(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068243
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】エレベータ乗場電源装置および電力供給方法
(51)【国際特許分類】
B66B 1/06 20060101AFI20240513BHJP
B66B 1/34 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
B66B1/06 K
B66B1/34 A
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178540
(22)【出願日】2022-11-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003568
【氏名又は名称】弁理士法人加藤国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中野 雄介
【テーマコード(参考)】
3F502
【Fターム(参考)】
3F502HB06
3F502JA38
3F502JA61
3F502KA05
3F502MA02
(57)【要約】
【課題】操作表示器具の消費電流が少ない状態で動作した場合でも、無駄な電力の消費を抑えることができるエレベータ乗場電源装置を提供する。
【解決手段】エレベータ乗場電源装置1は、第1の操作表示器具20に直流電力を供給する第1の電源部31と、第2の操作表示器具40に直流電力を供給可能な第2の電源部51と、第1の電源部31と第2の電源部51のいずれかから第2の操作表示器具40への直流電力の供給元を選択する選択スイッチ53,55と、第1の消費電流推定部26で推定した第1の操作表示器具20の消費電流値と第2の消費電流推定部46で推定した第2の操作表示器具40の消費電流値とに基づいて、第1の電源部31と第2の電源部51のいずれかを選択するように選択スイッチ53,55を制御する電源決定部47とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の乗場にそれぞれ設置された操作表示器具に電力を供給するエレベータ乗場電源装置であって、
前記複数の乗場のうち第1の乗場に設置された第1の操作表示器具に直流電力を供給する第1の電源部と、
前記複数の乗場のうち第2の乗場に設置された第2の操作表示器具に直流電力を供給可能な第2の電源部と、
前記第1の操作表示器具の消費電流値を推定する第1の消費電流推定部と、
前記第2の操作表示器具の消費電流値を推定する第2の消費電流推定部と、
前記第1の電源部と前記第2の電源部のいずれかから前記第2の操作表示器具への直流電力の供給元を選択する選択スイッチと、
前記第1の消費電流推定部で推定した前記第1の操作表示器具の消費電流値と前記第2の消費電流推定部で推定した前記第2の操作表示器具の消費電流値とに基づいて、前記第1の電源部と前記第2の電源部のいずれかを選択するように前記選択スイッチを制御するスイッチ制御部とを備えるエレベータ乗場電源装置。
【請求項2】
前記スイッチ制御部は、前記第1の電源部の定格出力電流値から前記第1の操作表示器具の消費電流値を減算した差分電流値が前記第2の操作表示器具の消費電流値以上の場合には、前記第1の電源部を選択するように前記選択スイッチを制御し、前記差分電流値が前記第2の操作表示器具の消費電流値未満の場合には、前記第2の電源部を選択するように前記選択スイッチを制御する請求項1記載のエレベータ乗場電源装置。
【請求項3】
前記第1の操作表示器具および前記第2の操作表示器具に対して動作を指示する動作制御部を更に備え、
前記第1の消費電流推定部および前記第2の消費電流推定部は、前記動作制御部からそれぞれ送信される指示情報に基づいて消費電流値を推定する請求項1または請求項2に記載のエレベータ乗場電源装置。
【請求項4】
前記第1の消費電流推定部および前記第2の消費電流推定部は、消費電流データをそれぞれ備え、前記第1の消費電流推定部および前記第2の消費電流推定部は、前記動作制御部から送信される指示情報と前記消費電流データとから消費電流値を推定する請求項3記載のエレベータ乗場電源装置。
【請求項5】
前記選択スイッチは、前記第1の電源部から直流電力を供給する電力線上に設けられた第1のスイッチと、前記第2の電源部から直流電力を供給する電力線上に設けられた第2のスイッチとを有し、
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとは、一方がオンのときに他方がオフになるように制御され、スイッチを切り換える際には、オフであったスイッチをオンにして両スイッチが一旦オンとなった後に、オンであったスイッチをオフにする請求項1記載のエレベータ乗場電源装置。
【請求項6】
前記複数の乗場のうち第3の乗場に設置された第3の操作表示器具に直流電力を供給可能な第3の電源部と、
前記第3の操作表示器具の消費電流値を推定する第3の消費電流推定部と、
前記第1の電源部と前記第3の電源部のいずれかから前記第3の操作表示器具への直流電力の供給元を選択する第2の選択スイッチと、
前記第1の消費電流推定部で推定した前記第1の操作表示器具の消費電流値と前記第2の消費電流推定部で推定した前記第2の操作表示器具の消費電流値と前記第3の消費電流推定部で推定した前記第3の操作表示器具の消費電流値とに基づいて、前記第1の電源部と前記第3の電源部のいずれかを選択するように前記第2の選択スイッチを制御する第2のスイッチ制御部とを備える請求項1または請求項2に記載のエレベータ乗場電源装置。
【請求項7】
前記第2のスイッチ制御部は、前記第1の電源部の定格出力電流値から前記第1の操作表示器具の消費電流値と前記第2の操作表示器具の消費電流値とを減算した第2の差分電流値が前記第3の操作表示器具の消費電流値以上の場合には、前記第1の電源部を選択するように前記選択スイッチを制御し、前記第2の差分電流値が前記第3の操作表示器具の消費電流値未満の場合には、前記第3の電源部を選択するように前記選択スイッチを制御する請求項6記載のエレベータ乗場電源装置。
【請求項8】
前記第2の選択スイッチは、前記第1の電源部から直流電力を供給する電力線上に設けられた第3のスイッチと、前記第3の電源部から直流電力を供給する電力線上に設けられた第4のスイッチとを有し、
前記第3のスイッチと前記第4のスイッチとは、一方がオンのときに他方がオフになるように制御され、スイッチを切り換える際には、オフであったスイッチをオンにして両スイッチが一旦オンとなった後に、オンであったスイッチをオフにする請求項6記載のエレベータ乗場電源装置。
【請求項9】
第1の乗場に設置された第1の操作表示器具に直流電力を供給する第1の電源部と、第2の乗場に設置された第2の操作表示器具に直流電力を供給可能な第2の電源部とを備えたエレベータ乗場電源装置における電力供給方法であって、
前記第1の操作表示器具の消費電流値と前記第2の操作表示器具の消費電流値とを推定して、推定した前記第1の操作表示器具の消費電流値と前記第2の操作表示器具の消費電流値とに基づいて、前記第1の電源部と前記第2の電源部のいずれかから前記第2の操作表示器具への直流電力の供給元を選択する電力供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレベータ乗場電源装置および電力供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的なエレベータ乗場電源装置は、各階のエレベータ乗場に設置されたインジケーター、押し釦などを有する操作表示器具に対して、各階に設置されたAC-DC電源から直流電力を供給することで動作している。AC-DC電源にはエレベータ制御盤から電力が供給されており、エレベータの起動によりAC-DC電源から操作表示器具に電力が供給される。操作表示器具は、エレベータの動作により動作状態が変わり、消費電流も変動している。AC-DC電源は操作表示器具の最大消費電流を供給可能な定格容量の物を使用しているため、定格容量からみて消費電流に十分余裕のある状態で操作表示器具が動作することも多く、この場合、AC-DC電源の力率の関係で無駄な電力を消費している。
