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特開2024-68198魚釣り用ルアーのための磁気的重量配分システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068198
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】魚釣り用ルアーのための磁気的重量配分システム
(51)【国際特許分類】
   A01K 85/16 20060101AFI20240510BHJP
   A01K 85/00 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
A01K85/16
A01K85/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023189435
(22)【出願日】2023-11-06
(31)【優先権主張番号】63/382,431
(32)【優先日】2022-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521321985
【氏名又は名称】ピュア・フィッシング・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マルコス ビダリス
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307BA42
2B307BA46
2B307BA69
2B307BB01
2B307BB10
(57)【要約】
【課題】より堅牢で、様々な条件及び魚釣り技術においてより一貫した正確な錘移動を提供する重量配分システムを提供すること。
【解決手段】前端部及び後端部を有する魚釣り用ルアーのための重量配分システムは、魚釣り用ルアー内の、魚釣り用ルアーの長手軸と平行な長手軸を有する空洞と、空洞内で空洞の長手軸に沿って自由に移動可能な可動錘と、可動錘に関連付けられ、正極と負極とを有する錘磁石と、空洞の後端部に隣り合うように取り付けられ、正極と負極とを有する後部磁石とを含み、後部磁石及び錘磁石は、後部磁石及び魚釣り用ルアーの後端部から離間するように可動錘を付勢する反発力を及ぼすようにそれらのそれぞれの同じ極が互いに向かい合うように配置される。重量配分システムを含む魚釣り用ルアーも開示される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前端部と、後端部と、前記前端部と前記後端部との間のルアー長手軸とを有する魚釣り用ルアーのための重量配分システムであって、
前記魚釣り用ルアー内に画定され、前記ルアー長手軸に平行な向きに向けられた空洞長手軸を有する空洞と、
前記空洞内で前記空洞長手軸に沿って自由に移動可能な可動錘と、
前記可動錘に関連付けられ、正極と負極とを有する錘磁石と、
前記空洞の後端部に隣り合うように固定的に取り付けられ、正極と負極とを有する後部磁石と
を備え、
前記後部磁石及び前記錘磁石は、前記後部磁石及び前記魚釣り用ルアーの前記後端部から離間するように前記可動錘を付勢する反発力を及ぼすようにそれらのそれぞれの同じ極が互いに向かい合うように配置される、魚釣り用ルアーのための重量配分システム。
【請求項2】
前記空洞の前端部に隣り合うように固定的に取り付けられ、正極と負極とを有する前部磁石を更に備え、前記前部磁石及び前記錘磁石は、前記前部磁石及び前記魚釣り用ルアーの前記前端部に向かって前記可動錘を付勢する吸着力を及ぼすようにそれらのそれぞれの異なる極が互いに向かい合うように配置される、請求項1に記載の魚釣り用ルアーのための重量配分システム。
【請求項3】
前記錘磁石及び前記可動錘は別個の部品であり、前記錘磁石は、前記後部磁石に向かい合う前記可動錘の後端部に固定される、請求項1に記載の魚釣り用ルアーのための重量配分システム。
【請求項4】
前記可動錘は強磁性材料で構成され、前記錘磁石の極性配向と同一の極性配向を有するように前記錘磁石によって磁化される、請求項3に記載の魚釣り用ルアーのための重量配分システム。
【請求項5】
前記魚釣り用ルアーのための重量配分システムは、
前記空洞の前端部に隣り合うように固定的に取り付けられ、正極と負極とを有する前部磁石であって、前記前部磁石及び前記錘磁石は、それらのそれぞれの異なる極が互いに向かい合うように構成される、前部磁石
