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▶ 株式会社日本コーティングの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068251
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】ガラス質コーティング層形成方法
(51)【国際特許分類】
   B05D 3/12 20060101AFI20240513BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20240513BHJP
   B05D 1/02 20060101ALI20240513BHJP
   B05D 5/00 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
B05D3/12 Z
B05D7/24 302Y
B05D7/24 302X
B05D1/02 Z
B05D5/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178549
(22)【出願日】2022-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】505378600
【氏名又は名称】株式会社日本コーティング
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】太田 達也
【テーマコード(参考)】
4D075
【Fターム(参考)】
4D075AA01
4D075BB01Z
4D075CA02
4D075CA47
4D075CA48
4D075DC11
4D075DC12
4D075DC13
4D075EA05
4D075EB42
4D075EB43
4D075EB51
4D075EB56
4D075EC30
4D075EC51
(57)【要約】
【課題】熟練を要さずとも短時間で、ガラス質コーティング層を形成することができるガラス質コーティング層形成方法を提供する。
【解決手段】ケイ素含有高分子及び有機溶剤を含むケイ素含有高分子組成物を、所定の基材に噴霧塗布したのち、拭き上げることによって、該基材に対してガラス質コーティング層を形成している。そして、ケイ素含有高分子組成物は、ケイ素含有高分子としてポリシラザン、ポリシロキサン、ポリシランの中の1つもしくは複数を含んでいる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケイ素含有高分子及び有機溶剤を含むケイ素含有高分子組成物を、所定の基材に噴霧塗布したのち、拭き上げることによって、該基材に対してガラス質コーティング層を形成してなるガラス質コーティング層形成方法。
【請求項2】
前記ケイ素含有高分子組成物は、ケイ素含有高分子としてポリシラザン、ポリシロキサン、ポリシランの中の1つもしくは複数を含んでなる請求項1に記載のガラス質コーティング層形成方法。
【請求項3】
前記有機溶剤の溶解性パラメーター値は、15MPa1/2~18MPa1/2で、且つ、沸点が120℃~200℃である請求項1又は2に記載のガラス質コーティング層形成方法。
【請求項4】
前記ケイ素含有高分子組成物の固形分濃度が、1~10%である請求項1又は2に記載のガラス質コーティング層形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス質コーティング層形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の外装に対し、保護、防汚、撥水、撥油、美観向上等を目的として、耐久性や施工性の良さから、シリコーンやフルオロシリコーン等を主成分としたコーティング剤を用いて、ガラス質コーティング層を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-36771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のようなガラス質コーティング層を形成する方法は、熟練した技能を有する作業者でなければならず、作業に熟練を要するという問題があった。さらには、ガラス質コーティング層を形成する作業時間が、熟練した技能を有する作業者であっても、長時間かかるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、熟練を要さずとも短時間で、ガラス質コーティング層を形成することができるガラス質コーティング層形成方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。
【0007】
すなわち、請求項1に係るガラス質コーティング層形成方法は、ケイ素含有高分子及び有機溶剤を含むケイ素含有高分子組成物を、所定の基材に噴霧塗布したのち、拭き上げることによって、該基材に対してガラス質コーティング層を形成してなることを特徴としている。
