(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068283
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】物品取得ゲーム装置
(51)【国際特許分類】
A63F 9/30 20060101AFI20240513BHJP
【FI】
A63F9/30 502C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178605
(22)【出願日】2022-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】110002273
【氏名又は名称】弁理士法人インターブレイン
(72)【発明者】
【氏名】瀧川 里穂
(72)【発明者】
【氏名】深澤 光晴
(72)【発明者】
【氏名】御所園 空也
(72)【発明者】
【氏名】花房 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】野村 晋平
(72)【発明者】
【氏名】室塚 雄一朗
(57)【要約】
【課題】クレーンゲーム装置において落下口への景品の落下を簡易な構成にて検出する。
【解決手段】クレーンゲーム装置は、景品などの各種物品が配置される載置領域と、物品が通過する落下口と、プレイヤによる操作にしたがってクレーンを駆動する移動制御部と、物品の落下を検出する複数のセンサと、落下口を通過する物品が「景品」であるか否かを判定する獲得判定部と、落下口を物品が通過したときに反応するセンサの数を通過反応数として、ユーザからの指示にしたがって景品に対応する通過反応数の範囲を示す獲得範囲を設定する設定部と、を備える。獲得判定部は、落下口を物品が通過したときの通過反応数が上記の獲得範囲内にあるとき、景品獲得と判定する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイ空間に設けられ、物品が配置される載置領域と、物品が通過する落下口とを含むゲームフィールドと、
前記物品を獲得する獲得機構と、
プレイヤからの操作を受け付ける操作部と、
前記操作にしたがって、前記獲得機構を駆動する移動制御部と、
前記落下口に配列され、物品の通過を検出する複数のセンサと、
前記落下口を通過する物品が、獲得対象となる第1物品であるか否かを判定する獲得判定部と、
前記落下口を物品が通過したときに反応するセンサの数を通過反応数として、ユーザからの指示にしたがって第1物品に対応する通過反応数の範囲を示す獲得範囲を設定する設定部と、を備え、
前記獲得判定部は、前記落下口を物品が通過したときの通過反応数が前記獲得範囲内にあるとき、前記通過した物品が第1物品であると判定する、物品取得ゲーム装置。
【請求項2】
設定画面を表示させる表示部、を更に備え、
前記設定部は、前記設定画面においてユーザにより第1物品のサイズの入力を受け付け、前記入力されたサイズに応じて前記獲得範囲を設定する、請求項1に記載の物品取得ゲーム装置。
【請求項3】
前記設定部は、更に、前記設定画面においてユーザにより、獲得対象外となる第2物品のサイズの入力を受け付け、前記入力されたサイズに応じて前記第2物品の通過反応数の範囲を示す不要範囲を設定し、
前記獲得判定部は、前記落下口を物品が通過したときの通過反応数が前記不要範囲内にあるとき、前記通過した物品が第2物品であると判定する、請求項2に記載の物品取得ゲーム装置。
【請求項4】
前記ゲームフィールドの前記載置領域には、獲得対象となる第1物品と、獲得対象外となる第2物品が載置され、
前記獲得判定部は、前記落下口を物品が通過したときの通過反応数が前記獲得範囲外にあるとき、前記通過した物品が第2物品であると判定する、請求項1に記載の物品取得ゲーム装置。
【請求項5】
前記設定部は、設定モードにおいて、ユーザが第1物品を前記落下口へ落下させたときの通過反応数に基づいて、前記獲得範囲を設定する、請求項1に記載の物品取得ゲーム装置。
【請求項6】
前記落下口は、少なくとも対向する2辺を2組有する矩形形状にて構成され、
前記落下口の第1辺には複数の発光素子が配列され、前記第1辺に対向する第3辺には前記発光素子の光を検出する複数の受光素子が前記第1辺の複数の発光素子と対向する位置に配列され、
前記落下口の第2辺には複数の発光素子が配列され、前記第2辺に対向する第4辺には前記発光素子の光を検出する複数の受光素子が前記第2辺の複数の発光素子と対向する位置に配列され、
前記獲得判定部は、前記第3辺および前記第4辺に配列される受光素子のうち、前記落下口を通過する物品により遮光された受光素子の数を通過反応数として特定する請求項1に記載の物品取得ゲーム装置。
【請求項7】
前記複数のセンサは、前記落下口を物品が通過するときに複数回の計測を実行し、
前記獲得判定部は、複数の時点それぞれにおける通過反応数に基づいて、前記落下口を通過した物品が第1物品であるか否かを判定する、請求項1に記載の物品取得ゲーム装置。
【請求項8】
前記獲得判定部により第1物品の通過が検出されたとき、前記ゲームフィールドにおける第1物品の残存数を更新する在庫管理部と、
前記残存数が所定の閾値以下となったとき、第1物品の補充を要求する補充要求部と、を更に備える請求項1に記載の物品取得ゲーム装置。
【請求項9】
前記ゲームフィールドの前記載置領域は1以上のパネルにより構成され、
前記落下口は前記ゲームフィールドのうちパネルに覆われない部分として構成され、
前記落下口には、センサユニットが設置され、
前記センサユニットは、複数の発光素子が配列される第1検出部と、複数の受光素子が前記複数の発光素子と対向するように配列される第2検出部を含み、
