(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006820
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】はめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法
(51)【国際特許分類】
A63F 9/10 20060101AFI20240110BHJP
B26F 3/00 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
A63F9/10 G
A63F9/10 501Z
B26F3/00 M
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109366
(22)【出願日】2022-07-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-24
(31)【優先権主張番号】P 2022106745
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000175825
【氏名又は名称】三研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106378
【弁理士】
【氏名又は名称】宮川 宏一
(72)【発明者】
【氏名】村上 公和
【テーマコード(参考)】
3C060
【Fターム(参考)】
3C060AA04
3C060AA15
3C060CE07
3C060CE23
(57)【要約】
【課題】キャラクターを構成する複数のピースを様々な色彩等で構成された各ピースに分解して、各ピースを構成する部分がその都度異なる色彩の組み合わせ等に何度も組み付け直すことが可能な、耐久性及び安全性に優れたはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法を提供する。
【解決手段】ウォータージェットで切断可能な同一の材質で異なる色彩からなる板状の基材を複数枚用意し、板状の機材をそれぞれウォータージェットで切断して各基材100,200,300,・・・から切断分離するキャラクター101,201,301,・・・を定め、切断分離するキャラクターの外形だけでなく、キャラクターの身体を構成する特徴的身体部位やキャラクターの顔を構成する部位ごとにそれぞれウォータージェットで切断分離してキャラクターを構成する複数のピースにする。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウォータージェットで切断可能な同一の材質で異なる色彩からなる板状の基材を複数枚用意し、
前記板状の機材をそれぞれウォータージェットで切断して前記各基材から切断分離するキャラクターを定め、
前記切断分離するキャラクターの外形だけでなく、前記キャラクターの身体を構成する特徴的身体部位や当該キャラクターの顔を構成する特徴的構成部位ごとにそれぞれ前記ウォータージェットでくり抜いて前記キャラクターを構成する複数のピースに分離する前記キャラクターの分離切断線を予め定め、
前記各基材を前記分離切断線に沿ってウォータージェットで分離することで前記各基材の色彩に対応し任意に組み合わせることで前記それぞれの基材の色彩に対応した複数のピースを組み合わせて前記基材の枚数に相当する数のキャラクターであって、当該キャラクターの構成ピースが異なる任意の色彩の構成ピースからなるキャラクターを再び組み合わせて作ることができることを特徴とするはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法。
【請求項2】
前記基材の材質が樹脂材からなることを特徴とする請求項1に記載のはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法。
【請求項3】
前記基材の材質がポリエチレン(PE)、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ABS樹脂の何れかであることを特徴とする請求項2に記載のはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法。
【請求項4】
ウォータージェットで切断可能な異なる材質からなる板状の基材を複数枚用意し、
前記板状の機材をそれぞれウォータージェットで切断して前記各基材から切断分離するキャラクターを定め、
前記切断分離するキャラクターの外形だけでなく、前記キャラクターの身体を構成する特徴的身体部位や当該キャラクターの顔を構成する特徴的構成部位ごとにそれぞれ前記ウォータージェットでくり抜いて前記キャラクターを構成する複数のピースに分離する前記キャラクターの分離切断線を予め定め、
前記各基材を前記分離切断線に沿ってウォータージェットで分離することで前記各基材の材質に対応し任意に組み合わせることで前記それぞれの基材の材質に対応した複数のピースを組み合わせて前記基材の枚数に相当する数のキャラクターであって、当該キャラクターの構成ピースが異なる任意の材質の構成ピースからなるキャラクターを再び組み合わせて作ることができることを特徴とするはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法。
【請求項5】
前記基材の材質が同一の材質でそれぞれ異なる色彩からなる板状の基材から構成される代わりに、基材の材質が共通するが、はめ込み組み合わせ式キャラクターパズルを完成させた際にキャラクターとして目視できる各基材の表面の模様がそれぞれの基材ごとに異なっていることを特徴とする請求項1に記載のはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法。
【請求項6】
前記基材の材質が同一の材質でそれぞれ異なる色彩からなる板状の基材から構成される代わりに、前記基材の材質が木材であることで共通するが、基材ごとにこの木材がそれぞれ異なる種類の木材からなることを特徴とする請求項1に記載のはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、はめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法に関する。より詳細には、本発明は、キャラクターを構成する複数のピースをバラバラにして各ピースについて様々な色彩、模様、材質で構成された各ピースに分解して、再度各ピースを構成する部分がその都度異なる色彩の組み合わせ、模様の組み合わせ、材質の組み合わせ、もしくはこれら色彩、模様、材質が混在した組み合わせを考えて、好みに応じて各ピースの色彩が異なったり、模様が異なったり、材質が異なったり、これらの色彩、模様、材質の様々な異なる組み合わせからなる外観を有するキャラクターを何度も組み付け直すことが可能な、耐久性及び安全性に優れたはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から細かく分割したピースを組み合わせて合体させ完成品を作成する組み合わせパズルの代表的な一例として、ジグソーパズルが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来技術で挙げられたパズルは、一旦これを構成する複数の各ピースを嵌め合わせて完成品を作ると、再度分解して同じように作り直すようなことは一般的に行わない。そのため、何度も互いに隣接するピース同士を嵌め合わせたり、個別のピースに分離したりするようなことはないため、隣接するピース同士の嵌め合せ部分となる周囲縁部を所定形状に切断して作成するにあたって、通常は機械式のカッター等で切断するのがコスト的な点も考えて妥当であり、このような各ピースの作成方法が一般的に行われている。
