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特開2024-68213ライブ配信者及び視聴者向けのギフトボックスイベント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068213
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】ライブ配信者及び視聴者向けのギフトボックスイベント
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240510BHJP
   H04N 21/258 20110101ALI20240510BHJP
   H04L 51/04 20220101ALI20240510BHJP
【FI】
G06Q50/10
H04N21/258
H04L51/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024004375
(22)【出願日】2024-01-16
(62)【分割の表示】P 2023105218の分割
【原出願日】2023-06-27
(31)【優先権主張番号】17/981,021
(32)【優先日】2022-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517287224
【氏名又は名称】17LIVE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100199277
【弁理士】
【氏名又は名称】西守 有人
(72)【発明者】
【氏名】パスリー クリストファー
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA06
5C164SA25S
5C164SC11P
5C164YA07
5C164YA21
(57)【要約】      (修正有)
【課題】配信者とそのフォロワーやサブスクライバー間の交流を強化することにより、配信者とその視聴者の間の共同体意識を作り出す方法及びサーバを提供する。
【解決手段】視聴者が配信者へのギフトが袋を購入して、ギフトボックスライブ配信を開設するシステムであって、抽選で無作為に引き当てられるギフトを配信者に渡すために、視聴者全員が協力し、配信者がすべてのギフトを受け取ると、賞品と賞金を受け取ることができ、視聴者は協力することで、配信者を支援したという達成感を味わうことができる。
【選択図】図9B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライブ配信の配信者が所定のデジタルアイテムを揃えると達成される条件について、配信者ごとに条件の達成の度合いを保持するステータス保持手段と、
配信者のライブ配信において視聴者による対価の支払いを受け付けると、デジタルアイテムの抽選処理を実行する抽選手段と、
抽選処理の結果に応じて前記ステータス保持手段を更新する更新手段と、
前記更新手段による更新により配信者に対応付けられた条件が達成された場合、当該配信者に新たな条件を設定する設定手段と、を備えるサーバ。
【請求項2】
前記更新手段による更新により配信者に対応付けられた条件が達成された場合、当該配信者に、達成された条件に対応する報酬を付与する付与手段をさらに備える請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記設定手段により設定される新たな条件は元の条件よりも達成が困難であるように設定され、かつ、達成されたときに元の条件よりも多くの報酬が付与されるよう設定される請求項2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記更新手段による更新により配信者に対応付けられた条件が達成された場合、達成された条件に対応するエフェクトと条件の達成に寄与した視聴者とを関連付けて、配信者の端末および視聴者の端末に表示させるための処理を行う手段をさらに備える請求項1に記載のサーバ。
【請求項5】
前記抽選手段は、支払われる対価が高いほどよりレア度の高いデジタルアイテムが引き当てられるように抽選処理を実行する請求項1に記載のサーバ。
【請求項6】
前記抽選手段は、視聴者による対価の支払いを必要とせずに抽選処理を行い、
前記抽選手段は、対価が支払われる場合のほうが対価が支払われない場合よりもレア度の高いデジタルアイテムが引き当てられるように抽選処理を実行する請求項1に記載のサーバ。
【請求項7】
ライブ配信の配信者が所定のデジタルアイテムを揃えると達成される条件について、配信者ごとに条件の達成の度合いをステータス保持手段に保持することと、
配信者のライブ配信において視聴者による対価の支払いを受け付けると、デジタルアイテムの抽選処理を実行することと、
抽選処理の結果に応じて前記ステータス保持手段を更新することと、
前記更新により配信者に対応付けられた条件が達成された場合、当該配信者に新たな条件を設定することと、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライブ配信中に発生するギフトボックスイベント(ボックスガチャ)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
IT技術の進歩により、情報交換の方法が進化している。20世紀は、新聞、そして後のテレビという一方通行の情報伝達であった。この30年ほどの間に、携帯電話やコンピュータが普及しただけでなく、インターネットの通信速度が大幅に向上し、オンラインチャットサービスに代表されるリアルタイムかつ双方向のコミュニケーションサービスが台頭してきた。ストレージコストの低下により、VOD(ビデオオンデマンド)動画配信サービスの普及が可能になっている。2019年以降、スマートフォンの堅牢性と5Gに代表されるネットワークの高速化により、動画を用いたリアルタイムコミュニケーションサービス、特にライブストリーミングサービスが人気を集めている。ライブストリーミングサービスは世界中からの参加者を楽しませており、その需要は高まる一方である。配信者は、おしゃべりや音楽演奏、視聴者に新しいスキルを教えるなど、さまざまなことをしながら自分自身を世界中に発信している。興味がある視聴者は、配信者を視聴することができる。視聴者は反応として、ギフトを送り、配信者に感謝の気持ちを表すことができる。
【0003】
しかし、配信者とその視聴者の間には断絶がある。コンテンツ制作者とコンテンツ視聴者間のコミュニティがないのである。できることと言えば、配信者が視聴者の望むコンテンツを出すくらいで、それは非個人的なものである。伝達は配信者から視聴者に向けてのみ行われる。フォロワーやサブスクライバーは配信者にギフトをすることができるが、それは単独のイベントである。より大きな目標に向かいつつ、配信者に感謝の気持ちを伝える方法はない。
【発明の概要】
【0004】
先行技術における上述の欠点に鑑み、本発明の目的は、視聴者が配信者に対する忠誠心を示すことができる方法を提供することにある。配信者とそのフォロワーやサブスクライバー間の交流を強化することにより、配信者とその視聴者の間の共同体意識を作り出すものであり、これは、視聴者が配信者へのギフトが袋を購入できる、ギフトボックスライブ配信を開設することで実現でき、抽選で無作為に引き当てられるギフトを配信者に渡すために、視聴者全員が協力し、配信者がすべてのギフトを受け取ると、賞品と賞金を受け取ることができ、視聴者は協力することで、配信者を支援したという達成感を味わうことができ、また、各ギフトの抽選に挑むことで、ゲーミフィケーションの要素もある。
【0005】
さらに、本発明のもう1つの利点としては、視聴者は配信者に貢献を認めてもらうことで、通常のギフトよりもインセンティブが高くなる。加えて、アプリ内の通貨取引量が増加する。
【0006】
一実施態様によれば、本発明の配信者と視聴者の間の交流を増加させる方法は、配信者と視聴者のためのギフトボックスイベントを開始する工程と、抽選可能な複数のギフトを表示する工程と、購入可能な少なくとも1つの袋を表示し、そのうち、当該視聴者が当該少なくとも1つの袋から1つの袋を購入し、当該配信者のための当該複数のギフトの中から無作為に1つのギフトを引き当てることができる工程と、当該複数のギフトの各ギフトが引き当てられると、当該配信者が賞品を受け取る工程と、当該配信者のギフトボックスレベルを上昇させる工程と、を含む。
【0007】
一実施態様において、当該配信者は、ギフトボックスアイコンを選択して、ギフトボックスライブストリーミングルームを開く。
【0008】
一実施態様において、各ギフトは複数のレア度のうちの1つである。
【0009】
一実施態様において、複数の袋のうちの第1の袋は第1の価格を有し、複数の袋のうちの第2の袋は第2の価格を有し、そのうち、当該第2の袋は当該第1の袋と比較してレア度が高いギフトを有し、及び(または)当該第2の価格は当該第1の価格より高い。
【0010】
