(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068187
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】抗ウイルス性を有する化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 307/83 20060101AFI20240510BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20240510BHJP
C07D 311/62 20060101ALI20240510BHJP
A61K 31/353 20060101ALI20240510BHJP
A61K 31/343 20060101ALI20240510BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20240510BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20240510BHJP
A23L 33/10 20160101ALI20240510BHJP
A61K 31/235 20060101ALI20240510BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
C07D307/83 CSP
A61P31/14
C07D311/62
A61K31/353
A61K31/343
A61K8/49
A61Q19/10
A23L33/10
A61K31/235
A61P43/00 121
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023188780
(22)【出願日】2023-11-02
(31)【優先権主張番号】P 2022177016
(32)【優先日】2022-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】509349141
【氏名又は名称】京都府公立大学法人
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松田 修
(72)【発明者】
【氏名】新屋 政春
(72)【発明者】
【氏名】椿 一典
(72)【発明者】
【氏名】藤村 彩加
(72)【発明者】
【氏名】辻村 悠真
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大樹
(72)【発明者】
【氏名】廣森 まゆ
【テーマコード(参考)】
4B018
4C083
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4B018LB01
4B018LB07
4B018LB08
4B018LB09
4B018LB10
4B018MD07
4B018MD08
4B018ME09
4B018MF01
4B018MF10
4C083AC841
4C083AC842
4C083CC23
4C083FF01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BA06
4C086BA08
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA52
4C086NA14
4C086ZB33
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206DB17
4C206DB53
4C206DB54
4C206MA02
4C206MA04
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZB33
4C206ZC75
(57)【要約】 (修正有)
【課題】抗ウイルス性、特にSARS-CoV-2等のコロナウイルスに対する抗ウイルス性を有する化合物を提供すること。
【解決手段】一般式(1)で表されるカテキンタイプの化合物、その塩、又はそれらの溶媒和物、及び特定のナフタレンタイプの化合物、その塩、又はそれらの溶媒和物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1):
【化1】
[一般式(1)中:Lは単結合又は主鎖構成原子数が1~3のリンカーを示す。R
11は-CH(-R
X)-、-CH(-H)-、-CH(-OH)-、-C(-R
X)=、-C(-H)=、-C(-OH)=、又は単結合を示す。R
12は-H又は=Oを示す。R
21、R
22、R
23、R
24、R
31、R
32、R
33、R
34、及びR
35は同一又は異なって、-H、-OH、又は-R
Xを示す(但し、これらの内の2つ以上は-R
Xであり、R
11が単結合であり且つR
12が=Oである場合はこれらの内の1つ以上が-R
Xである。)。R
Xは同一又は異なって、一般式(X):
【化2】
(一般式(X)中:R
X1は=O又は-Hを示す。)
で表される基を示す。]
で表される化合物、その塩、又はそれらの溶媒和物。
【請求項2】
Lが単結合である、請求項1に記載の化合物、その塩、又はそれらの溶媒和物。
【請求項3】
R11が-CH(-RX)-、-CH(-H)-、又は-CH(-OH)-であり、且つR12が-Hである、請求項2に記載の化合物、その塩、又はそれらの溶媒和物。
【請求項4】
R21、R22、R23、R24、R31、R32、R33、R34、及びR35の内の4つ以上が-RXである、請求項3に記載の化合物、その塩、又はそれらの溶媒和物。
【請求項5】
(A)R11が-CH(-RX)-であり、R21、R23、R32、R33、及びR34が-RXであり、且つR22、R24、R31、及びR35が-Hである、或いは
(B)R11が-CH(-RX)-であり、R21、R32、R33、及びR34が-RXであり、R23が-OHであり、且つR22、R24、R31、及びR35が-Hである、
請求項4に記載の化合物、その塩、又はそれらの溶媒和物。
【請求項6】
R11が-C(-RX)=、-C(-H)=、又は-C(-OH)=であり、且つR12が=Oである、請求項2に記載の化合物、その塩、又はそれらの溶媒和物。
【請求項7】
(a)R11が-C(-RX)=であり、R23、R32、及びR33が-RXであり、R21が-OHであり、且つR22、R24、R31、R34、及びR35が-Hである、
(b)R11が-C(-RX)=であり、R21、R23、R32、R33、及びR34が-RXであり、且つR22、R24、R31、及びR35が-Hである、或いは
(c)R11が-C(-H)=であり、R21、R22、及びR23が-RXであり、且つR24、R31、R32、R33、R34、及びR35が-Hである、
請求項6に記載の化合物、その塩、又はそれらの溶媒和物。
【請求項8】
前記化合物が一般式(1C):
【化3】
[一般式(1C)中:符号は、前記に同じである。]
で表される化合物である、請求項1に記載の化合物、その塩、又はそれらの溶媒和物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載の化合物、その塩、又はそれらの溶媒和物、及び一般式(2):
【化4】
[一般式(2)中:R
Xは同一又は異なって、一般式(X):
【化5】
(一般式(X)中:R
X1は=O又は-Hを示す。)
で表される基を示す。nは0又は1を示す。mは1~8の整数を示す。]
で表される化合物、その塩、又はそれらの溶媒和物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、抗ウイルス剤。
【請求項10】
前記ウイルスがコロナウイルスである、請求項9に記載の抗ウイルス剤。
【請求項11】
前記ウイルスがSARS-CoV-2である、請求項10に記載の抗ウイルス剤。
【請求項12】
生体に適用するために用いられる、請求項9に記載の抗ウイルス剤。
【請求項13】
医薬、化粧品、飲料組成物、食品組成物、食品添加剤、消毒剤又は洗浄剤である、請求項12に記載の抗ウイルス剤。
【請求項14】
COVID-19の予防又は治療剤である、請求項12に記載の抗ウイルス剤。
【請求項15】
物品に適用するために用いられる、請求項9に記載の抗ウイルス剤。
【請求項16】
消毒剤又は洗浄剤である、請求項15に記載の抗ウイルス剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗ウイルス性を有する化合物等に関する。
【背景技術】
【0002】
コロナウイルスは、コロナウイルス科のコロナウイルス亜科に属するウイルスの種であり、ヒトおよび動物に感染し、呼吸器、消化器、血管、または神経性の疾患を発症させるプラス鎖RNAウイルスである。コロナウイルスは、感染している何らかの宿主動物から伝播して、ヒトに対して大規模な伝染病を引き起こすことが可能である。コロナウイルスとしては、近年では、例えば、2002年及び2003年に流行したSARSコロナウイルス1(SARS-CoV-1)、及び中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)が挙げられる。最近では、SARSコロナウイルス2(SARS-CoV-2)の世界的な流行が起こり、治療技術が確立されていないことから、医療、経済等の多方面に亘って甚大な被害が続いている。
抗ウィルス活性を有する化合物として特許文献1に天然のエピガロカテキンガレート(EGCG)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、抗ウイルス性、特にSARS-CoV-2等のコロナウイルスに対する抗ウイルス性を有する化合物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は上記課題に鑑みて鋭意研究を進めた結果、一般式(1)で表される化合物、その塩、又はそれらの溶媒和物、及び一般式(2)で表される化合物、その塩、又はそれらの溶媒和物が、SARS-CoV-2に対する抗ウイルス活性を有することを見出した。本発明者はこの知見に基づいてさらに研究を進めた結果、本発明を完成させた。即ち、本発明は、下記の態様を包含する。
【0006】
項1. 一般式(1):
【0007】
【化1】
[一般式(1)中:Lは単結合又は主鎖構成原子数が1~3のリンカーを示す。R
11は-CH(-R
X)-、-CH(-H)-、-CH(-OH)-、-C(-R
X)=、-C(-H)=、-C(-OH)=、又は単結合を示す。R
12は-H又は=Oを示す。R
21、R
22、R
23、R
24、R
31、R
32、R
33、R
34、及びR
35は同一又は異なって、-H、-OH、又は-R
Xを示す(但し、これらの内の2つ以上は-R
Xであり、R
11が単結合であり且つR
12が=Oである場合はこれらの内の1つ以上が-R
Xである。)。R
Xは同一又は異なって、一般式(X):
【0008】
【化2】
(一般式(X)中:R
X1は=O又は-Hを示す。)
で表される基を示す。]
で表される化合物、その塩、又はそれらの溶媒和物。
【0009】
項2. Lが単結合である、項1に記載の化合物、その塩、又はそれらの溶媒和物。
【0010】
項3. R11が-CH(-RX)-、-CH(-H)-、又は-CH(-OH)-であり、且つR12が-Hである、項2に記載の化合物、その塩、又はそれらの溶媒和物。
【0011】
項4. R21、R22、R23、R24、R31、R32、R33、R34、及びR35の内の4つ以上が-RXである、項3に記載の化合物、その塩、又はそれらの溶媒和物。
【0012】
項5. (A)R11が-CH(-RX)-であり、R21、R23、R32、R33、及びR34が-RXであり、且つR22、R24、R31、及びR35が-Hである、或いは
(B)R11が-CH(-RX)-であり、R21、R32、R33、及びR34が-RXであり、R23が-OHであり、且つR22、R24、R31、及びR35が-Hである、
項4に記載の化合物、その塩、又はそれらの溶媒和物。
【0013】
項6. R11が-C(-RX)=、-C(-H)=、又は-C(-OH)=であり、且つR12が=Oである、項2に記載の化合物、その塩、又はそれらの溶媒和物。
【0014】
項7. (a)R11が-C(-RX)=であり、R23、R32、及びR33が-RXであり、R21が-OHであり、且つR22、R24、R31、R34、及びR35が-Hである、
(b)R11が-C(-RX)=であり、R21、R23、R32、R33、及びR34が-RXであり、且つR22、R24、R31、及びR35が-Hである、或いは
(c)R11が-C(-H)=であり、R21、R22、及びR23が-RXであり、且つR24、R31、R32、R33、R34、及びR35が-Hである、
項6に記載の化合物、その塩、又はそれらの溶媒和物。
【0015】
項8. 前記化合物が一般式(1C):
【0016】
【化3】
[一般式(1C)中:符号は、前記に同じである。]
で表される化合物である、項1に記載の化合物、その塩、又はそれらの溶媒和物。
【0017】
項9. 項1~8のいずれかに記載の化合物、その塩、又はそれらの溶媒和物、及び一般式(2):
【0018】
【化4】
[一般式(2)中:R
Xは同一又は異なって、一般式(X):
【0019】
【化5】
(一般式(X)中:R
X1は=O又は-Hを示す。)
で表される基を示す。nは0又は1を示す。mは1~8の整数を示す。]
で表される化合物、その塩、又はそれらの溶媒和物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、抗ウイルス剤。
【0020】
項10. 前記ウイルスがコロナウイルスである、項9に記載の抗ウイルス剤。
【0021】
項11. 前記ウイルスがSARS-CoV-2である、項10に記載の抗ウイルス剤。
【0022】
項12. 生体に適用するために用いられる、項9に記載の抗ウイルス剤。
【0023】
項13. 医薬、化粧品、飲料組成物、食品組成物、食品添加剤、消毒剤又は洗浄剤である、項12に記載の抗ウイルス剤。
【0024】
項14. COVID-19の予防又は治療剤である、項12に記載の抗ウイルス剤。
【0025】
項15. 物品に適用するために用いられる、項9に記載の抗ウイルス剤。
【0026】
項16. 消毒剤又は洗浄剤である、項15に記載の抗ウイルス剤。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、抗ウイルス性、特にSARS-CoV-2等のコロナウイルスに対する抗ウイルス性を有する化合物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本明細書中において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。
【0029】
1.化合物
本発明は、その一態様において、一般式(1):
【0030】
【化6】
で表される化合物、その塩、又はそれらの溶媒和物、に関する(本明細書において、「本発明の化合物(1)」と示すこともある。)。
【0031】
また、本発明は、その一態様において、一般式(2):
【0032】
【化7】
で表される化合物、その塩、又はそれらの溶媒和物、に関する(本明細書において、「本発明の化合物(2)」と示すこともある。)。
【0033】
本明細書において、本発明の化合物(1)と本発明の化合物(2)とをまとめて、「本発明の化合物」と示すこともある。以下に、これらについて説明する。
【0034】
一般式(1)中、Lは単結合又は主鎖構成原子数が1~3のリンカーを示す。Lは、好ましくは単結合である。
【0035】
リンカーは鎖状構造からなる。リンカーの主鎖構成原子数は、好ましくは1~2、特に好ましくは1である。主鎖構成原子としては、例えば炭素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。鎖状構造の一部又は全部(特に好ましくは全部)は、好ましくはアルキレン基、アルケニレン基、ヘテロアルキレン基、ヘテロアルケニレン基等であることができ、より好ましくはアルキレン基、アルケニレン基であることができる。また、鎖状構造は、主鎖上に、例えば-O-、-C(=O)-O-、-CO-NH-、-C(=O)-、-NH-、-S(=O)2-等の部分構造を含むことができる。
【0036】
一般式(1)中、R11は-CH(-RX)-、-CH(-H)-、-CH(-OH)-、-C(-RX)=、-C(-H)=、-C(-OH)=、又は単結合を示す。R11は、好ましくは-CH(-RX)-、-CH(-H)-、-CH(-OH)-、-C(-RX)=、-C(-H)=、又は-C(-OH)=であり、特に好ましくは-CH(-RX)-、又は-C(-RX)=である。
【0037】
一般式(1)中、R12は-H又は=Oを示す。
【0038】
一般式(1)中、実線と点線とからなる二重線は単結合又は二重結合を示す。
【0039】
本発明の化合物(1)の好ましい一態様においては、R11が-CH(-RX)-、-CH(-H)-、又は-CH(-OH)-であり、且つR12が-Hである(態様A)。態様Aにおいて、特に好ましくはR11が-CH(-RX)-であり、且つR12が-Hである。態様Aの場合、一般式(1)は、以下の一般式(1A):
