は、3,592である。また、視聴端末数平均値×0.8は、2,395である。
【0031】
図4に戻り、図4に示す一例では、15の地域ごとの視聴端末数と、図5で算出した視聴端末数平均値に基づいて算出された地域ごとの広告表示基本時間を示す。例えば、日本の東京の視聴端末数は、10,000であるため、視聴端末数平均値×1.2以上である。したがって、日本の東京での広告表示基本時間は、1分に設定される。また、アメリカのニューヨークの視聴端末数は、3,000であるため、視聴端末数平均値×0.8以上で視聴端末数平均値×1.2未満である。したがって、アメリカのニューヨークでの広告表示基本時間は、45秒に設定される。また、フランスのパリの視聴端末数は、500であるため、視聴端末数平均値μ×0.8未満であり0ではない。したがって、フランスのパリでの広告表示基本時間は、30秒に設定される。
【0032】
なお、ステップS124、ステップS126及びステップS128では、それぞれ閾値が視聴端末数平均値μ×1.2、視聴端末数平均値μ×0.8及び0と設定されたが、閾値はこれらの値に限られず各々設定できる。例えば、算出部12がステップS124の判定に使う視聴端末数平均値μの倍数は、1倍以上の倍率となる数値であればよく、1.2に限定されない。同様に、算出部12がステップS126の判定に使う視聴端末数平均値μの倍数は、1倍未満の倍率となる数値であればよく、0.8に限定されない。また、ステップS125、ステップS127、ステップS129及びステップS130では、それぞれ広告表示基本時間が1分、45秒、30秒及び0秒に設定されたが、広告表示基本時間はこれらの値に限られず各々設定できる。例えば、ステップS127で設定する広告表示基本時間は、ステップS125で設定する広告表示基本時間より短い時間であればよく、45秒に限定されない。同様に、ステップS129で設定する広告表示基本時間は、ステップS127で設定する広告表示基本時間より短い時間であればよく、30秒に限定されない。なお、図3では、視聴端末数Xnの判定の数をステップS124、ステップS126、ステップS128の3とし、視聴端末数Xnの判定の結果による広告表示基本時間の設定の数をステップS125、ステップS127、ステップS129、およびステップS1210による4としたが、視聴端末数Xnの判定の数と視聴端末数Xnの判定の結果による設定の数はそれらに限定されない。
【0033】
上述したように、第1の実施形態に係る広告表示装置10は、地域の視聴端末100の数、つまり地域の視聴者数に応じて、地域の視聴端末100に表示する地域ごとの広告表示基本時間を動的に制御する。例えば、視聴者数が多い地域向けの広告が各視聴端末100に表示される。広告表示装置10は、視聴者数が多い地域では視聴者数が少ない地域よりも広告表示基本時間を長く算出する。したがって、広告表示装置10は、効率的な広告の表示ができるようになる。
【0034】
なお、広告表示装置10の取得部11は、視聴端末100の契約しているプロバイダの情報を取得してもよい。そして、算出部12は、プロバイダの情報に基づいて、プロバイダごとに視聴端末100の数を算出し、算出された視聴端末100の数に応じて視聴端末100に表示する地域ごとの広告表示基本時間を動的に制御してもよい。例えば広告表示装置10は、契約料の安いプロバイダを利用している視聴端末100には広告の広告表示基本時間を長くしてさらなる宣伝をするなどしてもよく、これによって、広告表示装置10は、効率的な広告の表示ができるようになる。また、広告表示装置10は、プロバイダの情報の代わりに視聴端末100の契約しているキャリアの情報を用いてもよい。
【0035】
(第2の実施形態)
続いて、図1図6図8を用いて、第2の実施形態に係る広告表示装置20(不図示)の構成を説明する。広告表示装置20は、図1に示される第1の実施形態に係る広告表示装置10と同様の構成を備えるが、以下の機能を追加している。
【0036】
