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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068164
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】ガス冷却装置
(51)【国際特許分類】
   F02B 29/04 20060101AFI20240510BHJP
   F02M 35/10 20060101ALI20240510BHJP
   F02M 26/06 20160101ALI20240510BHJP
   F01M 3/00 20060101ALI20240510BHJP
   F02B 25/04 20060101ALI20240510BHJP
   B63H 21/38 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
F02B29/04 Z
F02M35/10 311C
F02B29/04 M
F02B29/04 G
F02B29/04 P
F02M26/06
F01M3/00 C
F02B29/04 A
F02B25/04
B63H21/38 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023187452
(22)【出願日】2023-11-01
(31)【優先権主張番号】22205626
(32)【優先日】2022-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】23196925
(32)【優先日】2023-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】515191442
【氏名又は名称】ヴィンタートゥール ガス アンド ディーゼル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クラウディオ キュプラー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル シュトレーデッケ
(72)【発明者】
【氏名】バルトシュ ロズミシュロビッチ
【テーマコード(参考)】
3G062
3G313
【Fターム(参考)】
3G062AA02
3G062ED08
3G062ED09
3G313AA12
3G313AB12
3G313AB16
3G313BA04
3G313BB05
3G313BB13
3G313BC04
3G313CA19
(57)【要約】
【課題】大型内燃機関のガスを冷却するための装置において、汚染された装置を取り外す又は交換する必要性を低減して維持すること。
【解決手段】冷却装置1は、流体噴霧システム51を備える第1の洗浄装置50を有し得、流体噴霧システムは、配列噴霧ノズル52の列を少なくとも2つ有し、また配列噴霧ノズル52の列53の一部のみを一度に通過可能にする少なくとも1つの弁54a、54bを有する。冷却装置1は、少なくとも1つの第1の流体噴霧ノズル11を備える第2の洗浄装置10を有し得、第1の流体噴霧ノズルは、冷却装置1の第1の冷却段12の下流に且つ冷却装置1の第2の冷却段13の上流に配置される。冷却装置1は、潤滑剤噴霧システム21を備える第3の洗浄装置20を有し得、潤滑剤噴霧システムは、好ましくは潤滑剤レール23に接続され、好ましくはガス入口3の近くに配置された少なくとも1つの潤滑剤噴霧ノズル22を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大型内燃機関(100)のガスを冷却するための冷却装置(1)であって、前記冷却装置(1)は、ガス入口(3)及びガス出口(4)を備えるハウジング(2)を有し、
- 前記冷却装置(1)は第1の洗浄装置(50)を有し、前記第1の洗浄装置(50)は流体噴霧システム(51)を有し、前記流体噴霧システム(51)は、配列噴霧ノズル(52)の列(53)を少なくとも2つ有し、且つ少なくとも1つの弁(54a、54b)を有し、前記少なくとも1つの弁(54a、54b)は、前記配列噴霧ノズル(52)の列(53)の一部のみの通過、特に前記配列噴霧ノズル(52)の列(53)の1つのみの通過を一度に可能にすること、及び/又は
- 前記冷却装置(1)は第2の洗浄装置(10)を有し、前記第2の洗浄装置(10)は少なくとも1つの第1の流体噴霧ノズル(11)を有し、前記第1の流体噴霧ノズル(11)は、前記冷却装置(1)の第1の冷却段(12)の下流に、且つ前記冷却装置(1)の第2の冷却段(13)の上流に配置されること、及び/又は
- 前記冷却装置(1)は第3の洗浄装置(20)を有し、前記第3の洗浄装置(20)は潤滑剤噴霧システム(21)を有し、前記潤滑剤噴霧システム(21)は、好ましくは、潤滑剤レール(23)に接続された又は接続可能な少なくとも1つの潤滑剤噴霧ノズル(22)であって、好ましくは前記ガス入口(3)の近くに配置された少なくとも1つの潤滑剤噴霧ノズル(22)を有すること
