IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社南都衛材製作所の特許一覧

<>
  • 特開-ボトム下着、及び、吸水パッド 図1
  • 特開-ボトム下着、及び、吸水パッド 図2
  • 特開-ボトム下着、及び、吸水パッド 図3
  • 特開-ボトム下着、及び、吸水パッド 図4
  • 特開-ボトム下着、及び、吸水パッド 図5
  • 特開-ボトム下着、及び、吸水パッド 図6
  • 特開-ボトム下着、及び、吸水パッド 図7
  • 特開-ボトム下着、及び、吸水パッド 図8
  • 特開-ボトム下着、及び、吸水パッド 図9
  • 特開-ボトム下着、及び、吸水パッド 図10
  • 特開-ボトム下着、及び、吸水パッド 図11
  • 特開-ボトム下着、及び、吸水パッド 図12
  • 特開-ボトム下着、及び、吸水パッド 図13
  • 特開-ボトム下着、及び、吸水パッド 図14
  • 特開-ボトム下着、及び、吸水パッド 図15
  • 特開-ボトム下着、及び、吸水パッド 図16
  • 特開-ボトム下着、及び、吸水パッド 図17
  • 特開-ボトム下着、及び、吸水パッド 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068227
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】ボトム下着、及び、吸水パッド
(51)【国際特許分類】
   A41B 9/04 20060101AFI20240513BHJP
【FI】
A41B9/04 C
A41B9/04 D
A41B9/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178504
(22)【出願日】2022-11-08
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】393011382
【氏名又は名称】株式会社南都衛材製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100136205
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 康
(72)【発明者】
【氏名】植田 浩和
【テーマコード(参考)】
3B128
【Fターム(参考)】
3B128EA01
3B128EB15
3B128EB16
3B128EC04
3B128EC12
(57)【要約】
【課題】 より高い漏水防止性を有するボトム下着の提供。
【解決手段】
ボトム下着100はボトム下着生地部材110、及び、吸水パッド130を有している。吸水パッド130は、透水層形成部材131、防水層形成部材133、保水層形成部材135、遊離側縁形成部材137、及び、固定端縁形成部材139を有している。遊離側縁形成部材137は、防水性を有するテープ状の布材により形成される。また、遊離側縁形成部材137は、熱融着性を有している。遊離側縁形成部材137は、透水層形成部材131のボトム下着生地部材110の股部113に沿う側縁131Sと防水層形成部材133のボトム下着生地部材110の股部113に沿う側縁133Sとを、外側から一体的に被覆し、透水層形成部材131の内側の面、及び、防水層形成部材133の外側の面、それぞれに熱融着される。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透水性を有する透水層形成部材、
防水性を有する防水層形成部材、
前記透水層形成部材と前記防水層形成部材との間に配置される吸水した水分を保持する保水性を有する保水層形成部材、
前記透水層形成部材、及び、前記防水層形成部材の長手方向の側縁を、外部側から一体的に被覆し、前記透水層形成部材、前記防水層形成部材のそれぞれに接着する側縁形成部材、
を有する吸水パッド、
及び、
前記吸水パッドが、足挿入開口によって形成される股部を、少なくとも被覆するように配置されるボトム下着生地部材、
を有するボトム下着。
【請求項2】
請求項1に係るボトム下着において、
前記吸水パッドは、
前記ボトム下着生地部材に対して、短手方向の側縁で固定され、前記長手方向の側縁のうち、少なくとも前記足挿入開口を形成する側縁に沿っては固定されていないこと、
を特徴とするボトム下着。
【請求項3】
請求項2に係るボトム下着において、
前記側縁形成部材は、
防水性を有する熱融着テープであること、
を特徴とするボトム下着。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれかに係るボトム下着において、さらに、
