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特開2024-68186信号をサンプリングして、検出可能範囲を超える目標周波数において情報を導出するシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068186
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】信号をサンプリングして、検出可能範囲を超える目標周波数において情報を導出するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 13/931 20200101AFI20240510BHJP
   G06F 3/05 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
G01S13/931
G06F3/05 321Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023188691
(22)【出願日】2023-11-02
(31)【優先権主張番号】17/980,854
(32)【優先日】2022-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】田所 幸浩
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AB24
5J070AC02
5J070AE01
5J070AF03
5J070AH31
5J070AH35
(57)【要約】
【課題】信号をサンプリングして、物理現象を活用することによって検出可能範囲の外側の目標周波数から情報を導出するシステム及び方法を提供すること。
【解決手段】一実施形態では、本方法は、発振器を有する検出器によって、サンプリング時間で信号をサンプリングして目標周波数を取得することを含み、サンプリング時間は、ランダムジッタに対応付けられるオフセットを有し、目標周波数は、サンプリング時間についての検出可能範囲の外側にある。当該方法はまた、離散フーリエ変換(DFT)を使用して、信号の成分周波数についてサンプリング時間に対応付けられるサンプル平均を計算することを含む。当該方法はまた、サンプル平均が、目標周波数についての閾値を満たしたことに応じて、成分周波数のうちの1つにおいて目標周波数について検出器によって情報を抽出することを含む。当該方法はまた、当該情報を使用してデバイスの制御を修正することを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンバータシステムであって、
プロセッサと、
命令を記憶するメモリと、
を備え、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
発振器を有する検出器によって、サンプリング時間で信号をサンプリングして目標周波数を取得させ、前記サンプリング時間は、ランダムジッタに対応付けられるオフセットを有し、前記目標周波数は、前記サンプリング時間についての検出可能範囲の外側にあり、
離散フーリエ変換(DFT)を使用して、前記信号の成分周波数について前記サンプリング時間に対応付けられるサンプル平均を計算させ、
前記サンプル平均が、前記目標周波数についての閾値を満たしたことに応じて、前記成分周波数のうちの1つにおいて前記目標周波数について前記検出器によって情報を抽出させ、
前記情報を使用してデバイスの制御を修正させる、
コンバータシステム。
【請求項2】
前記情報を抽出する前記命令は、所定の時間枠内で前記閾値を超える前記サンプル平均を有する前記成分周波数、及び前記閾値未満の前記サンプル平均を有する信号成分に対応付けられるオブジェクト反射のうちの1つにおいて変調データを抽出することを更に含む、請求項1に記載のコンバータシステム。
【請求項3】
前記成分周波数及び前記目標周波数のうちの少なくとも1つに応じて前記所定の時間枠を変更する命令を更に含む、請求項2に記載のコンバータシステム。
【請求項4】
電気回路によって、前記信号の前記目標周波数及びナイキスト周波数に応じて、前記発振器についての前記ランダムジッタを生成する命令を更に含む、請求項2に記載のコンバータシステム。
【請求項5】
前記目標周波数は、前記サンプリング時間のサンプリング周波数に対応付けられるナイキスト周波数の外側である、請求項1に記載のコンバータシステム。
【請求項6】
前記発振器によって、前記サンプリング時間の間に前記ランダムジッタを生成する命令を更に含み、前記発振器は、アナログ-デジタルコンバータ(ADC)に対応付けられる水晶発振器であって、前記水晶発振器の材料特性は、前記ランダムジッタをもたらす、請求項1に記載のコンバータシステム。
【請求項7】
前記閾値は、前記成分周波数の期待値を要因として含み、前記期待値は、非線形の特徴を有する、請求項1に記載のコンバータシステム。
【請求項8】
前記検出器は、レーダシステムに対応付けられており、前記デバイスは、車両の長手方向の制御に関する電子制御ユニット(ECU)である、請求項1に記載のコンバータシステム。
【請求項9】
命令を備える非一時的コンピュータ可読媒体であって、
前記命令は、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
発振器を有する検出器によって、サンプリング時間で信号をサンプリングして目標周波数を取得させ、前記サンプリング時間は、ランダムジッタに対応付けられるオフセットを有し、前記目標周波数は、前記サンプリング時間についての検出可能範囲の外側にあり、
離散フーリエ変換(DFT)を使用して、前記信号の成分周波数について前記サンプリング時間に対応付けられるサンプル平均を計算させ、
前記サンプル平均が、前記目標周波数についての閾値を満たしたことに応じて、前記成分周波数のうちの1つにおいて前記目標周波数について前記検出器によって情報を抽出させ、
