(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068232
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】通話システム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/14 20060101AFI20240513BHJP
H04M 3/56 20060101ALI20240513BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
H04N7/14 110
H04M3/56 C
H04M11/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178511
(22)【出願日】2022-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡 正一
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 雅英
【テーマコード(参考)】
5C164
5K201
【Fターム(参考)】
5C164FA09
5C164PA41
5C164TB31S
5C164UB88S
5C164VA09P
5K201BC15
5K201BD02
5K201BD04
5K201CA01
5K201EC06
(57)【要約】
【課題】通話先装置における音声出力レベルを適正化する。
【解決手段】情報処理装置10は、情報処理装置20から音声データを受信し、音声データに基づく音声を設定値が示す出力レベルで出力し、音声データに基づく音声の出力レベルに関する出力レベル情報を情報処理装置20に送信し、設定値を変更する変更指示を情報処理装置20から受信すると、変更指示に基づいて設定値を変更する。情報処理装置20は、マイクロフォン21によって収音された音声に基づく音声データを情報処理装置10に送信し、出力レベル情報を受信すると、出力レベル情報に基づく表示情報23をディスプレイ22に表示させ、設定値を変更する変更操作を受け付けると、変更操作に応じた変更内容を示す変更指示を情報処理装置10に送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の情報処理装置と第2の情報処理装置とを有する通話システムであって、
前記第1の情報処理装置は、
前記第2の情報処理装置から音声データを受信し、前記音声データに基づく音声を第1の設定値が示す出力レベルで出力し、
前記音声データに基づく音声の出力レベルに関する出力レベル情報を前記第2の情報処理装置に送信し、
前記第1の設定値を変更する第1の変更指示を前記第2の情報処理装置から受信すると、前記第1の変更指示に基づいて前記第1の設定値を変更し、
前記第2の情報処理装置は、
マイクロフォンによって収音された音声に基づく前記音声データを前記第1の情報処理装置に送信し、
前記出力レベル情報を受信すると、前記出力レベル情報に基づく第1の表示情報をディスプレイに表示させ、
前記第1の設定値を変更する第1の変更操作を受け付けると、前記第1の変更操作に応じた変更内容を示す前記第1の変更指示を前記第1の情報処理装置に送信する、
通話システム。
【請求項2】
前記出力レベル情報は、前記第2の情報処理装置に現在設定されている前記第1の設定値を示し、
前記第2の情報処理装置は、前記第1の表示情報として、前記出力レベル情報に基づく前記第1の設定値を表示させる、
請求項1記載の通話システム。
【請求項3】
前記出力レベル情報は、前記第2の情報処理装置における、前記音声データに基づく音声の現在の出力レベルを示し、
前記第2の情報処理装置は、前記第1の表示情報として、前記出力レベル情報に基づく音声の出力レベルを示す情報を表示させる、
請求項1記載の通話システム。
【請求項4】
前記第2の情報処理装置は、
前記マイクロフォンによって収音された音声の入力を第2の設定値が示す入力レベルで受け付け、
前記マイクロフォンによって収音された音声の入力レベルに関する入力レベル情報を前記第1の情報処理装置に送信し、
前記第2の設定値を変更する第2の変更指示を前記第1の情報処理装置から受信すると、前記第2の変更指示に基づいて前記第2の設定値を変更し、
前記第1の情報処理装置は、
前記入力レベル情報を受信すると、前記入力レベル情報に基づく第2の表示情報を前記ディスプレイに表示させ、
前記第2の設定値についての第2の変更操作を受け付けると、前記第2の変更操作に応じた変更内容を示す前記第2の変更指示を前記第2の情報処理装置に送信する、
請求項1記載の通話システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータや携帯端末などの複数の情報処理装置の間で音声を用いた通話が可能な通話システムが広く普及している。このような通話システムとしては、音声だけでなく画像を用いて通話が可能な会議システムなどがある。
【0003】
また、会議システムに適用可能な装置の例として、端末装置の接続履歴に基づいて、所定の期間に同じ対象装置に接続する端末装置のセット情報を生成する生成部と、対象装置に接続中の端末装置の中に、セット情報に含まれない端末装置がある場合、当該端末装置に通知を送信する送信部とを有する情報処理装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通話システムでは、一方の情報処理装置で収音された音声が、他方の情報処理装置でどのくらいの出力レベルで出力されているかを、一方の情報処理装置が認識することができない。また、他方の情報処理装置での音声の出力レベルを一方の情報処理装置から制御することもできない。このため、一方の情報処理装置のユーザが、他方の情報処理装置における音声の出力レベルを適正化することができないという問題がある。
【0006】
1つの側面では、本発明は、通話先装置における音声出力レベルを適正化することが可能な通話システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの案では、第1の情報処理装置と第2の情報処理装置とを有する通話システムが提供される。この通話システムにおいて、第1の情報処理装置は、第2の情報処理装置から音声データを受信し、音声データに基づく音声を第1の設定値が示す出力レベルで出力し、音声データに基づく音声の出力レベルに関する出力レベル情報を第2の情報処理装置に送信し、第1の設定値を変更する第1の変更指示を第2の情報処理装置から受信すると、第1の変更指示に基づいて第1の設定値を変更する。第2の情報処理装置は、マイクロフォンによって収音された音声に基づく音声データを第1の情報処理装置に送信し、出力レベル情報を受信すると、出力レベル情報に基づく第1の表示情報をディスプレイに表示させ、第1の設定値を変更する第1の変更操作を受け付けると、第1の変更操作に応じた変更内容を示す第1の変更指示を第1の情報処理装置に送信する。
【発明の効果】
【0008】
1つの側面では、通話先装置における音声出力レベルを適正化できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施の形態に係る通話システムの構成例および処理例を示す図である。
【
図2】第2の実施の形態に係るテレビ会議システムの構成例を示す図である。