1の端縁が前記ボトム下着生地部材の上縁に沿って固定され、他の1の端縁が前記吸水パッドの端縁に固定され、前記吸水パッドを前記ボトム下着生地部材に対して懸垂状に固定するパワーネット、
を有するボトム下着。
【請求項5】
請求項1~請求項3のいずれかに係るボトム下着において、
前記吸水パッドは、
中央付近が膨出した曲面形状を有すること、
を特徴とするボトム下着。
【請求項6】
透水性を有する透水層形成部材、
防水性を有する防水層形成部材、
前記透水層形成部材と前記防水層形成部材との間に配置される吸水性を有する透水層形成部材、
前記透水層形成部材、及び、前記防水層形成部材の長手方向の側縁を、外部側から包み込み、前記透水層形成部材、前記防水層形成部材のそれぞれに接着する側縁形成部材、
を有する吸水パッド。
【請求項7】
請求項6に係る吸水パッドにおいて、
前記側縁形成部材は、
防水性を有する熱融着テープであること、
を特徴とする吸水パッド。
【請求項8】
請求項6、及び、請求項7に係る吸水パッドにおいて、
中央付近が膨出した曲面形状を有すること、
を特徴とする吸水パッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトム下着、及び、吸水パッドに関し、特に、高い漏水防止性を有するものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のボトム下着について、図18に示す吸水パッド50を有する女性用ボトム下着を用いて説明する。吸水パッド50は、吸水シート51の表面に透水布52を重ね合せ、その両側部と両側端面及び裏面を連続した防水布53で被覆したものより成り、前記防水布53の両側部53a、53bは、重ね合された透水布52と吸水シート51の表面から縫着され、その縫目54a、54bを被うように折り返されて被覆帯53c、53dを形成し、さらに透水布52と吸水シート51の両側端面を被って裏面に続いている。この吸水パッ ド50を女性用ボトム下着のクロッチ部に装着する。
【0003】
これにより、クロッチ部に装着する吸水パッドの周縁部から遺漏の生じないようにした女性用ボトム下着を提供する(以上、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3156150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の吸水パッド50には、以下に示すような改善すべき点がある。吸水パッド50では、防水布53の両側部53a、53bは、重ね合された透水布52と吸水シート51の表面から縫着されるため、縫着の際に形成される縫い目から、漏水する可能性がある、という改善すべき点がある。
【0006】
そこで、本発明は、より高い漏水防止性を有するボトム下着を提供することを目的とする。また、本発明は、より高い漏水防止性を有する吸水パッドを提供することを目的とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明における課題を解決するための手段及び発明の効果を以下に示す。
【0008】
本発明に係るボトム下着は、透水性を有する透水層形成部材、防水性を有する防水層形成部材、前記透水層形成部材と前記防水層形成部材との間に配置される吸水した水分を保持する保水性を有する保水層形成部材、前記透水層形成部材、及び、前記防水層形成部材の長手方向の側縁を、外部側から一体的に被覆し、前記透水層形成部材、前記防水層形成部材のそれぞれに接着する側縁形成部材、を有する吸水パッド、及び、前記吸水パッドが、足挿入開口によって形成される股部を、少なくとも被覆するように配置されるボトム下着生地部材、を有する。
【0009】
これにより、吸水パッドの側縁を縫製せずに形成でき、ボトム下着において、より高い漏水防止性を形成できる。
【0010】
本発明に係るボトム下着では、前記吸水パッドは、前記ボトム下着生地部材に対して、短手方向の側縁で固定され、前記長手方向の側縁のうち、少なくとも前記足挿入開口を形成する側縁に沿っては固定されていないこと、を特徴とする。
【0011】
これにより、ボトム下着生地部材が有する伸縮を損なうことがなく、使用時の違和感、ストレスの発生を防止できる。
【0012】
本発明に係るボトム下着では、前記側縁形成部材は、防水性を有する熱融着テープであること、を特徴とする。
【0013】
これにより、容易に、漏水防止性を有する吸水パッドを形成できる。
【0014】
本発明に係るボトム下着では、さらに、1の端縁が前記ボトム下着生地部材の上縁に沿って固定され、他の1の端縁が前記吸水パッドの端縁に固定され、前記吸水パッドを前記ボトム下着生地部材に対して懸垂状に固定するパワーネット、を有する。
【0015】
これにより、吸水パッドが、左右方向、及び、上下方向に自由に移動でき、吸水パッドを、使用者の体形や健康状態に合わせて、適宜、適切な位置に配置できる。