記憶部14は、広告の種別の情報(以下、広告種別情報)を記憶する。広告種別情報は、例えばお酒の広告やスポーツ用品の広告など広告の種別を表す情報である。図6は、第2の実施形態に係る広告表示装置20における広告種別情報の一例を示す図である。図6に示すように、記憶部14は、00001~00021のような広告IDに、種別A、種別B、種別C、種別D及び指定なしのような広告種別を紐づけて記憶する。ここで、指定なしは、種別A、種別B、種別C及び種別Dに属さないものである。なお、広告種別は各々設定できる。
【0037】
また、記憶部14は、広告種別係数の情報(以下、広告種別係数情報)を記憶する。広告種別係数情報は、広告の公共性を係数で表した情報である。つまり、広告種別係数情報は、予め設定された係数の情報である。ここで、広告の公共性とは、広告が社会一般に影響や利害をおよぼす性格、性質のことを示す。公共性が高い広告とは、例えば、広告が社会一般に影響や利害をおよぼす性格、性質が高い広告である。逆に、公共性の低い広告とは、広告が社会一般に影響や利害をおよぼす性格、性質が低い広告である。広告の公共性が高くなる程、全地域向けの広告となる。図7は、第2の実施形態に係る広告表示装置20における広告種別係数情報の一例を示す図である。図7に示すように、広告種別には0.3、0.5、0.8および1.0のような広告種別係数が紐づけられている。係数が大きくなる程、広告の公共性が高くなることを示す。なお、係数は各々設定できる。
【0038】
取得部11は、視聴端末100のIPアドレスなどから、視聴端末100の位置する地域の情報を取得する。さらに、取得部11は、広告種別情報を記憶部14から取得する。また、取得部11は、広告種別係数情報を記憶部14から取得する。
【0039】
算出部12は、地域ごとの視聴端末100の数を算出する。算出部12は、地域ごとの視聴端末100の数に基づいて、地域ごとの広告表示基本時間を算出する。さらに、算出部12は、地域ごとの広告表示基本時間と広告種別係数情報とに基づいて、地域ごとの広告表示基本時間と広告種別係数情報とに基づく広告表示時間を算出する。具体的には、算出部12は、地域ごとの広告表示基本時間と広告種別係数情報に基づいて、地域ごとの広告表示時間を算出する。例えば、算出部12は、視聴端末100に表示させる広告の広告種別から広告種別に対応する広告種別係数を選択し、地域ごとの広告表示基本時間に選択した広告の広告種別に対応する広告種別係数を乗算することによって、地域ごとの広告表示基本時間と広告種別係数情報とに基づく広告表示時間を算出する。
表示制御部13は、地域ごとの広告表示基本時間と広告種別係数情報とに基づく広告表示時間で視聴端末100に広告を表示させる。
【0040】
続いて、図8を用いて、第2の実施形態に係る広告表示装置20の動作を説明する。
図8は、第2の実施形態に係る広告表示装置20の動作の一例を示すフローチャートである。図8に示すように、まず、広告表示装置20の取得部11は、視聴端末100の地域情報を取得する(ステップS11)。次に、算出部12は、取得された視聴端末100の地域情報に基づいて、地域ごとの広告表示基本時間を算出する(ステップS12)。
【0041】
次に、取得部11は、広告種別情報と広告種別係数情報とを記憶部14から取得する(ステップS21)。
次に、算出部12は、地域ごとの広告表示基本時間と広告種別係数情報とに基づいて、地域ごとの広告表示時間を算出する(ステップS22)。具体的には、算出部12は、視聴端末100に表示させる広告の広告種別から広告種別に対応する広告種別係数を選択し、地域ごとの広告表示基本時間に、選択した広告の広告種別に対応する広告種別係数を乗算することによって、地域ごとの広告表示基本時間と広告種別係数情報とに基づく広告表示時間を算出する。
【0042】
