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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068270
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】計測方法及び装置並びに治具
(51)【国際特許分類】
   G01N 11/00 20060101AFI20240513BHJP
   G01N 3/00 20060101ALI20240513BHJP
   G01N 3/32 20060101ALI20240513BHJP
   G01N 19/00 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
G01N11/00 G
G01N3/00 K
G01N3/00 Q
G01N3/32 M
G01N11/00 A
G01N19/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178580
(22)【出願日】2022-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】522193547
【氏名又は名称】株式会社エー・アンド・デイ
(74)【代理人】
【識別番号】100168088
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 悠
(72)【発明者】
【氏名】須合 嘉尚
(72)【発明者】
【氏名】川路 真之
【テーマコード(参考)】
2G061
【Fターム(参考)】
2G061AA20
2G061AB06
2G061AC03
2G061AC04
2G061BA06
2G061BA17
2G061BA19
2G061CA20
2G061CB18
2G061DA01
2G061EA01
2G061EA02
2G061EB03
2G061EC04
(57)【要約】
【課題】接着剤や硬化剤などの流動体の物性について、乾燥や固化していく過程の物性(すなわち物性の経時変化)を計測することのできる計測方法及び装置、並びにそれに用いる治具を提供する。
【解決手段】計測装置30は、テストピース10が取り付けられる固定部40と、治具20の攪拌具24が取り付けられる固定部41と、固定部40を加振する加振器36と、固定部41にかかる荷重を検出する荷重検出器38とを備え、攪拌具24をテストピース10の流動体14に接触させた状態で加振器36で加振しながら、荷重検出器38で荷重を検出することによって、テストピース10に塗布された流動体12の物性を計測する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テストピースに塗布された流動体の物性を計測する計測方法であって、
前記テストピースを第1の固定部に固定し、
前記テストピースに塗布された前記流動体に接触する攪拌具を第2の固定部に固定し、
前記第1、第2の固定部の一方を加振しながら、前記第1、第2の固定部のもう一方にかかる荷重を検出することによって前記流動体の物性を計測することを特徴とする計測方法。
【請求項2】
前記攪拌具を前記第2の固定部に固定した後、該攪拌具の位置を調節することによって、前記第1の固定部に固定した前記テストピースの前記流動体に対して前記攪拌具を線接触または点接触させることを特徴とする請求項1に記載の計測方法。
【請求項3】
テストピースに塗布された流動体の物性を計測する計測装置であって、
前記テストピースを固定する第1の固定部と、
前記テストピースの流動体に接触する攪拌具を固定する第2の固定部と、
前記第1、第2の固定部の一方を加振する加振器と、
前記第1、第2の固定部の他方にかかる荷重を検出する荷重検出器と、を備え、
前記加振器で加振しながら、前記荷重検出器で荷重を検出することによって、前記テストピースに塗布された流動体の物性を計測すること特徴とする計測装置。
【請求項4】
前記攪拌具の位置を調節する攪拌具調節機構を備え、前記第1の固定部に固定した前記テストピースの流動体に対して前記攪拌具を線接触または点接触させることを特徴とする請求項3に記載の計測装置。
【請求項5】
第1、第2の固定部と、前記第1、第2の固定部の一方を加振する加振器と、前記第1、第2の固定部の他方にかかる荷重を検出する荷重検出器と、を備えた計測装置にテストピースを取り付けて、該テストピースに塗布された流動体の物性を計測するための治具であって、