前記情報を使用してデバイスの制御を修正させる、
非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記情報を抽出する前記命令は、所定の時間枠内で前記閾値を超える前記サンプル平均を有する前記成分周波数、及び前記閾値未満の前記サンプル平均を有する信号成分に対応付けられるオブジェクト反射のうちの1つにおいて変調データを抽出することを更に含む、請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記成分周波数及び前記目標周波数のうちの少なくとも1つに応じて前記所定の時間枠を変更する命令を更に含む、請求項10に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
電気回路によって、前記信号の前記目標周波数及びナイキスト周波数に応じて、前記発振器についての前記ランダムジッタを生成する命令を更に含む、請求項10に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記発振器によって、前記サンプリング時間の間に前記ランダムジッタを生成する命令を更に含み、前記発振器は、アナログ-デジタルコンバータ(ADC)に対応付けられる水晶発振器であって、前記水晶発振器の材料特性は、前記ランダムジッタをもたらす、請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
発振器を有する検出器によって、サンプリング時間で信号をサンプリングして目標周波数を取得することであって、前記サンプリング時間は、ランダムジッタに対応付けられるオフセットを有し、前記目標周波数は、前記サンプリング時間についての検出可能範囲の外側にある、ということと、
離散フーリエ変換(DFT)を使用して、前記信号の成分周波数について前記サンプリング時間に対応付けられるサンプル平均を計算することと、
前記サンプル平均が、前記目標周波数についての閾値を満たしたことに応じて、前記成分周波数のうちの1つにおいて前記目標周波数について前記検出器によって情報を抽出することと、
前記情報を使用してデバイスの制御を修正することと、
を含む、方法。
【請求項15】
前記情報を抽出することは、所定の時間枠内で前記閾値を超える前記サンプル平均を有する前記成分周波数、及び前記閾値未満の前記サンプル平均を有する信号成分に対応付けられるオブジェクト反射のうちの1つにおいて変調データを抽出することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記成分周波数及び前記目標周波数のうちの少なくとも1つに応じて前記所定の時間枠を変更することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
電気回路によって、前記信号の前記目標周波数及びナイキスト周波数に応じて、前記発振器についての前記ランダムジッタを生成することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記目標周波数は、前記サンプリング時間のサンプリング周波数に対応付けられるナイキスト周波数の外側である、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記発振器によって、前記サンプリング時間の間に前記ランダムジッタを生成することを更に含み、前記発振器は、アナログ-デジタルコンバータ(ADC)に対応付けられる水晶発振器であって、前記水晶発振器の材料特性は、前記ランダムジッタをもたらす、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記閾値は、前記成分周波数の期待値を要因として含み、前記期待値は、非線形の特徴を有する、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載される主題は概して、信号をサンプリングして情報を導出することに関し、より具体的には、信号をサンプリングして検出可能範囲の外側の目標周波数から情報を導出することに関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品は、様々な用途でアナログ信号及びデジタル信号を処理する。例えば、車両におけるレーダシステムは、ミリ波の反射を使用して周囲の車両までの距離を測定する。また、無線周波数(RF)システムは、様々な周波数における無線通信についてデジタル情報を有するアナログ信号を変調し得る。これらの用途において信号を受信するシステムは、特定の周波数において信号をサンプリングして、周波数成分に存在する情報を検出する。例えば、RFシステムにおけるアナログ-デジタルコンバータ(ADC)は、信号をサンプリングし、車両における送信システムによって独自に変調されたデジタルビットを検出する。
【0003】
様々な実装態様では、ADCを使用したシステムは、離散サンプルを通じてナイキスト周波数未満の信号から周波数成分を検出する。信号処理において、ナイキスト周波数は、サンプリングレートの約半分であって、システムがエイリアシングの干渉なく情報を回収するための周波数範囲を定める。ここで、エイリアシングは、周波数範囲の外側の信号周波数を区別不可能にする、サンプリングによる歪みである。サンプリングと共に、システムは、離散情報のフーリエ成分から代替的な表現を導出する離散フーリエ変換(DFT)を使用してサンプリング信号を処理する。しかしながら、情報を有する周波数範囲の外側の周波数成分は、ナイキスト周波数及び関連のエイリアシング効果に伴う制約により、当該システムにおいて検出されない状態であり得る。更に、エイリアシングを抑制するように調整された回路を有するシステムは、デバイスの複雑性及びコストを増加させる。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、システム及び方法は、信号をサンプリングして、物理現象を活用することによって検出可能範囲の外側の目標周波数から情報を導出することに関する。