【0040】
【化8】
[一般式(1A)中:R
Aは、-R
X、-H、又は-OHを示す。その他の符号は、前記に同じである。]
である。R
Aは、特に好ましくは-R
Xである。
【0041】
また、一般式(1A)の中でも、特に好ましくは一般式(1AA):
【0042】
【化9】
[一般式(1AA)中:各符号は、前記に同じである。]
である。
【0043】
本発明の化合物(1)の好ましい一態様においては、R11が-C(-RX)=、-C(-H)=、又は-C(-OH)=であり、且つR12が=Oである(態様B)。態様Bにおいて、好ましくはR11が-C(-RX)=、又は-C(-H)=であり、且つR12が=Oであり、特に好ましくはR11が-C(-RX)=であり、且つR12が=Oである。態様Bの場合、一般式(1)は、以下の一般式(1B):
【0044】
【化10】
[一般式(1A)中:R
Bは、-R
X、-H、又は-OHを示す。その他は、前記に同じである。]
である。R
Bは、好ましくは-R
X又は-Hであり、特に好ましくは-R
Xである。
【0045】
また、一般式(1B)の中でも、特に好ましくは一般式(1BB):
【0046】
【0047】
一般式(1)中、R21、R22、R23、R24、R31、R32、R33、R34、及びR35は同一又は異なって、-H、-OH、又は-RXを示す(但し、これらの内の2つ以上は-RXである。)。
【0048】
本発明の化合物(1)の一態様においては、R11が単結合であり、且つR12が=Oである(態様C)。態様Cの場合、一般式(1)は、以下の一般式(1C):
【0049】
【化12】
[一般式(1C)中:符号は、前記に同じである。]
である。態様Cにおいて、Lは、好ましくは=CH-であり、この場合、一般式(1C)は、一般式(1CC):
【0050】
【0051】
本発明の化合物(1)の一態様においては、R21、R22、R23、R24、R31、R32、R33、R34、及びR35の内の、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上、さらに好ましくは5つ以上が、-RXである。
【0052】
態様Aにおいて、特に好ましくは、以下の(A)、(B)の2つの態様が挙げられる。これら2つの態様の中でも、より好ましくは(A)態様である。
(A)R11が-CH(-RX)-であり、R21、R23、R32、R33、及びR34が-RXであり、且つR22、R24、R31、及びR35が-Hである。
(B)R11が-CH(-RX)-であり、R21、R32、R33、及びR34が-RXであり、R23が-OHであり、且つR22、R24、R31、及びR35が-Hである。
【0053】
態様Bにおいて、特に好ましくは、以下の(a)、(b)、(c)の3つの態様が挙げられる。これら3つの態様の中でも、より好ましくは(a)態様及び(b)態様であり、さらに好ましくは(a)態様である。
(a)R11が-C(-RX)=であり、R23、R32、及びR33が-RXであり、R21が-OHであり、且つR22、R24、R31、R34、及びR35が-Hである。
(b)R11が-C(-RX)=であり、R21、R23、R32、R33、及びR34が-RXであり、且つR22、R24、R31、及びR35が-Hである。
(c)R11が-C(-H)=であり、R21、R22、及びR23が-RXであり、且つR24、R31、R32、R33、R34、及びR35が-Hである。
【0054】
一般式(1)中、RXは同一又は異なって、一般式(X):
【0055】
【化14】
(一般式(X)中:R
X1は=O又は-Hを示す。)
で表される基を示す。
【0056】
本発明の化合物(1)の上記すべての態様において、RX1は、特に好ましくは=Oである。
【0057】
一般式(2)中、RXは前記の通りである。
【0058】
一般式(2)中、nは0又は1を示す。
【0059】
一般式(2)中、mは1~8の整数を示す。mは、好ましくは2~5の整数、より好ましくは2~4の整数、さらに好ましくは2~3の整数を示す。
【0060】
一般式(2)は、nが0の場合、一般式(2A):
【0061】
【化15】
[一般式(2A)中:pは1~6の整数を示す。その他の符号は前記に同じである。]である。
【0062】
pは、好ましくは2~4の整数、より好ましくは3である。
【0063】
一般式(2A)の中でも、特に好ましくは一般式(2AA):
【0064】
【化16】
[一般式(2AA)中:各符号は、前記に同じである。]
である。
【0065】
一般式(2)は、nが1の場合、一般式(2B):
【0066】
【化17】
[一般式(2B)中:qは1~8の整数を示す。その他の符号は前記に同じである。]である。
【0067】
qは、好ましくは2~4の整数、より好ましくは2~3の整数、さらに好ましくは2である。
【0068】
一般式(2B)の中でも、特に好ましくは一般式(2BB):
【0069】
【化18】
[一般式(2BB)中:各符号は、前記に同じである。]
である。
【0070】
本発明の化合物(2)の上記すべての態様において、RX1は、特に好ましくは=Oである。
【0071】
本発明の化合物の塩は、薬学的に許容される塩である限り、特に制限されるものではない。該塩としては、酸性塩、塩基性塩のいずれも採用することができる。酸性塩の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩; 酢酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩等の有機酸塩が挙げられ、塩基性塩の例としては、ナトリウム塩、及びカリウム塩等のアルカリ金属塩; 並びにカルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩; アンモニアとの塩; モルホリン、ピペリジン、ピロリジン、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、モノ(ヒドロキシアルキル)アミン、ジ(ヒドロキシアルキル)アミン、トリ(ヒドロキシアルキル)アミン等の有機アミンとの塩等が挙げられる。
【0072】
本発明の化合物又はその塩は、水和物、溶媒和物とすることもできる。溶媒としては、例えば、薬学的に許容される有機溶媒(例えばエタノール、グリセロール、酢酸等)等が挙げられる。
【0073】
本発明の化合物(1)は、様々な方法で合成することができる。例えば、一般式(1)の-RXが-OHに置き換えられてなる化合物と、一般式(X)の-O-CH(-RX1)-からなる部分構造がX-CH(-RX1)-(Xはハロゲン原子を示す。)に置き換えられてなり且つ-OHが保護されてなる化合物とを反応させた後、脱保護することを含む方法により、合成することができる。具体的な反応条件等は、後述の合成例1、合成例3、又は合成例4に従って又は準じて、設定することができる。
【0074】
本発明の化合物(2)は、様々な方法で合成することができる。例えば、一般式(2)の-RXが-OHに置き換えられてなる化合物と、一般式(X)の-O-CH(-RX1)-からなる部分構造がX-CH(-RX1)-(Xはハロゲン原子を示す。)に置き換えられてなり且つ-OHが保護されてなる化合物とを反応させた後、脱保護することを含む方法により、合成することができる。具体的な反応条件等は、後述の合成例2に従って又は準じて、設定することができる。
【0075】
反応の進行は、クロマトグラフィーのような通常の方法で追跡することができる。反応終了後、溶媒を留去し、生成物はクロマトグラフィー法、再結晶法等の通常の方法で単離精製することができる。また、生成物の構造は、元素分析、MS(ESI-MS)分析、IR分析、1H-NMR、13C-NMR等により同定することができる。
【0076】
本発明の化合物は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて、用いることができる。
【0077】
天然のEGCGは、不斉炭素を有し合成が困難なうえ、2位の立体が異性化することが知られている。このため薬剤への応用が困難であるという問題点を有する。本発明によれば、構造的に安定で且つ抗ウイルス性、特にSARS-CoV-2等のコロナウイルスに対する抗ウイルス性を有する化合物を提供することも可能である。
【0078】
2.用途
本発明は、その一態様において、本発明の化合物を含有する、抗ウイルス剤(本明細書において、「本発明の剤」と示すこともある。)、に関する。以下、これについて説明する。
【0079】
本発明の剤の対象ウイルスとしては、特に制限されない。ウイルスとしては、例えばインフルエンザウイルス(例えばA型、B型等)、風疹ウイルス、エボラウイルス、コロナウイルス、麻疹ウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス、ムンプスウイルス、アルボウイルス、RSウイルス、SARSウイルス、肝炎ウイルス(例えば、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス等)、黄熱ウイルス、エイズウイルス、狂犬病ウイルス、ハンタウイルス、デングウイルス、ニパウイルス、リッサウイルス等のエンベロープウイルス(エンベロープを有するウイルス); アデノウイルス、ノロウイルス、ロタウイルス、ヒトパピローマウイルス、ポリオウイルス、エンテロウイルス、コクサッキーウイルス、ヒトパルボウイルス、脳心筋炎ウイルス、ポリオウイルス、ライノウイルス等の非エンベロープウイルス(エンベロープを有さないウイルス)等が挙げられる。これらの中でも、コロナウイルスが特に好ましい。
【0080】
コロナウイルスは、オルトコロナウイルス亜科に属するウイルスである。コロナウイルスとしては、アルファコロナウイルス属、ベータコロナウイルス属、ガンマコロナウイルス属、デルタコロナウイルス属等が挙げられ、これらの中でも、ベータコロナウイルス属が好ましい。ベータコロナウイルス属としては、SARS関連コロナウイルス(SARSr-CoV)、広コロナウイルスHKU1、MERSコロナウイルス等が挙げられ、これらの中でも、SARSr-CoVが好ましい。SARSr-CoVとしては、SARS-CoV-2、SARS-CoV-1等が挙げられ、これらの中でもSARS-CoV-2が好ましい。本発明の剤は、特にSARS-CoV-2に対して好適に使用することができる。
【0081】
本発明の剤によれば、ウイルスに対して抗ウイルス作用を発揮することができる。抗ウイルス作用としては、具体的には、ウイルス感染抑制作用、ウイルスの細胞感染力価低下作用、ウイルスによる細胞死を抑制する作用、ウイルス不活化作用、ウイルス増殖抑制作用、ウイルス出芽抑制作用、ウイルス抵抗性誘導作用等が挙げられる。本発明の剤は、ウイルス感染抑制、ウイルスの細胞感染力価低下剤、ウイルスによる細胞死の抑制、ウイルス不活化、ウイルス増殖抑制、ウイルス出芽抑制、ウイルス抵抗性誘導からなる群より選択される少なくとも1種に用いることができる。また、これらの作用により、コロナウイルス感染症(特に、COVID-19)の予防又は治療剤として使用することもできる。
【0082】
本発明の剤は、抗ウイルス性を要する各種分野において広く使用することができる。本発明の剤は、例えば工業、洗浄、医療、食品、飲料、日用品等の各種分野において使用することができる。本発明の剤の用途は、主に、生体に適用する用途と、後述の物品に適用する用途とに分けられる。
【0083】
2-1.生体に適用する用途
生体に適用する用途としては、例えば医薬、化粧品、食品組成物(健康食品、健康増進剤、栄養補助食品(サプリメントなど)を包含する)、飲料組成物、食品添加剤、飲料添加物、消毒剤、洗浄剤等が挙げられる。この場合の適用対象は特に限定されず、例えば、ヒト、サル、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウサギ、ブタ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、シカなどの種々の哺乳類動物などが挙げられる。
【0084】
本発明の剤を生体に適用することによって、有効成分が接触する部位において抗ウイルス作用を発揮することができる。
【0085】
本発明の剤の形態は、特に限定されず、本発明の剤の用途に応じて、各用途において通常使用される形態をとることができる。
【0086】
形態としては、用途が医薬である場合は、例えば注射剤、点滴剤、うがい剤、吸入剤、貼付剤(プラスター剤、硬膏剤等のテープ剤(リザーバー型、マトリックス型等)、パップ剤、パッチ剤、マイクロニードル等)、軟膏剤、外用液剤(リニメント剤、ローション剤等)、スプレー剤(外用エアゾール剤、ポンプスプレー剤等、クリーム剤、ゲル剤、点眼剤、眼軟膏剤、点鼻剤、坐剤、直腸用半固形剤、注腸剤等の非経口摂取に適した製剤形態; 錠剤(口腔内側崩壊錠、咀嚼可能錠、発泡錠、トローチ剤、ゼリー状ドロップ剤、舌下錠などを含む)、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、ドライシロップ剤、液剤(ドリンク剤、懸濁剤、シロップ剤を含む)、ゼリー剤などの経口摂取に適した製剤形態(経口製剤形態)、経管栄養剤、経腸栄養剤、経鼻カテーテル剤、食道ろうカテーテル剤、胃ろうカテーテル剤などが挙げられる。
【0087】
形態としては、用途が化粧品である場合は、例えば液剤、ジェル剤、クリーム剤、軟膏剤、スプレー剤、スティック剤等が挙げられる。
【0088】
形態としては、用途が食品組成物の場合は、液状、ゲル状あるいは固形状の食品、例えばジュース、清涼飲料、茶、スープ、豆乳などの飲料、サラダ油、ドレッシング、ヨーグルト、ゼリー、プリン、ふりかけ、育児用粉乳、ケーキミックス、乳製品(例えば、粉末状、液状、ゲル状、固形状等)、パン、菓子(例えば、クッキー等)などが挙げられる。また、用途が食品添加剤、健康増進剤、栄養補助食品(サプリメントなど)などである場合は、例えば錠剤(口腔内側崩壊錠、咀嚼可能錠、発泡錠、トローチ剤、ゼリー状ドロップ剤などを含む)、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、ドライシロップ剤、液剤(懸濁剤、シロップ剤を含む)、ゼリー剤などが挙げられる。
【0089】
形態としては、用途が消毒剤又は洗浄剤である場合は、例えば液体(溶液、乳液、懸濁液、スプレーなど)、半固体(ゲル、クリーム、ペーストなど)、固体(錠剤、粒子状剤、カプセル剤、フィルム剤、混練物、溶融固体、ロウ状固体、弾性固体など)などの任意の形態を採ることができる。例えば、口腔に適用する場合であれば、より具体的には、歯磨剤(練歯磨、液体歯磨、液状歯磨、粉歯磨など)、洗口剤、塗布剤、貼付剤、口中清涼剤、食品(例えば、チューインガム、錠菓、キャンディ、グミ、フィルム、トローチなど)などが挙げられる。また、鼻腔に適用する場合であれば、より具体的には、スプレー型点鼻剤、鼻うがい剤等が挙げられる。皮膚に適用する場合であれば、石鹸、ボディソープ、シャンプー、リンス、スプレー剤等が挙げられる。
【0090】
本発明の剤は、必要に応じてさらに他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば医薬、化粧品、消毒剤、洗浄剤などに配合され得る成分である限り特に限定されるものではないが、例えば基剤、担体、溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、増粘剤、保湿剤、着色料、香料、キレート剤などが挙げられる。
【0091】
緩衝剤としては、特に制限されず、用途に応じて、許容される適切なものを採用することができる。好ましくはリン酸緩衝液、酢酸緩衝液等が挙げられる。
【0092】
本発明の剤の有効成分の含有量は、有効成分の種類、用途、使用態様、適用対象、適用対象の状態などに左右されるものであり、限定はされないが、例えば0.000001~100重量%、好ましくは0.01~50重量%とすることができる。
【0093】
本発明の剤の適用(例えば、投与、摂取、接種など)量は、所望の効果を発現する有効量であれば特に限定されず、通常は、有効成分の重量として、一般に一日あたり0.1~1000 mg/kg体重である。上記投与量は1日1回又は2~3回に分けて投与するのが好ましく、年齢、病態、症状により適宜増減することもできる。
【0094】
2-2.物品に適用する用途
物品に適用する用途としては、例えば消毒剤、洗浄剤等が挙げられる。この場合の適用対象は、特に制限されず、各種分野において用いられている工業製品やその原材料が挙げられる。
【0095】
