(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068142
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】光電池セット、及び測定領域を有する、電子回路を伴う電池モジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 31/042 20140101AFI20240510BHJP
H01L 31/0463 20140101ALI20240510BHJP
H01L 31/0465 20140101ALI20240510BHJP
H02S 50/00 20140101ALI20240510BHJP
G05F 1/67 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
H01L31/04 500
H01L31/04 532A
H01L31/04 532B
H02S50/00
G05F1/67 A
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023184567
(22)【出願日】2023-10-27
(31)【優先権主張番号】22205388.6
(32)【優先日】2022-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】591048416
【氏名又は名称】ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ・クロプフェンシュタイン
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン・バイラ
【テーマコード(参考)】
5F251
5H420
【Fターム(参考)】
5F251AA05
5F251BA04
5F251BA11
5F251DA10
5F251EA02
5F251EA10
5F251EA13
5F251FA02
5F251FA06
5F251FA14
5F251FA21
5F251GA04
5F251HA01
5F251JA03
5F251KA02
5H420CC03
5H420DD02
5H420EB01
5H420EB37
5H420FF03
5H420FF04
5H420FF22
(57)【要約】
【課題】光電池セット、及び測定領域を有する、電子回路を伴う電池モジュールを提供すること。
【解決手段】本発明は、光電池(2、12)セット(10)に関する。セット(10)は、光電池(2、12)の電気接点を確立するため、前記基板(22、28)の上面、又は前記基板(22、28)の底面にわたり少なくとも1つの導電層(21、23、25、25’)を備える。少なくとも1つの大型サイズの第1の光電池(2)は、モジュール(1)内で電気エネルギーに変換される光エネルギーを捕捉するように提供される。第1の光電池(2)から独立した、少なくとも1つの小型サイズの第2の光電池(12)が提供される。第2の光電池(12)は、モジュール(1)の動作を最適化するため、電圧又は電流をモジュール(1)内で測定するように構成される。
【選択図】
図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子回路(3)を有する光電池モジュール(1)の一部であることが意図される光電池(2、12)セット(10)において、
前記セット(10)は、前記モジュール(1)内で電気エネルギーに変換される光エネルギーを捕捉するように構成される、少なくとも1つの大型サイズの第1の光電池(2)と、前記モジュール(1)の動作を最適化するため、前記モジュール(1)内で電圧又は電流を測定するように構成される、前記第1の光電池(2)から独立した少なくとも1つの小型サイズの第2の光電池(12)とを備えることを特徴とする、セット(10)。
【請求項2】
前記セット(10)は、1つ又は複数の光電池(複数可)(2、12)の作製に適している基板(22、28)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のセット(10)。
【請求項3】
前記セット(10)は、前記光電池(2、12)の電気接点を確立するため、前記基板(22、28)若しくは支持体の上面、又は前記基板(22、28)若しくは前記支持体の底面上に少なくとも1つの導電層(21、23、25、25’)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のセット(10)。
【請求項4】
前記導電層は、前記基板(22)又は前記支持体の上面上に配置される第1の導電層(21)であり、前記セット(10)は、前記基板(22)又は前記支持体の底面上に配置される第2の導電層(23)を備えることを特徴とする、請求項3に記載のセット(10)。
【請求項5】
前記第1の導電層は、大部分が透明であり、前記セットの支持要素の面の下に前記基板を固定することが意図される第1の導電層(21)であることを特徴とする、請求項4に記載のセット(10)。
【請求項6】
前記第1の光電池(2)は、基板の形態で支持体上に配置される薄膜電池であることを特徴とする、請求項1に記載のセット(10)。