を特徴とする冷却装置(1)。
【請求項2】
前記ハウジング(2)内に配置された、第2の冷却段(13)の上流に配置された第1の冷却段(12)を有する、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記第1の冷却段(12)は前記第2の冷却段(13)の上方に配置される、請求項2に記載の冷却装置。
【請求項4】
流体回収区域(5)が、前記第2の冷却段(13)の下流に、好ましくは前記第2の冷却段(13)の下方に配置される、請求項2又は3に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記第1冷却段(12)が冷却管(14)を有し、且つ/又は
前記第2の冷却段(13)がフィン(15)及び/又は管を有する、請求項2から4までのいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項6】
- 前記配列噴霧ノズルの列が平面内に配置され、且つ/又は
- 複数の第1の流体噴霧ノズル(11)が、好ましくはコモンレール(17)によって接続された、第1の、特に平面状の噴霧ノズル配列(16)に配置され、且つ/又は
- 複数の潤滑剤噴霧ノズル(22)が、第2の、特に平面状の噴霧ノズル配列(24)に配置される、請求項1から5までのいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項7】
前記複数の配列噴霧ノズル(52)、及び/又は
前記第1の流体噴霧ノズル(11)、及び
好ましくは、前記ガス入口(3)の近くに配置された少なくとも1つの第2の流体噴霧ノズル(18)が、流体供給システム(30)に接続されている又は接続可能である、請求項1から6までのいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項8】
前記流体供給システム(30)は、タンク(31)、ポンプ(32)、フィルタ(33)、熱交換器(34)、薬液注入装置(35)、及び給水装置(36)のうちの少なくとも1つを有する、請求項7に記載の冷却装置。
【請求項9】
内燃機関(100)、すなわち大型舶用機関又は定置機関、好ましくは2ストローク機関又は2ストローククロスヘッド機関であって、
少なくとも200mmの内径(102)を有するシリンダ(101)を少なくとも1つ有し、
請求項1から8までの少なくとも一項に記載のガスを冷却するための冷却装置(1)を有する、内燃機関(100)。
【請求項10】
前記冷却装置(1)は掃気クーラ(103)として配置され、且つ/又は
前記内燃機関(100)は排気ガス再循環システム(104)を有し、前記ガス冷却装置(1)はEGR冷却装置(105)として配置される、請求項9に記載の内燃機関。
【請求項11】
機関潤滑剤供給システム(106)に接続された潤滑剤噴霧システム(21)を有する、請求項9又は10に記載の内燃機関。
【請求項12】
ガスを冷却するための冷却装置を、好ましくは請求項1から8までのいずれか一項に記載のガスを冷却するための冷却装置を、より好ましくは請求項9から11までのいずれか一項に記載の燃焼機関のガスを冷却するため冷却装置を維持するための方法であって、洗浄するステップ及び/又は汚染を防止するステップを含み、
- 洗浄のために、水性の液体が、噴霧ノズル(52)の少なくとも2つの列の異なる列を通って冷却段(12、13)に連続的に噴霧され、且つ/又は
- 洗浄のために、水性の液体が、前記第1の冷却段(12)と前記第2の冷却段(13)との間に配置された少なくとも1つの第1の流体噴霧ノズル(11)によって、前記冷却装置(1)の第1の洗浄段(12)の下流に配置された第2の洗浄段(13)に噴霧され、且つ/又は
- 汚染を防止するために、好ましくは洗浄のために、潤滑剤が前記冷却装置(1)内に、及び/又は冷却装置(1)内で噴霧される、方法。
【請求項13】
潤滑剤が、前記冷却装置(1)内に、及び/又は前記冷却装置(1)内で噴霧され、また前記冷却装置(1)の表面の少なくとも一部に潤滑剤の膜を形成し、次いで、好ましくは水性の液体が、前記冷却装置(1)内に、及び/又は前記冷却装置(1)内で噴霧されて、前記潤滑剤の膜を除去する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
潤滑剤が、一定の割合で、好ましくはシリンダ当たり0.01g/kWhから2g/kWhまでの割合、又は定期的に、又は要求に応じて、前記冷却装置に、及び/又は前記冷却装置内で噴霧される、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記潤滑剤が、鉱物系油又は合成系油、鉱物性増粘剤又は合成増粘剤、洗浄剤、酸中和剤(塩基性物質、例えばCaCO3)、分散剤、及び酸化防止剤などの添加剤のうちの少なくとも1つを含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関のガスを冷却するための冷却装置、冷却装置を有する内燃機関、及び冷却装置を維持するための方法に関する。