【0008】
請求項2の発明は、上記請求項1に記載のガラス質コーティング層形成方法において、前記ケイ素含有高分子組成物は、ケイ素含有高分子としてポリシラザン、ポリシロキサン、ポリシランの中の1つもしくは複数を含んでなることを特徴としている。
【0009】
請求項3の発明は、上記請求項1又2に記載のガラス質コーティング層形成方法において、前記有機溶剤の溶解性パラメーター値は、15MPa1/2~18MPa1/2で、且つ、沸点が120℃~200℃であることを特徴としている。
【0010】
請求項4の発明は、上記請求項1又2に記載のガラス質コーティング層形成方法において、前記ケイ素含有高分子組成物の固形分濃度が、1~10%であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、熟練を要さずとも短時間で、ガラス質コーティング層を形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係るガラス質コーティング層形成方法は、ケイ素含有高分子及び有機溶剤を含むケイ素含有高分子組成物を、所定の基材に噴霧塗布したのち、拭き上げることによって、該基材に対してガラス質コーティング層を形成してなるものである。これにより、熟練を要さずとも短時間で、ガラス質コーティング層を形成することができる。
【0013】
より詳しく説明すると、ケイ素含有高分子としては、ポリシラザン、ポリシロキサン、ポリシランを挙げることができる。なお、ポリシラザン、ポリシロキサン、ポリシランは、その中の1つであっても良く、複数含んでいても良い。
【0014】
ポリシラザンは、空気中の水分と反応し、シロキサン結合を主体とする高硬度のガラス質被膜を形成することができるもので、有機ポリシラザンと無機ポリシラザンとが存在する。有機ポリシラザンは、撥水性を得るには好適であるが、無機シラザンとポリシロキサンとの組み合わせでも、良好な撥水性と高硬度のガラス質被膜を得ることができる。なお、有機ポリシラザンは、下記に示す構造式(化1)を持つケイ素含有高分子で、無機ポリシラザンは、下記に示す構造式(化2)を持つケイ素含有高分子である。
【0015】
【化1】
【0016】
式中、R,R,Rは、それぞれ独立して水素原子、アルキル、ビニルを表するものである。
【0017】
【化2】
【0018】
ポリシロキサンは、下記に示す構造式(化3)を持つケイ素含有高分子である。
【0019】
【化3】
【0020】
なお、好適なものとしては、式中、Xがメチル基で、Yがメチル基、もしくは、アルコキシ基が好適である。
【0021】
ポリシランは、下記に示す構造式(化4)を持つ高分子である。
【0022】
【化4】
【0023】
有機溶剤は、溶解性パラメーター値が、15MPa1/2~18MPa1/2で、且つ、沸点が120℃~200℃であるものが好ましい。溶解性パラメーター値が、15MPa1/2~18MPa1/2の範囲を逸脱するとケイ素含有高分子が溶解しないためである。さらに、沸点が200℃を超えると、乾きが遅く作業効率が著しく低下するとともに、十分な膜硬度が得られず、沸点が120℃未満では、噴霧~塗着の間に溶剤が蒸発して粘度が上昇し、拭き上げによる連続膜の形成と平滑化が不良となるためである。なお、溶解性パラメーターとは、溶剤の溶解性や混合性に関するパラメーターで、凝集エネルギー密度の平方根で表されるものである(参考文献;小林敏勝、塗装工学、44(9)、p.340(2009)他)。この値が近い者同士ほど、よく溶け、よく混じるという特徴がある。
【0024】
かくして、このような有機溶剤の例を挙げると、ジブチルエーテル、オクタン、ノナン、キシレン、酢酸ブチル、沸点が120℃~200℃のパラフィン系やナフテン系のミネラルスピリットなどが例示される。なお、沸点が120℃~200℃のパラフィン系やナフテン系のミネラルスピリットは、労働安全衛生法有機溶剤中毒予防規則の第三種有機溶剤(いわゆる弱溶剤)に該当し、低臭気で低毒性なので好適である。
【0025】
かくして、上記のように構成されるケイ素含有高分子組成物は、固形分濃度が、1~10%であることが好ましい。1%未満では、ガラス質コーティング層の厚みが不十分で、10%を超えると造膜時にピンホールやワキ、膜の白濁、光の干渉による虹の発生が生じるためである。
【0026】
また、ケイ素含有高分子組成物は、ケイ素含有高分子が形成する被膜の造膜性、被膜物性を改善するために、ケイ素含有高分子及び有機溶剤以外に、低分子のシラン化合物や、環状シロキサン化合物を含有していてもよい。
【0027】
低分子のシラン化合物としては、テトラメチルシラン、テトラエチルシランなどのアルキルシラン類、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなどのアルコキシシラン類、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤類が挙げられる。