を更に備え、
前記可動錘は非強磁性材料で構成され、
魚釣り用ルアーのための重量配分システムは、
前記前部磁石に向かい合う前記可動錘の前端部に固定された強磁性材料の小片
を更に備え、
前記強磁性材料の小片は、前記錘磁石と同一の極性配向を有するように前記錘磁石によって磁化される、請求項3に記載の魚釣り用ルアーのための重量配分システム。
【請求項6】
前記可動錘は強磁性材料で構成され、前記錘磁石は前記可動錘と一体的である、請求項1に記載の魚釣り用ルアーのための重量配分システム。
【請求項7】
前記空洞内に取り付けられ、前記空洞長手軸に平行な向きに向けられたシャフトを更に備え、前記可動錘は、前記シャフトに摺動可能に取り付けられ、前記シャフトに沿って摺動するように構成される、請求項1に記載の魚釣り用ルアーのための重量配分システム。
【請求項8】
前記可動錘は軸方向チャンネルを有し、前記シャフトは前記軸方向チャンネルを貫通する、請求項7に記載の魚釣り用ルアーのための重量配分システム。
【請求項9】
前記可動錘は第1の断面形状を備え、前記空洞は第2の断面形状を備え、前記第1の断面形状と前記第2の断面形状とは同一である、請求項1に記載の魚釣り用ルアーのための重量配分システム。
【請求項10】
前記第1の断面形状及び前記第2の断面形状は楕円形状を備える、請求項9に記載の魚釣り用ルアーのための重量配分システム。
【請求項11】
前記可動錘は円筒を備える、請求項1に記載の魚釣り用ルアーのための重量配分システム。
【請求項12】
前記魚釣り用ルアーのための重量配分システムは、
前記空洞の前端部に隣り合うように固定的に取り付けられ、正極と負極とを有する前部磁石であって、前記前部磁石及び前記錘磁石は、それらのそれぞれの異なる極が互いに向かい合うように構成される、前部磁石
を更に備え、
前記可動錘は非強磁性材料で構成され、
魚釣り用ルアーのための重量配分システムは、
前記前部磁石に向かい合う前記可動錘の前側に固定された強磁性材料の小片
を更に備え、
前記強磁性材料の小片は、前記錘磁石と同一の極性配向を有するように前記錘磁石によって磁化される、請求項1に記載の魚釣り用ルアーのための重量配分システム。
【請求項13】
前端部と、後端部と、前記前端部と前記後端部との間の長手軸と、重量配分システムとを有する魚釣り用ルアーであって、
前記魚釣り用ルアー内に画定され、前記ルアー長手軸に平行な向きに向けられた空洞長手軸を有する空洞と、
前記空洞内で前記空洞長手軸に沿って自由に移動可能な可動錘と、
前記可動錘に関連付けられ、正極と負極とを有する錘磁石と、
前記空洞の後端部に隣り合うように固定的に取り付けられ、正極と負極とを有する後部磁石と
を備え、
前記後部磁石及び前記錘磁石は、前記後部磁石及び前記魚釣り用ルアーの前記後端部から離間するように前記可動錘を付勢する反発力を及ぼすようにそれらのそれぞれの同じ極が互いに向かい合うように配置される、魚釣り用ルアー。
【請求項14】
前記空洞の前端部に隣り合うように固定的に取り付けられ、正極と負極とを有する前部磁石を更に備え、前記前部磁石及び前記錘磁石は、前記前部磁石及び前記魚釣り用ルアーの前記前端部に向かって前記可動錘を付勢する吸着力を及ぼすようにそれらのそれぞれの異なる極が互いに向かい合うように配置される、請求項13に記載の魚釣り用ルアー。
【請求項15】
前記錘磁石及び前記可動錘は別個の部品であり、前記錘磁石は、前記後部磁石に向かい合う前記可動錘の後端部に固定される、請求項13に記載の魚釣り用ルアー。
【請求項16】
前記可動錘は強磁性材料で構成され、前記錘磁石の極性配向と同一の極性配向を有するように前記錘磁石によって磁化される、請求項15に記載の魚釣り用ルアー。
【請求項17】
前記魚釣り用ルアーは、
前記空洞の前端部に隣り合うように固定的に取り付けられ、正極と負極とを有する前部磁石であって、前記前部磁石及び前記錘磁石は、それらのそれぞれの異なる極が互いに向かい合うように構成される、前部磁石
を更に備え、
前記可動錘は非強磁性材料で構成され、
魚釣り用ルアーは、
前記前部磁石に向かい合う前記可動錘の前端部に固定された強磁性材料の小片を
更に備え、
前記強磁性材料の小片は、前記錘磁石と同一の極性配向を有するように前記錘磁石によって磁化される、請求項15に記載の魚釣り用ルアー。