様々な実装態様では、信号をサンプリングして、レーダ、無線通信などについての情報を検出するシステムは、エイリアシング効果による問題に直面している。例えば、車両レーダは、ナイキスト周波数の外側のオブジェクト(例えば、近くの車両)における散乱信号から周波数成分を検出することができない。したがって、車両は、特定の周波数における検出不可能な反射信号からオブジェクトを誤認識し得る。したがって、一実施形態では、コンバータシステムは、信号をサンプリングし、既存のハードウェアを使用したランダムジッタ及びノイズを活用することによってナイキスト周波数の外側の目標周波数から情報を抽出する。特に、コンバータシステムは、信号の周波数範囲を拡張し、サンプリング限界を超える目標周波数を検出する。コンバータシステムは、発振器によって生成されるランダムジッタを有するサンプリング時間の変動を処理することによって、これを達成する。あるアプローチでは、コンバータシステムは、離散フーリエ変換(DFT)を使用して、サンプリング時間のサンプル平均を計算する。ここで、コンバータシステムは、振幅パワーが閾値(例えば、期待されるパワーレベル)を満たす場合に、検出可能な周波数範囲内で観測することによって、ナイキスト周波数よりも大きい目標周波数から情報を検出し得る。レーダシステムは、例えば、前に検出不可能であった目標周波数においてオブジェクトを検出するために知覚システムを用いて当該情報を利用する。したがって、コンバータシステムは、既存のハードウェアを使用したランダムジッタを用いたサンプリングにより検出可能範囲を拡大することによって、周波数の検出を改善する。
【0005】
一実施形態では、物理現象を活用することによって検出可能範囲の外側の目標周波数から情報を導出するために信号をサンプリングするコンバータシステムが開示される。コンバータシステムは、命令を記憶するメモリを含み、当該命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに対して、発振器を有する検出器によって、サンプリング時間で信号をサンプリングして目標周波数を取得させ、サンプリング時間は、ランダムジッタに対応付けられるオフセットを有し、目標周波数は、サンプリング時間についての検出可能範囲の外側にある。当該命令はまた、DFTを使用して、信号の成分周波数についてサンプリング時間に対応付けられるサンプル平均を計算する命令を含む。当該命令はまた、サンプル平均が、目標周波数についての閾値を満たしたことに応じて、成分周波数のうちの1つにおいて目標周波数について検出器によって情報を抽出する命令を含む。当該命令はまた、当該情報を使用してデバイスの制御を修正する命令を含む。
【0006】
一実施形態では、信号をサンプリングして、物理現象を活用することによって検出可能範囲の外側の目標周波数から情報を導出する非一時的コンピュータ可読媒体であって、プロセッサによって実行されるとプロセッサに対して1つ以上の機能を行わせる命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体が開示される。当該命令は、発振器を有する検出器によって、サンプリング時間で信号をサンプリングして目標周波数を取得する命令を含み、サンプリング時間は、ランダムジッタに対応付けられるオフセットを有し、目標周波数は、サンプリング時間についての検出可能範囲の外側にある。当該命令はまた、DFTを使用して、信号の成分周波数についてサンプリング時間に対応付けられるサンプル平均を計算する命令を含む。当該命令はまた、サンプル平均が、目標周波数についての閾値を満たしたことに応じて、成分周波数のうちの1つにおいて目標周波数について検出器によって情報を抽出する命令を含む。当該命令はまた、当該情報を使用してデバイスの制御を修正する命令を含む。
【0007】
一実施形態では、信号をサンプリングして、物理現象を活用することによって検出可能範囲の外側の目標周波数から情報を導出する方法が開示される。一実施形態では、当該方法は、発振器を有する検出器によって、サンプリング時間で信号をサンプリングして目標周波数を取得することを含み、サンプリング時間は、ランダムジッタに対応付けられるオフセットを有し、目標周波数は、サンプリング時間についての検出可能範囲の外側にある。当該方法はまた、DFTを使用して、信号の成分周波数についてサンプリング時間に対応付けられるサンプル平均を計算することを含む。当該方法はまた、サンプル平均が、目標周波数についての閾値を満たしたことに応じて、成分周波数のうちの1つにおいて目標周波数について検出器によって情報を抽出することを含む。当該方法はまた、当該情報を使用してデバイスの制御を修正することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書において援用され本明細書の一部を構成する添付図面は、本開示の様々なシステム、方法、及び他の実施形態を示す。図において示される要素の境界(例えば、ボックス、ボックスのグループ、又は他の形状)は、境界の一実施形態を表すことが理解されるであろう。一部の実施形態では、1つの要素は、複数の要素として設計されてもよく、又は複数の要素は、1つの要素として設計されてもよい。一部の実施形態では、別の要素の内部構成要素として示される要素は、外部構成要素として実装されてもよく、逆もまた同様である。更に、要素は、縮尺通りに描かれていない場合がある。
【0009】
図1】信号をサンプリングして検出可能範囲の外側の目標周波数から情報を導出することに関連するコンバータシステムの一実施形態を示す図である。
図2】検出可能範囲の外側のサンプリング信号を検出するために離散フーリエ変換(DFT)を使用するコンバータシステムの一実施形態を示す図である。
図3A】周波数範囲の外側での検出に関する信号サンプリングの間にランダムジッタを活用したコンバータシステムの例を示す図である。