【
図3】端末装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図4】端末装置でのテレビ会議の表示画面を示す第1の例である。
【
図5】端末装置でのテレビ会議の表示画面を示す第2の例である。
【
図6】端末装置間で送信される送信データの構成例を示す図である。
【
図7】端末装置が備える処理機能の構成例を示す図である。
【
図8】出力レベル格納部に記憶されるデータの構成例を示す図である。
【
図9】テレビ会議のメイン処理手順を示すフローチャートの例である。
【
図10】出力レベル格納処理の手順を示すフローチャートの例(その1)である。
【
図11】出力レベル格納処理の手順を示すフローチャートの例(その2)である。
【
図12】レベル更新処理の手順を示すフローチャートの例である。
【
図13】レベル設定処理の手順を示すフローチャートの例である。
【
図14】第1の変形例におけるテレビ会議画面の表示例を示す図である。
【
図15】第2の変形例におけるテレビ会議画面の表示例を示す図である。
【
図16】第3の変形例におけるテレビ会議画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0011】
〔第1の実施の形態〕
【0012】
図1は、第1の実施の形態に係る通話システムの構成例および処理例を示す図である。
図1に示す通話システムは、情報処理装置10,20を有する。この通話システムでは、情報処理装置10,20の間で音声を用いた通話が行われる。また、情報処理装置10,20の間では、音声と画像とを用いた通話が行われてもよい。なお、情報処理装置10,20の間は、サーバ装置など、通話を制御する制御装置を介して接続されてもよい。
【0013】
以下、情報処理装置20に接続されたマイクロフォン21によって収音された音声が、情報処理装置10に接続されたスピーカ11から出力される際の処理について説明する。なお、情報処理装置20にはディスプレイ22が接続されている。
【0014】
情報処理装置20は、マイクロフォン21によって収音された音声を示す音声データを生成し、音声データを情報処理装置10に送信する(ステップS1)。情報処理装置10は、音声データを受信すると、音声データに基づく音声をスピーカ11から出力する(ステップS2)。ここで、情報処理装置10においては、スピーカ11からの音声出力レベルについてのレベル設定値12が設定されている。レベル設定値12は、例えば、音声の最大出力レベルを規定する値である。情報処理装置10は、音声データに基づく音声を、レベル設定値12が示す出力レベルでスピーカ11から出力する。
【0015】
また、情報処理装置10は、スピーカ11からの音声の出力レベルに関する出力レベル情報を、情報処理装置20に送信する(ステップS3)。情報処理装置20は、出力レベル情報を受信すると、出力レベル情報に基づく表示情報23をディスプレイ22に表示させる(ステップS4)。
【0016】
出力レベル情報は、例えば、現在のレベル設定値12を示す。この場合、表示情報23は、例えば、現在のレベル設定値12を表示する情報となる。あるいは、出力レベル情報は、情報処理装置10が受信した音声データに基づく音声の現在の出力レベルを示してもよい。この場合、表示情報23は、例えば、情報処理装置10における音声の現在の出力レベルを表示する情報となる。いずれの場合でも、情報処理装置20のユーザ(情報処理装置20側の通話参加者)は、表示情報23を視認することで、情報処理装置20で収音された音声が情報処理装置10においてどのくらいのレベルで出力されているかを確認することができる。
【0017】
情報処理装置20のユーザは、表示情報23を視認した上で、情報処理装置10におけるレベル設定値12を変更するための変更操作を行うことができる。情報処理装置20は、変更操作を受け付けると、変更操作に応じた変更内容を示す変更指示を情報処理装置10に送信する(ステップS5)。変更指示には、例えば、レベル設定値12についての変更後の値が含まれる。あるいは、変更指示には、レベル設定値12の増加量または減少量が含まれてもよい。また、変更指示は、レベル設定値12の増加または減少を指示する情報であってもよい。情報処理装置10は、変更指示を受信すると、変更指示に基づいてレベル設定値12を変更する(ステップS6)。
【0018】
以上の通話システムでは、情報処理装置20のディスプレイ22に、他方の情報処理装置10における音声の出力レベルに関する表示情報23が表示される。情報処理装置20のユーザは、表示情報23を視認することで、情報処理装置20で収音された音声が、情報処理装置10のスピーカ11から適正な出力レベルで出力されているかを確認できる。そして、ユーザは、出力レベルが適正でないと判断した場合に、その出力レベルについてのレベル設定値12の変更操作を行うことで、出力レベルを適正化することができる。
【0019】
〔第2の実施の形態〕
【0020】
次に、通話システムの例として、テレビ会議が行われるシステムについて説明する。
【0021】
図2は、第2の実施の形態に係るテレビ会議システムの構成例を示す図である。
図2に示すテレビ会議システムは、制御サーバ50と端末装置100a,100b,100c,・・・を含む。
【0022】
制御サーバ50は、端末装置間における画像および音声による通話を制御するサーバコンピュータである。例えば、端末装置100a,100bの間でテレビ会議が行われる場合、制御サーバ50は、端末装置100aで収音された音声のデータと端末装置100aで撮影された画像のデータとを受信して、端末装置100bに送信する。これとともに、制御サーバ50は、端末装置100bで収音された音声のデータと端末装置100bで撮影された画像のデータとを受信して、端末装置100aに送信する。
【0023】
端末装置100a,100b,100c,・・・は、テレビ会議の参加者が使用する通話端末であり、例えば、ノート型やデスクトップ型のパーソナルコンピュータ、スマートフォンなどの情報処理装置である。端末装置100a,100b,100c,・・・のそれぞれには、ディスプレイ、カメラ、スピーカ、マイクロフォンが搭載または接続されている。テレビ会議が行われる一方の端末装置は、マイクロフォンで収音された音声のデータとカメラで撮影された画像のデータとを制御サーバ50に送信する。これとともに、一方の端末装置は、他方の端末装置で収音された音声のデータとこの端末装置で撮影された画像のデータとを制御サーバ50から受信し、受信したデータに基づいて音声をスピーカから出力し、画像をディスプレイに表示させる。
【0024】
なお、上記のテレビ会議システムは、3台以上の端末装置の間でのテレビ会議も可能である。
【0025】
また、以下の説明では、端末装置100a,100b,100c,・・・のそれぞれについて、特に区別せずに指し示す場合には、「端末装置100」と記載する場合がある。
【0026】
図3は、端末装置のハードウェア構成例を示す図である。端末装置100は、例えば、
図3に示すようなコンピュータとして実現される。
図3に示す端末装置100は、プロセッサ101、RAM(Random Access Memory)102、SSD(Solid State Drive)103、入力装置104、通信インタフェース(I/F)105、ディスプレイ106、カメラ107、スピーカ108、マイクロフォン109および読み取り装置110を備える。
