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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006817
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】清掃具
(51)【国際特許分類】
   A47L 25/00 20060101AFI20240110BHJP
   A47L 13/10 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
A47L25/00 A
A47L13/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108058
(22)【出願日】2022-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】000178583
【氏名又は名称】山崎産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095522
【弁理士】
【氏名又は名称】高良 尚志
(72)【発明者】
【氏名】長澤 博之
【テーマコード(参考)】
3B074
【Fターム(参考)】
3B074AA08
3B074AB02
3B074AB05
(57)【要約】
【課題】カーペット等の清掃除去対象物の掻き寄せと、清掃除去対象物の粘着除去を自在に変換して行い得る清掃具の提供。
【解決手段】粘着ローラ18を、第1カバー体10と第2カバー体12からなるローラ支持部14が回動支持し、第2カバー体12は、第1カバー体10により第1軸線のまわりに回動支持され、粘着ローラ18を第2軸線のまわりに回動支持し且つ掻き寄せ用ブレード40を有し、第2カバー体12は、第1カバー体10に対する回動により清掃位置と収容位置とをとり得、第2カバー体12を清掃位置に位置させ、清掃対象部に対する傾斜角を調整することにより、掻き寄せ用ブレード40が清掃対象部に接する状態と、粘着ローラ18が清掃対象部に接する状態を自在に変換し得る。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃用の粘着ローラと、その粘着ローラを回転自在に支持するローラ支持部と、前記ローラ支持部を含み前記粘着ローラを含まない被操作部を備えてなり、
使用者が前記被操作部に対し操作を行うことにより、清掃対象部上で前記粘着ローラを回転させつつ当該粘着ローラの回転軸線に対し概ね直交する方向に前後移動させて当該清掃対象部を清掃し得る清掃具であって、
前記被操作部における、前記粘着ローラの前後何れか又は両方に、前記清掃対象部に接しつつ移動することにより、清掃対象部に存在し得る清掃除去対象物を掻き寄せるための掻き寄せ体を有し、
使用者が前記清掃対象部に対する前記被操作部の角度を調整することにより、
前記粘着ローラの外周面が前記清掃対象部に接することなく前記清掃対象部に臨むと共に、前記掻き寄せ体が前記清掃対象部に接して当該清掃対象部に存在し得る清掃除去対象物を掻き寄せ得る掻き寄せ状態と、
前記掻き寄せ状態において前記清掃対象部に臨む状態であった前記粘着ローラの外周面が、前記清掃対象部に接して当該清掃対象部に存在し得る清掃除去対象物を粘着除去し得、前記掻き寄せ状態において前記清掃対象部に接していた前記掻き寄せ体が前記清掃対象部に接しない粘着清掃状態とを自在に変換し得るものであることを特徴とする清掃具。
【請求項2】
上記の変換のために必要な上記被操作部の調整角度が90度以下である請求項1記載の清掃具。
【請求項3】
上記掻き寄せ体を清掃対象部に対し用いる際にその清掃対象部に接し得る部分が直線に沿ったものである請求項1記載の清掃具。
【請求項4】
上記掻き寄せ体が、ブレード状をなし、その先端縁が清掃対象部に接するように使用するものである請求項1乃至3の何れか1項に記載の清掃具。
【請求項5】
上記先端縁の少なくとも近傍部の一方又は両方の面に、
i) 前記先端縁に対し平行状をなす1若しくは2以上の溝状部、
ii) 前記先端縁に対し平行状をなす1若しくは2以上のリブ、及び、
iii) 多数の突起部