【0002】
本発明は、好ましくは、シリンダの内径が少なくとも200mmの大型の舶用若しくは船用機関又は定置(据え付け)機関のような内燃機関に関する。この機関は、2ストローク機関又は2ストローククロスヘッド機関であることが好ましい。この機関は、ディーゼル機関又はガス機関、二元燃料機関又は多種燃料機関とすることができる。このような機関での液体燃料及び又は気体燃料の燃焼は、自己着火でも強制着火でも可能である。
【0003】
この内燃機関は、長手方向掃気式2ストローク機関とすることができる。
【背景技術】
【0004】
典型的には、この燃焼機関は、少なくとも1つのシリンダ、シリンダ・カバー、ピストン、燃料供給システム、及び掃気システムを備える。排気弁は、シリンダの頂部に配置されているシリンダ・カバーに配置することができる。排気ガスは、排気弁の下流の排気マニホールドを通るように導くことができる。ピストンは、下死点と上死点との間の中心軸線に沿ってシリンダ内を移動可能に配置されている。掃気入口は、シリンダの底部に配置することができる。掃気は、掃気レシーバによって供給することができる。
【0005】
内燃機関という用語はまた、燃料の自己着火によって特徴付けられるディーゼル・モードだけでなく、燃料の点火によって特徴付けられるオットー・モード、又は両者を混合したモードでも運転することができる大型機関を指す。さらに、内燃機関という用語は、特に、燃料の自己着火が別の燃料の点火のために使用される二元燃料機関及び大型機関を含む。
【0006】
機関速度は、特に4ストローク機関では800RPM未満が好ましく、特に2ストローク機関では、低速エンジンと呼称される200RPM未満がより好ましい。
【0007】
燃料は、ディーゼル油若しくは舶用ディーゼル油、又は重油、又はエマルジョン、又はスラリー、又はメタノール、又はエタノール、及び液化天然ガス(LNG:liquid natural gas)、液化石油ガス(LPG:liquid petrol gas)などの気体とすることができる。
【0008】
要求に応じて加えることができるさらに可能な燃料としては、LBG(Liquefied Biogas、液化バイオガス)、生物燃料(例えば、藻類又は海藻から作られる油)、アンモニア、水素、CO2からの合成燃料(例えば、パワー・ツー・ガス(Power-to-Gas)又はパワー・ツー・リキッド(Power-to-Liquid)によって作られる)がある。
【0009】
大型船、特に貨物輸送用の船舶は、通常、内燃機関、特にディーゼル機関及び/又はガス機関、主に2ストローククロスヘッド機関によって動力を与えられる。
【0010】
ガス/空気混合物の反応性及びメタン・スリップを減少させるために、例えば欧州特許出願公開第3722572(A1)号に示されているように、排気ガス再循環(EGR:exhaust gas recirculation)、特に低圧排気ガス再循環(EGR)を行うことが知られている。排気ガスの一部はシリンダ内に再循環され、一方、排気ガスの別の部分は煙突に案内されて環境中に放出される。
【0011】
高圧EGR経路が排気マニホールドと吸気マニホールドとの間に概ね直接挿入されるのに対し、低圧EGR経路はターボ過給機のタービン下流で分岐され、再循環される排気ガスを新気とともにターボ過給機の圧縮機を通るように案内することができる。典型的には、EGR経路にはEGR冷却装置が備えられる。
【0012】
掃気クーラは、空気入口の上流、好ましくは、掃気レシーバの上流で、ターボ過給機の圧縮機の上流に配置することができる。
【0013】
排気ガスが再循環される場合、EGR冷却装置及び/又は掃気クーラに燃焼から生じた粒子状物質の堆積物が存在することがあり、それにより、圧力降下の増大、冷却能力の低下、及び/又は早期の摩耗を引き起こすことがある。
【0014】
冷却装置を洗浄することが知られている。
【0015】
国際公開第2013165432(A1)号は、EGRクーラを車両から取り外して洗浄ステーションに取り付けることを教示している。大型エンジンでは、クーラの取り外しはやっかいであるか、又は不可能な場合さえある。
【0016】
米国特許第8,375,713(B2)号は、車載ガス源を備え、EGRクーラに超大気圧でガスを供給することにより、EGRクーラから排気ガス堆積物を除去する方法を開示している。
【0017】
米国特許出願公開第2016131088(A1)号は、流体をリザーバからEGRクーラに直接噴射することを開示している。EGRクーラが排気ガスによって温度が上がりすぎた場合、特に高負荷の場合、流体は洗浄効果なしに気化することがある。