【0027】
プロセッサ101は、端末装置100全体を統括的に制御する。プロセッサ101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはPLD(Programmable Logic Device)である。また、プロセッサ101は、CPU、MPU、DSP、ASIC、PLDのうちの2以上の要素の組み合わせであってもよい。
【0028】
RAM102は、端末装置100の主記憶装置として使用される。RAM102には、プロセッサ101に実行させるOS(Operating System)プログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、プロセッサ101による処理に必要な各種データが格納される。
【0029】
SSD103は、端末装置100の補助記憶装置として使用される。SSD103には、OSプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、補助記憶装置としては、HDD(Hard Disk Drive)などの他の種類の不揮発性記憶装置を使用することもできる。
【0030】
入力装置104は、ユーザによる操作入力を受け付け、操作入力に応じた信号をプロセッサ101に送信する。入力装置104としては、例えば、キーボードやポインティングデバイスなどが使用される。ポインティングデバイスとしては、例えば、マウス、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボールなどが使用される。
【0031】
通信インタフェース105は、ネットワーク60を介して、制御サーバ50などの他の装置との間でデータの送受信を行う。
【0032】
ディスプレイ106は、プロセッサ101からの命令にしたがって画像を表示する。ディスプレイ106としては、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイなどが使用される。カメラ107は、画像を撮影し、撮影された画像のデータをプロセッサ101に送信する。スピーカ108は、プロセッサ101からの命令にしたがって音声を出力する。マイクロフォン109は、音声を収音し、収音された音声のデータをプロセッサ101に送信する。なお、ディスプレイ106、カメラ107、スピーカ108、マイクロフォン109の少なくとも1つは、端末装置100の外部に接続されていてもよい。
【0033】
読み取り装置110には、可搬型記録媒体111が脱着される。読み取り装置110は、可搬型記録媒体111に記録されたデータを読み取ってプロセッサ101に送信する。可搬型記録媒体111としては、例えば、光ディスク、半導体メモリなどが使用される。
【0034】
以上のようなハードウェア構成によって、端末装置100の処理機能を実現することができる。なお、制御サーバ50についても、プロセッサや主記憶装置、補助記憶装置などを含むコンピュータとして実現可能である。
【0035】
ところで、テレビ会議では、端末装置100のそれぞれにおいてマイクロフォン109の入力レベル(実際には最大入力レベルまたは感度)やスピーカ108の出力レベル(実際には最大出力レベル)を設定可能になっている。しかし、自装置で収音された音声が相手装置でどのくらいのレベルで出力されているかは、自装置側ではわからない。このため、自装置側の話し手は、自装置側で自分が設定した入力レベルで収音された音声が、受け手側で適切な音量で問題なく聞こえているかを判断できない。また、自装置側から、他装置における音声の出力レベルを制御することもできない。したがって、相手装置における音声の出力レベルを自装置側の話し手が適正化できないという問題がある。
【0036】
そこで、本実施の形態では、端末装置100のそれぞれにおいて、相手装置での音声の出力レベルを表示するとともに、相手装置での音声の出力レベルを制御できるようにする。
【0037】
図4は、端末装置でのテレビ会議の表示画面を示す第1の例である。
図4では例として、2台の端末装置100a,100bの間でテレビ会議が行われており、
図4に示すテレビ会議画面201が端末装置100aのディスプレイ106に表示されているものとする。
図4に示すように、テレビ会議画面201には、自装置(端末装置100a)に対応するウィンドウ210と、相手装置(端末装置100b)に対応するウィンドウ220とが表示される。
【0038】
ウィンドウ210は、画像表示部211、音量表示部212および音量調整部213を含む。画像表示部211には、自装置のカメラによって撮影された画像が表示される。したがって、画像表示部211には通常、自装置を用いてテレビ会議に参加している参加者が写る。音量表示部212には、自装置のスピーカからの音声の出力レベルが表示される。音量表示部212に表示される出力レベルは、相手装置から送信された音声についての現在の音量を示しており、音量の変化に応じて変動する。音量調整部213には、自装置のスピーカからの音声の最大出力レベルの設定値が、スライダ214の位置によって表示される。また、端末装置100aのユーザは、スライダ214の位置を移動させる操作を行うことで、自装置における最大出力レベルの設定値を変更することができる。
【0039】
ウィンドウ220は、画像表示部221、音量表示部222および音量調整部223を含む。画像表示部221には、相手装置のカメラによって撮影され、相手装置から送信された画像が表示される。したがって、画像表示部221には通常、相手装置を用いてテレビ会議に参加している参加者が写る。音量表示部222には、相手装置のスピーカからの音声の出力レベルが表示される。音量表示部222に表示される出力レベルは、自装置で収音され、自装置から送信された音声についての現在の音量を示しており、音量の変化に応じて変動する。音量調整部223には、相手装置のスピーカからの音声の最大出力レベルの設定値が、スライダ224の位置によって表示される。また、端末装置100aのユーザは、スライダ224の位置を移動させる操作を行うことで、相手装置における最大出力レベルの設定値を変更することができる。
【0040】
このように、相手装置に対応するウィンドウ220に、通話相手の画像に加えて音量表示部222および音量調整部223が表示される。自装置(端末装置100a)のユーザは、音量表示部222のレベル表示や音量調整部223のスライダ224の位置を視認することで、自装置で収音された音声が相手装置でどのくらいのレベルで出力されているかを認識できる。そして、ユーザは、これらの少なくとも一方の認識の結果に基づき、スライダ224の位置を変化させる操作を行うことで、相手装置における音声の出力レベルを制御し、適正な出力レベルに調整できる。
【0041】
図5は、端末装置でのテレビ会議の表示画面を示す第2の例である。
図5は、相手装置が複数存在する場合を例示している。
図5では例として、端末装置100a(自装置)と3台の相手装置#1~#3とによってテレビ会議が行われており、
図5に示すテレビ会議画面202が端末装置100aのディスプレイ106に表示されているものとする。
【0042】
テレビ会議画面202には、自装置に対応するウィンドウ210が表示される。ウィンドウ210は、