のうち何れか1つ又は2つ或いはi)、ii)及びiii) 全てを有する請求項4記載の清掃具。
【請求項6】
上記掻き寄せ体の全体又は少なくとも清掃対象部に接する先端縁から基部に向かう部分がエラストマー製である請求項4記載の清掃具。
【請求項7】
上記ローラ支持部は、第1カバー体と第2カバー体を有するものであり、
第2カバー体は、第1カバー体により第1軸線のまわりに回動可能に支持され且つ上記粘着ローラを第1軸線と平行な第2軸線のまわりに回転自在に支持し、更に上記掻き寄せ体を有し、
第1カバー体と第2カバー体は、前記粘着ローラを収容するローラ収容部を構成するものであり、
第2カバー体は、第1カバー体に対する回動により、前記粘着ローラが下方に突出し且つその粘着ローラの前側又は後側において前記掻き寄せ体が下方に突出する清掃位置と、前記掻き寄せ体を上方に移動させると共に前記粘着ローラをローラ収容部内に収容する収容位置とをとり得、
第2カバー体を清掃位置に位置させ、清掃対象部に対する傾斜角を調整することにより、前記掻き寄せ体が清掃対象部に接する状態と、前記粘着ローラが清掃対象部に接する状態を、自在に変換することができるものである請求項1乃至3の何れか1項に記載の清掃具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーペット等を粘着ローラを用いて清掃する清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2003-190066号公報には、粘着ローラ等の清掃用回転体と、その清掃用回転体を回転自在に支持する回転体支持体と、その回転体支持体を使用者が保持するための柄等の保持手段を備えてなる清掃具として、第2カバー体12と第1カバー体10が粘着ローラ18を収容するローラ収容部22を構成し、第2カバー体12は、第1カバー体10に対する回動により、粘着ローラ18をローラ収容部22内に収容する収容位置と、外部に突出する清掃位置をとるものが開示されている。
【0003】
特開2009-247873号公報には、粘着ローラーの回転軸とかき出し手段を連結しハンドルを設ける又は2個の粘着ローラーの回転軸とかき出し手段を連結しハンドル軸を中心にシーソウのように回動するよう設け、粘着ローラーの上部にヘッドカバーを設けその端に刃を付けた粘着ローラークリーナーが開示されている。
【0004】
特開2018-149255号公報には、足の長い絨毯の内部に絡みついたペットの抜け毛を確実にかき出し、散乱させずに収集が可能で、コストも安く、しかも絨毯を傷めない簡便な掃除用具として、粘着式ゴミ取り器において、シリコンゴム製の多数の突起を、粘着式のローラの近傍に装置するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-190066号公報
【特許文献2】特開2009-247873号公報
【特許文献3】特開2018-149255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、カーペット等の清掃除去対象物の掻き寄せと、清掃除去対象物の粘着除去を自在に変換して行い得る清掃具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、例えば次のように表すことができる。
【0008】
(1) 清掃用の粘着ローラと、その粘着ローラを回転自在に支持するローラ支持部と、前記ローラ支持部を含み前記粘着ローラを含まない被操作部を備えてなり、
使用者が前記被操作部に対し操作を行うことにより、清掃対象部上で前記粘着ローラを回転させつつ当該粘着ローラの回転軸線に対し概ね直交する方向に前後移動させて当該清掃対象部を清掃し得る清掃具であって、
前記被操作部における、前記粘着ローラの前後何れか又は両方に、前記清掃対象部に接しつつ移動することにより、清掃対象部に存在し得る清掃除去対象物を掻き寄せるための掻き寄せ体を有し、
使用者が前記清掃対象部に対する前記被操作部の角度を調整することにより、
前記粘着ローラの外周面が前記清掃対象部に接することなく前記清掃対象部に臨むと共に、前記掻き寄せ体が前記清掃対象部に接して当該清掃対象部に存在し得る清掃除去対象物を掻き寄せ得る掻き寄せ状態と、