物品の具体例としては、マスク、フェイスマスク、手袋等が挙げられる。また気管内挿管チューブ、バイトブロック、喉頭鏡、電極、計測機器、点滴装置、酸素マスク、鼻カテーテル、チューブ、カテーテル、白衣、ガウン、キャップ、防護服、防護シールド、手術器具等の医療器具、手術台、ベッド、ストレッチャー、車いす等が挙げられる。また、OA機器、家電、空調機器、掃除機、机、椅子、ソファー、ベンチ、窓、つり革、ハンドル、シート、自動改札機、自動券売機、自動販売機、扉、柵、手摺、食器、調理用具、包装フィルム、包装袋、瓶、ボトル、包装パック、シンク、便器、文房具、書籍、棚、歯ブラシ、鏡、空調フィルター、コート、ジャケット、ズボン、スカート、ワイシャツ、ニットシャツ、ブラウス、セーター、カーディガン、ナイトウエア、肌着、下着、オムツ、サポーター、靴下、タイツ、ストッキング、帽子、スカーフ、マフラー、襟巻き、ストール、服の裏地、服の芯地、服の中綿、作業着、ユニフォーム、学童用制服等の衣料、カーテン、アミ戸、布団地、布団綿、布団カバー、枕カバー、シーツ、マット、カーペット、タオル、ハンカチ、壁布、バンドエイド、包帯等が挙げられる。
【0096】
本発明の剤を物品に適用することによって、有効成分が接触する部位において抗ウイルス作用を発揮することができる。なお、有効成分が接触する部位は、物品上の部位に限られず、物品が生体等に適用された場合には生体中の部位も包含される。
【0097】
本発明の剤の剤形は特に制限されず、その用途に応じて適宜選択することができる。剤形としては、例えば液剤、乳剤、懸濁剤、分散剤、スプレー剤、エアゾール剤等の液剤; 水和剤、粉剤、粒剤、微粒剤、フロアブル剤等の固形又は半固形剤等が挙げられる。種々の物品に塗布またはコーティングすることができる。
【0098】
本発明の剤は、必要に応じてさらに他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば物品の洗浄剤、消毒剤などに配合され得る成分である限り特に限定されるものではないが、例えば基剤、担体、溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、増粘剤、保湿剤、着色料、香料、キレート剤などが挙げられる。
【0099】
緩衝剤としては、特に制限されず、用途に応じて、許容される適切なものを採用することができる。好ましくはリン酸緩衝液、酢酸緩衝液等が挙げられる。
【0100】
本発明の剤の有効成分の含有量は、有効成分の種類、用途、使用態様、適用対象、適用対象の状態などに左右されるものであり、限定はされないが、例えば0.000001~100重量%、好ましくは0.001~50重量%とすることができる。
【実施例0101】
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0102】
合成例1.カテキンタイプ化合物の合成
合成例1-1.化合物 5 の合成
【0103】
【化19】
3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)ベンジルアルコール (1) (4.0 g, 9.37 mmol) を無水クロロホルム (100 ml) に溶解し、0 ℃下、三臭化リン (0.45 ml, 4.74 mmol) を加え19分間攪拌した。水を加えて反応を停止し、クロロホルムを加えて有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム) にて精製し、化合物 2 (4.13 g, 90%) を白色固体として得た。
【0104】
(-)-Epigallocatechin (EGC) (4.0 g, 13.1 mmol) を無水DMF (100 ml) に溶解し、0 ℃下、水素化ナトリウム (60% NaH, 3.4 g, 85.0 mmol)、臭化ベンジル (7.7ml, 65.0 mmol) を加え、26時間攪拌した。1 M 塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルを加えて有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン : 酢酸エチル = 4:1) にて精製し、化合物 3 (5.94 g, 61%) を白色非結晶として得た。
【0105】
化合物 5 は論文記載 (J. Agric. Food Chem. 2019, 67, 7128-7135.) の方法に従って合成した。
【0106】
化合物 4 (300 mg, 0.257 mmol) をTHF-EtOH (1:1) に溶解し、水酸化パラジウム-活性炭素 (Pd 20%, 約 50% 含水) (60 mg, 20% w/w) を加え、水素雰囲気下、20時間半攪拌した。水酸化パラジウム-活性炭素を濾別後、溶媒を減圧留去した。残渣をSephadex LH-20 を用いたカラムクロマトグラフィー (水 : エタノール = 1:1で 2 回、水 : エタノール = 2:1で 2 回) にて精製し、化合物 5 (10.6 mg, 9.3%) を灰色固体として得た。
【0107】
合成例1-2.化合物 10 の合成
【0108】
【化20】
化合物 3 (102 mg, 0.135 mmol)、p-ニトロ安息香酸 (96.7 mg, 0.596 mmol)、トリフェニルホスフィン (173 mg, 0.66 mmol) を無水THF (2.5 ml) に溶解し、アゾジカルボン酸ジエチル (3.0 ml, 6.61 mmol) を加え 40 ℃で 3時間攪拌した。水を加えて反応を停止し、酢酸エチルを加えて有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー (ヘキサン : 酢酸エチル = 3:1) にて精製し、赤色オイル状の混合物を得た。得られた混合物をTHF (2.0 ml) に溶解し、1 M 水酸化ナトリウム水溶液 (0.18 ml) を加え、40 ℃で 6 時間攪拌した。1 M 塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルを加えて有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー (ヘキサン : 酢酸エチル = 3:1) にて精製し、化合物 6 (33 mg, 33%) を黄色オイル状化合物として得た。
【0109】
化合物 6 から化合物 10 は論文記載 (US 2004/0186167 A1) の方法に従って合成した。
【0110】
合成例1-3.化合物 15 の合成
【0111】
【化21】
化合物 11 は化合物 2 から論文記載 (J. Am. Chem. Soc. 2013, 135, 4129-4148.) の方法に従って合成した。
【0112】
化合物 11 (100 mg, 0.18 mmol) をエタノール (2.0 ml) に懸濁し、ヒドラジン一水和物 (87.5 μl, 18 mmol) を加え、65 ℃ で 2時間半攪拌した。水を加えて反応を停止し、酢酸エチルを加えて有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去し、化合物 12 (72.8 mg, 95%) を淡灰色固体として得た。
Compound 12: pale gray solid. 1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 7.44-7.26 (m, 15H), 6.63 (s, 2H), 5.11 (s, 4H), 5.04 (s, 2H), 3.78 (s, 2H).。
【0113】
化合物 13 は化合物 3 から論文記載 (Org. Lett., 2001, 3, 843-846.) の方法に従って合成した。
【0114】
室温中、化合物 13 (501 mg, 0.663 mmol)、化合物 12 (420 mg, 0.987 mmol) を無水CH2Cl2(7.0 ml) に溶解し、4時間攪拌した後、トリアセトキシ水素化ほう素ナトリウム (352 mg, 1.66 mmol) を加え、40 ℃で一晩攪拌した。水を加えて反応を停止し、塩化メチレンを加えて有機層を飽和重曹水、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー (トルエン : 酢酸エチル = 40:1) で精製し、得られた黄色オイル状化合物に対し、洗浄濾過 (メタノール-ヘキサン) により、化合物 14 (381 mg, 50%) を淡黄色固体として得た。
Compound 14: pale yellow solid. 1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 7.44-7.21 (m, 40H), 6.76 (s, 2H), 6.36 (s, 2H), 6.31 (dd, J = 9.2, 2.3 Hz, 1H), 6.28 (dd, J = 9.2, 2.3 Hz, 1H), 5.07-4.89 (m, 17H), 3.60 (dd, J = 48.0, 14.2 Hz, 1H), 3.48 (dd, J = 48.0, 14.2 Hz, 1H), 3.13 (m, 1H), 2.88 (d, J = 16.9 Hz, 1H), 2.71 (dd, J = 16.9, 4.6 Hz, 1H); HRMS (ESI) calcd. for C78H69NO9([M + Na]+) 1186.48645, found 1186.49134.。
【0115】
化合物 14 (71 mg, 0.061 mmol) をTHF-MeOH (1:1) (6.0 ml) に溶解し、水酸化パラジウム-活性炭素 (Pd 20%, 約 50% 含水) (14 mg, 20% w/w) を加え、水素雰囲気下、1時間攪拌した。水酸化パラジウム-活性炭素を濾別後、溶媒を減圧留去し、化合物 15 (29.5 mg, quant.) を灰色固体として得た。
Compound 15: grey powder. 1H-NMR (400 MHz, ACETONE-D6) δ 6.55 (s, 2H), 6.35 (s, 2H), 6.02 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 5.91 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 5.08 (s, 1H), 3.67 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 3.57 (d, J = 13.3 Hz, 1H), 3.36 (s, 1H), 2.86-2.82 (m, 2H), 2.70 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 2.43-2.63 (0H) 3.62 (dd, J = 41.4, 13.0 Hz, 3H), 3.45 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 3.36 (s, 1H), 2.84 (dd, J = 16.5, 5.0 Hz, 1H), 2.68 (dd, J = 16.5, 5.5 Hz, 1H). 13C-NMR (101 MHz, ACETONE-D6) δ 157.7, 157.3, 156.6, 146.4, 146.4, 133.1, 132.8, 130.4, 108.3, 106.3, 99.8, 96.2, 95.5, 78.1, 54.0, 51.6, 49.6, 24.3; HRMS (ESI) calcd. for C53H62NO15SNa ([M + Na]+) 993.3701, found 993.3686. 。
【0116】
合成例1-4.化合物 17 の合成
【0117】
【化22】
化合物 14 (24.6 mg, 0.021 mmol) を無水THF (0.8 ml) に溶解し、塩化アセチル (3.6 μl, 0.050 mmol)、トリエチルアミン (8.8 μl, 0.063 mmol) を加え、40 ℃で3時間攪拌した。1 M 塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルを加えて有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー (ヘキサン : 酢酸エチル = 3:1) にて精製し、化合物 16 (17.5 mg, 69%) を淡黄色非結晶として得た。
Compound 16: pale yellow amorphous. Z isomer:
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 7.46-7.16 (m, 40H), 6.62 (s, 2H), 6.21 (dd, J = 32.5, 2.3 Hz, 2H), 6.03 (s, 2H), 5.47-5.44 (m, 1H), 5.25 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 5.12-4.68 (m, 16H), 3.78 (dd, J = 27.7, 18.1 Hz, 2H), 2.87-2.79 (m, 1H), 2.48-2.36 (m, 1H), 1.65 (s, 3H). Eisomer:
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 7.46-7.16 (m, 40H), 6.62 (s, 2H), 6.28 (dd, J = 15.6, 2.3 Hz, 2H), 6.01 (s, 2H), 5.34 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 5.12-4.68 (m, 17H), 4.07 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 3.78 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 2.87-2.79 (m, 1H), 2.48-2.36 (m, 1H), 1.38 (s, 3H); HRMS (ESI) calcd. for C
80H
71NO
10([M + Na]
+) 1228.49702, found 1228.49240.。
【0118】
化合物 16 (71.1 mg, 0.056 mmol) をTHF-MeOH (1:1) (1.2 ml) に溶解し、水酸化パラジウム-活性炭素 (Pd 20%, 約 50% 含水) (14.2 mg, 20% w/w) を加え、水素雰囲気下、3時間半攪拌した。水酸化パラジウム-活性炭素を濾別後、溶媒を減圧留去し、化合物 17 (29.5 mg, quant.) を白色固体として得た。
Compound 17: white powder. Z isomer: 1H-NMR (400 MHz, ACETONE-D6) δ 6.24 (s, 2H), 6.07 (s, 2H), 5.95 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 5.87 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 5.16 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 5.12-5.07 (m, 1H), 4.19 (d, J = 18.3 Hz, 1H), 3.67 (d, J = 18.3 Hz, 1H), 2.80 (dd, J = 15.8, 5.7 Hz, 1H), 2.44 (dd, J = 16.0, 11.0 Hz, 1H), 1.94 (s, 3H). E isomer: 1H-NMR (400 MHz, ACETONE-D6) δ 6.39 (s, 2H), 6.01 (s, 1H), 5.96 (s, 2H), 5.90 (s, 1H), 4.95 (s, 1H), 4.90 (s, 1H), 4.49 (s, 1H), 3.53 (t, J = 8.5 Hz, 1H), 2.69 (dd, J = 17.6, 3.9 Hz, 1H), 1.93 (s, 3H); HRMS (ESI) calcd. For C24H23NO10 ([M + Na]+) 508.12142, found 508.12155. 。
【0119】
合成例1-5.化合物 21~23 の合成
【0120】
【0121】
【化24】
3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)安息香酸クロリド (8) (1.5 g, 3.23 mmol) をピリジン (15 ml) に溶解し、EGC (152 mg, 0.47 mmol) を加え、4時間攪拌した。1 M 塩酸を加えて反応を停止した際、白色固体が析出した。白色固体を濾別、クロロホルム洗浄後、濾液にクロロホルムを加えて有機層を 1 M 塩酸、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去した。残渣を二度のカラムクロマトグラフィー (トルエン : 酢酸エチル = 50:1, トルエン : 酢酸エチル = 20:1) にて精製し、化合物 18 (412 mg, 31%) を白色非結晶として、19 (124 mg, 11%) を白色固体として、20 (233 mg, 20%) を白色固体として得た。
Compound 18: white amorphous.