一実施態様において、当該複数の袋の中から購入する袋は、当該袋の価格と当該ギフトのレア度に基づいて、当該複数のギフトの中から無作為に引き当てられたギフトを包含する。
【0011】
一実施態様において、当該無作為に引き当てられたギフトは、当該配信者がすでに受け取っているものと重複していてもよい。
【0012】
一実施態様において、当該方法はさらに、当該複数のギフトの各ギフトについて、各ギフトがすでにいくつ引き当てられたかを示すギフト引き当て数を表示する工程を含む。
【0013】
一実施態様において、当該方法はさらに、当該ギフトボックスライブストリーミングルーム内における、当該複数のギフトのすべての抽選の残り時間を表示する工程を含む。
【0014】
一実施態様において、当該配信者のギフトボックスレベルを上昇させる工程に続いて、当該方法はさらに、抽選可能な第2の複数のギフトを表示する工程と、購入可能な少なくとも1つの第2の袋を表示し、そのうち、当該視聴者が当該少なくとも1つの袋から1つの袋を購入し、当該配信者のための当該第2の複数のギフトの中から無作為に1つのギフトを引き当てることができる工程と、当該第2の複数のギフトの各ギフトが引き当てられると、当該配信者が第2の賞品を受け取る工程と、当該配信者のギフトボックスレベルをもう1度上昇させる工程と、を含む。
【0015】
一実施態様によれば、本発明の配信者および視聴者に対してギフトボックスライブストリーミングルームを表示する方法は、当該配信者のギフトボックスレベルを表示する工程と、複数のレア度を有する複数のギフトを図示する工程と、購入可能な価格の異なる複数の袋を図示し、そのうち、当該視聴者が当該複数の袋から1つの袋を購入し、当該袋の価格と当該ギフトのレア度に基づいて当該配信者のために無作為に1つのギフトを引き当てることができる工程と、当該配信者のための賞品を図示し、そのうち、ボックス内のすべてのギフトが当該配信者のために引き当てられた場合に、当該配信者が当該賞品を受け取る工程と、当該賞品をアニメーション化し、当該配信者のために少なくとも1つの袋を購入した当該視聴者の少なくとも1人のリストを表示する工程と、を含む。
【0016】
一実施態様において、当該方法はさらに、当該配信者に対し、ギフトボックスライブストリーミングルームを開くために選択可能なギフトボックスアイコンを表示する工程を含む。
【0017】
一実施態様において、当該複数のギフトは、異なる画像または異なるパズルのピースとして表示される。
【0018】
一実施態様において、当該方法はさらに、当該複数のギフトの各ギフトのレア度(ノーマル、レア、激レアを含む)を表示する工程を含む。
【0019】
一実施態様において、当該方法はさらに、当該複数のギフトの各ギフトについて、各ギフトがすでにいくつ引き当てられたかを示すギフト引き当て数を表示する工程を含む。
【0020】
一実施態様において、当該方法はさらに、当該ギフトボックスライブストリーミングルーム内における、当該複数のギフトのすべての抽選の残り時間を表示する工程を含む。
【0021】
一実施態様において、当該方法はさらに、当該複数の袋のうちの1つの袋が購入されるときに、各ギフトが引き当てられる確率を表示する工程を含む。
【0022】
一実施態様において、当該方法はさらに、賞品の達成について当該配信者が受け取る当該賞品価値を表示する工程を含む。
【0023】
一実施態様において、当該方法はさらに、当該賞品をアニメーション化したクリップを記録し、当該クリップを当該視聴者の少なくとも1人に送信する工程を含む。
【0024】
一実施態様において、当該配信者のギフトボックスレベルを表示する工程は、当該配信者が当該賞品を受け取った後の当該配信者の上昇したギフトボックスレベルの表示を含む。
【0025】
一実施態様によれば、本発明のギフトボックスイベントのためのシステムは、配信者ユーザ端末と、複数の視聴者ユーザ端末と、複数のデータベースを有するサーバと、当該配信者ユーザ端末、当該複数の視聴者ユーザ端末、当該サーバとを接続するネットワークを含み、当該複数のデータベースが、配信者及び視聴者のデータを格納するユーザデータベースと、ライブ配信のデータを格納するストリームデータベースと、袋のデータを格納する袋データベースと、各レベルのクリア条件のデータを格納する賞品要件データベースと、異なるギフトボックスイベントのクリア状況のデータを保存するための賞品ステータスデータベースと、を含む。
【0026】
一実施態様によれば、ライブ配信の配信者が所定のデジタルアイテムを揃えると達成される条件について、配信者ごとに条件の達成の度合いを保持するステータス保持手段と、配信者のライブ配信において視聴者による対価の支払いを受け付けると、デジタルアイテムの抽選処理を実行する抽選手段と、抽選処理の結果に応じてステータス保持手段を更新する更新手段と、更新手段による更新により配信者に対応付けられた条件が達成された場合、当該配信者に新たな条件を設定する設定手段と、を備えるサーバが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施態様に基づくライブストリーミングシステムの概略図である。
図2】本発明の一実施態様に基づく配信者ユーザ端末の概略図である。
図3】本発明の一実施態様に基づくレベル1ギフトボックスライブストリーミングルームの概略図である。
図4】本発明の一実施態様に基づく袋情報画面の概略図である。
図5】本発明の一実施態様に基づく賞品情報画面の概略図である。
図6】本発明の一実施態様に基づく賞品アニメーション画面の概略図である。
図7】本発明の一実施態様に基づくレベル2ギフトボックスライブストリーミングルームの概略図である。
図8】本発明の一実施態様に基づくサーバのブロック図である。
図9A】本発明の一実施態様に基づき視聴者が配信者にギフトをする方法を示すフローチャートである。
図9B】本発明の一実施態様に基づき視聴者が配信者にギフトをする方法を示すフローチャートである。
図10】本発明の一実施態様に基づく情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図面に示された同一または同等の構成要素、コンポーネント、プロセス、信号は、同一の参照数字および参照符号で示され、関連する説明は繰り返されない。また、本明細書で開示する一部の重要でない構成要素は、図面から省略されている。
【0029】
本発明の一実施態様において、当該ライブストリーミングシステムは、ライブ配信者がライブ配信を円滑かつ効果的に行うための仕組みを提供し、ファッショナブルで人気のあるライブストリーミングを実現する。
【0030】
図1は、本発明の一実施態様に基づくライブストリーミングシステム1の概略図である。当該ライブストリーミングシステム1は、ライブ配信者(配信者またはライバーとも呼ばれる)LVと視聴者AU(視聴者AU1、視聴者AU2、...を含む)との間のリアルタイムコミュニケーションを促進する双方向ライブストリーミングサービスを提供するものである。図1に示すように、当該ライブストリーミングシステム1は、サーバ10と、当該ライブ配信者側のユーザ端末20と、当該視聴者側のユーザ端末30(ユーザ端末30a、ユーザ端末30b、…を含む)を含む。当該ライブ配信者と当該視聴者は集合的にユーザとも呼ばれる。当該サーバ10は、ネットワークNWに接続された、1以上の情報処理装置を含む。当該ユーザ端末20、30は、例えば、スマートフォン、タブレット、ノートPC、レコーダー、携帯ゲーム機、ウェアラブル端末などのモバイル端末であってもよいし、デスクトップPCなどの据え置き型装置であってもよい。当該サーバ10、当該ユーザ端末20、当該ユーザ端末30は、有線・無線を問わず、さまざまなネットワークNWにより接続され、相互に通信することができる。
【0031】
視聴者AUには、当該配信者LVのフォロワー、サブスクライバー、またはアーミーが含まれてもよい。フォロワー及びサブスクライバーとは、当該配信者に関心がある視聴者である。視聴者は、ボタンを選択することで、特定の配信者をフォローしたり、サブスクライブしたりすることができる。一方で、当該配信者のアーミーは、特権と当該配信者へのアクセス権を解除するための有料サブスクリプションを必要とする。
【0032】
当該ライブストリーミングシステム1において、当該ライブ配信者LV、当該視聴者AU、及び当該サーバ10を管理する管理者(図示しない)が参加者となる。当該ライブ配信者LVは、自分の歌やコメント、パフォーマンス、占い、ゲーム実況など、あらゆるジャンルや話題の音声や動画を当該ユーザ端末20で記録し、リアルタイムで当該サーバ10に直接アップロードすることができる。本実施態様において、当該ライブ配信者LVは、ライブストリーミングにより当該視聴者AUに歌唱を提供する。当該ライブ配信者LVは、音楽アーティストであっても、そうでなくてもよい。当該管理者は、当該サーバ10内に配置された、ライブ配信での使用に適したプラットフォームを提供し、当該ライブ配信者LVと当該視聴者AU間のリアルタイム通信を仲介または管理する。当該視聴者AUは、当該ユーザ端末30で、当該プラットフォームにアクセスし、所望のコンテンツを選択して視聴することができる。ライブ配信中、当該視聴者AUは、例えば、当該ユーザ端末30でメッセージを残すなどして支援を表明し、一方でコンテンツを提供する当該ライブ配信者LVは、当該メッセージや関連の支援に対する応答を、映像及び(または)音声の形で当該視聴者AUに送信し、双方向のコミュニケーションを可能にする。