特許文献1には、エレベータが待機モードになると、交流電源ラインに設けたスイッチを開放し、最上階の乗場電源以外の乗場電源を遮断して省エネを図る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された従来のエレベータ乗場電源装置は、待機モードの時にしか省エネが期待できない。このため、待機モード以外の通常の動作では、上述したような無駄な電力を消費してしまうといった課題を有していた。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、省エネ性能に優れたエレベータ乗場電源装置および電力供給方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るエレベータ乗場電源装置は、複数の乗場にそれぞれ設置された操作表示器具に電力を供給する。エレベータ乗場電源装置は、複数の乗場のうち第1の乗場に設置された第1の操作表示器具に直流電力を供給する第1の電源部と、複数の乗場のうち第2の乗場に設置された第2の操作表示器具に直流電力を供給可能な第2の電源部と、第1の操作表示器具の消費電流値を推定する第1の消費電流推定部と、第2の操作表示器具の消費電流値を推定する第2の消費電流推定部とを備える。
また、エレベータ乗場電源装置は、第1の電源部と第2の電源部のいずれかから第2の操作表示器具への直流電力の供給元を選択する選択スイッチと、第1の消費電流推定部で推定した第1の操作表示器具の消費電流値と第2の消費電流推定部で推定した第2の操作表示器具の消費電流値とに基づいて、第1の電源部と第2の電源部のいずれかを選択するように選択スイッチを制御するスイッチ制御部とを備える。
【0007】
また、本開示に係る電力供給方法は、第1の乗場に設置された第1の操作表示器具に直流電力を供給する第1の電源部と、第2の乗場に設置された第2の操作表示器具に直流電力を供給可能な第2の電源部とを備えたエレベータ乗場電源装置における電力供給方法であって、第1の操作表示器具の消費電流値と、第2の操作表示器具の消費電流値とを推定して、推定した第1の操作表示器具の消費電流値と第2の操作表示器具の消費電流値とに基づいて、第1の電源部と第2の電源部のいずれかから第2の操作表示器具への直流電力の供給元を選択する。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係るエレベータ乗場電源装置および電力供給方法は、省エネ性能に優れるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係るエレベータ乗場電源装置の全体構成を示すブロック図である。
【
図2】スイッチング電源の力率と消費電流の関係を示す図である。
【
図3】実施の形態1に係るエレベータ乗場電源装置の動作を示すフローチャートである。
【
図4】実施の形態1に係るエレベータ乗場電源装置の動作を示すフローチャートである。
【
図5】実施の形態1に係るエレベータ乗場電源装置の動作を示すフローチャートである。
【
図6】実施の形態1に係るエレベータ乗場電源装置の全体構成を示すブロック図である。
【
図7】実施の形態1に係るエレベータ乗場電源装置の全体構成を示すブロック図である。
【
図8】実施の形態1に係るエレベータ乗場電源装置の全体構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態に係るエレベータ乗場電源装置および電力供給方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
実施の形態1.
【0011】
***構成の説明***
図1は、実施の形態1に係るエレベータ乗場電源装置1の全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、エレベータ乗場電源装置1は、制御盤10と、最上階であるN階のエレベータ乗場に設置された操作表示器具20と、N階に設置され、操作表示器具20に電力を供給する電源ボックス30とを備えている。また、エレベータ乗場電源装置1は、最上階の一つ下の階であるN-1階のエレベータ乗場に設置された操作表示器具40と、N-1階に設置され、操作表示器具40に電力を供給可能な電源ボックス50とを備えている。
【0012】
さらに、エレベータ乗場電源装置1は、最上階の二つ下の階であるN-2階のエレベータ乗場に設置された操作表示器具60と、N-2階に設置され、操作表示器具60に電力を供給可能な電源ボックス70とを備えている。
【0013】
なお、エレベータを設置した建物が4階以上の場合には、N-2階より下の各階のエレベータ乗場にも、同様に操作表示器具と電源ボックスとが設けられている(図示せず)。また、N階は最上階以外の特定の階でもよい。この場合、N階の一つ上の階であるN+1階に、操作表示器具40と電源ボックス50とが設置されていてもよい。同様に、N階の二つ上の階であるN+2階に、操作表示器具60と電源ボックス70とが設置されていてもよい。
【0014】
制御盤10は、各階の電源ボックス30,50,70に交流電力を供給する交流電源11と、各階の操作表示器具20,40,60に対して動作を指示する動作制御部12とを備えている。
なお、各階の電源ボックス30,50,70への交流電力の供給元は、制御盤10に設置された交流電源11に限定されず、例えば、制御盤10の外部に設置された交流電源であってもよい。
【0015】
操作表示器具20には、エレベータかごの通過階を表示するインジケーター21と、エレベータ乗場にアナウンスを流すスピーカー22と、エレベータかごを呼ぶための呼び釦23とが設けられている。また、操作表示器具20には、操作表示基板24が内蔵され、操作表示基板24には、CPU(Central Processing Unit)25が実装されている。CPU25には、操作表示器具20の消費電流を推定する消費電流推定部26が設けられ、消費電流推定部26には、消費電流データ27が保持されている。
電源ボックス30には、交流電力を直流電力に変換するAC-DC電源31が実装されている。
【0016】
操作表示器具40には、エレベータかごの通過階を表示するインジケーター41と、エレベータ乗場にアナウンスを流すスピーカー42と、エレベータかごを呼ぶための呼び釦43とが設けられている。また、操作表示器具40には、操作表示基板44が内蔵され、操作表示基板44には、CPU45が実装されている。CPU45には、操作表示器具40の消費電流を推定する消費電流推定部46と、直流電力の供給元の電源を選択するスイッチ制御部47とが設けられている。消費電流推定部46には、消費電流データ48が保持されている。
電源ボックス50には、交流電力を直流電力に変換するAC-DC電源51と、操作表示基板44に供給する直流電力の供給元を切り換える分岐基板52とが内蔵されている。
【0017】
