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特開2024-68230データ収集機能を備えた決算開示書類作成システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068230
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】データ収集機能を備えた決算開示書類作成システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/00 20230101AFI20240513BHJP
【FI】
G06Q40/00
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178509
(22)【出願日】2022-11-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-21
(71)【出願人】
【識別番号】590005601
【氏名又は名称】宝印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081271
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 芳春
(72)【発明者】
【氏名】池主 丞
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB00
5L055BB00
(57)【要約】
【課題】連結財務諸表及び注記に必要な情報をグループ内の各社から集め、連結調整を行った上で、決算開示書類を作成することができるデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】データ収集機能を備えた決算開示書類作成システムは、親会社と少なくとも1つの子会社に設置された複数の端末のうちアクセスのあった端末に対して、予め作成されたテンプレートに基づいて当該端末に対応したデータ収集用の複数の入力シートを発行する入力シート発行手段と、複数の端末より複数の入力シートに入力された連結財務諸表及び注記を含む書類の作成に必要な数値情報及び文字情報を予め作成した集計シートに集計する情報集計手段と、集計シートに集計された数値情報及び文字情報をリンクされた開示書類作成のための数値入力シートにそれぞれ転記し、開示書類を作成する開示書類作成手段とを備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
親会社と少なくとも1つの子会社とからなるグループ会社における決算開示書類作成システムであって、
前記親会社と前記少なくとも1つの子会社に設置された複数の端末のうちアクセスのあった端末に対して、予め作成されたテンプレートに基づいて当該端末に対応したデータ収集用の複数の入力シートを発行する入力シート発行手段と、
前記複数の端末より前記複数の入力シートに入力された連結財務諸表及び注記を含む書類の作成に必要な数値情報及び文字情報を予め作成した集計シートに集計する情報集計手段と、
前記集計シートに集計された数値情報をリンクされた開示書類作成のための数値入力シートにそれぞれ転記し、開示書類を作成する開示書類作成手段とを備えていることを特徴とするデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システム。
【請求項2】
前記開示書類作成手段は、前記複数の端末の全てから前記複数の入力シートへの入力が完了したと判断された場合、前記集計シートに集計された数値情報を、前記数値入力シートの数値入力セルに転記するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システム。
【請求項3】
前記子会社の端末に対して、それぞれ専用の入力シートのみにアクセスし、連結財務諸表及び注記の作成に必要な数値情報及び文字情報を入力するアクセス権を管理するアクセス権管理手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システム。
【請求項4】
前記テンプレートに基づいて前記入力シートを追加する、又は前記テンプレートに基づかないで新たな入力シートを追加する入力シート追加手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システム。
【請求項5】
前記入力シートに添付ファイルの有無を判断し、前記入力シートに添付された添付ファイルを受信する添付ファイル処理手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システム。
【請求項6】
親会社と少なくとも1つの子会社とからなるグループ会社におけるデータ収集機能を備えた決算開示書類作成プログラムであって、
コンピュータを、
前記親会社と前記少なくとも1つの子会社に設置された複数の端末のうちアクセスのあった端末に対して、予め作成されたテンプレートに基づいて当該端末に対応したデータ収集用の入力シートを発行する入力シート発行手段と、
前記複数の端末より複数の入力シートに入力された連結財務諸表及び注記の作成に必要な数値情報及び文字情報を予め作成した集計シートに集計する情報集計手段と、
前記集計シートに集計された数値情報をリンクされた開示書類作成のための数値入力シートにそれぞれ転記し、開示書類を作成する開示書類作成手段として機能させることを特徴とするデータ収集機能を備えた決算開示書類作成プログラム。
【請求項7】
前記開示書類作成手段を、前記複数の端末の全てから前記複数の入力シートへの入力が完了したと判断された場合、前記集計シートに集計された数値情報を前記数値入力シートの数値入力セルに転記するように機能させることを特徴とする請求項6に記載のデータ収集機能を備えた決算開示書類作成プログラム。
【請求項8】
コンピュータを、
