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特開2024-68168自動車の導管をシールするための安全シール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068168
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】自動車の導管をシールするための安全シール
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/10 20060101AFI20240510BHJP
【FI】
F16J15/10 L
F16J15/10 Z
F16J15/10 P
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023187838
(22)【出願日】2023-11-01
(31)【優先権主張番号】10 2022 129 294.0
(32)【優先日】2022-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】510238096
【氏名又は名称】ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Porscheplatz 1, D-70435 Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100202647
【弁理士】
【氏名又は名称】寺町 健司
(72)【発明者】
【氏名】サルヴァトーレ マルティソット
【テーマコード(参考)】
3J040
【Fターム(参考)】
3J040BA01
3J040EA15
3J040EA21
3J040FA06
3J040FA20
3J040HA06
3J040HA15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】緊急時に、通常の動作中に開放している自動車内の導管をシールするための安全シールを提供する。
【解決手段】安全シール10は自動車コンポーネント12が、流体を環境と交換するための導管を形成する開口部16と、シール本体22であって、シール本体の体積が動作変数28に応じて変化し得るシール本体と、を備え、動作変数の値が通常の動作を示すとき、シール本体が、開口部を少なくとも部分的に開放し、動作変数の値が緊急事態を示すとき、開口部を完全に塞ぐ。動作変数が緊急事態を示すときに受動的にトリガされるシール本体の体積変化により、損傷に対する自動車コンポーネントの効果的な保護を可能にするように、開口部による動作安全性に対する追加のリスクを回避することが可能になる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
緊急時に、通常の動作中に開放している自動車内の導管をシールするための安全シール(10)であって、前記安全シールが、自動車コンポーネント(12)を備え、前記自動車コンポーネント(12)が、流体を環境と交換するための前記導管を形成する開口部(16)と、シール本体(22)であって、前記シール本体(22)の体積が動作変数(28)に応じて変化し得るシール本体(22)と、を備え、前記動作変数(28)の値が通常の動作を示すとき、前記シール本体(22)が、前記開口部(16)を少なくとも部分的に開放し、前記動作変数(28)の前記値が緊急事態を示すとき、前記開口部(16)を完全に塞ぐ、安全シール(10)。
【請求項2】
前記シール本体(22)が、前記シール本体(22)の体積が通常の動作中の前記シール本体(22)の体積と緊急時の前記シール本体(22)の体積との間で可逆的に変化し得るように設計されている、請求項1に記載の安全シール(10)。
【請求項3】
前記動作変数(28)が、温度、及び/又は圧力、及び/又は水分である、請求項1又は2に記載の安全シール(10)。
【請求項4】
前記シール本体(22)が、温度の上昇時に膨張する材料、及び/又は圧力の低下時に膨張する材料、及び/又は水分の影響下で膨らむ材料で作製されている、請求項1に記載の安全シール(10)。
【請求項5】
緊急時に、前記シール本体(22)が、前記開口部(12)の縁(20)に対してクランプ力で円周方向にシールするように相接し、前記開口部(12)の縁が、前記開口部(16)の面法線(18)に対して垂直である、請求項1に記載の安全シール(10)。
【請求項6】
通常の動作中に、前記シール本体(22)が、前記開口部(16)内に少なくとも部分的に配置されている、請求項1に記載の安全シール(10)。
【請求項7】
通常の動作中に、前記シール本体(22)の全体が、前記開口部(16)の面法線(18)に沿って前記開口部(16)から距離を置いている、請求項1に記載の安全シール(10)。
【請求項8】
前記自動車コンポーネント(12)が、前記自動車コンポーネント(12)の構造的な要素を収容するための、前記開口部(16)を有するハウジング壁(14)を備え、別途設計された保持要素(30)が、前記ハウジング壁(14)に取り付けられており、かつ前記シール本体(22)が、前記保持要素(30)に取り付けられており、通常の動作中に、前記シール本体(22)が、前記開口部(16)の面法線(18)に沿って、かつ/又は前記開口部(16)の前記面法線(18)に対して垂直な前記ハウジング壁(14)から距離を置いて位置決めされている、請求項1に記載の安全シール(10)。