【0018】
欧州特許第3397846(B1)号によれば、給気クーラを洗浄するために、熱交換器表面に水を凝縮させ、凝縮した水によって汚れを定期的に洗い流すことを可能にしている。熱交換器表面の温度は、適宜、適合させるようにしなければならない。独国特許出願公開第102012009319(A1)号は、再循環ガス圧縮機、及びそれに結合された蒸気タービンを有する2ストローク大型ディーゼル機関に関するものである。この装置は、冷却装置の上流の再循環ラインに水を噴射し、それによって、湿潤環境を生成する1つ又は複数のノズルを備えている。湿潤環境によって、熱交換器の壁に、排気ガスに含まれるすすの付着に対する液体耐食保護層が形成される。
【0019】
欧州特許第0701656(B1)号は、排気ガスの一部を機関のシリンダに戻すためのリサイクル通路を備える大型過給ディーゼル機関を開示しており、ここでは、リサイクル通路は、排気ガスを水で加湿するための、いくつかの水噴霧器段を有するユニットを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】欧州特許3722572(A1)号
【特許文献2】国際公開第2013165432(A1)号
【特許文献3】米国特許第8,375,713(B2)号
【特許文献4】米国特許出願公開第2016131088(A1)号
【特許文献5】欧州特許第3397846(B1)号
【特許文献6】独国特許出願公開第102012009319(A1)号
【特許文献7】欧州特許第0701656(B1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、知られている欠点を回避するガス冷却装置及び内燃機関を提供するという課題、特に、汚染された冷却装置を取り外す及び/又は交換する必要性を低減するように冷却装置を維持するためのガス冷却装置、内燃機関、及び方法を提供するという課題に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0022】
この目的は独立請求項の特徴部分によって達成される。
【0023】
大型内燃機関のガスを冷却するための冷却装置は、ハウジング、ガス入口、及びガス出口を備える。
【0024】
大型内燃機関は、内径が少なくとも200mmのシリンダを少なくとも1つ備える。
【0025】
冷却されるガスは、掃気すなわち新気、新気と不活性ガスとの混合物、又は新気と排気ガスとの混合物であってもよい。これに代えて、冷却されるガスは排気ガスであってもよい。冷却装置は、内燃機関に適宜配置されてもよく、例えば、掃気経路又は排気ガス再循環(EGR)経路、特に低圧排気ガス再循環(lp-EGR:low-pressure exhaust gas recirculation)経路又は高圧排気ガス再循環(hp-EGR:high-pressure exhaust gas recirculation)経路に配置されてもよい。
【0026】
冷却装置は、少なくとも1つの冷却段、好ましくは2つの冷却段を備えることが好ましい。少なくとも1つの冷却段は、冷却されるガスがガス入口を経てハウジングに入ることができ、少なくとも1つの冷却段を通過することができ、ガス出口を経てハウジングを出ることができるようにハウジングに配置される。
【0027】
少なくとも1つの冷却段では、熱は冷却される気体から冷却装置に伝達される。
【0028】
熱は、空気若しくは水などの流体、又は金属などの熱伝導性材料に伝達することができる。
【0029】
冷却装置は第1の洗浄装置を備え、第1の洗浄装置は流体噴霧システムを備える。流体噴霧システムは、配列噴霧ノズルの少なくとも2つの列を備え、少なくとも1つの弁を備える。
【0030】
少なくとも1つの弁は、配列噴霧ノズルの列の一部のみ、特に配列噴霧ノズルの1つの列のみを同時に通過可能にする。
【0031】
配列噴霧ノズルの各列は、それぞれの弁に流体接続されていることが好ましい。冷却装置は、配列噴霧ノズルのそれぞれの列への経路を開閉するための多方弁を備えてもよい。
【0032】
したがって、流体は、同時に配列噴霧ノズルの全数の一部のみを通って冷却装置に導くことができる。これにより、流体の流量を低減することができる。
【0033】
少なくとも1つの弁は、制御ユニットによって制御されてもよい。
【0034】
流体の流量は、100l/hから8000l/hの範囲とすることができ、200l/hから6000l/hの範囲が好ましく、400l/hから4000l/hの範囲がより好ましい。
【0035】
冷却装置に噴射された流体、特に水性流体又は水は、冷却段で凝縮して保護層を形成することができ、これは冷却段表面の汚れを防ぐ。これに加えて又はこれに代えて、汚染物質を表面から洗い流すことができる。
【0036】