前記獲得判定部は、前記落下口を通過する物品により遮光された受光素子の数を通過反応数として特定する請求項1に記載の物品取得ゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、景品等の物品を移動させて獲得する物品取得ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
多くのゲームセンターには、クレーンゲーム装置(物品取得ゲーム装置)が設置されている。クレーンゲーム装置の筐体内にはステージ(ゲームフィールド)が設けられ、ぬいぐるみやお菓子などの景品(物品)が載置される。プレイヤは、操作桿あるいは各種ボタンを駆使してクレーン(獲得機構)を操作する。クレーンで景品を掴み、落下口に景品を移動できれば、プレイヤは景品を獲得できる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
クレーンゲーム装置においては、景品の下にクレーンのアームの先端が入り込める隙間をつくるために、ボール等の隙間構成用の部材をステージにあらかじめ敷き詰めておくことがある。敷き詰められた多数のボールの上に、景品が乗せられる。このような構成の場合、クレーンが景品ではなくボールを掴んで運搬し、落下口にボールを落下させてしまうこともある。オペレータ(ユーザ)は、経営上、クレーンゲーム装置のペイアウト率を認識しておく必要があるため、落下口に景品または景品以外の物体のどちらが落下したのかを認識できることが望ましい。また、クレーンゲーム装置に投入される景品はさまざまであるため、多様な景品にも柔軟に対応できる必要がある。
【0005】
本発明は、本発明者らによる上記課題認識に基づいて完成された発明であり、その主たる目的は、クレーンゲーム装置において落下口に落下した物体が景品であるか否かを簡易に検出するための技術、を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様における物品取得ゲーム装置は、プレイ空間に設けられ、物品が配置される載置領域と、物品が通過する落下口とを含むゲームフィールドと、物品を獲得する獲得機構と、プレイヤからの操作を受け付ける操作部と、操作にしたがって、獲得機構を駆動する移動制御部と、落下口に配列され、物品の通過を検出する複数のセンサと、落下口を通過する物品が、獲得対象となる第1物品であるか否かを判定する獲得判定部と、落下口を物品が通過したときに反応するセンサの数を通過反応数として、ユーザからの指示にしたがって第1物品に対応する通過反応数の範囲を示す獲得範囲を設定する設定部と、を備える。
獲得判定部は、落下口を物品が通過したときの通過反応数が獲得範囲内にあるとき、通過した物品が第1物品であると判定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、物品取得ゲーム装置において、景品の落下を簡易な構成にて検出しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】クレーンゲーム装置の機能ブロック図である。
【
図3】載置領域における景品の載置状態を示す模式図である。
【
図7】景品およびカラーボールの検出方法を説明するための模式図である。
【
図9】物体が落下口を通過したときの処理過程を示すフローチャートである。
【
図10】変形例における不要物品と景品のサイズの関係を示す模式図である。
【
図11】変形例におけるプライズセンサの斜視図である。
【
図12】変形例における通過反応数の時間変化を示すグラフである。
【
図13】変形例におけるプライズセンサの正面図である。
【
図14】複数のパネルにより構成される景品載置台の第1の上面図である。
【
図15】複数のパネルにより構成される景品載置台の第2の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、クレーンゲーム装置100の斜視図である。
クレーンゲーム装置100は、一般的には、遊園地やゲームセンターなどの遊戯施設に設置される。
図1に示すように、プレイヤから見たときのクレーンゲーム装置100の左右方向をX方向、前後方向をY方向、上下方向をZ方向として説明する。
【0010】
クレーンゲーム装置100は、直方体形状の基台102と、基台102上に設けられた箱型の景品収容部104を備える。景品収容部104の内方にプレイ空間Sが形成され、景品載置台106(ゲームフィールド)が設けられる。景品載置台106上には、ぬいぐるみや雑貨等の景品のほか、景品載置台106を装飾するためのカラーボールが配置される(後述)。景品載置台106の上方にはクレーン108が設けられる。クレーン108は、プレイ空間Sの前後左右および上下に移動でき、景品を把持/解放する。
【0011】
景品収容部104は、その前面および左右側面が透明なガラス張りとされている。外部からの景品の視認性が考慮されたものである。景品収容部104の天井面には、景品載置台106を上方から撮像するカメラが設置されてもよい。景品収容部104の前面にはガラス製の扉110が設けられ、オペレータ(店員)は扉110を開いて景品を景品収容部104内に配置できる。
【0012】
景品載置台106は、載置領域112(第1領域)と落下口114(第2領域)に区画される。載置領域112に景品が載置され、プレイヤは景品を載置領域112から落下口114に運ぶことができれば、景品を取得できる。載置領域112と落下口114の間は遮蔽板128が設置される。遮蔽板128は、載置領域112にある景品あるいはカラーボールが落下口114に転げ落ちるのを防ぐ。
【0013】
基台102の前面には、落下口114から落下した景品を取り出すための景品取出口116が形成される。
【0014】