前記子会社の端末に対して、それぞれ専用の入力シートのみにアクセスし、連結財務諸表及び注記の作成に必要な数値情報及び文字情報を入力するアクセス権を管理するアクセス権管理手段としても機能させることを特徴とする請求項6又は7に記載のデータ収集機能を備えた決算開示書類作成プログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
前記子会社の数が増える場合、前記テンプレートに基づいて前記入力シートを追加する、又は前記テンプレートに基づかないで前記入力シートを追加する入力シート追加手段としても機能させることを特徴とする請求項6又は7に記載のデータ収集機能を備えた決算開示書類作成プログラム。
【請求項10】
コンピュータを、
前記入力シートに添付ファイルの有無を判断し、前記入力シートに添付された添付ファイルを受信する添付ファイル処理手段としても機能させることを特徴とする請求項6又は7に記載のデータ収集機能を備えた決算開示書類作成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結財務諸表及び注記に必要な情報(定量情報以外の定性的な情報を含む)を各子会社等から集め、連結調整を行った上で、決算開示書類を作成することができるデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
上場企業は、決算期毎にグループ内の複数企業の連結決算により財務諸表を作成し、公表することが義務づけられる。金融商品取引所に株式を公開している企業(株式公開会社)は、取引所の規則及び関係法律(金融商品取引法及び会社法等)に従って、企業集団に関する連結決算開示書類(連結財務諸表及び注記に必要な情報等)を作成することが要求されている。
【0003】
決算開示書類には、証券取引所規則による決算短信、金融商品取引法による有価証券報告書、及び会社法による株主総会招集通知がある。また、これらの書類で開示される財務諸表は、連結及び個別の財務諸表、すなわち連結貸借対照表、連結損益計算書、貸借対照表、損益計算書及びこれらの注記などからなる。連結財務諸表を作成するには、連結財務諸表本表のみならず、注記作成に必要な情報(定量情報以外の定性的な情報を含む)も各社より収集する必要がある。
【0004】
従来、連結決算処理するためのデータ収集は、親会社がExcelで作成した連結パッケージ(連結決算を行うためのデータ収集用のフォーマット)を用いて、グループ内の複数企業からデータを収集して、連結決算開示書類を作成する際に、複数企業から収集したデータを入力し、調整作業を行い、連結決算開示書類を作成する。例えば、本出願人は、連結決算開示書類を作成する際に、子会社から集めた情報に基づいて、決算短信、有価証券報告書及び株主総会招集通知等の開示書類を効率的に作成することができる開示書類自動作成システム(WizLabo)を提案した(非特許文献1)。
【0005】
非特許文献1に記載の企業財務関係書類の作成システムは、入力されたデータ群を使用して、決算開示書類作成部により決算開示文書(XBRL(extensible business reporting language)データを含む)を作成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【非特許文献1】宝印刷株式会社、開示業務よりスムーズにより正確にWizLabo、[online]、[令和4年10月7日検索]、インターネット<https://www.wizlabo.jp/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来では、一般に連結会計システムにはグループ内の各社よりデータを集める機能が備わっているが、注記について連結財務諸表規則等で要求される内容に即した収集機能を網羅的に備えているわけではない。一方、非特許文献1に開示した開示書類自動作成システムには連結開示に必要な情報を子会社から集め、連結調整する機能を備えていない。
【0008】
また、連結決算処理するためのデータ収集において、親会社がExcelで独自の手法で連結パッケージを作成し、子会社の増加や開示項目の変更がある都度ファイルを修正していたため、対応漏れや数式設定ミスが起きがちであるという問題点がある。
【0009】
また、連結パッケージファイルのやり取りを電子メール等で行うため、データ漏洩の危険があるという問題点がある。
【0010】
また、連結パッケージファイルのやり取りを電子メール等で行っていたため、各社の入力作業から親会社の確認・集計までのタイムラグや集計ミスが生じるおそれがある。また、各社の連結パッケージファイルの数値を個別に拾い上げて別ファイルで改めて計算しなければならず、管理が煩雑な上に転記ミスの生じるおそれがあるという問題点がある。
【0011】
また、付属ファイルの収集・管理について、連結パッケージファイルとは別ファイルとして個別に収集する必要があり、管理が煩雑であるという問題点がある。
【0012】
また、複数の注記に関連する情報は、注記ごとに別々に入力する必要があるため煩雑であり、また注記間で不整合が生じるおそれがある。
【0013】
さらに、開示書類自動作成システム外で作成した数値を手作業で転記する必要があるため、転記ミスが生じるおそれがある。
【0014】
そこで、本発明は従来技術の上述した問題点を解消するものであり、本発明の目的は、連結財務諸表及び注記に必要な情報をグループ内の各社から集め、連結調整を行った上で、連結決算開示書類を作成することができるデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システム及びプログラムを提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、子会社の端末に対して、連結財務諸表及び注記作成に必要な数値情報及び文字情報を入力する際のアクセス権を管理することができるデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システム及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によれば、データ収集機能を備えた決算開示書類作成システムは、親会社と少なくとも1つの子会社とからなるグループ企業における決算開示書類作成システムであって、親会社と少なくとも1つの子会社に設置された複数の端末のうちアクセスのあった端末に対して、予め作成されたテンプレートを基づいて当該端末に対応したデータ収集用の複数の入力シートを発行する入力シート発行手段と、複数の端末より複数の入力シートに入力された連結財務諸表及び注記を含む書類の作成に必要な数値情報及び文字情報を予め作成した集計シートに集計する情報集計手段と、集計シートに集計された数値情報をリンクされた開示書類作成のための数値入力シートにそれぞれ転記し、開示書類を作成する開示書類作成手段とを備えている。