前記掻き寄せ状態において前記清掃対象部に臨む状態であった前記粘着ローラの外周面が、前記清掃対象部に接して当該清掃対象部に存在し得る清掃除去対象物を粘着除去し得、前記掻き寄せ状態において前記清掃対象部に接していた前記掻き寄せ体が前記清掃対象部に接しない粘着清掃状態とを自在に変換し得るものであることを特徴とする清掃具。
【0009】
(2) 上記の変換のために必要な上記被操作部の調整角度が90度以下である上記(1)記載の清掃具。
【0010】
(3) 上記掻き寄せ体を清掃対象部に対し用いる際にその清掃対象部に接し得る部分が直線に沿ったものである上記(1)記載の清掃具。
【0011】
(4) 上記掻き寄せ体が、ブレード状をなし、その先端縁が清掃対象部に接するように使用するものである上記(1)乃至(3)の何れか1項に記載の清掃具。
【0012】
(5) 上記先端縁の少なくとも近傍部の一方又は両方の面に、
i) 前記先端縁に対し平行状をなす1若しくは2以上の溝状部、
ii) 前記先端縁に対し平行状をなす1若しくは2以上のリブ、及び、
iii) 多数の突起部
のうち何れか1つ又は2つ或いはi)、ii)及びiii) 全てを有する上記(4)記載の清掃具。
【0013】
(6) 上記掻き寄せ体の全体又は少なくとも清掃対象部に接する先端縁から基部に向かう部分がエラストマー製である上記(4)記載の清掃具。
【0014】
(7) 上記ローラ支持部は、第1カバー体と第2カバー体を有するものであり、
第2カバー体は、第1カバー体により第1軸線のまわりに回動可能に支持され且つ上記粘着ローラを第1軸線と平行な第2軸線のまわりに回転自在に支持し、更に上記掻き寄せ体を有し、
第1カバー体と第2カバー体は、前記粘着ローラを収容するローラ収容部を構成するものであり、
第2カバー体は、第1カバー体に対する回動により、前記粘着ローラが下方に突出し且つその粘着ローラの前側又は後側において前記掻き寄せ体が下方に突出する清掃位置と、前記掻き寄せ体を上方に移動させると共に前記粘着ローラをローラ収容部内に収容する収容位置とをとり得、
第2カバー体を清掃位置に位置させ、清掃対象部に対する傾斜角を調整することにより、前記掻き寄せ体が清掃対象部に接する状態と、前記粘着ローラが清掃対象部に接する状態を、自在に変換することができるものである上記(1)乃至(3)の何れか1項に記載の清掃具。
【発明の効果】
【0015】
本発明の清掃具によれば、粘着ローラの外周面が清掃対象部に接することなく清掃対象部に臨むと共に掻き寄せ体が清掃対象部に接して清掃除去対象物を掻き寄せ得る掻き寄せ状態と、清掃対象部に臨む状態であった前記粘着ローラの外周面が清掃対象部に接して清掃除去対象物を粘着除去し得、前記掻き寄せ体が清掃対象部に接しない粘着清掃状態とを自在に変換して清掃を行い得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】掻き寄せ用ブレード使用状態の清掃具の左側面図である。
図2】粘着ローラ使用状態の清掃具の左側面図である。
図3】使用状態の清掃具の正面側斜視図である。
図4】使用状態の清掃具の背面側斜視図である。
図5】掻き寄せ用ブレードの(a)背面側拡大斜視図及び(b)拡大左側面図である。
図6】収納状態の清掃具の正面側斜視図である。
図7】収納状態の清掃具の背面側斜視図である。
図8】別の掻き寄せ用ブレードの(a)背面側拡大斜視図及び(b)拡大左側面図である。
図9】更に別の掻き寄せ用ブレードの(a)背面側拡大斜視図及び(b)拡大左側面図である。
図10】更に別の掻き寄せ用ブレードの(a)背面側拡大斜視図及び(b)拡大左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[1] 本発明の実施の形態の例としての清掃具について、図面を参照しつつ説明する。
【0018】
図1乃至7は、本発明の実施の形態の一例としての清掃具に関するものである。
【0019】
(1) この清掃具は、主に、第1カバー体10と第2カバー体12により構成されるローラ支持部14(回転体支持体)、保持手段としての支持筒部16、粘着ローラ18、及び合成ゴム製の掻き寄せ用ブレード40(掻き寄せ体)からなる。ローラ支持部14、支持筒部16、及び掻き寄せ用ブレード40は被操作部を構成する。
【0020】