例えば、図4に示すように、算出部12は、日本の東京での広告表示基本時間が1分であると算出する。図6図7に示すように、視聴端末100に表示させる広告の広告IDが00001で広告種別が種別Aである場合、算出部12は、広告表示基本時間の1分に広告種別係数の1.0を乗算した1分を広告表示時間として算出する。また、表示させる広告の広告IDが00002で広告種別が種別Bである場合、算出部12は、広告表示基本時間の1分に広告種別係数の0.8を乗算した0.8分を広告表示時間として算出する。また、表示させる広告の広告IDが00006で広告種別が種別Cである場合、算出部12は、広告表示基本時間の1分に広告種別係数の0.5を乗算した0.5分を広告表示時間として算出する。また、表示させる広告の広告IDが00007で広告種別が種別Dである場合、算出部12は、広告表示基本時間の1分に広告種別係数の0.3を乗算した0.3分を広告表示時間として算出する。表示させる広告の広告IDが00008で広告種別が指定なしである場合、算出部12は、広告表示基本時間の1分に広告種別係数の1.0を乗算した1.0分を広告表示時間として算出する。
【0043】
図8の説明に戻る。次に、表示制御部13は、地域ごとの広告表示基本時間と広告種別係数情報とに基づく広告表示時間で広告を視聴端末100に表示する(ステップS23)。
【0044】
上述したように、第2の実施形態に係る広告表示装置20は、広告の公共性を考慮して広告表示時間を算出し、当該広告表示時間で視聴端末100に広告を表示させる。例えば、広告表示装置20は、地域の視聴端末100に表示する地域ごとの広告表示基本時間を地域の視聴者数に応じて動的に制御することに加え、さらに、公共性の高い広告を公共性の低い広告に比べて長い広告表示時間で視聴端末100に表示する。したがって、広告表示装置20は、より効率的に広告の表示ができるようになる。
【0045】
(第3の実施形態)
続いて、図1図6図9図11を用いて、第3の実施形態に係る広告表示装置30(不図示)の構成を説明する。広告表示装置30は、図1に示される第1の実施形態に係る広告表示装置10と同様の構成を備えるが、以下の機能を広告表示装置10に追加したものである。
【0046】
記憶部14は、図6に示される広告種別情報を記憶する。
また、記憶部14は、広告の時間帯別係数情報(以下、時間帯別係数情報)を記憶する。時間帯別係数情報は、広告種別ごとの広告を視聴端末100に表示するのに適した時間帯を係数で表した情報である。図9は、第3の実施形態に係る広告表示装置30の時間帯別係数情報の一例を示す図である。図9に示すように、記憶部14は、広告種別に時間帯別係数を紐づけて記憶する。時間帯別係数は、時間帯1、時間帯2、時間帯3、時間帯4及び時間帯5のような時間帯ごとに設定される。時間帯1は0時~6時、時間帯2は6時~12時、時間帯3は12時~18時、時間帯4は18時~21時、時間帯5は、21時~0時である。例えば、広告Aの時間帯別係数は、時間帯1では0.1、時間帯2では0.2、時間帯3では0.5、時間帯4では1.0、時間帯5では0.7である。また、広告Bの時間帯別係数は、時間帯1では0.1、時間帯2では1.0、時間帯3では0.5、時間帯4では0.2、時間帯5では0.7である。
【0047】
また、記憶部14は、地域ごとの時間帯情報を記憶する。図10は、第3の実施形態に係る広告表示装置30の地域ごとの時間帯情報の一例を示す図である。例えば、図10に示すように、各地域の時間帯は、日本の時間帯を時間帯4とした場合の時間帯1~時間帯5のいずれかが設定されている。
【0048】
取得部11は、視聴端末100のIPアドレスなどから、視聴端末100の位置する地域の情報を取得する。さらに、取得部11は、広告種別情報と時間帯別係数情報とを記憶部14から取得する。また、取得部11は、地域ごとの時間帯情報を記憶部14から取得する。
【0049】
算出部12は、地域ごとの視聴端末100の数を算出する。算出部12は、地域ごとの視聴端末100の数に基づいて、地域ごとの広告表示基本時間を算出する。さらに、算出部12は、地域ごとの広告表示基本時間と時間帯別係数情報とに基づいて、地域ごとの広告表示基本時間と時間帯別係数情報とに基づく広告表示時間を算出する。具体的には、算出部12は、地域ごとの広告表示基本時間と時間帯別係数とに基づいて、地域ごとの広告表示時間を算出する。例えば、算出部12は、視聴端末100に表示させる広告の広告種別と視聴端末100の位置する地域の時間帯とに対応する時間帯別係数を選択し、地域ごとの広告表示基本時間に選択した広告の広告種別と視聴端末100の位置する地域の時間帯とに対応する時間帯別係数を乗算することによって、地域ごとの広告表示基本時間と時間帯別係数とに基づく広告表示時間を算出する。なお、算出部12は、広告種別の割り当てがない場合、広告種別情報を用いなくてもよい。