【請求項7】
前記第1の光電池(2)の材料は、アモルファスシリコンであることを特徴とする、請求項1に記載のセット(10)。
【請求項8】
前記第2の導電層(23)は、前記基板(22)内又は前記第1の光電池(2)内に形成される前記セット(10)の外周開口によって前記第1の導電層(21)に接続されることを特徴とする、請求項5に記載のセット(10)。
【請求項9】
絶縁(P3)は、前記第1の光電池(2)を画定するように作製され、別の絶縁(P13)は、前記第2の光電池(12)を前記第1の光電池(2)から独立させるように作製され、前記第2の光電池が前記モジュール(1)内の電圧又は電流を測定可能であるようにすることを特徴とする、請求項8に記載のセット(10)。
【請求項10】
正接点(Cp1)は、2つの前記光電池の同じ正電位で前記第1の導電層(21)の分極を可能にすることが意図される外周部において、前記第2の導電層(23)上に配置され、負接点(Cn1)は、境界(P2)から絶縁される前記第2の導電層(23)を介して前記基板上の前記大型光電池(2)上に配置され、別の負接点(Cn2)は、前記第2の導電層(23)を介して前記基板上の前記小型光電池(12)上に配置されることを特徴とする、請求項8に記載のセット(10)。
【請求項11】
前記セット(10)の見える部分は、時計ガラスを通じて前記第1の電池(2)及び/又は前記第2の電池(12)の見分けが付かないように、前記第1の電池(2)及び/又は前記第2の電池(12)と同じ色で作製されることを特徴とする、請求項1に記載のセット(10)。
【請求項12】
前記セット(10)は、基板(28)を備え、p型及びn型領域は、前記基板(28)の裏に交互に並列に形成され、前記導電層は、前記p型及びn型領域の上に配置される一方で、第1のくし(25)及び第2のくし(25’)を画定するように構成され、前記第1のくし(25)の歯は、前記p型領域の上に配置される一方で、前記第2のくし(25’)の歯は、前記n型領域の上に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のセット(10)。
【請求項13】
前記セット(10)は、上から下に、前記基板(28)の上面に直接配置される少なくとも1つのパッシベーション層(27)から構成される一方で、前記導電層は、前記基板(28)の下面に配置されることを特徴とする、請求項12に記載のセット(10)。
【請求項14】
前記基板(28)は、シリコンから作製される結晶基板であることを特徴とする、請求項12に記載のセット(10)。
【請求項15】
反射防止層(26)は、前記パッシベーション層(27)上に配置されることを特徴とする、請求項13に記載のセット(10)。
【請求項16】
前記p領域及び前記n領域並びに前記くし歯は、直線形であることを特徴とする、請求項12に記載のセット(10)。
【請求項17】
前記p領域及び前記n領域並びに前記くし歯は、湾曲又は弓形であることを特徴とする、請求項12に記載のセット(10)。
【請求項18】
前記第1のくし(25)は、第1の正接点(Cp1)に接続される一方で、前記第2のくし(25’)は、前記第1の光電池(2)に関連する第1の負接点(Cn1)に接続され、前記第2の負接点(Cn2)は、前記第2のくし(25’)の最初の歯に接続されるか、又は前記第1のくし及び前記第2のくしの2つの歯は、絶縁分割部(P3)によって前記第1のくし(25)及び前記第2のくし(25’)の残りから絶縁されることを特徴とする、請求項12に記載のセット(10)。
【請求項19】
前記第1の太陽電池又は光電池(2)は、時計の文字盤若しくはベゼル若しくはガラス、又は時計の別の部分の形態であることを特徴とする、請求項1に記載のセット(10)。
【請求項20】
前記光電池又は太陽電池(2、12)は、シリコン・ウエハである1つ若しくは複数の基板ウエハ(複数可)内に作製されるか、又は絶縁層と共にガラス、プラスチック若しくは金属から作製される材料の1つ若しくは複数の支持体(複数可)上に作製されるか、又は結晶層上に作製されることを特徴とする、請求項1に記載のセット(10)。
【請求項21】
請求項1に記載の光電池(2、12)を備える、電子回路(3)を有する光電池モジュール(1)において、少なくとも1つの大型サイズの第1の光電池(2)は、電気エネルギーに変換される光エネルギーを捕捉するように構成され、前記モジュール(1)は、前記電子回路(3)内に、スイッチング・コントローラ(5)と、前記モジュール(1)の動作を最適化するアダプタ(4)とを更に備え、
前記第1の光電池(2)から独立した、少なくとも1つの小型サイズ(P3、P13)の第2の光電池(12)は、前記モジュールの最適な動作のため、電圧又は電流を前記モジュール(1)内で測定するように構成される、光電池モジュール(1)。
【請求項22】
測定される前記電圧は、照射の対数に比例する信号である前記第2の光電池(12)の開路電圧(Voc)であることを特徴とする、請求項21に記載のモジュール(1)。
【請求項23】