基台102の前面側には操作部118および設定表示部120が設けられる。ゲーム開始に際し、プレイヤは、コイン投入口にコインを投入するか、ICカードリーダに、電子マネーがチャージされたICカードをタッチする。以下、クレーンゲーム装置100において、操作部118等が設置される面、いいかえれば、プレイヤが位置する側の面を「前面」とよび、プレイヤから見て奥側(Y軸正方向側)にある面を「背面」とよぶ。
【0015】
操作部118は、プレイヤがクレーン108を前後左右に移動させてその降下地点を決めるための操作桿122と、クレーン108を降下させて景品を把持させるための把持ボタン124を含む。
【0016】
設定表示部120にはタッチパネルが設置される。設定表示部120は、オペレータ(店員)がゲームの設定情報を入力する「設定入力部」として機能するとともに、操作部118の操作方法やゲーム結果など、ゲームに関する情報を表示させる「表示部」としても機能する。クレーンゲーム装置100は、そのほかにもスピーカ(不図示)や外部接続端子等を備える。
【0017】
クレーン108は、景品を把持および解放可能な3本のアーム126を有する。なお、アーム126は2本であってもよいし、4本以上であってもよい。クレーン108はアーム126を開閉駆動するモータを含む。クレーン108は、アーム126を開閉させることによって、景品を把持および解放する。
【0018】
クレーン108は、景品収容部104の上部に設置された図示略のガイドレールに沿って移動可能であり、クレーン駆動部130(後述)により駆動される。クレーン駆動部130は、クレーン108を横方向(X方向)および縦方向(Y方向)に駆動する移動機構と、上下方向(Z方向)に駆動する昇降機構を含む。移動機構は、X方向モータおよびY方向モータを含む。昇降機構は、Z方向モータを含む。クレーン駆動部130により、クレーン108をプレイ空間Sの任意の位置に移動させることができる。
【0019】
本実施形態におけるクレーン108は、3つのアーム126を有するいわゆる「トリプルキャッチャー型」である。プレイヤは、制限時間以内であれば操作桿122によりクレーン108を前後左右に自由に動かすことができる。プレイヤは、景品の上方にクレーン108を移動させたあと、把持ボタン124を押下する。把持ボタン124が押下されると、クレーン108は下降する。クレーン108は所定距離を下降すると自動的にアーム126を閉鎖方向に移動させる(以下、「把持」あるいは「把持動作」とよぶ)。このとき、クレーン108は降下地点にある比較的大きな景品をアーム126により掴むことができる。なお、クレーン108の下降中に再度把持ボタン124を押下すれば、押下時点においてアーム126に把持動作させることもできる。
【0020】
把持動作を維持したまま、クレーン108は上昇し、その後、落下口114に向けて自動的に移動する。クレーン108は、落下口114の上でアーム126を解放方向に移動させる(以下、「解放」あるいは「解放動作」とよぶ)。景品をしっかりと把持できていれば、景品は落下口114までクレーン108によって運ばれ、落下口114の上から落とされる(クレーンゲームの成功)。一方、アーム126が景品をしっかり把持できていなかったときには、クレーン108が落下口114の直上に到達する前に、クレーン108から景品が落下してしまう(クレーンゲームの失敗)。
【0021】
なお、オペレータは、クレーン108を水平回転(Z軸を中心とした回転)させることもできる。
図1に示すように、3つのアーム126のうちの1つがプレイヤ側にくる状態がホームポジションであるが、オペレータは景品の配置状況に鑑みて、クレーン108の水平回転角を調整できる。クレーン108の前面には、デザインカバー132が設置される。本実施形態におけるデザインカバー132には、製品名を示すロゴ(広告情報)が記載される。
【0022】
落下口114の内部には複数の光センサが設置される。この光センサにより景品の落下口114への落下(以下、単に「景品取得」ともよぶ)を検出する。また、これらの光センサは、カラーボールおよび景品のいずれが落下したかを区別できるように構成されているが詳細は
図4等に関連して後述する。
【0023】
景品収容部104の背面には、1以上のディスプレイバー134が設置される。ディスプレイバー134は、X方向に延伸する金属棒材であり、ここに展示用の景品を挟むことができる。オペレータは、扉110を開けて落下口114に入り、ディスプレイバー134を背面に設置する。ディスプレイバー134の数および高さは任意である。
落下口114の奥にはカラーボールなどの備品を収納するための収納ボックスが設けられる。
【0024】
図2は、クレーンゲーム装置100の機能ブロック図である。
クレーンゲーム装置100の各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)および各種コプロセッサ(Co-processor)などの演算器、メモリやストレージといった記憶装置、それらを連結する有線または無線の通信線を含むハードウェアと、記憶装置に格納され、演算器に処理命令を供給するソフトウェアによって実現される。コンピュータプログラムは、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、それらの上位層に位置する各種アプリケーションプログラム、また、これらのプログラムに共通機能を提供するライブラリによって構成されてもよい。以下に説明する各ブロックは、ハードウェア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。
【0025】
クレーンゲーム装置100は、ユーザインタフェース処理部140、機構部142、データ処理部144、通信部160およびデータ格納部146を含む。