【請求項9】
前記シール本体(22)が、水又は有機溶媒の存在下で膨らむことができる材料で作製されている、請求項1に記載の安全シール(10)。
【請求項10】
シール本体(22)が、膨張可能なバルーン内に封入されたガスを含む、請求項1に記載の安全シール(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緊急時に、通常の動作中に開放している自動車内の導管をシールすることができる安全シールに関する。
【背景技術】
【0002】
相対回転可能なシャフトの永久的なシールのための放射状シャフトシールリングが特許文献1から知られており、ここでは放射状シャフトシールリングは、2つのシールリップ間に多孔質親油性コーティングを備え、シールリップのうちの1つで漏れがあった場合、液体で飽和され、関連する体積増加に起因して2つの隣接するシールリップ間の接触圧を増加させる。
【0003】
特許文献2から知られているのは、自動車の本体コンポーネント内の開口部を永久的にシールするためのシールプラグであり、ここでは膨張するシール材が、熱の影響によりシールされる開口部から外に発泡し、開口部の縁を取り囲むことによって永久的複合物を提供する。
【0004】
自動車コンポーネントを損傷から保護する継続的な必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第102008058087号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第3061675号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、損傷に対する自動車コンポーネントの効果的な保護を可能にする方策を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、この目的は、請求項の特徴を有する安全シールによって達成される。本発明の好ましい実施形態は、従属請求項及び以下の説明に明記されており、各事例において、本発明の一態様を個々に又は組み合わせて構成することができる。
【0008】
本発明の一態様は、緊急時に、通常の動作中に開放している自動車内の導管をシールするための安全シールであって、該安全シールが、自動車コンポーネントを備え、自動車コンポーネントが、流体を環境と交換するための導管を形成する開口部と、シール本体であって、シール本体の体積が動作変数に応じて変化し得るシール本体と、を備え、それによって、動作変数の値が通常の動作を示すとき、シール本体が、開口部を少なくとも部分的に開放し、動作変数の値が緊急事態を示すとき、開口部を完全に塞ぐ、安全シールに関する。
【0009】
自動車コンポーネントでは、環境との意図的な流体交換が開口部を介して提供され得、それによって、例えば、漏出流体が排出され得るか、又は自動車コンポーネントの収容された構造的な要素の空冷が自然対流によって実行され得る。したがって、開口部によって提供された導管は、例えば、重力駆動及び/又は環境との対流交換を可能にする。この交換は、自動車コンポーネント内部に有害物質が蓄積すること、及び/又は自動車コンポーネント内部に熱が蓄積して損傷を発生させることを回避するのに役立ち得る。損傷に対する自動車コンポーネントの保護は、環境との流体交換を可能にする開口部の支援により既に提供されている。
【0010】
しかしながら、隣接するコンポーネントに欠陥がある場合、開口部を介して流体が進入し、自動車コンポーネントを損傷し得る可能性がある。また、例えば、開口部を通じて作動オイルが漏出し、隣接するコンポーネントを損傷することに起因して、自動車コンポーネントの欠陥がなおも発生する可能性もある。通常の動作中の動作安全性にプラスの影響を与える開口部は、緊急時に動作安全性にマイナスの影響を与え得る状況が発生する可能性があることが見出された。また、このような緊急事態は、典型的には、自動車コンポーネントの環境に関係する動作変数の大幅な変化を伴うことも見出された。例えば、自動車コンポーネントの開口部が動作安全性にマイナスの影響を与える可能性がある、潜在的に発生する緊急事態は、温度の変化、圧力の変化、及び/又は水分の変化によって特徴付けられる。したがって、安全シールのシール本体の材料は、シール本体が緊急事態を示す動作変数に応じてその体積を変化させることができるように選択され得る。そうすることで、能動的に起動させる必要がなく、むしろ、緊急事態を特徴付ける変化する境界条件に自動的に反応する、受動的な安全システムが実現する。緊急時に、シール本体の体積が増加し、それによって開口部を塞ぎかつシールし、その結果、開口部によって生成される動作安全性に対する危険性もまた、緊急時に回避することができる。動作変数が緊急事態を示すときに受動的にトリガされるシール本体の体積変化により、開口部による動作安全性に対する追加のリスクを回避することができ、したがって、損傷に対する自動車コンポーネントの効果的な保護が可能になる。
【0011】