【0005】
一方、本発明の対象のようにキャラクターを構成する顔や目や鼻や口や洋服などの部位を各ピースとして分離できるようにし、その各ピースについては同一形状のピースが様々な色彩から構成されたり、様々な模様から構成されたり、様々な材質から構成されたりして、これらを適宜自分の好みに応じてバラバラにしたピースを再度組み付けて同じキャラクターであっても見栄えの全く異なる外観のキャラクターとし直して、視覚的や触覚的(触り心地)を異なるものとして楽しむような構成のユニークなキャラクターパズルも考えられる。
【0006】
このような構成のキャラクターパズルは、上述したジグソーパズルとは異なり例えば様々な色彩でできた各ピースを異なる色彩ごとに任意に組み合わせてキャラクターパズルとして再度完成させるようにした場合、数えきれないくらいの数の組み合わせが考えられ、これに応じて組み合わせたキャラクターの視覚的なイメージも非常に多彩でそれぞれ個性的な色彩の組み合わせからなるカラフルなキャラクターとして視覚的に楽しむことができる。
【0007】
このような理由で、例えば子どもがこのキャラクターパズルを用いて遊ぶときに色々な色彩からなるキャラクターを自分で作り出すことができて十分に楽しむことができ、何度も各ピースを分解したり組み合わせたりして楽しんで遊び続けることができる。
【0008】
この際、問題となるのはこのようなキャラクターパズルは矩形状の板材のベース板にキャラクター及びそれらを構成する多数のピースに対応するように切断して多数のピースを作成する必要がある。そして、例えば色彩のみの組み合わせのキャラクターパズルの場合は各基材を組み合わせに必要な多数の色彩ごとに用意してそれぞれの基材をキャラクター及びこれを構成する各ピースに切断していく作業が必要となる。
【0009】
例えば基材となるベース板の材質がPE(ポリエチレン)の場合、これを機械的カッターで切断すると、このカッターの強度等を維持しながら切断作業を中断せずに行うためにカッターの厚みは最低限約1mm必要となる。即ち、この機械的なカッターでキャラクターの外形とキャラクターを構成する各ピースを全て切断するとその切断線の幅は全ての部分で約1mmの幅を有することになる。
【0010】
そして、本発明の適用対象となるキャラクターパズルは、上述したように何度も各ピースを組み替えて異なるキャラクターの色彩の組み合わせにするものであるため、切断線の幅が上述のように約1mmと広くなってしまうと、各ピースが組み付け中に抜け落ちてしまったりする可能性がある。この現象は、キャラクターパズルの各ピースの組み替えを何度も続ければ続けるほど隣接するピース同士の切断面が摩耗して隙間が広がってしまい、各ピースを組み合わせても一部のピースが抜け落ちてしまったりする事態に繋がる。
【0011】
また、基材が例えばポリエチレン(PE)等の樹脂材でできている場合、これを機械式カッターで多くの各ピースに切断していくと、隣接する各ピースとの境界部をなす切断部の切断面において機械式カッターの切断に伴う切りクズが付着したまま残ってしまう。そして、このような切りクズを除去するためにエアブロー部噴射装置を用いて吹き飛ばして除去しようとしても、ピースの数があまりにも多いため全ての切りクズを除去することが困難である。
【0012】
また、切りクズの内、一部は切断面に付着したままとなってそのまま残留してしまう。即ち、機械式カッターで切断した場合、切りクズを全てきれいに除去することができず、どうしても各ピースの外側面や内側面、各側面の縁部等の多数の箇所で残ってしまう。これは、上述のような基材が樹脂材である場合だけの問題だけでなく、例えば基材が金属の板の場合はであっても、金属の切りクズ(切り子)が残留してしまう。同様に、基材が木材の場合であっても、細かい木片の切りクズが切断面やその縁部に残留してしまうことになる。
【0013】
そのため、このような機械式カッターの切断による切りクズを完全に除去するためには特別な除去工程が必要となり、この除去工程によって確実に切りクズを取り除くためにはかなりの処理時間を必要とすると共に、除去のための専用の設備を設置しなければならない。その結果、製品の生産性が低下すると共に、製品の製造コストが上昇してしまう問題がある。
【0014】
また、このような機械式カッターを用いてキャラクターを各ピースに分断した後に上述したような色分けした基材の組み合わせとしてセットとして販売した後において生じる問題も考えられる。具体的には、このキャラクターパズルを用いて子供が遊ぶ場合に生じる問題である。
【0015】
つまり上述したように基材を切断線に沿って機械式カッターで切断した場合、切断線が最低1mm程度とかなり太くなってしまい、組み付け時に各ピース間に隙間が生じてしまう。そのため、様々な色彩の素材からなる色彩ことのキャラクターを各ピースにバラバラにして再度別の種類、即ち別の色彩のピースを組み合わせ異なる色彩でできたキャラクターを組み付けようとすると上述と同様の問題が生じる。即ち、機械式カッターで切断した切断面は、上述のように切りクズが付着していることに加えて、機械的切断が故に切断面が細かい凹凸状態となっている。
【0016】
そのため、子供がそれぞれの隣接するピースの隙間が何度もこのピースをバラバラにした後にはめ込み直す遊びを何度も行っていると、この隣接するピースの境界面が更に摩耗してしまい隙間が大きくなってしまう。特に小さい子供は、あるピースに別のピースを押し込んではめ込もうとする場合、手先がまだ器用でないため無理矢理力ずくではめ込んでしまう傾向にあるため、上述の隙間が大きくなりやすい。
【0017】
このような理由から、様々な色彩のピースの組み合わせからなるキャラクターを組み付け直そうとすると、キャラクターを組み付けた状態で例えば基材からなる板材を持ち上げてみるとあちこちのピースが脱落してしまい、やっとできた完成品があっという間に様々な箇所のピースが欠落した未完成品となってしまう恐れがある。
【0018】
これは、様々な色彩でできた基材のセットからなるキャラクターパズルのみで生じる問題ではなく、様々な模様でできた基材のセットからなるキャラクターパズル、様々な材質でできた基材のセットからなるキャラクターパズル、若しくはこれらの素材を組み合わせた様々な基材のセットからなるキャラクターパズルを作ろうとする場合であっても同様である。