【0033】
ここで使用する「ライブストリーミング」という用語は、「ライブ配信者LVのユーザ端末20で記録した音声や映像のコンテンツを、実質的にリアルタイムで視聴者AUのユーザ端末30で再生・視聴する」データ伝送モードを指す。ここで使用する「ライブ配信」とは、当該データ伝送モードにより実施されるブロードキャストを指す。当該ライブ配信は、HTTPライブストリーミング、CMAF(Common Media Application Format)、WebRTC(Web Real―Time Communications)、RTMP(Real―Time Messaging Protocol)、MPEG DASHなどの既存のライブ配信技術によって実現される。当該ライブ配信の当該データ伝送モードにおいて、当該ライブ配信者LVによるコンテンツの記録と、当該視聴者AUによる当該コンテンツの視聴には、同時に発生する遅延が確立される。当該遅延は、当該ライブ配信者LVと当該視聴者AU間で通信が可能な程度の短さである。しかしながら、当該ライブ配信は、VODブロードキャストとは異なる。VODブロードキャストは、記録されたコンテンツの全データをサーバ内に格納し、ユーザの要求に応じて任意のタイミングで当該サーバから当該データを取得し、当該ユーザに提供するものである。
【0034】
ここで使用する「映像データ」には、当該ユーザ端末20、30の撮影機能によって生成される画像データ(ビデオデータともいう)と、当該ユーザ端末20、30の音声入力機能によって生成されるオーディオデータ(音声データともいう)とが含まれる。当該映像データは当該ユーザ端末20、30で再生され、当該ユーザがそのコンテンツを見る。本実施態様において、ライブ配信者のユーザ端末で映像データが生成された後、生成された当該映像データが視聴者のユーザ端末で再生されるまでの間、当該映像データは、圧縮、拡張、エンコード、デコード、トランスコード、翻訳などの処理を経て、形、サイズ、形式が変化する。ただし、当該処理を経ても、当該映像データのコンテンツ(例えば、動画や音声など)は、実質的に変化しない。したがって、本実施態様において、説明の便宜上、当該処理を経た当該映像データは、当該処理を経ていない当該映像データと同一であると見なす。したがって、ライブ配信者のユーザ端末で当該映像データが生成され、当該サーバ10を介して視聴者のユーザ端末で再生される場合、当該ライブ配信者のユーザ端末で生成された当該映像データ、当該サーバ10を介して再生された当該映像データ、当該視聴者のユーザ端末で受信・再生された当該映像データは同一である。
【0035】
図1に示す例において、当該ライブ配信者LVはライブ配信を行う。ライブ配信を行うライブ配信者LVの画像と音声を当該ライブ配信者LVのユーザ端末20で記録して映像/音声データが生成され、当該映像/音声データがネットワークNW経由で当該サーバ10に送信される。当該ユーザ端末20は、記録された当該ライブ配信者LVの映像VDを当該ユーザ端末20の画面上に提示し、当該ライブ配信者LVによりブロードキャストされたコンテンツを確認できるようにする。
【0036】
当該プラットフォームにアクセスして当該ライブ配信者LVによる当該ライブ配信の視聴をリクエストする当該視聴者AU1、AU2の当該ユーザ端末30a、30bは、ネットワークNWを介して当該ライブ配信の映像/音声データを受信し、受信した当該映像/音声データを再生し、映像VD1、VD2をそれぞれ画面に表示して、スピーカーから音声を出力する。当該ユーザ端末30a、30b上に表示される当該映像VD1、VD2は、当該ライブ配信者LVの当該ユーザ端末20により撮影された当該映像VDと実質的に同一である。当該ユーザ端末30a、30bにより出力される音声は、当該ライブ配信者LVの当該ユーザ端末20により記録された音声と実質的に同一である。
【0037】
当該ライブ配信者LVの当該ユーザ端末20による音声の記録と映像の撮影と、当該視聴者AU1、AU2の当該ユーザ端末30a、30bによる映像/音声データの再生は、実質的に同時に発生する。当該視聴者AU1が、当該ライブ配信者LVの当該コンテンツに応答して当該ユーザ端末30aでメッセージを残した場合、当該サーバ10は、当該ライブ配信者LVの当該ユーザ端末20と、当該視聴者AU1、AU2の当該ユーザ端末30a、30bに、当該メッセージをリアルタイムで表示する。当該メッセージを読んだ後、当該ライブ配信者LVは、その内容に対してコメントを始める。当該コメントの映像と音声が、当該視聴者AU1、AU2の当該ユーザ端末30a、30bから出力され、当該ライブ配信者LVと当該視聴者AU1間の対話が開始されたことが示される。したがって、当該ライブストリーミングシステム1で行われたライブ配信は、双方向通信を達成する。
【0038】
当該ユーザ端末30は、当該ユーザ端末20と同じ機能及び構成を有する。当該ライブ配信者LVと視聴者AUは、ネットワークNWを介してアプリケーションマーケットから本実施態様のライブ配信アプリケーション(以下、ライブ配信アプリという)を当該ユーザ端末20、30にダウンロードし、インストールする。または、当該ライブ配信アプリは、当該ユーザ端末20、30に事前にインストールされている。当該ユーザ端末20、30は、当該ライブ配信アプリを実行し、それにより当該ネットワークNWを介して当該サーバ10と通信し、さまざまな機能を実行する。以下、当該ライブ配信アプリの実行により、当該ユーザ端末20、30のプロセッサが実現する機能を、当該ユーザ端末20、30の機能とみなして説明する。当該機能は、当該ライブ配信アプリにより、当該ユーザ端末20、30上で実行される。別の実施態様において、当該機能は、当該サーバ10から当該ネットワークNWを介して当該ユーザ端末20、30のブラウザに送信された、HTML(Hyper Text Markup Language)などのプログラミング言語で記述されたコンピュータプログラムを当該ブラウザで実行することにより実現される。
【0039】
図2は、本発明の一実施態様に基づく配信者ユーザ端末20の概略図である。当該配信者ユーザ端末20はライブ配信中、当該配信者LVの当該映像VDを表示する。当該配信者ユーザ端末20の隅に、ギフトボックスアイコンICが表示される。これは、当該配信者LVにギフトボックスイベントの開始準備が整ったことを知らせるものである。当該配信者LVは、当該ライブ配信が終了したとき、中断したとき、或いは当該ライブ配信の途中など、準備ができたときに、当該ギフトボックスアイコンICを選択することができる。その結果、当該配信者LVと視聴者AU1、AU2、…は、図3に示すようなギフトボックスライブストリーミングルームGSRに誘導される。なお、当該ギフトボックスアイコンICは、当該ストリーリーマーユーザ端末20にのみ表示され、当該視聴者ユーザ端末30a、30bのいずれにも表示されない。このため、当該ギフトボックスアイコンICを視認し、選択できるのは、当該配信者LVのみである。当該視聴者AU1、AU2は、ギフトボックスイベントを開始することができない。または、別の一実施態様において、視聴者が配信者のためにギフトボックスイベントを開始できるように構成してもよい。これは、ギフトボックスイベントを開始する視聴者による相応のポイントの支払いを伴っても、伴わなくてもよい。
【0040】
当該ギフトボックスアイコンICや他のボタンの選択は、多くの方法のうちのいずれかで行うことができる。スマートフォンやタブレットなどのタッチスクリーン装置では、指やスタイラスでボタンをタップすることにより選択することができる。ノートパソコンやデスクトップパソコンなどのタッチスクリーンでない装置では、マウスでボタンをクリックしたり、キーボードのボタンを押したりすることで選択することができる。
【0041】
選択可能な当該ギフトボックスアイコンICは、図2において単なるギフトボックスとして示されている。ただし、当該ギフトボックスアイコンICは、それだけに限定されるものではない。例えば、当該ギフトボックスアイコンICは、紙吹雪やパーティハット、ラッピングされたプレゼントの画像としてもよい。さらに、当該ギフトボックスアイコンICには、「ギフトボックスイベント!」や「ボックスガチャ!」などのテキストが添えられていてもよい。また、ギフトボックスイベントは時間的制約があるため、当該ギフトボックスアイコンICには、当該ギフトボックスイベントに参加するための残り時間が添えられていてもよい。例えば、当該ギフトボックスアイコンICの下に、「あと1日!」あるいは「あと3時間!」というテキストが表示されていてもよい。つまり、当該配信者LVが当該ギフトボックスアイコンICを選択して期限内にギフトボックスイベントを開始することができる残り時間があと1日または3時間であることを意味する。