図4のウィンドウ210と同様の構成を有している。すなわち、ウィンドウ210は、自装置で撮影された画像が表示される画像表示部211と、自装置での音声の出力レベルが表示される音量表示部212と、音量調整部213とを含む。音量調整部213では、自装置での音声の最大出力レベルがスライダ214によって表示され、スライダ214の移動によってその最大出力レベルを調整することが可能となっている。
【0043】
また、テレビ会議画面202には、相手装置#1~#3にそれぞれ対応するウィンドウ220a~220cが表示される。ウィンドウ220a~220cのそれぞれは、
図5のウィンドウ220と同様の構成を有している。例えば、ウィンドウ220aは、相手装置#1で撮影された画像が表示される画像表示部221aと、相手装置#1での音声の出力レベルが表示される音量表示部222aと、音量調整部223aとを含む。音量調整部223aでは、相手装置#1での音声の最大出力レベルがスライダ224aによって表示され、スライダ224aの移動によってその最大出力レベルを調整することが可能となっている。
【0044】
ウィンドウ220bも同様に、画像表示部221bと、音量表示部222bと、スライダ224bを備えた音量調整部223bとを含む。ウィンドウ220cも同様に、画像表示部221cと、音量表示部222cと、スライダ224cを備えた音量調整部223cとを含む。
【0045】
このように、相手装置のそれぞれに対応するウィンドウに、通話相手の画像に加えて音量表示部および音量調整部が表示される。自装置(端末装置100a)のユーザは、任意の相手装置に対応する音量表示部のレベル表示や音量調整部のスライダの位置を視認することで、自装置で収音された音声がその相手装置でどのくらいのレベルで出力されているかを認識できる。そして、ユーザは、これらの少なくとも一方の確認結果に基づき、スライダの位置を変化させる操作を行うことで、その相手装置における音声の出力レベルを制御し、適正な出力レベルに調整できる。
【0046】
図6は、端末装置間で送信される送信データの構成例を示す図である。
図4、
図5に示したように、自装置において相手装置での音声の出力レベルを表示し、相手装置での音声の最大出力レベルを制御できるようにするために、
図6に示すような送信データが端末装置間で送信される。
図6に示す送信データは、送信先IP(Internet Protocol)アドレス、送信元IPアドレス、送信先レベル設定値、送信元レベル設定値、送信元出力レベル、音声データバイト数、音声データ、画像データバイト数および画像データを含む。
【0047】
送信先IPアドレスは、送信データの送信先端末装置のネットワークアドレスを示す。送信元IPアドレスは、送信データの送信元端末装置のネットワークアドレスを示す。なお、送信先IPアドレスおよび送信元IPアドレスは、送信先および送信元の端末装置を指定する情報の一例であり、このような情報の例としてIPアドレス以外のネットワークアドレスが使用されてもよい。
【0048】
送信先レベル設定値は、送信先端末装置における音声の最大出力レベルの設定値を指定する数値である。この送信先レベル設定値は、送信先端末装置における当該設定値を送信元端末装置から制御するために使用される。送信元レベル設定値は、送信元端末装置における音声の最大出力レベルの設定値を示す数値である。この送信元レベル設定値は、送信先端末装置において当該設定値を表示させるために使用される。送信元出力レベルは、送信元端末装置における現在の音声の出力レベルを示す数値である。この送信元出力レベルは、送信先端末装置において当該出力レベルを表示させるために使用される。
【0049】
音声データバイト数は、送信データに格納された音声データのサイズを示す。音声データは、送信元端末装置で収音された音声のデータである。画像データバイト数は、送信データに格納された画像データのサイズを示す。画像データは、送信元端末装置で撮影された画像のデータである。
【0050】
上記のような送信データは、送信元端末装置から送信先端末装置に対して繰り返し送信される。例えば、送信データに格納される画像データは、撮影された動画像における1フレーム分の画像データであってもよい。この場合、送信データは1フレーム分の画像データが生成されるたびに送信される。
【0051】
図7は、端末装置が備える処理機能の構成例を示す図である。
図7に示すように、端末装置100は、ネットワークドライバ121、ディスプレイドライバ122、サウンドドライバ123、メイン処理部124、エージェント処理部125および出力レベル格納部130を備える。
【0052】
ネットワークドライバ121の処理は、ネットワークドライバプログラムをプロセッサ101が実行することで実現される。ネットワークドライバ121は、ネットワーク60を介した他の装置(制御サーバ50など)との通信を制御する。例えば、ネットワークドライバ121は、
図6に示した送信データを他の端末装置100(相手装置)から制御サーバ50を介して受信し、メイン処理部124に受け渡す。また、ネットワークドライバ121は、メイン処理部124によって生成された送信データを、制御サーバ50を介して送信先の端末装置100に送信する。
【0053】
ディスプレイドライバ122の処理は、ディスプレイドライバプログラムをプロセッサ101が実行することで実現される。ディスプレイドライバ122は、メイン処理部124からの指示に基づいて、テレビ会議画面をディスプレイ106に表示させる。また、ディスプレイドライバ122は、カメラ107によって撮影された画像のデータをメイン処理部124に受け渡す。
【0054】
サウンドドライバ123の処理は、サウンドドライバプログラムをプロセッサ101が実行することで実現される。サウンドドライバ123は、メイン処理部124から受け渡された音声データに基づいて、スピーカ108に音声を出力させる。また、サウンドドライバ123は、マイクロフォン109によって収音された音声のデータをメイン処理部124に受け渡す。
【0055】
メイン処理部124の処理は、テレビ会議用のアプリケーションプログラムをプロセッサ101が実行することで実現される。メイン処理部124は、ビデオ会議に関する処理を制御する。例えば、メイン処理部124は、テレビ会議画面の表示をディスプレイドライバ122に指示する。メイン処理部124は、相手装置から受信した送信データをネットワークドライバ121から取得すると、送信データに格納された画像データをディスプレイドライバ122に受け渡して、相手装置で撮影された画像をビデオ会議画面に表示させるように指示する。これとともに、メイン処理部124は、取得した送信データに格納された音声データをサウンドドライバ123に受け渡して、相手装置で収音された音声を出力するように指示する。
【0056】
また、メイン処理部124は、カメラ107によって撮影された画像のデータをディスプレイドライバ122から取得するとともに、マイクロフォン109によって収音された音声のデータをサウンドドライバ123から取得する。メイン処理部124は、取得した画像データおよび音声データを含む送信データを生成し、生成された送信データを相手装置に送信するようにネットワークドライバ121に指示する。さらに、メイン処理部124は、カメラ107によって撮影された画像をビデオ会議画面に表示させるようにディスプレイドライバ122に指示する。
【0057】
