(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068150
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】車両のアセンブリのためのシールド電気アセンブリコネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/6591 20110101AFI20240510BHJP
H01R 13/533 20060101ALI20240510BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20240510BHJP
【FI】
H01R13/6591
H01R13/533 B
B60L50/60
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023186055
(22)【出願日】2023-10-31
(31)【優先権主張番号】10 2022 129 113.8
(32)【優先日】2022-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100229736
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 剛
(72)【発明者】
【氏名】アイケ リュリッヒ
【テーマコード(参考)】
5E021
5E087
5H125
【Fターム(参考)】
5E021FA03
5E021FA09
5E021FA14
5E021FB07
5E021FB21
5E021FC40
5E021LA09
5E021LA15
5E087EE10
5E087FF02
5E087GG12
5E087LL12
5E087MM05
5E087MM09
5E087MM12
5E087PP03
5E087QQ03
5E087QQ04
5E087RR29
5H125AA01
5H125AC12
5H125FF04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】より効果的、コスト効率を高め、改良された高電流および/または高電圧コネクタを提供する。
【解決手段】本発明は、車両のアセンブリ、特に電気自動車の電気エネルギー貯蔵デバイスのための高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ(1)であって、アセンブリコネクタ(1)は、一方で、アセンブリ壁(5)に装着可能にまたは装着されるように構成され、アセンブリコネクタ(1)は、他方で、アセンブリ壁(5)への装着状態において、アセンブリコネクタ(1)のコネクタシールドがアセンブリ壁(5)に導電接続されるように形成され、アセンブリ壁(5)の導電層に対するコネクタシールドの導電接続は、アセンブリコネクタ(1)の導電性シールドコンタクトアダプタ(20)によって行われる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のアセンブリ(0)、特に電気自動車の電気エネルギー貯蔵デバイス(0)のための高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ(1)であって、
前記アセンブリコネクタ(1)は、一方で、アセンブリ壁(5)に装着可能にまたは装着されるように構成され、前記アセンブリコネクタ(1)は、他方で、前記アセンブリ壁(5)への装着状態において、前記アセンブリコネクタ(1)のコネクタシールド(100)が前記アセンブリ壁(5)に導電接続されるように形成されており、
前記アセンブリ壁(5)の導電層に対する前記コネクタシールド(100)の前記導電接続は、前記アセンブリコネクタ(1)の導電性シールドコンタクトアダプタ(20)によって行われることを特徴とする、高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ(1)。
【請求項2】
前記アセンブリ壁(5)に対する前記アセンブリコネクタ(1)の前記装着状態における、前記アセンブリ壁(5)の前記導電層に対する前記コネクタシールド(100)の前記導電接続は、
一方で、前記コネクタシールド(100)と前記シールドコンタクトアダプタ(20)との直接的な電気的接触として形成され、他方で、前記シールドコンタクトアダプタ(20)と前記アセンブリ壁(5)の前記導電層との直接的な電気的接触または間接的な電気的接触として形成されることを特徴とする、請求項1に記載の高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ(1)。
【請求項3】
前記コネクタシールド(100)と前記シールドコンタクトアダプタ(20)との直接的な電気的接触は、
・電気プラグイン接続部、電気コンタクト接続部、および/または電気ばね接続部として形成され、
・前記コネクタシールド(100)の電気コンタクトラグ(102)または前記シールドコンタクトアダプタ(20)によって形成され、かつ/または、
・前記コネクタシールド(100)のばねコンタクトラグ(102)および前記コネクタシールド(100)の半径方向(Ra)内側または半径方向(Ra)外側によって形成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ(1)。
【請求項4】
前記シールドコンタクトアダプタ(20)と前記アセンブリ壁(5)の前記導電層との前記直接的な電気的接触は、前記シールドコンタクトアダプタ(20)の被覆切開デバイスによって形成される、または、
前記シールドコンタクトアダプタ(20)と前記アセンブリ壁(5)の前記導電層との間接的な電気的接触は、前記シールドコンタクトアダプタ(20)を前記アセンブリ壁(5)に締め付ける締付手段(22)によって形成されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ(1)。
【請求項5】
前記アセンブリ壁(5)に対する前記アセンブリコネクタ(1)の前記装着状態において、前記シールドコンタクトアダプタ(20)を介して前記コネクタシールド(100)を前記アセンブリ壁(5)の前記導電層に導電接続するために、
実質的に外周での電気的周囲接触が、前記コネクタシールド(100)と前記シールドコンタクトアダプタ(20)との間で、前記アセンブリコネクタ(1)の周方向(Um)に形成され、前記周囲接触は、好ましくは多数の個々の電気コンタクトとの間欠的な電気的接触として形成されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ(1)。