【0017】
複数の端末のうちアクセスのあった端末に対して、予め作成されたテンプレートに基づいて当該端末に対応したデータ収集用の複数の入力シートを発行し、複数の端末より複数の入力シートに入力された連結財務諸表及び注記等の作成に必要な数値情報及び文字情報を予め作成した集計シートに集計し、そして、集計された数値情報をリンクされた数値入力シートにそれぞれ転記し、開示書類を作成する。これにより、データ収集から連結財務諸表及び注記の作成に必要な数値情報及び文字情報の集計、さらに開示書類を作成するまで一つのシステムで行うことができ、即ち、連結財務諸表及び注記に必要な情報を各子会社等から集め、連結調整を行った上で、連結決算開示書類を作成することができる。データ収集、集計、計算を行い、開示用データ作成を自動化することで、Excelからのデータ転記作業がなくなるため、連結決算のグループ企業において、開示までの作業プロセスを改善することができる。
【0018】
開示書類作成手段は、複数の端末の全てから複数の入力シートへの入力が完了したと判断された場合、集計シートに集計された数値情報を数値入力シートの数値入力セルに転記するように構成されていることが好ましい。これにより、集計された数値情報を手作業で入力することを回避し、開示用データの作成を自動化することができる。
【0019】
子会社の端末に対して、それぞれ専用の入力シートのみにアクセスし、連結財務諸表及び注記の作成に必要な数値情報及び文字情報を入力するアクセス権を管理するアクセス権管理手段をさらに備えていることが好ましい。これにより、連結パッケージファイルのやり取りを電子メール等で行うことがなく、データ漏洩の危険を防止することができる。
【0020】
テンプレートに基づいて入力シートを追加する、又はテンプレートに基づかないで新たな入力シートを追加する入力シート追加手段をさらに備えていることが好ましい。
【0021】
入力シートに添付ファイルの有無を判断し、入力シートに添付された添付ファイルを受信する添付ファイル処理手段をさらに備えていることが好ましい。
【0022】
本発明によれば、連結決算開示書類作成は、コンピュータを、親会社と少なくとも1つの子会社に設置された複数の端末のうちアクセスのあった端末に対して、予め作成されたテンプレートに基づいて当該端末に対応したデータ収集用の入力シートを発行する入力シート発行手段と、複数の端末より複数の入力シートに入力された連結財務諸表及び注記の作成に必要な数値情報及び文字情報を予め作成した集計シートに集計する情報集計手段と、集計シートに集計された数値情報をリンクされた開示書類作成のための数値入力シートにそれぞれ転記し、開示書類を作成する開示書類作成手段として機能させる。
【0023】
開示書類作成手段を、複数の端末の全てから複数の入力シートへの入力が完了したと判断された場合、集計シートに集計された数値情報を数値入力シートの数値入力セルに転記するように機能させることが好ましい。
【0024】
また、コンピュータを、子会社の端末に対して、それぞれ専用の入力シートのみにアクセスし、連結財務諸表及び注記の作成に必要な数値情報及び文字情報を入力するアクセス権を管理するアクセス権管理手段しても機能させることが好ましい。
【0025】
また、コンピュータを、テンプレートに基づいて入力シートを追加する、又はテンプレートに基づかないで入力シートを追加する入力シート追加手段としても機能させることが好ましい。
【0026】
さらに、コンピュータを、入力シートに添付ファイルの有無を判断し、入力シートに添付された添付ファイルを受信する添付ファイル処理手段としても機能させることが好ましい。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、データ収集機能を備えた決算開示書類作成システムは、複数の端末のうちアクセスのあった端末に対して、予め作成されたテンプレートに基づいて当該端末に対応したデータ収集用の複数の入力シートを発行し、複数の端末より複数の入力シートに入力された連結財務諸表及び注記の作成に必要な数値情報及び文字情報を予め作成した集計シートに集計し、そして、集計された数値情報及び文字情報をリンクされた数値入力シートにそれぞれ転記し、開示書類を作成するように構成されている。
【0028】
これにより、データ収集から連結財務諸表及び注記の作成に必要な数値情報及び文字情報の集計、さらに開示書類を作成するまで一つのシステムで行うことができ、即ち、連結財務諸表及び注記に必要な情報を各子会社等から集め、連結調整を行った上で、連結決算開示書類(XBRLデータを含む)を作成することができる。データ収集、集計、計算を行い、開示用データ作成を自動化することで、Excelからのデータ転記作業がなくなるため、連結決算のグループ企業において、開示までの作業プロセスを改善することができる。また、テンプレートを修正すると各社の入力シートが即座に更新されることから、連結財務諸表規則等の改正に伴う注記様式等の変更に対して容易、迅速かつ確実に対応することができ、法改正への対応の効率化を図ることができる。また、連結財務諸表、注記について、連結パッケージ作成、配布、集計及び開示書類作成(XBRLデータを含む)に至るまでの一貫業務を単一システムで容易に行うことができる。さらに、監査人に連結決算開示書類作成システムへのアクセス権を付与することにより、監査人が当該連結決算開示書類作成システムにアクセスするだけで連結財務諸表、注記に関連するすべての情報を閲覧することができ、収集フォーマットがグループ全体で統一されていることとあいまって、監査の実効性向上に役立つとともに省力化がなされる。