エージェント処理部125は、テレビ会議用のエージェントプログラムをプロセッサ101が実行することで実現される。なお、このエージェントプログラムは、テレビ会議用のアプリケーションプログラムに組み込まれていてもよい。エージェント処理部125は、送信データによって相手装置から指定された音声の最大出力レベルを、サウンドドライバ123に通知して設定させる。これにより、自装置における音声の最大出力レベルの変更が相手装置から指示された場合に、その変更内容が自装置の音声出力に適用される。なお、後述するように、相手装置から指定された音声の最大出力レベルの設定値は、出力レベル格納部130を介してエージェント処理部125に受け渡される。
【0058】
出力レベル格納部130は、RAM102、SSD103などの記憶装置に確保された記憶領域である。出力レベル格納部130には、自装置および相手装置に対応する音声の最大出力レベルの設定値が格納される。
【0059】
図8は、出力レベル格納部に記憶されるデータの構成例を示す図である。
図8に示すように、出力レベル格納部130には、先頭アドレス情報131とレベル格納情報132が記憶される。
【0060】
初期状態では、出力レベル格納部130には先頭アドレス情報131のみが記憶される。このとき、先頭アドレス情報131には先頭アドレスの初期値「0」が設定される。そして、レベル格納情報132が1つ生成されると、生成されたレベル格納情報132の出力レベル格納部130における先頭アドレスが、先頭アドレス情報131に設定される。
【0061】
レベル格納情報132は、テレビ会議に参加している端末装置100ごとに生成される。レベル格納情報132は、次アドレス、端末IPアドレスおよびレベル設定値を含む。次アドレスは、次のレベル格納情報132の出力レベル格納部130における先頭アドレスが設定される。次のレベル格納情報132が存在しない初期状態では、次アドレスとして初期値「0」が設定される。端末IPアドレスは、対応する端末装置100のIPアドレスを示す。レベル設定値は、対応する端末装置100における音声の最大出力レベルの設定値を示す。
【0062】
上記のように、出力レベル格納部130では、先頭アドレス情報131の先頭アドレス、およびレベル格納情報132の次アドレスを用いて、チェーン型の記憶領域が形成される。
【0063】
次に、テレビ会議の実行時における端末装置100の処理について、フローチャートを用いて説明する。
【0064】
図9は、テレビ会議のメイン処理手順を示すフローチャートの例である。
【0065】
[ステップS11]メイン処理部124は、テレビ会議を実行するための初期設定を実行する。例えば、メイン処理部124は、出力レベル格納部130に初期値「0」が設定された先頭アドレス情報131を格納する。また、メイン処理部124は、テレビ会議画面の表示データをディスプレイドライバ122に受け渡して、テレビ会議画面をディスプレイ106に表示させる。このとき、テレビ会議画面上の各ウィンドウに対して、ウィンドウに対応する端末装置のIPアドレスが紐づけられる。
【0066】
[ステップS12]相手装置から送信された送信データを端末装置100(自装置)が受信する。受信された送信データをメイン処理部124がネットワークドライバ121から取得すると、処理がステップS13に進められる。
【0067】
[ステップS13]メイン処理部124は、取得した送信データに含まれる出力レベルの情報を出力レベル格納部130に格納する。この格納処理では、送信元レベル設定値が相手装置に対応するレベル格納情報132に格納され、送信先レベル設定値が自装置に対応するレベル格納情報132に格納される。
【0068】
「出力レベル格納処理」を実行する。
【0069】
[ステップS14]メイン処理部124は、取得した送信データに含まれる音声データを、エージェント処理部125を介してサウンドドライバ123に出力して、音声データに基づく音声の出力を指示する。これにより、送信データの送信元端末装置で収音された音声がスピーカ108から出力される。
【0070】
[ステップS15]メイン処理部124は、取得した送信データに含まれる送信元レベル設定値、送信元出力レベルおよび画像データに基づき、テレビ会議画面上の相手装置(送信データの送信元端末装置)に対応するウィンドウの表示の更新をディスプレイドライバ122に指示する。これにより、該当ウィンドウにおいて、相手装置で撮影された画像が画像表示部に表示され、相手装置での現在の音声の出力レベルが音量表示部に表示され、音量調整部のスライダが、相手装置での音声の最大出力レベルの設定値に応じた位置に配置される。
【0071】
[ステップS16]メイン処理部124は、自装置のマイクロフォン109によって収音された音声のデータを、サウンドドライバ123からエージェント処理部125を介して取得する。また、メイン処理部124は、自装置のスピーカ108からの現在の音声の出力レベルを、サウンドドライバ123からエージェント処理部125を介して取得する。
【0072】
[ステップS17]メイン処理部124は、自装置のカメラ107によって撮影された画像のデータをディスプレイドライバ122から取得する。
【0073】
[ステップS18]メイン処理部124は、テレビ会議画面上の自装置に対応するウィンドウの表示の更新をディスプレイドライバ122に指示する。これにより、該当ウィンドウの画像表示部には、ステップS17で取得された画像データに基づく画像が表示される。また、該当ウィンドウの音量表示部には、ステップS16で取得された音声の出力レベルが表示される。さらに、該当ウィンドウの音量調整部においては、ステップS12で取得された送信データに含まれる送信先レベル設定値に応じた位置にスライダが表示される。
【0074】
[ステップS19]メイン処理部124は、相手装置に送信する送信データを生成する。この送信データにおいては、送信先レベル設定値として、相手装置に対応するレベル格納情報132に設定されたレベル設定値が格納される。このレベル設定値の読み出し元は、ステップS13での送信元レベル設定値の格納先である。相手装置に対応するウィンドウ内の音量調整部の操作によって最大出力レベルの変更が指示されていた場合、変更後の最大出力レベルが送信データの送信先レベル設定値に格納されることになる。
【0075】
また、送信元レベル設定値として、自装置に対応するレベル格納情報132に設定されたレベル設定値が格納され、送信元出力レベルとして、ステップS16で取得された音声データの出力レベルが格納される。前者のレベル設定値の読み出し元は、ステップS13での送信先レベル設定値の格納先である。後者の出力レベルは、例えば、音声データにおける音量の平均値または最大値が格納される。これらの送信元レベル設定値および送信元出力レベルが送信データに格納されることで、自装置における音声の最大出力レベルについての現在の設定値、および自装置における現在の音声の出力レベルが、相手装置に通知されることになる。
【0076】
さらに、音声データとして、ステップS16で取得された音声データが格納され、音声データバイト数として、当該音声データのバイト数が格納される。また、画像データとして、ステップS17で取得された画像データが格納され、画像データバイト数として、当該画像データのバイト数が格納される。
【0077】
[ステップS20]メイン処理部124は、テレビ会議の処理を終了するかを判定する。テレビ会議の終了が指示されていない場合、処理がステップS12に進められ、テレビ会議の終了が指示された場合、処理がステップS21に進められる。