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 7.51-7.10 (m, 104H), 6.98 (t, J = 2.7 Hz, 1H), 6.83 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 5.75 (s, 1H), 5.37 (s, 1H), 5.16-4.71 (m, 36H), 3.14-3.11 (m, 2H).
Compound 19: white solid.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-D6) δ 9.92 (s, 1H), 7.75 (s, 2H), 7.59-7.08 (m, 85H), 6.59 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 6.42 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 5.69 (s, 1H), 5.63 (s, 1H), 5.27-4.67 (m, 30H), 3.15 (d, J = 13.3 Hz, 1H), 2.84 (d, J = 16.5 Hz, 1H).
Compound 20: white solid.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-D6) δ 10.14 (s, 1H), 7.78 (s, 2H), 7.52-7.13 (m, 85H), 6.60 (s, 1H), 6.45 (s, 1H), 5.77 (s, 1H), 5.68 (s, 1H), 5.24-4.67 (m, 30H), 3.24 (d, J = 14.2 Hz, 1H), 3.05 (d, J = 17.4 Hz, 1H).。
【0122】
化合物 18 (76.8 mg, 0.027 mmol) をTHF-MeOH (1:1) (0.9 ml) に溶解し、水酸化パラジウム-活性炭素 (Pd 20%, 約 50% 含水) (37.9 mg, 50% w/w) を加え、水素雰囲気下、11時間攪拌した。水酸化パラジウム-活性炭素を濾別後、溶媒を減圧留去し、化合物 21 (33.7 mg, quant.) を白色固体として得た。
Compound 21: white powder. 1H-NMR (400 MHz, METHANOL-D4) δ 7.51 (s, 2H), 7.20 (d, J = 1.4 Hz, 4H), 7.05 (s, 4H), 7.00 (s, 2H), 6.94 (s, 2H), 6.90 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.73 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 5.69 (s, 1H), 5.49 (s, 1H), 3.23 (dd, J = 17.8, 4.1 Hz, 1H), 3.05 (d, J = 16.9 Hz, 1H). 。
化合物 19 (55.6 mg, 0.023 mmol) をTHF-MeOH (1:1) (0.7 ml) に溶解し、水酸化パラジウム-活性炭素 (Pd 20%, 約 50% 含水) (29.7 mg, 50% w/w) を加え、水素雰囲気下、11時間攪拌した。水酸化パラジウム-活性炭素を濾別後、溶媒を減圧留去し、化合物 22 (25.5 mg, quant.) を白色固体として得た。
Compound 22: white powder. 1H-NMR (400 MHz, METHANOL-D4) δ 7.47 (s, 2H), 7.18 (s, 2H), 7.06 (s, 4H), 6.98 (s, 2H), 6.94 (s, 2H), 6.45 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.29 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 5.63 (s, 1H), 5.38 (s, 1H), 3.09 (dd, J = 17.6, 4.3 Hz, 1H), 2.90 (d, J = 17.4 Hz, 1H). 。
化合物 20 (64.4 mg, 0.027 mmol) をTHF-MeOH (1:1) (0.7 ml) に溶解し、水酸化パラジウム-活性炭素 (Pd 20%, 約 50% 含水) (31.7 mg, 50% w/w) を加え、水素雰囲気下、11時間攪拌した。水酸化パラジウム-活性炭素を濾別後、溶媒を減圧留去し、化合物 23 (27.8 mg, 98%) を白色固体として得た。
Compound 23: white powder. 1H-NMR (400 MHz, METHANOL-D4) δ 7.50 (s, 2H), 7.17 (s, 2H), 7.06 (s, 4H), 7.01 (s, 2H), 6.94 (s, 2H), 6.40 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 6.28 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 5.70 (s, 1H), 5.40 (s, 1H), 3.19-3.07 (m, 2H) 。
【0123】
合成例2.ナフタレンタイプ化合物及びベンゼンタイプ化合物の合成
合成例2-1.化合物 26 の合成
【0124】
【化25】
フロログルシノール (24) (40 mg, 0.317 mmol) と 3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)安息香酸クロリド (8) (363 mg, 0.792 mmol) を無水THF (6.0 ml) に溶解し、トリエチルアミン (165 μl, 1.19 mmol) を加え、3時間半攪拌した。1 M 塩酸を加えて反応を停止した際、白色固体が析出した。白色固体を濾別した後、水、ヘキサン、メタノールで洗浄し、濾過体にメタノールと化合物 25 を 1:2 で含む混合物 (431 mg) を白色固体として得た。
Compound 25; white solid,
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 7.52 (s, 6H), 7.47-7.27 (m, 45H), 7.08 (s, 3H), 5.17-5.13 (m, 18H).。
【0125】
化合物 25 (92.9 mg, 0.0667 mmol) をTHF-MeOH (1:1) (5.5 ml) に溶解し、水酸化パラジウム-活性炭素 (Pd 20%, 約 50% 含水) (18.6 mg, 20% w/w) を加え、水素雰囲気下、5時間攪拌した。水酸化パラジウム-活性炭素を濾別後、溶媒を減圧留去し、化合物 26 (30 mg, 77%) を灰色固体として得た。
Compound 26; gray solid, 1H-NMR (400 MHz, METHANOL-D4) δ 7.21 (s, 6H), 7.03 (s, 3H) 。
【0126】
合成例2-2.化合物 29a~29e の合成
【0127】
【化26】
1,7-ジヒドロキシナフタレン (27a) (20.0 mg, 0.125 mmol) と 3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)安息香酸クロリド (8) (172 mg, 0.375 mmol) をピリジン (1.5 ml) に懸濁し、14時間攪拌した。1 M 塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルを加えて有機層を 1 M 塩酸、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー (トルエン : 酢酸エチル = 50:1、ヘキサン : 酢酸エチル = 4:1) にて精製し、化合物 28a (26.6 mg, 21%) を白色固体として得た。
Compound 28a; white solid.,
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 7.98 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.83 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.66 (m, 3H), 7.53 (m, 3H), 7.45-7.30 (m, 32H), 5.19-5.14 (m, 12H).
化合物 28a (13.7 mg, 0.0136 mmol) をTHF-MeOH (1:1) (0.7 ml) に溶解し、水酸化パラジウム-活性炭素 (Pd 20%, 約 50% 含水) (6.9 mg, 50% w/w) を加え、水素雰囲気下、11時間攪拌した。水酸化パラジウム-活性炭素を濾別後、溶媒を減圧留去し、化合物 29a (6.7 mg, quant.) を灰色固体として得た。
【0128】
1,5-ジヒドロキシナフタレン (27b) (20.0 mg, 0.125 mmol) と 3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)安息香酸クロリド (8) (172 mg, 0.375 mmol) をピリジン (1.5 ml) に懸濁し、無水THF (1.0 ml) を加え、4時間攪拌した。1 M 塩酸を加えて反応を停止し、析出した固体を濾取した。残渣をカラムクロマトグラフィー (トルエン : 酢酸エチル = 50:1) にて精製し、化合物 28b (28.9 mg, 23%) を白色固体として得た。
【0129】
化合物 28b (56.5 mg, 0.0562 mmol) をTHF-MeOH (1:1) (2.5 ml) に溶解し、水酸化パラジウム-活性炭素 (Pd 20%, 約 50% 含水) (10.9 mg, 20% w/w) を加え、水素雰囲気下、2時間半攪拌した。水酸化パラジウム-活性炭素を濾別後、溶媒を減圧留去し、化合物 29b (20.6 mg, 79%) を灰色固体として得た。
【0130】
2,6-ジヒドロキシナフタレン (27c) (39.4 mg, 0.245 mmol) と 3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)安息香酸クロリド (8) (200 mg, 0.436 mmol) を無水THF (3.0 ml) に溶解し、トリエチルアミン (0.91 ml, 6.54 mmol) を加え、16時間半攪拌した。1 M 塩酸を加えて反応を停止し、析出した固体を濾取した。少量のクロロホルムを加えて洗浄し、化合物 28c (70.8 mg, 32%) を白色固体として得た。
【0131】
化合物 28c (55 mg, 0.0547 mmol) をTHF-MeOH (1:1) (2.5 ml) に溶解し、水酸化パラジウム-活性炭素 (Pd 20%, 約 50% 含水) (10.5 mg, 20% w/w) を加え、水素雰囲気下、5時間攪拌した。水酸化パラジウム-活性炭素を濾別後、溶媒を減圧留去し、化合物 29c (25.9 mg, quant.) を灰色固体として得た。
【0132】
1,6-ジヒドロキシナフタレン (27d) (38.2 mg, 0.238 mmol) と 3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)安息香酸クロリド (8) (200 mg, 0.436 mmol) を無水THF (3.5 ml) に溶解し、トリエチルアミン (0.09 ml, 0.654 mmol) を加え、1時間半攪拌した。1 M 塩酸を加えて反応を停止し、クロロホルムを加えて有機層を 1 M 塩酸、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー (トルエン : 酢酸エチル = 90:1) にて精製し、化合物 28d (157 mg, 72%) を白色固体として得た。
Compound 28d; white solid, 1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 7.89 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 7.77 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.65 (s, 2H), 7.56 (m, 3H), 7.47-7.27 (m, 32H), 5.22-5.18 (m, 12H).。
【0133】
化合物 28d (70.6 mg, 0.0702 mmol) をTHF-MeOH (1:1) (3.1 ml) に溶解し、水酸化パラジウム-活性炭素 (Pd 20%, 約 50% 含水) (14 mg, 20% w/w) を加え、水素雰囲気下、2時間半攪拌した。水酸化パラジウム-活性炭素を濾別後、溶媒を減圧留去し、化合物 29d (35.3 mg, quant.) を灰色固体として得た。
【0134】
2,7-ジヒドロキシナフタレン (27e) (39.1 mg, 0.244 mmol) と 3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)安息香酸クロリド (8) (200 mg, 0.436 mmol) を無水THF (3.5 ml) に溶解し、トリエチルアミン (0.09 ml, 0.654 mmol) を加え、4時間攪拌した。1 M 塩酸を加えて反応を停止し、クロロホルムを加えて有機層を 1 M 塩酸、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー (トルエン : 酢酸エチル = 90:1) にて精製し、化合物 28e (95.2 mg, 43%) を白色固体として得た。
Compound 28e; white solid., 1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 7.94 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.64 (s, 2H), 7.58 (s, 4H), 7.47-7.27 (m, 32H), 5.19 (d, J = 7.3 Hz, 12H).。
【0135】
化合物 28e (66 mg, 0.0657 mmol) をTHF-MeOH (1:1) (4.0 ml) に溶解し、水酸化パラジウム-活性炭素 (Pd 20%, 約 50% 含水) (13.5 mg, 20% w/w) を加え、水素雰囲気下、4時間半攪拌した。水酸化パラジウム-活性炭素を濾別後、溶媒を減圧留去し、化合物 29e (28.2 mg, 93%) を灰色固体として得た。
【0136】
合成例2-3.化合物 37 の合成
【0137】
【化27】
30 は論文記載 (Angew. Chem. Int. Ed. 2019, 58, 7813 -7817., https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ange.201903492) の方法を参考に行った。
【0138】
化合物 30 (42 mg, 0.17 mmol) を無水ジクロロメタン (0.4 ml) に溶解し、 0 ℃ 及び窒素雰囲気下、 1.0 mol/L 三臭化ほう素・ジクロロメタン溶液 (1 ml, 1.0 mmol) を加え20 分間撹拌した。水を加えて反応を停止し、酢酸エチルを加え、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル = 4 : 1) にて精製し、化合物 31 (21.0 mg, 53 %)を黄色固体として得た。
Compound 31: Yellow solid. 1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 11.31 (s, 1H), 8.74 (s, 1H), 7.55 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.17 (dd, J = 8.7, 2.7 Hz, 1H), 6.76 (s, 1H), 5.06 (s, 1H), 4.14 (s, 3H).。
【0139】
化合物 31 (19.4 mg, 0.083 mmol) を無水テトラヒドロフラン (0.3 ml) に溶解し、0 ℃ 及び窒素雰囲気下、水素化ナトリウム (9.9 mg, 0.414 mmol) とクロロメチルメチルエーテル(0.025 ml, 0.33 mmol) を加え 1 時間撹拌した。水を加えて反応を停止し、酢酸エチルを加え、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル= 3 : 1) にて精製し、化合物 32 (24.9 mg, 82 %) を黄色オイル状化合物として得た。
Compound 32: Yellow oil. 1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 7.68-7.64 (m, 2H), 7.24 (m, 2H), 5.27 (s, 2H), 5.26 (s, 2H), 5.19 (s, 2H), 3.97 (s, 3H), 3.64 (s, 3H), 3.51 (s, 6H).。
【0140】
化合物 32 (33.4 mg, 0.091 mmol) を水とテトラヒドロフランの混合溶媒 (3 ml) に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液(0.37 ml, 1.46 mmol) を加え、80 ℃ で 68 時間撹拌した。 1 M 塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルを加え、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去し、化合物 33 (24.6 mg, 77 %) を淡黄色固体として得た。
Compound 33: Pale yellow solid. 1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 7.70-7.66 (m, 2H), 7.29 (m, 2H), 5.32 (s, 2H), 5.29 (s, 2H), 5.25 (s, 2H), 3.67 (s, 3H), 3.54 (s, 3H), 3.52 (s, 3H).。
【0141】
続く化合物 34, 35 及び 36, 37 は常法に従って合成可能である。
【0142】
合成例2-4.化合物 41 の合成
化合物 33 より化合物 38 を経由し、常法に従って化合物 41 を合成可能である。
【0143】
【0144】
合成例3.フラボンタイプ化合物の合成
合成例3-1.化合物 43 の合成
【0145】
【化29】
Myricetin (50 mg, 0.157 mmol)、8 (571 mg, 1.24 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン (19 mg, 0.157 mmol) をピリジン (3 ml) に懸濁させ撹拌した。16 時間後 1 M 塩酸を加え反応を停止した。析出した固体を濾過し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=3:1) にて精製し、 42 (39.3 mg, 0.0137 mmol, 7%)を白色固体として得た。
Compound 42; white powder;