ユーザインタフェース処理部140は、各種の入力デバイスを介してプレイヤからの操作を受け付けるほか、画像表示や音声出力など、ユーザインタフェースに関する処理を担当する。機構部142は、クレーン108等の各種獲得機構を駆動する。データ格納部146は各種データを格納する。データ処理部144は、ユーザインタフェース処理部140からの入力およびデータ格納部146に格納されているデータに基づいて各種処理を実行する。通信部160は、オペレータが使用する店舗端末等、外部装置との通信を担当する。データ処理部144は、機構部142、ユーザインタフェース処理部140、通信部160およびデータ格納部146のインタフェースとしても機能する。
【0026】
ユーザインタフェース処理部140は、入力部148と、各種情報を出力する出力部150を含む。出力部150は、画像を出力する表示部162を含む。表示部162は、設定表示部120等の表示装置に各種画像を表示させる。
【0027】
入力部148は、設定表示部120を介してオペレータ(ユーザ)からの設定入力を受け付ける。また、入力部148は、操作部118を介してプレイヤからの操作入力を受け付ける。クレーンゲーム装置100には設定モードとプレイモードがある。設定モードにおいては、オペレータは後述の各種設定を行う。景品の搬入あるいはディスプレイバー134の取り付けも設定モード中に行われる。プレイモードにおいては、プレイヤは操作部118を操作し、クレーンゲームをプレイする。
【0028】
機構部142は、クレーン駆動部130およびセンサ群152を含む。クレーン駆動部130により、クレーン108の移動、アーム126の把持・解放が実行されることは上述の通りである。センサ群152は、落下口114における光センサ(後述)等に対応する。
【0029】
データ処理部144は、移動制御部154、獲得判定部156、設定部158、在庫管理部164および補充要求部166を含む。
移動制御部154は、操作部118による操作指示にしたがって、クレーン108に移動・把持・解放を指示する。獲得判定部156は、景品が落下口114に落下したか、いいかえれば、クレーンゲームの成否を判定する。また、獲得判定部156は、落下口114を通過した物体が、景品(第1物品)またはカラーボール(第2物品)のいずれであるかも判定する(後述)。オペレータは設定モードにおいて、景品のサイズを設定できる。設定部158は、オペレータの入力にしたがって、景品あるいはカラーボールの検出基準を設定する(後述)。在庫管理部164は、景品載置台106に残る景品の数(以下、単に「残余数」とよぶ)を管理する。補充要求部166は、残余数が所定の閾値T以下となったとき、通信部160に指示して、店舗端末に景品の補充要求を送信させる。オペレータは、設定モードにおいて、閾値Tを自由に設定できる。
【0030】
データ格納部146は、クレーンゲームのゲームプログラム、クレーンゲームの設定およびゲームのプレイ結果(ペイアウト率)などの情報を格納する。
【0031】
図3は、載置領域112における景品172の載置状態を示す模式図である。
載置領域112には、複数のカラーボール174が敷き詰められる。ぬいぐるみなどの各種の景品172は、カラーボール174の層上に載置される。ここでは、景品172の縦・横・奥行のいずれの寸法もカラーボール174のそれらよりも大きいものとする。カラーボール174は、弾力性を有するビニール製のボールである。カラーボール174を敷き詰める目的の一つはプレイ空間Sの装飾性を高めることである。また、アーム126が載置領域112に直接触れてしまうと、アーム126あるいは載置領域112に傷がつく可能性もあるため、カラーボール174の層を形成することにより載置領域112とアーム126の接触を防ぐ。
【0032】
また、カラーボール174の層は景品172の下に隙間をつくるため、アーム126を景品172の下部に差し込みやすくなる。このため、カラーボール174の層をつくることで、アーム126は景品172をしっかりと掴みやすくなる。
【0033】
プレイヤにより取得対象となるのは景品172であり、本来、カラーボール174は取得対象とはならない。しかし、稀に、カラーボール174がアーム126により掴み上げられ、落下口114に転落することがある。オペレータは、経営上、クレーンゲーム装置100のペイアウト率、すなわち、景品取得の難易度を認識しておく必要がある。このような理由から、クレーンゲーム装置100には景品172の落下を検出する機能が求められる。カラーボール174が落下口114に落下したときにこれが景品172の取得と誤認識されてしまう可能性がある。以下においては、カラーボール174または景品172のいずれかが落下口114に落下したとき、これらを簡易に判別する構成について説明する。
【0034】
図4は、基台102の斜視図である。
図5は、プライズセンサ176の斜視図である。
図6は、プライズセンサ176の正面図である。
落下口114の内壁面には、プライズセンサ176が配置される。プライズセンサ176は、互いに対向する第1検出板176a(第1検出部)および第2検出板176b(第2検出部)を含む。第1検出板176aおよび第2検出板176bには50個ずつ、合計100個の光センサ178が配置される。
なお、落下口114の内壁に第1検出板176aおよび第2検出板176bを取り付けるのではなく、落下口114の内壁面に光センサ178を直接取り付けることで、内壁面の一部を「検出部」として機能させてもよい。
【0035】
第2検出板176bには、50個の発光素子178b(光センサ178)が7ミリメートル間隔にて一列に配列される。第1検出板176aには、50個の受光素子178a(光センサ178)が7ミリメートル間隔にて一列に配列される。すなわち、受光素子178aと発光素子178bはペアとなっており、n番目の発光素子178bから発せられる光は、この発光素子178bに対向する位置にあるn番目の受光素子178aにより受光される。以下、n番目の受光素子178aを「受光素子178a(n)」のように表記する。発光素子178bについても同様である。