前記第1の固定部に前記テストピースを固定する固定具と、
前記第1の固定部に固定された前記テストピースの流動体に接触する状態で前記第2の固定部に固定される攪拌具と、
を備えたことを特徴とする計測装置用治具。
【請求項6】
前記攪拌具は、前記テストピースの前記流動体に対して線接触または点接触することを特徴とする請求項5に記載の計測装置用治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は計測方法及び装置並びに治具に係り、特に塗料や接着剤等の特性の経時変化を計測する計測方法及び装置並びに治具に関する。
【背景技術】
【0002】
接着剤の物性を計測する方法の一つとしてオーバーラップ法がある。これは、プレートを部分的にオーバーラップさせて接着したテストピースを作り、このテストプレートを両側から引っ張り力を加えて剥離したときの力(剪断力)を測定するものであり、従来から様々な改良が提案されている。例えば特許文献1には、オーバーラップ法において接合力が大きい場合であってもモーメントが発生しない補助具が示されている。また、オーバーラップ法以外にも、アコースティック・エミッション法や碁盤目テープ法などの様々な方法で、物性の計測が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-234910
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の計測方法では、乾燥後の接着剤の物性しか計測できないという問題があった。すなわち、従来の計測方法は、接着剤が乾燥後した後に計測を行うため、接着剤が乾燥していく過程でどのように物性が変化するのかは分からないという問題があった。同様の問題は、硬化剤や塗料などの流動体でもあり、流動体の物性がどのように変化していくのか分からないという問題があった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みて成されたものであり、接着剤や硬化剤などの流動体の物性について、乾燥や固化していく過程の物性(すなわち物性の経時変化)を計測することのできる計測方法及び装置、並びにそれに用いる治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は前記目的を達成するために、テストピースに塗布された流動体の物性を計測する計測方法であって、前記テストピースを第1の固定部に固定し、前記テストピースに塗布された前記流動体に接触する攪拌具を第2の固定部に固定し、前記第1、第2の固定部の一方を加振しながら、前記第1、第2の固定部のもう一方にかかる荷重を検出することによって前記流動体の物性を計測することを特徴とする計測方法を提供する。
【0007】
請求項2に記載の発明は請求項1において、前記攪拌具を前記第2の固定部に固定した後、該攪拌具の位置を調節することによって、前記第1の固定部に固定した前記テストピースの前記流動体に対して前記攪拌具を線接触または点接触させることを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は前記目的を達成するために、テストピースに塗布された流動体の物性を計測する計測装置であって、前記テストピースを固定する第1の固定部と、前記テストピースの流動体に接触する攪拌具を固定する第2の固定部と、前記第1、第2の固定部の一方を加振する加振器と、前記第1、第2の固定部の他方にかかる荷重を検出する荷重検出器と、を備え、前記加振器で加振しながら、前記荷重検出器で荷重を検出することによって、前記テストピースに塗布された流動体の物性を計測すること特徴とする計測装置を提供する。
【0009】
請求項4に記載の発明は請求項3において、前記攪拌具の位置を調節する攪拌具調節機構を備え、前記第1の固定部に固定した前記テストピースの流動体に対して前記攪拌具を線接触または点接触させることを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は前記目的を達成するために、第1、第2の固定部と、前記第1、第2の固定部の一方を加振する加振器と、前記第1、第2の固定部の他方にかかる荷重を検出する荷重検出器と、を備えた計測装置にテストピースを取り付けて、該テストピースに塗布された流動体の物性を計測するための治具であって、前記第1の固定部に前記テストピースを固定する固定具と、前記第1の固定部に固定された前記テストピースの流動体に接触する状態で前記第2の固定部に固定される攪拌具と、を備えたことを特徴とする計測装置用治具を提供する。