【0019】
以上のように、キャラクターパズルを組み付け直して完成品とさせた後にこの直した後にキャラクターパズルをやっと組み付け直して完成品とさせた後に基材ごと持ち上げてみるとあちらこちらのピースが脱落してしまい未完成品となってしまうのでは、子供にとってこのキャラクターパズルを用いて様々な種類のピースの組み合わせを何通りも考えて遊び続ける興味と気力や楽しみが失われてしまい、結局のところ色彩感覚や触覚感覚を向上させる効果に優れたせっかくの遊び道具としての十分な機能を発揮できなくなる。
【0020】
また、例えばこのキャラクターパズルを用いて遊ぶ子供の近くにまだよちよち歩きの幼児である弟や妹がこのキャラクターパズルの組み付け直しの遊びを見ている場合、まだ年齢が低いが故に、この遊びに参加する感覚でバラバラになったピースの一部を舐めてしまったりする場合がある。
【0021】
具体的には、例えば上述したように機械式のカッターで各ピースを切断して作った場合に切断時に生じた切りクズの一部が切断面にそのまま残っていると、それを舐めて唾液と共に飲み込んでしまい、幼児にとって非常に好ましくない誤飲の原因となる。
【0022】
更には、上述したように隙間が大きくなったキャラクターパズルをそのまま放置しておくと、部屋の空気中や床に飛散している細かいゴミやホコリはこの隙間の間に入り込んで隙間が詰まってしまう恐れが十分に考えられる。そして、上述のようによちよち歩きの幼児がこのキャラクターパズルのピースを舐めると、細かいゴミやホコリも唾液と一緒に飲み込んでしまい、非常に好ましくない事態に至る。そのため、このような事態が生じるのを避けることが重要である。
【0023】
本発明の目的は、キャラクターを構成する複数のピースをバラバラにして各ピースについて様々な色彩、模様、材質で構成された各ピースに分解して、再度各ピースを構成する部分がその都度異なる色彩の組み合わせ、模様の組み合わせ、材質の組み合わせ、もしくはこれら色彩、模様、材質が混在した組み合わせを考えて、好みに応じて各ピースの色彩が異なったり、模様が異なったり、材質が異なったり、これらの色彩、模様、材質の様々な異なる組み合わせからなる外観を有するキャラクターを何度も組み付け直すことが可能な、耐久性及び安全性に優れたはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上述した課題を解決するために、本発明の請求項1に係るはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法は、
ウォータージェットで切断可能な同一の材質で異なる色彩からなる板状の基材を複数枚用意し、
板状の機材をそれぞれウォータージェットで切断して各基材から切断分離するキャラクターを定め、
切断分離するキャラクターの外形だけでなく、キャラクターの身体を構成する特徴的身体部位や当該キャラクターの顔を構成する特徴的構成部位ごとにそれぞれ前記ウォータージェットでくり抜いてキャラクターを構成する複数のピースに分離するキャラクターの分離切断線を予め定め、
各基材を前記分離切断線に沿ってウォータージェットで分離することで各基材の色彩に対応し任意に組み合わせることでそれぞれの基材の色彩に対応した複数のピースを組み合わせて基材の枚数に相当する数のキャラクターであって、キャラクターの構成ピースが異なる任意の色彩の構成ピースからなるキャラクターを再び組み合わせて作ることができることを特徴としている。
【0025】
また、本発明の請求項2に記載のはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法は、請求項1に記載のはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法において、
前記基材の材質が樹脂材からなることを特徴としている。
【0026】
また、本発明の請求項3に係るはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法は、請求項2に記載のはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法において、
前記基材の材質がポリエチレン(PE)、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ABS樹脂の何れかであることを特徴としている。
とする。
【0027】
また、本発明の請求項4に係るはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法は、
ウォータージェットで切断可能な異なる材質からなる板状の基材を複数枚用意し、
板状の機材をそれぞれウォータージェットで切断して前記各基材から切断分離するキャラクターを定め、
切断分離するキャラクターの外形だけでなく、キャラクターの身体を構成する特徴的身体部位や当該キャラクターの顔を構成する特徴的構成部位ごとにそれぞれウォータージェットでくり抜いてキャラクターを構成する複数のピースに分離する前記キャラクターの分離切断線を予め定め、
各基材を前記分離切断線に沿ってウォータージェットで分離することで各基材の材質に対応し任意に組み合わせることでそれぞれの基材の材質に対応した複数のピースを組み合わせて基材の枚数に相当する数のキャラクターであって、キャラクターの構成ピースが異なる任意の材質の構成ピースからなるキャラクターを再び組み合わせて作ることができることを特徴としている。
【0028】
また、本発明の請求項5に係るはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法は、請求項1に記載のはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法において、
基材の材質が同一の材質でそれぞれ異なる色彩からなる板状の基材から構成される代わりに、基材の材質が共通するが、はめ込み組み合わせ式キャラクターパズルを完成させた際にキャラクターとして目視できる各基材の表面の模様がそれぞれの基材ごとに異なっていることを特徴としている。
【0029】
また、本発明の請求項6に係るはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法は、請求項1に記載のはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法において、
基材の材質が同一の材質でそれぞれ異なる色彩からなる板状の基材から構成される代わりに、基材の材質が木材であることで共通するが、基材ごとにこの木材がそれぞれ異なる種類の木材からなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0030】