同様に、操作表示器具60には、エレベータかごの通過階を表示するインジケーター61と、エレベータ乗場にアナウンスを流すスピーカー62と、エレベータかごを呼ぶための呼び釦63とが設けられている。また、操作表示器具60には、操作表示基板64が内蔵され、操作表示基板64には、CPU65が実装されている。CPU65には、操作表示器具60の消費電流を推定する消費電流推定部66と、直流電力の供給元の電源を選択するスイッチ制御部67とが設けられている。消費電流推定部66には、消費電流データ68が保持されている。
電源ボックス70には、交流電力を直流電力に変換するAC-DC電源71と、操作表示基板64に供給する直流電力の供給元を切り換える分岐基板72とが内蔵されている。
【0018】
各階の呼び釦23,43,63には、LEDランプが内蔵されており、呼び釦23,43,63の押下によって、エレベータかごが到着するまでの間、LEDランプが点灯する。LEDランプの点灯によって、各ユーザは自分のいる階にエレベータかごが停止することを把握することができる。
【0019】
また、消費電流データ27,48,68は、例えば、
・インジケーターに「1」を表示:0.2A
・インジケーターに「21」を表示:0.5A
・インジケーターに「22」を表示:0.6A
・呼び釦のLEDランプを点灯:0.5A
・スピーカーのアナウンス:0.3A
といったデータである。ここで、インジケーターへの階数表示の消費電流データが「1」と「21」と「22」とで異なるのは、ドットマトリクス表示させるLEDの点灯数によって消費電流が異なるからである。
【0020】
なお、操作表示器具20,40,60には、インジケーター21,41,61、スピーカー22,42,62、呼び釦23,43,63以外にも、ユーザの有無を検知する人感センサなどが設けられていてもよい。
【0021】
交流電源11と複数のAC-DC電源31,51,71のそれぞれとは、交流電力線80で並列に接続され、交流電源11から各AC-DC電源31,51,71に交流電力が供給される。AC-DC電源31と操作表示基板24とは、直流電力線81で接続され、AC-DC電源31で変換された直流電力が操作表示基板24に供給される。
【0022】
一方、AC-DC電源31,51のそれぞれと操作表示基板44とは、直流電力線81で接続されている。操作表示基板44とAC-DC電源31との間の直流電力線81には、オンオフを切り換える第1のスイッチ53と、AC-DC電源31から操作表示基板44の方向のみに電流を通す第1のダイオード54とが設けられている。また、操作表示基板44とAC-DC電源51との間の直流電力線81には、オンオフを切り換える第2のスイッチ55と、AC-DC電源51から操作表示基板44の方向のみに電流を通す第2のダイオード56とが設けられている。
【0023】
第1のスイッチ53と第2のスイッチ55とは、一方がオンのときに他方がオフになるようにスイッチ制御部47によって制御され、操作表示基板44に供給される直流電力の供給元がAC-DC電源31とAC-DC電源51のいずれかから選択される。
ここで、直流電力線81の一部は分岐基板52に形成され、分岐基板52に形成された直流電力線81上に第1のスイッチ53、第1のダイオード54、第2のスイッチ55および第2のダイオード56が実装されている。
【0024】
第1のスイッチ53と第2のスイッチ55を制御して、オンとなるスイッチを切り換える際には、スイッチ制御部47は、オフであったスイッチをオンにして両スイッチが一旦オンになった後に、オンであったスイッチをオフにするよう制御する。このように制御することによって、操作表示基板44への直流電流の供給が途切れず、操作表示器具40を安定的に動作させることができる。
【0025】
次に、AC-DC電源31,51,71のそれぞれと操作表示基板64とは、直流電力線81で接続されている。操作表示基板64とAC-DC電源31,51との間の直流電力線81には、オンオフを切り換える第1のスイッチ73と、AC-DC電源31,51から操作表示基板64の方向のみに電流を通す第1のダイオード74とが設けられている。また、操作表示基板64とAC-DC電源71との間の直流電力線81には、オンオフを切り換える第2のスイッチ75と、AC-DC電源71から操作表示基板64の方向のみに電流を通す第2のダイオード76とが設けられている。
【0026】
第1のスイッチ73と第2のスイッチ75は、一方がオンのときに他方がオフになるようにスイッチ制御部67によって制御され、操作表示基板64に供給される直流電力の供給元がAC-DC電源31,51とAC-DC電源71とのいずれかから選択される。
ここで、直流電力線81の一部は分岐基板72に形成され、分岐基板72に形成された直流電力線81上に第1のスイッチ73、第1のダイオード74、第2のスイッチ75および第2のダイオード76が実装されている。
【0027】
第1のスイッチ73と第2のスイッチ75を制御して、オンとなるスイッチを切り換える際には、スイッチ制御部67は、オフであったスイッチをオンにして両スイッチが一旦オンになった後に、オンであったスイッチをオフにするよう制御する。このように制御することによって、操作表示基板64への直流電流の供給が途切れず、操作表示器具60を安定的に動作させることができる。
【0028】
動作制御部12とCPU25,45,65とは、信号線82で相互に接続されている。このため、信号線82を介して、制御盤10とCPU25,45,65の間でそれぞれ通信を行うことができる。
【0029】
図2は、AC-DC電源31,51,71の力率と出力電流の関係を示す図である。
図2に示すように、AC-DC電源31,51,71は、電圧が100V、200V、230Vのいずれの場合においても、出力電流が少なくなるにつれて、力率が低くなっていることが分かる。このため、AC-DC電源31,51,71の定格出力電流(例えば、1.0A)に比べて、操作表示器具20,40,60での消費電流が少ない場合、無駄な電力を消費することとなる。
【0030】
そこで、各階の操作表示器具20,40,60の消費電流がいずれも多い状態では、各階に設置されたAC-DC電源31,51,71から操作表示器具20,40,60にそれぞれ電力を供給し、消費電流が少ない状態では、一つのAC-DC電源から複数の操作表示器具に電力を供給するよう電力供給ラインを切り換えている。このように、電力供給ラインを切り換えて電力供給元となったAC-DC電源では、力率の高い領域で電力を供給することができる。その結果、本実施の形態に係るエレベータ乗場電源装置1は、高い省エネ性能を得ることができる。
【0031】
***動作の説明***
次に、本実施の形態に係るエレベータ乗場電源装置1の動作について説明する。
まず、制御盤10の動作を
図3のフローチャートに基づいて説明する。
図3に示すように、制御盤10の動作制御部12は、各種情報を収集する(ステップS10)。情報には、エレベータかごの運用情報、各階の呼び釦23,43,63のいずれかが押下されたことを示す情報などがある。動作制御部12は、収集した情報に基づいて動作を指示する指示情報を作成し、作成した指示情報を信号線82を介して各階の操作表示器具20,40,60に送信する(ステップS11)。
【0032】
指示情報としては、エレベータかごの通過階の階数をインジケーター21,41,61に表示させるように指示する情報、エレベータかごが到着した階のスピーカー22,42,62に到着のアナウンスを流すように指示する情報、ユーザにより押下された呼び釦23,43,63に対してLEDランプを点灯するように指示する情報などがある。