【0011】
請求項6に記載の発明は請求項5において、前記攪拌具は、前記テストピースの前記流動体に対して線接触または点接触することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、テストピースに塗布された流動体に対して攪拌具を接触させた状態で、テストピースと攪拌具の一方を加振し、もう一方で荷重を検出する。したがって、流動体の物性の変化を荷重値の変化として計測することができ、たとえば接着剤が乾燥過程においてどのように物性が変化するかを計測することができる。
【0013】
本発明において、流動体に対して攪拌具を線接触または点接触させることが好ましく、攪拌具によって流動体の乾燥や固化が阻害されることを防止することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、接着剤、塗料、硬化剤などの流動体の物性がどのように変化するかを計測することができ、たとえば接着剤の乾燥時間がどのくらい必要か、硬化剤の硬化時間がどのくらい必要かなどを求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明が適用された計測装置の構成を模式的に示すブロック図
図2】本発明が適用された治具とテストピースの構成を示す斜視図
図3図2の治具とテストピースを計測装置に装着した状態を示す斜視図
図4図3と異なる構成の攪拌具を説明する斜視図
図5図2と異なる構成の治具を説明する斜視図
図6】本実施の形態に適した取付台の斜視図
図7】本発明によって得られるデータを説明する図
図8】本発明によって得られるデータを説明する図
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付図面に従って、本発明に係る試験装置の好ましい実施形態について説明する。図1は本発明が適用された計測装置30の構成を模式的に示している。この計測装置30は、テストピース10の物性を計測する粘弾性試験機であり、テストピース10は治具20を介して計測装置30に取り付けられている。
【0017】
図2はテストピース10と治具20の組立前の状態を斜視図であり、図3はその組立状態を示す斜視図である。これらの図に示すテストピース10は、平坦なプレート12と、塗料や接着剤等の流動体(すなわち流動性がある試験対象物)14から成り、本実施例ではプレート12の上面に流動体14が均一に塗布されている。なお、流動体14は後述する攪拌具24が接触する部分のみに塗布してもよく、たとえば攪拌具24の下面24Aに沿って線状に塗布してもよい。或いは攪拌具24が点接触するように形成し、その接触位置に流動体14を点状に塗布してもよい。さらに本実施例では、平坦なプレート12を用いたが、たとえば曲面状や波形のプレートを用いたり、凹凸を有するプレートを用いてもよい。いずれにしても試験したい対象に応じてプレート12と流動体14を設定すればよい。
【0018】
治具20は固定具22と攪拌具24とで構成されている。固定具22は、テストピース10を計測装置30の固定部40に固定する部材であり、テストピース10のプレート12を水平に固定するための固定プレート部22Aを有している。固定プレート部22Aには、複数の穴22Bが形成されており、この穴22Bを介して、固定プレート部22Aの上に置かれたテストピース10のプレート12を下側からねじ止めすることができる。固定プレート部22Aの端部は垂直上方に折り曲げられており、その外側の面に板状の取付部22Cが設けられている。この取付部22Cは計測装置30の固定部40に連結して固定される部分であり、計測装置30の固定部40の態様に合わせて構成される。なお、本実施例では、固定部40及び固定部41の構成は、(図を省略するが)垂直な板状の部材を左右両側から把持して掴むように構成されており、その形状に合わせて固定具22の取付部22Cが構成されている。
【0019】
一方、治具20の攪拌具24は、板状に形成されており、固定具22の固定プレート部22Aを水平に配置した際にその固定プレート部22Aに対して垂直に配置される。また、攪拌具24は、下面24Aが直線状に形成されており、固定プレート部22A上に固定されたテストピース10の流動体14に対して下面24Aが線接触するようになっている。さらに、攪拌具24は、先端側が先細に形成され、基端側が先端よりも幅広に形成されており、この基端側が計測装置30の固定部41に固定される。なお、本実施の形態では、攪拌具24が流動体に線接触するようにしたがこれに限定するものではなく、一定の接触状況を確保できるようになっていれば良く、点接触であってもよい。ただし、流動体の乾燥や固化を妨げないように、接触面積が少ない方が好ましく、線接触や点接触が特に好ましい。