本発明によると、キャラクターを構成する複数のピースをバラバラにして各ピースについて様々な色彩、模様、材質で構成された各ピースに分解して、再度各ピースを構成する部分がその都度異なる色彩の組み合わせ、模様の組み合わせ、材質の組み合わせ、もしくはこれら色彩、模様、材質が混在した組み合わせを考えて、好みに応じて各ピースの色彩が異なったり、模様が異なったり、材質が異なったり、これらの色彩、模様、材質の様々な異なる組み合わせからなる外観を有するキャラクターを何度も組み付け直すことが可能な、耐久性及び安全性に優れたはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の一実施形態における製造方法を実施している作成するはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの一例を示す基本図面である。
【
図2】
図1に示したキャラクターの基本図面であって、3種類の色彩の素材からなるキャラクターの図面であり、出願図面としては異なる色彩を付することができないため、異なる任意の各色彩の素材に仮想的に対応させた異なる模様で示している。
【
図3】本発明の一実施形態に使用するウォータージェット切断装置の斜視図である。
【
図4】
図1に示したキャラクターをウォータージェットでパズルの各ピースに切断してバラバラにした状態示す説明図である。
【
図5】
図2に示した多種類の色彩の素材の内、任意に選択した特定の色彩の素材でできたキャラクターを、これを構成する各ピースに切断した後のピースにした状態の図面である。
【
図6】
図2に示した多種類の色彩の素材の内、任意に選択した
図5とは異なる特定の色彩の素材でできたキャラクターを、これを構成する各ピースに切断した後のピースにした状態の図面であり、色彩の代わりに
図5の白色のみとは異なる色彩をこれに代わってドットの付いた模様として示した図である。
【
図7】
図2に示した多種類の色彩の素材の内、任意に選択した
図5とは異なる特定の色彩の素材でできたキャラクターを、これを構成する各ピースに切断した後のピースにした状態の図面であり、色彩の代わりに
図5の白色のみ及び
図6のドットとは異なる色彩をこれらに代わって細かい波線の付いた模様として示した図である。
【
図8】
図2に示した多種類の色彩の素材の内、任意に選択した
図5とは異なる特定の色彩の素材でできたキャラクターを、これを構成する各ピースに切断した後のピースにした状態の図面であり、色彩の代わりに
図5の白色のみ及び
図6のドット並びに
図7の細かい波線とは異なる色彩をこれらに代わって針葉樹状の飛沫の付いた模様として示した図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る
図1に示したキャラクターを異なる色彩の各ピースを組み合わせで作って完成させたはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの完成図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の各実施形態及びその変形例に係るはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法について、図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の内容を特定する文章やその構造を視覚的に特定する図面は、あくまで本発明の一例を示したものに過ぎず、本発明の作用を発揮し得る範囲内で、その各部品の寸法(長さや幅、板材の厚み)、材質、形状、固定方法などを適宜変更可能である。
【0033】
本発明の一実施形態に係るはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法は、最初に第1の工程として、ウォータージェットで切断可能な同一の材質で異なる色彩からなる板状の基材を複数枚用意する。なお、本実施形態において使用する板材の基材の材質は、ポリエチレン(PE)である。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態における製造方法を実施している作成するはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの一例を示す基本図面である。なお、この図面においては、ウォータージェットで切断してキャラクターを各ピースに分解する切断線のみを実線で示している。
【0035】
また、
図2は、
図1に示したキャラクターの基本図面であって、3種類の色彩の基材からなるキャラクターの図面である。出願図面としては異なる色彩を付することができないため、
図2においては異なる任意の各色彩の素材に仮想的に対応させた異なる模様で示している。また、
図2においては、色彩を3色としているが、本発明においては、3色の代わりに2色の色彩又は4色以上の様々な色彩ごとに構成された基材を多数枚用意しても良い。
【0036】
なお、各図面に付した符号に関しては、基材自体を異なる色彩ごとに100、200、300、・・・という符号付けを行い、各基材を本発明の製造方法によってキャラクターの外形やキャラクターを構成する各パーツにそれぞれ切断して分離可能とした状態を上述の基材の一桁目及び二桁目を使って符号付けしていく。なお、一桁目及び二桁目の符号については、各基材のキャラクターや基材からキャラクターを分離した部分(キャラクターを囲む枠体となる部分、キャラクターの黒目や白目、口、帽子、胴体や足)ごとにそれぞれ対応して基材の色彩の種類を表す基材の符号の100番台の数字でピースがどの基材に属するものであるかを表すと共に、これに続くアルファベットの文字でこのピースがキャラクターのどの部位にあたるかを示している。
【0037】
即ち、百の位が色分けした素材ごとに異なる数字となり、それぞれに含まれるキャラクターやキャラクターから切断分離可能でこのキャラクターを構成する各パーツについてはそのパーツごとに対応関係を持たせた二桁の数字で表す。
【0038】
また、各パーツの符号については、すべてのパーツの符号を元に符号を付すと却って図面が見にくくなって理解の妨げとなるので、片方の黒目や白目、口、帽子、胴体、足などのパーツについて代表的に符号を付して、残りのパーツについては図面中符号を付すことを省略する。また、図面中において示した符号に想到するパーツの意味合いについては、明細書中の文の説明の欄に動いて具体例として記載する。
【0039】
なお、基材の大きさは、キャラクターパズルを例えば子どもが片手又は両手で持てる程度の大きさであることが好ましく、上述したポリエチレン(PE)でできた基材の寸法の一例としては縦15cm×横12cm×厚さ2cm程度が考えられる。なお、基材の材質がポリエチレン(PE)などの樹脂材でできていると、重さが比較的軽いため、基材の厚みを十分にとることができる。
【0040】