【0036】
第2検出板176bに配列される50個の発光素子178bは、第2検出板176bの一端側にある発光素子178b(1)から他端側にある発光素子178b(60)まで1個ずつ繰り返し発光する。したがって、第1検出板176aに配列される50個の受光素子178aも順番に受光する。発光素子178b(1)から発光素子178b(60)まで順番に発光し、受光素子178a(1)から発光素子178b(60)が順番に受光する方式を「スキャン方式」とよぶ。
【0037】
景品172あるいはカラーボール174が落下口114を通過するとき、物体が発光素子178bの光を遮るため、受光素子178aの一部は受光すべきタイミングにて光を検出できなくなる。受光素子178aが物体により遮光されることを「通過反応」とよぶ。また、通過反応を検出した受光素子178aの数を「通過反応数」とよぶ。本実施形態においては、スキャン速度は物体の落下速度に比べると十分に高速であるため、物体の通過中には複数の受光素子178aにおいて通過反応が発生する。
【0038】
獲得判定部156は、発光素子178bのスキャン方式による発光を制御する。また、獲得判定部156は、受光素子178aから通過反応数を検出し、この通過反応数に基づいて「物体が落下口114を通過したか」「落下口114を通過した物体は景品172またはカラーボール174のいずれであるか」を判定する。上述したように、光センサ178は5ミリメートル間隔で配列されるため、理論上、幅7ミリメートル以上の物体であれば通過検出可能であるが、本実施形態においては幅30ミリメートル以上の物体の通過検出を想定する。
【0039】
図7は、景品172およびカラーボール174の検出方法を説明するための模式図である。
本実施形態におけるカラーボール174の直径は30ミリメートルであるとする。また、景品172の横幅は最低でも80ミリメートル以上であるとする。
【0040】
景品172等の物体が落下口114を通過したとき、複数の受光素子178aのうち一部の受光素子178aにて通過反応が検出される。獲得判定部156は、通過反応が検出されたとき、景品172またはカラーボール174が光センサ178の前を通過したと認識する。
【0041】
カラーボール174の直径は30ミリメートルなので、カラーボール174が落下口114を通過したときの通過反応数は4~5個程度と想定される。一方、景品172の横幅は80ミリメートル以上であるため、景品172が落下口114に落下したときの通過反応数は11個以上となる。獲得判定部156は、いずれかの光センサ178において通過反応が検出されたとき、通過反応数が5個以下であればカラーボール174、11個以上であれば景品172が落下したと判定する。
【0042】
このような制御方法によれば、複数の光センサ178についての通過反応数に基づいて、「景品172およびカラーボール174のどちらが落下したか」を簡易な構成にて認識できる。
【0043】
景品172の形状はさまざまであるため、景品172によって通過反応数に基づく検知基準は柔軟に設定される必要がある。また、景品172の落下時の向きによっても通過反応数は異なる。カラーボール174以外にも、獲得対象外となる物品(以下、「不要物品」ともよぶ)が景品収容部104に投入されることもある。したがって、不要物品の検出基準も、不要物品に応じて設定する必要がある。
【0044】
図8は、設定画面180の画面図である。
設定モードにおいて、表示部162は設定画面180を表示させる。設定画面180は設定表示部120に表示される。設定画面180は、センサーオンボタン182とサイズ設定領域184を含む。センサーオンボタン182がオン設定されるとプライズセンサ176が有効となる。サイズ設定領域184は、景品172のサイズを設定するための領域である。オペレータは、クレーンゲーム装置100に投入する景品172のサイズをサイズ設定領域184において設定する。景品172のサイズ、いいかえれば、横幅は、景品172の向きによって異なるため、景品172の横幅の最低値に基づいてサイズを設定することが望ましい。
図8においては「40ミリメートル以上」に設定されている。
【0045】
設定部158は、「40ミリメートル」に対応して景品172に対応する通過反応数の範囲(以下、「獲得範囲」とよぶ)を設定する。たとえば、「40ミリメートル以上」という選択肢には、あらかじめ、「通過反応数が5個以上(7×5=35ミリメートル以上)」という獲得範囲が対応づけられている。したがって、
図8に示す「40ミリメートル以上」の設定時において、獲得判定部158は落下口114を物体が通過したときの通過反応数が5個以上であれば、景品172が獲得されたと判定する。一方、通過反応数が獲得範囲外であれば、すなわち、4個以下であれば、落下口114を通過した物体は、カラーボール174などの不要物品であると判定される。
【0046】
図9は、物体が落下口114を通過したときの処理過程を示すフローチャートである。
第1検出板176aのいずれかの受光素子178aにおいて通過反応が検出されたとき、
図9に示す処理が開始される。獲得判定部156は、通過反応数が獲得範囲内であれば(S10のY)、景品取得と判定する。通過反応数が獲得範囲外であれば(S10のN)、獲得判定部156は景品172ではなくカラーボール174が落下したと判定する。
【0047】