【0016】
本発明に係るボトム下着では、前記吸水パッドは、中央付近が膨出した3次元の曲面形状を有すること、を特徴とする。
【0017】
これにより、使用時において、股下の形状にスムーズにフィットさせることができ、使用感を向上できる。
【0018】
本発明に係る吸水パッドは、透水性を有する透水層形成部材、防水性を有する防水層形成部材、前記透水層形成部材と前記防水層形成部材との間に配置される吸水性を有する透水層形成部材、前記透水層形成部材、及び、前記防水層形成部材の長手方向の側縁を、外部側から包み込み、前記透水層形成部材、前記防水層形成部材のそれぞれに接着する側縁形成部材、を有する。
【0019】
これにより、吸水パッドの側縁を縫製せずに形成でき、吸水パッドにおいて、より高い漏水防止性を形成できる。
【0020】
本発明に係る吸水パッドでは、前記側縁形成部材は、防水性を有する熱融着テープであること、を特徴とする。
【0021】
これにより、容易に、漏水防止性を有する吸水パッドを形成できる。
【0022】
本発明に係る吸水パッドでは、中央付近が膨出した3次元の曲面形状を有すること、を特徴とする。
【0023】
これにより、使用時において、股下の形状にスムーズにフィットさせることができ、使用感を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に係るボトム下着の一実施例であるボトム下着100の正面図である。
図2】ボトム下着100の背面図である。
図3】ボトム下着100の右側面図である。
図4】ボトム下着100の平面図である。
図5】ボトム下着100の底面図である。
図6】ボトム下着100を裏返した状態の正面図である。
図7】ボトム下着100を裏返した状態の背面図である。
図8図1のA-A端面図である。
図9図1のB-C-D端面図である。
図10】本発明に係るボトム下着の一実施例であるボトム下着200の正面図である。
図11】ボトム下着200の背面図である。
図12】ボトム下着200を裏返した状態の正面図である。
図13】ボトム下着200を裏返した状態の背面図である。
図14図10のB2-C2-D2端面図である。
図15図10のE2-E2端面図である。
図16】本発明に係るボトム下着の一実施例であるボトム下着300の正面図である。
図17】ボトム下着300を裏返した状態の正面図である。
図18】従来のボトム下着を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明していく。
【実施例0026】
本発明に係るボトム下着、及び、吸水パッドについて、一実施例である吸水パッド130を有するボトム下着100を例に説明する。
【0027】
第1 ボトム下着100の構成
ボトム下着100について、図1図9を用いて説明する。なお、図1はボトム下着100の正面図を、図2はボトム下着100の背面図を、図3はボトム下着100の右側面図を、図4はボトム下着100の平面図を、図5はボトム下着100の底面図を、図6はボトム下着100を裏返した状態の正面図を、図7はボトム下着100を裏返した状態の背面図を、図8図1のA-A端面図を、図9図1のB-C-D端面図を、それぞれ、示している。
【0028】
図1に示すように、ボトム下着100はボトム下着生地部材110、及び、吸水パッド130を有している。ボトム下着生地部材110は、一般的なボトム下着形状を有し、着用の際に、足を挿入する、左右一対の足挿入孔111を有している。一対の足挿入孔111は、対向して配置される。対向して配置される一対の足挿入孔111の間に、股部113が形成される。
【0029】
図6図7に示すように、吸水パッド130は、ボトム下着生地部材110の股部113を被覆するように、ボトム下着生地部材110の内側に配置される。吸水パッド130は、正面側の固定端縁130F(図6参照)、背面側の固定端縁130R(図7参照)、及び、遊離側縁130S(図6参照)を有している。図6に示すように、正面側の固定端縁130Fは、吸水パッド130において、ボトム下着生地部材110の正面側、中央付近に位置する。吸水パッド130は、正面側の固定端縁130Fにおいて、ボトム下着生地部材110に縫製され、固定される。
【0030】
図7に示すように、背面側の固定端縁130Rは、吸水パッド130において、ボトム下着生地部材110の背面側、中央やや下付近に位置する。吸水パッド130は、背面側の固定端縁130Rにおいて、ボトム下着生地部材110に縫製され、固定される。なお、固定端縁130F、130Rは、主として、吸水パッド130の短手方向に沿って形成される。
【0031】
第2 吸水パッド130の構成