表示制御部13は、地域ごとの広告表示基本時間と時間帯別係数情報とに基づく広告表示時間で視聴端末100に広告を表示させる。
【0050】
続いて、図9図11を用いて、第3の実施形態に係る広告表示装置30の動作を説明する。
【0051】
図11は、第3の実施形態に係る広告表示装置30の動作の一例を示すフローチャートである。図11に示すように、まず、広告表示装置30の取得部11は、視聴端末100の地域情報を取得する(ステップS11)。次に、算出部12は、取得された視聴端末100の地域情報に基づいて、地域ごとの広告表示基本時間を算出する(ステップS12)。
【0052】
次に、取得部11は、広告種別情報及び時間帯別係数情報を取得する(ステップS31)。また、取得部11は、地域ごとの時間帯情報を取得する。
【0053】
次に、算出部12は、地域ごとの広告表示基本時間と時間帯別係数情報とに基づいて、地域ごとの広告表示時間を算出する(ステップS32)。具体的には、算出部12は、視聴端末100に表示させる広告の広告種別と視聴端末100の位置する地域の時間帯とに対応する時間帯別係数を選択し、地域ごとの広告表示基本時間に、選択した広告の広告種別と視聴端末100の位置する地域の時間帯とに対応する時間帯別係数を乗算することによって、地域ごとの広告表示基本時間と時間帯別係数とに基づく広告表示時間を算出する。
【0054】
例えば、視聴端末100は日本の東京に位置し、当該視聴端末100に表示させる広告の広告種別は種別Aであるとする。図9図10に示すように、日本の東京の時間帯は時間帯4であることから、時間帯別係数は、1.0である。また、図4に示すように、日本の東京の広告表示基本時間は1分である。したがって、算出部12は、日本の東京での広告Aの広告表示時間を、広告表示基本時間の1分と時間帯別係数の1.0とを乗算した1.0分として算出する。また、視聴端末100は日本の東京に位置し、当該視聴端末100に表示させる広告の広告種別は種別Bであるとする。図9図10に示すように、日本の東京の時間帯は時間帯4であることから、時間帯別係数は、0.2である。また、図4に示すように、日本の東京の広告表示基本時間は1分である。したがって、算出部12は、日本の東京での広告Bの広告表示時間を、広告表示基本時間の1分と時間帯別係数の0.2とを乗算した0.2分として算出する。
【0055】
図11の説明に戻る。次に、表示制御部13は、地域ごとの広告表示基本時間と時間帯別係数とに基づく広告表示時間で広告を視聴端末100に表示する(ステップS33)。
【0056】
なお、広告表示装置30は、各地域の時間帯に基づいて広告表示時間を算出したが、各地域の季節に基づいて広告表示時間を算出してもよい。
【0057】
上述したように、第3の実施形態に係る広告表示装置30は、地域の視聴端末100に表示する地域ごとの広告表示基本時間を地域の視聴者数に応じて動的に制御することに加え、さらに、視聴端末100の位置する地域の時間帯に適した広告を視聴端末100の位置する地域の時間帯に適さない広告に比べて長い広告表示時間で視聴端末100に表示する。例えば、お酒の広告は、夜間(18時~21時)に表示した方が視聴者からの反応が良くなることが予想される。広告表示装置30は、お酒の広告をその時間帯に他の時間帯に比べて長く表示する。したがって、広告表示装置30は、より効率的に広告の表示ができるようになる。
【0058】
(第4の実施形態)
続いて、図1図6図7図9図10図12を用いて、第4の実施形態に係る広告表示装置40(不図示)の構成を説明する。広告表示装置40は、図1に示される第1の実施形態に係る広告表示装置10と同様の構成を備える。広告表示装置40は、広告表示装置20及び広告表示装置30の機能を組み合わせたものであり、以下の機能を追加している。