景品が取得された場合には(S10のY)、獲得判定部156は出力部150に指示して、景品取得に対応する演出(以下、「ゲット演出」とよぶ)を実行させる(S12)。ゲット演出として、たとえば、設定表示部120等のディスプレイに景品取得を祝福する画像を表示させてもよいし、音声を出力してもよい。また、獲得判定部156は、景品取得時においていわゆるペイアウト率、すなわち、景品獲得に成功した回数と、クレーンゲームの試行回数の比率を更新する。
【0048】
オペレータは、クレーンゲーム装置100に景品172を投入するとき、あらかじめ景品172の在庫数を設定しておく。獲得判定部156は、景品獲得が検出されるごとに、景品172の残余数を更新する(S14)。残余数が閾値T以下となったとき(S16のY)、補充要求部166は店舗端末に補充要求を送信するように通信部160に指示する(S18)。補充要求には、クレーンゲーム装置100のIDおよび景品172の種別が含まれる。オペレータは補充要求を受信したときには、景品172を追加補充する。すなわち、景品取得により、景品172の残余数が少なくなったときにはオペレータに補充要求を自動的に送信することで、クレーンゲーム装置100において景品172がなくなってしまうのを防ぐことができる。残余数が閾値Tよりも大きいとき、すなわち、クレーンゲーム装置100に十分な数の景品172が残っているときには(S16のN)、S18の処理はスキップされる。
【0049】
景品取得に成功した場合には(S10のY)、制限時間前であってもゲームは終了する(S20)。景品取得でなければ(S10のN)、制限時間が満了するか景品取得に成功するまでゲームは続けられる。
【0050】
以上、実施形態に基づいてクレーンゲーム装置100を説明した。
本実施形態においては、載置領域112には色とりどりのカラーボール174が敷き詰められ、カラーボール174の層に景品172が載置される。このため、景品172ではなくカラーボール174が落下口114に落下することも考えられる。落下口114の内壁に形成されるプライズセンサ176は、複数の光センサ178を備える。この光センサ178の通過反応数に応じて、獲得判定部156は、景品172またはカラーボール174のいずれが落下したかを判定できる。
【0051】
オペレータは、設定画面180において、景品172のサイズを設定し、獲得判定部156は設定されたサイズに合わせて獲得範囲を設定する。オペレータは、多種多様な景品172に合わせて適切な獲得範囲を柔軟に設定できる。
【0052】
景品獲得時において、在庫管理部164は景品172の残存数を更新する。補充要求部166は、残存数が少なくなったときに店舗端末に補充要求を送信する。このような制御により、オペレータはクレーンゲーム装置100における景品172の残存数が少なくなりすぎないように適切なタイミングにて景品172を補充できる。
【0053】
本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施形態や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
【0054】
[変形例]
本実施形態においては、景品172およびカラーボール174をプライズセンサ176において判別するとして説明した。変形例として、サイズの異なる複数種類の景品172を載置領域112に載置してもよい。プライズセンサ176における光センサ178の通過反応数に応じて、獲得判定部156は、複数種類の景品172のうちどの景品172が落下口114に落下したのかを判定してもよい。
【0055】
図10は、変形例における不要物品と景品172のサイズの関係を示す模式図である。
クレーンゲーム装置100には、複数種類の不要物品が設置されることもある。たとえば、お互いにサイズの異なる不要物品C1,C2と、景品172がクレーンゲーム装置100に投入されると想定する。
図10の横軸はサイズを示し、右側が最大、左側が最小に対応する。
【0056】
不要物品C1の幅は、B1以上、B2以下であり、W2=B2-B1が不要物品C1のサイズの範囲である。オペレータは、景品172だけでなく、不要物品のサイズを設定してもよい。設定部158は、不要物品C1のサイズ範囲W2に対応する通過反応数の範囲(以下、「不要範囲」とよぶ)を設定しておく。不要物品C2は、不要物品C1よりも大きく、その幅はB3以上、B4以下である。不要物品C2のサイズの範囲W3は「B3-B4」である。設定部158は、不要物品C2についても不要範囲を設定しておく。
【0057】
同様にして、景品172の幅はP1以上、P2以下であり、そのサイズ範囲はW1となる。
図10においては、W1、W2、W3は相互に重複しないため、獲得判定部156は景品172、不要物品C1,C2を識別可能である。
【0058】
より具体的には、獲得判定部156は、通過反応数が不要範囲(C1)内であれば不要物品C1が落下したと判定し、通過反応数が不要範囲(C2)内であれば不要物品C2が落下したと判定する。また、獲得判定部156は、通過反応数が獲得範囲内であれば景品172が落下した、すなわち、景品獲得に成功したと判定する。
【0059】
オペレータは、設定画面180ではなく、実際に景品172等を落下口114に落下させることで、クレーンゲーム装置100に不要範囲および獲得範囲を覚えさせてもよい。たとえば、設定モードにおいて、オペレータは「不要物品C1」と入力する。このとき、表示部162は、「不要物品C1を落下口114に10回落としてください」と表示する。オペレータは、不要物品C1を落下口114に落とし、獲得判定部156はこのときの通過反応数を検出する。設定部158は、不要物品C1を複数回落下させたときの通過反応数の範囲を不要範囲(C1)と設定してもよい。
【0060】
不要物品C2の不要範囲および景品172の獲得範囲についても、同様に設定してもよい。このような制御方法によれば、オペレータは設定画面180でサイズを手作業で入力しなくても、さまざまな物品を落下口114に落とすだけで、クレーンゲーム装置100に適切な不要範囲および獲得範囲を覚えさせることができる。