配列噴霧ノズルは、平行な噴霧ランスに配置されてもよい。少なくとも5個の配列噴霧ノズルがランスに配置されることが好ましく、少なくとも7個の配列噴霧ノズルがランスに配置されることがより好ましい。配列噴霧ノズルは等間隔に配置されてもよい。
【0037】
各噴霧ランス又は噴霧ランスの組み合わせは、配列噴霧ノズルのそれぞれの列を定めることができる。
【0038】
各噴霧ランスは弁を備えてもよい、又は弁に接続されてもよい、或いは噴霧ランスの群は弁を備えてもよい、又は弁に接続されてもよい。弁は、噴霧ランスの一部のみが同時に有効になるように、制御ユニットによって制御されてもよい。
【0039】
例えば、第2の噴霧ランスのそれぞれが第1の噴霧ランスの隣に配置されて、第1の噴霧ランス又は第2の噴霧ランスのいずれかが交互に有効になる。
【0040】
噴霧ランスの内径と配列噴霧ノズルの開口径の比率は、10~60の範囲とすることができ、20~50の範囲が好ましい。
【0041】
噴霧ランスの内径は10mmから70mmまでの範囲、特に32mmから50mmまでの範囲とすることができる。噴霧ランスの内径は、噴霧ランスの長さにわたって一定であってもよい。これに代えて、内径は、噴霧ランスに沿って一定の流体圧力及び/又は一定の流体流を供給するために、弁までの距離に応じて変えてもよい。
【0042】
配列噴霧ノズルの開口径は、0.5mmから2.5mmまでの範囲、特に1mmから1.6mmの範囲とすることができる。
【0043】
すべての配列噴霧ノズルの開口径は同じであってもよい。これに代えて、開口径は、噴霧ランスに沿って及び/又は噴霧ノズルの列にわたって一定の流体圧力及び/又は一定の流体流を供給するために、弁までの距離に応じて変えてもよい。
【0044】
弁は、保護膜を形成するためには、配列噴霧ノズルの一部のみが有効となり、汚染物質を洗い流すためには、すべての配列噴霧ノズルが有効となるように制御されてもよい。
【0045】
弁は、流体がクーラに吐出されないように制御することができ、その結果、、断続的な噴射を達成することができる。弁は、例えば、冷却されるガスの温度、エンジン負荷、周囲条件、及び/又は燃料の種類に応じて、より多くの又は少ない配列噴霧ノズルを同時に有効にするように設定することができるように制御されてもよい。このようにして、より多い又は少ない流体の流量を選択することができる。
【0046】
したがって、可能な場合には、洗浄流体を節約することができる。
【0047】
噴霧ランスは、振動を低減する保持具又は固定要素に配置されてもよい。保持具又は固定要素は、特に変動する流体の流れから生じる振動を吸収する振動抑制器を備えてもよい。
【0048】
これに代えて又はこれに加えて、冷却装置は、冷却装置の第1の冷却段の下流側で、冷却装置の第2の冷却段の上流に配置された少なくとも1つの第1の流体噴霧ノズルを備える第2の洗浄装置を備える。
【0049】
第1の流体噴霧ノズルの位置に関して、「下流」及び「上流」という用語は、冷却装置で冷却されるガスの流れ方向に関して使用されている。
【0050】
第1の流体噴霧ノズルは水噴霧ノズルであることが好ましい。典型的には、冷却されるガスは、第1の冷却段を通過するときに冷却される。ガス入口に入る冷却されるガスの温度にもよるが、第1の冷却段は、いかなる水でも、第1の段に噴霧された場合に、直ちに蒸発する程度まで加熱されてもよい。典型的には、この程度の温度は機関の運転中に達することがある。
【0051】
したがって、ガス入口の近くに配置された流体噴霧ノズルは、運転中には洗浄効果がないか、又はわずかな洗浄効果しかない場合があり、機関が運転されていないか、又は低負荷で運転されているときにのみ使用することができる。
【0052】
第1の冷却段の下流では、冷却されるガスは、洗浄水を蒸発させない温度に達している可能性がある。第1の流体噴霧ノズルは、汚染物質を洗い流すことによって第2の冷却段を洗浄するために設けられ、機関及び冷却装置の運転中にも使用することができる。
【0053】
第2の洗浄装置は、第1の冷却段の下流に配置された第2の冷却段を洗浄するために設けられている。下流の冷却段では、熱交換要素間の間隔によって定められる流体開口径が一般に上流の冷却段よりも小さいため、潜在的な汚染はより重大である。
【0054】
したがって、第2の洗浄装置は、非常に効果的に洗浄するために設けられている。
【0055】
第1の洗浄装置は、第1の冷却段の上流に配置されてもよい。これに代えて、第1の洗浄装置は、冷却装置の第1の冷却段の下流で、冷却装置の第2の冷却段の上流に配置されてもよく、上記のような第2の洗浄装置を形成してもよい。
【0056】
これに加えて又はこれに代えて、冷却装置は、潤滑剤レールに接続された又は接続可能な潤滑剤噴霧システムを備える第3の洗浄装置を備える。潤滑剤噴霧システムは、少なくとも1つの潤滑剤噴霧ノズルを備えることが好ましい。本出願内では、潤滑剤は、任意の炭化水素系の流体を含んでもよい。
【0057】
少なくとも第3の洗浄装置の潤滑剤噴霧システムは、ガス入口の近くに配置されてもよい。潤滑剤は、冷却されるガスによって冷却装置内で分配される。