また、各階の操作表示器具20,40,60のいずれかから差分電流データを受信した場合、動作制御部12は、次の階の操作表示器具20,40,60に対して、受信した差分電流データを送信する(ステップS12)。ここで、差分電流データとは、AC-DC電源の定格出力電流値から、操作表示器具の消費電流値を減算した電流値のデータをいう。
ステップS10~ステップS12の処理は、周期的に繰り返される。
【0033】
次に、最上階であるN階のエレベータ乗場に設置された操作表示器具20の動作を
図4のフローチャートに基づいて説明する。
図4に示すように、操作表示器具20のCPU25は、制御盤10の動作制御部12が送信した指示情報を受信する(ステップS20)。CPU25は、受信した指示情報に基づいてインジケーター21、スピーカー22などを操作する(ステップS21)。例えば、指示情報がエレベータかごの通過階の階数をインジケーター21に表示させるように指示する情報である場合、インジケーター21に通過階の階数を表示させる。
また、呼び釦23がユーザにより押下された場合、CPU25は、「乗場呼び」があったことを示す情報を、信号線82を介して制御盤10の動作制御部12に送信する(ステップS22)。
【0034】
次に、消費電流推定部26は、ステップS20で受信した指示情報と、自身が保持する消費電流データ27とに基づいて、操作表示器具20の消費電流値を抽出する(ステップS23)。消費電流値の具体的な抽出方法については後述する。消費電流推定部26は、CPU25に予め保存されたAC-DC電源31の定格出力電流値から、ステップS23で抽出した消費電流値を減算して、減算結果を差分電流データとして、信号線82を介して制御盤10の動作制御部12に送信する(ステップS24)。
【0035】
次に、最上階の一つ下の階であるN-1階のエレベータ乗場に設置された操作表示器具40の動作を
図5のフローチャートに基づいて説明する。
図5に示すように、操作表示器具40のCPU45は、制御盤10の動作制御部12が送信した指示情報を受信する(ステップS30)。また、CPU45は、制御盤10の動作制御部12が送信した差分電流データを受信する(ステップS31)。さらに、呼び釦43がユーザにより押下された場合、CPU45は、「乗場呼び」があったことを示す情報を、信号線82を介して制御盤10の動作制御部12に送信する(ステップS32)。
【0036】
次に、消費電流推定部46は、ステップS30で受信した指示情報と、自身が保持する消費電流データ48とに基づいて、操作表示器具40の消費電流値を抽出する(ステップS33)。消費電流値の具体的な抽出方法については後述する。スイッチ制御部47は、ステップS31で受信した差分電流データが示す差分電流値と、ステップS33で抽出した消費電流値とを比較する(ステップS34)。
【0037】
差分電流値が消費電流値以上の場合、スイッチ制御部47はN階に設置されたAC-DC電源31からの電力の供給を受けるように、第1のスイッチ53をオンにすると共に、第2のスイッチ55をオフにする(ステップS35)。
CPU45は、ステップS30で受信した指示情報に基づいてインジケーター41、スピーカー42などを操作する(ステップS36)。その結果、インジケーター41、スピーカー42などは、AC-DC電源31からの電力の供給を受けて動作する。
消費電流推定部46は、差分電流値から消費電流値を減算し、減算結果を差分電流データとして、信号線82を介して制御盤10の動作制御部12に送信する(ステップS37)。
【0038】
また、ステップS34の比較処理で、差分電流値が消費電流値未満の場合、スイッチ制御部47はN-1階に設置されたAC-DC電源51からの電力の供給を受けるように、第1のスイッチ53をオフにすると共に、第2のスイッチ55をオンにする(ステップS38)。
CPU45は、ステップS30で受信した指示情報に基づいてインジケーター41、スピーカー42などを操作する(ステップS39)。その結果、インジケーター41、スピーカー42などは、AC-DC電源51からの電力の供給を受けて動作する。
消費電流推定部46は、CPU45に予め保存されたAC-DC電源51の定格出力電流値から、ステップS33で抽出した消費電流値を減算して、減算結果を差分電流データとして、信号線82を介して制御盤10の動作制御部12に送信する(ステップS40)。
【0039】
なお、最上階の二つ下の階であるN-2階のエレベータ乗場に設置された操作表示器具60の動作については、
図5のフローチャートと同様のため、説明を省略する。
【0040】
***具体例の説明***
次に、本実施の形態に係るエレベータ乗場電源装置1の動作の具体例について説明する。ここで、各階のAC-DC電源31,51,71の定格出力電流値は、いずれも1.0Aとし、各階の消費電流データ27,48,68は、上述したデータとする。
【0041】
(具体例1)
具体例1では、各インジケーター21,41,61に「22」を表示させる場合について、
図1のブロック図および
図3~
図5のフローチャートを用いて説明する。
エレベータかごが22階に停止している場合、制御盤10の動作制御部12は、この階床情報を収集し(ステップS10)、動作制御部12は、「インジケーターに「22」を表示」といった指示情報を操作表示器具20,40,60に送信する(ステップS11)。
【0042】
N階の操作表示器具20は、動作制御部12から送信された指示情報を受信する(ステップS20)。消費電流推定部26は、受信した指示情報と、自身が保持する消費電流データ27とに基づいて、操作表示器具20の消費電流値を抽出する(ステップS23)。指示情報は「インジケーターに「22」を表示」のため、消費電流データ27から「インジケーターに「22」を表示」に対応する0.6Aを自身の消費電流値として抽出する。
【0043】
消費電流推定部26は、定格出力電流値1.0Aから消費電流値0.6Aを減算し、減算結果0.4Aを差分電流データとして制御盤10の動作制御部12に送信する(ステップS24)。動作制御部12は、差分電流データを受信すると、N-1階の操作表示器具40に差分電流データを送信する(ステップS12)。
なお、操作表示器具20には、常にAC-DC電源31からの電力が供給され、電力の供給を受けたインジケーター21に「22」が表示される(ステップS21)。
【0044】
N-1階の操作表示器具40は、動作制御部12から送信された指示情報と差分電流データとを受信する(ステップS30,S31)。消費電流推定部46は、受信した指示情報と、自身が保持する消費電流データ48とに基づいて、操作表示器具40の消費電流値を抽出する(ステップS33)。指示情報は「インジケーターに「22」を表示」のため、消費電流データ48から「インジケーターに「22」を表示」に対応する0.6Aを自身の消費電流値として抽出する。
【0045】
スイッチ制御部47は、差分電流データが示す差分電流値0.4Aと消費電流値0.6Aとを比較し(ステップS34)、消費電流値の方が大きいので、第1のスイッチ53をオフにし、第2のスイッチ55をオンにする(ステップS38)。
その結果、操作表示器具40には、AC-DC電源51からの電力が供給され、電力の供給を受けたインジケーター41に「22」が表示される(ステップS39)。
【0046】
消費電流推定部46は、定格出力電流値1.0Aから消費電流値0.6Aを減算し、減算結果0.4Aを差分電流データとして制御盤10の動作制御部12に送信する(ステップS40)。動作制御部12は、差分電流データを受信すると、N-2階の操作表示器具60に差分電流データを送信する(ステップS12)。
【0047】