例えば、異なる色彩の基材をウォータージェットで切断した後の何枚かのそれぞれキャラクターとそれを構成するパーツが基材と同じ色のものを用意して、各キャラクターのパーツを異なる色に組み替えて、視覚上全く異なるキャラクターとして完成させる。そして、基材全体をテーブルの上に自立状態で立てると、遠目でカラフルな色彩のパーツからなるキャラクターを見て楽しむことができる。なお、後述する材質が木材である場合においても、基材がある程度の厚みを有した状態でウォータージェットで切断すると、上述のような樹脂材と同様に各パーツの組み替え後にテーブルの上に立てて周りから見えるようにできる。
【0041】
このように、基材がある程度の厚みを有していることで、ウォータージェットによる切断線によって切断部の隙間が機械的カッターで切断した時よりもかなり狭くなると共に、切断面が基材の上面に対して垂直にかつ滑らかに形成される。これによって、例えば各パーツ同士を組み替える際に、一方のパーツを他方のパーツにはめ込むに当たって、一方のパーツの上面(素材のキャラクターとして認識できる上面)と他方のパーツの上面(同じく素材のキャラクターとして認識できる上面)との平行関係を維持しなければならない。
【0042】
これに加えて、一方のパーツと他方のパーツの切断面同士を無理なくはめ合わせるために、一方のパーツを他方のパーツに対してそれぞれの上下面に対して垂直方向にはめ込まなければならない。
【0043】
即ち、多数のパーツを組み合わせるに当たって、それぞれのパーツ同士の組み合わせごとに上述のように特別なコツや工夫を必要としなければ上手く組み付けることはできない程度にまでの切断線が細くなることを本発明による製造方法は有している。
【0044】
このように、各パーツ同士の隙間が非常に狭いため、上述のようにパーツ同士の組み替えを完成させた後に、基台ごとテーブルの上に自立状態で立てようとする過程で、パーツが抜け落ちたりするようなことがない。なお、例えば材質が金属の場合は、ある程度の重量を有しているので、ウォータージェットで切断できる程度の厚みを有している範囲で本発明による製造方法でキャラクターパズルを作成するようになる。しかしながら、このような場合であっても同様に各パーツ同士の組み替えの際においてある程度のコツや工夫が必要となる。
【0045】
基材の大きさは、キャラクターパズルを例えば子どもが片手又は両手で持てる程度の大きさであることが好ましく、上述したポリエチレン(PE)でできた基材の寸法の一例としては縦15cm×横12cm×厚さ2cm程度が考えられる。なお、基材の材質がポリエチレン(PE)などの樹脂材でできていると、重さが比較的軽いため、基材の厚みを十分にとることができる。
【0046】
例えば、異なる色彩の基材をウォータージェットで切断した後の何枚かのそれぞれキャラクターとそれを構成するパーツが基材と同じ色のものを用意して、各キャラクターのパーツを異なる色に組み替えて、視覚上全く異なるキャラクターとして完成させる。そして、基材全体をテーブルの上に自立状態で立てると、遠目でカラフルな色彩のパーツからなるキャラクターを見て楽しむことができる。
【0047】
なお、後述する材質が木材である場合においても、基材がある程度の厚みを有した状態でウォータージェットによって切断すると、上述のような樹脂材と同様に各パーツの組み替え後にテーブルの上に立てて周りから見えるようにできる。
【0048】
このように、基材がある程度の厚みを有していることで、ウォータージェットによる切断線によって切断部の隙間が機械的カッターで切断した時よりもかなり狭くなると共に、切断面が基材の上面に対して垂直にかつ滑らかに形成される。これによって、例えば各パーツ同士を組み替える際に、一方のパーツを他方のパーツにはめ込むに当たって、一方のパーツの上面(素材のキャラクターとして認識できる上面)と他方のパーツの上面(同じく素材のキャラクターとして認識できる上面)との平行関係を維持しなければならない。
【0049】
これに加えて、一方のパーツと他方のパーツの切断面同士を無理なくはめ合わせるために、一方のパーツを他方のパーツに対してそれぞれの上下面に対して垂直方向にはめ込まなければならない。
【0050】
即ち、多数のパーツを組み合わせるに当たって、それぞれのパーツ同士の組み合わせごとに上述のように特別なコツや工夫を必要としなければ上手く組み付けることはできない程度にまでの切断線が細くなることを本発明による製造方法は有している。
【0051】
このように、各パーツ同士の隙間が非常に狭いため、上述のようにパーツ同士の組み替えを完成させた後に、基台ごとテーブルの上に自立状態で立てようとする過程で、パーツが抜け落ちたりするようなことがない。なお、例えば材質が金属の場合は、ある程度の重量を有しているので、ウォータージェットで切断できる程度の厚みを有している範囲で本発明による製造方法でキャラクターパズルを作成するようになる。しかしながら、このような場合であっても同様に各パーツ同士の組み替えの際においてある程度のコツや工夫が必要となる。
【0052】
続いて、第2の工程として、
図3に示した各基材を
図1においてキャラクターの外形及び各ピースを特定する実線(切断線)に沿ってそれぞれウォータージェットで切断する。即ち、各基材においてキャラクターの外形をウォータージェットで切断すると共に、キャラクターを構成する各ピースを同時にウォータージェットで切断して、キャラクター自体をその外形を示す部分とこれに含まれる様々なパーツのピースに切断する。
【0053】
ここで、
図1に示すように、それぞれウォータージェットでくり抜いてキャラクターを構成する複数のピースに分離するキャラクターの分離切断線を視覚的及びウォータージェットの制御装置の内部データとして予め定めておく。なお、
図2に示す3枚の各基材のキャラクターの外形及びこれを構成するキャラクターの外形及び各ピースの分離切断線は、それぞれ全く同一の形状及び寸法として予め定められており、本発明を実施した後に様々な色彩の各ピースをキャラクターの一部として組み込んで楽しめるようになっている。即ち、各ピースの組み替え後に色彩的にカラフルでバラエティーに富んだキャラクターとして視覚的に楽しむことができる。
【0054】
以上の点についてより詳細に説明すると、本発明において切断分離するキャラクターの外形を除く各ピースは、例えばキャラクターの身体を構成する身体部位やキャラクターの顔を構成する特徴的構成部位ごとに構成されている。
【0055】
即ち、各基材を分離切断線に沿ってウォータージェットで分離することで、各基材の色彩に対応し任意に組み合わせることより、それぞれの基材の色彩に対応した複数のピースを組み合わせて基材の枚数に相当する数のキャラクターであってキャラクターの構成ピースが異なる任意の色彩の構成ピースからなるキャラクターを再び組み合わせて作ることができる。
【0056】
なお、基材の材質は、本実施形態の場合、樹脂材の1つであるポリエチレン(PE)として紹介したが、ウォータージェットで切断線に沿って切断可能であれば、例えばポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ABS樹脂の何れであっても構わない。
【0057】