【0042】
または、あるいは図2に示すように当該配信者ユーザ端末20に表示される当該ギフトボックスアイコンICに加えて、当該配信者のストリーム設定ページ(図示しない)に当該ギフトボックスアイコンICが表示されてもよい。当該ストリーム設定ページには、当該配信者の公式イベントとして表示されてもよい。それが選択されると、図3のギフトボックスライブストリーミングルームGSRが開く。
【0043】
図3は、本発明の一実施態様に基づくレベル1ギフトボックスライブストリーミングルームGSR1の概略図である。当該ライブストリーミングルームGSR1は、当該配信者と視聴者のユーザ端末20、30の両方に表示される。レベル1ギフトボックスライブストリーミングルームGSR1には、ギフトボックスレベルLVL(この場合1)と残り時間TM(この場合1日3時間2分)が表示される。レベルLVLと時間TMは、当該ユーザ端末20、30の上部に表示されているが、当該ユーザ端末20、30のどこに配置されていてもよい。
【0044】
次に、現在のレベルをクリアした場合の賞品PZが表示される。この場合、賞品は銀河爆発であるが、これに限定されるものではない。テキストには「銀河爆発!」と表示され、同画像が表示される。賞品情報PZiのアイコンを選択することで、賞品PZの詳細を確認することができる。賞品情報PZiを選択すると、ユーザは後述する図5に示す画面に誘導される。
【0045】
当該賞品PZの下には、複数のギフトGF1-GF6が表示されている。これらの各ギフトを引き当てなければ、レベルをクリアすることができない。つまり、当該配信者LVは、各ギフトGF1-GF6を少なくとも1個受け取らなければ、当該賞品PZを受け取って次のレベルに進むことができない。
【0046】
ここで、当該複数のギフトGF1-GF6について説明する。第1のギフトGF1は、第1のギフトレア度GF1rを有する円内の画像によって表され、第1のギフトの引き当て数GF1dを有する。この例で、第1のギフトGF1は、レア度GF1rを有するスポーツカーであることが示されている。第1のギフトの引き当て数GF1dは、「×1」と示されており、スポーツカー1台がすでに当該配信者LVに引き当てられていることを意味する。第2のギフトGF2は、レア度GF2rがノーマルの鐘であることが示されている。ギフトGF2の下に数字がないのは、まだ当該配信者LVに対して鐘が引き当てられていないことを表す。第3のギフトGF3は、レア度GF3rがノーマルの灯台で、まだ引き当てられていない。第4のギフトGF4はレア度GF4rがレジェンド級のクルージングで、まだ引き当てられていない。第5のギフトGF5は、レア度GF5rがノーマルのハートアイで、第5のギフトの引き当て数GF5dは「×5」であり、当該配信者LVに対してすでに5回引き当てられていることを表す。第6のギフトGF6は、レア度GF6rがノーマルの砂時計で、まだ引き当てられていない。
【0047】
当該配信者LVが先へ進むには、各ギフトを引き当てる必要があるため、この例において、当該配信者LVは、第2のギフトGF2(鐘)、第3のギフトGF3(灯台)、第4のギフトGF4(クルージング)、第6のギフトGF6(砂時計)をそれぞれ1個ずつ引き当てる必要がある。ギフトが引き当てられると、それをグレーアウトさせて、当該ライブストリーミングルームGSR1でそのギフトの要件が満たされたことを示すことができる。または、まだ獲得されていないギフトをグレーアウトさせることで、当該配信者LVにまだそのギフトがないことを示してもよい。この例では、ハートアイ(第5のギフトGF5)が5個獲得されている。必要なのは1個だけであるものの、無作為な抽選のため、1つのギフトを複数個獲得することもある。一定数以上重複して所持している場合、当該配信者LVにボーナスが付与されてもよい。例えば、1つのレベルをクリアする際にノーマルの重複が10個ある場合、追加で1,000枚のコインを受け取ることができる。
【0048】
次に、図3の下にある当該配信者LVのために視聴者AUが購入できる袋について説明する。第1の袋BG1は、第1の袋価格BG1cを有し、第1の袋情報BG1iを選択することで詳細情報を表示することができる。この例で、第1の袋BG1は第1の袋価格BG1cがコイン500枚である。第2の袋BG2は、第2の袋価格BG2cがコイン1500枚であり、第2の袋情報BG2iで詳細情報を表示することができる。第3の袋BG3は、第3の袋価格BG3cがコイン3000枚であり、第3の袋情報BG3iを選択することで、ユーザは図4の画面に誘導される。袋には価格に応じた可変ランクがあり、レアや激レア、あるいはレジェンド級のギフトを引く確率が変化する。袋の価格が高くなるほど、レアなギフトや激レアなギフトを引き当てる可能性が高くなる。したがって、より高価な袋は、より良いギフトで視聴者AUを引き付ける。
【0049】
袋の購入に使用されるコインは、アプリ内通貨である。図3及びその他の図において、当該通貨記号は○で表記されている。コインは、実世界の金銭で購入することも、後述するロイヤルティポイントを使用して交換することも可能である。
【0050】
視聴者AUが当該配信者LVのために第1の袋BG1~第3の袋BG3を購入すると、無作為の抽選が行われ、当該配信者LVが受け取るギフトが決定される。当該袋のランクによって、ノーマル、レア、激レアなギフトを受け取る確率が決定される。
【0051】
例えば、第1の袋BG1の場合、24%の確率でノーマルの各ギフト(鐘(第2のギフトGF2)、灯台(第3のギフトGF3)、ハートアイ(第5のギフトGF5)、砂時計(第6のギフトGF6))を引き当てることができる。ノーマルの各ギフトは、引き当てられる確率が同じである。その結果、合計4つのノーマルのギフトがあれば、96%の確率でノーマルが引き当てられることになる。また、第1の袋BG1では、3%の確率でレアのギフト、つまり第1のギフトGF1のスポーツカーが引き当てられる。さらに、1%の確率で、激レア、つまりレジェンド級のギフト、この例では第4のギフトGF4のクルージングが引き当てられる。これらの確率は参考として提供されており、実施態様はこれらの確率に限定されるものではない。第2の袋BG2では、第1の袋BG1よりもノーマルのギフトを受け取る確率が減少し、レアまたは激レアなギフトを引き当てる確率が増加する。第3の袋BG3では、確率はそれぞれさらに減少または増加する。その結果、第3の袋BG3を購入したときに、レジェンド級を引き当てる確率が最も高くなる。本実施態様において、購入可能な袋は3つあるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、一実施態様において、購入可能な袋は1つだけである。別の一実施態様においては、購入可能な価格の異なる袋が10個ある。
【0052】
図4は、本発明の一実施態様に基づく袋情報画面の概略図である。当該袋情報画面は、第3の袋BG3に関する詳細情報を提供し、図3でユーザが第3の袋情報BG3iアイコンを選択した後に表示される。各ギフトGF1-GF6を引き当てる確率についての情報が提供される。第3の袋BG3では、ノーマルのギフト4つのいずれかを引き当てる確率が10%(つまり、ノーマルを引き当てる確率は40%)、レアを引き当てる確率が40%、激レア、つまりレジェンド級のものを引き当てる確率が20%となっている。第1の袋BG1と比較すると、第3の袋BG3の方が、レアやレジェンド級を引き当てる確率が高いことがわかる。当該袋情報画面は、無作為の抽選の確率を視聴者にわかりやすくするために、一部のアプリストアで必須とされている。
【0053】
図5は、本発明の一実施態様に基づく賞品情報画面の概略図である。当該賞品情報画面は当該賞品に関する詳細情報を提供し、図3でユーザが当該賞品情報アイコンPZiを選択した後に表示される。当該賞品情報画面は、当該賞品PZのより大きな画像を表示する。さらに、当該賞品情報画面は、賞品価値PZvを表示する。当該賞品価値PZvは、当該配信者LVが現在のレベルをクリアすることによって受け取るロイヤルティポイント数である。この例で、レベル1をクリアすると、当該配信者LVは20,000LP(またはロイヤルティポイント)を受け取る。ロイヤルティポイントの詳細については後述する。一般に、当該賞品価値PZvの額は、当該視聴者AUが当該配信者LVのためにギフトボックス内のすべてのギフトを獲得させるために消費するコイン枚数よりも価値が大きい。その結果、当該視聴者AUが協力して当該配信者LVの賞品PZを獲得する動機付けとなる。
【0054】
図6は、本発明の一実施態様に基づく賞品アニメーション画面の概略図である。当該賞品アニメーション画面は、当該配信者LVがレベルをクリアしたときのみ表示される。レベルのクリアには、当該視聴者AUが袋BG1-BG3を十分に購入し、各ギフトGF1-GF6を無作為に引き当てる必要がある。当該賞品アニメーション画面は、賞品のアニメーションやエフェクトPZaを表示する。これは当該賞品をアニメーション化した映像や一連の画像であってもよい。例えば、銀河爆発の賞品アニメーションでは、惑星を表示して爆発させてもよい。