【請求項18】
前記可動錘は強磁性材料で構成され、前記錘磁石は前記可動錘と一体的である、請求項13に記載の魚釣り用ルアー。
【請求項19】
前記空洞内に取り付けられ、前記空洞長手軸に平行な向きに向けられたシャフトを更に備え、前記可動錘は、前記シャフトに摺動可能に取り付けられ、前記シャフトに沿って摺動するように構成される、請求項13に記載の魚釣り用ルアー。
【請求項20】
前記可動錘は軸方向チャンネルを有し、前記シャフトは前記軸方向チャンネルを貫通する、請求項19に記載の魚釣り用ルアー。
【請求項21】
前記可動錘は第1の断面形状を備え、前記空洞は第2の断面形状を備え、前記第1の断面形状と前記第2の断面形状とは同一である、請求項13に記載の魚釣り用ルアー。
【請求項22】
前記第1の断面形状及び前記第2の断面形状は楕円形状を備える、請求項21に記載の魚釣り用ルアー。
【請求項23】
前記可動錘は円筒を備える、請求項13に記載の魚釣り用ルアー。
【請求項24】
前記魚釣り用ルアーは、
前記空洞の前端部に隣り合うように固定的に取り付けられ、正極と負極とを有する前部磁石であって、前記前部磁石及び前記錘磁石は、それらのそれぞれの異なる極が互いに向かい合うように構成される、前部磁石
を更に備え、
前記可動錘は非強磁性材料で構成され、
魚釣り用ルアーは、
前記前部磁石に向かい合う前記可動錘の前端部に固定された強磁性材料の小片
を更に備え、
前記強磁性材料の小片は、前記錘磁石と同一の極性配向を有するように前記錘磁石によって磁化される、請求項13に記載の魚釣り用ルアー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年11月4日出願の米国仮特許出願第63/382,431号の優先権を主張し、その開示の全体が、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、魚釣り用ルアーに向けられ、より詳細には、魚釣り用ルアーのための向上された磁気的重量配分システムに関する。
【背景技術】
【0003】
より良好なキャスティング及び水中移動の両方を提供する努力において、可動錘システムがルアーにおいて使用されている。重量転移は、キャスティング中及びリトリーブ中のルアーの向上された性能を提供する。キャスティング中に、ルアーの後部に向かって付勢された錘、そしてその結果としてルアーの後部に向かって付勢された重心を有することは、ルアーの転がり(tumbling)を最小化することを助け、より長距離の及びより正確なキャスティングを可能とする。リトリーブ中に、ルアーの中央部又は前部に向かって付勢された錘を有することは、水中にあるときにルアーのより望ましい移動パターンを生む。重量移動を生むために使用されるシステムの例としては、バネ及び単一磁石システムがある。知られた単一磁石システムは、ルアー内の錘に吸着力を及ぼすように構成された前部磁石だけを使用する。
【0004】
これらのシステムの各々は、特有の弱点に苦しんでいる。バネによるシステムは、機械的システムによって生じる不可避な損耗によって制限される。システムにおけるバネ力は、ばねが損耗するにつれて時間とともに変化するかもしれず、これは、重量移動を不所望に変化させ得る。更に、バネ・システムは、より壊れやすい。現在の磁気的システムは、可動錘に印加され得る力が限定的であるため一貫性がなく、悪天候条件においては、又は、ルアーの激しい移動を必要とするルアー及び魚釣り条件では、性能を発揮できない傾向がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、より堅牢で、様々な条件及び魚釣り技術においてより一貫した正確な錘移動を提供する重量配分システムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の態様によると、前端部と、後端部と、前端部と後端部との間のルアー長手軸とを有する魚釣り用ルアーのための重量配分システムであって、魚釣り用ルアー内に画定され、ルアー長手軸に平行な向きに向けられた空洞長手軸を有する空洞と、空洞内で空洞長手軸に沿って自由に移動可能な可動錘と、可動錘に関連付けられ、正極と負極とを有する錘磁石と、空洞の後端部に固定的に取り付けられ、正極と負極とを有する後部磁石とを含み、後部磁石及び錘磁石は、後部磁石及び空洞の後端部から離間するように可動錘を付勢する反発力を及ぼすようにそれらのそれぞれの同じ極が互いに向かい合うように配置される、魚釣り用ルアーのための重量配分システムが提供される。