図3B】周波数範囲の外側での検出に関する信号サンプリングの間にランダムジッタを活用したコンバータシステムの例を示す図である。
図4】信号をサンプリングして検出可能範囲の外側の成分周波数及び目標周波数から情報を導出することに関連する方法の一実施形態を示す図である。
図5】コンバータシステムを車両に実装して検出可能範囲の外側の信号を検出する例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
信号をサンプリングして、物理現象を活用することによって検出可能範囲の外側の目標周波数から情報を導出するシステム、方法、及び他の実施形態が本明細書に開示される。様々な実装態様では、信号をサンプリングして成分周波数から情報を導出するシステムにおいて、ノイズ及び好ましくないエイリアシングの干渉が生じる。例えば、車両システムは、サンプリング中、エイリアシング効果によりナイキスト周波数の外側の成分周波数を確実に検出することは可能でない。したがって、車両システムは、情報(例えば、車両対車両(V2V)データ)を抽出できず、これにより、システムの堅牢性、安全性などが低減される。したがって、一実施形態では、コンバータシステムは、信号をサンプリングし、発振器(例えば、水晶発振器)の非線形性を活用してハードウェア修正を回避することによって検出不可能範囲の外側の成分周波数を取得する。あるアプローチでは、検出不可能範囲は、ナイキスト周波数に関するものであって、サンプリング時間は、アナログ-デジタルコンバータ(ADC)からのランダムジッタに対応付けられるオフセットを有する。更に、コンバータシステムは、離散フーリエ変換(DFT)を使用して、信号のサンプリング時間及び成分周波数に対応付けられるサンプル平均を計算する。コンバータシステムは、サンプル平均が閾値を満たす場合に、成分周波数及び他の周波数についての情報(例えば、V2Vデータ)を抽出する。ここで、閾値は、確率モデルに対応付けられる成分周波数の予想振幅であり得る。したがって、コンバータシステムは、検出可能範囲及び検出不可能範囲内の成分周波数から情報を抽出し、それによって、システムの堅牢性及び性能を改善する。
【0011】
様々な実装態様では、コンバータシステムは、DFTを使用して、閾値を超える所定の時間枠内のサンプル平均を通じて検出可能な成分周波数から変調データを抽出する。また、コンバータシステムは、閾値未満のサンプル平均を有するナイキスト周波数を超える検出不可能な周波数成分から他の情報を抽出する。このように、コンバータシステムは、検出可能な周波数ポイントにおいて、検出不可能な周波数成分から情報を抽出する。更に、所定の時間枠は、閾値に対して振幅値を増加させることによって、検出を改善するために変化し得る。したがって、コンバータシステムは、信号処理及び物理特性の活用を通じて検出不可能な周波数成分を検出することによってシステム性能を改善し、それによって、ハードウェア修正を回避する。
【0012】
図1を参照すると、信号をサンプリングして検出可能範囲の外側の目標周波数から情報を導出することに関連するコンバータシステム100の一実施形態が示されている。図示の簡略化及び明確化を目的として、対応する要素又は類似の要素を示すために異なる図の間で参照番号が適宜繰り返されていることを理解されたい。加えて、説明は、本明細書に記載される実施形態の充分な理解を提供するために、多くの具体的な詳細を概説する。しかしながら、当業者は、当該要素の様々な組合せを使用して本明細書に記載される実施形態が実施され得ることを理解するであろう。いずれの場合も、コンバータシステム100は、既存のハードウェアに関する検出可能範囲の外側の目標周波数から情報を導出することによって信号のサンプリングを改善することに関して本明細書に開示されるような方法及び他の機能を行うように実装される。
【0013】
コンバータシステム100は、プロセッサ110を含むものとして示される。一実施形態では、コンバータシステム100は、サンプリングモジュール130を記憶するメモリ120を含む。メモリ120は、サンプリングモジュール130を記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、又は他の好適なメモリである。サンプリングモジュール130は、例えば、プロセッサ110によって実行されるとプロセッサ110に対して本明細書に開示される様々な機能を行わせるコンピュータ可読命令である。
【0014】
更に、一実施形態では、コンバータシステム100は、データストア140を含む。一実施形態では、データストア140は、データベースである。一実施形態では、データベースは、メモリ120又は別のデータストアに記憶される電子データ構造であって、記憶されたデータの分析、記憶されたデータの提供、記憶されたデータの編成などのためにプロセッサ110によって実行され得るルーチンで構成されている。したがって、一実施形態では、データストア140は、様々な機能を実行する際にサンプリングモジュール130によって使用されるデータを記憶する。一実施形態では、データストア140は、コンバータシステム100のADCによって使用されるサンプリング周波数150を含む。ここで、ナイキスト周波数は、サンプリング周波数150の半分の範囲内であり得る。信号処理において、ナイキスト周波数は、サンプリングレートの約半分であって、コンバータシステム100がエイリアシングを伴うことなく信号を取得するための周波数範囲を定める。
【0015】
更に、コンバータシステム100は、用途に応じてサンプリング周波数150を選択する。例えば、サンプリング周波数150は、ハードウェア又は発振器能力により15MHzであり得る。したがって、10MHzチャネルを使用してデジタル通信から情報を抽出するADCにおいて、7.5MHzのナイキスト周波数を超えるエイリアシング効果を伴うデータを生じる。以後の例では、コンバータシステム100は、信号処理及びハードウェア現象を活用して、エイリアシング効果を回避しつつ、当該検出不可能範囲における成分周波数を検出する。
【0016】