小型抵抗器は、動作に比例する電圧又は短絡電流を測定するため、前記第2の光電池から分岐することを特徴とする、請求項21に記載のモジュール(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電池セットに関し、少なくとも1つの電圧又は1つの電流を測定する少なくとも1つの領域を有する、電子回路を伴う光電池セットにも関する。
【背景技術】
【0002】
光電池のエネルギーの収集を担う変換器は周知である。好ましくは、変換器は、用語MPPT(「maximum power point tracking」)によって定義される最大電力点追従機構を統合すべきである。この最大電力Pmppは、動作点MPPに対応し、動作点MPPは、照明レベルにも依存する、極めて固有の電圧Vmpp及び電流Imppを特徴とする。
【0003】
様々な技法が公知であり、特に、いわゆる「山登り(perturb and observe)」法について述べることができ、この山登り法は、国際公開第2013/105008号に記載されるように、動作電圧を周期的に変化させ、得られた電力の変動を観察することにある。この変動の出現に応じて、電力の変動は、保持されるか、又は反対に、逆にされる。概して、この方法は極めて効果的であるが、依然としていくつかの欠点を有し得る。特に、欠点は、ぐらつきの危険性、及び電子機器が比較的複雑であることである。このことは、低電力システム及び時計製造用途において、調整システムの電気消費量に著しく影響を与え得る。
【0004】
別の周知の方法は、電子回路3を伴う光電池2モジュール1の
図1を参照すると見られる、いわゆる「開路電圧」(「open voltage」)法である。この方法は、太陽電池2の開路電圧Voc(「開回路」)を周期的に測定し、それに応じて、Vmppに望ましく近い動作電圧に適合させることにある。単純な変形形態は、開路電圧に定数倍、例えば、80%を掛け、その後、それに応じて動作電圧を調節することにある。この方法は、電子回路内への実装が容易であるが、全ての照明条件下で理想的ではない。というのは、Vmpp/Voc比は、照明に応じて完全に一定ではないためである。より複雑な変形形態は、開路電圧に応じて係数を適合させることにある。電圧の関数Vmpp=f(Voc)は、電子的調整によって、例えばルックアップ・テーブルを使用して、この関数を後に概算可能であるように事前に決定すべきである。
【0005】
「開路電圧」法の欠点は、開路電圧Vocを測定する短時間の間、エネルギーの収集が中断されることである。実際には、この測定の継続時間は、Vocに対する端子において、不可避の電気キャパシタを充電するのに太陽電池が必要とする時間に依存する。電気キャパシタは、固有のものであれ外部のものであれ、太陽電池がその端子に有するものである。更に、Voc測定周期は、照明の変動に適合するものとされる。時計製造産業での用途に関し、森林内を移動するソーラー時計着用者の例を考慮することが可能である。足を踏み出すたび、腕を動かすたびに受ける光は、著しく変動し、動作電圧は、理想的には、瞬時又は頻繁に、例えば、毎秒、適合されるはずである。実際には、電圧Vocを測定するため、そのような高頻度でエネルギーの収集を中断することは、無駄である。
【0006】
図1は、上記で部分的に説明した開路電圧測定方法を使用する、従来技術の電子回路3を伴う太陽電池2モジュール1を示す。従来技術の太陽電池2モジュール1は、電子回路3を備え、電子回路3は、電子回路3の外側に接続される構成要素を有する。太陽電池又は光電池2は、時計の文字盤若しくはベゼル若しくはガラス、又は時計の別の部分の形態とし得る。
【0007】
モジュール1の一方の側で、太陽電池2は、光を捕捉し、この光を、第1のキャパシタC1上に加えられる電圧等の電気エネルギーに変換することが意図される。キャパシタC1上に加えられた電圧VPVは、電子回路3内のスイッチング・コントローラ5に供給される。インダクタL1も、第1のキャパシタC1及びスイッチング・コントローラ5の入力Vinに関連して設けられ、これは、「逓昇」型DC-DC変換器回路として周知である。
【0008】
スイッチングの時間調整は、スイッチング・コントローラ5内で動作され、所定の時間で、第1のキャパシタC1と第2のキャパシタC2との間に配置されたスイッチ6を閉鎖し、開路電圧Vocを測定する。この開路電圧Vocは、アダプタ4に供給され、これにより、スイッチング・コントローラ5に伝達された電圧を、例えば、アダプタ4から得られた平均最大値の80%に対応する値に適合させ、それに応じて動作電圧を望ましくVmpp付近に適合させる。したがって、所望の動作電圧は、出力Vsupで供給され、出力キャパシタCs上に加えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明は、電子回路を伴う光電池モジュールの一部であることが意図される光電池セットを提案し、光電池の電圧又はこの光電池の電流を頻繁に、更には永続的に測定することを可能にする。このことは、電子回路及びモジュール全体の動作点の急速な適合を可能にし、上述した従来技術の欠点を克服する。本発明は、高い頻度でさえ、電圧の測定を容易にし、上述の従来技術の欠点の克服を可能にする。
【0011】