【0029】
また、子会社の端末に対して、それぞれ専用の入力シートのみにアクセスし、連結財務諸表及び注記の作成に必要な数値情報及び文字情報を入力するアクセス権を管理するアクセス権管理手段をさらに備えていることで、連結パッケージファイルのやり取りを電子メール等で行うことがなく、データ漏洩の危険を防止することができる。
【0030】
また、テンプレートに基づいて入力シートを追加する、又はテンプレートに基づかないで新たな入力シートを追加する入力シート追加手段をさらに備えていることで、テンプレートによらない入力シートを作成して集計させることもできる。
【0031】
さらに、入力シートに添付ファイルの有無を判断し、入力シートに添付された添付ファイルを受信する添付ファイル処理手段をさらに備えていることで、入力シートにファイルを添付することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の一実施形態におけるデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システムの応用例を概略的に示す図である。
図2図1に示したデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システムの構成を概略的に示すブロック図である。
図3図1に示したデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システムの構成及びデータ処理内容を概略的に示すイメージ図である。
図4図1に示したデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システムにおける主な処理手順を示すフローチャートである。
図5】データ収集機能を備えた決算開示書類作成システムにおける登録、設定処理の主な内容手順を示すフローチャートである。
図6】データ収集機能を備えた決算開示書類作成システムにおけるデータ収集処理の主な処理内容を示すフローチャートである。
図7】入力シートのアクセス権の管理例を概略的に示すイメージ図である。
図8】入力シートの一括メンテナンス例を概略的に示すイメージ図である。
図9】数値情報に関する入力シートのテンプレートの例を概略的に示す図である。
図10】数値情報に関する入力シートの入力された例を概略的に示す図である。
図11】数値情報に関する集計シートの例を概略的に示す図である。
図12】文字情報に関する入力シートのテンプレートの例を概略的に示す図である。
図13】文字情報に関する入力シートの入力された例を概略的に示す図である。
図14】文字情報に関する集計シートの例を概略的に示す図である。
図15】数値入力シートの例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明に係るデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システム及びプログラムの実施形態を、図を参照して説明する。
【0034】
図1は本発明のデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システム100の応用例を示している。図2は本発明のデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システム100の構成の一例を示している。図3はデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システム100の構成及びデータ処理順を概略的に示している。データ収集機能を備えた決算開示書類作成システム100は、サービス提供会社端末100aによりクラウドコンピューティングのためのサーバ上で提供されるサービスである。
【0035】
図1から3に示すように、データ収集機能を備えた決算開示書類作成システム100は、受信手段10と、送信手段20と、記録手段30と、処理手段40と、出力手段50と、制御手段60とを備えるコンピュータシステムから構成され、例えば、コンピュータシステム上のデータ領域又はクラウド上のデータ領域に共通に構築される。このデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システム100は、親会社と少なくとも1つの子会社に設置された複数の端末(親会社端末101及び子会社端末102)から入力されたデータに基づいて、開示書類を作成するように構成されている。
【0036】
受信手段10は、例えば、親会社端末101及び子会社端末102から入力シートに入力された必要な情報及び添付ファイルを、通信ネットワークNを介して受信するように構成されている。この受信手段10により取得した情報は、記憶手段30に記憶される。
【0037】
送信手段20は、通信ネットワークNを介して、登録情報、入力シート、入力及びファイル添付提示情報、必要な調整、修正を促す画面のデータ等を親会社端末101及び/又は子会社端末102に送信するように構成されている。また、送信手段20は、作成されたデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システム100のデータを送信するように構成しても良い。
【0038】
記憶手段30は、ネットワークストレージ、オンラインストレージサービス用クラウドフォルダから主として構成される。記憶手段30には、制御用プログラム31以外に、連結決算開示書類作成を行うためのプログラム32、及び入力シートのテンプレート(図9及び図12参照)、入力された入力シート(図10及び図13参照)、添付ファイル、集計シート(図11及び図14参照)、数値入力シート(図15参照)、及び開示書類等を記憶するデータベース33が格納されている。なお、記憶手段30は、ハードディスクドライブ(HDD)、並びにRAM及びROMのメモリから主として構成されるようにしても良い。