依然、図1を参照して、一実施形態では、サンプリングモジュール130は、プロセッサ110に対して、128Hzのサンプリング周波数fを使用して信号を検出させる命令を含む。以下で説明されるように、コンバータシステム100は、28Hz、100Hz、156Hz、及び228Hzに等しい成分周波数を有する信号を処理し得る。信号は、成分周波数が、共通周波数において高められる振幅スペクトルを有するように処理される。特に、コンバータシステム100は、検出不可能な周波数についてDFTの折り返し効果及び繰り返し周波数を活用し得る。この点に関して、図2は、DFTを使用して、検出可能範囲の外側でサンプリング信号を検出し、エイリアシング効果も回避するコンバータシステム100の一実施形態を示す。
【0017】
ここで、図2を参照して、入力信号s(t)は、Acos2πftとして表される場合があって、サンプリング周波数f=1/Tであって、Tは、サンプリング間隔である。サンプリングの後の列s[n]=s(t=nT+Δt)として表され、バッファ210内のコンバータシステム100によって記憶され得る。ここで、信号300によって図3Aに示されるように、nは、N個のサンプルについての(0、...、N-1)のサンプリングインデックス変数である。オフセット310によって示されるように、サンプリング時間nT+Δtは、ランダムジッタにより変動し得る。例えば、ランダムジッタは、Δt~N(0,σ)であるようなガウス分布に従い、σは分散である。物理現象は、ランダムジッタをもたらし得る。例えば、サンプリングのためにADCによって使用される水晶発振器の材料特性又は欠陥は、異常な温度を受ける場合にランダムジッタをもたらし得る。あるアプローチでは、コンバータシステム100は、サンプリング時間についてオフセットを意図的に導入し、電気回路(例えば、ノイズ生成器)を使用してランダムジッタをもたらす。電気回路は、コンバータシステム100の既存の構成要素(例えば、クロック生成器)を使用してもよく、それによって、ハードウェアのコストが低減する。このように、以下で説明されるように、コンバータシステム100は、既存のハードウェアを使用して、ナイキスト周波数に対応付けられる検出可能範囲の外側の成分周波数を検出し、エイリアシング効果を回避する。
【0018】
あるアプローチでは、DFT220は、周波数領域の表現を計算するためにN個のサンプルの入力信号を使用する。DFT220は、f/2の外側で検出器230が検出する成分周波数C[k](k=0、1、...、N-1)を出力する。図3Bに示されるように、一実施形態では、検出器230は、期待値を計算して、目標周波数及び成分周波数を有する信号周波数を取得する。コンバータシステム100は、期待値を導出し得るか、又は以下のような成分周波数の最大尤度を推定し得る。離散化の後における信号300のN個のサンプルについての成分周波数は、以下のように与えられる。
【数1】
ここで、α=f/fであって、kは、信号300の離散化周波数k*f/Nに対応付けられる。また、コンバータシステム100は、システム用途(例えば、量子センシング、無線送信など)に応じてk=N/α及びk=(N-N/α)を設定し得る。
【0019】
更に、少なくとも1つのアプローチでは、コンバータシステム100は、成分周波数k及びkについて以下の計算を行う。
【数2】
【数3】
ここで、C[k]は、C[k]がC[k]とほぼ等しくなるようなC[k]の折り返し成分を表し得る。コンバータシステム100は、ジッタの列Δt、Δt、...、Δtが与えられると、成分周波数について期待値を計算する。あるアプローチでは、これらのジッタ値は、確率変数である。したがって、それぞれp(X)及びp(X,X)による確率変数Xの確率密度関数並びに確率変数X及びXの結合確率は、以下のように表される。
【数4】
【0020】
式(4)では、n=1、2、...、NについてのΔtは、独立同分布確率変数の特性を示す。式(4)の積分に関する特性関数は、以下のように表され得る。
【数5】
これにより、式(4)は、以下の表現に低減される。
【数6】
同様に、コンバータシステム100は、以下のようにkの期待値を計算し得る。
【数7】
分散に関して、コンバータシステム100は、σ=0.1T及びσ=0.1Tを適用することによってランダムジッタにおける分散を観測し得る。例えば、振幅A=1.0、サンプリング周波数f=128Hz、DFTサイズN=128、及び正規化2π/Nでの信号周波数fについてのDFTは、Δtのランダムジッタを含んで以下のように計算され得る。
【数8】
【0021】
更に、一実施形態では、コンバータシステム100は、ランダム分布N(0,σ)及び固定のサンプル平均(例えば、NDFT=100)を使用して振幅を計算する。本アプローチでは、コンバータシステム100は、信号周波数が増加するにつれてE[C[k]]の期待値が減少して最終的にゼロになることを計算する。ここで、Cは、NDFT及び入力ノイズに応じて変動し得る。異なるアプローチでは、サンプル平均は、成分周波数及び目標周波数(例えば、f)を使用して導出される時間枠に応じて変化する。このように、コンバータシステム100は、高められた振幅値を観測することによってfの取得を最適化する。したがって、コンバータシステム100は、線形性及び変動を活用することによってナイキスト周波数を超える成分周波数を検出する。
【0022】
依然、図3Bを参照して、パラメータξ320は、コンバータシステム100が閾値として以下のように計算することによって使用するE[C[f]]についての理論値であり得る。
【数9】
当該例では、コンバータシステム100は、f=128Hz及びランダムジッタΔtを使用して、28Hzにおいて信号100Hz、156Hz、及び228Hzを取得する。fについてDFT220によって計算されるサンプル平均は、|C-Ctheory(理論)|<ξの場合に、振幅についての集中領域内にあり得、ここで、Ctheory(理論)は、以下の通りである。
【数10】