N-2階の操作表示器具60は、動作制御部12から送信された指示情報と差分電流データとを受信する(ステップS30,S31)。消費電流推定部66は、受信した指示情報と、自身が保持する消費電流データ68とに基づいて、操作表示器具60の消費電流値を抽出する(ステップS33)。指示情報は「インジケーターに「22」を表示」のため、消費電流データ68から「インジケーターに「22」を表示」に対応する0.6Aを自身の消費電流値として抽出する。
【0048】
スイッチ制御部67は、差分電流データが示す差分電流値0.4Aと消費電流値0.6Aとを比較し(ステップS34)、消費電流値の方が大きいので、第1のスイッチ73をオフにし、第2のスイッチ75をオンにする(ステップS38)。
その結果、操作表示器具60には、AC-DC電源71からの電力が供給され、電力の供給を受けたインジケーター61に「22」が表示される(ステップS39)。
【0049】
消費電流推定部66は、定格出力電流値1.0Aから消費電流値0.6Aを減算し、減算結果0.4Aを差分電流データとして制御盤10の動作制御部12に送信する(ステップS40)。動作制御部12は、差分電流データを受信すると、N-2階の一つ下の階の操作表示器具(図示せず)に差分電流データを送信する(ステップS12)。
【0050】
以上の動作によって、
図1のブロック図に示すように、操作表示器具20にはAC-DC電源31からの電力が供給され、操作表示器具40にはAC-DC電源51からの電力が供給され、操作表示器具60にはAC-DC電源71からの電力が供給される。
このように、操作表示器具20,40,60が動作する前に各操作表示器具20,40,60の消費電流値を把握して、電力供給元のAC-DC電源31,51,71を割り振っているため、電源の供給能力を超えることがない制御が可能となる。
【0051】
(具体例2)
具体例2では、各インジケーター21,41,61に「1」を表示させる場合について、
図6のブロック図および
図3~
図5のフローチャートを用いて説明する。
エレベータかごが1階に停止している場合、制御盤10の動作制御部12は、この階床情報を収集し(ステップS10)、動作制御部12は、「インジケーターに「1」を表示」といった指示情報を操作表示器具20,40,60に送信する(ステップS11)。
【0052】
N階の操作表示器具20は、動作制御部12から送信された指示情報を受信する(ステップS20)。消費電流推定部26は、受信した指示情報と、自身が保持する消費電流データ27とに基づいて、操作表示器具20の消費電流値を抽出する(ステップS23)。指示情報は「インジケーターに「1」を表示」のため、消費電流データ27から「インジケーターに「1」を表示」に対応する0.2Aを自身の消費電流値として抽出する。
【0053】
消費電流推定部26は、定格出力電流値1.0Aから消費電流値0.2Aを減算し、減算結果0.8Aを差分電流データとして制御盤10の動作制御部12に送信する(ステップS24)。動作制御部12は、差分電流データを受信すると、N-1階の操作表示器具40に差分電流データを送信する(ステップS12)。
なお、操作表示器具20には、常にAC-DC電源31からの電力が供給され、電力の供給を受けたインジケーター21に「1」が表示される(ステップS21)。
【0054】
N-1階の操作表示器具40は、動作制御部12から送信された指示情報と差分電流データとを受信する(ステップS30,S31)。消費電流推定部46は、受信した指示情報と、自身が保持する消費電流データ48とに基づいて、操作表示器具40の消費電流値を抽出する(ステップS33)。指示情報は「インジケーターに「1」を表示」のため、消費電流データ48から「インジケーターに「1」を表示」に対応する0.2Aを自身の消費電流値として抽出する。
【0055】
スイッチ制御部47は、差分電流データが示す差分電流値0.8Aと消費電流値0.2Aとを比較し(ステップS34)、差分電流値の方が大きいので、第1のスイッチ53をオンにし、第2のスイッチ55をオフにする(ステップS35)。
その結果、操作表示器具40には、AC-DC電源31からの電力が供給され、電力の供給を受けたインジケーター41に「1」が表示される(ステップS36)。
【0056】
消費電流推定部46は、差分電流値0.8Aから消費電流値0.2Aを減算し、減算結果0.6Aを差分電流データとして制御盤10の動作制御部12に送信する(ステップS37)。動作制御部12は、差分電流データを受信すると、N-2階の操作表示器具60に差分電流データを送信する(ステップS12)。
【0057】
N-2階の操作表示器具60は、動作制御部12から送信された指示情報と差分電流データとを受信する(ステップS30,S31)。消費電流推定部66は、受信した指示情報と、自身が保持する消費電流データ68とに基づいて、操作表示器具60の消費電流値を抽出する(ステップS33)。指示情報は「インジケーターに「1」を表示」のため、消費電流データ68から「インジケーターに「1」を表示」に対応する0.2Aを自身の消費電流値として抽出する。
【0058】
スイッチ制御部67は、差分電流データが示す差分電流値0.6Aと消費電流値0.2Aとを比較し(ステップS34)、差分電流値の方が大きいので、第1のスイッチ73をオンにし、第2のスイッチ75をオフにする(ステップS35)。
その結果、操作表示器具60には、AC-DC電源31からの電力が供給され、電力の供給を受けたインジケーター61に「1」が表示される(ステップS36)。
【0059】
消費電流推定部66は、差分電流値0.6Aから消費電流値0.2Aを減算し、減算結果0.4Aを差分電流データとして制御盤10の動作制御部12に送信する(ステップS37)。動作制御部12は、差分電流データを受信すると、N-2階の一つ下の階の操作表示器具(図示せず)に差分電流データを送信する(ステップS12)。
【0060】
以上の動作によって、
図6のブロック図に示すように、操作表示器具20,40,60のいずれにもAC-DC電源31から電力が供給される。
ここで、
図1のように、操作表示器具20,40,60のそれぞれに異なるAC-DC電源31,51,71から電力が供給された場合、AC-DC電源31,51,71の定格出力電流に比べて、操作表示器具20,40,60の消費電流が少ないため、
図2を参照して説明したように各AC-DC電源31,51,71の力率が低くなり、無駄な電力を消費することになる。具体例2では、操作表示器具20,40,60のいずれにもAC-DC電源31からの電力が供給されるので、AC-DC電源31の力率の高い領域で電力供給することができ、高い省エネ性能を得ることができる。
【0061】
(具体例3)
具体例3では、各インジケーター21,41,61に「1」が表示された状態において、N階の呼び釦23が押下される場合について、
図7のブロック図および
図3~
図5のフローチャートを用いて説明する。
図6を参照して具体例2で具体的に動作を説明したように、N階の呼び釦23が押下される前は、操作表示器具20,40,60のいずれにもAC-DC電源31からの電力が供給されている。
この状態で、N階の呼び釦23が押下されると、消費電流推定部26は、「乗場呼び」があったことを示す情報を制御盤10の動作制御部12に送信する(ステップS22)。動作制御部12は、この情報を受信すると、呼び釦23に対してLEDランプを点灯するように指示する情報をN階の操作表示器具20に送信する(ステップS11)。
【0062】
消費電流推定部26は、受信した指示情報と、自身が保持する消費電流データ27とに基づいて、操作表示器具20の消費電流値を抽出する(ステップS23)。指示情報は「インジケーターに「1」を表示」と「呼び釦のLEDランプの点灯」のため、消費電流データ27から「インジケーターに「1」を表示」に対応する0.2Aと、「呼び釦のLEDランプの点灯」に対応する0.5Aとを抽出し、これらの電流値を加算した0.7Aを自身の消費電流値とする。