【0039】
処理手段40は、子会社の端末に対して、それぞれ専用の入力シートのみをアクセスし、連結財務諸表及び注記の作成に必要な数値情報及び文字情報を入力するアクセス権を管理するアクセス権管理手段41と、予め作成されたテンプレートに基づいて、データ収集用の複数の入力シートを発行する入力シート発行手段42と、テンプレートに基づいて入力シートを追加する、又はテンプレートに基づかないで新たな入力シートを追加する入力シート追加手段43と、入力シートに添付ファイルの有無を判断し、入力シートに添付された添付ファイルを受信する添付ファイル処理手段44と、入力シートに入力された連結財務諸表及び注記等の作成に必要な数値情報及び文字情報を予め作成した集計シートに集計する情報集計手段45と、集計シートに転記された数値情報及び文字情報をリンクされた開示書類にそれぞれ転記し、開示書類を作成する開示書類作成手段46とを備えている。
【0040】
出力手段50は、作成された書類等を記憶手段30又は送信手段20を介して出力するように構成されている。また、出力手段50は、集計シート、テンプレート及び各社の入力シートを一括でExcelファイルに出力することができる。
【0041】
制御手段60は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を備え、制御用プログラム31に従い、データ収集機能を備えた決算開示書類作成システム100の全体動作を制御するためのものである。
【0042】
以下、本実施形態のデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システム100を用いて連結決算開示書類作成を行う際の主な処理手順について、図4~15を参照して説明する。
【0043】
図4はデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システム100における主な処理手順を示しており、図5図4中「登録、設定処理」(ステップS10)の主な処理内容を示しており、図6図4中「データ収集処理」(ステップS50)の主な処理内容を示している。図7は入力シートのアクセス権の管理のイメージを示しており、図8は入力シートの一括メンテナンスのイメージを示している。図9から図11は数値情報に関する入力シートのテンプレート、入力例、及び集計シートの例を示している。図12から図14は文字情報に関する入力シートのテンプレート、入力例、及び集計シートの例を示している。図15は数値入力シートの例を示している。
【0044】
図4に示すように、データ収集機能を備えた決算開示書類作成システム100を用いて連結決算開示書類作成を行う際に、予め、システム上で登録、設定処理を行う(ステップS10)。ステップS10では、図5に示すように、まず、ユーザアカウントを発行する(S101)。ここで、データ収集機能を備えた決算開示書類作成システム100を利用するユーザに所定のアカウントを発送する。次いで、ユーザ(例えば、親会社端末)によりデータ収集対象会社(グループ企業の親会社及び子会社)を登録する(S102)。次いで、登録された各社のデータ収集担当者を登録する(S103)。次いで、データ収集担当者とデータ収集対象会社を紐付ける(S104)。次いで、メニューごとにアクセス権を設定する(S105)。ここで、例えば、子会社の端末に対して、それぞれ専用の入力シートのみにアクセスし、連結財務諸表及び注記の作成に必要な数値情報及び文字情報を入力するアクセス権を設定し、管理する(図7参照)。また、各社のデータ収集担当者に対して、所定の入力シートのみにアクセスし、入力することができるアクセス権を設定し、管理する。次いで、予め作成されたテンプレート、入力シート及び集計シートファイルを選択する(S106)。次いで、各入力シートにつきシート属性及びデータ収集対象会社を指定する(S107)。次いで、テンプレート、入力シート及び集計シートファイルを取り込む(S108)。次いで、取り込んだ入力シートファイルの設定はテンプレートと整合しているか否かを判断する(S109)。ここで、取り込んだ入力シートファイルの設定はテンプレートと整合していないと判断された場合(Noの場合)は、入力シート又はテンプレートを修正する(S110)。そして、ステップS109に戻り、上記の処理を繰り返す。一方、取り込んだ入力シートファイルの設定はテンプレートと整合していると判断された場合(Yesの場合)は、数値入力シートにリンク設定をする(S110)。これにより、登録、設定処理が完了する。これら登録、設定の関連情報をシステムのデータベースに記録するようになっている。次に、図4中のステップS20へ進む。
【0045】
ステップS20で、データ収集会社を追加するか否かを判断する。ここで、データ収集会社を追加する必要と判断された場合(Yesの場合)は、ステップS21で、データ収集会社を追加する。ここで、データ収集対象会社の登録及びデータ収集担当者の登録を行い、また、データ収集担当者とデータ収集対象会社を紐付け、さらに、テンプレートから入力シートをコピーする(コピー時にデータ収集対象会社と紐付ける。即ち、端末対応したデータ収集用の入力シートを発行する)。ここで、入力シート発行手段42によりテンプレートに基づいて入力シートを追加することができ、又はテンプレートに基づかないで新たな入力シートを追加することもできる。発行された新たな入力シートはデータ収集対象会社と紐付けられる。そして、ステップS20に戻り、上記の処理を繰り返す。一方、データ収集会社を追加する必要がないと判断された場合(Noの場合)は、ステップS30へ進む。
【0046】
ステップS30で、入力シートの内容を変更するか否かを判断する。ここで、例えば、連結財務諸表規則等の改正に伴い注記様式等の変更により、入力シートの内容を変更する必要と判断された場合(Yesの場合)は、ステップS31で、親会社端末101の画面上でテンプレートを修正する。次に、ステップS32で、修正内容を全ての入力シートに一括反映させる(図8参照)。そして、ステップS30に戻り、上記の処理を繰り返す。一方、入力シートの内容を変更する必要がないと判断された場合(Noの場合)は、ステップS40へ進む。