特に、シール本体は、その体積が、通常の動作中のその体積と緊急時中のその体積との間で可逆的に変化し得るように設計されている。緊急事態がもはや存在しない場合、シール本体の体積は減少し得、特にシール本体は再び収縮し得る。それによって、開口部の永久的シールが回避され、その結果、緊急事態の終結後(例えば、緊急事態をトリガする欠陥コンポーネントの修理後)、開口部が再び開放され得、通常の動作を再開することができる。開口部を再び開放するための、かつ/又は安全シールを取り替えるための更なる修理措置は必要とされない。
【0012】
動作変数は、好ましくは、温度、及び/又は圧力、及び/又は水分である。自動車コンポーネントを傷つけるコンポーネントの異なる欠陥は、典型的には、このような動作変数の大幅な変化をもたらす。加えて、このような動作変数に応じて体積が変化し得る材料を選択することは比較的容易であり、また、自動車での使用要件を満たす。
【0013】
特に好ましくは、シール本体は、温度の上昇時に膨張する材料、及び/又は圧力の低下時に膨張する材料、及び/又は水分の影響下で膨らむ材料で作製されている。シール本体は、例えば、高い熱膨張係数を有する材料で作製され得、その場合、材料は、閉気孔及び/又は開気孔を有する架橋構造及び/又は発泡体のような構造を有し得る。結果として、シール本体の材料は、温度が増加するときに急激に膨張し得、それによって、シール本体によって占有される体積を増加させる。シール本体は、例えば、圧力下で容易に圧縮され得、シール本体に対して低い占有体積をもたらし、圧力が低下したときにその開始形状まで膨張して戻り得、シール本体に対して高い占有体積をもたらす、架橋構造及び/又は発泡体のような構造、並びに閉気孔及び/又は開気孔を有する材料で作製され得る。シール本体は、例えば、水分が増加すると対応する大量の液体を収容することができ、シール本体が膨らむことができる、膨らむことができる材料で作製され得る。
【0014】
シール本体は特に、緊急時に、シール本体が、開口部の縁に対してクランプ力で円周方向にシールするように相接するように提供されており、開口部の縁は、開口部の面法線に対して垂直である。そうすることで、シール本体と開口部の縁との間の自己補強シールが生じる。シール本体の開口部からの意図的ではない分離を避けることができる。特に、開口部が自動車コンポーネントのハウジング壁内に提供されている場合、シール本体の材料は開口部から突出し、開口部の縁を取り囲むことができ、それによって特に良好なシールが達成される。
【0015】
好ましくは、通常の動作中に、シール本体は、開口部内に少なくとも部分的に配置されている。それによって、シール本体は、所望の流れ断面を提供するためにそれに応じてより大きな寸法を有し得る開口部の流れ断面の一部をシールすることができる。一般に、この目的のために、十分な構造空間が自動車コンポーネントのハウジング壁内に存在する。開口部に残っている流れ断面は、特に環状、好ましくはトロイダル状である。シール本体が通常の動作中に開口部の開口部断面に既に入り込んでいることを考えると、緊急時に開口部をシールするために、シール本体の体積変化によって克服されなければならない距離はほんのわずかである。結果として、安全シールはそれに応じて高感度であり得、動作変数の比較的小さな変化であっても、開口部をシールすることができる。
【0016】
更なる実施形態では、通常の動作中に、シール本体の全体が、開口部の面法線に沿って開口部から距離を置いている。それによって、開口部の流れ断面がシール本体によって損なわれないため、対応する小さな省スペースの開口部が提供され得る。加えて、シール本体と開口部との間の距離によって、シール本体が動作変数の変化にどの程度敏感に反応すべきかを容易に調整することができる。動作変数の通常の変動の間に起こるシール本体の全ての体積変化が、開口部の流れ断面の減少につながるわけではなく、そのため、安全シールはいくらかより不活性で堅牢であるように設計され得る。
【0017】
特に好ましくは、自動車コンポーネントは、自動車コンポーネントの構造的な要素を収容するための、開口部を有するハウジング壁を備え、それによって、別途設計された保持要素が、ハウジング壁に取り付けられており、かつシール本体が、保持要素に取り付けられており、それによって、通常の動作中に、シール本体が、開口部の面法線に沿って、かつ/又は開口部の面法線に対して垂直なハウジング壁から距離を置いて位置決めされている。それによって、安全シールは、既に開口部を有する自動車コンポーネントの場合に容易に後付けされ得る。例えば、保持要素は、溶接、はんだ付け、又は接着によってハウジング壁の外側に取り付けられ得る。
【0018】
特に、シール本体は、水又は有機溶媒の存在下で膨らむことができる材料で作製されている。水分又は有機溶媒の水分含量が増加したとき、シール本体の材料は膨らみ、開口部をシールすることができる。そうすることで、特に、このような水分が自動車コンポーネント内に浸透することを防止することができる。
【0019】
シール本体は、膨張可能なバルーン内に封入されたガスを含むことが好ましい。バルーン内のガスは、温度の上昇及び/又は圧力の低下時に膨張し得、それによって、バルーン及び/又はシール本体によって占有される体積が増加する。バルーンは、膨らむことができる材料によって覆われかつ/又は包まれていることが好ましい。それによって、シール本体は、複数の動作変数、特に温度、圧力、及び/又は水分に応答して、その体積を変化させることができる。結果として、安全シールは、多くの異なる緊急事態に対して同時に設計され得る。
【0020】