【0028】
また、低分子の環状シロキサン化合物としては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどが挙げられる。
【0029】
なお、低分子のシラン化合物、低分子の環状シロキサン化合物は、いずれもケイ素含有高分子と反応して被膜を形成するものである。
【0030】
ところで、上記のように構成されるケイ素含有高分子組成物を使用する基材としては、自動車、自動車のシート、自動車の内装、自転車、バイク、ホイール、ゴルフクラブ、テニスラケット、スノーボード、スキー、ウエイクボード、釣竿、リール、釣り糸、ヨット、ボート、船外機、パソコンのキーボード、モニター画面、蛇口カラン、シンク、お風呂回り、便器、フローリング、白木、ソファー(合皮)、ドアノブ、障子、ふすま等、ガラス質コーティング層を形成する必要がある基材であれば、どのようなものにも使用可能である。
【実施例0031】
以下に、本発明の実施例を比較例と対比して具体的に説明する。しかしながら、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0032】
<ケイ素含有高分子組成物(実施例1~6、及び、比較例1~4)>
下記に示す割合で混合し、実施例1~6、及び、比較例1~4に示すケイ素含有高分子組成物を調製した。
【0033】
<実施例1>
ポリシラザンが5重量%、デカメチルシクロペンタシロキサンが2重量%、溶解性パラメーター値が16MPa1/2で、且つ、沸点が142℃のジブチルエーテルが5重量%、溶解性パラメーター値が16MPa1/2で、且つ、沸点が157℃のナフテン系ミネラルスピリットが88重量%の割合でケイ素含有高分子組成物を調製した。なお、このケイ素含有高分子組成物は、固形分濃度が7%である。
【0034】
<実施例2>
ポリシラザンが2重量%、ポリシロキサンが5重量%、オクタメチルシクロテトラシロキサンが2重量%、溶解性パラメーター値が16MPa1/2で、且つ、沸点が142℃のジブチルエーテルが2重量%、溶解性パラメーター値が17.3MPa1/2で、且つ、沸点が127℃の酢酸ブチルが89重量%の割合でケイ素含有高分子組成物を調製した。なお、このケイ素含有高分子組成物は、固形分濃度が9%である。
【0035】
<実施例3>
ポリシラザンが2重量%、ポリシロキサンが0.4重量%、溶解性パラメーター値が16MPa1/2で、且つ、沸点が142℃のジブチルエーテルが2重量%、溶解性パラメーター値が16MPa1/2で、且つ、沸点が157℃のナフテン系ミネラルスピリットが95.6重量%の割合でケイ素含有高分子組成物を調製した。なお、このケイ素含有高分子組成物は、固形分濃度が2.4%である。
【0036】
<実施例4>
ポリシラザンが0.7重量%、オクタメチルシクロテトラシロキサンが0.3重量%、溶解性パラメーター値が16MPa1/2で、且つ、沸点が142℃のジブチルエーテルが0.7重量%、溶解性パラメーター値が15MPa1/2で、且つ、沸点が125℃のオクタンが98.3重量%の割合でケイ素含有高分子組成物を調製した。なお、このケイ素含有高分子組成物は、固形分濃度が1.0%である。
【0037】
<実施例5>
ポリシラザンが7重量%、デカメチルシクロペンタシロキサンが3重量%、溶解性パラメーター値が16MPa1/2で、且つ、沸点が142℃のジブチルエーテルが7重量%、溶解性パラメーター値が18MPa1/2で、且つ、沸点が144℃のキシレンが83重量%の割合でケイ素含有高分子組成物を調製した。なお、このケイ素含有高分子組成物は、固形分濃度が10%である。
【0038】
<実施例6>
ポリシラザンが7重量%、デカメチルシクロペンタシロキサンが3重量%、溶解性パラメーター値が16MPa1/2で、且つ、沸点が142℃のジブチルエーテルが7重量%、溶解性パラメーター値が16MPa1/2で、且つ、沸点が200℃のナフテン系ミネラルスピリットが83重量%の割合でケイ素含有高分子組成物を調製した。なお、このケイ素含有高分子組成物は、固形分濃度が10%である。
【0039】
<比較例1>
ポリシラザンが5重量%、デカメチルシクロペンタシロキサンが2重量%、溶解性パラメーター値が16MPa1/2で、且つ、沸点が142℃のジブチルエーテルが5重量%、溶解性パラメーター値が16MPa1/2で、且つ、沸点が221℃のナフテン系ミネラルスピリットが88重量%の割合でケイ素含有高分子組成物を調製した。なお、このケイ素含有高分子組成物は、固形分濃度が7%である。
【0040】
<比較例2>
ポリシラザンが2重量%、ポリシロキサンが0.4重量%、溶解性パラメーター値が16MPa1/2で、且つ、沸点が142℃のジブチルエーテルが2重量%、溶解性パラメーター値が17MPa1/2で、且つ、沸点が81℃のシクロヘキサンが95.6重量%の割合でケイ素含有高分子組成物を調製した。なお、このケイ素含有高分子組成物は、固形分濃度が2.4%である。