【0047】
ステップS40で、集計シートの内容を変更するか否かを判断する。ここで、集計シートの内容を変更する必要と判断された場合(Yesの場合)は、ステップS41で、親会社端末101の画面上で集計シートを修正する。そして、ステップS40に戻り、上記の処理を繰り返す。一方、集計シートの内容を変更する必要がないと判断された場合(Noの場合)は、ステップS50で、データ集計処理を行う。
【0048】
ステップS50では、図6に示すように、まず、親会社端末101又は子会社端末102からアクセスがあったか否かを判断する(S51)。ここで、アクセスがない場合は、繰り返し判断を行う。一方、アクセスがあったと判断された場合は、登録IDを確認する(S52)。次に、親会社端末101又は子会社端末102から入力シートに連結財務諸表及び注記の作成に必要な数値情報(財務諸表データ)及び文字情報(注記データ、非財務データ)を入力する(S53)。図10は入力された入力シートの一例を示している。次に、入力シートに添付する添付ファイルがあるか否かを判断する(S54)。ここで、親会社端末101又は子会社端末102からファイルを添付した場合、即ち、添付ファイルがあったと判断された場合(Yesの場合)は、入力シートにファイルを添付するように処理する(S55)。ここで、添付ファイル処理手段44により入力シートに添付された添付ファイルを受信するように処理する。そして、ステップS54に戻り、上記の処理を繰り返す。ファイルの添付は、例えば「データ収集ファイル添付」画面から行うことができる。添付された複数のファイルをダウンロードするときにはzipファイルにひとまとめされる。また、添付ファイル(Excel、テキスト及びPDFファイル)は、「データ収集ファイル添付」画面においてプレビューすることができる。一方、添付ファイルがないと判断された場合(Noの場合)は、図4中のステップS60へ進む。
【0049】
次いで、ステップS60で、入力シートの値を集計シートに自動的に集計、転記する。ここで、情報集計手段45により親会社端末101又は子会社端末102から入力された数値情報及び文字情報を集計するように処理する(図11及び図14参照)。
【0050】
次いで、ステップS70で、集計シートで数値調整の必要があるか否かを判断する。ここで、集計シートで数値調整の必要があると判断された場合(Yesの場合)は、ステップS71で、親会社端末101により集計シートで数値調整を行う。一方、集計シートで数値調整の必要がない判断された場合(Noの場合)は、ステップS80へ進む。
【0051】
ステップS80で、集計シートの値を数値入力シートに自動的に転記する。ここで、集計シートの値を数値入力シートの数値入力セルにそれぞれ転記するようになっている(図15参照)。
【0052】
次いで、ステップS90で、数値入力シートの値を開示画面の値に計算する。ここで、数値入力シートの値を開示書類に記載の値に計算するように処理する。
【0053】
次いで、ステップS100で、数値入力シートに基づいて、開示書類を作成する。ここで、図3に示すように、(1)「制度開示書類」、EDINET(金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム)、TDNet(適時開示情報伝達システム)へ提出するための書類、例えば、有価証券報告書、決算短信及び株主総会招集通知等の開示書類(PDFファイル)が作成される。(2)「任意開示書類」、例えば、社内外任意開示書類(Word又はPDFファイル)も作成される。(3)「WizLabo Adapter」(宝印刷株式会社が提供する開示決算自動化システムのMicrosoft Office連携オプション)関連書類、例えば、Microsoft Officeで作成した書類に数値データをリンクすることができる会社説明会資料、子会社資料等(PPT、Excel、又はWordファイル)も作成される。(4)「監査・分析資料」、例えば、組替表、2期間比較表、計算根拠資料等(Excel、Word又はHTMLファイル)も作成される。これらの開示書類(XBRLデータを含む)は、通信ネットワークを介して出力することができる。
【0054】
図7は入力シートのアクセス権の管理のイメージを示している。図7(A)に示すように、子会社端末102は、自社用の入力シートのみをアクセスすることができる。図7(B)に示すように、親会社端末101は全ての入力シート、集計シート及び数値入力シートをアクセスすることができる。これにより、グループ内子会社間のデータ漏洩の危険を防止することができる。
【0055】
図8は入力シートの一括メンテナンスのイメージを示している。図8に示すように、親会社端末101により入力シートのテンプレートの内容を変更した場合、当該テンプレートに紐づく全ての入力シートに自動的に反映され、一括更新することができる。そのため、連結財務諸表規則等の改正に伴い注記様式等を変更する際に、テンプレートを変更すれば、即座にグループ全体に適用される。自動的に一括更新することができる。
【0056】
図9は数値情報に関する入力シートのテンプレートの一例を示している。図9に示すテンプレートは、固定資産売却益等に関するものである。このテンプレートに基づいて、アクセスがあった親会社端末101又は子会社端末102の画面にそれぞれ専用の入力シートを発行することができる。
【0057】
図10は数値情報に関する入力シートの入力例を示している。図10に示すように、テンプレートに基づいて発行された入力シートは親会社端末101又は子会社端末102の画面に表示され、この入力シート中の各項目にそれぞれ関連データを入力する。図10に示す入力例は親会社の入力シートの入力例である。
【0058】
図11は数値情報に関する集計シートの一例を示している。この集計シートは親会社端末101の画面において表示されるものである。図11に示すように、集計シートには、親会社の入力データ、及び子会社A、子会社Bの入力データが集計されている。集計シートは各入力シートの値を参照することができる。