【0007】
本開示の別の態様によると、重量配分システムは、空洞の前端部に固定的に取り付けられ、正極と負極とを有する前部磁石を含み、前部磁石及び錘磁石は、前部磁石及び空洞の前端部に向かって可動錘を付勢する吸着力を及ぼすようにそれらのそれぞれの異なる極が互いに向かい合うように配置される。
【0008】
本開示の別の態様によると、錘磁石及び可動錘は別個の部品であり、錘磁石は、後部磁石に向かい合う可動錘の後端部に固定される。
【0009】
本開示の別の態様によると、可動錘は強磁性材料で構成され、錘磁石の極性配向と同一の極性配向を有するように錘磁石によって磁化される。
【0010】
本開示の別の態様によると、重量配分システムは、空洞の前端部に固定的に取り付けられ、正極と負極とを有する前部磁石であって、前部磁石及び錘磁石は、それらのそれぞれの異なる極が互いに向かい合うように構成される、前部磁石を含み、可動錘は非強磁性材料で構成され、魚釣り用ルアーのための重量配分システムは、前部磁石に向かい合う可動錘の前端部に固定された強磁性材料の小片を含み、強磁性材料の小片は、錘磁石と同一の極性配向を有するように錘磁石によって磁化される。
【0011】
本開示の別の態様によると、可動錘は強磁性材料で構成され、錘磁石は可動錘と一体的である。
【0012】
本開示の別の態様によると、重量配分システムは、空洞内に取り付けられ、空洞長手軸に平行な向きに向けられたシャフトを含み、可動錘は、シャフトに摺動可能に取り付けられ、シャフトに沿って摺動するように構成される。
【0013】
本開示の別の態様によると、可動錘は軸方向チャンネルを有し、シャフトは軸方向チャンネルを貫通する。
【0014】
本開示の別の態様によると、可動錘は第1の断面形状を有し、空洞は第2の断面形状を有し、第1の断面形状と第2の断面形状とは同一である。第1の断面形状及び第2の断面形状は楕円形状であり得る。
【0015】
本開示の別の態様によると、可動錘は円筒である。
【0016】
本開示の別の態様によると、重量配分システムは、空洞の前端部に固定的に取り付けられ、正極と負極とを有する前部磁石であって、前部磁石及び錘磁石は、それらのそれぞれの異なる極が互いに向かい合うように構成される、前部磁石を含み、可動錘は非強磁性材料で構成され、重量配分システムは、前部磁石に向かい合う可動錘の前端部に固定された強磁性材料の小片を含み、強磁性材料の小片は、錘磁石と同一の極性配向を有するように錘磁石によって磁化される。
【0017】
本開示の別の態様によると、魚釣り用ルアーは、重量配分システムであって、魚釣り用ルアー内に画定され、ルアー長手軸に平行な向きに向けられた空洞長手軸を有する空洞と、空洞内で空洞長手軸に沿って自由に移動可能な可動錘と、錘に関連付けられ、正極と負極とを有する錘磁石と、空洞の後端部に固定的に取り付けられ、正極と負極とを有する後部磁石とを含み、後部磁石及び錘磁石は、後部磁石及び空洞の後端部から離間するように可動錘を付勢する反発力を及ぼすようにそれらのそれぞれの同じ極が互いに向かい合うように配置される、重量配分システムを含む。
【0018】
本開示の別の態様によると、魚釣り用ルアーは、空洞の前端部に隣り合うように固定的に取り付けられ、正極と負極とを有する前部磁石を含み、前部磁石及び錘磁石は、前部磁石及び空洞の前端部に向かって可動錘を付勢する吸着力を及ぼすようにそれらのそれぞれの異なる極が互いに向かい合うように配置される。
【0019】
これらの態様は、本開示に関連した無数の態様の単なる例示であって、いかなる方法によっても限定するものとみなされるべきではない。本開示のこれらの及び他の態様、特徴及び利点は、参照される図面とともになされるときに以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0020】
次に、より具体的に図面が参照される。図面は、本開示を実行する現在のところ最もよく知られた態様を例示し、全ての図にわたって、類似の参照文字は同一の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本開示の実施例による磁気的重量配分システムを含む魚釣り用ルアーの切り欠き側面図である。