【0063】
消費電流推定部26は、定格出力電流値1.0Aから消費電流値0.7Aを減算し、減算結果0.3Aを差分電流データとして制御盤10の動作制御部12に送信する(ステップS24)。動作制御部12は、差分電流データを受信すると、N-1階の操作表示器具40に差分電流データを送信する(ステップS12)。
なお、操作表示器具20には、常にAC-DC電源31からの電力が供給され、電力の供給を受けたインジケーター21に「1」が表示される。また、呼び釦23のLEDランプが点灯する(ステップS21)。
【0064】
N-1階の操作表示器具40は、動作制御部12から送信された指示情報と差分電流データとを受信する(ステップS30,S31)。消費電流推定部46は、受信した指示情報と、自身が保持する消費電流データ48とに基づいて、操作表示器具40の消費電流値を抽出する(ステップS33)。指示情報は「インジケーターに「1」を表示」のため、消費電流データ48から「インジケーターに「1」を表示」に対応する0.2Aを自身の消費電流値として抽出する。
【0065】
スイッチ制御部47は、差分電流データが示す差分電流値0.3Aと消費電流値0.2Aとを比較し(ステップS34)、差分電流値の方が大きいので、第1のスイッチ53をオンにし、第2のスイッチ55をオフにする(ステップS35)。
その結果、操作表示器具40には、AC-DC電源31からの電力が供給され、電力の供給を受けたインジケーター41に「1」が表示される(ステップS36)。
【0066】
消費電流推定部46は、差分電流値0.3Aから消費電流値0.2Aを減算し、減算結果0.1Aを差分電流データとして制御盤10の動作制御部12に送信する(ステップS37)。動作制御部12は、差分電流データを受信すると、N-2階の操作表示器具60に差分電流データを送信する(ステップS12)。
【0067】
N-2階の操作表示器具60は、動作制御部12から送信された指示情報と差分電流データとを受信する(ステップS30,S31)。消費電流推定部66は、受信した指示情報と、自身が保持する消費電流データ68とに基づいて、操作表示器具60の消費電流値を抽出する(ステップS33)。指示情報は「インジケーターに「1」の表示」のため、消費電流データ68から「インジケーターに「1」を表示」に対応する0.2Aを自身の消費電流値として抽出する。
【0068】
スイッチ制御部67は、差分電流データが示す差分電流値0.1Aと消費電流値0.2Aとを比較し(ステップS34)、消費電流値の方が大きいので、第1のスイッチ73をオフにし、第2のスイッチ75をオンにする(ステップS38)。
その結果、操作表示器具60には、AC-DC電源71からの電力が供給され、電力の供給を受けたインジケーター61に「1」が表示される(ステップS39)。
【0069】
消費電流推定部66は、定格出力電流値1.0Aから消費電流値0.2Aを減算し、減算結果0.8Aを差分電流データとして制御盤10の動作制御部12に送信する(ステップS40)。動作制御部12は、差分電流データを受信すると、N-2階の一つ下の階の操作表示器具(図示せず)に差分電流データを送信する(ステップS12)。
【0070】
以上の動作によって、
図7のブロック図に示すように、操作表示器具20,40には、引き続きAC-DC電源31からの電力が供給されるものの、操作表示器具60への電力の供給元は、AC-DC電源31からAC-DC電源71に切り換わる。
ここで、呼び釦23のLEDランプが点灯すると、AC-DC電源31からの電力の供給だけでは、操作表示器具20,40,60の全てを動作させることができなくなる。具体例3では、操作表示器具60に対する電力の供給元を、AC-DC電源31からAC-DC電源71に変更しているので、電力の供給能力を超えることがない制御が可能となる。
【0071】
(具体例4)
具体例4では、エレベータかごが22階から21階に移動して、各インジケーター21,41,61への表示が「22」から「21」に切り換わる場合について、
図8のブロック図および
図3~
図5のフローチャートを用いて説明する。
各インジケーター21,41,61に「22」が表示されている場合、
図1に示すように、操作表示器具20にはAC-DC電源31からの電力が供給され、操作表示器具40にはAC-DC電源51からの電力が供給され、操作表示器具60にはAC-DC電源71からの電力が供給される。
【0072】
この状態で、エレベータかごが22階から21階に移動すると、制御盤10の動作制御部12は、この移動情報を収集し(ステップS10)、動作制御部12は、「インジケーターに「21」を表示」といった指示情報を操作表示器具20,40,60に送信する(ステップS11)。
【0073】
N階の操作表示器具20は、動作制御部12から送信された指示情報を受信する(ステップS20)。消費電流推定部26は、受信した指示情報と、自身が保持する消費電流データ27とに基づいて、操作表示器具20の消費電流値を抽出する(ステップS23)。指示情報は「インジケーターに「21」を表示」のため、消費電流データ27から「インジケーターに「21」を表示」に対応する0.5Aを自身の消費電流値として抽出する。
【0074】
消費電流推定部26は、定格出力電流値1.0Aから消費電流値0.5Aを減算し、減算結果0.5Aを差分電流データとして制御盤10の動作制御部12に送信する(ステップS24)。動作制御部12は、差分電流データを受信すると、N-1階の操作表示器具40に差分電流データを送信する(ステップS12)。
なお、操作表示器具20には、常にAC-DC電源31からの電力が供給され、電力の供給を受けたインジケーター21に「21」が表示される(ステップS21)。
【0075】
N-1階の操作表示器具40は、動作制御部12から送信された指示情報と差分電流データとを受信する(ステップS30,S31)。消費電流推定部46は、受信した指示情報と、自身が保持する消費電流データ48とに基づいて、操作表示器具40の消費電流値を抽出する(ステップS33)。指示情報は「インジケーターに「21」を表示」のため、消費電流データ48から「インジケーターに「21」を表示」に対応する0.5Aを自身の消費電流値として抽出する。
【0076】
スイッチ制御部47は、差分電流データが示す差分電流値0.5Aと消費電流値0.5Aとを比較し(ステップS34)、両者の値が等しいので、第1のスイッチ53をオンにし、第2のスイッチ55をオフにする(ステップS35)。
その結果、操作表示器具40には、AC-DC電源31からの電力が供給され、電力の供給を受けたインジケーター41に「21」が表示される(ステップS36)。
【0077】
消費電流推定部46は、差分電流値0.5Aから消費電流値0.5Aを減算し、減算結果0.0Aを差分電流データとして制御盤10の動作制御部12に送信する(ステップS37)。動作制御部12は、差分電流データを受信すると、N-2階の操作表示器具60に差分電流データを送信する(ステップS12)。
【0078】
N-2階の操作表示器具60は、動作制御部12から送信された指示情報と差分電流データとを受信する(ステップS30,S31)。消費電流推定部66は、受信した指示情報と、自身が保持する消費電流データ68とに基づいて、操作表示器具60の消費電流値を抽出する(ステップS33)。指示情報は「インジケーターに「21」を表示」のため、消費電流データ68から「インジケーターに「21」を表示」に対応する0.5Aを自身の消費電流値として抽出する。
【0079】