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.08 (s, 2H), 7.68-7.11 (m, 104H), 5.19-4.76 (m, 36H).。
【0146】
水酸化パラジウム-活性炭素 (Pd 20%, 約 50% 含水) (19 mg, 50% w/w) をメタノール (0.5 ml) に懸濁させ、水素雰囲気下 42 (39.3 mg, 0.0137 mmol) の THF (0.5 ml) 溶液に加え 10 時間攪拌した。水酸化パラジウム-活性炭素を濾別後、溶媒を減圧留去した。粗生成物をクロロホルムで洗浄し、43 (21 mg, 0.017 mmol, quant) を白色固体として得た。
Compound 43: white powder; 1H-NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.94 (s, 2H), 7.71 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 1.4 Hz, 4H), 7.22 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.18 (s, 2H), 7.05 (s, 4H), 6.96 (s, 2H) 。
【0147】
合成例3-2.化合物 45 の合成
【0148】
【化30】
Quercetin (200 mg, 0.662 mmol)、8 (1.8 g, 3.97 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン (80.8 mg, 0.662 mmol) をピリジン (6 ml) に懸濁させ撹拌した。24 時間後 1 M 塩酸を加え反応を停止した。酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (トルエン:ヘキサン:酢酸エチル=20:10:1) にて精製し、 44 (761 mg, 0.315 mmol, 48%)を白色固体として得た。
Compound 44; white powder;
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 12.16 (s, 1H), 8.05 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.87 (dd, J = 8.7, 2.3 Hz, 1H), 7.61-7.16 (m, 69H), 7.04 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.74 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 5.19-5.12 (m, 12H), 4.99-4.84 (m, 12H)。
【0149】
水酸化パラジウム-活性炭素 (Pd 20%, 約 50% 含水) (47 mg, 50% w/w) をメタノール (0.5 ml) に懸濁させ、水素雰囲気下 44 (94 mg, 0.0389 mmol) の THF (0.5 ml) 溶液に加え 8 時間後攪拌した。水酸化パラジウム-活性炭素を濾別後、溶媒を減圧留去し、Sephadex-LH20 (水:メタノール=1:15) にて精製し、45 (8.6 mg, 0.00809 mmol, 21%) を白色固体として得た。
Compound 45: white powder; 1H-NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.97-7.91 (m, 2H), 7.68 (q, J = 2.7 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 3.7 Hz, 4H), 7.19 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.03 (t, J = 1.6 Hz, 4H) ; HRMS (ESI), calcd for C43H26O23 (M+Na)+ 933.0757, Found: 933.0734. 。
【0150】
合成例3-3.化合物 47 の合成
【0151】
【化31】
44 (150 mg, 0.0753 mmol) を塩化メチレン (2.5 ml) に溶解させ、8 (50 mg, 0.113 mmol)、ジアザビシクロウンデセン (43.3 μg, 0.662 mmol) を加えた。その後 50 ℃ まで昇温し撹拌した。19 時間後 1 M 塩酸を加え反応を停止した。酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=3:1) にて精製し、46 (106 mg, 0.0439 mmol, 59%) を白色固体として得た。
Compound 46; white powder;
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.04 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.85 (dd, J = 8.6, 1.8 Hz, 1H), 7.68 (s, 2H), 7.61-7.17 (m, 86H), 5.19-5.07 (m, 18H), 4.99-4.85 (m, 12H)。
【0152】
水酸化パラジウム-活性炭素 (Pd 20%, 約 50% 含水) (53 mg, 50% w/w) をメタノール (1 ml) に懸濁させ、水素雰囲気下 46 (106 mg, 0.0137 mmol) の THF (1 ml) 溶液に加え10 時間攪拌した。水酸化パラジウム-活性炭素を濾別後、溶媒を減圧溜去し、47 (38.8 mg, 0.0365 mmol, 83%) を白色固体として得た。
Compound 47: white powder; 1H-NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.99-7.96 (m, 2H), 7.70 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 4.1 Hz, 4H), 7.22 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.17 (t, J = 5.3 Hz, 2H), 7.06 (d, J = 1.4 Hz, 4H) ; HRMS (ESI), calcd for C50H30O27 (M+Na)+ 1085.0867, Found: 1085.0891. 。
【0153】
合成例3-4.化合物 49 の合成
【0154】
【化32】
Kaempferol (150 mg, 0.524 mmol)、8 (1.2 g, 2.62 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン (63.9 mg, 0.524 mmol) をピリジン (6 ml) に懸濁させ撹拌した。22 時間後 1 M 塩酸を加え反応を停止した。酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (トルエン:ヘキサン:酢酸エチル 5:8:1) にて精製し、 48 (687 mg, 0.348 mmol, 67%) を白色固体として得た。
Compound 48; white powder;
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.90 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.66 (s, 2H), 7.53-7.18 (m, 70H), 5.19-5.10 (m, 24H)。
【0155】
水酸化パラジウム-活性炭素 (Pd 20%, 約 50% 含水) をメタノール (1 ml) に懸濁させ、水素雰囲気下 48 (92 mg, 0.0468 mmol) の THF (1 ml) 溶液に加え、10 時間攪拌した。水酸化パラジウム-活性炭素を濾別後、溶媒を減圧留去し、49 (36.9 mg, 0.0412 mmol, 88%) を白色固体として得た。
Compound 49: white powder; 1H-NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.06 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.68 (t, J = 1.1 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.25 (d, J = 1.4 Hz, 3H), 7.21 (s, 2H), 7.19 (s, 2H), 7.16 (s, 2H) ; HRMS (ESI), calcd for C43H26O22 (M+Na)+ 917.0808, Found: 917.0852. 。
【0156】
合成例3-5.化合物 51 の合成
【0157】
【化33】
Baicalein (150 mg, 0.555 mmol)、8 (1.0 g, 2.22 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン (68 mg, 0.555 mmol) をピリジン (2 ml) に懸濁させ撹拌した。24 時間後 1 M 塩酸を加え反応を停止した。酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (トルエン:ヘキサン:酢酸エチル 5:5:1) にて精製し、 50 (574 mg, 0.373 mmol, 67%) を白色固体として得た。
Compound 50; white powder;
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.92 (dd, J = 7.8, 1.8 Hz, 2H),7.78 (s, 1H), 7.58-7.52 (m, 6H), 7.43-7.14 (m, 48H), 6.72 (s, 1H), 5.03-4.81 (m, 18H)。
【0158】
パラジウム-活性炭素 (Pd 10%, 約 50% 含水) (9 mg, 30% w/w) をメタノール (0.5 ml) に懸濁させ、水素雰囲気下 50 (30 mg, 0.0193 mmol) の THF (0.5 ml) 溶液に加え、2 日間攪拌した。パラジウム-活性炭素を濾別後、溶媒を減圧留去し、51 (14.8 mg, 0.0204 mmol, quant) を白色固体として得た。
Compound 51: white powder; 1H-NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.06 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.81 (s, 1H), 7.59 (dd, J = 19.4, 12.1 Hz, 3H), 7.15-7.04 (m, 6H), 6.81 (s, 1H) 。
【0159】
合成例4.オーロンタイプ化合物の合成
合成例4-1-1.化合物 61 及び 62 の合成
【0160】
【化34】
化合物 52 (1.0 g, 6.57 mmol) を無水DMFに溶解し、炭酸カリウム (1.36 g, 13.1 mmol)、クロロメチルメチルエーテル (0.59 ml, 10.5 mmol) を加え5時間攪拌した。1 M 塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルを加えて有機層を飽和重曹水、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー (ヘキサン : 酢酸エチル = 10:1) にて精製し、化合物 53 (1.31 g, 77%) を無色油状液体として得た。
【0161】
化合物 54 は論文記載 (J. Med. Chem. 2019, 62, 8809-8818.) の方法に従って合成した。
【0162】
化合物 54 (1.84 g, 9.28 mmol) を無水アセトニトリル (45 ml) に溶解し、酢酸アンモニウム (71.5 mg, 0.973 mmol) を加えた。反応液を攪拌しながらN-ブロモスクシンイミド (1.65 g, 9.28 mmol) のアセトニトリル溶液 (23 ml) を滴下し、20分間攪拌した。水を加えて反応を停止し、クロロホルムを加えて有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去し、化合物 55 (2.41 g, 94%) を黄褐色油状液体として得た。
Compound 55; yellowish-brown oil., 1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 7.41 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 6.63 (dd, J = 8.9, 2.5 Hz, 1H), 5.23 (s, 2H), 5.14 (s, 2H), 3.52 (s, 3H), 3.47 (s, 3H).。
【0163】
窒素雰囲気下、化合物 55 (2.30 g, 8.30 mmol) を無水THF (83 ml)に溶解し、n-ブチルリチウム (in hexane 1.59 M, 5.74 ml, 9.13 mmol) を加え、40分間攪拌した。続いて、無水DMF (10.3 ml, 133 mmol) を滴下し、室温へ昇温後、1時間攪拌した。重曹水を加えて反応を停止し、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせて水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー (ヘキサン : 酢酸エチル = 4:1) にて精製し、化合物 56 (1.62 g, 86%) を黄色油状液体として得た。
Compound 56; yellow oil., 1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 10.34 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 6.83 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.74 (dd, J = 8.7, 2.3 Hz, 1H), 5.28 (s, 2H), 5.22 (s, 2H), 3.52 (s, 3H), 3.49 (s, 3H).。
【0164】
化合物 53 (56.2 mg, 0.286 mmol) と化合物 56 (55.0 mg, 0.239 mmol) を無水DMF (3.0 ml) に溶解し、0 ℃下で、水素化ナトリウム (60% NaH, 22.3 mg, 0.558 mmol) を加えた。その後室温に昇温し、3時間攪拌した。1 M 塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルを加えて有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー (ヘキサン : 酢酸エチル = 5:1) にて精製し、化合物 57 (88.9 mg, 92%) を黄色油状液体として得た。
【0165】
化合物 61 および化合物 62 を、常法に従って合成可能である。
【0166】
合成例4-1-2.化合物 59 の別合成方法
合成例4-1-1の中間体である化合物 59を、別の方法で合成した。
【0167】
【化35】
化合物 96 (61.2 mg, 0.556 mmol) を無水塩化メチレンに懸濁し、0 ℃、塩化アルミニウム (153 mg, 1.15 mmol)、化合物 97 (53 μl, 0.667 mmol) を加え、還流条件で3時間攪拌した。水を加えて反応を停止し、酢酸エチルを加えて有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー (ヘキサン : 酢酸エチル = 5:1) にて精製し、化合物 98を得た。化合物 98 (7.3 mg, 0.0391 mmol) を4 M 水酸化ナトリウム水溶液に溶解し、2時間半攪拌した。1 M塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルを加えて有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー (ヘキサン : 酢酸エチル = 2:1) にて精製し、化合物 99 (1.0 mg, 17%) を淡黄色固体として得た。
【0168】
化合物 99 (7.3 mg, 0.0486)、化合物 56 (11.0 mg, 0.0486 mmol) をエタノールに溶解し、4 M 水酸化ナトリウム水溶液を加え、50 分間攪拌した。1 M塩酸を加えて反応を停止し、析出した固体をろ取し、化合物 100 (12.3 mg, 71%) を黄色固体として得た。
Compound 100; yellow solid. 1H-NMR (400 MHz, DMSO-D6) δ 8.14 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.03 (s, 1H), 6.85 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 6.77 (s, 1H), 6.70 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 5.34 (s, 2H), 5.26 (s, 2H), 3.43 (s, 3H), 3.41 (d, J = 5.0 Hz, 3H).。
【0169】
化合物 100 (3.2 mg, 0.00893 mmol) をメタノールに懸濁し、4 M塩化水素ジオキサン溶液(6.7 μl, 0.0268) を加え、40 ℃で5時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、化合物 59 (5.4 mg) を赤色固体として得た。
Compound 59; red solid. 1H-NMR (400 MHz, DMSO-D6) δ 11.06 (s, 1H), 10.29 (s, 1H), 9.96-10.10 (1H), 7.96 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.05 (s, 1H), 6.76 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 6.70-6.68 (m, 1H), 6.40 (d, J = 6.9 Hz, 2H).。
【0170】
合成例4-2.化合物 71 及び 72 の合成
【0171】
【化36】
化合物 63 (2.1 g, 13.8 mmol) を無水ジクロロメタン (20 ml) に溶解させ、ジイソプロピルエチルアミン (4.8 ml, 27.6 mmol) を加え、 0 ℃ 下、クロロメチルメチルエーテル (1.7 ml, 22.1 mmol) を加えて窒素雰囲気下撹拌した。 50 分後、 1 規定の塩酸水を加えて反応を停止した。クロロホルムで抽出し、水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル:ヘキサン = 7 : 1) にて精製し、化合物 64 (1.6 g, 60 %) をオレンジオイル状化合物として得た。
Compound 64: Orange oil.