【0059】
記憶部14は、広告種別情報、広告種別係数情報及び広告の時間帯別係数情報を記憶する。また、記憶部14は、地域ごとの時間帯情報を記憶する。
【0060】
取得部11は、視聴端末100のIPアドレスなどから、視聴端末100の位置する地域の情報を取得する。さらに、取得部11は、広告種別情報、広告種別係数情報及び時間帯別係数情報を記憶部14から取得する。また、取得部11は、地域ごとの時間帯情報を記憶部14から取得する。
【0061】
算出部12は、地域ごとの視聴端末100の数を算出する。算出部12は、地域ごとの視聴端末100の数に基づいて、地域ごとの広告表示基本時間を算出する。算出部12は、地域ごとの広告表示基本時間と広告種別係数情報と時間帯別係数情報に基づいて、広告表示時間を算出する。具体的には、算出部12は、地域ごとの広告表示基本時間と広告種別係数情報と時間帯別係数情報とに基づいて、地域ごとの広告表示時間を算出する。例えば、算出部12は、視聴端末100に表示させる広告の広告種別から広告種別に対応する広告種別係数を選択し、さらに、視聴端末100に表示させる広告の広告種別と視聴端末100の位置する地域の時間帯とに対応する時間帯別係数を選択する。そして、地域ごとの広告表示基本時間に選択した広告の広告種別に対応する広告種別係数と視聴端末100の位置する地域の時間帯とに対応する時間帯別係数とを乗算することによって、地域ごとの広告表示基本時間と広告種別係数情報と時間帯別係数とに基づく広告表示時間を算出する。
表示制御部13は、地域ごとの広告表示基本時間と広告種別係数情報と時間帯別係数情報に基づく広告表示時間で視聴端末100に広告を表示させる。
【0062】
続いて、図12を用いて、第4の実施形態に係る広告表示装置40の動作を説明する。
図12は、第4の実施形態に係る広告表示装置40の動作の一例を示すフローチャートである。図12に示すように、まず、広告表示装置40の取得部11は、視聴端末100の地域情報を取得する(ステップS11)。次に、算出部12は、取得された視聴端末100の地域情報に基づいて、地域ごとの広告表示基本時間を算出する(ステップS12)。
【0063】
次に、取得部11は、広告種別情報、広告種別係数情報及び時間帯別係数情報を記憶部14から取得する(ステップS41)。また、取得部11は、地域ごとの時間帯情報を記憶部14から取得する。
【0064】
算出部12は、地域ごとの広告表示基本時間と広告種別係数情報と時間帯別係数情報に基づく広告表示時間を算出する(ステップS42)。具体的には、算出部12は、視聴端末100に表示させる広告の広告種別から広告種別に対応する広告種別係数を選択し、さらに、視聴端末100に表示させる広告の広告種別と視聴端末100の位置する地域の時間帯とに対応する時間帯別係数を選択する。そして、地域ごとの広告表示基本時間に選択した広告の広告種別に対応する広告種別係数と視聴端末100の位置する地域の時間帯とに対応する時間帯別係数とを乗算することによって、地域ごとの広告表示基本時間と広告種別係数情報と時間帯別係数とに基づく広告表示時間を算出する。
【0065】
図12の説明に戻る。次に、表示制御部13は、地域ごとの広告表示基本時間と広告種別係数情報と時間帯別係数情報とに基づく広告表示時間で広告を視聴端末100に表示する(ステップS43)。
【0066】
上述したように、第4の実施形態に係る広告表示装置40は、地域の視聴端末100に表示する地域ごとの広告表示基本時間を地域の視聴者数に応じて動的に制御することに加え、さらに、公共性の高い広告および視聴端末100の位置する地域の時間帯に適した広告を公共性の低い広告および視聴端末100の位置する地域の時間帯に適さない広告に比べて長い広告表示時間で視聴端末100に表示する。したがって、広告表示装置40は、より効率的に広告の表示ができるようになる。
【0067】
(第5の実施形態)