また、ウォータージェットで基材が切断可能であるならば、それぞれの基材ごとに異なる色彩が着色してあればどのような基材を使用してもよく、もしくは基材の材質ごとに下から異なる色彩を有していれば、そのまま異なる材質の基材として特別な着色をせずに使用可能である。例えば、アルミや鉄などの金属、異なる種類の木材等どのような材質の基材を本発明においても使用可能である。
【0058】
以下に、本発明に係るはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法を実施して作成したキャラクターパズルの一例について、図面に基づいて説明する。
図4は、
図1に示したキャラクターをウォータージェットでパズルの各ピースに切断してバラバラにした状態示す説明図である。
【0059】
なお、上述の実施形態においては、3色の基材を用いてそれぞれ同一形状のキャラクターとこのキャラクターを構成する各パーツをウォータージェットで切断する形態をとっていたが、色彩の組み合わせの数については、上述したように3色に限定されるものではない。また、具体的な色彩についても様々な色彩の組み合わせが適宜選択可能である。
【0060】
例えば、2色使用の場合、基材が黄色と赤色の2枚の組み合わせや、黄色と緑色の2枚の組み合わせが一例として考えられる。また、3色使用の場合、例えば基材が緑色と黄色と青色の3枚の組み合わせが一例として考えられる。これを組み合わせることで、2色よりもカラフルなはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルとして楽しむことができる。
【0061】
更に4色使用の場合、例えば基材が赤色と黄色と白色と緑色の4枚の組み合わせが一例として考えられ、5色使用の場合、例えば緑色と黄色と青色と白色と赤色の5枚の組み合わせが一例として考えられる。
【0062】
以上のように、本発明のはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルで各パーツを様々な色彩で組み合わせた時に、その組み合わせごとに全く異なるキャラクターのイメージを視覚的に認識しながら楽しむことができる。
【0063】
また、色彩の組み合わせに関しては、2つの色がそれぞれ補色の関係にある異なる色彩の組み合わせを一組から複数に亘って選択すると、キャラクターの各ピースの色彩の選択の仕方によって、全く異なる印象のキャラクターとして視覚的に認識できるようになり、より楽しむことができる。
【0064】
また、可愛いキャラクターにはピンク色やオレンジ色、黄緑色などの色を使ったり、精悍なキャラクターについては青色や、黒などの色彩を使ったりすることも一案である。これによって、キャラクターのイメージをキャラクターの種類ごとに視覚的及び観念的により可愛く際立たせたり、より精悍に際立たせたりすることができる。
【0065】
図5は、
図2に示した多種類の色彩の素材の内、任意に選択した特定の色彩の素材でできたキャラクターを、これを構成する各ピースに切断した後のピースにした状態の図面である。また、
図6は、
図2に示した多種類の色彩の素材の内、任意に選択した
図5とは異なる特定の色彩の素材でできたキャラクターを、これを構成する各ピースに切断した後のピースにした状態の図面であり、色彩の代わりに
図5の白色のみとは異なる色彩をこれに代わってドットの付いた模様として示した図である。
【0066】
また、
図7は、
図2に示した多種類の色彩の素材の内、任意に選択した
図5とは異なる特定の色彩の素材でできたキャラクターを、これを構成する各ピースに切断した後のピースにした状態の図面であり、色彩の代わりに
図5の白色のみ及び
図6のドットとは異なる色彩をこれらに代わって細かい波線の付いた模様として示した図である。
【0067】
また、
図8は、
図2に示した多種類の色彩の素材の内、任意に選択した
図5とは異なる特定の色彩の素材でできたキャラクターを、これを構成する各ピースに切断した後のピースにした状態の図面であり、色彩の代わりに
図5の白色のみ及び
図6のドット並びに
図7の細かい波線とは異なる色彩をこれらに代わって針葉樹状の飛沫の付いた模様として示した図である。
【0068】
また、
図9は、本発明の一実施形態に係る
図1に示したキャラクターを異なる色彩の各ピースを組み合わせで作って完成させた状態のはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの完成図の一例である。
【0069】
以上説明した本発明の製造方法によって作成したはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルを実際に用いて例えば子供たちが遊んだ場合のかつ従来にはない顕著な効果について説明する。具体的には、本発明の製造方法によって作成されたはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルによると、子どもたちがパズルの各ピース間の組み替えによるさまざまな色彩でできたキャラクターの組み合わせ遊びを多数回に亘って繰り返し何度も楽しむことで、この遊びを通して視覚的な情報だけでなく指先の触り心地等の触覚的な情報を遊んでいる最中に実体験情報として脳内に常に取り込み、バーチャルの世界ではなく実体世界での五感を使った遊びとして楽しみながらあえて意識することなく自然な形での情操教育に役立てることができる。
【0070】
また、本発明の切断線の幅が非常に狭いことを特徴としているため、各パーツを組み付ける際に、正しい差し込み角度を保ちながら組み合わせることが必要となる。即ち、機械式カッターで切断したような切断線が太い幅の場合、パーツを組み合わせる際の差し込み角度については正確ではなくても組み立てが可能であるが、本発明によるはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルは、正確な差し込み角度が求められるため、このはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの遊びを通して、手先の器用さを身に付けることができると共に、頭を使って効率良く組み合わせできることを学習可能とする。
【0071】
また、上述したように、切断線の幅が非常に狭いため、様々な色でできたパーツを組み付けてキャラクターを完成させるためには、差し込み角度の正確さを必要とするため、手先の器用さが必要であると共に、上手く差し込むための要領やコツを習得するために頭を使う必要がある。
【0072】
そのため、例えば子どもの代わりに高齢者が本発明を実施することによって作成されたはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルを用いて、様々な色彩の組み合わせを楽しみながら、手先の器用さの重要性を認識しつつこのはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルを何度も組み付けすることで、手先の器用さを維持若しくは向上させることができる。