【0058】
噴霧ノズルは冷却装置内に配置されて、潤滑剤を冷却装置の内面に均等に噴霧してもよい。
【0059】
第3の洗浄装置の潤滑剤噴霧システムは、これに代えて、潤滑剤が、冷却されるガスとともに冷却装置内に移送されるように、冷却装置のハウジングの外側で、ガス入口の上流に配置されてもよい。
【0060】
潤滑剤の蒸発温度は典型的には高く、その結果、冷却されるガスの温度がまだ高いときでさえ、その洗浄機能は保たれる。したがって、また、第3の洗浄装置の潤滑剤噴霧システムがすべての冷却段の上流、すなわちクーラの高温端、例えば第1の冷却段の上流又は第1の冷却段内に配置されているときでさえ、第3の洗浄装置を冷却装置の運転中に使用することができる。
【0061】
潤滑剤レールは、シリンダにシリンダ油も供給する内燃機関の機関潤滑剤供給システムに接続されてもよく、又は接続可能であってもよい。
【0062】
潤滑剤は、冷却装置に膜を形成し、下流の冷却段の表面を濡らす。したがって、その表面は堆積物から汚されていない状態に保たれる。潤滑剤を排出すると、冷却装置から汚染物質を除去することができる。
【0063】
潤滑剤は、冷却段の表面を洗浄するための洗浄剤を含んでもよい。
【0064】
冷却装置は、1つの冷却段のみ、好ましくはシェルアンドチューブ・クーラを備えてもよい。
【0065】
冷却装置は、第2の冷却段の上流に配置された第1の冷却段を備えてもよい。したがって、冷却段は、冷却されるガスがまず第1の冷却段を通り、次いで第2の冷却段を通るように導かれるように配置される。冷却されるガスの流れ方向に関して、第1の冷却段はガス入口の下流に配置され、第2の冷却段はガス出口の上流に配置される。両方の冷却段は同じハウジング内に配置されてもよい。
【0066】
第1の冷却段は、第2の冷却段の上方に配置されてもよい。洗浄流体は、第2の冷却段を通って排出することができ、第2の冷却段の最下部で回収することができる。
【0067】
潤滑剤は、第2の冷却段を通って、又は第1の冷却段と第2の冷却段とを通って排出することができ、第2の冷却段の最下部で回収することができる。
【0068】
流体回収区域は、第2の冷却段の下流に、好ましくは第2の冷却段の下方に配置されてもよい。
【0069】
流体回収区域は流体再循環システムの一部であってもよく、タンク、少なくとも1つのポンプ、流体を冷却するための冷却装置、及び/又は潤滑剤を分離するための分離器を備えてもよい。
【0070】
第1の冷却段は冷却管を備えてもよいが、第2の冷却段はフィン及び、好ましくは管を備えてもよい。
【0071】
典型的には、冷却されるガスに対する流れ開口径は、第1の冷却段の方が第2の冷却段よりもはるかに大きい。したがって、有害な汚染の危険性は、第2の冷却段の方が高い。したがって、第1の冷却段の下流で、第2の冷却段の上流に第1の流体噴霧ノズルを配置すると、合理的な洗浄効果が得られる。
【0072】
配列噴霧ノズルの少なくとも2つの列は平面に配置されてもよい。配列噴霧ノズルの列を定める噴霧ランスは、平行で平面に配置されることが好ましい。
【0073】
複数の第1の流体噴霧ノズルは、第1の噴霧ノズル配列に配置されてもよい。噴霧ノズル配列は、平面噴霧ノズル配列であってもよい。噴霧ノズルは、第2の冷却段の上方に均等に配置されてもよい。
【0074】
第1の噴霧ノズルの少なくとも一部は、コモンレールによって接続されてもよい。第1の噴霧ノズル配列のすべての第1の流体噴霧ノズルは、少なくとも1つのコモンレールによって接続されることが好ましい。
【0075】
複数の潤滑剤噴霧ノズルは、第2の噴霧ノズル配列、特に平面状の噴霧ノズル配列に配置されてもよい。噴霧ノズルは、第1の冷却段の上方に均等に配置されてもよい。
【0076】
冷却装置は、冷却流体、好ましくは水性洗浄流体を供給するためにガス入口の近くに配置された少なくとも1つの第2の流体噴霧ノズル、好ましくは水噴霧ノズルを備えてもよい。第2の流体噴霧ノズルは、機関が運転されていないとき、又は機関が低負荷で運転されているときに、第1の冷却段を洗浄するために使用されてもよい。第2の流体噴霧ノズルはまた、第3の洗浄装置によって供給された潤滑剤の残りを洗い流すためにも使用されてもよい。
【0077】
第1の流体噴霧ノズル、及び好ましくは、ガス入口の近くに配置された少なくとも1つの第2の流体噴霧ノズルは、流体供給システムに接続されてもよく、又は接続可能であってもよい。
【0078】
流体供給システムは、水などの洗浄流体のリザーバを含むタンク、ポンプ、粒子状物質を分離するためのフィルタ、特定の温度範囲を制御するための熱交換器、薬液注入装置、及び給水装置のうちの少なくとも1つを備えてもよい。水は洗浄剤と混合されてもよい。タンクは、リザーバ内で氷が形成される危険性を低減するために、ヒータに結合されてもよい。
【0079】