スイッチ制御部67は、差分電流データが示す差分電流値0.0Aと消費電流値0.5Aとを比較し(ステップS34)、消費電流値の方が大きいので、第1のスイッチ73をオフにし、第2のスイッチ75をオンにする(ステップS38)。
その結果、操作表示器具60には、AC-DC電源71からの電力が供給され、電力の供給を受けたインジケーター61に「21」が表示される(ステップS39)。
【0080】
消費電流推定部66は、定格出力電流値1.0Aから消費電流値0.5Aを減算し、減算結果0.5Aを差分電流データとして制御盤10の動作制御部12に送信する(ステップS40)。動作制御部12は、差分電流データを受信すると、N-2階の一つ下の階の操作表示器具(図示せず)に差分電流データを送信する(ステップS12)。
【0081】
以上の動作によって、
図8のブロック図に示すように、引き続き、操作表示器具20にはAC-DC電源31からの電力が供給され、操作表示器具60にはAC-DC電源71からの電力が供給されるものの、操作表示器具40への電力の供給元は、AC-DC電源51からAC-DC電源31に切り換わる。
ここで、インジケーター21,41,61の表示が「22」から「21」に切り換わると、各操作表示器具20,40,60の消費電流値が0.6Aから0.5Aに変わる。このため、
図1のように、操作表示器具20,40,60のそれぞれに異なるAC-DC電源31,51,71から電力が供給されたままでは、各AC-DC電源31,51,71の力率が低くなり、
図2を参照して説明したように無駄な電力を消費することになる。具体例4では、操作表示器具20と操作表示器具40とにAC-DC電源31からの電力が供給されるので、AC-DC電源31の力率の高い領域で電力供給することができ、高い省エネ性能を得ることができる。
【0082】
なお、ステップS24に示すように、差分電流値は、AC-DC電源31の定格出力電流値から操作表示器具20の消費電流値を減算した値である。このため、ステップS34における判断の内容「差分電流値≧消費電流値」は、比較式「AC-DC電源31の定格出力電流値-操作表示器具20の消費電流値≧操作表示器具40の消費電流値」と等価である。ここで、この比較式の両辺に「操作表示器具20の消費電流値」を加算すれば、式「AC-DC電源31の定格出力電流値≧操作表示器具20の消費電流値+操作表示器具40の消費電流値」と等価であるともいえる。
【0083】
よって、スイッチ制御部47は、AC-DC電源31の定格出力電流値が操作表示器具20の消費電流値と操作表示器具40の消費電流値との合計値以上の場合には、AC-DC電源31を選択するように第1のスイッチ53および第2のスイッチ55を制御し、AC-DC電源31の定格出力電流値が操作表示器具20の消費電流値と操作表示器具40の消費電流値との合計値未満の場合には、AC-DC電源51を選択するように第1のスイッチ53および第2のスイッチ55を制御するということもできる。
【0084】
同様に、スイッチ制御部67は、AC-DC電源31の定格出力電流値が操作表示器具20の消費電流値と操作表示器具40の消費電流値と操作表示器具60の消費電流値との合計値以上の場合には、AC-DC電源31を選択するように第1のスイッチ73および第2のスイッチ75を制御し、AC-DC電源31の定格出力電流値が操作表示器具20の消費電流値と操作表示器具40の消費電流値と操作表示器具60の消費電流値との合計値未満の場合には、AC-DC電源71を選択するように第1のスイッチ73および第2のスイッチ75を制御するということもできる。
【0085】
***実施の形態1の効果***
以上のように、実施の形態1に係るエレベータ乗場電源装置1は、操作表示器具20の消費電流値を推定する消費電流推定部26と、操作表示器具40の消費電流値を推定する消費電流推定部46と、操作表示器具20の消費電流値と操作表示器具40の消費電流値とに基づいて、AC-DC電源31とAC-DC電源51のいずれかを選択するように第1のスイッチ53および第2のスイッチ55を制御するスイッチ制御部47とを備えている。
【0086】
ここで、操作表示器具20,40が実際に動作する前に、消費電流推定部26,46が操作表示器具20,40の消費電流を推定しているので、各操作表示器具20,40で必要となる直流電力の供給量を事前に把握することができる。そして、スイッチ制御部47では、消費電流の推定値に基づいて第1のスイッチ53および第2のスイッチ55を制御している。
このように、スイッチ制御部47は、操作表示器具20,40が実際に動作した場合に必要となる直流電力の供給量を予め把握した上で、AC-DC電源31とAC-DC電源51のいずれかを選択するように第1のスイッチ53および第2のスイッチ55を制御しているので、最適なAC-DC電源の割り振りが可能となる。
【0087】
また、スイッチ制御部47は、AC-DC電源31の定格出力電流値から操作表示器具20の消費電流値を減算した差分電流値が操作表示器具40の消費電流値以上の場合には、AC-DC電源31を選択するように第1のスイッチ53および第2のスイッチ55を制御し、差分電流値が操作表示器具40の消費電流値未満の場合には、AC-DC電源51を選択するように第1のスイッチ53および第2のスイッチ55を制御している。
【0088】
このため、操作表示器具40の消費電流値が差分電流値未満の場合、スイッチ制御部47は、操作表示器具40への電力の供給元を、AC-DC電源51ではなく、AC-DC電源31にするように、第1のスイッチ53および第2のスイッチ55を制御する。この制御によって、操作表示器具20と操作表示器具40のそれぞれにAC-DC電源31から電力が供給されるので、AC-DC電源31の力率の高い領域での電力の供給が可能となる。このように、実施の形態1に係るエレベータ乗場電源装置1は、無駄な電力の消費を抑えることができ、高い省エネ性能を得ることができる。
【0089】
さらに、消費電流推定部26,46は、動作制御部12から送信される指示情報と、自身が保持する消費電流データ27,48とに基づいて、操作表示器具20,40の消費電流値を推定している。このように、動作制御部12で収集された指示情報に基づいて、操作表示器具20,40の消費電流値が推定されるので、各操作表示器具20,40が個別に指示情報を収集する必要がなく、効率的な処理を行うことができる。
【0090】
また、消費電流推定部26,46による操作表示器具20,40の消費電流値の推定では、各消費電流推定部26,46が保持する消費電流データ27,48が用いられる。このため、各操作表示器具20,40に設けられたインジケーター21,41,61などが取り換えられた場合であっても、この更新情報を消費電流データ27,48に十分反映させることが可能である。このため、高い精度で消費電流値の推定を行うことができる。
【0091】
さらに、実施の形態1に係るエレベータ乗場電源装置1は、操作表示器具60の消費電流値を推定する消費電流推定部66と、操作表示器具20の消費電流値と操作表示器具40の消費電流値と操作表示器具60の消費電流値とに基づいて、AC-DC電源31とAC-DC電源71のいずれかを選択するように第1のスイッチ73および第2のスイッチ75を制御するスイッチ制御部67とを備えている。
【0092】
ここで、操作表示器具60が実際に動作する前に、消費電流推定部66が操作表示器具60の消費電流値を推定しているので、操作表示器具20,40,60で必要となる直流電力の供給量を事前に把握することができる。そして、スイッチ制御部67では、消費電流値の推定値に基づいて第1のスイッチ73および第2のスイッチ75を制御している。