【0020】
上記の如く構成されたテストピース10及び治具20は、図3に示すように、治具20の固定具22にテストピース10のプレート12が固定され、その固定具22の取付部22Cが計測装置30の固定部40(図1参照)に固定される。また、治具20の攪拌具24は、テストピース10の流動体14に対して下面24Aが線接触するように配置された状態で、計測装置30の固定部41(図1参照)に固定される。
【0021】
図1に示すように計測装置30は、架台32、温度槽34、加振器36、荷重検出器38、固定部40、41を備えている。架台32は高剛性であり、充分な慣性質量と減衰性をもち、振動ノイズを吸収する構造になっている。この架台32の上には、温度槽34が設けられており、その内部を所定の温度に管理できるようになっている。温度槽34の内部には、一対の固定部40、41が設けられている。固定部40、41は例えばクランプ等で構成されており、治具30を介してテストピース10を固定できるようになっている。
【0022】
また、架台32の上には、温度槽34を挟むようにして、加振器36と荷重検出器38が設けられている。加振器36はロッド42を介して固定部40に連結されており、固定部40に振動(たとえば正弦波の振動)を与えられるようになっている。したがって、固定部40に連結された治具20の固定具22を介して、テストピース10に振動が与えられる。なお、ロッド42の途中には、変位検出器44が設けられており、加振器36によって生じた動的振幅変位が検出される。
【0023】
一方、荷重検出器38はロッド43を介してもう一方の固定部41に連結され、テストピース10に発生した応力を検出できるようになっている。この荷重検出器38は、スライド機構46を介して架台32に搭載されており、静的なテンションが制御され、測定中のテストピース10に適切な張力がかかるようになっている。
【0024】
次に上記の如く構成された計測装置30や治具20の作用について説明する。
【0025】
テストピース10は、プレート12に塗布した流動体14が乾く前に計測装置30の取り付ける。まず、テストピース10のプレート12を治具20の固定具22の固定プレート22Aに固定し、その固定具22の取付部22Cを、プレート12が水平になるようにして計測装置30の固定部40に取り付ける。次に、治具20の攪拌具24が垂直になるように配置し、その攪拌具24を計測装置30の固定部41に連結する。そして、攪拌具24の下面24Aがテストピース10の流動体14に対して線接触するように攪拌具24の位置や姿勢を調節した後、攪拌具24を固定部41に固定する。
【0026】
このようにしてテストピース10を設置した後、加振器36を駆動する。これにより、ロッド40を介して固定部40に振動が伝わり、テストピース10のプレート12が振動する。その際、流動体14に線接触している攪拌具24に応力が伝わり、その応力が、固定部41にロッド41を介して連結された荷重検出器38で計測される。荷重検出器38の計測値は、流動体14の物性に依存し、物性が経時変化すると計測値も変化することになる。たとえば、流動体14が接着剤の場合、接着剤が乾けば乾くほど、粘度が低くなり、振動が伝わりやすくなり、計測値が変化する。したがって、流動体14の物性の経時変化を計測することができる。
【0027】
このように物性の経時変化を求めることによって、たとえば複素粘弾性を解析することができる。図7はマニキュアを試験して、複素粘弾性を解析した結果を示している。この試験では、測定周波数1Hz、振動振幅±0.01mm、測定長さ15mm、塗液厚さ0.2mm、プレート幅0.3mmとし、プレート12の基材はアルミ板を用いた。図7には、貯蔵弾性率G’、損失弾性率G”、損失正接tanδが測定開始後に大きく変化し、20分を超えるあたりから徐々に変化が小さくなることが示されている。
【0028】
図8はスチロール樹脂系接着剤を試験して、複素粘弾性を解析した結果を示している。この試験では、測定周波数10Hz、振動振幅±0.01mm、測定長さ15mm、塗液厚さ0.2mm、プレート幅0.3mmとし、プレート12の基材はアルミ板を用いた。図8に示すように、貯蔵弾性率G’は50分程度で安定するのに対して、損失弾性率G”、損失正接tanδは測定開始後に大きく変化し、その後も変化し続けていることが分かる。このように、本発明を用いると、物性の経時変化を把握することができる。