【0078】
[ステップS21]メイン処理部124は、テレビ会議を終了するための後処理を実行する。例えば、メイン処理部124は、テレビ会議画面の表示終了をディスプレイドライバ122に指示し、出力レベル格納部130に格納されたデータを消去する。
【0079】
【0080】
[ステップS31]メイン処理部124は、
図10、
図11の処理で用いられるカウント値として2を設定する。
【0081】
[ステップS32]メイン処理部124は、カウント値を判定する。カウント値が0より大きい場合(1または2の場合)、処理がステップS33に進められる。一方、カウント値が0の場合、出力レベル格納処理が終了する。
【0082】
[ステップS33]カウント値が2の場合、処理がステップS34に進められ、カウント値が1の場合、処理がステップS35に進められる。
【0083】
[ステップS34]メイン処理部124は、
図9のステップS12で取得した送信データから送信元IPアドレスと送信元レベル設定値を取得する。
【0084】
[ステップS35]メイン処理部124は、
図9のステップS12で取得した送信データから送信先IPアドレスと送信先レベル設定値を取得する。
【0085】
[ステップS36]メイン処理部124は、出力レベル格納部130の先頭アドレス情報131から先頭アドレスを取得する。
【0086】
[ステップS37]メイン処理部124は、格納領域のアドレスが0か否かを判定する。ステップS36の次にステップS37が実行された場合、格納領域のアドレスはステップS36で取得された先頭アドレスである。一方、
図11のステップS53の次にステップS37が実行された場合、格納領域のアドレスはステップS53で取得された次アドレスである。格納領域のアドレスが0の場合、処理がステップS38に進められ、格納領域のアドレスが0より大きい場合、処理が
図11のステップS51に進められる。
【0087】
[ステップS38]ステップS37でアドレスが0である場合、ステップS34またはS35で取得されたIPアドレスが示す端末装置に対応するレベル格納情報132が、出力レベル格納部130に存在しない状態である。このため、メイン処理部124は、出力レベル格納部130にレベル格納情報132を新たに生成する。
【0088】
[ステップS39]メイン処理部124は、生成されたレベル格納情報132の先頭アドレスをリンク元に設定する。出力レベル格納部130にレベル格納情報132が1つも存在しない場合、リンク元とは先頭アドレス情報131(ステップS36での先頭アドレスの取得元)となる。一方、出力レベル格納部130にレベル格納情報132が1つ以上存在する場合、リンク元とは出力レベル格納部130における末端のレベル格納情報132の次アドレス(
図11のステップS53でのデータ取得元)となる。
【0089】
[ステップS40]メイン処理部124は、ステップS34またはS35で取得したIPアドレスおよびレベル設定値を、生成されたレベル格納情報132に設定する。これにより、該当する端末装置についての音声の最大出力レベルの設定値が、その端末装置に対応するレベル格納情報132に格納される。
【0090】
[ステップS41]メイン処理部124は、カウント値を1だけ減算する。その後、処理がステップS32に進められる。
【0091】
【0092】
[ステップS51]メイン処理部124は、取得アドレスが示すレベル格納情報132を参照し、そのレベル格納情報132からIPアドレスを取得する。ステップS36,S37,S51の順で処理が進められた場合、取得アドレスはステップS36で取得された先頭アドレスである。一方、ステップS53,S37,S51の順で処理が進められた場合、取得アドレスはステップS53で取得された次アドレスである。
【0093】
[ステップS52]メイン処理部124は、レベル格納情報132から取得したIPアドレスが、ステップS34またはS35で取得したIPアドレス(すなわち、格納対象のレベル設定値に対応する端末装置を示すIPアドレス)と同じかを判定する。IPアドレスが異なる場合、処理がステップS53に進められ、IPアドレスが同じ場合、処理がステップS54に進められる。
【0094】
[ステップS53]このケースでは、ステップS51での参照先のレベル格納情報132が、該当する端末装置(格納対象のレベル設定値に対応する端末装置)に対応する情報ではないケースである。この場合、メイン処理部124は、参照先のレベル格納情報132から次アドレスを取得する。この後、処理が
図10のステップS37に進められる。
【0095】
[ステップS54]メイン処理部124は、ステップS34またはS35で取得したレベル設定値を、ステップS51での参照先のレベル格納情報132に上書きして設定する。これにより、該当する端末装置についての音声の最大出力レベルの設定値が、その端末装置に対応するレベル格納情報132に格納される。この後、処理が
図10のステップS41に進められる。
【0096】
図12は、レベル更新処理の手順を示すフローチャートの例である。
【0097】
[ステップS61]テレビ会議画面上の1つのウィンドウにおいて、音量調整部223のスライダ224の位置を移動させる操作が行われる。これにより、そのウィンドウに対応する端末装置での音声の最大出力レベルの設定値を変更することが指示される。メイン処理部124が、最大出力レベルの変更指示を変更後の設定値とともに受け付けると、処理がステップS62に進められる。
【0098】
[ステップS62]メイン処理部124は、出力レベル格納部130の先頭アドレス情報131から先頭アドレスを取得する。
【0099】
[ステップS63]メイン処理部124は、格納領域のアドレスが0か否かを判定する。ステップS62の次にステップS63が実行された場合、格納領域のアドレスはステップS62で取得された先頭アドレスである。一方、ステップS66の次にステップS63が実行された場合、格納領域のアドレスはステップS66で取得された次アドレスである。格納領域のアドレスが0の場合、処理がステップS64に進められ、格納領域のアドレスが0より大きい場合、処理がステップS65に進められる。
【0100】
[ステップS64]メイン処理部124は、エラーが発生したことを示す情報をディスプレイ106に表示させるようにディスプレイドライバ122に指示する。
【0101】
[ステップS65]メイン処理部124は、取得アドレスが示すレベル格納情報132を参照し、そのレベル格納情報132からIPアドレスを取得する。ステップS62,S63,S65の順で処理が進められた場合、取得アドレスはステップS62で取得された先頭アドレスである。一方、ステップS66,S67,S63の順で処理が進められた場合、取得アドレスはステップS67で取得された次アドレスである。
【0102】
[ステップS66]メイン処理部124は、レベル格納情報132から取得したIPアドレスが、最大出力レベルの変更指示が行われたウィンドウに対応するIPアドレスと同じかを判定する。IPアドレスが異なる場合、処理がステップS67に進められ、IPアドレスが同じ場合、処理がステップS68に進められる。
【0103】
[ステップS67]このケースでは、ステップS65での参照先のレベル格納情報132が、該当ウィンドウに対応する情報ではないケースである。この場合、メイン処理部124は、参照先のレベル格納情報132から次アドレスを取得する。この後、処理がステップS63に進められる。