【0055】
さらに、当該配信者は、図5に示すように、賞品価値PZvである20,000ロイヤルティポイントを受け取る。また、当該視聴者は、当該視聴者が袋の購入に費やしたコインの5%など、その努力に対する報酬を受け取ることもできる。例えば、価格BG3cがコイン3000枚である第3の袋BG3を購入した視聴者は、レベルクリア後に費やしたコインの5%、つまりコイン150枚の還元を受ける。当該視聴者に報酬を提供することは、当該視聴者がさらに与え、レベルをクリアするための動機付けとなる。
【0056】
さらに、当該賞品アニメーション画面は、賞品提供者リストPZcを含み、当該配信者LVのために袋を購入したすべての視聴者AUを表示してもよい。当該賞品提供者PZcを貢献度の高い者から順に記載してもよい。この場合、視聴者「ColinRobinson」は、このレベルの袋の購入に最も多くコインを費やしたことになる。または、当該賞品提供者PZcは、時系列やアルファベット順に記載されてもよい。また、特に提供者の数が多い場合には、すべての提供者を記載する必要はない。その場合、レアなギフトやレジェンド級のギフトを引き当てた当該賞品提供者PZcのみをリストに記載してもよい。あるいは、当該賞品提供者PZcのリストは、最も高価な第3の袋BG3を購入した視聴者AUのみをリストに記載することにより、フィルタリングされてもよい。別の方法として、閾値以上のコインを費やした当該賞品提供者PZcのみをリストに記載してもよい。また、さらに別の方法として、提供者らは袋を1回購入するごとに1回記載されてもよく、その結果、提供者らは複数の袋を購入することで複数回記載されてもよい。ただし、当該賞品提供者PZcの記載順序や記載方法は、これらに限定されるものではない。その結果、当該配信者LVは、レベルのクリアを支援した提供者を認識することができる。
【0057】
図6の当該賞品アニメーション画面が起動されると、その内容が自動的にビデオクリップに記録される。当該ビデオクリップには、賞品のアニメーションやエフェクトPZaの全体と、賞品提供者PZcのリストが記録される。そして、当該ビデオクリップは、当該賞品提供者PZcのリストに記載されている全員に送信される。あるいは、当該ビデオクリップは、ある時点で当該ギフトボックスライブストリーミングルームに入室したすべての視聴者AUに送信されてもよい。さらに、ビデオクリップの記録に代えて、あるいは加えて、当該賞品アニメーション画面のスクリーンショットを撮影し、送信してもよい。その結果、アプリがよりソーシャルに、あるいはより魅力的になる。別の一実施態様において、当該賞品アニメーションPZaは、当該配信者の映像VD(図2参照)上に重畳または重ね合わされ、当該視聴者は当該ライブ配信内で、当該賞品アニメーションPZaと当該配信者を同時に見ることができる。
【0058】
図6の当該賞品アニメーションPZaが完了した後、当該賞品アニメーション画面が終了し、次のレベルの当該ギフトボックスライブストリーミングルームが表示される。この例において、図7に示すレベル2ルームが次に表示される。
【0059】
図7は、本発明の一実施態様に基づくレベル2ギフトボックスライブストリーミングルームGSR2の概略図である。当該レベル2ギフトボックスライブストリーミングルームGSR2は、レベル1ギフトボックスライブストリーミングルームGSR1と同様の構成となっている。当該レベル2ギフトボックスライブストリーミングルームGSR2の相違点は、ギフトボックスレベルLVLの数が2にアップしたことを含む。レベル2の賞品PZは「コアラの抱っこ」を含み、各ギフトGF1~GF6がレベル2用に変更されている。レベル開始時には、まだ当該配信者LVのためのギフトの抽選は行われていないため、ギフトの引き当て数GF1d~GF6dは表示されていない。最後に、袋の価格BG2cとBG3cが増加されている。
【0060】
次に、図7に示すレベル2ギフトボックスライブストリーミングルームGSR2のギフトGF1-GF6について説明する。6つのギフトのうち、第1のギフトGF1はレアのレア度GF1rを有する新聞、第2のギフトGF2はノーマルのレア度GF2rを有するコーヒー、第3のギフトGF3はノーマルのレア度GF3rを有する犬、第4のギフトGF4はレジェンド級のレア度GF4rを有する建物、第5のギフトGF5はノーマルのレア度GF5rを有するロケット、第6のギフトGF6はノーマルのレア度GF6rを有するスーパーヒーローである。
【0061】
この例では、レベル1、レベル2の各ライブストリーミングルームGSR1、GSR2内のレア度が同じ位置に配置されている。例えば、第1のギフトのレア度GF1rはレア、第4のギフトのレア度GF4rはレジェンド級、そして第2、第3、第5、第6のギフトのレア度GF2r、GF3r、GF5r、GF6rはそれぞれノーマルである。しかし、本発明はそれに限定されるものではない。異なるレア度が無作為に配置されてもよい。さらに、レベルルームGSR1、GSR2ともに、ノーマルのギフト4つ、レアのギフト1つ、レジェンド級のギフト1つを有する。繰り返しになるが、本発明はこれに限定されるものではない。希望に応じて各レア度を多くしたり少なくしたりしてもよい。より多くのレアを有することでレベルをますます難しくすることが可能であり、最高レベルでは複数のレジェンド級を有してもよい。例えば、レベル20では、ノーマル1つ、レア2つ、レジェンド級3つとしてもよい。または、あるいは加えて、各レベルLVLに必ずしも6つのギフトGF1-GF6を設定する必要はない。希望に応じて、ギフトの数を多くしたり少なくしたりしてもよい。レベルで難易度が上がるため、例えば、レベル1では4つ、レベル15では10のギフトがあってもよい。
【0062】
次に、図7の袋BG1-BG3について説明する。レベル2ギフトボックスライブストリーミングルームGSR2内の袋の設定はレベル1ルームGSR1と同じである。より高価な袋は、レアやレジェンド級のギフトをより高い確率で引き当てることができる。レベル2ルームGSR2の違いは、レベル1ルームGSR1に比べて、第2の袋BG2と第3の袋BG3がより高価であることのみである。当該レベル2ルームGSR2は、第2の袋価格BG2cがコイン3000枚で、第3の袋価格BG3cがコイン5000枚である。一方で、図3の当該レベル1ルームGSR1は、第2の袋価格BG2cがコイン1500枚、第3の袋価格BG3cがコイン3000枚である。その結果、すべてのギフトを手に入れるためのコストが増加する。当該第2の袋価格BG2cと当該第3の袋価格BG3cが増加しているが、袋で異なるレア度を引き当てる確率は、各レベル間で同じである。また、レベル間で各ギフトを引き当てる確率を変えることも可能である。
【0063】
当該第1の袋価格BG1cはコイン500枚のままである。その理由は、低支出者を法外に高い価格で怖気づかせるのではなく、魅了し続けるためである。本実施態様は、これだけに限定されるものではない。すべての袋の価格を同じにしてもよいし、第1の袋価格BG1cも高くしてもよい。さらに、当該配信者LVは、袋の価格を上げるかどうかを判断することができる。
【0064】
図8は、図1に示す当該サーバ10のブロック図である。当該サーバ10は、ユーザデータベースUDB、ストリームデータベースSDB、袋データベースBDB、賞品設定データベースPRDB、賞品ステータスデータベースPSDB、及びその他プレゼントデータベースOPDBを含む複数のデータベースで構成されている。これらのデータベースに関する詳細については後述する。
【0065】
図8に示すすべての要素は、ハードウェアの観点からはコンピュータ等によって、ソフトウェアの観点からはコンピュータプログラムによって、それぞれ共同で実現されてもよい。したがって、当業者であれば、図8に示すすべての要素が、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせにより、さまざまな方法で実現できることが理解できるであろう。
【0066】
当該ユーザデータベースUDBは、当該配信者LVと当該視聴者AUの両方を含む登録ユーザの情報を格納する。ユーザに関する情報には、ユーザID、コイン、ポイントなどが含まれる。各ユーザはアカウント登録時に一意のユーザIDを付与される。また、当該ユーザデータベースUDBには、ユーザが獲得したコインの合計枚数が記録されている。コインは、実世界の通貨で購入したり、ロイヤルティポイントを交換したりすることで獲得される。また、ユーザは、アプリの利用、ライブ配信の視聴、その他のアクティビティに参加することでロイヤルティポイントを受け取る。最後に、各ユーザのロイヤルティポイント数が集計される。当該配信者は、ギフトボックスのレベルをクリアすると、ロイヤルティポイントを受け取る。ロイヤルティポイントはコインと交換することができるが、ロイヤルティポイントを使用して袋を購入することはできない。ロイヤルティポイントは、配信者がライブストリーミングプラットフォームの管理者から受け取る金額を決定するために使用される。以下の表1に、当該ユーザデータベースUDBの一例を示す。