【請求項6】
前記アセンブリ壁(5)に対する前記アセンブリコネクタ(1)の前記装着状態において、前記シールドコンタクトアダプタ(20)を介して前記コネクタシールド(100)を前記アセンブリ壁(5)の前記導電層に導電接続するために、
電気軸方向コンタクトが、前記シールドコンタクトアダプタ(20)と前記アセンブリ壁(5)の前記導電層との間で、前記アセンブリコネクタ(1)の軸方向(Ax)に配置され、前記軸方向コンタクトは、好ましくは多数の軸方向押圧領域および/または前記軸方向(Ax)に延びる複数の中空円筒形コンタクトとして形成されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ(1)。
【請求項7】
前記アセンブリ壁(5)に対する前記アセンブリコネクタ(1)の前記装着状態において、
・前記シールドコンタクトアダプタ(20)は、前記アセンブリ壁(5)の内側(51)に取り付けられ、かつ/または、
・前記アセンブリの内側の前記アセンブリコネクタ(1)の部分(30)が、前記シールドコンタクトアダプタ(20)を通って延びる、もしくは、
・前記アセンブリの内側の前記アセンブリコネクタ(1)の部分(30)が、少なくとも軸方向部分で前記シールドコンタクトアダプタ(20)に配置されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ(1)。
【請求項8】
前記シールドコンタクトアダプタ(20)は、
・板状基部(200)を含み、前記板状基部(200)を介して、前記シールドコンタクトアダプタ(20)は、前記アセンブリ壁(5)に締め付け可能であるかまたは締め付けられ、
・周方向(Um)に実質的に閉じたリング状またはエプロン状シールドコンタクトアダプタ(20)として形成され、かつ/または、
・接続貫通開口(250)を含み、前記接続貫通開口(250)に、前記アセンブリの内側の前記アセンブリコネクタ(1)の前記部分(30)が配置可能であるかまたは配置されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ(1)。
【請求項9】
・前記シールドコンタクトアダプタ(20)はセンタリングリング(210)を含み、前記センタリングリング(210)は、前記シールドコンタクトアダプタ(20)を前記アセンブリ壁(5)のコネクタ貫通開口(50)に配置するために、軸方向(Ax)に突出し、
・前記シールドコンタクトアダプタ(20)は周壁(220)を含み、前記周壁(220)は、前記軸方向(Ax)に突出し、液体が前記シールドコンタクトアダプタ(20)の内部に入り込むことを防ぐために、完全に一周して、周方向(Um)に閉じており、かつ/または、
・前記センタリングリング(210)および前記周壁(220)は、前記軸方向(Ax)において同一平面で、前記シールドコンタクトアダプタ(20)に配置されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ(1)。
【請求項10】
前記アセンブリ壁(5)に対する前記アセンブリコネクタ(1)の前記装着状態において、
・前記シールドコンタクトアダプタ(20)は、締付手段(22)によって前記アセンブリ壁(5)に締め付けられ、
・前記締付手段(22)は、前記アセンブリ壁(5)を貫通し、前記アセンブリコネクタ(1)のハウジング(120)に固定して配置され、かつ/または、
・前記シールドコンタクトアダプタ(20)は、前記コネクタ貫通開口(50)の周りに、前記アセンブリ壁(5)に対して液密に配置されていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ(1)。
【請求項11】
前記シールドコンタクトアダプタ(20)は、
・立体構造部品として形成され、
・再び取付けおよび取外し可能なシールドコンタクトアダプタ(20)として形成され、かつ/または、
・ダイカスト部品、特にダイカストアルミニウム部品として形成されていることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ(1)。
【請求項12】
・前記アセンブリコネクタ(1)は、アセンブリコネクタデバイス(1)として形成され、
・前記アセンブリ壁(5)の前記導電層は、前記アセンブリ壁(5)の被覆を含み、かつ/または、
・前記アセンブリ壁(5)は、アセンブリ基壁(5)として形成されていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ(1)。
【請求項13】
車両のパワー電気アセンブリ(0)、特に電気自動車の電気エネルギー貯蔵デバイス(0)であって、
前記アセンブリ(0)は、前記アセンブリ(0)のアセンブリ壁(5)にアセンブリコネクタ(1)を備える、パワー電気アセンブリ(0)において、
前記アセンブリコネクタ(1)は、請求項1から12のいずれか一項に従って形成されていることを特徴とする、パワー電気アセンブリ(0)。
【請求項14】
パワー電気アセンブリ(0)を有する車両、特に電気自動車であって、前記アセンブリ(0)は請求項13に従って形成されていることを特徴とする、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のアセンブリ、特に電気自動車の電気エネルギー貯蔵デバイスのための高電流および/または高電圧アセンブリコネクタに関する。さらに、本発明は、車両のパワー電気アセンブリ、特に電気自動車の電気エネルギー貯蔵デバイス、および車両、特に電気自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
地上ベースの電力工学およびそれに類するものよりも先進の電気分野(電気学、電気工学、電力工学など)において、高電流および/または高電圧範囲の電流および電圧を伝送する目的を果たす多数の電気コネクタが知られている。この場合、例えば、温暖な、場合によっては高温の、汚染された、湿潤の、および/または化学的反応性の高い環境において、短時間にかつ/または恒久的に、電気エネルギーを供給および/または分配するためのコネクタは、問題のない電気エネルギーの伝送を保証する。広範囲の用途に起因して、多数のこのようなラインコネクタが、非自動車分野および自動車分野で知られている。
【0003】