【0104】
[ステップS68]メイン処理部124は、ステップS61で取得した、最大出力レベルについての変更後の設定値を、ステップS65での参照先のレベル格納情報132におけるレベル設定値に上書きして設定する。これにより、該当ウィンドウに対応する端末装置についての音声の最大出力レベルについての変更後の設定値が、その端末装置に対応するレベル格納情報132に格納される。該当ウィンドウがいずれかの相手装置に対応する場合、この後において、変更後の設定値が
図9のステップS19で読み出されて送信データに送信先レベル設定値として格納され、相手装置に送信される。これにより、相手装置の音声の最大出力レベルの設定値が変更される。
【0105】
図13は、レベル設定処理の手順を示すフローチャートの例である。
【0106】
[ステップS71]エージェント処理部125は、レベル設定処理のための初期設定を実行する。例えば、エージェント処理部125は、音声の最大出力レベルについての現在の設定値をサウンドドライバ123から取得し、取得した設定値を所定の記憶領域に退避させる。
【0107】
[ステップS72]端末装置100が、いずれかの相手装置から送信データを受信する。送信データの受信に応じて
図11、
図12に示した出力レベル格納処理が実行されると、処理がステップS73に進められる。
【0108】
[ステップS73]エージェント処理部125は、受信された送信データに格納されていた送信先IPアドレスを、メイン処理部124から取得する。
【0109】
[ステップS74]エージェント処理部125は、出力レベル格納部130の先頭アドレス情報131から先頭アドレスを取得する。
【0110】
[ステップS75]エージェント処理部125は、格納領域のアドレスが0か否かを判定する。ステップS74の次にステップS75が実行された場合、格納領域のアドレスはステップS74で取得された先頭アドレスである。一方、ステップS79の次にステップS75が実行された場合、格納領域のアドレスはステップS79で取得された次アドレスである。格納領域のアドレスが0の場合、処理がステップS76に進められ、格納領域のアドレスが0より大きい場合、処理がステップS77に進められる。
【0111】
[ステップS76]エージェント処理部125は、エラーが発生したことを示す情報をディスプレイ106に表示させるようにディスプレイドライバ122に指示する。
【0112】
[ステップS77]エージェント処理部125は、取得アドレスが示すレベル格納情報132を参照し、そのレベル格納情報132からIPアドレスを取得する。ステップS74,S75,S77の順で処理が進められた場合、取得アドレスはステップS74で取得された先頭アドレスである。一方、ステップS78,S79,S75の順で処理が進められた場合、取得アドレスはステップS79で取得された次アドレスである。
【0113】
[ステップS78]エージェント処理部125は、レベル格納情報132から取得したIPアドレスがステップS73で取得したIPアドレス(すなわち、自装置を示すIPアドレス)と同じかを判定する。IPアドレスが異なる場合、処理がステップS79に進められ、IPアドレスが同じ場合、処理がステップS80に進められる。
【0114】
[ステップS79]このケースでは、ステップS77での参照先のレベル格納情報132が自装置に対応する情報ではないケースである。この場合、エージェント処理部125は、参照先のレベル格納情報132から次アドレスを取得する。この後、処理がステップS75に進められる。
【0115】
[ステップS80]エージェント処理部125は、ステップS77での参照先のレベル格納情報132からレベル設定値を取得する。エージェント処理部125は、取得したレベル設定値をサウンドドライバ123に通知して、音声の最大出力レベルを取得したレベル設定値に設定するように指示する。これにより、相手装置から指示された最大出力レベルが自装置の音声出力動作に適用される。
【0116】
[ステップS81]エージェント処理部125は、レベル設定処理を終了するかを判定する。例えば、テレビ会議の終了が指示された場合に、レベル設定処理を終了すると判定される。レベル設定処理を継続すると判定された場合、処理がステップS72に進められ、レベル設定処理を終了すると判定された場合、処理がステップS82に進められる。
【0117】
[ステップS82]エージェント処理部125は、レベル設定処理を終了するための後処理を実行する。例えば、エージェント処理部125は、ステップS71で退避された、音声の最大出力レベルについての現在の設定値を退避先から取得し、その設定値をサウンドドライバ123に通知して、音声の最大出力レベルを取得した設定値に設定するように指示する。
【0118】
次に、第2の実施の形態における処理の一部を変形した変形例について説明する。
【0119】
<第1の変形例>
【0120】
図14は、第1の変形例におけるテレビ会議画面の表示例を示す図である。なお、
図14では、
図4と同じ構成要素には同じ符号を付して示している。
【0121】
図14に示すテレビ会議画面203には、自装置に対応するウィンドウ210dと相手装置に対応するウィンドウ220dが表示されている。ウィンドウ210dは、
図4と同様に、自装置で撮影された画像が表示される画像表示部211と、スライダ214の位置によって音声の最大出力レベルの設定値が表示される音量調整部213とを含むが、
図4の音量表示部212は含まれない。ウィンドウ220dは、
図4と同様に、相手装置で撮影された画像が表示される画像表示部221と、スライダ224の位置によって音声の最大出力レベルの設定値が表示される音量調整部223とを含むが、
図4の音量表示部222は含まれない。
【0122】
上記のテレビ会議画面203によれば、自装置のユーザは、スライダ224の位置によって、相手装置における音声の最大出力レベルの設定値を認識できる。これによりユーザは、自装置で収音された音声が相手装置でどのくらいのレベルで出力されているかを認識できる。そして、ユーザは、このような認識の結果に基づき、スライダ224の位置を変化させる操作を行うことで、相手装置における音声の出力レベルを制御し、適正な出力レベルに調整できる。
【0123】
なお、第1の変形例においては、
図6に示した送信データに含まれるデータのうち、送信元出力レベルが不要となる。
【0124】
<第2の変形例>
【0125】
図15は、第2の変形例におけるテレビ会議画面の表示例を示す図である。なお、
図15では、
図4と同じ構成要素には同じ符号を付して示している。
【0126】
上記の第2の実施の形態では、音量調整部ではスライダの位置によって音声の最大出力レベルの設定値が表示されていた。しかし、音量表示部において音声の出力レベルを視認できれば、音量調整部では音声の最大出力レベルの設定値の調整のみ可能であってもよい。
【0127】
図15に示すテレビ会議画面204には、自装置に対応するウィンドウ210eと相手装置に対応するウィンドウ220eが表示されている。ウィンドウ210eは、自装置で撮影された画像が表示される画像表示部211と、自装置のスピーカからの音声の出力レベルが表示される音量表示部212と、音量調整部215とを含む。音量調整部215はプラスボタンとマイナスボタンを含み、プラスボタンの押下操作によって自装置における音声の最大出力レベルの設定値を上げ、マイナスボタンの押下操作によってその設定値を下げることが可能となっている。