ここで、228Hzに対応付けられる振幅の絶対値330は、閾値ξ320未満であるが、検出器230による取得のために高められる。28Hzにおいて、28Hzの成分周波数はまた、サンプル平均についての閾値ξ320を超える振幅340において検出可能である。したがって、コンバータシステム100及び検出器230は、計算及びサンプリングにおいてジッタを活用又は導入することによって28Hzにおいて様々な成分周波数を取得する。
【0023】
ここで、図4を参照すると、信号をサンプリングして検出可能範囲の外側の成分周波数及び目標周波数から情報を導出することに関連する方法400のフローチャートが示されている。方法400は、図1のコンバータシステム100の観点から述べられる。方法400は、コンバータシステム100と組み合わされて述べられるが、方法400は、コンバータシステム100内での実装に限定されるのではなく、方法400を実装し得るシステムの一例であることを理解されたい。
【0024】
410で、コンバータシステム100は、目標周波数を取得するためにジッタからのオフセットを使用して信号をサンプリングする。ここで、目標周波数はf>f/2であって、ジッタは、分布N(0,σ)に従うランダムジッタであり得、ここで、σは分散である。サンプリング時間は、ジッタによってオフセットされるサンプル、及び時間枠内のオフセットを除外したものを含み、それによって、サンプルの多様性を改善し得る。更に、コンバータシステム100は、ハードウェア能力及び用途に応じてサンプリング周波数を使用する。例えば、量子センサから信号をサンプリングする車両は、広範囲のサンプリング周波数を使用する一方、レーダシステムは、より狭い範囲を使用する。いずれの場合も、サンプリング周波数は、コンバータシステム100によって使用される発振器又はクロックのハードウェア能力によって制限される。例えば、28Hz~128Hzの動作範囲を有する発振器は、検出可能な周波数について上方の境界を有する。この場合、コンバータシステム100は、64Hz(すなわち、128Hzの半分)のナイキスト周波数までの信号を検出し得る。
【0025】
前で説明したように、コンバータシステム100は、様々な成分周波数が、共通周波数又は成分周波数において高められる振幅スペクトルを有するように信号をサンプリングする。特に、コンバータシステム100は、サンプリング時間についてのオフセットとして、既存の、又は発振器によって導入されるジッタを活用する。例えば、物理現象は、異常な動作温度の間にADCによって使用される水晶発振器の材料特性又は欠陥からランダムジッタをもたらす。別のアプローチでは、コンバータシステム100は、例えば、既存の構成要素からの電気回路(例えば、ノイズ生成器)を使用してランダムジッタをもたらす、サンプリング時間についてのオフセットを導入する。このように、コンバータシステム100は、エイリアシング効果を回避しつつ、既存のハードウェアを使用して、ナイキスト周波数に対応付けられる検出可能範囲の外側の成分周波数を確実に検出する。
【0026】
420で、DFT220は、目標周波数を含む成分周波数のサンプル平均を計算する。例えば、サンプル平均は、以下の通りである。
【数11】
ここで、W=int(Nf/f)は、目標周波数fに対応するインデックスであって、int()は、数字を整数値に変換する。前で説明したように、項CDFT[W]は、(iNT,(i+1)NT)の継続時間においてサンプリングデータから取得される周波数成分である。また、ここで、コンバータシステム100は、特定の成分周波数についてのナイキスト周波数を超える検出不可能な周波数についてDFTの折り返し効果及び繰り返し周波数を活用し得る。上で説明したように、DFT220は、周波数領域の表現を計算するためにN個のサンプルの入力信号を使用し得る。DFT220は、期待値を計算することによってナイキスト周波数の外側での検出に関する成分周波数C[k]を出力する。ここで、期待値は、信号において顕著な成分周波数の確率密度、振幅A、及び分散σに対応付けられ得る。
【0027】
430で、検出器230は、成分周波数及び目標周波数の期待値に対応付けられる閾値に対してサンプル平均を比較する。閾値は、成分周波数について予想される理論値に対応付けられ得る。例えば、ナイキスト周波数を超える目標周波数の絶対値は、検出能力未満であるが検出能力について高められて閾値を満たす。別の成分周波数も、閾値を超える振幅についてのサンプル平均において検出可能である。ここで、コンバータシステム100は、ナイキスト周波数によって設定される検出可能範囲内の共通周波数ポイントにおいて目標周波数及び成分周波数を取得する。したがって、コンバータシステム100は、既存のハードウェアを使用したジッタを活用することによって、共通周波数において目標周波数及び成分周波数を取得する。
【0028】
440で、コンバータシステム100は、目標周波数から情報を抽出し、デバイス制御を修正する。図5によってより詳細に説明されるように、検出器230は、車両におけるレーダシステムの一部である。デバイスは、車両の長手方向の制御に関する電子制御ユニット(ECU)であり得る。レーダシステムは、ナイキスト周波数の外側のオブジェクト(例えば、近くの車両)における散乱信号から成分周波数を検出することができない場合がある。コンバータシステム100は、レーダシステムからのデータを処理して、励起された振幅を有するナイキスト周波数を超える成分周波数を観測及び取得する。したがって、車両におけるシステムは、近づいているオブジェクトを検出し、長手方向の制御(例えば、ブレーキ命令)を修正し、それによって安全性を改善し得る。
【0029】
車両の実装態様の更なる例に関して、図5は、コンバータシステム100を使用した車両510の例500を示す。ここで、コンバータシステム100は、車両510が道路520を走行している間、エイリアシング効果を伴うことなく検出可能範囲の外側の信号を検出し得る。例えば、レーダシステムは、目標車両530で反射された信号を受信する。しかしながら、信号は、ナイキスト周波数を超える成分周波数及び目標周波数を有する。車両510のADCによって使用される発振器(例えば、水晶発振器)又はクロックのハードウェア能力は、ナイキスト周波数を制限し得る。