このような高電流および/または高電圧コネクタを、例えばパワー電気アセンブリ、例えば(トラクション)バッテリまたはバッテリモジュール、インバータ、スイッチギアアセンブリなどに装着することができる。高い燃料コストおよび環境への影響を減らす取組みは、例えば自動車分野において、ハイブリッド車または電気自動車を必要とする。これらの車両の一態様は、高い充電および/または動作用の電流および/または電圧の取扱いであり、車両のアセンブリの該当する構成部品を、それに対応して設計しなければならない。これは例えば、高電流ラインまたは高電圧ライン(例えば、銅またはアルミニウムからなる撚線、導体バー、バスバーなど)およびコネクタのコンタクトデバイス(例えば、銅またはアルミニウムからなる端子取付具、フラットコンタクト、バスバーなど)に関連する。
【0004】
パワー電気アセンブリの高電流および/または高電圧コネクタに内部で電気的に接触するために、厳しい要件も満たすパワー電気機械ねじコンタクト接続部を使用することができる。このような高電流および/または高電圧ねじコンタクト接続部によって、機械的経路を電気的経路から機能的に分離することができる。機械的経路は、ねじ取付具、特に鋼-鋼ねじ取付具の機械的引張応力を伝達するように機能し、電気的経路は、ねじコンタクト接続部の低抵抗電気コンタクト接続部、特に銅-銅接続部として使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
結果として、堅牢であり、一般的な製造環境において容易に取扱い可能な高電流および/または高電圧ねじコンタクト接続部が提供される。加えて、このようなねじコンタクト接続部は、容易に分離可能(診断、再利用)であり、同時に接触しても安全である。このようなねじコンタクト接続部を、バッテリモジュールに接触するため、かつ電力アーキテクチャの様々な終端パネルにおける他の接続点のために、多様にかつフレキシブルに使用することができる。高電流および/または高電圧コネクタを改良するため、特にそれらをより効果的に設計し、その過程でコスト効率を高めるための取組みが、継続的になされている。したがって、本発明の目的は、車両、特に電気自動車のアセンブリのための改良された高電流および/または高電圧コネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、車両のアセンブリ、特に電気自動車の電気エネルギー貯蔵デバイスのための高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ(以下、単にアセンブリコネクタ)によって、車両のパワー電気アセンブリ、特に電気自動車の電気エネルギー貯蔵デバイスによって、かつ車両、特に電気自動車によって実現される。本発明の有利な発展、追加の特徴、および/または利点を、従属請求項および以下の説明から集めることができる。
【0007】
例えばヘッダとして形成されるアセンブリコネクタは、一方で、アセンブリ壁に装着可能にまたは装着されるように構成される。アセンブリコネクタは、他方で、アセンブリ壁への装着状態において、アセンブリコネクタのコネクタシールドがアセンブリ壁に導電接続されるように形成され、アセンブリ壁の導電層に対するコネクタシールドの導電接続は、アセンブリコネクタの導電性シールドコンタクトアダプタによって行われる。
【0008】
すなわち、アセンブリ壁に対するシールドの導電接続は、直接行われるのではなく、シールドコンタクトアダプタを介して間接的に行われる。当然、「アダプタ」という用語から、これは、構成部品の意図的な所定の物理的構成であり、例えば、被覆またはそれに類するものの形状のような実際の状況に起因してとる形状ではないことが明らかであろう。
【0009】
アセンブリ壁に対するアセンブリコネクタの装着状態における、アセンブリ壁の導電層に対するコネクタシールドの導電接続は、一方で、コネクタシールドとシールドコンタクトアダプタとの直接的な電気的接触として形成されてよく、かつ/または、他方で、シールドコンタクトアダプタとアセンブリ壁の導電層との直接的もしくは間接的な電気的接触として形成されてよい。
【0010】
コネクタシールドとシールドコンタクトアダプタとの直接的な電気的接触を、電気プラグイン接続部、電気コンタクト接続部、および/または電気ばね接続部として形成することができる。ここでは、電気コンタクトの少なくとも1つの接触相手を、電気ばねコンタクトとして形成することができる。さらに、直接的な電気的接触を、コネクタシールドの電気コンタクトラグまたはシールドコンタクトアダプタによって形成することができる。さらに、直接的な電気的接触を、コネクタシールドのばねコンタクトラグおよびコネクタシールドの半径方向内側または外側によって形成することができる。
【0011】
シールドコンタクトアダプタとアセンブリ壁の導電層との直接的な電気的接触を、シールドコンタクトアダプタの被覆切開デバイスによって形成することができる。例えば、このような被覆切開デバイスは、例えばブレード、刃、波形、肩部などの切断デバイス、引裂デバイス、または破断デバイスであってよく、それにより、アセンブリ壁の被覆をその導電層まで切り開くことができる。代わりにまたは加えて、シールドコンタクトアダプタとアセンブリ壁の導電層との直接的な電気的接触を、電気プラグイン接続部、電気表面接続部、および/または電気圧入接続部として形成することができる。
【0012】
シールドコンタクトアダプタとアセンブリ壁の導電層との間接的な電気的接触を、シールドコンタクトアダプタをアセンブリ壁に対して締め付ける締付手段によって形成することができる。
【0013】
アセンブリ壁に対するアセンブリコネクタの装着状態において、シールドコンタクトアダプタを介してコネクタシールドをアセンブリ壁の導電層に導電接続するために、実質的に外周での電気的周囲接触を、コネクタシールドとシールドコンタクトアダプタとの間で、アセンブリコネクタの周方向に形成することができ、周囲接触は、多数の個々の電気コンタクトとの間欠的な電気的接触として形成されることが好ましい。
【0014】
アセンブリ壁に対するアセンブリコネクタの装着状態において、シールドコンタクトアダプタを介してコネクタシールドをアセンブリ壁の導電層に導電接続するために、電気軸方向コンタクトを、シールドコンタクトアダプタとアセンブリ壁の導電層との間で、アセンブリコネクタの軸方向に配置することができ、軸方向コンタクトは、多数の軸方向押圧領域(点、部分)として、かつ/または、軸方向に延びる複数の中空円筒形コンタクト(平坦、波形、または鋸刃状の境界面)として形成されることが好ましい。ここでは(上記も参照)、複数は多数よりも少ないことが好ましい。