【0041】
<比較例3>
ポリシラザンが5重量%、ポリシロキサンが1重量%、溶解性パラメーター値が16MPa1/2で、且つ、沸点が142℃のジブチルエーテルが2重量%、溶解性パラメーター値が22MPa1/2で、且つ、沸点が138℃のペンタノールが95重量%の割合でケイ素含有高分子組成物を調製した。なお、このケイ素含有高分子組成物は、固形分濃度が6%である。
【0042】
<比較例4>
ポリシラザンが20重量%、ポリシロキサンが4重量%、溶解性パラメーター値が16MPa1/2で、且つ、沸点が142℃のジブチルエーテルが20重量%、溶解性パラメーター値が16MPa1/2で、且つ、沸点が157℃のナフテン系ミネラルスピリットが56重量%の割合でケイ素含有高分子組成物を調製した。なお、このケイ素含有高分子組成物は、固形分濃度が24%である。
【0043】
<試験項目1>
実施例1~6、及び、比較例1~4に対して、以下に示す試験を実施した。
【0044】
噴霧器として、三谷ノズル社製の品番T-305のノズルを使用し、関西器材社製の品番PET100SKのボトルを使用した。そして、基材として、自動車のボンネット部品を用いた。なお、この自動車のボンネット部品は、年式:2012年、型式:UVF4#型、車種:トヨタレクサスLS600h前期モデル、色:No.212の黒色、状態:目立ったキズは無く、綺麗な状態のものを使用した。
【0045】
かくして、このような噴霧器と、基材を用意した後、噴霧器内に、実施例1~6、及び、比較例1~4の液剤をそれぞれ別々に充填し、実施例1~6、及び、比較例1~4を、それぞれの噴霧器を用いて、基材に噴霧した。そしてその後、市販されているマイクロファイバークロスを用いて拭き上げを行い、均一な塗布膜が得られるか目視で確認した。
【0046】
<試験結果1>
上記のような試験を行った結果、実施例1~6は、均一な塗布膜が得られていたのに対し、比較例1は、噴霧後の塗布膜を拭き上げても乾きにくくタックが残留し、垂直面で塗布膜のタレが発生していた。比較例2は、噴霧時の霧化が不良で、均一な塗布膜が得られず、拭き上げ後も外観にムラが発生した。比較例3は、ケイ素含有高分子の溶解性が不良で、噴霧器のノズル詰まりが発生した。また、均一な塗布膜が得られなかった上に、拭き上げ後に被膜の白濁が発生した。比較例4は、噴霧時の霧化が不良で、均一な塗布膜が得られなかった。さらには、拭き上げ時にも塗布膜がねばつき、拭き上げ作業に伴うスジなどの跡が発生した。
【0047】
以上のことから、有機溶剤の溶解性パラメーター値が、15MPa1/2~18MPa1/2で、且つ、沸点が120℃~200℃であり、及び/又は、ケイ素含有高分子組成物の固形分濃度が、1~10%であれば、均一な塗布膜が得られることが分かった。
【0048】
<試験項目2>
次に、従来のスポンジ塗布タイプの製品との作業時間の比較を行った。具体的には、従来のスポンジ塗布タイプの製品としては、本出願人のZeus Clear PRO ADVACEDの品番NGC02を使用した。そして、従来通り、作業対象にスポンジで塗布し、市販されているマイクロファイバークロスを用いて吹き上げを行った。
【0049】
一方、上記説明した実施例1~6を、それぞれ別々に上記説明した噴霧器内に充填し、これら噴霧器を用いて作業対象に直接噴霧し、市販されているマイクロファイバークロスを用いて吹き上げを行うか、又、その噴霧器を用いてマイクロファイバークロスに噴霧してから、別のマイクロファイバークロスで作業対象を吹き上げるかの作業を行った。
【0050】
なお、作業対象としては、年式:2012年、型式:UVF4#型、車種:トヨタレクサスLS600h前期モデル、色:No.212の黒色を使用した。
【0051】
<試験結果2>
上記のような試験を行った結果、従来の製品では、約2時間の作業時間がかかったのに対し、上記説明した実施例1~6では、何れも、約30分の作業時間となった。なお、この時間には、洗車等の前処理の時間は含まれていない。
【0052】
このことは、従来の製品は、液剤をスポンジに浸み込ませる作業が必要で、作業対象にスポンジを用いて液剤を塗り広げた場合、早く乾燥が進むため、最後の拭き取り作業までの時間が長くなるため、外気、湿度、温度の影響を受け易く、液剤の乾燥、硬化が進みやすく、拭き上げ作業にかなりの時間が必要となったため、長時間の作業となったと考えられる。
【0053】
一方、実施例1~6は、液剤をスポンジに浸み込ませる作業が不要で、液剤を作業対象に直接噴霧、又は、マイクロファイバークロスに噴霧して、すぐに拭き上げることにより、液剤の乾燥、硬化を大幅に改善することができたため、短時間の作業となったと考えられる。
【0054】
以上のことから、従来の製品は、大変な重労働であるのに対し、本発明によれば、重労働であった拭き上げ作業もかなり楽になり、作業工程の短縮が図れた。そのため、本発明によれば、熟練を要さずとも短時間で、ガラス質コーティング層を形成できる事が分かった。