【0030】
更に、コンバータシステム100は、ADC動作に対応付けられる発振器からのジッタによってオフセットされるサンプリング時間において値を捕捉する。前で説明したように、DFTは、ナイキスト周波数内及びナイキスト周波数の外側の成分周波数を取得するために使用されるサンプル平均を計算する。特に、コンバータシステム100は、成分周波数及び目標周波数の期待値に対応付けられる閾値に対してサンプル平均を比較し得る。閾値は、成分周波数について予想される理論値に対応付けられ得る。例えば、信号についてナイキスト周波数を超える目標周波数の絶対値は、低くなっているが高められることによって閾値を満たす。したがって、コンバータシステム100は、ナイキスト周波数によって設定される検出可能範囲内の共通周波数ポイントにおいて目標周波数及び成分周波数を取得する。したがって、コンバータシステム100は、車両510の既存のハードウェアを使用したジッタを活用することによって、共通周波数において目標周波数及び成分周波数を取得する。
【0031】
詳細な実施形態が本明細書に開示されている。しかしながら、開示された実施形態が例として意図されることを理解されたい。したがって、本明細書に開示される具体的な構造的及び機能的な詳細は、限定的なものとして解釈されるべきではなく、単に、特許請求の範囲に対する根拠として、及び実質的に任意の適切な詳細構造で本明細書の態様を種々に採用するように当業者に教示する代表的な根拠として解釈されるべきである。更に、本明細書において使用される用語及びフレーズは、限定的であることを意図したものではなく、むしろ、可能性のある実装態様の理解可能な説明を提供することを意図したものである。様々な実施形態が図1図5に示されているが、当該実施形態は、示された構造又は用途に限定されない。
【0032】
図におけるフローチャート及びブロック図は、様々な実施形態に係るシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能性のある実装態様のアーキテクチャ、機能、及び動作を示す。この点において、フローチャート又はブロック図におけるブロックは、指定された論理機能を実装する1つ以上の実行可能命令を備えるコードのモジュール、セグメント、又は一部を表し得る。一部の代替的な実装態様では、ブロックに記される機能は、図に記される順序と関係なく生じ得ることも留意されたい。例えば、連続して示される2つのブロックは実際、実質的に同時に実行され得るか、又はブロックは時には、関連する機能に応じて、逆順で実行され得る。
【0033】
上述のシステム、構成要素、及び/又はプロセスは、ハードウェア又はハードウェア及びソフトウェアの組合せで実現でき、1つの処理システム内の中央集中方式、又は異なる要素がいくつかの相互接続された処理システムにわたって広がっている分散方式で実現できる。本明細書に記載される方法を実行するように構成された任意の種類の処理システム又は別の装置が好適である。ハードウェア及びソフトウェアの典型的な組合せは、ロード及び実行されているとき、本明細書に記載される方法を実行するように処理システムを制御するコンピュータ使用可能プログラムコードを有する処理システムであり得る。
【0034】
システム、構成要素、及び/又はプロセスはまた、本明細書に記載される方法及びプロセスを行うために機械によって実行可能な命令のプログラムを有体的に具現化した、機械によって読み取り可能な、コンピュータプログラム製品又は他のデータプログラム記憶デバイスなどのコンピュータ可読ストレージに組み込まれ得る。これらの要素はまた、本明細書に記載される方法の実装を可能にし、且つ処理システムでロードされるとこれらの方法を実行することができる特徴を備えるアプリケーション製品に組み込まれ得る。
【0035】
更に、本明細書に記載される構成は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化、例えば記憶された1つ以上のコンピュータ可読媒体において具現化されたコンピュータプログラム製品の形態を取り得る。1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組合せが利用され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であり得る。「コンピュータ可読記憶媒体」というフレーズは、非一時的な記憶媒体を意味する。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光、電磁気、赤外線、若しくは半導体のシステム、装置、若しくはデバイス、又は以上のものの任意の好適な組合せであり得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)は、以下のもの、すなわち、携帯型コンピュータディスケット、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM)若しくはフラッシュメモリ、携帯型コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス、又は以上のものの任意の好適な組合せを含む。本明細書の文脈では、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって、又はこれらとの関連で使用されるプログラムを含み得るか又は記憶し得る任意の有体の媒体であり得る。
【0036】
以下のことは、本明細書において採用される選択用語の定義を含む。当該定義は、用語の範囲内に入り、且つ様々な実装態様について使用され得る構成要素の様々な例及び/又は形態を含む。当該例は、限定的であることを意図したものではない。用語の単一形態及び複数形態の両方が当該定義の範囲内であり得る。