【0029】
なお、上述した実施の形態では、治具20の固定具22を固定部40に固定し、攪拌具24を固定部41に固定したが、逆であってもよい。その場合、攪拌具24に振動が与えられ、流動体14とプレート12側での荷重の変化を荷重検出器38で計測することになる。この場合にも、流動体14の物性の変化を計測することができる。
【0030】
また、上述した実施形態では、攪拌具24の姿勢や位置を調節しながら固定部41に固定するようにしたが、固定部41の高さや姿勢を調節する機構を計測装置30に設けてもよい。また、攪拌具24の下面の位置や角度を調節できるように攪拌具24を構成してもよい。
【0031】
なお、上述した実施の形態では、攪拌具24が流動体14に線接触する例で説明したが、たとえば、図4に示すように点接触するようにしても良い。図4に示す攪拌具50は、先端の球体52と、それを支持する取付板54から成り、球体52が流動体14に点接触するようになっている。この場合、テストピース10の流動体14は、点接触する部分を中心に円状に塗布してもよい。また、図4において、球体52の代わりに立設した円柱を用いてもよい。
【0032】
図5は、別の実施形態の治具21を示している。治具21の固定具23には、平坦な固定プレート部23Aが形成されており、この固定プレート部23Aにテストピース10が上側からねじ26によって固定されている。固定具23はロッド27の先端に取り付けられており、このロッド27が計測装置30の固定部40(図1参照)に固定されている。一方、治具21の攪拌具25は上下方向が一定幅である矩形状に形成されており、その端部はクランプ28に把持されている。クランプ28にはロッド29が連結されており、このロッド29が計測装置30の固定部41(図1参照)に固定されている。このように構成した治具21を用いた場合も、テストピース10の流動体14の物性を試験することができる。
【0033】
なお、テストピース10を治具20(または21)に取り付ける際、或いは、テストピース10を取り付けた治具20(または21)を計測装置30に取り付ける際に、図6に示すような取付台60を用いるとよい。図6に示す取付台60は、計測装置30の架台32(図1参照)の上に載置する土台部62と、その土台部62に水平に連結されたガイド部64で構成されている。ガイド部64の上面には、上側に突出した凸条部64Aが形成されている。凸条部64Aの幅は、テストピース10と同じ幅、或いはテストピース10よりも若干狭い幅で形成されている。したがって、テストピース10を固定した固定具22(または23)を凸条部64Aの上に載置しても、固定用のネジがガイド部64に接触しないようになっている。
【0034】
上記の如く構成された取付台60は、テストピース10を固定した固定具22(または23)を計測装置30の固定部40に固定する際や、テストピース10の流動体14に接触させた攪拌具24(または25)を計測装置30の固定部41に固定する際に使用される。具体的には、まず、取付台60の土台部62を架台32上に載置し、ガイド部64の凸条部64Aを試験エリアの下方に配置する。次にテストピース10を固定した治具20(または21)の固定具22(または23)をガイド部64の凸条部64Aの上面に載置し、しっかり押さえた状態で固定具22(または23)を計測装置30の固定部40に固定する。さらに、テストピース10の流動体14に治具20(または21)の攪拌具24(または25)が接触するように位置決めしながら攪拌具24(または25)を計測装置30の固定部41に固定する。これにより、攪拌具24(または25)と流動体14とが確実に接触した状態になり、安定した試験を行うことができる。
【符号の説明】
【0035】
10…テストピース、12…プレート、14…流動体、20…治具、21…治具、22…固定具、23…固定具、24…攪拌具、25…攪拌具、26…ねじ、27…ロッド、28…クランプ、29…ロッド、30…計測装置、32…架台、34…温度槽、36…加振器、38…荷重検出器、40…固定部、41…固定部、42…ロッド、43…ロッド、44…変位検出器、46…スライド機構、50…攪拌具、52…球体、54…取付板、60…取付台、62…土台部、64…ガイド部




図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8