吸水パッド130の構成について、図6図9を用いて説明する。吸水パッド130は、透水層形成部材131(図6参照)、防水層形成部材133(図8参照)、保水層形成部材135(図8参照)、遊離側縁形成部材137(図6参照)、及び、固定端縁形成部材139(図7参照)を有している。
【0032】
図8に示すように、透水層形成部材131は、ボトム下着100において、使用者の肌側に位置する。透水層形成部材131は、経血や尿等の水分を透過させるとともに、透過の際に水分の一部を吸収する。これにより、いわゆる着用時の肌触りをよくできる。透水層形成部材131は、ポリエステル、綿、ナイロン等を、肌あたりや利用しやすさを考慮して、適宜、選択して形成される。
【0033】
防水層形成部材133は、ボトム下着100において、ボトム下着生地部材110側に位置する。防水層形成部材133は、ポリウレタン膜等の水分を透過しないフィルムでラミネートした布材により形成される。
【0034】
保水層形成部材135は、透水層形成部材131と防水層形成部材133との間に位置する。保水層形成部材135は、透水層形成部材131、防水層形成部材133、遊離側縁形成部材137、及び、固定端縁形成部材139(図9参照)によって形成される空間内に封入される。保水層形成部材135は、経血や尿等の水分を吸収し、拡散し、内部に保持する保水性を有するとともに、濡れ戻りを防止する機能を有する。保水層形成部材135は、例えば、レーヨン、アクリル、ポリエステル、吸水ポリマ等の素材を用いて、及び/又は、パイル等、所定の織り方や編み方を用いて形成される。
【0035】
遊離側縁形成部材137は、防水性を有するテープ状の布材により形成される。また、遊離側縁形成部材137は、熱融着性を有している。遊離側縁形成部材137は、透水層形成部材131のボトム下着生地部材110の股部113に沿う側縁131Sと防水層形成部材133のボトム下着生地部材110の股部113に沿う側縁133Sとを、外側から一体的に被覆し、透水層形成部材131の内側の面、つまり、肌側の面、及び、防水層形成部材133の外側の面、つまり、ボトム下着生地部材110側の面、それぞれに熱融着される。遊離側縁形成部材137を、透水層形成部材131の側縁131S、及び、防水層形成部材133の側縁133Sを被覆し、両者を一体的に熱融着することによって、吸水パッド130の遊離側縁130Sが形成される。
【0036】
このように、透水層形成部材131、防水層形成部材133を、遊離側縁形成部材137による熱融着によって被覆し、遊離側縁130Sを形成する、つまり、縫製せずに遊離側縁を形成することによって、縫製の際の縫合による針穴や糸を伝って経血や尿等の水分が吸水パッドから染み出すことを防止できる。つまり、吸水パッド130では、従来に比してより高い漏水防止性を、容易に形成できる。
【0037】
また、遊離側縁130Sは、ボトム下着生地部材110とは固定されず、ボトム下着生地部材110に対して遊離している。これにより、ボトム下着100では、股部113において、ボトム下着生地部材110と吸水パッド130との間に空間を形成できるため、使用者は、必要に応じて、ボトム下着生地部材110と吸水パッド130との間に、生理用ナプキンや、尿漏れ用パッド等の追加の吸収部材を、容易に配置できる。なお、遊離側縁130Sは、主として、吸水パッド130の長手方向に沿って形成され、ボトム下着生地部材110の足挿入孔111を形成する足挿入孔形成縁110Sに沿う形状を有している。
【0038】
固定端縁形成部材139は、防水性を有するテープ状の布材により形成される。また、固定端縁形成部材139は、熱融着性を有している。図9に示すように、固定端縁形成部材139は、透水層形成部材131の正面側の端縁131F、又は、背面側の端縁131Rを、対応する防水層形成部材133との間に被覆し、透水層形成部材131の内側の面、つまり、肌側の面、及び、防水層形成部材133の内側の面、つまり、肌側の面、それぞれに熱融着される。固定端縁形成部材139を正面側の防水層形成部材133に熱融着することによって、吸水パッド130の正面側の固定端縁130Fが形成される。背面側の固定端縁130Rについても同様である。
【0039】
なお、固定端縁形成部材139と防水層形成部材133とが熱融着された領域R130を縫い代として、吸水パッド130は、ボトム下着生地部材110に縫製される。
【0040】
このように、吸水パッド130は、ボトム下着生地部材110に対して、固定端縁でのみ、縫製によって固定される一方、遊離側縁では、遊離している。吸水パッド130は伸縮性が乏しいため、固定端縁のみならず、遊離側縁においても、吸水パッド130をボトム下着生地部材110に固定すると、ボトム下着生地部材110が有する生地としての伸縮性を損なってしまい、使用時の違和感に伴うストレスを感じるといった問題が生じやすいが、ボトム下着100では、吸水パッド130は、遊離側縁においては、ボトム下着生地部材110に対して遊離しているため、ボトム下着生地部材110が有する伸縮を損なうことがなく、使用時の違和感、ストレスの発生を防止できる。