【0067】
【表1】
【0068】
次に、当該ストリームデータベースSDBは、現在進行中のライブ配信の情報を格納する。配信に関する情報には、ストリームID、配信者ユーザID、視聴者ユーザID、ギフトボックスイベントID、残り時間などがある。各ストリーミングルームには、固有のストリームIDが付与される。当該配信者ユーザID、視聴者ユーザIDは、当該ユーザデータベースUDBの当該ユーザIDに対応する(表1)。当該ギフトボックスイベントIDは、当該配信者LVが図2に示す当該ギフトボックスアイコンICを選択した後に付与される。最後に、残り時間はギフトボックスイベントが終了するまでの現在のレベルの残り時間を追跡する。以下の表2に、当該ストリームデータベースSDBの一例を示す。この例において、配信者「STR01」は、当該ギフトボックスアイコンICを選択しており、ギフトボックスイベントIDと残り時間を有している。一方で配信者「STR02」は、当該ギフトボックスアイコンICを選択しておらず、ギフトボックスイベントIDも残り時間も有していない。
【0069】
【表2】
【0070】
当該袋データベースBDBについて詳細に説明する。当該袋データベースBDBは、各袋に関するすべての情報をそのデータベースに格納する。各袋が袋ID、袋レベル、袋価格、ギフト引き当て確率を有する。当該袋IDは、各袋を異なるコードで一意に識別し、当該袋レベルは、その袋を購入できるレベルであり、当該袋価格は、その袋を購入するためにコインで支払う価格であり、当該ギフト引き当て確率は、そのレベルのギフトボックスの各ギフトを引き当てる確率である。以下の表3に、当該袋データベースBDBの一例を示す。
【0071】
【表3】
【0072】
当該ギフト引き当て確率は、ギフト及び(または)レア度別に表示することができる。例えば表3では、袋ID「BAG01」-「BAG06」について、そのレベルの各ギフトのギフト引き当て確率が表示されている。しかし、袋ID「BAG00」については、すべてのレベルにおける各レア度のギフト引き当て確率が表示されている。このため、「BAG00」はどのレベルに対しても使用可能であるが、「BAG01」-「BAG06」はその割り当てられた袋レベルに対してのみ使用可能である。
【0073】
次に、当該賞品要件データベースPRDBについて説明する。当該賞品要件データベースPRDBは、ギフトボックスイベントの各レベルをクリアするために必要なクリア条件に関する情報を格納している。ギフトボックスレベルLVL、賞品PZ、クリア条件、レベルの期間、使用可能な袋IDの情報が含まれる。特定の1つのギフトボックスレベルLVLに対して、賞品PZと、配信者のために引き当てられなければならない各ギフトの数、レベルをクリアするための期間、レベルに使用される袋IDが記述されている。以下の表4に、当該賞品要件データベースPRDBの一例を示す。
【0074】
【表4】
【0075】
上述の実施態様においては、クリア条件を達成するために各ギフトを1つだけ引き当てる必要があるが、本発明はこれに限定されるものではない。当該賞品要件データベースPRDB内で、配信者のために引き当てなければならない各ギフトの数を任意に設定することができる。例えばレベル25は、そのクリア条件として、同じレジェンド級のギフトを3個、同じレアのギフトを3個必要としてもよい。さらに、期間はレベル毎にリセットされる。上の表4において、当該配信者LVはレベル1をクリアするために2日間が与えられている。2日以内にレベル1をクリアすると、レベル2をクリアするための期間としてタイマーが1.5日にリセットされる。あるいは、当該ボックスギフトイベントはすべてのレベルについて、当該配信者LVが当該アイコンICを選択したときから始まり、所定時間だけ継続する。例えば、当該配信者LVは4日間で、できるだけ多くのレベルをクリアすることができる。さらに、期間はすべての配信者LVに対して所定の時刻に開始されてもよい。その結果、すべてのボックスギフトイベントは、すべての配信者について同時に終了する。
【0076】
次に、当該賞品ステータスデータベースPSDBについて説明する。当該賞品ステータスデータベースPSDBには、ギフトボックスイベントID、配信者ID、ギフトボックスレベルLVL、現在のクリア状況、残り時間、提供者IDに関する情報が格納されている。当該ギフトボックスイベントID、当該配信者ID、当該残り時間は、それぞれストリームデータベースSDB(表2)に記載されている。当該ギフトボックスレベルLVLは、配信者LVの現在のレベルに対応し、図3または図7確認することができる。当該クリア状況は、現在のレベルにおいて、当該配信者の当該視聴者が引き当てた各ギフトの数量を表示する。最後に、当該提供者IDは、現在のレベルでギフトを提供したすべての視聴者AUのユーザIDに対応する。以下の表5に、当該賞品ステータスデータベースPSDBの一例を示す。
【0077】
【表5】
【0078】
表5の例では、最初の項目であるギフトボックスイベントID「GBE01」が図3のシナリオに対応する。
【0079】
当該その他プレゼントデータベースOPDBは、当該配信者LVに贈ることができるその他のプレゼントに関する情報を格納する。その他プレゼントは、ライブストリーミングルームGSRの当該ギフトGF1~GF6とは異なる。これらのプレゼントは、ライブ配信中、または当該ギフトボックスイベント期間中以外でも当該配信者のために購入することができる。一方、当該ギフトボックスイベントの期間中は、袋のみ当該配信者のために購入することができる。その他のプレゼントは、当該配信者への感謝の気持ちを示すために贈ることができる。しかし、その他のプレゼントの仕組みには、共同での取り組みやチームの目標がない。まとめると、視聴者は当該配信者にいつでもアイテムを送ることができ、その他のプレゼントはライブ配信中に贈ることができ、当該ギフトはギフトボックスイベント中に当該配信者のために引き当てることができる。別の一実施態様において、当該視聴者は、当該配信者のために、当該ギフトボックスイベント用の袋を購入するか、プレゼントを購入するかを選択することができる。当該視聴者は、同一の配信において、その他のプレゼントを購入し、かつ袋も購入することができる。本実施態様において、当該プレゼントは配信において常に利用可能であるのに対し、当該袋は当該配信者がギフトボックスイベントに参加するときのみ利用することができる。
【0080】
当該その他プレゼントデータベースOPDBには、プレゼントID、価格、プレゼントの説明が含まれる。以下の表6に、当該その他プレゼントデータベースOPDBの一例を示す。
【0081】
【表6】
【0082】
図9A図9Bは、本発明の一実施態様に基づき視聴者が配信者にギフトをする方法を示すフローチャートFCである。図9Aは、工程100がフローチャートFCの開始であることを示す。工程101において、当該ギフトボックスアイコンICが当該配信者のユーザ端末20上に表示される(図2参照)。工程102では、当該配信者によって当該アイコンが選択されたか否かを判定する。「はい」の場合、工程103で、当該サーバ10において、当該配信者が当該賞品ステータスデータベースPSDB(図8に示す)に登録される。「いいえ」の場合、工程104に移行し、当該サーバ10において、時間切れかどうかをチェックする。時間切れか否かに応答して、「はい」の場合には、チャートの終点である工程105に移行する。一方、時間切れになっていないことを意味する「いいえ」であれば、チャートは工程102に戻る。工程103の後、チャートはA点に進み、図9Bに続く。
【0083】
図9BはA点から始まるフローチャートFCの残り部分を示す。工程106では、当該サーバ10が当該ギフトボックスライブストリーミングルームGSR1、GSR2(図3図7をそれぞれ参照)を開き、当該配信者LVと当該視聴者AU1、AU2、…(図1参照)の当該ライブストリーミングルーム入室を許可する。工程106では、当該サーバ10が当該配信者のフォロワーとサブスクライバーにもプッシュ通知を送信する。当該プッシュ通知は、当該配信者が当該ギフトボックスイベントを開始したことを知らせ、当該フォロワー及び(または)サブスクライバーに当該配信者の当該イベントへの参加を奨励する。その後、チャートは工程107に進む。工程107では、当該サーバ10が現在のギフトボックスイベントに関連する時間が終了したかどうかを確認する。「はい」の場合、チャートは工程108においてもう1つの終了点に到達する。「いいえ」の場合、工程109に進む。工程109では、当該サーバ10が袋BG1~BG3(図3参照)が当該ギフトボックスライブストリーミングルーム内の視聴者により購入されているかをチェックする。「はい」の場合、チャートは工程110に進み、当該サーバ10が当該袋購入のための取引を決済する。しかし、「いいえ」の場合は、工程107に戻る。工程110の後、当該サーバ10は、ギフトGF1-GF6の無作為な抽選処理を行う(図3参照)。購入された袋に基づき、当該袋データベースBDB(表3)に格納されている確率に基づいて、無作為にギフトが引き当てられる。工程111の後、工程112では、当該サーバ10が抽選の結果と当該視聴者が提供者である記録で、当該賞品ステータスデータベースPSDB(表5)を更新する。次に、チャートは工程113に進む。工程113では、当該サーバ10が当該配信者と当該視聴者の両方を含む全参加者に抽選結果を送信する。