冷却段の下方で排出された洗浄水は、流体供給システム内で回収、濾過、及び再循環されてもよい。
【0080】
本発明によれば、内燃機関、すなわち大型舶用機関又は定置機関、好ましくは2ストローク機関又は2ストローククロスヘッド機関は、内径が少なくとも200mmのシリンダを少なくとも1つ備えてもよく、上記のような、ガスを冷却するための冷却装置をさらに備えてもよい。
【0081】
内燃機関内で、冷却装置は、掃気を冷却するための掃気クーラとして配置されてもよい。
【0082】
これに代えて又はこれに加えて、内燃機関は、排気ガス再循環システムを備えてもよく、ガス冷却装置は、EGR冷却装置として配置されてもよい。ガス冷却装置は、EGR経路内に配置されてもよい。
【0083】
内燃機関は、流体噴霧システムを制御し、配列噴霧ノズルの列の一部のみを同時に通過可能にするために弁を設定するための制御ユニットを備えてもよい。
【0084】
内燃機関は、機関潤滑剤供給システムを備えてもよい。内燃機関は、機関潤滑剤供給システムに接続された潤滑剤噴霧システムを備えてもよい。
【0085】
本発明によれば、好ましくは上記のような、より好ましくは上記のような燃焼機関の、ガスを冷却するための冷却装置を維持するための方法は、洗浄するステップ及び/又は汚染を防止するステップを含む。
【0086】
洗浄のために、水性の液体が、第1の冷却段と第2の冷却段との間に配置された少なくとも1つの第1の流体噴霧ノズルによって、冷却装置の第1の洗浄段の下流に配置された第2の洗浄段に噴霧される。
【0087】
汚染を防止するために、好ましくは洗浄のために、潤滑剤が冷却装置内に、及び/又は冷却装置内で噴霧される。潤滑剤は、冷却装置内、好ましくは少なくとも1つの冷却段に、入口の近くで噴霧されてもよい。
【0088】
潤滑剤は、冷却装置内に、及び/又は冷却装置内で噴霧されてもよく、冷却装置の内面の少なくとも一部に潤滑剤の膜を形成してもよい。
【0089】
その後、機関の運転中又は機関が運転されていないときに、水性の液体が冷却装置内に、及び/又は冷却装置内で噴霧されて、残っている潤滑剤の膜を洗い流してもよい。
【0090】
潤滑剤は、一定の割合で、好ましくはシリンダ当たり0.01g/kWhから2g/kWhまで、又は定期的にパルス状に、又は要求に応じて、冷却装置内に、及び/又は冷却装置内で噴霧されてもよい。噴霧圧力は、冷却装置内のガス圧力より高く、1barより高いことが好ましく、2barより高いことがより好ましい。
【0091】
潤滑剤は、機関油のリストから採られてもよく、鉱物系油又は合成系油、鉱物性増粘剤又は合成増粘剤、洗浄剤、酸中和剤(塩基性物質、例えばCaCO3)、分散剤、及び酸化防止剤などの添加剤のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0092】
潤滑剤は、油の洗浄又は安定には必要ないが油の主な用途において機能を有する他の化合物を含んでもよい。本発明のさらなる有利な態様を、例示的な実施例及び図によって以下に説明する。図は概略的に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0093】
図1】内燃機関の概略図である。
図2】ガス冷却装置の第1の実例の概略側面図である。
図3】ガス冷却装置の第2の実例の概略側面図である。
図4】ガス冷却装置の第3の実例の概略側面図である。
図5】第1の洗浄装置の概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0094】
図1は内燃機関100の概略図である。内燃機関100は、内径102が少なくとも200mmの1つのシリンダ101を備える。内燃機関100は、再循環される排気ガスの量を制御するために、EGR弁111と背圧弁112とを有する排気ガス再循環システム104を備える。
【0095】
内燃機関100は、ガスを冷却するための2つの冷却装置1、すなわち、掃気クーラ103及びEGR冷却装置105を備えてもよい。
【0096】
EGR冷却装置105はEGR経路107に配置されている。この場合、排気ガス再循環システム104は低圧EGRシステムであり、排気ガスはターボ過給機109のタービン108の下流で分岐され、新気とともにターボ過給機109の圧縮機110及び掃気クーラ103を通るように導かれる。
【0097】
掃気クーラ103及びEGR冷却装置105のうちの少なくとも一方は、図1又は図2に示すような冷却装置1であってもよい。
【0098】
図2は、ガス冷却装置1の第1の実例の概略側面図である。
【0099】
冷却装置1は、ガス入口3及びガス出口4を有するハウジング2を備える。冷却装置1は、ハウジング内に配置された第1の冷却段12を備え、これは、ハウジング2内に同じく配置された第2の冷却段13の上流にある。
【0100】