【0037】
「一実施形態」、「実施形態」、「一例」、「例」などに対する言及は、そのように記載される実施形態又は例が、特定の機能、構造、特徴、特性、要素、又は制約を含み得ることを示すが、全ての実施形態又は例が必ずしも、その特定の機能、構造、特徴、特性、要素、又は制約を含んでいるわけではないことを示す。更に、「一実施形態では」というフレーズの繰り返しの使用は、同じ実施形態を指している場合があるが、必ずしも、同じ実施形態を指しているわけではない。
【0038】
本明細書において使用される「モジュール」は、コンピュータ若しくは電気ハードウェア構成要素、ファームウェア、命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体、並びに/又は機能若しくは動作を行うように、及び/若しくは別の論理、方法、及び/若しくはシステムからの機能若しくは動作をもたらすように構成された、これらの構成要素の組合せを含む。モジュールは、アルゴリズムによって制御されるマイクロプロセッサ、個別論理(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))、アナログ回路、デジタル回路、プログラムされた論理デバイス、実行されるとアルゴリズムを行う命令を含むメモリデバイスなどを含み得る。1つ以上の実施形態では、モジュールは、1つ以上のCMOSゲート、ゲートの組合せ、又は他の回路構成要素を含む。複数のモジュールが記載される場合、1つ以上の実施形態は、1つの物理的なモジュール構成要素内への複数のモジュールの組込みを含む。同様に、単一のモジュールが記載される場合、1つ以上の実施形態は、複数の物理的な構成要素間で単一のモジュールを分散させる。
【0039】
更に、本明細書において使用されるモジュールは、特定のタスクを行うか、又は特定のデータタイプを実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造などを含む。更なる態様では、メモリは概して、記されたモジュールを記憶する。モジュールに対応付けられるメモリは、プロセッサ内に組み込まれたバッファ若しくはキャッシュ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ROM、フラッシュメモリ、又は別の好適な電子記憶媒体であり得る。また更なる態様では、本開示によって構想されるモジュールは、ASICとして、システムオンチップ(SoC)のハードウェア構成要素として、プログラマブルロジックアレイ(PLA)として、又は開示された機能を行うために定められた構成セット(例えば、命令)が組み込まれた別の好適なハードウェア構成要素として実装される。
【0040】
1つ以上の機構では、本明細書に記載されるモジュールのうちの1つ以上は、人工知能要素又は演算知能要素、例えば、ニューラルネットワーク、ファジーロジック、又は、他の機械学習アルゴリズムを含み得る。更に、1つ以上の機構では、モジュールのうちの1つ以上は、本明細書に記載される複数のモジュールの間で分散され得る。1つ以上の機構では、本明細書に記載されるモジュールのうちの2つ以上は、単一のモジュールに組み合わされ得る。
【0041】
コンピュータ可読媒体上で具現化されるプログラムコードは、無線、有線、光ファイバ、ケーブル、無線周波数(RF)など、又は以上のものの任意の好適な組合せを含むが、これらに限定されない任意の適切な媒体を使用して送信され得る。本機構の態様についての動作を実行するコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk、C++、又は同種のものなどのオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む1つ以上のプログラミング言語の任意の組合せで書かれ得る。プログラムコードは、ユーザのコンピュータ上で完全に実行され得るか、ユーザのコンピュータ上で部分的に実行され得るか、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして実行され得るか、ユーザのコンピュータ上で部分的に且つリモートコンピュータ上で部分的に実行され得るか、又はリモートコンピュータ若しくはサーバ上で完全に実行され得る。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)若しくはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続され得るか、又は(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)外部コンピュータへの接続が行われ得る。
【0042】
本明細書において使用される「1つ(a)」及び「1つ(an)」という用語は、1つ又は1つよりも多いものとして定義される。本明細書において使用される「複数」という用語は、2つ又は2つよりも多いものとして定義される。本明細書において使用される「別の」という用語は、少なくとも第2の又はより多くのものとして定義される。本明細書において使用される「含む」及び/又は「有する」という用語は、備える(comprising)(すなわち、オープンランゲージ)として定義される。本明細書において使用される「...及び....のうちの少なくとも1つ」というフレーズは、対応付けられた列挙事項のうちの1つ以上の任意の全ての組合せを指し、それを包含する。一例として、「A、B、及び、Cのうちの少なくとも1つ」というフレーズは、A、B、C、又はこれらの任意の組合せ(例えば、AB、AC、BC、若しくはABC)を含む。
【0043】
本明細書における態様は、その趣旨又は本質的属性から逸脱することなく他の形態で具現化され得る。したがって、この範囲を示すものとして、以上の明細書ではなく以下の特許請求の範囲を参照すべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
【外国語明細書】