【0073】
その結果、このはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの組み付けの他に、箸の扱いや衣服の着脱に伴ってボタンを付ける際に活かされる。つまり、これらの様々な手先を使う日常生活において手先が上手く動かないことによるストレスを受けないようにして、日々のQOL(クオリティー・オブ・ライフ)を向上させるという効果を発揮することができる。
【0074】
更には、高齢者が本発明に係る製造方法を実施して作成したはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルを用いて、まだ小さい子どもである可愛い孫と一緒に遊ぶことができ、子どもにとっては祖母や祖父に会うことが楽しみになり、高齢者にとっては孫と一緒に貴重な時間を過ごすことができる楽しみとなる温かい関係の構築に役立つ。
【実施例0075】
ここで、本発明に使用するウォータージェットの一例について説明する。
図3は、本発明の一実施形態に使用するウォータージェット50の斜視図である。ウォータージェット50は、基台部51と、基台部51の上面に設置されたXYZ軸直交座標型ロボット52と、XYZ軸直交座標型ロボット52のZ軸方向の稼働部分の下端部に備わるウォータージェットノズル部53と、ウォータージェットノズルに高圧の切断水を供給する切断水供給パイプ(図示せず)と、水道水から圧力を高めて高圧・高速の切断水に変換するコンプレッサー(図示せず)と、コンプレッサーからの高圧・高速の切断水を供給するためと、XYZ軸直交座標型ロボットをその先端に備わるウォータージェットノズルが各色彩の基材のそれぞれにおいて全く同一のキャラクターの外形の切断線やキャラクターを構成する各パーツの切断線に沿って切断するように動作させるための制御部(図示せず)の内蔵された本体部54と、本体部54に本発明を実施するにあたって必要な情報をやりとりすると共に、必要に応じてデータを収集する役目を果たすノートブックタイプのパーソナルコンピューター55を備えている。
【0076】
このウォータージェットのウォータージェットノズル部53から噴出される高圧・高速の切断水60によって、上述したポリエチレン(PE)でできた基材におけるキャラクターの外形と各ピースを構成する切断線にとって約0.25mmの切断幅で切断することができた。この際、通常の機械式のカッターによって切断すると切断線の幅は、機械式カッターの破損の防止などを考慮して、最低でも約1mm程度の切断幅となることと比較して、本発明によると切断幅が約4分の1程度と非常に狭い切断幅でキャラクターの外形と各ピースを切断して分離することが分かった。
【0077】
また、切断面に関しても、ウォータージェットのノズルから噴出される高圧・高速の水流により凹凸のない平坦度が極めて高い切断面になることが分かった。同じく、機械式カッターで切断した場合、切断面にどうしても残ってしまう切断時に切り屑が全て高圧・高速の水流で切断と同時にきれいに流されて除去され、切断面が例えばあるピースを他のピースに両ピースの上下面の平面度となるように保ちながら垂直にはめ込むのに適した滑らかで上下方向に凹凸の全くない綺麗な切断面となっていることが確認できた。
【0078】
また、機械式カッターを用いたのでは、上述したように切断線に沿った切断部分の切断幅が最低1mmと大きいため、本発明に係るはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの小さいパーツを基材から切断して分離することはできない。例えば、
図1に対応する資材を実際に作ってみた場合、この機械式カッターによる切断線ではそもそも小さいパーツを作成することが不可能であることが分かった。
【0079】
そのため、機械式カッター用いた切断方法では、
図1において示すキャラクターの表示面から見て特に小さいパーツである口の部分や、両眼の黒目(虹彩と瞳孔の部分)等をうまく切断して分離することができず、結果的に嵌め込み組み合わせ式キャラクターパズルのピースの数も限定してしまい、子供の遊び道具や高齢者の指先の動きの機能向上としての役目を果たすことはできなかった。
【0080】
具体的には、本発明の製造方法によって作成されたはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルにおける鼻の部分(
図1における切断線129,229,329,・・・、即ち
図5に示す符号1t、
図6に示す符号2t、
図7に示す符号3tで特定される鼻のピースは、これらの図面から明らかなように基材の平面視で極めて大きさも小さいものである。
【0081】
このような基材の平面視で大きさが極めて小さい一方、基材自体の厚みについては他のピースと同様であるので、このピースをその切断線に沿って切断面がきれいになったひとつの完成したピースとして切断分離することは、機械式カッターを用いたのでは不可能である。
【0082】
しかしながら、本発明の製造方法によると、このような経済の平面視で極めて小さいピースであっても、基材の厚み方向に沿ってきれいの切断面を保ち、キャラクターパズルの長期にわたる遊びの過程においてひとつの長持ちするピースとしての形態を維持する。小さいピースであってもこのような顔の鼻の部分のような外見上極めて目立つ部分のピースがキャラクターパズルの組み合わせの遊びの最中に破断したりしてしまうと、その後に同様に楽しみながら遊び続けることができないため、本発明の製造方法によって作成されたはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの特別に優位な点の1つとして挙げられる。
【0083】
更には、
図1においては示していないが、キャラクターが耳にピアスやイヤリングを付けており、このピアスやイヤリングを単独のピースとして様々な色に組み替える構成をとった場合、ピースの大きさがあまりにも小さくなるため機械式カッターではピアスやイヤリングの部分に相当するピースを切断分離することは不可能であることが分かる。
【0084】
しかしながら、本発明によるウォータージェットを用いたはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法によると、このような細かいピースについても切断分離して作成することが可能である。そのため、はめ込み組み合わせ式キャラクターパズルのキャラクターの各ピースの色の組み合わせを非常に多くすることができ、かつ上述のような黒目の部分や耳につけるピアスやイヤリング等の大きさはかなり小さいピースであっても色彩が異なることでキャラクター全体の印象が全く異なってくるキャラクターパズルとすることができる特有の特徴を確認できた。
【0085】
その結果、本発明の製造方法によって作成されたはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルを使った遊びを長期間楽しむことができるようになり、子供たちにとって色彩感覚や色彩のバランス(色彩同士の補色関係)も年齢の低いうちから視覚的に実際に体験学習することができるようになり、非常に有用な遊び道具として使用することが可能となることが分かった。