【実施例0041】
前述のボトム下着100は、吸水パッド130は、ボトム下着生地部材110の背面側の中間部付近において、ボトム下着生地部材110に固定される。一方、本実施例におけるボトム下着200の吸水パッド230は、ボトム下着生地部材110の背面側の上側の端縁において、ボトム下着生地部材110に固定される。なお、以下においては、実施例1と同様の構成については、実施例1と同様の符号を付すとともに、詳細な説明を省略する。
【0042】
第1 ボトム下着200の構成
ボトム下着200について、図10図15を用いて説明する。なお、図10はボトム下着200の正面図を、図11はボトム下着200の背面図を、図12はボトム下着200を裏返した状態の正面図を、図13はボトム下着200を裏返した状態の背面図を、図14図10のB2-C2-D2端面を、図15図10のE2-E2端面を、それぞれ、示している。
【0043】
図10に示すように、ボトム下着200はボトム下着生地部材110、及び、吸水パッド230を有している。
【0044】
吸水パッド230は、ボトム下着生地部材110の股部113を被覆するように、ボトム下着生地部材110の内側に配置される。吸水パッド230は、正面側の固定端縁130F、背面側の固定端縁230R(図11参照)、遊離側縁130S、及び、固定側縁230Sを有している。
【0045】
図11に示すように、背面側の固定端縁230Rは、吸水パッド130において、ボトム下着生地部材110の上縁110Uに沿って位置する。吸水パッド230は、背面側の固定端縁230Rにおいて、ボトム下着生地部材110に縫製され、固定される。
【0046】
また、固定側縁230Sは、ボトム下着200の背面側において、遊離側縁130Sに連続して位置し、遊離側縁130Sからボトム下着生地部材110の上縁110Uまで直線的に形成される。吸水パッド230は、背面側の固定端縁230Fに加えて、固定側縁230Sおいて、ボトム下着生地部材110に縫製され、固定される。
【0047】
第2 吸水パッド230の構成
吸水パッド230の構成について、図11図15を用いて説明する。吸水パッド230は、透水層形成部材231(図12参照)、防水層形成部材233(図14参照)、保水層形成部材235(図14参照)、遊離側縁形成部材137(図13参照)、固定側縁形成部材237(図13参照)、及び、固定端縁形成部材239(図13参照)を有している。なお、透水層形成部材231、防水層形成部材233、保水層形成部材235、及び、遊離側縁形成部材137については、それぞれ、実施例1における透水層形成部材131、防水層形成部材133、及び、保水層形成部材135と形状、大きさが異なるだけであるため、詳細な記述を省略する。
【0048】
固定端縁形成部材239は、防水性を有するテープ状の布材により形成される。また、固定端縁形成部材239は、熱融着性を有している。図14に示すように、固定端縁形成部材239は、透水層形成部材231の背面側の端縁231Rを、対応する防水層形成部材233との間に被覆し、透水層形成部材231の内側の面、つまり、肌側の面、及び、防水層形成部材233の内側の面、つまり、肌側の面、それぞれに熱融着される。固定端縁形成部材239を背面側の防水層形成部材233に熱融着することによって、吸水パッド230の背面側の固定端縁230Rが形成される。吸水パッド230の背面側の固定端縁230Rは、ボトム下着生地部材110の裏側の上縁110Uに沿って配置される。
【0049】
固定端縁形成部材239と防水層形成部材233とが熱融着された領域R230を縫い代として、吸水パッド230は、ボトム下着生地部材110の裏側の上縁110Uに沿って、ボトム下着生地部材110に縫製される。
【0050】
固定側縁形成部材237は、防水性を有するテープ状の布材により形成される。また、固定側縁形成部材237は、熱融着性を有している。図15に示すように、固定側縁形成部材237は、透水層形成部材231の股部113に沿う側縁131Sから連続する側縁231Sを、対応する防水層形成部材233との間に被覆し、透水層形成部材231の内側の面、つまり、肌側の面、及び、防水層形成部材233の内側の面、つまり、肌側の面、それぞれに熱融着される。固定側縁形成部材237を背面側の防水層形成部材233に熱融着することによって、吸水パッド230の固定側縁230Sが形成される。
【0051】
固定側縁形成部材237と防水層形成部材133とが熱融着された領域R230を縫い代として、吸水パッド230は、ボトム下着生地部材110に縫製される。
【実施例0052】