この利点は、照明条件が急激、頻繁に変化する際、より一層大きい。この照明条件の急激で頻繁な変化には、一般的に時計が活動中のユーザによって着用される場合が当てはまる。光電池セットにおける、電圧、例えば開路電圧を測定する一部分又は領域と、光エネルギーを捕捉する一部分又は領域との組合せは、電子回路を伴う光電池モジュールの電子回路の動作頻度とは無関係に、電圧の測定を常時実施可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的で、本発明は、独立請求項1において規定される光電池セットに関する。
【0013】
光電池セットの特定の実施形態は、従属請求項2から20において規定される。
【0014】
この目的で、本発明は、独立請求項21に記載の、電圧又は電流を測定する領域を有する、電子回路を伴う光電池モジュールにも関する。
【0015】
モジュールの特定の実施形態は、従属請求項22及び23内で規定される。
【0016】
電子回路を伴う前記光電池モジュールのための光電池セットの利点は、第1の変形形態によれば、光電池セットが、光エネルギーを捕捉し、光エネルギーを電気エネルギーに変換することが意図される第1の又は複数の第1の大型サイズの光電池又は太陽電池(複数可)と、モジュールの電子回路内の電圧又は電流を測定することが意図される、独立した小型サイズの第2の光電池又は太陽電池とを備えることにある。利点は、例えば連続的に、開路電圧又は短絡電流を測定することとし得る。
【0017】
第1の光電池(複数可)は、薄膜電池(複数可)から構成し得る。
【0018】
有利には、電圧又は電流の測定が意図される、光エネルギーを捕捉する部分又は領域は、例えば、全ての光電池の合計表面積の1%に相当する表面積を占め得る。逆に、例えば、モジュールの電子回路内でこの電圧、例えば開路電圧又はこの短絡電流を連続的に測定する動作によって、実際、少なくとも10%より多くの電気エネルギーを捕捉可能にし、従来技術と比較して著しい利点である。
【0019】
セットの第1の光電池は、光エネルギーを捕捉する大型サイズの光電池である。セットの第2の光電池は、小型サイズの光電池であり、主に、モジュールの電子回路内の電圧又は電流、例えば開路電圧Voc又は短絡電流を測定するように働くことが意図される。当然、2種類の光電池は、照明に応じた酷似した開路電圧Vocを有することが仮定される。本発明の時計製造での用途において、第1の太陽電池(複数可)は、時計の文字盤に統合するか、又は時計文字盤の形状と直接一致させるか、又は時計のガラスに接合し得る。2つの種類の異なる電池を有することは、外観的な欠点を有する可能性がある。というのは、前記電池の縁部が見えるためである。更に、絶縁領域による2つの電池の物理的分離は、エネルギーの収集に利用可能な有効面を低減させる性質がある。しかし、電子回路を伴う光電池モジュールが意図される光電池セットが、時計文字盤又はガラスに接合される際、見える可能性のある光電池セットの部分は、第1の電池及び/又は第2の電池と同じ色で作製し、時計ガラスを通じて光電池セットの部分の見分けが付かないようにし得る。別の小さな欠点は、2つの部分の間に絶縁領域を設けることによって、電気エネルギーに変換する光エネルギーの捕捉が意図される第1の電池の表面を最小に低減されることである。
【0020】
電子回路を伴う光電池モジュールの一部であることが意図される光電池セットの別の利点は、第2の変形形態によれば、前記モジュールの光電池セットが、特に、IBC型(「interdigitated back contact」の頭文字)シリコン電池の特性を備えることである。この概念は、基本的に、単結晶基板及び表面アモルファス層のための単一区分電池を実装し、拡散及び金属化により裏面構造のみ絶縁することにある。言い換えれば、この概念は、電池裏面における2つの電気的に独立するpピン及びnピン又はくしにより、IBC電池の小領域を、電圧、例えば開路電圧Vocの測定に割り当てることにある。この測定領域は、エネルギー収集専用の主領域より著しく小さいことが仮定される。
【0021】
電圧又は電流を測定する少なくとも1つの領域を有する、電子回路を伴う光電池モジュールの一部であることが意図される光電池セットの目的、利点及び特徴は、図面を参照する以下の非限定的な説明においてより良好に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】従来技術の光電池モジュールの図であり、従来技術の光電池モジュールは、データを処理する電子回路を備え、開路電圧の測定に適合される。
【
図2】データを処理する電子回路を備える、本発明による光電池モジュールの図である。
【
図3】光電池セットの様々な層の一実施形態の図であり、光電池セットは、本発明による第1の変形形態の電子回路を有する光電池モジュールの一部であることが意図される。
【
図4A】本発明の第1の変形形態による、電子回路を伴う光電池モジュールの光電池セットのウエハの形態の支持体の上面図である。
【
図4B】本発明による、モジュールの電子回路内の電圧、例えば開路電圧を測定し、光信号によって電気エネルギーを捕捉する、異なる接点を見るためのウエハの形態の光電池セットの断面図である。
【
図5A】本発明の第2の変形形態による、電子回路を伴う光電池モジュールの光電池セットのウエハの形態の支持体の上面図である。