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 7.32 (t, J = 8.5 Hz, 1H), 6.61 (m, 2H), 5.28 (s, 2H), 3.52 (s, 3H), 2.72 (s, 3H)。
【0172】
化合物 65 (0.086 ml, 0.082 mmol) を無水ジメチルホルムアミド (1 ml) に溶解させ、ジイソプロピルエチルアミン (0.22 ml, 1.23 mmol) を加え、 0 ℃ 下、クロロメチルメチルエーテル (0.081 ml, 1.07 mmol) を加えて窒素雰囲気下 2 時間撹拌した。室温に昇温し、さらに、17.5 時間後、ジイソプロピルエチルアミン (0.17 ml, 0.99 mmol) を加え、 0 ℃ に降温し、クロロメチルメチルエーテル (0.062 ml, 0.82 mmol) 加えた。 8 時間後、 50 ℃ に昇温し、さらに、1 時間後、ジイソプロピルエチルアミン (0.17 ml, 0.99 mmol) を加え、 0 ℃ に降温し、クロロメチルメチルエーテル (0.062 ml, 0.82 mmol) 加えた。 1.5 時間後、 1 規定の塩酸水を加えて反応を停止した。酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去し、化合物 66 (133 mg, 97 %) を無色オイル状化合物として得た。
Compound 66: Colorless oil. 1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 10.51 (s, 1H), 7.85 (dd, J = 7.8, 1.8 Hz, 1H), 7.57-7.52 (m, 1H), 7.22 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.09 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 5.33 (s, 2H), 3.53 (s, 3H)。
【0173】
化合物 64 (69.8 mg, 0.356 mmol) と化合物 66 (49.3 mg, 0.296 mmol) を無水ジメチルホルムアミド (1 ml) に溶解し、 0 ℃ 下、水素化ナトリウム (28.5 mg, 0.712 mmol) を加え、窒素雰囲気下、室温に昇温し 1 時間攪拌した。1 M 塩酸を加えて反応を停止した。酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル:ヘキサン = 7 : 1) にて精製し、化合物 67 (79.2 mg, 77 %) を黄色オイル状化合物として得た。
Compound 67: Yellow oil. 1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.25 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 7.91 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 7.65 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.34 (m, 2H), 7.19 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.04 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 6.67 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 5.30 (s, 2H), 5.29 (s, 2H), 3.52 (s, 3H), 3.52 (s, 3H)。
【0174】
続く化合物 68, 69 及び化合物 70, 71, 72は、常法に従って合成可能である。
【0175】
合成例4-3.化合物 80 及び 81 の合成
【0176】
【化37】
窒素雰囲気下、酸化マンガン(IV) 粉末 (510 mg, 5.86 mmol)、1 (50 mg, 0.117 mmol) を無水ジクロロエタン (5 ml) に懸濁させ 3 時間攪拌した。反応液をセライト濾過し、溶媒を減圧蒸留し 73 (43.1 mg, 0.102 mmol, 87%) を白色固体として得た。
Compound 73; white powder;
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.80 (s, 1H), 7.44-7.25 (m, 15H), 7.19 (s, 2H), 5.16 (d, J = 1.4 Hz, 6H)。
【0177】
化合物 75 は化合物 74 から論文記載 (J. Nat. Prod. 2021, 84, 1359-1365.) の方法に従って合成した。
【0178】
73 (2.3 g, 5.46 mmol)、75 (1.4 g, 5.46 mmol) をエタノール (20 ml)、 THF (10 ml) に溶解し、3 M 水酸化カリウム水溶液 (20 ml) を加え、20 時間後 1 M 塩酸および水を加え反応を停止した。酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧溜去し、ヘキサン:酢酸エチル=1:1 で再結晶を行い、76 (1.9 g, 2.82 mmol, 52%) を黄色固体として得た。
Compound 76; yellow powder; 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.76 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 7.43-7.26 (m, 15H), 6.90 (s, 2H), 6.31 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.21 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 5.19-5.12 (m, 10H), 3.48 (d, J = 6.4 Hz, 6H)。
【0179】
76 (40 mg, 0.0696 mmol) をエタノール (0.5 ml)、THF (1.5 ml) に溶解し、0 ℃ 下水酸化カリウム (19.5 mg, 0.348 mmol) と過酸化水素 (27.8 μl) を順次加え 24 時間後 1 M 塩酸および水を加え反応を停止した。酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧溜去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル 2:1) にて精製し、 77 (13.7 mg, 0.0207 mmol, 30%) を黄色固体として得た。
Compound 77; yellow powder; 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.52-7.27 (m, 15H), 7.15 (s, 2H), 6.61 (s, 1H), 6.54 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 6.52 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 5.37 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 5.27 (s, 2H), 5.18 (s, 4H), 5.14 (s, 2H), 3.54 (d, J = 3.5 Hz, 6H)。
【0180】
77 (20 mg, 0.0303 mmol) を無水塩化メチレン (1 ml) に溶解し、0 ℃ 下三臭化ホウ素 (90.8 μl, 0.0908 mmol, 1.0 M in CH2Cl2) を滴下した。2 時間後、0 ℃ 下水を加え反応を停止した。酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧溜去し、78 (9.8 mg, quant) をオレンジ色固体として得た。
Compound 78: orange powder; 1H-NMR (400 MHz, CD3OD) δ 6.96 (s, 2H), 6.49 (s, 1H), 6.19 (s, 1H), 6.02 (s, 1H)。
【0181】
続く、化合物 79 および化合物 80 化合物 81 は、常法に従って合成可能である。
【0182】
合成例4-4.化合物 87 及び 88 の合成
【0183】
【化38】
82 (622 mg, 1.96 mmol)、75 (501 mg, 1.96 mmol) をエタノール (5 ml)、 THF (5 ml) に溶解し、3 M 水酸化カリウム水溶液 (10 ml) を加え、21 時間後 1 M 塩酸および水を加え反応を停止した。酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧溜去し、ヘキサン:酢酸エチル=5:1 で再結晶を行い、83 (167 mg, 0.300 mmol, 15%) を黄色固体として得た。
Compound 83; yellow powder;
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 13.87 (s, 1H), 7.75 (d, J = 15.7 Hz, 1H), 7.69 (d, J = 15.1 Hz
, 1H), 7.52-7.30 (m, 10H), 7.18 (td, J = 7.8, 1.9 Hz, 2H), 6.95 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.31 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.22 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 5.26-5.17 (m, 8H), 3.52-3.47 (m, 6H)。
【0184】
83 (115 mg, 0.207 mmol) をエタノール (2 ml)、に懸濁させ、0 ℃ 下水酸化カリウム (29 mg, 0.517 mmol) と過酸化水素 (82.6 μl) を順次加え 21 時間後 1 M 塩酸および水を加え反応を停止した。酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧溜去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル 2.5:1) にて精製し、 84 (40.3 mg, 0.0727 mmol, 35%) を黄色固体として得た。
Compound 84; yellow powder; 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.54-7.30 (m, 12H), 6.95 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 6.66 (s, 1H), 6.57 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 6.51 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 5.36 (d, J = 3.5 Hz, 2H), 5.25 (dd, J = 11.6, 2.3 Hz, 6H), 3.53 (d, J = 1.2 Hz, 6H)。
【0185】
続く化合物 87 および化合物 88 は、常法に従って合成可能である。
【0186】
合成例4-5.化合物 94 及び 95 の合成
【0187】
【化39】
89 (407 mg, 1.92 mmol)、75 (491 mg, 1.92 mmol) をエタノール (3 ml)、 THF (3 ml) に溶解し、3 M 水酸化カリウム水溶液 (10 ml) を加え、21 時間後 1 M 塩酸および水を加え反応を停止した。酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧溜去し、ヘキサン:酢酸エチル=5:1 で再結晶を行い、90 (249 mg, 0.553 mmol, 29%) を黄色固体として得た。
Compound 90; yellow powder;
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ13.92 (s, 1H), 7.83 (d, J = 15.7 Hz, 1H), 7.78 (d, J = 15.7 Hz, 1H), 7.57-7.55 (m, 2H), 7.45-7.33 (m, 5H), 7.02-6.99 (m, 2H), 6.28 (dd, J = 29.0, 2.3 Hz, 2H), 5.29-5.12 (m, 6H), 3.50 (dd, J = 19.4, 6.1 Hz, 6H)。
【0188】
90 (100 mg, 0.222 mmol) をエタノール (2 ml)、に懸濁させ、0 ℃ 下水酸化カリウム (31.1 mg, 0.555 mmol) と過酸化水素 (88.8 μl) を順次加え 21 時間後 1 M 塩酸および水を加え反応を停止した。濾過を行い、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル 5:1) にて精製し、 91 (31.9 mg, 0.0711 mmol, 32%) を黄色固体として得た。
Compound 91; yellow powder; 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.84 (d, J = 9.3 Hz, 2H), 7.46-7.34 (m, 5H), 7.02 (t, J = 9.3 Hz, 2H), 6.75 (s, 1H), 6.63 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.51 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 5.36 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 5.25-5.22 (m, 2H), 5.13 (s, 2H), 3.54-3.49 (m, 6H)。
【0189】
続く化合物 94 および化合物 95 は、常法に従って合成可能である。
【0190】
合成例4-6.化合物 61 の別途合成法
【0191】
【0192】
化合物 96 (61.2 mg, 0.556 mmol) を無水塩化メチレンに懸濁し、0 ℃、塩化アルミニウム (153 mg, 1.15 mmol)、化合物 97 (53 μl, 0.667 mmol) を加え、還流条件で3時間攪拌した。水を加えて反応を停止し、酢酸エチルを加えて有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー (ヘキサン : 酢酸エチル = 5:1) にて精製し、化合物 98 を得た。化合物 98 (7.3 mg, 0.0391 mmol) を4 M 水酸化ナトリウム水溶液に溶解し、2時間半攪拌した。1 M塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルを加えて有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー (ヘキサン : 酢酸エチル = 2:1) にて精製し、化合物 99 (1.0 mg, 17%) を淡黄色固体として得た。
【0193】
化合物 99 (7.3 mg, 0.0486)、化合物 56 (11.0 mg, 0.0486 mmol) をエタノールに溶解し、4 M 水酸化ナトリウム水溶液を加え、50 分間攪拌した。1 M塩酸を加えて反応を停止し、析出した固体をろ取し、化合物 100 (12.3 mg, 71%) を黄色固体として得た。
Compound 100; yellow solid. 1H-NMR (400 MHz, DMSO-D6) δ 8.14 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.03 (s, 1H), 6.85 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 6.77 (s, 1H), 6.70 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 5.34 (s, 2H), 5.26 (s, 2H), 3.43 (s, 3H), 3.41 (d, J = 5.0 Hz, 3H)。
【0194】
化合物 100 (3.2 mg, 0.00893 mmol) をメタノールに懸濁し、4 M塩化水素ジオキサン溶液 (6.7 μl, 0.0268) を加え、40 ℃で5時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、化合物 59 (5.4 mg) を赤色固体として得た。
Compound 59; red solid. 1H-NMR (400 MHz, DMSO-D6) δ 11.06 (s, 1H), 10.29 (s, 1H), 9.96-10.10 (1H), 7.96 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.05 (s, 1H), 6.76 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 6.70-6.68 (m, 1H), 6.40 (d, J = 6.9 Hz, 2H)。
【0195】
化合物 59 (15.4 mg, 0.0570 mmol) を無水テトラヒドロフランに懸濁し、0 ℃下で化合物 101 (77.7 mg, 0.0257 mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (43.6 mg, 0.285 mmol)、N, N-ジイソプロピルエチルアミン (38.5 μl, 0.239 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン (6.96 mg, 0.0570 mmol) を加え、室温、窒素雰囲気下で 37 時間攪拌した。1 M 塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルで2回抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、食塩水で順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留した。残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル = 10:1)にて精製した後、ゲルろ過クロマトグラフィーにてさらに精製を行い化合物 102 (27.5 mg, 42%)を黄色油状液体として得た。