前述のボトム下着100は、吸水パッド130は、正面側において、固定端縁130Fにおいて、ボトム下着生地部材110に固定される。一方、本実施例におけるボトム下着300の吸水パッド130は、ボトム下着生地部材110の正面側の上縁110Uと、吸水パッド130の固定端縁130Fとを接続するパワーネットを介して、ボトム下着生地部材110に固定される。なお、以下においては、実施例1と同様の構成については、実施例1と同様の符号を付すとともに、詳細な説明を省略する。
【0053】
第1 ボトム下着300の構成
ボトム下着300について、図16図17を用いて説明する。なお、図16はボトム下着300の正面図を、図17はボトム下着300を裏返した状態の正面図を、それぞれ、示している。
【0054】
図17に示すように、ボトム下着300はボトム下着生地部材110、吸水パッド130、及び、パワーネット30を有している。パワーネット350は、高い伸縮性を有し、例えば、ポリウレタン弾性糸を用いて形成される。パワーネット350は、ボトム下着生地部材110の正面側の上縁110U、及び、吸水パッド130の固定端縁130F、それぞれに縫製され、懸垂状に固定される。つまり、吸水パッド130は、パワーネット350を介して、ボトム下着生地部材110に固定される。
【0055】
このように吸水パッド130を、パワーネット350を介して、ボトム下着生地部材110に固定することによって、吸水パッド130は、左右方向、及び、上下方向に自由に移動できる。これにより、吸水パッド130を、使用者の体形や健康状態に合わせて、適宜、適切な位置に配置できる。
【0056】
[その他の実施形態]
(1)吸水パッドの形状:前述の実施例1において、吸水パッド130の形状を、さらに、中央付近が膨出した三次元の曲面形状としてもよい。これは、実施例2、実施例3についても同様である。
【0057】
また、吸水パッド130の形状は、各図面に例示のものに限定されない。さらに、吸水パッド130の構造については、透水層形成部材131、防水層形成部材133、及び、保水層形成部材135の3層構造に限らず、所望の液体を吸収し、保持できるものであれば例示のものに限定されない。以上は、吸水パッド230においても同様である。
【0058】
(2)ボトム下着:前述の実施例1においては、ボトム下着100は、女性用であっても、男性用であってもあってもよい。また、大人用であっても、子供用であってもよい。使用者の特性に応じて、適切なデザイン、機能を付加した形状にすればよい。
【0059】
(3)遊離側縁形成部材137:前述の実施例1においては、遊離側縁形成部材137は、熱融着性を有するとしたが、縫製せずに所定の部材に固定できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、両面テープや、接着剤を用いて、固定するようにしてもよい。固定端縁形成部材139、239、及び、固定側縁形成部材237についても、同様である。
【0060】
(4)付加機能:前述の実施例1の吸水パッド130において、防臭・消臭機能や抗菌機能を付加してもよい。吸水パッド230についても同様である。
【0061】
(5)固定端縁、固定側縁の固定:前述の実施例1において、吸水パッド130は、固定端縁130F、130Rの領域R130において、縫製により、ボトム下着生地部材110に固定するとしたが、吸水パッド130をボトム下着生地部材110に固定できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、接着剤や接着テープを用いて、固定するようにしてもよい。実施例2における吸水パッド230の固定端縁230R、固定側縁230Sについても同様である。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明に係るボトム下着は、例えば、高齢者や女性用のボトム下着として用いることができる。
【符号の説明】
【0063】
100 ボトム下着
110 ボトム下着生地部材
110S 足挿入孔形成縁
110U 上縁
111 足挿入孔
113 股部
130 吸水パッド
130F 固定端縁
130R 固定端縁
130S 遊離側縁
131 透水層形成部材
131S 側縁
131F 端縁
131R 端縁
133 防水層形成部材
133S 側縁
135 保水層形成部材
137 遊離側縁形成部材
139 固定端縁形成部材
200 ボトム下着
230 吸水パッド
230R 固定端縁
230S 固定側縁
230F 固定端縁
231 透水層形成部材
231R 端縁
231S 側縁
233 防水層形成部材
235 保水層形成部材
237 固定側縁形成部材
239 固定端縁形成部材
300 ボトム下着
350 パワーネット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18