【0015】
アセンブリ壁に対するアセンブリコネクタの装着状態において、シールドコンタクトアダプタを、アセンブリ壁の内側に取り付けることができる。すなわち、シールドコンタクトアダプタは、アセンブリの内部に装着されるまたは装着可能である。さらに、装着状態において、アセンブリの内側のアセンブリコネクタの部分が、シールドコンタクトアダプタを通って延びることができる、または、アセンブリの内側のアセンブリコネクタの部分を、少なくとも軸方向部分でシールドコンタクトアダプタに配置することができる。さらに、装着状態において、アセンブリの外側のアセンブリコネクタの部分を、アセンブリ壁の外側に取り付けることができる。
【0016】
シールドコンタクトアダプタがリング状のシールドコンタクトアダプタ(下記参照)として形成される場合には、アセンブリの内側の部分は、接続貫通開口を通って延びることができる。シールドコンタクトアダプタがエプロン状(apron-like)のシールドコンタクトアダプタ(同様に下記参照)として形成される場合には、アセンブリの内側の部分は、接続貫通開口を通って延びていてよく、または少なくとも軸方向部分において接続貫通開口に配置されてよい。
【0017】
シールドコンタクトアダプタは、板状基部を含むことができ、板状基部を介して、シールドコンタクトアダプタは、アセンブリ壁に締め付け可能であるかまたは締め付けられる。さらに、シールドコンタクトアダプタを、周方向に実質的に閉じたリング状またはエプロン状シールドコンタクトアダプタとして形成することができる。さらに、シールドコンタクトアダプタは、接続貫通開口を含むことができ、接続貫通開口に、アセンブリの内側のアセンブリコネクタの部分が配置可能であるかまたは配置される。
【0018】
シールドコンタクトアダプタはセンタリングリングを含むことができ、センタリングリングは、シールドコンタクトアダプタをアセンブリ壁のコネクタ貫通開口に配置するために、軸方向に突出する。さらに、シールドコンタクトアダプタは周壁を含むことができ、周壁は、軸方向に突出し、液体がシールドコンタクトアダプタの内部に入り込むことを防ぐために、完全に一周し、閉じている。センタリングリングおよび周壁を、軸方向において同一平面でシールドコンタクトアダプタに配置することができる。さらに、周壁は、センタリングリングよりも軸方向において大きい範囲を含むことができる。
【0019】
アセンブリ壁に対するアセンブリコネクタの装着状態において、シールドコンタクトアダプタを、締付手段によってアセンブリ壁に締め付けることができる。特に、締付手段を、ねじまたはリベット、特にSPRリベット(セルフピアシングリベット)として形成することができる。この場合、締付手段は、アセンブリ壁を貫通し、アセンブリコネクタのハウジングに固定して配置されてよい。ハウジングを、アセンブリの外側のアセンブリコネクタの部分の外側ハウジングとして形成することができる。
【0020】
アセンブリ壁に対するアセンブリコネクタの装着状態において、シールドコンタクトアダプタを、コネクタ貫通開口の周りに、アセンブリ壁に対して液密に配置することができる。これは、シールドコンタクトアダプタをアセンブリ壁に押圧することによって行うことができる。さらに、代わりにまたは加えて、シール材料、シールなどを使用することができる。
【0021】
シールドコンタクトアダプタを、多極(multipolar)、特に両極(bipolar)アセンブリコネクタのシールドコンタクトアダプタとして形成することができる。さらに、シールドコンタクトアダプタは、アセンブリコネクタのコンタクト手段ごとに、コンタクト手段用の細長い受入領域を含むことができる。さらに、接続貫通開口の断面において、互いに直接隣接するコンタクト手段用の受入領域が、くびれ部を間に含むことができる。
【0022】
シールドコンタクトアダプタは、立体構造部品として形成されることが好ましい。さらに、シールドコンタクトアダプタを、再び取付けおよび取外し可能なシールドコンタクトアダプタとして形成することができる。さらに、シールドコンタクトアダプタを、ダイカスト部品、特にアルミニウムダイカスト部品、深絞り部品として形成することができる、または異なる方法によって形成することができる。
【0023】
アセンブリコネクタは、アセンブリコネクタデバイスとして形成されることが好ましい。さらに、アセンブリ壁の導電層は、アセンブリ壁の被覆を含むことができる。ここでは、被覆を、導電性または非導電性であるように構成することができる。被覆を、車両床の被覆として、特にCDC被覆(CDC:陰極浸漬被覆)として構成することができる。さらに、アセンブリ壁を、アセンブリ基壁として形成することができる。
【0024】
本発明によるパワー電気アセンブリ、特に電気エネルギー貯蔵デバイスは、アセンブリのアセンブリ壁に本発明によるアセンブリコネクタを備える。この種のアセンブリを、例えば、特に車両の、電気モータ、電気トラクションモータ、インバータ、スイッチギアアセンブリなどとしてさらに形成することができる。さらに、エネルギー貯蔵デバイスを、(トラクション)バッテリ、充電式バッテリなどとして形成することができる。さらに、例えば、シートメタルおよび/またはアルミニウムダイカスト部品から形成された壁を使用することができる場合に、本発明を使用することができる。
【0025】
本発明による車両は、本発明によるパワー電気アセンブリを備える。車両は、自動車、特に道路車両を意味するものと理解することが好ましいが、鉄道車両、船、および/または航空機を意味するものと理解することもできる。さらに、電気自動車は、電気トラクションモータを含む車両を意味するものと理解され、電気トラクションモータに加えて、例えば内燃機関などのさらなる非電気駆動装置を含むことができる。言い換えると、電気トラクションモータを含む車両は、例えば、ハイブリッド電気自動車、電気自動車(電動駆動のみ)、燃料電池車などを意味するものと理解することができる。
【0026】
以下で、縮尺通りでない添付の概略図面を参照しながら、例示的な実施形態に基づいて、本発明をより詳細に説明する。同一、一意的、もしくは類似の構成および/または機能を有する部分、要素、構成部品、ユニット、構成要素、および/またはパターンは、図面の説明(下記参照)、符号の説明、特許請求の範囲、および図面の各図において同じ参照符号で識別される。本発明の例示的な実施形態、またはその構成要素、パターン、ユニット、構造部品、要素、もしくは部分に対して、本発明の説明(上記参照)で説明されず、図示されず、かつ/または決定的でない可能な代替案、静的および/または運動学的反転、組合せなどは、符号の説明および/または図面の説明からさらに集めることができる。