【0059】
図12は文字情報に関する入力シートのテンプレートの一例を示している。図12に示すテンプレートは、重要な会計方針に関するものである。このテンプレートに基づいて、アクセスがあった親会社端末101又は子会社端末102の画面にそれぞれ専用の入力シートを発行することができる。
【0060】
図13は文字情報に関する入力シートの入力例を示している。図13に示すように、テンプレートに基づいて発行された入力シートは親会社端末101又は子会社端末102の画面に表示され、この入力シート中の各項目にそれぞれ関連データを入力する。図13に示す入力例は親会社の入力シートの入力例である。
【0061】
図14は文字情報に関する集計シートの一例を示している。この集計シートは親会社端末101の画面において表示されるものである。図14に示すように、集計シートには、親会社の入力データ、及び子会社A、子会社Bの入力データが集計されている。
【0062】
図15は数値入力シートの例を概略的に示している。この数値入力シートは、図11に示す数値情報に関する集計シートの数値が対応する開示科目に転記されて形成されたものである。開示科目IDに対応する数値をリンクされている開示書類に転記し、開示書類を作成する。なお、集計シートからの転記時に複数科目を「その他」に集約している。
【0063】
このように、本実施形態におけるデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システム100は、受信手段10と、送信手段20と、記録手段30と、処理手段40と、出力手段50と、制御手段60とを備える。データ収集機能を備えた決算開示書類作成システム100において、親会社と少なくとも1つの子会社に設置された複数の端末(親会社端末101及び子会社端末102)のうちアクセスのあった端末に対して、予め作成されたテンプレートに基づいて当該端末に対応したデータ収集用の複数の入力シートを発行し、複数の端末より複数の入力シートに入力された連結財務諸表及び注記の作成に必要な数値情報及び文字情報を予め作成した集計シートに集計し、そして、集計された数値情報をリンクされた数値入力シートにそれぞれ転記し、開示書類を作成する。
【0064】
これにより、データ収集から連結財務諸表及び注記の作成に必要な数値情報及び文字情報の集計、さらに開示書類を作成するまで一つのシステムで行うことができ、即ち、連結財務諸表及び注記に必要な情報(非会計情報を含む)を各子会社等から集め、連結調整を行った上で、連結決算開示書類を作成することができる。データ収集、集計、計算を行い、開示用データ作成を自動化することで、Excelからのデータ転記作業をなくなるため、連結決算のグループ企業において、開示までの作業プロセスを改善することができる。また、従来の電子メールによるデータ収集作業をなくすことで、データ漏洩の危険性がなくなる。また、テンプレートを修正すると各社の入力シートが即座に更新されることから、連結財務諸表規則等の改正に伴う注記様式等の変更に対して容易、迅速かつ確実に対応することができ、法改正への対応の効率化を図ることができる。また、連結財務諸表及び注記について、連結パッケージ作成、配布、集計及び開示書類作成(XBRLデータを含む)に至るまでの一貫業務を単一システムで容易に行うことができる。さらに、監査人にデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システム100へのアクセス権を付与することにより、監査人が当該データ収集機能を備えた決算開示書類作成システム100にアクセスするだけで連結財務諸表及び注記に関連するすべての情報を閲覧することができ、収集フォーマットがグループ全体で統一されていることとあいまって、監査の実効性向上に役立つとともに省力化がなされる。
【0065】
また、データ収集機能を備えた決算開示書類作成システム100において、子会社端末102に対して、それぞれ専用の入力シートのみにアクセスし、連結財務諸表及び注記の作成に必要な数値情報及び文字情報を入力するアクセス権を管理するアクセス権管理手段41を備えていることで、連結パッケージファイルのやり取りを電子メール等で行うことがなく、データ漏洩の危険を防止することができる。
【0066】
また、データ収集機能を備えた決算開示書類作成システム100において、子会社の数が増える場合、テンプレートに基づいて入力シートを追加する、又はテンプレートに基づかないで新たな入力シートを追加する入力シート追加手段43を備えていることで、テンプレートによらない入力シートを作成して集計させることもできる。
【0067】
さらに、データ収集機能を備えた決算開示書類作成システム100において、入力シートに添付ファイルの有無を判断し、入力シートに添付された添付ファイルを受信する添付ファイル処理手段44をさらに備えていることで、入力シートにファイルを添付することができる。グループ内の連結決算情報をシステムで一元管理することができる。
【0068】
本発明の他の実施形態としてのデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システム100用のプログラムは、コンピュータに上述した処理機能を実現させるものである。このプログラムによりデータ収集から連結財務諸表及び注記の作成に必要な数値情報及び文字情報の集計、さらに開示書類を作成するまで一つのシステムで行うことができる。
【0069】
なお、上述した実施形態において、データ収集機能を備えた決算開示書類作成システム100は、サービス提供会社端末100aによりクラウドコンピューティングのためのサーバ上で提供されるサービスである例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、コンピュータシステムのレンタルサーバー(共用サーバ)上で構成されても良い。
【0070】
また、上述した実施形態において、データ収集機能を備えた決算開示書類作成システム100は、親会社と少なくとも1つの子会社とからなるグループ会社における連結決算開示書類を作成する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。単体決算の場合にも本発明を適用することができる。