図2】本開示の別の実施例による磁気的重量配分システムを含む魚釣り用ルアーの切り欠き側面図である。
図3】本開示の別の実施例による磁気的重量配分システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の技術の説明は、その性質として、1つ又は複数の発明の主題、製造及び使用の単なる例示であり、本出願において若しくは本出願に対する優先権を主張して出願され得る他の出願、又はそこから発行される特許において主張される任意の特定の発明の範囲、適用、又は使用を限定することを意図するものではない。以下の定義及び非限定的ガイドラインが、本明細書において記載される技術の説明を検討するにあたり、考慮されねばならない。
【0023】
本明細書において使用される見出し及び小見出しは、本開示内のトピックスの一般的な編制のみを意図するものであり、技術又はその任意の態様の開示を限定することを意図するものではない。特には、「背景技術」において開示される主題は、新たな技術を含み得、先行技術の列挙を構成しない場合がある。「発明の概要」において開示される主題は、技術又はその任意の実施例の全範囲の網羅的な又は完全は開示ではない。特定の有用性を有するものとしての本明細書のセクション内の材料のクラス分け又は議論は、利便性のためになされるものであって、材料が、それが任意の所与の組成物において使用されたとき、本明細書におけるそのクラス分けに従って必然的に機能すべきであり、又はそれのみに機能すべきであるという推論が導き出されるべきではない。
【0024】
本明細書における参照文献の記述は、それらの参考文献が先行技術であること、又は、本明細書において開示される技術の特許性への何らかの関連性を有することの承認を構成するものではない。本明細書の「発明を実施するための形態」セクションにおいて記述される全ての参照文献は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0025】
説明及び特定の実例は、技術の実施例を示すが、例示のみを目的とすると意図するものであり、技術の範囲を限定することを意図するものではない。更に、記載された特徴を有する複数の実施例の記述は、追加的な特徴を有する他の実施例、又は記載された特徴の異なる組み合わせを組み込んだ他の実施例を除外することを意図するものではない。特定の実例は、この技術の装置及びシステムをどのように作成及び使用するかについての例示目的のために提供され、特に明記されない限り、この技術の所与の実施例が作成若しくは試験されたこと又はされていないことを表すことを意図するものではない。
【0026】
本明細書において使用されるとき、「含む(include)」という語、及びその変形は非限定的であることを意図するものであり、リストにおけるアイテムの記述は、本技術の材料、組成、デバイス、及び方法において同じく有用であり得る他の同様のアイテムの除外ではない。同様に、「~できる、し得る(can)」及び「~し得る、場合がある(may)」という用語及びそれらの変形は非限定的であることを意図するものであり、実施例が特定の要素又は特徴を備えることができる、又は備え得るという記述は、それらの要素又は特徴を含まない本技術の他の実施例を除外しない。
【0027】
本明細書において使用されるとき、「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、「少なくとも1つ」のそのアイテムが存在することを示し、可能であるときには、複数のそのようなアイテムが存在し得る。「約(about)」は、数値に適用されるとき、計算又は測定が値において多少の不正確さを許容すること(正確な値にある程度の近接している、値に対して概ね又は合理的に近い、ほとんど)を示す。「約」によって提供される不正確さが、いくつかの理由によって、当技術分野においてこの通常の意味とは別に理解されないとしたら、「約」は、本明細書において使用されるとき、少なくとも、このようなパラメーターの測定又は使用の通常の方法から生じ得る変動を示す。加えて、範囲の開示は、全範囲内の全ての別個の値及び更に分割された範囲の開示を含む。
【0028】