【0128】
また、ウィンドウ220eは、相手装置で撮影された画像が表示される画像表示部221と、相手装置のスピーカからの音声の出力レベルが表示される音量表示部222と、音量調整部225とを含む。音量調整部225はプラスボタンとマイナスボタンを含み、プラスボタンの押下操作によって相手装置における音声の最大出力レベルの設定値を上げ、マイナスボタンの押下操作によってその設定値を下げることが可能となっている。
【0129】
上記のテレビ会議画面204によれば、自装置のユーザは、音量表示部222のレベル表示によって、自装置で収音された音声が相手装置でどのくらいのレベルで出力されているかを認識できる。そして、ユーザは、このような認識の結果に基づき、音量調整部225に対する操作を行うことで、相手装置における音声の出力レベルを制御し、適正な出力レベルに調整できる。
【0130】
なお、第2の変形例においては、例えば、プラスボタン、マイナスボタンの1回の押下により、レベル格納情報132に設定されたレベル設定値が所定量だけ増減される。この場合、送信データの構成は
図6と同じであってよく、この送信データにおいては、送信先レベル設定値に対して増減されたレベル設定値が格納されることになる。
【0131】
別の例として、送信データには、送信先レベル設定値の代わりにレベル設定値の増減量が設定されてもよい。例えば、プラスボタン、マイナスボタンの1回の押下により、10段階のレベル設定値のうち1段階の増減が指示されるとする。この場合、プラスボタンが1回押下されると上記の増減量として+1と設定され、マイナスボタンが1回押下されると増減量として-1が設定される。なお、このように送信データにレベル設定値の増減量が設定される場合、送信データに含まれるデータのうち、送信元レベル設定値は不要となる。
【0132】
<第3の変形例>
【0133】
図16は、第3の変形例におけるテレビ会議画面の表示例を示す図である。なお、
図16では、
図4と同じ構成要素には同じ符号を付して示している。
【0134】
図16に示すテレビ会議画面205には、自装置に対応するウィンドウ210と相手装置に対応するウィンドウ220fが表示されている。ウィンドウ210は、
図4のウィンドウ210と同様の画面構成となっている。一方、ウィンドウ220fは、
図4の画像表示部221、音量表示部222および音量調整部223に加えて、入力レベル表示部226および入力レベル調整部227を含む。
【0135】
入力レベル表示部226には、相手装置のマイクロフォンによって収音された音声についての現在の入力レベルが表示される。入力レベル表示部226に表示される入力レベルは、収音された音声の音量変化に応じて変動する。入力レベル調整部227には、相手装置のマイクロフォンによって収音される音声についての最大入力レベルの設定値が、スライダ228の位置によって表示される。自装置のユーザは、スライダ228の位置を移動させる操作を行うことで、相手装置における最大入力レベルの設定値を変更することができる。
【0136】
このような表示により、自装置のユーザは、入力レベル表示部226のレベル表示や入力レベル調整部227のスライダ228の位置を視認することで、相手装置において相手装置側の参加者の音声がどれくらいのレベルで入力されているかを認識できる。そして、ユーザは、これらの少なくとも一方の認識の結果に基づき、スライダ228の位置を変化させる操作を行うことで、相手装置における音声の入力レベルを制御し、適正な入力レベルに調整できる。
【0137】
第3の変形例では、例えば、
図6に示した通信データに対してさらに、送信先入力レベル設定値、送信元入力レベル設定値および送信元入力レベルが格納される。この場合、端末装置間で次のような処理が実行される。
【0138】
一方の端末装置は、送信元入力レベル設定値として、自装置のマイクロフォンによって収音された音声についての最大入力レベルの設定値を格納する、また、一方の端末装置は、送信元入力レベルとして、自装置のマイクロフォンによって収音された音声についての現在の入力レベルを格納する。一方の端末装置は、このようにして生成された送信データを他方の端末装置に送信する。
【0139】
他方の端末装置は、このような送信データを受信すると、送信元入力レベル設定値に基づいて入力レベル調整部227におけるスライダ228の位置を決定し、送信元入力レベルに基づいて入力レベル表示部226のレベル表示を行う。また、スライダ228の位置が移動されると、他方の端末装置は、変更されたスライダ228の位置に応じた変更後の入力レベル設定値を、送信データの送信先入力レベル設定値として格納する。他方の端末装置は、このようにして生成された送信データを一方の端末装置に送信する。
【0140】
一方の端末装置は、このような送信データを受信すると、送信データの送信先入力レベル設定値を、自装置のマイクロフォンによる最大入力レベルの設定値として適用する。このようにして、他方の端末装置から一方の端末装置に対して、最大入力レベルの設定値の変更指示を送信することが可能となる。
【0141】
なお、実際の処理では、例えば、レベル格納情報132に入力レベル設定値がさらに設定される。この場合、端末装置は、受信した送信データから取得した送信先入力レベル設定値を、送信データの送信元装置に対応するレベル格納情報132の入力レベル設定値として設定する。端末装置は、設定された入力レベル設定値を、端末装置のマイクロフォンによる最大入力レベルの設定値として適用する。また、この設定値の変更操作が行われると、端末装置は、変更後の設定値を、対応するレベル格納情報132の入力レベル設定値として設定する。端末装置は、設定された入力レベル設定値を、送信データの送信先入力レベル設定値として設定し、この送信データを送信する。
【0142】
なお、上記の各実施の形態に示した装置(例えば、情報処理装置10,20、端末装置100a,100b,100c,・・・)の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、各装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供され、そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、半導体メモリなどがある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc:BD、登録商標)などがある。
【0143】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CDなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0144】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムまたはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
【符号の説明】
【0145】
10,20 情報処理装置
11 スピーカ
12 レベル設定値
21 マイクロフォン
22 ディスプレイ
23 表示情報
S1~S6 ステップ