第1の冷却段12は冷却管14を備え、第2の冷却段13はフィン15を備えており、その結果、冷却されるガスの開口径は、冷却装置1を通過する途中で小さくなる。フィン15の間隔が比較的狭いと、汚染物質が表面に付着して目詰まりする危険性がある。
【0101】
したがって、主要な関心事は、第2の冷却段13を清浄に保つことである。
【0102】
冷却装置1は第2の洗浄装置10を備え、第2の洗浄装置10は、第1の噴霧ノズル配列16に配置され、コモンレール17によって接続されている複数の流体噴霧ノズル11を備える。
【0103】
流体噴霧ノズル11は、第1の冷却段12の下流で、第2の冷却段13の上流に配置されている。
【0104】
第2の冷却段13の下流の分離段19では、冷却されたガスから液体が分離され、その結果、冷却されたガスは乾燥される。
【0105】
第2の冷却段13の下方に流体回収区域5が配置されている。
【0106】
冷却装置1は、ガス入口3の近くに配置された第2の流体噴霧ノズル18を備える。
【0107】
第1の流体噴霧ノズル11及び第2の流体噴霧ノズル18の両方は流体供給システム30に接続されている。流体供給システム30は、タンク31、ポンプ32、フィルタ33、熱交換器34、薬液注入装置35、及び給水装置36を備える。流体回収区域で回収された水はタンクに導くことができ、その結果、流体再循環システムとなる。フィルタ33は、第2の冷却段から剥がれた汚染物質を分離するために設けられている。
【0108】
図3は、ガス冷却装置1の第2の実例の概略側面図である。
【0109】
冷却装置1は、一方では、図2に示され、図2に関して説明されたような第2の洗浄装置10を備える。したがって、図3では、同じ参照番号が使用される。
【0110】
冷却装置1は、第3の洗浄装置20をさらに備えており、第3の洗浄装置20は、潤滑剤噴霧ノズル22を有する潤滑剤噴霧システム21を備える。潤滑剤噴霧ノズル22は、ガス入口3の上流に配置される。
【0111】
潤滑剤噴霧システム21は、機関潤滑剤供給システム106に接続された潤滑剤レール23に接続されている。
【0112】
潤滑剤は冷却装置に供給することができ、第1の冷却段12及び第2の冷却段13の表面に膜を形成することができ、その結果、汚染物質が付着するのを防ぐ。
【0113】
潤滑剤を洗い流すことによって、汚染物質は流体回収区域5に輸送される。
【0114】
潤滑剤は、第2の噴霧ノズル18によって供給される水によって冷却段12、13から洗い落とすことができる。
【0115】
潤滑剤は、潤滑剤分離器37で洗浄水から分離することができる。
【0116】
第2の洗浄装置10は、エンジン運転中にも第2の冷却段13を洗浄するために設けられているが、第3の洗浄装置20は、第1の冷却段12及び第2の冷却段13の汚染を防止し洗浄をするために設けられている。
【0117】
図4は、ガス冷却装置1の第3の実例の概略側面図である。
【0118】
冷却装置1は単一の冷却段13のみを備える。
【0119】
第1の洗浄装置50は、冷却段15の上流に配置され、流体噴霧システム51を備える。
【0120】
配列噴霧ノズル52の少なくとも2つの列53を備える流体噴霧システム51は、配列噴霧ノズル52の列53の一部のみを同時に通過可能にする少なくとも1つの弁54a、54b(図5参照)を備える。
【0121】
配列噴霧ノズル52は、図2及び図3に示すように、流体供給システム30に接続されている。
【0122】
図5は、図4に示すようなガス冷却装置1に使用するための第1の洗浄装置50の実例の概略上面図である。
【0123】
第1の洗浄装置50は、同じ平面に交互に平行に配置された一群の噴霧ランス55a及び一群の噴霧ランス55bを備える。噴霧ランス55a、55bのそれぞれは、図5には明示されていない配列噴霧ノズル52を備える。噴霧ランス55a、55bのそれぞれは、配列噴霧ノズル52の列53を定める。
【0124】
第1の洗浄装置50は、噴霧ランス55a、55bの各群と流体接続している弁54a、54bをさらに備える。弁54a、54bは制御ユニット56によって制御され、流体が第1の噴霧ランスの群55aを通って導かれるか、又は第2の噴霧ランスの群55bを通って導かれるように設定することができる。
【0125】
これにより、すべての噴霧ランス55a、55bで流す場合と比較して、少ない流体流量で、冷却段にわたって一様に分配された流体を入れることができる。
【0126】
これに代えて、弁54a、54bは、断続的に流体を全流量で放出する、部分流量で放出する、又は放出しないことを可能にするように設定されてもよい。
【0127】
この概略図では、4つの噴霧ランス55a、55bのみが示されている。もちろん、第1の洗浄装置50は、対応する数の噴霧ランス55a、55bを有するいくつかの束であって、それぞれが弁54a、54bに接続された束にグループ化された適切な数の噴霧ランス55a、55bを備えてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】