【
図5B】本発明による、例えば、シリコン結晶層にわたる交互の各くしの少なくとも2つの歯を見るためのウエハの形態の光電池セットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の説明において、電子回路を伴う光電池モジュールの一部であることが意図される光電池セットの構成要素の全てを説明する。技術分野で周知である全ての測定基本構成要素は、手短に説明する。電子回路を伴う光電池モジュールのための光電池セットの構造、及びその設計を主に説明する。
【0024】
第1の変形形態において、特に
図2で以下に説明されるように、光電池2及び12セット10は、主に手首に着用される時計のガラスを形成し得るガラス板上等の支持体上に置き得る。2つの光電池2及び12は、光エネルギーを電気エネルギーに変換するため、光エネルギーの捕捉が可能であるが、より小型の第2の電池12は、電圧、例えば開路電圧の測定のため、及び可能性としては電流、例えば短絡電流の測定のためにも使用される。レーザー機械加工は、ガラスを通じて実施し得る。というのは、ガラスは絶縁体であり、透明でもあるためである。開路電圧を測定する電池の場合、測定される出力電力は、ゼロに等しく、これにより、開路電圧を特に指定する。
【0025】
図2は、電子回路3を伴う光電池2、12モジュール1を示す。いくつかの電子構成要素は、依然として、電子回路3の基部及び本発明の光電池(複数可)2、12を接続する。前記モジュール1は、電子回路3に接続される1つ又は複数の光電池又は太陽電池(複数可)2、12と、光電池(複数可)及び電子回路3の基部を接続する異なる電子構成要素を更に備える。例えば、時計文字盤を形成するように一緒に接続されるか又は時計ガラス等の支持体上に配置される第1の電池又はいくつかの第1の光電池2と、開路電圧を測定する少なくとも1つの第2の光電池12とを有することを考慮でき、少なくとも1つの第2の光電池12は、要するに、小型光電池又は太陽電池である。この第2の太陽電池は、開路電圧Vocの測定を独立して実施可能であるように構成されるが、モジュール1内の短絡電流を測定するようにも構成し得る。この小型光電池は、開路電圧の測定の開始時点で、接続を解除せずに、常時、特に連続的に接続し得る。したがって、この小型光電池12のおかげで、電子回路3、又は電子回路3を備えるモジュール1全体の動作点に適合させる1つの情報を供給することが可能である。
【0026】
図2に示すように、モジュール1は、光エネルギーを捕捉し、光エネルギーを電気エネルギーに変換する少なくとも1つの第1の光電池又は太陽電池2を備え、第1の光電池又は太陽電池2は、入力キャパシタC1上の正の側に挿入され、入力キャパシタC1は、負の側上で接地Vssにも接続される。モジュール1は、入力キャパシタC1の正の側を、電子回路3内のスイッチング・コントローラ5の入力電圧端子Vinに接続するインダクタL1を更に備え、これは、「逓昇」型DC-DC変換器回路として周知である。このスイッチング・コントローラ5の時間は、LX1接続インダクタL1により部分的に構成されるデータベース又は局部発振器によって調整し得る。しかし、時間基準又は時間調整発振器も、スイッチング・コントローラ5又は電子回路3に完全に統合し、特にスイッチング・コントローラ5の全ての動作の時間を調整し得る。
【0027】
電子回路3は、アダプタ4も備え、アダプタ4は、スイッチング・コントローラ5に接続され、第2の光電池又は太陽電池12に直接接続される。スイッチング・コントローラ5とアダプタ4との間に、構成パラメータの通信があってよく、この構成パラメータは、決定された電圧レベル、即ち、モジュールの適切な動作のために与えられる標的値Vmpp_cibleに関連する。アダプタ4は、常時、特に連続的に、第2の光電池若しくは太陽電池12の電圧又は電流、例えば開路電圧Voc又は短絡電流の測定信号を受信する。測定の開始時、電圧点Vmppに到達するまで、第2の光電池12のダイオードを通じた電流の増大があり、電圧点Vmppは、電子回路3の理想的な動作電圧に対応する。しかし、電圧-電流曲線は、電流がゼロになる電圧軸上で開路電圧値Vocに到達するまでに、電流が落下して終了する。標的最適値Vmppに近い電子回路の動作電圧は、電圧の関数Vmpp=f(Voc)によって決定し得る。
【0028】
したがって、第2の光電池12は、常時、特に連続的に、電圧又は電流、例えば開路電圧Vocを測定するように提供し得る。というのは、この第2の光電池又は太陽電池12は、第1の光電池又は太陽電池(複数可)2から独立し、光エネルギーを電気エネルギーに変換することによる光エネルギーの測定を担っているためである。
【0029】
この電圧、例えば開路電圧Vocの測定値は、アダプタ4に供給され、これにより、スイッチング・コントローラ5に伝達される電圧を、例えば、アダプタ4から発せられる平均最大値の80%に対応する値に適合させ、それに応じて動作電圧を望ましくVmpp付近に適合させる。Vmppは、事前に規定した標的値(Vmpp_cible)とし得るる。したがって、所望の動作電圧は、スイッチング・コントローラ5の出力Vsupで供給され、負の側が接地Vssに接続される出力キャパシタCs上の正の側上に加えられる。