【0027】
本発明の場合、特徴(部分、要素、構成部品、ユニット、構成要素、機能、変数など)を顕在的な構成、すなわち存在するとしても、潜在的な構成、すなわち存在しないとしてもよい。本明細書(説明(本発明の説明(上記参照)、図面の説明(下記参照))、符号の説明、特許請求の範囲、図面)において、潜在的な特徴は、それが存在しないことが本発明により重要でない場合には、特徴として明示的に説明されていない。すなわち、実際になされた、従来技術により構成されたものではない本発明は、前記特徴を省略する。
【0028】
本明細書の特徴を、特定された方式および/または方法だけでなく、別の方式および/または方法(分離、組合せ、置換、追加、一意性、省略など)で使用してもよい。特に、参照符号およびそれに割り当てられた特徴、または特徴およびそれに割り当てられた参照符号に基づいて、明細書、符号の説明、特許請求の範囲、および/または図面において、特許請求の範囲および/または明細書における特徴を置換、追加、または省略することができる。さらに、これにより、特許請求の範囲における特徴を、さらに詳細に説明および/または特定することができる。
【0029】
本明細書の特徴を((最初はほとんど知られていない)従来技術を考慮して)、任意選択の特徴として解釈することもできる。すなわち、各特徴を、任意選択の、任意の、または好ましい特徴として、すなわち拘束力のない特徴として考慮することができる。したがって、特徴を、場合によってはその周辺を含めて、例示的な実施形態から切り離すことができ、次いで、前記特徴を一般化された発明概念に転換することができる。例示的な実施形態に特徴がないこと(潜在的な特徴)は、その特徴が本発明に関して任意選択であることを示す。さらに、特徴についての種類の用語の場合、その特徴の一般的な用語(場合によっては、亜属へのさらなる階層的分類など)も暗示的に理解することができ、これにより、例えば同等の効果および/または均等物を考慮して、特徴を一般化することができる。
【0030】
単なる例示である図面は、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】車両のアセンブリのアセンブリ壁に装着された、シールドコンタクトアダプタを含むアセンブリコネクタの斜視内部平面図である。
【
図2】車両のアセンブリのアセンブリ壁に装着された、シールドコンタクトアダプタを含むアセンブリコネクタの斜視断面図である。
【
図3】シールドコンタクトアダプタのない、組み立てられたアセンブリコネクタの斜視図である。
【
図4】アセンブリコネクタのコネクタシールドのみの斜視図である。
【
図5】コネクタシールドとアセンブリ壁の導電層との導電接続部の領域における、装着されたアセンブリコネクタの一実施形態を、全ての側で破断して示す2D断面図である。
【
図6】コネクタシールドとアセンブリ壁の導電層との導電接続部の領域における、装着されたアセンブリコネクタの別の実施形態を、全ての側で破断して示す2D断面図である。
【
図7】アセンブリコネクタのエプロン状シールドコンタクトアダプタのみの斜視図である。
【
図8】アセンブリコネクタのリング状シールドコンタクトアダプタのみの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下で、高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ1の3つの例示的な実施形態(例えば
図5、
図7、および
図8に示す)を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ1は、ヘッダ1として形成され(以下で単にアセンブリコネクタ1と称する)、アセンブリコネクタ1のため、車両のアセンブリ0のため、特に電気自動車の電気エネルギー貯蔵デバイス0のための、シールドコンタクトアダプタ20を含む。
【0033】
本発明を、電気アセンブリに関する電気分野で一般的に使用することができる。ここでは、地上の電力工学およびそれに類するものが1つの例外となる。さらに、好ましい例示的な実施形態を用いて本発明をさらにより詳細に説明および図示するが、本発明は開示される例示的な実施形態によって限定されるものではなく、より根本的な性質のものである。本発明の保護の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態および/または上記(本発明の説明)から他の変形例を導き出すことができる。
【0034】
図面は、本発明の理解に必要な本発明の主題の物理的部分のみを示す。コネクタおよび相手側コネクタ、コンタクト手段および相手側コンタクト手段などの名称は、同義に解釈されるべきであり、すなわち、場合によってはそれぞれ入れ替え可能である。以下で、図面を参照する本発明の説明は、アセンブリコネクタ1およびそのシールドコンタクトアダプタ20の軸方向Ax、半径方向Ra、および周方向Umに言及する。
【0035】
車両の床パネル(以下のアセンブリ壁5参照)は、被覆、多くの場合はCDC被覆によって、石の衝撃から保護されており、床パネルにある電気コネクタ(以下のアセンブリコネクタ1参照)の場合、床パネルの電気シールド接触がかなり困難になる。この問題を解決するために、床下地パネルのマスキングを、被覆に使用することができる。しかしながら、このようなマスキングは高価で、床下地パネルの腐食の問題が生じる。
【0036】
さらに、当然、アセンブリ0によっては、このような保護のないコネクタでは、コネクタが関連付けられる電気接続システム内に水が入ることがある。すなわち、溜水から保護するために追加のシールが必要である。さらに、CDCシートメタルねじは、コネクタの取付け/取外し中に生じる金属の粉塵を発生させ、電気コネクタに大きな問題を生じさせることがある。本発明によれば、これらの問題は、アセンブリコネクタ1のシールドコンタクトアダプタ20を使用して解決される。
【0037】
図1および
図2は、アセンブリ壁5に装着されたアセンブリコネクタ1を示す。ここでは、アセンブリコネクタ1は、アセンブリ0の内部(
図1参照)と外部(
図1および
図2参照)との両方に装着され、アセンブリコネクタ1は、アセンブリ壁5のコネクタ貫通開口50を通って延びる。すなわち、一方で、アセンブリの内側のアセンブリコネクタ1の部分30が、アセンブリ0の内部でアセンブリ壁5の内側51に配置され、他方で、アセンブリの外側のアセンブリコネクタ1の部分10が、アセンブリ0の外部でアセンブリ壁5の外側52に配置されている。