【0061】
設定部158は、物品を落としたときの通過反応数の最小数および最大数を不要範囲または獲得範囲として設定してもよいし、通過反応数の平均値を中心として所定幅をもたせた範囲を不要範囲または獲得範囲として設定してもよい。
【0062】
クレーンゲーム装置100に投入される不要物品および景品172の形状はさまざまである。また、上述したように、直方体形状など球体ではない物体は、その落下角度によって、通過反応数も変化する。不要範囲および獲得範囲が重複する場合、あるいは、不要範囲の境界値と獲得範囲の境界値が所定数以下であるときには、出力部150は、オペレータに対して「この物品の組み合わせでは正しく景品を認識できない可能性があります」と警告してもよい。
【0063】
図11は、変形例におけるプライズセンサ176の斜視図である。
本実施形態においては、第1検出板176aおよび第2検出板176bを対向させ、発光素子178bの光を受光素子178aにより受光することで、落下口114における物体通過を検出するとして説明した。変形例として、落下口114の4辺すべてにプライズセンサ176を配置してもよい。
【0064】
変形例においては、
図11に示すように第2検出板176b(第1辺)と対向する位置に第1検出板176a(第3辺)が配置されるだけでなく、第4検出板176d(第2辺)と対向する位置に第3検出板176c(第4辺)が配置される。第4検出板176dには複数の発光素子178dが配列され、第3検出板176cには複数の受光素子178cが配列される。物体が落下口114を通過するとき、第1検出板176aに配列される受光素子178aおよび第3検出板176cに配列される受光素子178cにおいて通過反応が検出される。
【0065】
獲得判定部156は、受光素子178a(第1検出板176a)および受光素子178c(第3検出板176c)それぞれの通過反応数の合計値が、所定の獲得範囲内にあるか否かに基づいて、景品取得の成否を判定する。あるいは、獲得判定部156は、受光素子178aの通過反応数が第1の獲得範囲内にあり、かつ、受光素子178cの通過反応数が第2の獲得範囲内にあるとき、景品取得と判定してもよい。
【0066】
図12は、変形例における通過反応数の時間変化を示すグラフである。
高速なスキャン方式の場合、物体が落下口114を落下するとき、発光素子178bは複数回、落下中の物体をスキャンする。このため、時間経過にともなって通過反応数も変化する。
図12は、景品172およびカラーボール174が落下口114を通過したときの通過反応数の時間変化を示している。横軸は時間、縦軸は通過反応数を示す。時刻t0は物体の落下により最初に通過反応が検出される時点を示し、時刻t4は最後の通過反応が検出される時点を示す。
【0067】
獲得判定部156は、物体落下時における通過反応数の変化パターンから、落下した物体が景品172またはカラーボール174(不要物品)のいずれであるかを判定する。たとえば、獲得判定部156は、通過反応が最初に発生した時刻t0から、最後の通過反応が検出された時刻t4までの各時点における通過反応数の合計数が、所定の獲得範囲内にあるか否かに応じて、景品取得成否を判定してもよい。カラーボール174についても同様である。このほか、獲得判定部156は、時刻t0から時刻t4までの通過反応数の最大数あるいは平均値に基づいて、景品取得成否を判定してもよい。
【0068】
獲得判定部156は、人工知能(AI)により、落下口114を通過した物体の種別を判定してもよい。たとえば、時刻t0の通過反応数K(0)、時刻t1の通過反応数K(1)・・・をそれぞれ入力ノードに設定し、景品172またはカラーボール174を識別する値を出力ノードとする学習モデルをあらかじめ作成しておく。運用段階においては、時刻t0から時刻t4それぞれの通過反応数を学習モデルの入力ノードに設定することにより、獲得判定部156は通過した物体が景品172またはカラーボール174のいずれであるかを判定してもよい。
【0069】
図13は、変形例におけるプライズセンサ176の正面図である。
変形例として、第1検出板176aには複数列L1~L5にて受光素子178aが配列されてもよい。第2検出板176bについても同様である。物体が落下口114を通過するとき、列L1~列L5のそれぞれの受光素子178aにおいて通過反応が検出される。獲得判定部156は、物体落下時における各列の通過反応数に基づいて、落下した物体が景品172またはカラーボール174(不要物品)のいずれであるかを判定してもよい。
【0070】
獲得判定部156は、物体落下時における全受光素子178aの通過反応数に基づいて景品取得成否を判定してもよい。あるいは、獲得判定部156は、各列における受光素子178aの通過反応数に基づいて景品取得成否を判定してもよい。たとえば、獲得判定部156は、第1列L1における通過反応数の最大値が5以上、第2列L2における通過反応数の最大値も5以上・・・という条件が満たされたとき、景品取得と判定してもよい。
【0071】
図14は、複数のパネル188により構成される景品載置台106の第1の上面図である。
変形例として、景品載置台106は複数のパネル188をはめ込むことで構成されてもよい。
図14に示す景品載置台106は、9枚のパネル188(パネル188a~188i)を嵌め込み可能に構成される。ここでは、パネル188hだけが取り外されているため、パネル188hに対応する部分に落下口114が構成される。オペレータは、パネル188を自由に嵌め込むことで、さまざまな落下口114を構成できる。
【0072】