【0084】
工程113の完了後、工程114では、当該サーバ10が当該賞品要件データベースPRDB(表4)と当該賞品ステータスデータベースPSDB(表4)を参照して、クリア条件が満たされたか否かを判定する。当該クリア条件の要件は、当該賞品要件データベースPRDBにおいて設定されている。当該配信者が当該賞品要件データベースPRDBに設定された数の賞品を当該賞品ステータスデータベースPSDB内で獲得していれば、クリア条件が満たされ、工程114の結果は「はい」となり、工程115に進む。一方、まだすべてのギフトが当該配信者に対して引き当てられていない場合、工程114の結果は「いいえ」となり、チャートは工程107に戻る。工程115では、当該サーバ10が図6に示す当該賞品アニメーション画面のクリップの記録を開始する。その後工程116では、当該サーバ10が当該賞品ステータスデータベースPSDBを参照して、賞品提供者リストPZcを特定する。次に、工程117では、当該ユーザ端末20、30が賞品アニメーションまたはエフェクトPZaを提供し、同時に図6に示す賞品アニメーション画面上に賞品提供者PZcを表示させる。続いて工程118では、当該サーバ10が、工程115で記録されたクリップを特定されたすべての提供者に送信する。工程118の完了後、チャートはステップ119に進む。工程119では、当該サーバ10が当該賞品ステータスデータベースPSDB(図8参照)を更新し、当該配信者の当該ギフトボックスレベルLVL(図3参照)を上昇させる。工程119の後、チャートは工程106に戻り、次のレベルのギフトボックスイベントが開始される。
【0085】
当該ギフトボックスイベントの間、当該配信者LVのライブ配信(図1参照)は随時画面上に表示されていてもよい。映像VD1、VD2が画面の隅に表示されていてもよく、この位置は当該視聴者ユーザ端末30a、30bの当該視聴者AU1、AU2によって、別の隅に調整したり、拡大したりすることができる(図1参照)。例えば、当該映像は、図3図7にそれぞれ示すように、当該ギフトボックスライブストリーミングルームGSR1、GSR2の上部に表示されてもよい。その結果、当該配信者LVは、当該視聴者AUに袋の購入を促し、それに対して感謝を示すことができる。
【0086】
以下、本発明の他の変形例について説明する。配信者LV間のリーダーボードを作成し、当該ギフトボックスイベントにおけるレベルLVLを表示してもよい。当該配信者は、現在のレベルに応じてランク付けされる。当該リーダーボードは配信者と視聴者がいつでも見ることができる。その結果、当該配信者同士で切磋琢磨し、誰が一番先を行くかを競うことができる。さらに、所定時間経過後に1位になった当該配信者に褒賞を与えてもよい。以下の表7にリーダーボードの一例を示す。
【0087】
【表7】
【0088】
別の変形例は、ギフトの入手に時間制限を設けるものである。例えば、制限時間が15分の場合、15分以内に袋を購入しなければ、当該ギフトボックスイベントは終了してしまう。ギフトが1つ抽選されると、タイマーは15分にリセットされ、再びカウントダウンを開始する。当該制限時間は残り時間の代わりに使用したり、組み合わせて使用したりすることができる。当該制限時間は、着実なギフトの提供を促進し、一方で当該残り時間は、一定時間内にすべてのギフトが引き当てられるよう確約する。
【0089】
さらに、引き当て可能なギフトの1つに、残り時間を延長する時計があってもよい。当該配信者は当該時計の提供を受けなくてもレベルをクリアできるが、時計はレベルクリアまでの時間を延長できるため、非常に便利である。例えば、当該時計は残り時間のカウンターにさらに1時間、あるいは1日追加することができる。すべての時計が同じ時間長さを追加する、あるいは追加される時間が異なる時計があってもよい。当該時計は、上述の当該制限時間機能と併用して、例えば、ギフトを引き当てるための制限時間を、例えば15分延長するために利用されてもよい。
【0090】
図3のレベル1でスポーツカー、鐘、灯台、クルージング、ハートアイ、砂時計として示されたギフト画像の変形例は、それらを代わりにパズルのピースとしてもよい。6つのギフトは、6つの異なるピースであり、それらをつなぎ合わせると完全なパズルとなる。また、当該パズルの絵が賞品になることも可能であり、図6に示すレベル1では銀河爆発である。その結果、パズルのピースをすべて集めると、銀河爆発という賞品を見ることができる。当該ピースのレア度はやはりさまざまである。しかしながら、必ずしも6つのパズルピースである必要はなく、レベルに応じてピースの数を増減してもよい。
【0091】
レア度として、ノーマル、レア、レジェンド級の3つが開示されているが、本発明は3つに限定されるものではない。レア度は1から10まで、任意の数であり得る。レア度の違いは、そのギフトの入手難易度のみである。レア度の高いギフトは、平均して、レア度の低いギフトよりも入手するためのコストが高くなる。
また、変形例として、ギフトボックスレベル2で揃えることが要求されるギフト(デジタルアイテムの一種)のレア度の平均を、ギフトボックスレベル1で揃えることが要求されるギフトのレア度の平均よりも高くなるよう設定してもよい。例えば、図3に示されるギフトボックスレベル1で揃えることが要求されるギフトのレア度の平均は、ノーマルをレア度1、レアをレア度2、レジェンドをレア度3、とすると1.5となる。そこで、図7に示されるギフトボックスレベル2で揃えることが要求されるギフトのレア度の平均を2.0となるよう設定してもよい。これは例えば、ギフトボックスレベル2のギフトのレア度をノーマル、ノーマル、レア、レア、レジェンド、レジェンドとすることで実現できる。
【0092】
袋の変形例として、複数のギフトを引き当てるタイプの袋があってもよい。例えば、高額タイプの袋は、レジェンド級のギフト1つとノーマルのギフト1つ、合計2つのギフトを引き当てることができてもよい。
【0093】
袋購入の変形例として、無料の袋があってもよい。当該無料の袋は視聴者による支払いなしで利用可能である。その代わり、視聴者がギフトボックスライブ配信で無料の袋を一度利用すると、その視聴者が再び無料の袋を利用するためには、所定の時間、あるいは次のレベルまで待つ必要がある。無料の袋は、レア度の高いものに対する確率が支払いの必要な袋より悪くなる。無料の袋の例は、表3の袋ID「BAG00」である。
【0094】
一実施態様において、視聴者による袋の購入によって、当該ボックスギフトイベントが実施された配信の当該配信者にロイヤルティポイントが付与されても、付与されなくてもよい。視聴者によるその他のプレゼントの購入によって、当該配信者にはロイヤルティポイントが付与される。当該袋と当該その他のプレゼントは、どちらもライブ配信において視聴者がコインで購入する点では似ている。しかし、当該袋と当該その他のプレゼントは異なる種類のデジタルアイテムであり、当該袋がボックスの中身を埋めるために貢献するのに対し、当該その他のプレゼントは貢献しない。
【0095】
当該ギフトボックスライブ配信開催の変形例として、当該ギフトボックスイベントのために新しいライブ配信を開設するのではなく、当該配信者の既存のライブ配信の中で当該ギフトボックスイベントを開始してもよい。当該配信者が当該ギフトボックスアイコンを選択すると、当該ギフトボックスアイコンが選択された当該配信者の当該ライブ配信内において個別のギフトボックスイベントが開始される。この変形例により、通常のライブ配信から当該ギフトボックスイベントライブ配信への移行をスムーズかつ(または)シームレスに行うことができる。
【0096】
図10は、本発明の一実施態様に基づく情報処理装置900のハードウェア構成を示すブロック図である。図に示された情報処理装置900は、例えば、本実施態様における、当該サーバ10と、当該ユーザ端末20、30を実現することができる。
【0097】
当該情報処理装置900は、CPU901と、ROM(リードオンリーメモリ)902と、RAM(ランダムアクセスメモリ)903を含む。また、当該情報処理装置900は、ホストバス907、ブリッジ909、外部バス911、インターフェイス913、入力装置915、出力装置917、ストレージ装置919、ドライブ921、接続ポート925、通信装置929を含んでもよい。さらに、当該情報処理装置900は、カメラ(図示せず)などの撮像装置を含む。
【0098】