図1図3は、本開示によるルアー10のための磁気的重量配分システム30の実施例を示す。ルアー10は、内部に空洞22を有する本体部20を含む。空洞22は、空洞22内で空洞22の前部と後部との間で比較的自由に摺動するように構成された可動錘34を含む磁気的重量配分システム30を含む。可動錘34は、鋼、タングステン、真鍮、又は任意の他の適切な材料であり得る。いくつかの実施例において、可動錘34は、楕円状の断面形状、例えば、卵状又は円状の断面形状を有する円筒形状の部品を備え得る。しかしながら、可動錘34は、空洞22の長さに沿った自由移動を許容する任意の断面形状で提供され得るが、好ましくは、排他的にではないが、空洞22の軸に沿った又はこれと平行な方向以外の方向における可動錘34の移動を最小化するように空洞22の断面形状を有する。
【0029】
いくつかの実施例において、図3において図示されるように、可動錘34は、もっぱら空洞22の壁部によって、その移動を拘束され得、又はその移動を方向付けられ得る。図1及び図2において示される実施例などの他の実施例において、シャフト32が、空洞22内で前端部24と後端部26との間で本体部20の軸に平行に延在し、各端部において所定位置に固定される。可動錘34は、例えば、磁気的重量配分システム30の組立中にシャフト32が貫通する軸方向チャンネルを可動錘34に提供することによって、シャフト32に接続され得、可動錘34は、空洞22内で本体部20の前端部24と後端部26との間でシャフト32の長さの少なくとも一部分に沿って自由に移動することが可能である。
【0030】
本体部20の前端部24と後端部26との間での錘34の移動は、重量の転移を提供し、これは、キャスティング中及びリトリーブ中のルアー10の向上された性能をもたらす。キャスティング中に、ルアー10の後部に向かって付勢された可動錘34、そしてその結果としてルアー10の後部に向かって付勢された重心を有することは、ルアー10の転がりを最小化することを助け、より長距離の及びより正確なキャスティングを可能とする。リトリーブ中に、ルアー10の中央部から前部に向かって付勢された可動錘34を有することは、水中にあるときにルアー10のより望ましい移動パターンを生む。
【0031】
空洞22内の磁気的重量配分システム30は、この重量転移の向上された制御を提供する。錘磁石36は可動錘34と関連付けられる。錘磁石36は、可動錘34とは別個の部品であって、これに接続され得、又は、単一部品として可動錘34に一体化され得る。もしも錘磁石36が可動錘34とは別個であって、これに接続されるならば、本体部20及び空洞20の後端部26に向かい合う可動錘34の端部に位置付けられ得る。鋼又は他の強磁性材料で作られた可動錘34を使用する実施例において、錘磁石36は磁力によって可動錘34に固定され得る。他の非強磁性材料の可動錘34を使用する実施例において、錘磁石36は、接着剤又は他の適切な手段によって装着され得る。他の実施例において、可動錘34及び錘磁石36は、互いに一体化され得、例えば、錘磁石36自体が、可動錘34としても働くために十分であり得る。
【0032】
後部磁石38は空洞22の後端部26に固定される。シャフト32を有する実施例においては、後部磁石38はシャフト32に固定され得るが、必須ではない。代替的に、後部磁石38は空洞22の後端部に固定され得る。互いに対する錘磁石36及び後部磁石38の極性の配向が、空洞22内で可動錘34の制御された移動を提供する。錘磁石36及び後部磁石38は、錘磁石36及び後部磁石38の同じ極性が互いに向かい合うように、すなわち、錘磁石36の正極が後部磁石38の正極と向かい合うように、又は、錘磁石36の負極が後部磁石38の負極と向かい合うように構成され、錘磁石36及び後部磁石38が互いに対して近接したときに反発力を生む。錘磁石36と後部磁石38との間の反発力は、後部磁石38から離間するように可動錘34を付勢する。示された実施例において、錘磁石36は、その正極性側が後部磁石38に向かい合うように位置付けられ、従って、後部磁石38の正極性側が、錘磁石36に向かい合うように位置付けられる。従って、可動錘34が後部磁石38に向かって摺動したとき、後部磁石38及び錘磁石36は、互いに反発するように働く。錘磁石36及び後部磁石38の同じ極性が互いに向かい合っている限りにおいて、錘磁石36及び後部磁石38の極性は反転され得る。
【0033】