【0038】
アセンブリコネクタ1は、この場合、外側からアセンブリ0内へ内方に、またはその逆につながる。当然、例えば完全にアセンブリの内部にある他の構成も、同様に可能である。アセンブリコネクタ1のみが、アセンブリ壁5に装着可能であるかまたは装着される。アセンブリコネクタ1(
図3、
図5、および
図6も参照)は、実質的にアセンブリの外側の部分10にハウジング120または外側ハウジング120を含み、ハウジングまたは外側ハウジングのコンタクト手段レセプタクル140を、アセンブリコネクタ1のいくつかの電気コンタクト手段40に従って配置することができる。ここでは、個々のアセンブリコネクタ1のコンタクト手段レセプタクル140を、一部品で一緒に、特に一体に形成しても、複数の部品で形成してもよい。
【0039】
アセンブリコネクタ1の取付け状態(特に
図2参照)において、コンタクト手段40は、場合によってはシールされて、該当するコンタクト手段レセプタクル140に配置され、コンタクト手段は、コンタクト手段レセプタクル140によって固定されるか、またはコンタクト手段レセプタクル140に締め付けられる。コンタクト手段レセプタクル140は、場合によってはシールされて、自ずとハウジング120もしくは外側ハウジング120に配置され、ハウジング120もしくは外側ハウジング120によって固定されるか、またはハウジング120もしくは外側ハウジング120に締め付けられる。
【0040】
半径方向Ra外部で実質的に一部品または一体に形成されたコネクタシールド100(
図4も参照)が、コンタクト手段レセプタクル140に設けられ、コネクタシールドは、アセンブリの外側のアセンブリコネクタ1の部分10から、コネクタ貫通開口50を通って、アセンブリの内側のアセンブリコネクタ1の部分30へ延びる、またはその逆に延びる。アセンブリの外側の部分10で、コネクタシールド100に電気導体(ケーブル、バスバーなど)のシールドが電気的に接触することができ、そこで電気導体をアセンブリコネクタ1に接続することができる。このために、コネクタシールド100は、電気コンタクトラグ、特にばねコンタクトラグを含むことができる。
【0041】
この場合、コネクタシールド100は、コンタクト手段40ごとにシールドコンタクトスリーブを含み、シールドコンタクトスリーブは、コンタクト手段40の周りに周方向に完全に延びる。この場合、シールドコンタクトスリーブの形状は、コンタクト手段40の形状に適応する。図示のコネクタシールド100は、互いに略平行に配置された2つのこのようなシールドコンタクトスリーブを含み、シールドコンタクトスリーブは、ウエブを介して互いに一体に接続されることが好ましい。ウエブは、コネクタシールド100をアセンブリコネクタ1に固定するまたは締め付けることができるように(貫通開口)形成されてよい。
【0042】
アセンブリ0の内部で、電気シールドは終端し、またはアセンブリコネクタ1の電気シールドは、場合によっては電気的に絶縁されるように被覆された、アセンブリ壁5との電気接続部を必要とする。ここでは、アセンブリの内側の部分30で、コネクタシールド100にシールドコンタクトアダプタ20が電気的に直接接触し(特に
図7および
図8も参照)、この接触は、自ずとアセンブリ壁5の導電層との直接的または間接的な電気的接触である。
【0043】
コネクタシールド100とシールドコンタクトアダプタ20との直接的な電気的接触は、コネクタシールド100の電気コンタクトラグ102によって行われ、この電気コンタクトラグ102は、特にばねコンタクトラグ102として形成されている。当然、代わりにまたは加えて、コンタクトラグまたはばねコンタクトラグをシールドコンタクトアダプタ20に同様に設けることができる(図示せず)。この場合、コネクタシールド100およびシールドコンタクトアダプタ20は、コネクタシールド100のコンタクトラグ102が、シールドコンタクトアダプタ20の半径方向Ra内側でシールドコンタクトアダプタ20に電気的に接触するように、アセンブリコネクタ1に形成され配置される(
図2、
図5、および
図6参照)。
【0044】
シールドコンタクトアダプタ20とアセンブリ壁5との直接的な電気的接触のために、シールドコンタクトアダプタ20は、被覆切開デバイス(図示せず)を含むことができ、これにより、アセンブリ壁5の被覆を切り開くことができる。その結果、アセンブリ壁5の導電層に、シールドコンタクトアダプタ20が電気的に接触することができる(軸方向押圧領域、上記参照)。
【0045】
代わりにまたは加えて、シールドコンタクトアダプタ20とアセンブリ壁5またはその導電層との間接的な電気的接触を、シールドコンタクトアダプタ20(中空円筒形コンタクト、上記参照)の少なくとも1つの締付手段22(
図5および
図6参照)を介して形成することができる。ここでは、シールドコンタクトアダプタ20は、締付手段22によってアセンブリ壁5に締め付けられる。このような締付手段22を、例えば、リベット、特にSPRリベット、ねじなどとして形成することができる。
【0046】
さらに、代わりにまたは加えて、シールドコンタクトアダプタ20とアセンブリ壁5との間接的な電気的接触を、ハウジング120または外側ハウジング120の取付けブッシュ122を介して形成することができる。すなわち、シールドコンタクトアダプタ20は締付手段22に電気的に接触し、締付手段22は取付けブッシュ122に電気的に接触し、取付けブッシュ122はアセンブリ壁5に電気的に接触する。
【0047】
図示のシールドコンタクトアダプタ20(特に
図7および
図8参照)は、少なくとも1つの板状基部200を含み、これにより、シールドコンタクトアダプタ20を締付手段22によってアセンブリ壁5に締め付けることができる(特に
図5および
図6参照)。さらに、シールドコンタクトアダプタ20は接続貫通開口250を含み、この接続貫通開口250には、アセンブリの内側のアセンブリコネクタ1の部分30を設けることが可能であるかまたは部分30が設けられる。これは、シールドコンタクトアダプタ20の基本的な実施形態を表す(センタリングリング210のない
図8参照)。
【0048】
アセンブリ壁5に対するアセンブリコネクタ1の装着状態において、コネクタシールド100のばねコンタクトラグ102は、シールドコンタクトアダプタ20の内部、すなわち接続貫通開口250の内部で、シールドコンタクトアダプタ20に半径方向Raに接触する。この場合、コネクタシールド100のばねコンタクトラグ102は、半径方向Raに偏向する。ここでは、接触領域は、接続貫通開口250の内部に沿って周方向Umに略完全に延び、その結果、電気的周囲接触が形成される。