【0071】
以上述べた実施形態は本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、企業における決算開示書類作成の業務に利用できる。
【符号の説明】
【0073】
10 受信手段
20 送信手段
30 記録手段
31 制御用プログラム
32 開示書類作成プログラム
33 データベース
40 処理手段
41 アクセス権管理手段
42 入力シート発行手段
43 入力シート追加手段
44 添付ファイル処理手段
45 情報集計手段
46 開示書類作成手段
50 出力手段
60 制御手段
100 データ収集機能を備えた決算開示書類作成システム
100a サービス提供会社端末
101 親会社端末
102 子会社端末
N 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2023-05-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
親会社と少なくとも1つの子会社とからなるグループ会社における決算開示書類作成システムであって、
前記親会社と前記少なくとも1つの子会社に設置された複数の端末のうちアクセスのあった端末に対して、予め作成されたテンプレートに基づいて当該端末に対応したデータ収集用の複数の入力シートを発行する入力シート発行手段と、
前記複数の端末より前記複数の入力シートに入力された連結財務諸表及び注記を含む書類の作成に必要な数値情報及び文字情報を予め作成した集計シートに集計する情報集計手段と、
前記集計シートに集計された数値情報及び文字情報をリンクされた開示書類作成のための数値入力シートにそれぞれ転記し、開示書類を作成する開示書類作成手段とを備え
前記開示書類作成手段は、前記集計シートで数値調整の必要があるか否かを判断し、前記集計シートで数値調整の必要があると判断された場合、前記親会社の端末により集計シートで数値調整を行うように構成されていることを特徴とするデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システム。
【請求項2】
前記開示書類作成手段は、前記複数の端末の全てから前記複数の入力シートへの入力が完了したと判断された場合、前記集計シートに集計された数値情報を、前記数値入力シートの数値入力セルに転記するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システム。
【請求項3】
前記子会社の端末に対して、それぞれ専用の入力シートのみにアクセスし、連結財務諸表及び注記の作成に必要な数値情報及び文字情報を入力するアクセス権を管理するアクセス権管理手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システム。
【請求項4】
前記テンプレートに基づいて前記入力シートを追加する、又は前記テンプレートに基づかないで新たな入力シートを追加する入力シート追加手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システム。
【請求項5】
前記入力シートに添付ファイルの有無を判断し、前記入力シートに添付された添付ファイルを受信する添付ファイル処理手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ収集機能を備えた決算開示書類作成システム。
【請求項6】
親会社と少なくとも1つの子会社とからなるグループ会社におけるデータ収集機能を備えた決算開示書類作成プログラムであって、
コンピュータを、
前記親会社と前記少なくとも1つの子会社に設置された複数の端末のうちアクセスのあった端末に対して、予め作成されたテンプレートに基づいて当該端末に対応したデータ収集用の入力シートを発行する入力シート発行手段と、
前記複数の端末より複数の入力シートに入力された連結財務諸表及び注記の作成に必要な数値情報及び文字情報を予め作成した集計シートに集計する情報集計手段と、
前記集計シートに集計された数値情報及び文字情報をリンクされた開示書類作成のための数値入力シートにそれぞれ転記し、開示書類を作成する開示書類作成手段として機能させ
前記開示書類作成手段は、前記集計シートで数値調整の必要があるか否かを判断し、前記集計シートで数値調整の必要があると判断された場合、前記親会社の端末により集計シートで数値調整を行う処理を実行させるように構成したことを特徴とするデータ収集機能を備えた決算開示書類作成プログラム。
【請求項7】
前記開示書類作成手段を、前記複数の端末の全てから前記複数の入力シートへの入力が完了したと判断された場合、前記集計シートに集計された数値情報を、前記数値入力シートの数値入力セルに転記するように機能させることを特徴とする請求項6に記載のデータ収集機能を備えた決算開示書類作成プログラム。
【請求項8】
コンピュータを、
前記子会社の端末に対して、それぞれ専用の入力シートのみにアクセスし、連結財務諸表及び注記の作成に必要な数値情報及び文字情報を入力するアクセス権を管理するアクセス権管理手段としても機能させることを特徴とする請求項6又は7に記載のデータ収集機能を備えた決算開示書類作成プログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
前記子会社の数が増える場合、前記テンプレートに基づいて前記入力シートを追加する、又は前記テンプレートに基づかないで前記入力シートを追加する入力シート追加手段としても機能させることを特徴とする請求項6又は7に記載のデータ収集機能を備えた決算開示書類作成プログラム。
【請求項10】
コンピュータを、
前記入力シートに添付ファイルの有無を判断し、前記入力シートに添付された添付ファイルを受信する添付ファイル処理手段としても機能させることを特徴とする請求項6又は7に記載のデータ収集機能を備えた決算開示書類作成プログラム。