この清掃具は、粘着ローラ18と、その粘着ローラ18を回転自在に支持するローラ支持部14を備えてなり、
ローラ支持部14は、第1カバー体10と第2カバー体12を有する。
【0021】
第2カバー体12は、第1カバー体10により第1軸線のまわりに回動可能に支持され且つ粘着ローラ18を第1軸線と平行な第2軸線のまわりに回転自在に支持し、更に掻き寄せ用ブレード40(掻き寄せ体)を有する。
【0022】
これらの第1カバー体10と第2カバー体12は、粘着ローラ18を収容するローラ収容部22を構成するものであり、
第2カバー体12は、第1カバー体10に対する回動により、
粘着ローラ18が下方に突出し且つその粘着ローラ18の前側又は後側において掻き寄せ用ブレード40が下方に突出する清掃位置と、
掻き寄せ用ブレード40を上方に移動させると共に粘着ローラ18をローラ収容部22内に収容する収容位置とをとり得る。
【0023】
第2カバー体12を清掃位置に位置させ、清掃対象部に対する傾斜角を調整することにより、掻き寄せ用ブレード40が清掃対象部に接する状態と、粘着ローラ18が清掃対象部に接する状態を自在に変換することができる。
【0024】
この清掃具の清掃対象部は、主に、各種カーペットの表側部であるが、これに限るものではない。
【0025】
(2) 粘着ローラ18は、清掃対象部上で回転させつつ移動させて清掃対象部に存在し得る清掃除去対象物(塵埃、動物や人の毛、繊維等)を粘着除去するためのものである。
【0026】
この清掃具における粘着ローラ18は、1枚ずつ剥離可能な多数の粘着シート層を外周部に有するものであり、使用により塵埃等を十分に粘着除去し得なくなった場合などの必要に応じ、粘着シート層を剥離させて新しい粘着シート層を露出させる。
【0027】
(3) 第1カバー体10は、上板部10a、両第1カバー側板部10b、及び背板部10cからなる合成樹脂製の殻状体であり、第2カバー体12は、底板部12a、両第2カバー側板部12b、及び前板部12cからなる合成樹脂製の殻状体である。
【0028】
(4) 第1カバー体10の上板部10aには、上端開口の略円筒形状の支持筒部16が上向きに突設されている。この支持筒部16は、そのまま把手(保持手段)として使用し得ると共に、柄(図示を略す)の先端部を挿入して連結して使用することもできる。支持筒部16の端部側壁には透孔16aが設けられており、柄等の先端部に出没自在に設けた脱落防止突部を透孔16aに嵌合させることにより、支持筒部16が柄から離脱することを防ぐことができる。
【0029】
(5) 第2カバー体12は、左右の両第2カバー側板部12bにおいて、左右両第1カバー側板部10bに対し左右の回動ピン25により左右方向の軸線(第1軸線)のまわりに回動自在に支持されている。
【0030】
また中空の粘着ローラ18に挿通した芯軸20の両端部が、第2カバー体12の両第2カバー側板部12bにより着脱可能に支持されることにより、粘着ローラ18は、その約270度の中心角にわたる部分が第2カバーから突出した状態で第2カバー体12により第1軸線と平行な第2軸線のまわりに回転自在に支持されている。
【0031】
(6) 第2カバー体12は、第1カバー体10と共に、粘着ローラ18を収容するローラ収容部22を構成する。粘着ローラ18は、ローラ収容部22の内面に接しない状態で第2カバー体12に回転自在に支持されてローラ収容部22に収容され得る。
【0032】
図6に示す状態において、第2カバー体12の前板部12cの上部は、後方に向かって上向きに傾斜した傾斜部12c1に構成されており、傾斜部12c1の上端縁には、合成ゴム製の掻き寄せ用ブレード40の基部が結合している。
【0033】
掻き寄せ用ブレード40は、清掃対象部に接しつつ移動することにより、清掃対象部に存在し得る清掃除去対象物を掻き寄せるためのものであり、掻き寄せた清掃除去対象物を粘着ローラ18により粘着除去することにより、粘着ローラ18を効率的に用いる(粘着外周面の使用率を低く抑え、粘着外周面を長持ちさせる)ことを可能とするものである。
【0034】