【0030】
電子回路3を伴う光電池モジュール1の接続は、前記モジュール1の動作を説明するために
図1及び
図2で説明した接地Vssに対してではなく、正電圧端子に対して逆に設け得ることに留意されたい。
【0031】
第1の変形形態の電子回路3を伴う光電池2、12モジュール1を作製するには、
図3をまず参照されたい。この
図3は、光電池セット10の様々な層を示し、光電池セット10は、光電池を接続する前の、モジュール1の層のセットの第1の変形形態の電子回路を伴う光電池モジュール1の一部であることが意図される。セット10は、第1の導電層を備え、第1の導電層は、セットの支持体の面の下に基板22を締結することが意図される第1の透明導電層21とし得る。
【0032】
第1の導電層21は、基板22の第1の面の上に配置でき、基板22は、アモルファス型材料から作製される、例えば、アモルファスシリコン(a-Si)等の半導体材料から作製される。第1の導電層21は、透明導電酸化物TCO層とし得るが、他の導電層の使用を考慮することが可能である。第2の金属層23は、基板22又は支持体の第1の面の反対側の第2の面上に配置し得る。
【0033】
したがって、第1の光電池2の基板22の材料は、アモルファスシリコンとし得る。
【0034】
第2の導電層23は、基板22内又は第1の光電池2内に作製されるセット10の外周開口によって第1の導電層21に接続される。
【0035】
当然、上述のセットの層の上又は下に、いくつかの他の層を置き得る。
【0036】
光電池セット10は、ガラス、例えば時計ガラス等の透明支持体20の下面上、又は別の支持体の種類上に、光電池セット10の第1の導電層21によって締結されることが意図される。セット10の合計厚さは、500μmより小さく、更に好ましくは100μmより小さくし得る。
【0037】
この第1の変形形態では、透明支持体20又は別の種類の支持体は、電子構成要素及びモジュール1の光電池の全ての接続ステップの後の、セット10の一部とし得ることに留意されたい。
【0038】
電子回路を伴う光電池モジュールの一部になる光電池セット10の第1の変形形態は、
図4A及び
図4Bに示される。
図4Aは、光電池セット10の上面図を示す一方で、
図4Bは、光電池セット10の接続接点のレベルにおける垂直図を示す。
【0039】
第1の変形形態によれば、光電池セット10は、互いに独立して配置される2つの電池を備える。大型サイズの第1の光電池2は、光エネルギーを収集し、光エネルギーを電気エネルギーに変換するように構成される一方で、小型サイズの第2の光電池12は、開路電圧Voc、及び可能性としては短絡電流の測定を実施するように構成される。
【0040】
第1の光電池2は、別の形状の種類の基板の支持体上に配置される薄膜電池とし得る。
【0041】
とはいえ、
図4A及び
図4Bにおいて、基板22は、むしろ、ウエハ又はウエハ部分の形態で示され、ウエハ又はウエハ部分の上、及びウエハ上の場所に、光電池の電気接点が作製されることに留意されたい。前記光電池又は太陽電池は、主に、シリコン・ウエハから構成される1つ若しくは複数の基板ウエハ(複数可)内に作製されるか、又は絶縁層と共にガラス、プラスチック若しくは金属から作製される材料の1つ若しくは複数の支持体(複数可)上に作製されるか、又は結晶層上に作製される。
【0042】
図4Aは、電子回路を伴う光電池モジュールの一部であることが意図される光電池セット10の第1の変形形態の上面図を示す。反対に、
図4Bは、セット10の一部である、支持体20上に締結される光センサ・セット10の電気接点の位置のレベルにおける断面図を示す。第1の層が、好ましくはガラスから構成される支持体20の下面上に締結されるセット10は、特にレーザーによる機械加工作業を実施することが可能である。ガラス及びセットのいくつかの部分が、第1の透明導電性酸化物層のように透明であると仮定して、モジュールを通じてガラスの上面から機械加工又はエッチングを実施するために設け得る。このセット10は、例えば、ガラスから作製される支持体上の薄膜電池の一変形形態から構成される。
【0043】
周知のレーザー機械加工の場合、アモルファス型シリコン基板22を通じて前記エッチングを実施し、第1の透明導電酸化物層21へのアクセスをもたらし、共通の正又は負の電位、この場合、好ましくは正電位にこの層を分極することが可能である。分極を行うため、基板22の反対面上の第2の金属層23(P2によって画定される)は、例えば金属リングP2によって、第1の透明導電酸化物層21を接続し得る。境界又は外周部においてこの第2の金属層23上に配置される正接点Cp1は、両方の光電池で同じ電位、例えば正電位において、第1の透明導電酸化物層21の全体を分極可能にする。
【0044】
例えば、レーザー機械加工により、大型光電池のための絶縁層P3及び小型光電池のための別の絶縁層P13を作製することも可能である。各絶縁層P3及びP13は、少なくとも、透明導電酸化物層21と接触するまで第2の金属層23から延在する。したがって、境界P2から絶縁される第2の金属層23を介して基板上の大型の第1の光電池上に負接点Cn1を適用することが可能である。また、このことは、他の絶縁層P13によって小型光電池を絶縁し、第2の金属層23を介して基板上の小型の第2の光電池上の別の負接点Cn2によって接続することも可能にする。