【0049】
シールドコンタクトアダプタ20をアセンブリ壁5のコネクタ貫通開口50に/コネクタ貫通開口50上に簡単に取り付けるために、シールドコンタクトアダプタ20は、少なくとも部分的にコネクタ貫通開口50に形状嵌合で嵌合することができる、センタリングリング210または機能的に同一のデバイスを含むことができる。この場合、センタリングリング210または機能的に同一のデバイスは、板状基部200から軸方向Axにいくらか突出し、板状基部200の周りで周方向Umに完全に延びることが好ましい。半径方向Ra内部で、センタリングリング210または機能的に同一のデバイスも接続貫通開口250を構成する。
【0050】
さらに、シールドコンタクトアダプタ20は周壁220を含むことができ、センタリングリング210が存在する場合、周壁220は、センタリングリング210とは反対の板状基部200の側に配置される。このエプロンにより、アセンブリ壁5とシールドコンタクトアダプタ20との液密接続の場合に、アセンブリ壁5にある水または異なる液体が、シールドコンタクトアダプタ20内へ半径方向内部に、かつシールドコンタクトアダプタ20からアセンブリコネクタ1へ入ることができなくなる。この場合、周壁220は、板状基部200から軸方向Axに突出し、板状基部200の周りで周方向Umに完全に延びる。半径方向Ra内部で、周壁220も接続貫通開口250を構成する。
【0051】
センタリングリング210および周壁220の両方が、板状基部200の相互に反対の大面積側に配置される場合、センタリングリング210および周壁220は、軸方向Axにおいて同一平面にあっても同一平面になくてもよい。適切な場合、周壁220は、センタリングリング210よりもいくらか大きいまたはいくらか小さい外周を含むことができる。ここでは、シールドコンタクトアダプタ20は、閉じたエプロン状(
図7参照)または閉じたリング状(
図8参照)の立体構造部品として形成される。
【0052】
シールドコンタクトアダプタ20を、単一のアセンブリコネクタ1用、または複数のアセンブリコネクタ1、例えば2つのアセンブリコネクタ1用に形成することができる。第2の場合、複数のアセンブリコネクタ1用のシールドコンタクトアダプタ20を組み合わせて、組合せシールドコンタクトアダプタ板(図示せず)を形成することができる。すなわち、これらのシールドコンタクトアダプタ20は、単一の板状基部200を共有し、この板状基部200は、対応する数の接続貫通開口250と、場合によっては対応する数のセンタリングリング210および/または周壁220を含む。ここでは、単一のセンタリングリング210のみを設けることができる。
【0053】
シールドコンタクトアダプタ20をアセンブリコネクタ1に組み込むことにより、コネクタシールド100またはそのコンタクトラグ102のための、半径方向Raに電気的に接触可能な面が生じる。ここでは、コネクタシールド100は同じままであってよく、すなわち、前にアセンブリ壁に電気的に接触していたコネクタシールド100が、次にシールドコンタクトアダプタ20に接触する。シールドコンタクトアダプタ20は、特にダイカストアルミニウムからなる構成部品であってよい。加えて、シールドコンタクトアダプタ20を、例えば漏れの場合に、水、特に溜水からの保護部として構成することができる。シールドコンタクトアダプタ20とアセンブリ壁5との機械的接続、および場合によってはさらに電気的接続を、ユーザが既に使用している技術を用いて実現することができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のアセンブリ(0)のための高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ(1)であって、
前記アセンブリコネクタ(1)は、一方で、アセンブリ壁(5)に装着可能にまたは装着されるように構成され、前記アセンブリコネクタ(1)は、他方で、前記アセンブリ壁(5)への装着状態において、前記アセンブリコネクタ(1)のコネクタシールド(100)が前記アセンブリ壁(5)に導電接続されるように形成されており、
前記アセンブリ壁(5)の導電層に対する前記コネクタシールド(100)の前記導電接続は、前記アセンブリコネクタ(1)の導電性を有するシールドコンタクトアダプタ(20)によって行われることを特徴とする、
高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ(1)。
【請求項2】
前記アセンブリ壁(5)に対する前記アセンブリコネクタ(1)の前記装着状態における、前記アセンブリ壁(5)の前記導電層に対する前記コネクタシールド(100)の前記導電接続は、
一方で、前記コネクタシールド(100)と前記シールドコンタクトアダプタ(20)との直接的な電気的接触として形成され、他方で、前記シールドコンタクトアダプタ(20)と前記アセンブリ壁(5)の前記導電層との直接的な電気的接触または間接的な電気的接触として形成されることを特徴とする、
請求項1に記載の高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ(1)。
【請求項3】
前記コネクタシールド(100)と前記シールドコンタクトアダプタ(20)との直接的な電気的接触は、
・電気プラグイン接続部、電気コンタクト接続部、および/または電気ばね接続部として形成され、
・前記コネクタシールド(100)の電気コンタクトラグ(102)または前記シールドコンタクトアダプタ(20)によって形成され、かつ/または、
・前記コネクタシールド(100)のばねコンタクトラグ(102)および前記コネクタシールド(100)の半径方向(Ra)内側または半径方向(Ra)外側によって形成されることを特徴とする、
請求項1に記載の高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ(1)。
【請求項4】
前記シールドコンタクトアダプタ(20)と前記アセンブリ壁(5)の前記導電層との前記直接的な電気的接触は、前記シールドコンタクトアダプタ(20)の被覆切開デバイスによって形成される、または、
前記シールドコンタクトアダプタ(20)と前記アセンブリ壁(5)の前記導電層との間接的な電気的接触は、前記シールドコンタクトアダプタ(20)を前記アセンブリ壁(5)に締め付ける締付手段(22)によって形成されることを特徴とする、