当該CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、当該ROM902、当該RAM903、当該ストレージ装置919、または当該リムーバブル記録媒体923に格納された各種プログラムに従って、当該情報処理装置900のすべてまたは一部の動作を制御する。例えば、当該CPU901は、当該実施態様における当該サーバ10及び当該ユーザ端末20、30に含まれる各機能ユニットの動作全般を制御する。また、当該情報処理装置900は、当該CPU901に加えて、あるいは当該CPU901の代わりに、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)やASIC(特定用途向け集積回路)を含んでもよい。当該ROM902は、当該CPU901が使用するプログラムや演算パラメータなどを格納する。当該RAM903は、当該CPU901の実行時に使用されるプログラムや、実行時に適宜変化するパラメータなどを格納する主記憶装置として機能する。当該CPU901、ROM902、RAM903は、ホストバス907によって相互接続され、当該ホストバス907は、CPUバスなどの内部バスであってもよい。さらに、当該ホストバス907は、当該ブリッジ909を介してPCI(ペリフェラルコンポーネントインターコネクト/インターフェイス)バスなどの外部バス911に接続される。
【0099】
当該入力装置915は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、レバーなどのユーザが操作する装置、あるいはマイクに代表される音センサ、加速度センサ、傾斜センサ、赤外線センサ、深度センサ、温度センサ、湿度センサなど物理量を電気信号に変換する装置であってもよい。当該入力装置915は、例えば、赤外線等の電波を利用したリモコン装置や、当該情報処理装置900の操作に対応した携帯電話等の外部接続装置927であってもよい。当該入力装置915は、当該ユーザが入力した情報または検出された物理量に基づいて入力信号を生成し、当該CPU901に出力する入力制御回路を含む。当該ユーザは、当該入力装置915を操作することにより、当該情報処理装置900に各種データを入力し、動作を指示する。
【0100】
当該出力装置917は、取得した情報を視覚的または聴覚的に当該ユーザに通知することができる装置である。当該出力装置917は、例えば、LCD、PDP、OELD等のディスプレイ、スピーカーやヘッドフォン等の音声出力装置、プリンタなどであってもよい。当該出力装置917は、当該情報処理装置900による処理結果を、テキスト、画像などの映像、または音声などのオーディオとして出力する。
【0101】
当該ストレージ装置919は、データストレージ用装置であり、当該情報処理装置900のストレージユニットの一例として構成される。当該ストレージ装置919は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)などの磁気記憶装置、半導体記憶装置、光記憶装置、または光磁気記憶装置である。このストレージ装置919は、当該CPU901が実行するプログラム、各種データ、外部から取得した各種データなどを格納する。
【0102】
当該ドライブ921は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体923のリーダー/ライターであり、当該情報処理装置900に内蔵または外付けされる。当該ドライブ921は、装着されたリムーバブル記録媒体923に記録された情報を読み出し、当該RAM903にそれを出力する。さらに、当該ドライブ921は、装着された当該リムーバブル記録媒体923に記録を書き込む。
【0103】
当該接続ポート925は、当該情報処理装置900に機器を直接接続するためのポートである。当該接続ポート925は、例えば、USB(ユニバーサルシリアルバス)ポート、IEEE1394ポート、またはSCSI(小型計算機システムインターフェイス)ポートなどであってもよい。さらに、当該接続ポート925は、RS-232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(登録商標)(高精細度マルチメディアインターフェイス)ポートなどであってもよい。当該接続ポート925に当該外部接続装置927を接続することにより、当該情報処理装置900と当該外部接続装置927との間で様々なデータのやり取りを行うことができる。
【0104】
当該通信装置929は、例えば、当該ネットワークNWに接続するための通信装置で形成された通信インターフェイスである。当該通信装置929は、例えば、有線または無線のローカルエリアネットワーク(LAN)、Bluetooth(商標)、または、無線USB(WUSB)用の通信カードであってもよい。さらに、当該通信装置929は、光通信用のルータ、ADSL(非対称デジタル加入者線)用のルータ、または、各種通信用のモデムなどであってもよい。当該通信装置929は、TCP/IPなどの所定のプロトコルを用いて、インターネット上や他の通信装置との間で信号等の送受信を行う。当該通信装置929に接続される当該通信ネットワークNWは、有線または無線で接続されるネットワークであり、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、電波通信、衛星通信などである。当該通信装置929は、通信装置としての機能を実現する。
【0105】
当該撮像装置(図示せず)は、CCD(電荷結合デバイス)やCMOS(相補型金属酸化膜半導体)などの撮像素子と、当該撮像素子上の被写体像の結像を制御するためのレンズなど各種部材を用いて現実空間の画像を撮像し、撮像画像を生成する装置である。当該撮像装置は、静止画を撮像しても、動画を撮像してもよい。
【0106】
本明細書では、本発明の特徴を取り入れた1つ以上の実施態様を開示する。開示された実施態様は、単に本発明を例示するものである。本発明の範囲は、開示された実施態様に限定されない。本発明は、本明細書に添付された特許請求の範囲によって定義される。
【0107】
記載された実施態様、及び本明細書における「一実施態様」、「実施態様」、「例示的な実施態様」等の言い方は、記載された実施態様が特定の特徴、構造、または特性を含むことがあることを示すが、すべての実施態様が必ずしも当該特定の特徴、構造、または特性を含むものではないことを示している。さらに、そのような言い方が必ずしも同じ実施態様に関するものではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性がある実施態様との関係で記載された場合、そのような特徴、構造、または特性を、明示的に説明されているか否かに拘らず、他の実施態様との関係で適用することは当業者の知識の範囲内であると考えられる。
【0108】
本明細書の用語または語句は、説明のためのものであって限定することを意図しておらず、本明細書の教示に照らして関連分野の当業者により解釈されるように理解されよう。
【0109】
本発明の特定の実施態様を上述したが、本発明は説明された以外の方法で実施され得ることが理解されよう。本明細書は、本発明を限定することを意図していない。
【0110】
本発明において、「ギフトボックスイベント」と「ボックスガチャ」の使用は互換性がある。本発明においては、主に「ギフトボックスイベント」という用語を使用しているが、あらゆる「ギフトボックスイベント」という用語の使用は、「ボックスガチャ」に置き換えることができる。
【0111】
要約及び発明の概要のセクションではなく、詳細な説明のセクションが、特許請求の範囲を解釈するために使用されることが意図されていると理解されたい。要約及び発明の概要のセクションは、本発明者によって企図された本発明の1つまたは複数の例示的な実施態様を示す場合があるが、すべてではなく、したがって、本発明および添付の請求項をいかなる形でも制限することを意図していない。
【0112】
本発明は、記載された機能及びその関係の実現を示す機能的ビルディングブロックを補助として、上述のように説明されている。これらの機能的ビルディングブロックの境界は、本明細書では、説明の便宜のために任意に定義されている。記載された機能及びその関係が適切に実行される限り、代替的な境界を定義することができる。
【0113】
特定の実施態様に関する前述の説明は、本発明の一般的な性質を十分に明らかにしているため、当業者の知識を適用することにより、過度の実験なしに、本発明の一般概念から逸脱することなく、そのような特定の実施態様を種々の用途に合わせて容易に修正及び(または)適応させることが可能であろう。したがって、そのような適応及び修正は、本明細書に示された教示及び指針に基づいて、開示された実施態様と同等の意味及び範囲内にあることが意図される。
【0114】
本発明の幅及び範囲は、上述した例示的な実施態様のいずれかによって限定されるものではなく、添付の請求項及びその同等物に従ってのみ定義されるべきものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10