キャスティング中に、ルアー10の運動量が、可動錘34をシャフト32上で後部磁石38に向かって摺動させる。キャスティングの運動量は、錘磁石36及び後部磁石38によって生まれた互いに対する反発力に打ち克つために十分である。可動錘34のこの移動は、ルアー10の重心をルアー10の後端部26に向かって移動させる。しかしながら、キャスティングが完了し、ルアー10の前方への運動量が減少すると、錘磁石36及び後部磁石38の近接によって生成された反発力が、可動錘34を後部磁石38から離間するように空洞22の前端部に向かって再び付勢し、この移動の結果、ルアー10の重心はルアー10の中央部から前部へと調整され、ルアー10が水中にある間そこに維持される。
【0034】
図1において図示されるものなどのいくつかの実施例において、磁気的重量配分システム30は、空洞22の前端部24に隣り合うように固定された前部磁石40も含み得る。代替的に、もしも提供されているならば、前部磁石40はシャフト32の前端部に隣り合うようにシャフト32に固定され得る。前部磁石40は、シャフト32に取り付けられ得るが、必須ではない。
【0035】
可動錘34が強磁性材料、例えば鋼から作られた実施例において、強磁性材料の可動錘34に磁気的に装着された錘磁石36が、前部磁石40の極性と反対の極性を有するように可動錘34を磁化する。図2の実施例において図示されるように、可動錘34が非強磁性材料、例えば、真鍮、タングステン、又は鉛である実施例において、鉄又は鋼などの強磁性材料42の小片が、例えば接着剤によって、可動錘34の前端部に装着され得る。可動錘34自体が強磁性材料である実施例と同様に、強磁性材料の前部小片は錘磁石36によって磁化される。
【0036】
前部磁石40は、前部磁石40と、錘磁石36、磁化された可動錘34、及び/又は強磁性材料の前部小片とが、それらの異なる極性側が互いに向かい合うように、すなわち、前部磁石40の正極が、錘磁石36、磁化された可動錘34、及び/又は強磁性材料の前部小片の負極と向かい合うように、又は、前部磁石40の負極が、錘磁石36、磁化された可動錘34、及び/又は強磁性材料の前部小片の正極と向かい合うように位置付けられる。このことは、錘磁石36、磁化された可動錘34、及び/又は強磁性材料の前部小片と前部磁石40との間に吸着力を生む。この吸着力は、可動錘34を空洞22の前部に向かって付勢し、キャスティングの運動量が減少したときに可動錘34をルアー10の前部に向かって移動させる際に補助する。この吸着力は、ルアー10の中央部から前部の近くである空洞22の前部に可動錘34を保持し、ルアー10が水中にある間に所望のアクション・バランスを維持する。
【0037】
より小さな重量転移距離を有するルアーにおいて、前部磁石40を省略することが有益であり得る。このような場合においては、錘磁石36と後部磁石38との間の反発力が、可動錘34を空洞22の前端部24に保持するために十分である。
【0038】
本開示の実施例の磁気的重量配分システムは、様々なタイプのルアーにおいて有利である。例えば、Egiルアー、ジャーク・ベイト、トップ・ウォーター・ルアーなどの典型的にはリトリーブ中に激しいジャークとともに使用される、標準的な可動錘を有するルアーでは、ルアーに及ぼされる力は、可動錘をルアーの後部又は尾部に向かって強制移動させ、ルアーが水塊の底へと降下し引っかかることをもたらすことができる。本開示の実施例は、より一貫した重量転移を提供し、後部位置における錘によって、より長距離の及びより正確なキャスティングをもたらし、中央部から前部位置の錘によって、水との衝突の際の潜水の減少、及び水中でのルアーのより良好な運動をもたらす。
【0039】
本開示の好ましい実施例が、本発明の原理とその実際的な適用を説明し、それによって当業者が本発明を利用することを可能とするために上述された。しかしながら、本明細書において説明及び例示された構成及び方法において、本発明の範囲から逸脱することなく様々な修正がなされ得るので、本明細書に参照によって明示的に組み込まれた全ての事柄を含む前述の説明に含まれ、又は添付の図面において図示された全ての事項は、限定としてではなく説明として解釈されるべきであることが意図される。故に、本発明の幅及び範囲は、上述された例示的な実施例によって限定されるべきではなく、本明細書に添付された以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物に従ってのみ定義されるべきである。
図1
図2
図3
【外国語明細書】