【0045】
当然、上記で述べたケースに関し、共通電源パッドは、電源の正端子に対応し、電源は、主に、第1の光電池又は太陽電池によって光エネルギーを電気エネルギーに変換することから生じる。しかし、特に
図2で述べたケースでは、共通パッドは、むしろ、負の側の端子として規定される接地端子である。しかし、異なる接点パッドの接続構成は、変化しない。
【0046】
大型第1の光電池又は太陽電池の絶縁P3が設けられ、絶縁P3は、このケースでは円形形状であるが、
図4Aに示されるこの形状に限定されない。更に、この絶縁P3の周囲に、相互接続線又はストリップP2が設けられ、第1の光電池又は太陽電池及び第2の光電池又は太陽電池の正の側上で正接続の共通相補接点Cp1を接続する。
【0047】
正接点Cp1は、外周部で第2の導電層23上に配置され、両方の光電池で第1の導電層21を同じ正電位に分極可能にすることが意図され、負接点Cn1は、境界P2から絶縁される第2の導電層23を介して基板上の大型光電池2上に配置され、別の負接点Cn2は、第2の導電層23を介して基板上の小型光電池12上に配置される。
【0048】
第2の又は小型の光電池12は、概して、第1の又は大型光電池2内に配置されるが、とはいえ、小型光電池12を境界P2までの絶縁P3の外側に配置することも考慮することが可能である。
【0049】
電子回路を伴う光電池モジュール内に組み付けられる光電池セット10において、各光電池上に配置される異なる接点の極性を逆にすることを考慮可能であることにも留意されたい。この点に関し、セット10をモジュール1内に組み付けた後、相補接点Cp1は、負の側の接点になる一方で、第1の負の接点Cn1及び他の負の接点Cn2は、正の側の接点になり得る。
【0050】
図5A及び
図5Bは、光電池セット10の第2の変形形態を示し、接点の間の電気接続全体は、基板28の下で、少なくとも1つの導電層25、25’を介して光電池セット10の裏面に作製される。この第2の変形形態では、この第2の変形形態は、IBC型(「interdigitated back contact」の頭文字)シリコン電池の特性を利用することにある。本実施形態では、基礎をなす概念は、単結晶基板(ウエハ)のために本質的に単一区分の電池を実装し、例えば、拡散及び金属化によってウエハの背面構造のみを分割又は絶縁することである。言い換えれば、このことは、基板28の下で、電気的に独立する少なくとも2つのピン又はくしにより、IBC電池の小さな領域を開路電圧Voc又は短絡電流の測定に割り当てることにある。
【0051】
図5Bから気付き得るように、光電池セット10は、上から下に、基板28上に直接配置される少なくとも1つのパッシベーション層27から構成され、少なくとも1つのパッシベーション層27は、結晶シリコンから構成し得る。しかし、反射防止層として働くシリコン窒化物SiN層26、又はシリコン酸化物SiO2層もパッシベーション層27上に追加し得る。更に、少なくとも1つのp型領域及び1つのn型領域、好ましくはいくつかのp型領域及びn型領域を、基板28の反対面上に作製し得る。これらの領域は、交互に、互いから離間して、互いに平行に配置される。これらの領域は、直線であっても、曲線、例えば、円弧又は別の適切な形状の形態であってもよい。これらの領域は、導電層で覆われ、導電層は、次に、第1のくし25及び第2のくし25’を画定するように構成される。第1のくし25の歯は、p型領域上に配置される一方で、第2のくしの歯は、n型領域上に配置される。
【0052】
透明ガラスから作製し得る支持体又は支持要素は、反射防止層26を経時的な摩耗から保護するように、反射防止層26上に組み付けられる又は締結し得ることに留意されたい。更に、くし25、25’を摩耗から保護するためにも、くし25、25’上に保護層を置くことも考慮し得る。
【0053】
n領域及びp領域は、それぞれの種類(例えば、ホウ素B又はリンPをドープしたアモルファスSi)の層の拡散又は蒸着によって作製し得ることに留意されたい。
【0054】
好ましくは、第1の負の接点Cn1は、光電池が中に作製される基板28の外周部P1に近接して配置される。正の相補接点Cp1も、例えば、第1の負の接点Cn1からわずかに後退してウエハの外周部に近接して作製される。歯が、基板28の裏面で同じ表面上に交互に、並列に、互いに隣り合って噛み合うことが意図される少なくとも2つの導電ピン又は好ましくは2つの導電くし25、25’は、接点Cn1及びCp1のそれぞれから開始して形成される。基板28が円形形状である場合、このことは、各くし25、25’の各歯の保持線が、それぞれ、接点Cn1及びCp1のそれぞれから、互いに反対方向で開始する円弧を表すことを意味する。
【0055】
交互嵌合設計は、他の設計に代わり得る。更に、交互嵌合設計は、例えば、二重コイルの作製に必須ではない。
【0056】
第2の又は他方の負の接点Cn2は、いずれか一方との電気接点を伴わずに、少なくとも2つの導電ピンの間、又はくしの導電歯の間に作製される。