オペレータは、落下口114にセンサユニット190を設置する。センサユニット190は、第1検出板176aおよび第2検出板176bを含む。センサユニット190は、第2検出板176bに配列される発光素子178bの光を、第1検出板176aに配列される受光素子178aが受光するように構成される。第1検出板176aおよび第2検出板176bは、クレーンゲーム装置100が有する電源186と接続される。また、獲得判定部156は、第2検出板176bにおける発光を制御し、第1検出板176aにおける通過反応数を検出する。
【0073】
本実施形態と同様にして、獲得判定部156はセンサユニット190における通過反応数に基づいて、落下口114を通過した物体を特定する。
【0074】
図15は、複数のパネル188により構成される景品載置台106の第2の上面図である。
図15に示す景品載置台106からは、5枚のパネル188が取り外されることで、比較的大きな落下口114が構成されている。オペレータは、5枚のパネル188の代わりに、落下口114の形状に合ったセンサユニット190を嵌め込む。
図15に示すセンサユニット190においては、第2検出板176bの光を第1検出板176aで受光し、第4検出板176dの光を第3検出板176cで受光している。また、第6検出板176fの光を第5検出板176eで受光する。
【0075】
獲得判定部156は、第1検出板176a、第3検出板176cおよび第5検出板176eにおける通過反応数に基づいて、落下口114を通過した物体を特定する。
【0076】
[他の変形例]
獲得範囲は、通過反応数の範囲として設定される。獲得範囲に対応する通過反応数は「5個」のように単一値であってもよいし、「3以上5以下」のように上限と下限を含む複数値であってもよいし、「3以上」「5以下」のように上限または下限を含まない設定であってもよい。
【0077】
クレーンゲーム装置100ではなく、店舗端末が設定画面180を表示させてもよい。オペレータは、店舗端末の設定画面180においてクレーンゲーム装置100のIDとともに獲得範囲を設定することで、遠隔からクレーンゲーム装置100の獲得範囲を設定してもよい。不要範囲についても同様である。
【0078】
在庫管理部164は、カラーボール174等の不要物品の落下数をカウントしてもよい。補充要求部166は、不要物品の落下総数が所定の閾値以上となったときには、店舗端末に対して景品収容部104に溜まった不要物品を取り除くように除去指示を送信してもよい。このような制御方法によれば、落下口114の下にある収納ボックスに不要物品が大量に溜まったタイミングにて、オペレータは収容ボックスから不要物品を取り出すことができるため、オペレータの作業負担が軽減される。
【0079】
プライズセンサ176における「光」は可視光であってもよいし、不可視光であってもよい。たとえば、赤外線、レーザー光などにより、物体の通過が検出されてもよい。このほか、プライズセンサ176は電波あるいは超音波により物体の通過を検出してもよい。
【0080】
設定画面180では、1種類の景品サイズを設定しているが、サイズの異なる複数種類の景品サイズを検出できるよう、サイズ設定領域184で複数のサイズを選択してもよい。たとえば、景品172Aのサイズと景品172Bのサイズを設定しておくことで、2種類の景品のどちらが落下口114を通過したのかを識別できる。
【0081】
上記実施例では、物品取得ゲーム装置の一例としてクレーンゲーム装置を想定して説明したが、クレーン以外の機構により物品を獲得する物品取得ゲーム装置で本実施形態に示した景品検出方法を実施することもできる。たとえば、景品載置台106を景品収容部104の床面ではなく背面に複数段に分けて設け、そこに景品172を載置または懸吊させているような物品取得ゲーム装置を想定する。このようなタイプの物品取得ゲーム装置は、クレーン108ではなく、景品172もしくは景品172の懸吊箇所を掴む「物品獲得部」を備える。移動制御部154により物品獲得部(獲得機構)が駆動される。プレイヤは、操作部118によって物品獲得部を上下左右に移動させて位置を決め、更に、物品獲得部を奥行き方向に移動させて景品172もしくは景品172を懸吊している箇所を掴ませて景品172そのまま落下させることで景品を獲得する。この場合、景品収容部104のほぼ全体が落下口114になるが、景品172は背面側にあるので、落下口114の左右それぞれの面の奥側のみにプライズセンサ176を設けてもよい。このタイプの物品取得ゲーム装置の場合には、景品172の通過が想定される領域が限定されるゆえにセンサ数が少なくて済むため、センサのコストを抑えることができる。
【符号の説明】
【0082】
100 クレーンゲーム装置、102 基台、104 景品収容部、106 景品載置台、108 クレーン、110 扉、112 載置領域、114 落下口、116 景品取出口、118 操作部、120 設定表示部、122 操作桿、124 把持ボタン、126 アーム、128 遮蔽板、130 クレーン駆動部、132 デザインカバー、134 ディスプレイバー、140 ユーザインタフェース処理部、142 機構部、144 データ処理部、146 データ格納部、148 入力部、150 出力部、152 センサ群、154 移動制御部、156 獲得判定部、158 設定部、160 通信部、162 表示部、164 在庫管理部、166 補充要求部、172 景品、174 カラーボール、176 プライズセンサ、176a 第1検出板、176b 第2検出板、176c 第3検出板、176d 第4検出板、176e 第5検出板、176f 第6検出板、178 光センサ、178a 受光素子、178b 発光素子、178c 受光素子、178d 発光素子、180 設定画面、182 センサーオンボタン、184 サイズ設定領域、186 電源、188 パネル、190 センサユニット