Compound 102; yellow oil. 1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 7.84 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.76 (s, 2H), 7.70 (s, 2H), 7.69 (s, 2H), 7.30 (dd, J = 8.7, 2.3 Hz, 2H), 7.07 (dd, J = 8.0, 1.8 Hz, 1H), 7.07 (s, 1H), 5.32-5.26 (m, 18H), 3.65-3.63 (m, 8H), 3.55-3.53 (m, 17H) 。
【0196】
化合物 102 (17.8 mg, 0.0159 mmol) を1,4-ジオキサン (0.5 ml)、メタノール (0.5 ml) に溶解し、4 M 塩化水素ジオキサン溶液 (43.7 μl, 0.175 mmol) を加え室温で4時間半攪拌した。溶媒を減圧留去し、化合物 61 (11.5 mg) を黄色固体として得た。
Compound 61; yellow solid; 1H-NMR (400 MHz, DMSO-D6) δ 8.39 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.87 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.42-7.40 (m, 2H), 7.20 (dd, J= 8.7, 1.8 Hz, 1H), 7.17 (s, 2H), 7.13 (s, 2H), 7.12 (s, 2H), 6.74 (s, 1H)。
【0197】
合成例4-7.化合物 107 の合成
【0198】
【0199】
中間体である化合物 99 は前述の合成法と同様の方法で合成した。
化合物 99 (425 mg, 2.83)、化合物 103 (640 mg, 2.83 mmol) をエタノールに懸濁し、4 M 水酸化ナトリウム水溶液 (7.0 ml, 28.3 mmol) を加え、7 時間攪拌した。1 M塩酸を加えて反応を停止し、析出した固体をろ取し、化合物 104 (789.8 mg, 78%) を褐色固体として得た。
Compound 104; brown solid; 1H-NMR (400 MHz, METHANOL-D4) δ 7.64 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.27 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.81 (t, 1H), 6.71 (dd, J = 6.7, 1.8 Hz, 2H), 6.69 (s, 1H), 5.23 (s, 4H), 3.49 (s, 6H)。
【0200】
化合物 104 (100 mg, 0.279 mmol) を無水テトラヒドロフラン (2 ml) に懸濁し、0 ℃下で化合物 105 (76.3 mg, 0.419 mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (64.2 mg, 0.335 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン (37.6 mg, 0.335 mmol) を加え、室温、窒素雰囲気下で 12 時間攪拌した。1 M 塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルで 3 回抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、食塩水で順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:トルエン:酢酸エチル = 3:10:1)にて精製した後、ゲルろ過クロマトグラフィーにてさらに精製を行い化合物 106 (103.9 mg, 71%) を淡黄色の固体として得た。
Compound 106; light yellow solid; 1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.15 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 7.84 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.28-7.26 (m, 3H), 7,14 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.07 (dd, J = 8.5, 1.8 Hz, 1H), 6.82-6.81 (m, 2H), 5.27 (s, 2H), 5.20 (s, 4H), 3.50 (s, 3H), 3.498 (s, 6H)。
【0201】
化合物 106 (29.7 mg, 0.0568 mmol) を1,4-ジオキサン (0.8 ml)、メタノール (0.8 ml) に溶解し、4 M 塩化水素ジオキサン溶液 (85.3 μl, 0.341 mmol) を加え室温で4時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、化合物 107 (22.2 mg, quant.) を黄色固体として得た。
Compound 107; yellow solid; 1H-NMR (400 MHz, METHANOL-D4) δ 8.08 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 7.68 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.17 (dd, J = 8.2, 1.8 Hz, 1H), 6.94-6.92 (m, 4H), 6.75 (s, 1H), 6.36 (t, 1H)。
【0202】
合成例4-8.化合物 110の合成
【0203】
【0204】
中間体である化合物 104 は前述の方法で合成した。
【0205】
化合物 104 (80 mg, 0.223 mmol) を無水テトラヒドロフラン (2 ml) に懸濁し、0 ℃下で化合物 108 (81.1 mg, 0.335 mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (51.4 mg, 0.268 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン (30.1 mg, 0.268 mmol) を加え、室温、窒素雰囲気下で 27 時間半攪拌した。1 M 塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルで 3 回抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、食塩水で順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:トルエン:酢酸エチル = 1:10:1)にて精製した後、ゲルろ過クロマトグラフィーにてさらに精製を行い化合物 109 (85.3 mg, 66%)を淡黄色の固体として得た。
Compound 109; light yellow solid; 1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 7.85 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 2.3 Hz, 1H) 7.27-7.26 (m, 3 H), 7.07 (dd, J = 8.5, 1.8 Hz, 1H), 7.02 (t, 1H), 6.82-6.81 (m, 2H), 5.23 (s, 4H), 5.20 (s, 4H), 3.501 (s, 6H), 3.499 (s, 6H)。
【0206】
化合物 109 (44.5 mg, 0.0764 mmol) を1,4-ジオキサン (1.75 ml)、メタノール (1.75 ml)に溶解し、4 M 塩化水素ジオキサン溶液 (134 μl, 0.535 mmol) を加え室温で 20 時間攪拌した。溶媒を減圧留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール = 10:1)にて精製し化合物 110 (20.1 mg, 65%) を黄色の固体として得た。
Compound 110; yellow solid; 1H-NMR (400 MHz, DMSO-D6) δ 7.89 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 1.8 Hz, 1H) 7.23 (dd, J = 8.7, 1.8 Hz, 1 H), 7.01 (d, J = 2.3 Hz, 2H), 6.87 (d, J = 1.83 Hz, 2H), 6.76 (s, 1H), 6.56 (t, 1H), 6.35 (s, 1H)。
【0207】
合成例4-9.化合物 112 の合成
【0208】
【0209】
中間体である化合物 104 は前述の方法で合成した。
【0210】
化合物 104 (80 mg, 0.223 mmol) を無水テトラヒドロフラン (2 ml) に懸濁し、0 ℃下で化合物 101 (101 mg, 0.335 mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (51.4 mg, 0.268 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン (30.1 mg, 0.268 mmol) を加え、室温、窒素雰囲気下で 25 時間攪拌した。1 M 塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルで 3 回抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、食塩水で順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留した。残渣をカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル = 10:1)にて精製した後、ゲルろ過クロマトグラフィーにてさらに精製を行い化合物 111 (84.3 mg, 56%)を淡黄色の固体として得た。
Compound 111; light yellow solid; 1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 7.85 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.70 (s, 2H), 7.28 (d, J = 2.3 Hz, 2H), 7.07 (dd, J = 8.2, 1.8 Hz, 1H), 6.824-6.817 (m, 2H), 5.29 (s, 4H), 5.27 (s, 2H), 5.21 (s, 4H), 3.64 (s, 3H), 3.54 (s, 6H), 3.51 (s, 6H)。
【0211】
化合物 111 (30 mg, 0.0467 mmol) を1,4-ジオキサン (0.8 ml)、メタノール (0.8 ml) に溶解し、4 M 塩化水素ジオキサン溶液 (93 μl, 0.374 mmol) を加え室温で 3 時間半攪拌した。溶媒を減圧留去し、化合物 112 (19.0 mg, 96%) を黄色固体として得た。
Compound 112; yellow solid; 1H-NMR (400 MHz, METHANOL-D4) δ 7.86 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.23 (s, 2H), 7.15 (dd, J = 8.5, 1.8 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 2.3 Hz, 2H), 6.75 (s, 1H), 6.37 (t, 1H)。
【0212】
合成例4-10.化合物 116の合成
【0213】
【0214】
中間体である化合物 99 は前述の方法で合成した。
【0215】
化合物 99 (104 mg, 0.692 mmol)、化合物 113 (70 μl, 0.692 mmol) をエタノール (2 ml) に溶解し、4 M 水酸化ナトリウム水溶液 (1.73 ml, 6.92 mmol) を加え、2 時間半攪拌した。1 M塩酸を加えて反応を停止し、析出した固体をろ取した。得られた固体をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル = 10:1)にて精製し、化合物 114 (96.3 mg, 58%) を黄色固体として得た。
Compound 114; yellow solid; 1H-NMR (400 MHz, DMSO-D6) δ 7.96 (dd, J = 6.9, 1.8 Hz, 2H), 7.63 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.50 (t, 2H), 7.46-7.42 (m, 1H), 6.80 (m, 2H), 6.72 (dd, J = 8.2, 1.8 Hz, 1H)。
【0216】
化合物 114 (20 mg, 0.0839 mmol) を無水テトラヒドロフラン (1 ml) に溶解し、0 ℃下で化合物 101 (38 mg, 0.126 mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (15.5 mg, 0.101 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン (12.3 mg, 0.101 mmol) を加え、室温、窒素雰囲気下で 37 時間半攪拌した。1 M 塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチル抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、食塩水で順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:トルエン:酢酸エチル = 3:10:1)にて精製した後、ゲルろ過クロマトグラフィーにてさらに精製を行い化合物 115 (18.1 mg, 41%)を黄色の固体として得た。
Compound 115; yellow solid; 1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 7.92 (dd, J = 8.0, 1.3 Hz, 2H), 7.87 (d, J = 8.23 Hz, 1H), 7.52-7.40 (m, 3H), 7.08 (dd, J = 8.7, 1.8 Hz, 1H), 6.92 (s, 1H), 5.30 (s, 4H), 5.28 (s, 2H), 3.64 (s, 3H), 3.54 (s, 6H)。
【0217】
化合物 115 (18.8 mg, 0.0346 mmol) を1,4-ジオキサン (0.5 ml)、メタノール (0.5 ml) の混合溶媒に溶解し、4 M 塩化水素ジオキサン溶液 (52 μl, 0.208 mmol) を加え室温で 1 時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、化合物 116 (12.2 mg, 90%) を黄色固体として得た。
Compound 116; yellow solid; ; 1H-NMR (400 MHz, DMSO-D6) δ 8.02 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 7.89 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 1.83 Hz, 1H), 7.53-7.48 (m, 3H), 7.21 (dd, J = 8.7, 1.8 Hz, 1H), 7.13 (s, 2H), 6.99 (s, 1H)。
【0218】
合成例4-11.化合物 71 の別途合成法
【0219】
【0220】
化合物 67 (1.252 g, 3.636 mmol) を無水エタノール (50 ml) に溶解し、0 ℃下で水酸化カリウム(815.9 mg, 14.543 mmol)、過酸化水素 (1.45 ml) を順次加え、室温で 3 時間攪拌した。水を加えて反応を停止し、析出した固体をろ取し、化合物 68 (609.3 mg, 53 %) を淡黄色の固体として得た。
Compound 68; light yellow solid; 1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.29 (dd, J = 8.0, 1.8 Hz, 1H), 7.54 (t, 1H), 7.40 (s, 1H), 7.36-7.32 (m, 1H), 7.19 (d, J = 7.78 Hz, 1H), 7.12 (t, 1H), 6.93 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 5.41 (s, 2H), 5.29 (s, 2H), 3.55 (s, 3H), 3.52 (s, 3H)。
【0221】
化合物 68 (100 mg, 0.292 mmol) を無水ジクロロメタン (1 ml) に懸濁し、0 ℃下でトリフルオロ酢酸 (1 ml) を加え、室温で 3.5 時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、化合物 69 (81.6 mg, quant.) を黄色の固体として得た。
Compound 69; yellow solid; 1H-NMR (400 MHz, DMSO-D6) δ 8.09 (dd, J = 8.0, 1.8 Hz, 1H), 7.53 (t, 1H), 7.27-7.23 (m, 1H), 7.06 (s, 1H), 6.95-6.91 (m, 2H), 6.86 (d, J = 8.2 Hz, 1H)。
【0222】
化合物 69 (30 mg, 0.119 mmol) を無水テトラヒドロフラン (1 ml) に懸濁し、0 ℃下で化合物 101 (90 mg, 0.298 mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (57.1 mg, 0.298 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン (29.4 mg, 0.262 mmol) を加え、室温、窒素雰囲気下で 13 時間攪拌した。1 M 塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルで2回抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、食塩水で順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留した。残渣をカラムクロマトグラフィー(トルエン:クロロホルム:酢酸エチル = 5:5:1)にて精製した後、ゲルろ過クロマトグラフィーにてさらに精製を行い化合物 117 (63 mg, 63%)を淡黄色の固体として得た。