掻き寄せ用ブレード40は、先端縁40aが下端に位置する図5に示されるように、基部から先端縁40aに向かって横断面が略楔状であり、直線に沿った板状をなす。掻き寄せ用ブレード40の先端縁40aは、粘着ローラ18の回転軸線に対し平行な直線状をなす。掻き寄せ用ブレード40の先端縁40a近傍部の表裏何れかの面(図1乃至4においては背面側、図6においては正面側に表れている)には、清掃対象部に存在し得る清掃除去対象物を掻き寄せる効果を向上させるために、V字状(必ずしもV字状に限らず、全てが同じ形状であることを要しない)をなす複数本の溝40bが先端縁40aに対し平行状に互いに隣接して設けられている。なお、掻き寄せ用ブレード40の他の例として、図8の例では、V字状(必ずしもV字状に限らず、全てが同じ形状であることを要しない)に突起した複数本のリブが先端縁40aに対し平行状に互いに隣接して設けられており、図9の例では、円柱状(必ずしも円柱状に限らず、全てが同じ形状であることを要しない)の多数の突起の列が先端縁40aに対し平行状に互いに隣接して設けられており、図10の例では、V字状に突起した2本のリブが先端縁40aに対し平行状に設けられ、両者の間に平行状に、円柱状(必ずしも円柱状に限らず、全てが同じ形状であることを要しない)の多数の突起の列が設けられている。
【0035】
傾斜部12c1の中央部には、略U字形状の持ち手24が、その両端部において回動可能に支持されている。また第1カバー体10の背板部10cの外面下部中央には、持ち手24を掛止し得る横長の掛止突部26が設けられている。
【0036】
(7) 第2カバー体12は、第1カバー体10に対する回動により、
図6及び図7に示すように、粘着ローラ18をローラ収容部22内に収容すると共に先端縁40aが上向きの掻き寄せ用ブレード40が上方に移動して第1カバー体10の正面上部を塞いだ状態の収容位置と、
図1乃至4に示すように、支持筒部16が上方に位置する場合において、粘着ローラ18が下方に突出すると共に、先端縁40aが下向きの掻き寄せ用ブレード40が粘着ローラ18の背面側において下方に突出した状態の清掃位置とをとり得る。
【0037】
図1図2及び図4に示されるように持ち手24を第1カバー体10の背板部10cの掛止突部26に掛止させれば、第2カバー体12が清掃位置に位置した状態で第2カバー体12を第1カバー体10に対し固定することができる。これによって、粘着ローラ18と清掃対象部との間に作用する粘着力により、或いは、掻き寄せ用ブレード40の先端縁40aと清掃対象部との間に作用する摩擦力により、第2カバー体12が第1カバー体10に対し回動しようとすることを防いで、円滑な清掃作業を確実に実現することができる。
【0038】
(8) 支持筒部16などの被操作部に対する使用者の操作によって、
粘着ローラ18を清掃対象部上で回転させつつ粘着ローラ18の回転軸線に対し概ね直交する方向である前後方向に移動させて清掃対象部に存在し得る清掃除去対象物を粘着除去しつつ清掃すること;
粘着ローラ18の回転による移動方向を変えること;
清掃対象部に対する被操作部の傾斜角を変えて、掻き寄せ用ブレード40が清掃対象部に接しつつ移動することにより、清掃対象部に存在し得る清掃除去対象物を掻き寄せ、粘着ローラ18は清掃対象部に接することなく清掃対象部に臨むものとすること;
清掃対象部に対する被操作部の傾斜角を変えて、粘着ローラ18が清掃対象部に接しつつ移動することにより清掃対象部に存在し得る清掃除去対象物を粘着除去し、掻き寄せ用ブレード40が清掃対象部に接しないものとすることなどが可能である。
【0039】
[2] 本発明の実施の形態を、上記以外の形態を含めて更に説明する。
【0040】
本発明の清掃具は、清掃用の粘着ローラと、その粘着ローラを回転自在に支持するローラ支持部と、前記ローラ支持部を含み前記粘着ローラを含まない被操作部を備える。被操作部には掻き寄せ体を有する。
【0041】
(1) 清掃用の粘着ローラ
【0042】
使用者が被操作部に対し操作を行うことにより、被操作部のローラ支持部により回転自在に支持された粘着ローラを、清掃対象部上で回転させつつ当該粘着ローラの回転軸線に対し概ね直交する方向に前後移動(前方のみ又は後方のみ移動させて使用することもできる)させて当該清掃対象部に存在し得る清掃除去対象物を粘着除去しつつ清掃し得る。
【0043】
清掃用の粘着ローラとしては、外周面部に粘着部を有するものを用いることができる。粘着ローラの例としては、1枚ずつ剥離可能な複数の、好ましくは多数の粘着シート層を外周部に有するローラを挙げることができる。