本発明は、好ましい例示的な実施形態に基づいて添付図面を参照して以下に例として説明され、それによって、以下に提示される特徴は、個々にかつ組み合わせにおける両方で本発明の一態様を表すことができる。以下を示す。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】通常の動作中の安全シールの第1の実施形態の概略断面図である。
図2】緊急時における図1の安全シールの概略断面図である。
図3】通常の動作中の安全シールの第2の実施形態の概略断面図である。
図4】緊急時における図3の安全シールの概略断面図である。
図5】通常の動作中の安全シールの第3の実施形態の概略断面図である。
図6】緊急時における図5の安全シールの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1に示す安全シール10は、緊急時に、通常の動作中に自動車コンポーネント12と環境との間に提供されるガス及び/又は液体の交換を自動的に妨害するために、環境と連通する自動車の自動車コンポーネント12に対して使用され得る。自動車コンポーネント12は、例えば、自動車コンポーネント12の構造的な要素を収納できるハウジング壁14を備える。自動車コンポーネント12のハウジング壁14は、ガス及び/又は液体の導管を形成する開口部16を備える。例えば、自動車コンポーネント12内の加熱された空気は、自然対流によって自動車コンポーネント12の構造的な要素を冷却することを可能にするために、開口部16を通じて逃れることができる。開口部16は、ハウジング壁14の平面内に形成されており、そこから垂直方向に延在する面法線18を有する開口部断面を有する。開口部16の境界を示す縁20内には、その挿入深さがハウジング壁14と軸方向に境を接するカラー24によって境界付けられた環状シール本体22が存在する。
【0023】
干渉源26が動作変数28の変化を大きくし過ぎる場合、図2に示すように、シール本体22は、開口部16がシール本体22によって塞がれかつシールされる程度までその体積を増加させることができる。その体積の増加の結果として、シール本体22は、クランプ力によって縁20を圧迫することができ、シール開口部16の効果的なシールを可能にすることができる。例えば、動作変数28は干渉源26からの水漏れから生じる水分であり、水漏れは、このような緊急時にシール本体22の膨れを引き起こし、その結果、水漏れは自動車コンポーネント12に浸透することができない。とりわけ、シール本体22の大きな自由表面に起因して、シール本体22の膨れを引き起こす水分は、緊急事態が終了し、通常の動作が回復した後に蒸発し得、それによって、図1に示すように、シール本体22はその初期状態に可逆的に戻ることができる。
【0024】
図1に示す安全シール10の実施形態と比較すると)図3に示す安全シール10の実施形態では、シール本体22は、開口部16の面法線18に沿って距離を置いて位置決めされている。この目的のために、例えば金属ストリップとして設計された保持要素30が、自動車コンポーネント12のハウジング壁14の表面に固定され得る。ハウジング壁14の一端で固定された保持要素30は、ハウジング壁14からオフセットされた経路を有し得、別の端において、開口部16に対向して位置決めされたハウジング壁14に面する側面上で、シール本体22に連結され得る。
【0025】
図4に示すように、シール本体22は、動作変数28の影響によって引き起こされた体積増加時に開口部16内に入り込むことができ、開口部16をシールすることができる。例えば、動作変数28は温度であり、その結果、開口部16をシールし、自動車コンポーネント12の構造的な要素を過熱から保護するために、ガス充填バルーンが温度が上昇した場合にシール本体22内で膨張し得る。緊急時に干渉源26によって放出された熱が減少し、通常の動作が回復した場合、シール本体22は、図3に示すその初期状態に可逆的に戻ることができる。
【0026】
図3に示す安全シール10の実施形態と比較して)図5に示す安全シール10の実施形態では、シール本体22は、自動車コンポーネント12のハウジング壁14によって形成された縁20から距離を置いて開口部16内に位置決めされている。図示した例示的な実施形態では、開口部16はまた、自動車コンポーネント12のハウジング壁14によって部分的に、かつ保持要素30及び/又は更なるコンポーネント32によって部分的に境界付けられたチャネルの流れ断面の一部でもある。
【0027】
図6に示すように、シール本体22は、動作変数28の影響によって引き起こされた体積増加時に開口部16をシールすることができ、したがって、チャネル内の断面流れをシールする。例えば、動作変数28は圧力である。例えば、緊急時に、干渉源26は、圧力降下がチャネル内で発生し、それがシール本体22の圧縮状態から非圧縮状態への体積増加をトリガするように、チャネルを通る液体の搬送を終了させることができる。それによって、シール本体22は開口部16をシールすることができ、それにより通気及び/又は戻り流が回避され得る。緊急事態が終了し、通常の動作が回復したとき、図5に示すように、チャネル内の搬送圧は、シール本体22をその初期状態に戻すように可逆的に押す及び/又は圧縮することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6