請求項2に記載の高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ(1)。
【請求項5】
前記アセンブリ壁(5)に対する前記アセンブリコネクタ(1)の前記装着状態において、前記シールドコンタクトアダプタ(20)を介して前記コネクタシールド(100)を前記アセンブリ壁(5)の前記導電層に導電接続するために、
実質的に外周での電気的周囲接触が、前記コネクタシールド(100)と前記シールドコンタクトアダプタ(20)との間で、前記アセンブリコネクタ(1)の周方向(Um)に形成され、前記実質的に外周での電気的周囲接触は、多数の個々の電気コンタクトとの間欠的な電気的接触として形成されることを特徴とする、
請求項1に記載の高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ(1)。
【請求項6】
前記アセンブリ壁(5)に対する前記アセンブリコネクタ(1)の前記装着状態において、前記シールドコンタクトアダプタ(20)を介して前記コネクタシールド(100)を前記アセンブリ壁(5)の前記導電層に導電接続するために、
軸方向電気コンタクトが、前記シールドコンタクトアダプタ(20)と前記アセンブリ壁(5)の前記導電層との間で、前記アセンブリコネクタ(1)の軸方向(Ax)に配置され、前記軸方向電気コンタクトは、多数の軸方向押圧領域および/または前記軸方向(Ax)に延びる複数の中空円筒形コンタクトとして形成されることを特徴とする、
請求項1に記載の高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ(1)。
【請求項7】
前記アセンブリ壁(5)に対する前記アセンブリコネクタ(1)の前記装着状態において、
・前記シールドコンタクトアダプタ(20)は、前記アセンブリ壁(5)の内側(51)に取り付けられ、かつ/または、
・前記アセンブリの内側の前記アセンブリコネクタ(1)の部分(30)が、前記シールドコンタクトアダプタ(20)を通って延びる、もしくは、
・前記アセンブリの内側の前記アセンブリコネクタ(1)の部分(30)が、少なくとも軸方向部分で前記シールドコンタクトアダプタ(20)に配置されることを特徴とする、
請求項1に記載の高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ(1)。
【請求項8】
前記シールドコンタクトアダプタ(20)は、
・板状基部(200)を含み、前記板状基部(200)を介して、前記シールドコンタクトアダプタ(20)は、前記アセンブリ壁(5)に締め付け可能であるかまたは締め付けられ、
・周方向(Um)に実質的に閉じたリング状またはエプロン状シールドコンタクトアダプタ(20)として形成され、かつ/または、
・接続貫通開口(250)を含み、前記接続貫通開口(250)に、前記アセンブリの内側の前記アセンブリコネクタ(1)の前記部分(30)が配置可能であるかまたは配置されることを特徴とする、
請求項7に記載の高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ(1)。
【請求項9】
・前記シールドコンタクトアダプタ(20)はセンタリングリング(210)を含み、前記センタリングリング(210)は、前記シールドコンタクトアダプタ(20)を前記アセンブリ壁(5)のコネクタ貫通開口(50)に配置するために、軸方向(Ax)に突出し、
・前記シールドコンタクトアダプタ(20)は周壁(220)を含み、前記周壁(220)は、前記軸方向(Ax)に突出し、液体が前記シールドコンタクトアダプタ(20)の内部に入り込むことを防ぐために、完全に一周して、周方向(Um)に閉じており、かつ/または、
・前記センタリングリング(210)および前記周壁(220)は、前記軸方向(Ax)において同一平面で、前記シールドコンタクトアダプタ(20)に配置されていることを特徴とする、
請求項1に記載の高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ(1)。
【請求項10】
前記アセンブリ壁(5)に対する前記アセンブリコネクタ(1)の前記装着状態において、
・前記シールドコンタクトアダプタ(20)は、締付手段(22)によって前記アセンブリ壁(5)に締め付けられ、
・前記締付手段(22)は、前記アセンブリ壁(5)を貫通し、前記アセンブリコネクタ(1)のハウジング(120)に固定して配置され、かつ/または、
・前記シールドコンタクトアダプタ(20)は、前記アセンブリ壁(5)のコネクタ貫通開口(50)の周りに、前記アセンブリ壁(5)に対して液密に配置されていることを特徴とする、
請求項1に記載の高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ(1)。
【請求項11】
前記シールドコンタクトアダプタ(20)は、
・立体構造部品として形成され、
・再び取付けおよび取外し可能なシールドコンタクトアダプタ(20)として形成され、かつ/または、
・ダイカスト部品として形成されていることを特徴とする、
請求項1に記載の高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ(1)。
【請求項12】
・前記アセンブリコネクタ(1)は、アセンブリコネクタデバイス(1)として形成され、
・前記アセンブリ壁(5)の前記導電層は、前記アセンブリ壁(5)の被覆を含み、かつ/または、
・前記アセンブリ壁(5)は、アセンブリ基壁(5)として形成されていることを特徴とする、
請求項1に記載の高電流および/または高電圧アセンブリコネクタ(1)。
【請求項13】
車両のパワー電気アセンブリ(0)であって、
前記パワー電気アセンブリ(0)は、前記パワー電気アセンブリ(0)のアセンブリ壁(5)にアセンブリコネクタ(1)を備える、パワー電気アセンブリ(0)において、
前記アセンブリコネクタ(1)は、請求項1から12のいずれか一項に従って形成されていることを特徴とする、
パワー電気アセンブリ(0)。
【請求項14】
パワー電気アセンブリ(0)を有する車両であって、前記パワー電気アセンブリ(0)は請求項13に従って形成されていることを特徴とする、
車両。
【請求項15】
前記車両のパワー電気アセンブリ(0)は、電気自動車の電気エネルギー貯蔵デバイス(0)である、
請求項13に記載のパワー電気アセンブリ(0)。
【外国語明細書】