図5Aに示すように、第2の接点Cn2は、くし25’の最後の歯の後に配置し得る。更に、くし25’の残りから最後の歯を絶縁するため、最後の2つの歯25、25’は、好ましくは、くしの残りから分割P3される。この分割P3は第1の光電池から第2の光電池を絶縁可能にすることを明らかに気付けるであろう。とはいえ、IBC型第2の光電池又は太陽電池の作製が意図される小型領域は、明確に画定されるべきであることに留意されたい。しかし、この第2の光電池又は太陽電池は、必ず、光エネルギーの捕捉及び光エネルギーの電気エネルギーへの変換に使用される第1の光電池又は太陽電池より小さいことに留意されたい。
【0057】
この第2の実施形態又は変形形態は、開路電圧の測定の実行又は実施がより複雑である。しかし、第2の実施形態又は変形形態は、考慮すべき一変形形態から構成される。
【0058】
本発明は、動作点Vmppに迅速に適合可能であるように、電圧Vocの頻繁な、及び永続的でさえある測定を可能にするという大きな利点をもたらす。この利点は、照明条件が素早く頻繁に変化する場合、典型的には、文字盤が第1の光電池と、開路電圧を測定する第2の光電池とを備える時計が、活動中のユーザによって着用される場合に、より一層重要である。
【0059】
第1の変形形態では、小型電池の生成は、工程の継続時間をほぼ延長せずに、通常の生産ステップ内で極めて容易に行い得ることに留意されたい。更に、第1の変形形態の美観は、あまり問題ではない。というのは、生成される開口は、暗色樹脂で充填され、これにより、視覚的コントラストを低減するためである。
【0060】
第1の変形形態と同様に、電気接続端子は、これらの光電池に接続される電子回路の配置に従って逆にし得る。このために、電源の正端子ではなく、接地に共通の接触パッドを設け得る。このことは、そのような回路又はモジュールの一般電源のための電気エネルギーを生成する第1の光電池又は太陽電池で電圧を適合させる際に正の変動を残す。このことは、開路電圧の適合により開路電圧を変動させると、モジュール及びその回路の適切な動作を決定することも可能にする。
【0061】
当然、いくつかの接触パッドCn1、Cn2、Cp1は、モジュール1の適切な動作のための各部分の均一な分極のため、ウエハ上に設け得る。第1の接触パッドCn1及び相補接触パッドCp1から導電くしを作製する際、これらの歯の接続線からの2つのくしの歯の配置は、ウエハの良好な分散又は分極のためにかなり規則的であるべきである。各くしは、ウエハの外周部又はウエハのほぼ中心位置に置かれる接触パッドから開始することを想像し得るが、依然として、各くしの歯は、ウエハの裏接触面上で交互である。各くしの接触パッドを外周部に、互いに対して実質的に180°で配置することを考慮することも可能である。しかし、
図5Bに示す実施形態は、より想像できると思われ、図示の導電くしの歯の配置によって分極を良好に分散させる。各歯の長さは、
図5Bに示すものより多く延長し得る。
【0062】
開路電圧Vocの測定の促進を目的とする上記の原理は、光電池の別の主要パラメータ、即ち、光電池の短絡電流Isc(short circuit)を測定するためにも実施し得る。この電流を知ることも、動作点の最適化を可能にするが、実際には、開路電圧Vocが好ましい。この開路電圧Vocは、In(I)に等しい。しかし、とりわけ、短絡電流は、照明強度と共にほぼ線形に変動し、照度計機能の容易な実装を可能にする。光を捕捉し、光を電気エネルギーに変換するシステムの全体挙動が既知であれば、照度計に測定を統合することにより、収集したエネルギー量の推定を可能にする。エネルギー量の推定は、エネルギー管理を最適化し、製品のエンド・ユーザに知らせるのに有用な情報である。
【0063】
この最大電力Pmppは、動作点MPPに対応し、動作点MPPは、極めて固有の電圧Vmpp及び電流Imppを特徴とし、照明レベルに依存することも忘れずに留意されたい。前に説明した最大電力点Pmpp追従機能は、小型電池の電圧に関係し、小型電池は、以下で示す2つの異なる様式で照度計機能に似せることも可能である:
-光電池の電圧Vocは、照射の対数に比例する信号である。光電池の電圧Vocに必要であるのは、ルックアップ・テーブルにより照明を推測する値を測定することだけである(voltage->lux)。
-代替的に、小型抵抗器(<<Vmpp/Impp)が小型光電池と並列に置かれる場合、小型光電池は、照射に比例する電圧をもたらす。光電池の電圧Vocに必要であるのは、ルックアップ・テーブルにより照明を推測する値を測定することだけである(voltage->lux)。
【0064】
開路電圧は、光電池セットの照明強度を考慮する測定値とし得ることにも留意されたい。
【0065】
小型抵抗器は、動作に比例する電圧又は短絡電流を測定するため、小型光電池から「分流」分岐し得る。このことにより、電流及び電圧の線形変動をもたらす。
【0066】
当然、当業者は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、光電池セットの他の可能な実施形態を考慮し得る。
【符号の説明】
【0067】
1 光電池モジュール
2 光電池
3 電子回路
10 セット
12 光電池
21 導電層
22 基板
23 導電層
25 導電層
25’ 導電層
28 基板
【外国語明細書】