【0044】
(2) 清掃対象部
【0045】
清掃対象部としては、例えば、各種カーペット等(特にその表側部)を挙げることができるが、これに限るものではない。
【0046】
(3) ローラ支持部
【0047】
ローラ支持部は、粘着ローラを回転自在に支持するものである。ローラ支持部は、被操作部に含まれる。
【0048】
(4) 被操作部
【0049】
被操作部は、ローラ支持部を含み、粘着ローラを含まない。
【0050】
被操作部における、粘着ローラの前後何れか又は両方に、清掃対象部に接しつつ移動することにより、清掃対象部に存在し得る清掃除去対象物を掻き寄せるための掻き寄せ体を有する。
【0051】
被操作部に対する使用者の操作によって、例えば、
i) 粘着ローラを清掃対象部上で回転させつつ概ね前後方向に移動させること;
ii) 粘着ローラの回転による移動方向を変えること;
iii) 清掃対象部に対する被操作部の傾斜角を変えて、掻き寄せ体が清掃対象部に接し、粘着ローラは清掃対象部に接することなく清掃対象部に臨むものとすること;
iv) 清掃対象部に対する被操作部の傾斜角を変えて、粘着ローラが清掃対象部に接し、掻き寄せ体が清掃対象部に接しないものとすること
などが可能である。iii)の清掃対象部に対する被操作部の傾斜角とiv)の清掃対象部に対する被操作部の傾斜角の角度差は、例えば、45度乃至120度程度とすることができるが、90度以下、60度以下、又は45度以下とすることができ、例えば20度以上又は30度以上とすることができる。
【0052】
被操作部には、例えば、使用者が操作するための把手部、柄部、又は柄部を例えば着脱可能に取り付けるための取付部等の保持手段を有するものとすることができる。
【0053】
(5) 掻き寄せ体
【0054】
被操作部における、粘着ローラの前後何れか又は両方(粘着ローラの回転軸線に対し直交する方向である前後方向[或いは正面側及び背面側]における何れか一方の側又は両方の側)に、清掃対象部に接しつつ移動することにより、清掃対象部に存在し得る清掃除去対象物を掻き寄せるための掻き寄せ体を有する。
【0055】
掻き寄せ体の例としては、清掃対象部に対し用いる際に清掃対象部に接し得る部分(例えば清掃対象部に接する端縁)が直線に沿ったもの、好ましくは粘着ローラの回転軸線に平行な直線に沿ったものを挙げることができるが、これに限るものではない。
【0056】
掻き寄せ体の全体的な形状の例としては、ブレード状をなし、その先端縁(例えば直線状をなす端縁に沿った先端縁)が清掃対象部に接するように使用するものを挙げることができるが、これに限るものではなく、ブラシ状又は櫛状とすることもできる。
【0057】
また、掻き寄せ体がブレード状をなすものである場合又はその他の場合、例えば、全体又は少なくとも清掃対象部に接する先端縁から基部に向かう部分が例えば合成樹脂、合成ゴム等のエラストマー又はその他の弾力性のある材料からなるものとすることができる。
【0058】
掻き寄せ体の例としては、少なくとも清掃対象部に対し用いる際に清掃対象部に接する部分(例えば清掃対象部に接する先端縁又は先端縁を含む部分。もし清掃対象部に接する部分に前後両側部がある場合はその一方又は両方。)に、掻き寄せ効果を向上させるために、
ブレード状をなす先端縁(又はその他の清掃対象部に接する部分)の少なくとも近傍部の一方又は両方の面に、
i) 前記先端縁に対し平行状をなす1若しくは2以上の溝状部、
ii) 前記先端縁に対し平行状をなす1若しくは2以上のリブ、及び、
iii) 多数の突起部
のうち何れか1つ又は2つ或いはi)、ii)及びiii) 全てを有するものとすることができる。
【符号の説明】
【0059】
10 第1カバー体
10a 上板部
10b 第1カバー側板部
10c 背板部
12 第2カバー体
12a 底板部
12b 第2カバー側板部
12c 前板部
12c1 傾斜部
14 ローラ支持部
16 支持筒部
16a 透孔
18 粘着ローラ
20 芯軸
22 ローラ収容部
24 持ち手
25 回動ピン
26 掛止突部
40 掻き寄せ用ブレード
40a 先端縁
40b 溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10