Compound 117; light yellow solid; 1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.38 (dd, J = 7.8, 1.8 Hz, 1H), 7.71 (s, 2H), 7.70-7.66 (m, 3H), 7.49-7.44 (m, 1H), 7.43-7.39 (m, 1H), 7.20 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.03 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.96 (s,1H), 5.27 (s,4H), 5.26 (s, 4H), 5.24 (s,2H), 5.24 (s, 2H), 3.61 (s, 3H), 3.50 (s,12 H)。
【0223】
化合物 117 (31 mg, 0.0370 mmol) を1,4-ジオキサン (1 ml)、メタノール (1 ml) に懸濁し、4 M 塩化水素ジオキサン溶液 (83.3 μl, 0.333 mmol) を加え室温で7時間半攪拌した。溶媒を減圧留去し、化合物 71 (22.8 mg, quant.) を黄色固体として得た。
Compound 71; yellow solid; 1H-NMR (400 MHz, DMSO-D6) δ 8.34 (dd, J = 7.8, 1.4 Hz, 1H), 7.88 (t, 1H), 7.59-7.55 (m, 1H), 7.52-7.48 (m, 2H), 7.37 (dd, J = 8.0, 1.4 Hz, 1H), 7.17 (d, 1H), 7.14 (s, 2H), 7.09 (s, 2H), 6.68 (s,1H)。
【0224】
合成例4-12.化合物 119 の合成
【0225】
【0226】
化合物 69は前述の方法で合成した。
【0227】
化合物 69 (50.2 mg, 0.199 mmol) を無水テトラヒドロフラン (2 ml) に懸濁し、0 ℃下で化合物 105 (90.7 mg, 0.498 mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (95.5 mg, 0.498 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン (49.1 mg, 0.438 mmol) を加え、室温、窒素雰囲気下で 12.5 時間攪拌した。1 M 塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルで2回抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、食塩水で順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:トルエン:酢酸エチル = 5:10:1)にて精製した後、ゲルろ過クロマトグラフィーにてさらに精製を行い化合物 118 (60.7 mg, 51%)を淡黄色の固体として得た。
Compound 118; light yellow solid; 1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.40 (dd, J = 7.8, 1.8 Hz, 1H), 8.22-8.13 (m, 5H), 7.69 (t, 1H), 7.49-7.45 (m, 1H), 7.42-7.38 (m, 1H), 7.22 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.13-7.09 (m, 4H), 7.07 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 6.99 (s, 1H), 5.26 (s, 2H), 5.25 (s, 2H), 3.49 (s,3H), 3.48 (s, 3H)。
【0228】
化合物 118 (30 mg, 0.0502 mmol) を1,4-ジオキサン (1 ml)、メタノール (1 ml) に懸濁し、4 M 塩化水素ジオキサン溶液 (62.8 μl, 0.251 mmol) を加え室温で 43 時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、化合物 119 (27.9 mg, quant.) を黄色固体として得た。
Compound 119; yellow solid; 1H-NMR (400 MHz, DMSO-D6) δ 8.35 (dd, J = 8.0, 1.8 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.96 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.89 (t, 1H), 7.61-7.56 (m, 1H), 7.53-7.492 (m, 2H), 7.40 (dd, J = 8.0, 1.4 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.95-6.91 (m, 4H), 7.20 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.69 (s, 1H)。
【0229】
合成例4-13.化合物 121の合成
【0230】
【0231】
化合物 69 は前述の方法で合成した。
【0232】
化合物 69 (50 mg, 0.198 mmol) を無水テトラヒドロフラン (2 ml) に懸濁し、0 ℃下で化合物 108 (120 mg, 0.495 mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (94.9 mg, 0.495 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン (49 mg, 0.436 mmol) を順次加え、室温、窒素雰囲気下で 12 時間攪拌した。1 M 塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルで2回抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、食塩水で順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:トルエン:酢酸エチル = 3:10:1)にて精製した後、ゲルろ過クロマトグラフィーにてさらに精製を行い化合物 120 (88,8 mg, 55%) を淡黄色固体として得た。
Compound 120; light yellow solid; 1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.39 (dd, J = 7.8, 1.4 Hz, 1H), 7.69 (t, 1H), 7.54 (d, J = 2.3 Hz, 2H), 7.51 (d, J = 2.3 Hz, 2H), 7.49-7.45 (m, 1H), 7.43-7.39 (m, 1H), 7.22 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.99 (t, 1H), 6.96 (s, 1H), 5.21 (s, 4H), 5.20 (s, 4H), 3.48 (s, 6H), 3.48 (s, 6H)。
【0233】
化合物 120 (40.3 mg, 0.0574 mmol) を1,4-ジオキサン (1.75 ml)、メタノール (1.75 ml) に懸濁し、4 M 塩化水素ジオキサン溶液 (100 μl, 0.402 mmol) を加え室温で 14 時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール = 10:1)にて精製し化合物 121 (22.2 mg, 67%) を黄色固体として得た。
Compound 121; yellow solid; 1H-NMR (400 MHz, DMSO-D6) δ 8.35 (dd, J = 7.8, 1.8 Hz, 1H), 7.90 (t, 1H), 7.61-7.572 (m, 1H), 7.54-7.50 (m, 2H), 7.42 (dd, J = 8.5, 1.4 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 2.3 Hz, 2H), 6.96 (d, J = 1.8 Hz, 2H), 6.68 (s, 1H), 6.56-6.54 (m, 2H)。
【0234】
合成例4-14.化合物 87 の別途合成法
【0235】
【0236】
化合物 84 は前述の方法で合成した。化合物 84 (526 mg, 0.948 mmol) を無水ジクロロメタン (10 ml) に溶解し、0 ℃下で三臭化ホウ素 (3.8 ml, 3.792 mmol, 1.0 M in CH2Cl2) を加え、室温で 2 時間撹拌した。1 M 塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留居した。残渣をクロロホルムで洗浄し、化合物 85 (206 mg, 76%) をオレンジ色の固体として得た。
Compound 85; orange powder; 1H-NMR (400 MHz, METHANOL-D4) δ 7.48 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.19 (dd, J = 8.2, 1.8 Hz, 1H), 6.82 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.57 (s, 1H), 6.21 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 6.03 (d, J = 1.8 Hz, 1H)。
【0237】
化合物 85 (15 mg, 0.0524 mmol) を無水テトラヒドロフラン (1 ml) に溶解し、0 ℃下で化合物 101 (71.3 mg, 0.0236 mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (48 mg, 0.314 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン (12.8 mg, 0.105 mmol) を順次加え、室温、窒素雰囲気下で 41 時間攪拌した。1 M 塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルで2回抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、食塩水で順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留した。残渣をカラムクロマトグラフィー(トルエン:クロロホルム:メタノール = 1:20:1)にて精製した後、ゲルろ過クロマトグラフィーにてさらに精製を行い化合物 122 (82.7 mg, 31%)を黄色油状液体として得た。
Compound 122; yellow oil. 1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 7.94 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.78 (s, 2H), 7.68 (s, 2H), 7.61 (s, 2H), 7.56 (s, 2H), 7.51 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 1.8 Hz, 2H), 7.08 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 6.82 (s, 1H), 5.31-5.09 (m, 24 H), 3.64-3.43 (m, 36H)。
【0238】
化合物 122 (22.5 mg, 0.0157 mmol) を1,4-ジオキサン (0.5 ml)、メタノール (1 ml) に溶解し、4 M 塩化水素ジオキサン溶液 (55 μl, 0.2198 mmol) を加え室温で3時間半攪拌した。溶媒を減圧留去し、化合物 87 (12.9 mg, 92%) を黄色の固体として得た。
Compound 87; yellow solid; 1H-NMR (400 MHz, DMSO-D6) δ 7.99 (d, J = 5.5 Hz, 2H), 7.59-7.54 (m, 2H), 7.19 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 7.13 (s, 2H), 7.11 (s, 2H), 7.00 (s, 2H), 6.98 (s, 2H), 6.94 (s, 1H)。
【0239】
合成例4-15.化合物 94 の別途合成法
【0240】
【0241】
化合物 91 は前述の方法で合成した。
【0242】
化合物 91 (607 mg, 0.948 mmol) を無水ジクロロメタン (10 ml) に溶解し、0 ℃ 下で三臭化ホウ素 (4.0 ml, 4.059 mmol, 1.0 M ジクロロメタン溶液) を加え、室温で 3 時間撹拌した。0 ℃下で 1 M 塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留居した。残渣をクロロホルムで洗浄し、化合物 92 (279 mg, 76%) を黄土色の固体として得た。
Compound 92: ocher solid. 1H-NMR (400 MHz, METHANOL-D4) δ 7.76 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 6.86 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 6.63 (s, 1H), 6.22 (s, 1H), 6.03 (s, 1H)。
【0243】
化合物 92 (70 mg, 0.259 mmol) を無水テトラヒドロフラン (7 ml) に溶解し、0 ℃下で化合物 101 (588 mg, 1.95 mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (318 mg, 2.08 mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン (370 μl, 2.13 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン (63.4 mg, 0.519 mmol) を加え、室温に昇温した後 23 時間攪拌した。1 M 塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留した。残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル = 15:1)にて精製した後、ゲルろ過クロマトグラフィーにてさらに精製を行い化合物 123 (137 mg, 47%)を淡黄色の固体として得た。
Compound 123: pale yellow solid. 1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 7.95 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.78 (s, 2H), 7.70 (s, 4H), 7.30 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 7.21 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 6.83 (s, 1H), 5.32-5.24 (m, 18H), 3.64 (t, J = 1.1 Hz, 9H), 3.54 (t, J = 2.3 Hz, 18H)。
【0244】
化合物 123 (13.9 mg, 0.012 mmol) を1,4-ジオキサンとメタノール (1:1) の混合溶媒 (1.0 ml) に溶解し、0 ℃ 下で4 M 塩化水素ジオキサン溶液 (34 μl, 0.136 mmol) を加え、室温で 4 時間半攪拌した。溶媒を減圧留去し、化合物 94 (9.2 mg, quant.) を緑黄色固体として得た。
Compound 94: green yellow solid. 1H-NMR (400 MHz, METHANOL-D4) δ 8.05 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.35 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 7.33 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.26 (s, 2H), 7.23 (s, 2H), 7.21 (s, 2H), 7.03 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 6.89 (s, 1H)。
【0245】
試験例1.抗ウイルス性の評価1
化合物5、化合物21、化合物23、化合物26、化合物29d、化合物43、化合物45、化合物51、化合物71、化合物87、化合物112について、SARS-CoV-2に対する抗ウイルス性を評価した。具体的には以下のようにして行った。
【0246】
サンプル(被検化合物)をろ過滅菌水で100 mMになるよう溶解した。78℃の恒温槽で数分間処理した。100 mMのサンプル液をさらに、ろ過滅菌水で2 mMに調整した。2 mM のサンプル液50μlに、ウイルス(SARS-CoV-2)液(5 X 10^5 TCID50/50 μL)を50μl添加した(最終サンプルの濃度は1mM)。10秒後、速やかにSF DMEMで10段階希釈した。96-well plate に培養したVeroE6 /TMPRSS2細胞から上清を除き、各希釈液を50 μL添加した。1時間吸着後、ウイルス液を除き0.5% FBS DMEMを100μl/wellで添加して、37℃、5%CO2/95%空気で3日間培養した。グルタルアルデヒドを100 μL/well添加して30分間固定したのち、細胞をcrystal violetで染色し、CPE(cytopathic effect)を観察し、TCID50/50μLをReed-Muench法で算出した。
【0247】
また、サンプルとして(-)-エピガロカテキンガレートを用いて同様に評価したポジティブコントロール、及び被検化合物を加えない以外は同様に評価したネガティブコントロールを用意した。
【0248】
被検化合物を、複数回に分けて試験した。例えば、化合物5と化合物21とは別のバッチの試験で評価した。ポジティブコントロール及びネガティブコントロールの数値が異なる場合は、異なるバッチの試験であることを示す。また、各バッチについて、triplicateで評価し、Tukey's multiple comparisons testで群間の有意差を判定した。
【0249】
結果を以下の表に示す。表中の「活性評価TCID50」に記載されている数字はLog10(TCID50/50 μL)を表す。表中、Sampleは表に示す化合物を用いた場合を示し、EGCGはポジティブコントロールであり、Cont.はネガティブコントロールである。Log10(TCID50/50 μL)は平均値を示す。Sample及びEGCGについて、*はCont.との比較で有意差があること(p≦0.05)を示し、Sampleについて、†はEGCGとの比較で有意差があることを(p≦0.05)を示す。
【0250】
【0251】
【0252】
【0253】
【0254】
【0255】
【0256】
【0257】
【0258】
【0259】
【0260】