このように、スイッチ制御部67は、操作表示器具20,40,60が実際に動作した場合に必要となる直流電力の供給量を予め把握した上で、AC-DC電源31とAC-DC電源71のいずれかを選択するように第1のスイッチ73および第2のスイッチ75を制御しているので、最適なAC-DC電源の割り振りが可能となる。
【0093】
また、スイッチ制御部67は、AC-DC電源31の定格出力電流値から操作表示器具20の消費電流値と操作表示器具40の消費電流値とを減算した第2の差分電流値が操作表示器具60の消費電流値以上の場合には、AC-DC電源31を選択するように第1のスイッチ73および第2のスイッチ75を制御し、第2の差分電流値が操作表示器具60の消費電流値未満の場合には、AC-DC電源71を選択するように第1のスイッチ73および第2のスイッチ75を制御している。
【0094】
このため、操作表示器具60の消費電流値が差分電流値未満の場合、スイッチ制御部67は、操作表示器具60への電力の供給元を、AC-DC電源71ではなく、AC-DC電源31にするように、第1のスイッチ73および第2のスイッチ75を制御する。この制御によって、操作表示器具20、操作表示器具40、操作表示器具60のそれぞれにAC-DC電源31から電力が供給されるので、AC-DC電源31の力率の高い領域での電力の供給が可能となる。このように、実施の形態1に係るエレベータ乗場電源装置1は、無駄な電力の消費を抑えることができ、高い省エネ性能を得ることができる。
【0095】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0096】
(付記1)
複数の乗場にそれぞれ設置された操作表示器具に電力を供給するエレベータ乗場電源装置であって、
前記複数の乗場のうち第1の乗場に設置された第1の操作表示器具に直流電力を供給する第1の電源部と、
前記複数の乗場のうち第2の乗場に設置された第2の操作表示器具に直流電力を供給可能な第2の電源部と、
前記第1の操作表示器具の消費電流値を推定する第1の消費電流推定部と、
前記第2の操作表示器具の消費電流値を推定する第2の消費電流推定部と、
前記第1の電源部と前記第2の電源部のいずれかから前記第2の操作表示器具への直流電力の供給元を選択する選択スイッチと、
前記第1の消費電流推定部で推定した前記第1の操作表示器具の消費電流値と前記第2の消費電流推定部で推定した前記第2の操作表示器具の消費電流値とに基づいて、前記第1の電源部と前記第2の電源部のいずれかを選択するように前記選択スイッチを制御するスイッチ制御部とを備えるエレベータ乗場電源装置。
(付記2)
前記スイッチ制御部は、前記第1の電源部の定格出力電流値から前記第1の操作表示器具の消費電流値を減算した差分電流値が前記第2の操作表示器具の消費電流値以上の場合には、前記第1の電源部を選択するように前記選択スイッチを制御し、前記差分電流値が前記第2の操作表示器具の消費電流値未満の場合には、前記第2の電源部を選択するように前記選択スイッチを制御する付記1記載のエレベータ乗場電源装置。
(付記3)
前記第1の操作表示器具および前記第2の操作表示器具に対して動作を指示する動作制御部を更に備え、
前記第1の消費電流推定部および前記第2の消費電流推定部は、前記動作制御部からそれぞれ送信される指示情報に基づいて消費電流値を推定する付記1または付記2に記載のエレベータ乗場電源装置。
(付記4)
前記第1の消費電流推定部および前記第2の消費電流推定部は、消費電流データをそれぞれ備え、前記第1の消費電流推定部および前記第2の消費電流推定部は、前記動作制御部から送信される指示情報と前記消費電流データとから消費電流値を推定する付記3記載のエレベータ乗場電源装置。
(付記5)
前記選択スイッチは、前記第1の電源部から直流電力を供給する電力線上に設けられた第1のスイッチと、前記第2の電源部から直流電力を供給する電力線上に設けられた第2のスイッチとを有し、
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとは、一方がオンのときに他方がオフになるように制御され、スイッチを切り換える際には、オフであったスイッチをオンにして両スイッチが一旦オンとなった後に、オンであったスイッチをオフにする付記1から付記4のいずれか一項に記載のエレベータ乗場電源装置。
(付記6)
前記複数の乗場のうち第3の乗場に設置された第3の操作表示器具に直流電力を供給可能な第3の電源部と、
前記第3の操作表示器具の消費電流値を推定する第3の消費電流推定部と、
前記第1の電源部と前記第3の電源部のいずれかから前記第3の操作表示器具への直流電力の供給元を選択する第2の選択スイッチと、
前記第1の消費電流推定部で推定した前記第1の操作表示器具の消費電流値と前記第2の消費電流推定部で推定した前記第2の操作表示器具の消費電流値と前記第3の消費電流推定部で推定した前記第3の操作表示器具の消費電流値とに基づいて、前記第1の電源部と前記第3の電源部のいずれかを選択するように前記第2の選択スイッチを制御する第2のスイッチ制御部とを備える付記1から付記5のいずれか一項に記載のエレベータ乗場電源装置。
(付記7)
前記第2のスイッチ制御部は、前記第1の電源部の定格出力電流値から前記第1の操作表示器具の消費電流値と前記第2の操作表示器具の消費電流値とを減算した第2の差分電流値が前記第3の操作表示器具の消費電流値以上の場合には、前記第1の電源部を選択するように前記選択スイッチを制御し、前記第2の差分電流値が前記第3の操作表示器具の消費電流値未満の場合には、前記第3の電源部を選択するように前記選択スイッチを制御する付記6記載のエレベータ乗場電源装置。
(付記8)
前記第2の選択スイッチは、前記第1の電源部から直流電力を供給する電力線上に設けられた第3のスイッチと、前記第3の電源部から直流電力を供給する電力線上に設けられた第4のスイッチとを有し、
前記第3のスイッチと前記第4のスイッチとは、一方がオンのときに他方がオフになるように制御され、スイッチを切り換える際には、オフであったスイッチをオンにして両スイッチが一旦オンとなった後に、オンであったスイッチをオフにする付記6または付記7に記載のエレベータ乗場電源装置。
(付記9)
第1の乗場に設置された第1の操作表示器具に直流電力を供給する第1の電源部と、第2の乗場に設置された第2の操作表示器具に直流電力を供給可能な第2の電源部とを備えたエレベータ乗場電源装置における電力供給方法であって、
前記第1の操作表示器具の消費電流値と前記第2の操作表示器具の消費電流値とを推定して、推定した前記第1の操作表示器具の消費電流値と前記第2の操作表示器具の消費電流値とに基づいて、前記第1の電源部と前記第2の電源部のいずれかから前記第2の操作表示器具への直流電力の供給元を選択する電力供給方法。
【符号の説明】
【0097】
1 エレベータ乗場電源装置、10 制御盤、11 交流電源、12 動作制御部、20 操作表示器具(第1の操作表示器具)、21,41,61 インジケーター、22,42,62 スピーカー、23,43,63 呼び釦、26 消費電流推定部(第1の消費電流推定部)、31 AC-DC電源(第1の電源部)、40 操作表示器具(第2の操作表示器具)、46 消費電流推定部(第2の消費電流推定部)、47 スイッチ制御部、51 AC-DC電源(第2の電源部)、53 第1のスイッチ(選択スイッチ)、55 第2のスイッチ(選択スイッチ)、60 操作表示器具(第3の操作表示器具)、66 消費電流推定部(第3の消費電流推定部)、67 スイッチ制御部(第2のスイッチ制御部)、71 AC-DC電源(第3の電源部)、73 第1のスイッチ(第2の選択スイッチ)、75 第2のスイッチ(第2の選択スイッチ)。