第5の実施形態として、図13及び図14を用いて、第1~第4の実施形態に係る広告表示装置のいずれにも適用できる表示方法の例について説明する。図13は、第5の実施形態に係る広告表示方法の一例を説明するための模式図である。図14は、第5の実施形態に係る広告表示方法の他の例を説明するための模式図である。以下、本実施形態に係る表示方法の例として、第1の実施形態に係る広告表示装置10における表示方法の例を説明するが、第2~第4の実施形態に係る広告表示装置のいずれについても同様に適用できる。
【0068】
まず、図13を用いて、映像にワイプ広告を表示する表示方法の例について説明する。広告表示装置10の表示制御部13は、図13で例示するように、視聴端末100に提供する映像110中にワイプ広告111を含める。ワイプ広告111は、例えば、映像110の右下部分に重畳して視聴端末100に提供されるとよい。
【0069】
また、表示制御部13は、視聴端末数Xn又は視聴端末数平均値μが大きいほど、ワイプ広告111を拡大ワイプ広告112のように大きくした状態で、視聴端末100に表示させてもよい。これにより、多く視聴されている場合にはより広告効果を得ることができる。逆に、表示制御部13は、視聴端末数Xn又は視聴端末数平均値μが小さいほど、ワイプ広告111を拡大ワイプ広告112のように大きくした状態で、視聴端末100に表示させてもよい。これにより、視聴されている数に依らずに一定の広告効果を得ることができる。
【0070】
このように、表示制御部13は、視聴端末数Xnに基づいて、例えば視聴端末数Xn又は視聴端末数平均値μに応じて、ワイプ広告等の広告の表示サイズを変更して、視聴端末100に表示させてもよい。ここで、視聴端末数Xnに応じてワイプ広告の表示サイズを変更することは、互いに視聴端末数Xnが異なる複数の地域についてのワイプ広告の表示サイズが互いに異なることを意味する。また、映像の大部分を広告が隠すことや表示すべき広告が小さすぎて視認できないことがないように、表示制御部13は、表示サイズ又は元の映像に対する表示割合に上限と下限とを設けて、ワイプ広告の変更を行うとよい。
【0071】
次に、図14を用いて、仮想空間内における広告スペースでの表示方法の例について説明する。ここでは仮想空間として、図14に示すように、仮想ステージ120上で演奏者のアバタ121,122が演奏しているバーチャルライブ会場を例に挙げて説明する。広告表示装置10の表示制御部13は、図14で例示するように、観客のアバタ125,126から見て仮想ステージ120の奥側に設けられた第1仮想看板123及び第2仮想看板124に、広告を表示させる。視聴端末100では、このような広告を含むバーチャルライブを視聴することができる。そして、このバーチャルライブ会場では、1又は複数の視聴端末100を観客のアバタ125,126の一人一人に対応付けて表示させてもよい。なお、仮想空間自体は、広告表示装置10以外の装置から提供されてもよい。
【0072】
また、図14の例では、便宜上、観客のアバタ125,126の視線を矢印で示している。視線は、観客の視聴端末100としての、例えばスマートフォン、VR(Virtual Reality)ゴーグル又はVRヘッドセットなどに設置された視線センサによって得ることができる。このように、バーチャルライブ会場は、演奏者のアバタ121を観ている観客のアバタ125と他の演奏者のアバタ122を観ている観客のアバタ126とが存在するような会場であってもよい。演奏者のアバタ121,122は一人一人が移動可能であり、観客のアバタ125,126も一人一人が移動可能である。よって、図14では或る時点での様子を示していると言える。
【0073】
この例では、検出された視線に応じて観客は映像を選択的に視認することができる。つまり、視聴端末100に提供される映像が、視聴端末100により選択的に部分的な領域を視認可能な映像となる。この場合、算出部12は、上記部分的な領域ごとに、視聴端末100の位置する地域の情報に基づいて地域ごとの視聴端末の数を算出するとよい。そして、算出部12は、上記部分的な領域ごとに、地域ごとの視聴端末100の数に基づいて、地域ごとの広告の表示時間を算出するとよい。これにより、視聴端末100からユーザが部分的な領域を視聴することを選択できるような映像に対しても、その選択に対応して、地域ごとの広告の表示時間を算出できる。