【0086】
また、本発明の製造方法によって作成されたはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルは、基材とキャラクターの外形やキャラクターを構成する各パーツ間の切断線の幅が機械式カッターで作製した場合に比べてかなり狭くできるため、子供たちにとって各パーツの大きさに関わらずピース同士を組み合わせる際に特定の正確な向きで一方のパーツを他方のパーツに差し込まなければならない。
【0087】
これに伴いこの動作を容易に行うためにはかなりのコツを身につけることが必要となる。そのため、このようなコツを身につけるために目からの視覚情報と指先の触覚情報に基づいて頭の中でどのようにすれば無理なく簡単にできるかを考えることが必要になる。
【0088】
つまり、コツをつかむためには、視覚情報と触覚情報に基づいて脳内の前頭葉自体と運動神経を司る小脳自体やこれらを相互につなぐ軸索やシナプスからなる神経細胞のリンクを発達及び向上させることができる。これによって、本発明の製造方法で作成したキャラクターパズルを用いる遊びを通じて情操教育を楽しみながら自然に行うことが可能となる。このことからも、本発明の製造方法を実施することによって、非常に有効な二次的効果を発生させることが明らかであると言える。
【0089】
このような二次的効果は、上述したように例えばケアホームに入居している高齢者同士や自宅にいる高齢者が自分の孫や知り合いの小さい子供達と本発明の製造方法によって作成されたはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルを何度も使い続けることで、特に上述したコツを身につけるまでの過程を楽しむことができると共に、指先の細かい動きによって認知機能が衰えるのを効果的に抑えたり進行度合いを遅らせたりすることが可能となる。
【0090】
なお、上述の実施形態とは異なり以下のような変形例を本発明の範囲に含まれるので、その各種変形例について以下に説明する。第1の変形例としては、基材が異なる色彩でできている代わりに、基材ごとに異なる材質でできていることを特徴としている。
【0091】
例えば、基材がアルミの板と銅板の2枚の基材からなる場合、それぞれのパーツを組み合わせてキャラクターを組み付ける際に、各基材を構成する金属の色彩や重さ、感触を実体験することができ、子供にとって貴重な体験学習を兼ねた遊びとして楽しむことができる。
【0092】
同じく基材を上述の実施形態のように同じ材質でできているが基材同士が異なる色彩となっている代わりに、同じ材質でできているがキャラクターを表示する表面が異なる模様でできた2つ以上の基材からなっていても良い。
【0093】
この場合であっても、キャラクターを構成する各パーツをその都度異なる模様のパーツキャラクターを組み付けることで、組み付けるごとに異なる印象のキャラクターとすることができ、本発明を実施することによって作成されたキャラクターパズルを遊びとして十分に楽しむことができる。これは、基材の表面を色彩の代わりに等価的に異なる模様で表した本出願の図面からも理解することができる。
【0094】
更には、例えば基材を異なる種類の木材ごとに複数枚作ることによって、各パーツを選択的に組み合わせてキャラクターを組み合わせた際に木材ごとの感触や年輪、色彩を各パーツが有したキャラクターとなるため、このキャラクターパズルの遊びを通して楽しみながら自然の感触を肌身で感じて覚えることができる。
【0095】
以上のような様々な材質や形態のはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルを本発明の製造方法を実施して作成することで、機械式カッターのようにその都度カッターを交換する必要がなく時間をかけずに効率良く作成することができ、廉価な価格で様々な人達に広く供給することが可能となる。
【0096】
なお、以上の実施形態の内容を特定する文章やその構造を視覚的に特定する図面は、上述したようにあくまで本発明の一例を示したものに過ぎず、本発明の作用を発揮し得る範囲内で、その各部品の寸法(長さや幅、板材の厚み)、材質、形状、固定方法などを適宜変更可能である。
【0097】
例えば、キャラクターの定義としては本発明においてはかなり広い範囲を含むものであり、本出願書類の各図面に示したいわゆるアニメ用の人物を模した一般的なキャラクターの他に、動物や、カブトムシ・クワガタ等の昆虫、何本かの異なる種類の花を咲かせた植物、自動車や電車、船や飛行機、宇宙船等の乗り物であっても良い。
【0098】
また、近年地域ごとに独自のイメージキャラクターを創作してこれをその地域の町おこしや村おこしを兼ねて、その地域の観光アピール、その地域のイメージアップ、その地域の特産品の効果的な宣伝等、様々な観点の理由からその地域の知名度の向上を図ることが行われるようになっているが、このような特別なキャラクターを介して地域のイメージアップと活性化を図る際にイメージキャラクターの利用がよく行われている。
【0099】
ここで本発明の製造方法によって作成されたはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルをこの地域のイメージアップの一手段として利用すると非常に効果が大きい。
【0100】
これは、上述した理由から明らかな通り、機械式カッターで製作するよりも遥かに安いコストで迅速かつ効率的に数多く作成することができるとともに、子供や高齢者等様々な人達が遊びを通してこのイメージキャラクターに親しみを持ってその地域のイメージキャラクターとして遊びを通じて印象強く覚えてもらうことができるため、このような地域のイメージアップに大いに貢献することが可能となるからである。
また、本発明の請求項2に記載のはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法は、請求項1に記載のはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法において、
前記キャラクターの個別に分離可能な複数のピース内には、前記人物キャラクターのピアスやイヤリングの部分に相当するピースと、ネックレスの部分に相当するピースが更に含まれていることを特徴としている。
しかしながら、本発明によるウォータージェットを用いたはめ込み組み合わせ式キャラクターパズルの製造方法によると、このような細かいピースについても切断分離して作成することが可能である。そのため、はめ込み組み合わせ式キャラクターパズルのキャラクターの各ピースの色の組み合わせを非常に多くすることができ、かつ上述のような黒目の部分や耳につけるピアスやイヤリング等の大きさがかなり小さいピースであっても色彩が異なることでキャラクター全体の印象が全く異なってくるキャラクターパズルとすることができる特有の特徴を確認できた。