【0074】
このような算出の例について具体的に説明する。例えば、取得部11が演奏者のアバタ121を観ている観客のアバタ125に対応する視聴端末100について地域の情報を取得し、算出部12がその地域の情報に基づいて地域ごとの広告の表示時間を算出する。アバタ121,122のいずれを観客が見ているかは、上述したように例えばその観客の視線から得ることができる。そして、表示制御部13は、このようにして算出された地域ごとの広告の表示時間に基づき、アバタ121の奥側に設置された第1仮想看板123に広告を表示させる。
【0075】
同様に、取得部11が演奏者のアバタ122を観ている観客のアバタ126に対応する視聴端末100について地域の情報を取得し、算出部12がその地域の情報に基づいて地域ごとの広告の表示時間を算出する。そして、表示制御部13は、このようにして算出された地域ごとの広告の表示時間に基づき、アバタ122の奥側に設置された第2仮想看板124に広告を表示させる。
【0076】
なお、このバーチャルライブ会場において、双方のアバタ121,122を含めた仮想ステージ120を全体的に観ている観客については、第1仮想看板123及び第2仮想看板124の双方についての観客としてカウントして、地域ごとの広告の表示時間の算出を行えばよい。
【0077】
また、上述したように図14では或る時点での様子を示していると言える。よって、上述した表示時間の算出等の処理についても、観客の移動及び視線の変化の少なくとも一方に応じて処理結果を異ならせることもできる。
【0078】
また、図14の例における第1仮想看板123及び第2仮想看板124は、いずれもライブの全体の映像を表示する仮想モニタであってもよい。その場合、広告は、図13で例示したようにワイプ広告などとして第1仮想看板123及び第2仮想看板124に表示させてもよい。
【0079】
また、仮想空間として、アバタ121,122が演奏している仮想ステージ120を含むバーチャルライブ会場を例に挙げた。但し、例えば、第1仮想看板123及び第2仮想看板124のような仮想看板を含む仮想空間に、実在する演奏者が実在するステージ上で演奏しているライブ映像を表示させておくこともできる。
【0080】
図14の例では、上述したような仮想空間等の、視聴端末により選択的に部分的な領域を視認させるようなシステムにおいても、実施形態1~4で説明したような効果を奏することができる。
【0081】
<ハードウェア構成>
上述の実施形態における各構成は、ハードウェア又はソフトウェア、もしくはその両方によって構成され、1つのハードウェア又はソフトウェアから構成してもよいし、複数のハードウェア又はソフトウェアから構成してもよい。各装置及び各機能(処理)を、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ及び記憶装置であるメモリを有するコンピュータにより実現してもよい。例えば、メモリに実施形態における方法を行うためのプログラムを格納し、各機能を、メモリに格納されたプログラムをプロセッサで実行することにより実現してもよい。
【0082】
これらのプログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0083】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0084】
10、20、30、40 広告表示装置
11 取得部
12 算出部
13 表示制御部
14 記憶部
100 視聴端末
110 映像
111 ワイプ広告
112 拡大ワイプ広告
120 仮想ステージ
121、122 演奏者のアバタ
123 第1仮想看板
124 第2仮想看板
125、126 観客のアバタ
NW ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14