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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068323
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】給湯器
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/00 20220101AFI20240513BHJP
【FI】
F24H9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178672
(22)【出願日】2022-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 浩貴
【テーマコード(参考)】
3L036
【Fターム(参考)】
3L036AA14
(57)【要約】
【課題】ドレンを安定的に排出可能な給湯器を提供する。
【解決手段】給湯器1は、載置面に載置される据置型の給湯器1であって、一対の側板2A,2Bを備える筐体2と、燃焼排気の顕熱を回収する一次熱交換器4と、燃焼排気の潜熱を回収する二次熱交換器5と、二次熱交換器5から排出されるドレンを中和する中和器6と、中和器6に接続され、中和器6を通過したドレンを筐体2の外部に導出するドレンホース28と、ドレンホース28を支持するドレンホース支持部32と、を備え、一対の側板2A,2Bのうち一方側の側板2Aには、ドレンホース28の中和器6と反対側の端部に連通するドレン排出口15が設けられ、中和器6は、一対の側板2A,2Bのうち他方の側板2Bに近接して配され、ドレンホース支持部32は、中和器6と一方の側板2Aとの間でドレンホース28を支持することで、ドレンホース28が中和器6からドレン排出口15に向かうにつれて下り傾斜した状態としている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置面に載置される据置型の給湯器であって、
一対の側板を備える筐体と、
燃焼排気の顕熱を回収する一次熱交換器と、
燃焼排気の潜熱を回収する二次熱交換器と、
前記二次熱交換器から排出されるドレンを中和する中和器と、
前記中和器に接続され、前記中和器を通過したドレンを前記筐体の外部に導出するドレンホースと、
前記ドレンホースを支持するドレンホース支持部と、を備え、
前記一対の側板のうち一方の側板には、前記ドレンホースの前記中和器と反対側の端部に連通するドレン排出口が設けられ、
前記中和器は、前記一対の側板のうち他方の側板に近接して配され、
前記ドレンホース支持部は、前記中和器と前記一方の側板との間で前記ドレンホースを支持することで、前記ドレンホースが前記中和器から前記ドレン排出口に向かうにつれて下り傾斜した状態としている、給湯器。
【請求項2】
電装基板ケースと、
前記電装基板ケースを保持する台座と、をさらに備え、
前記筐体は底板を備え、
前記台座は、前記底板に接触する接触部と、前記接触部より上方に配され、前記電装基板ケースが取り付けられる取付部と、上下方向について前記接触部と前記取付部との間に配される前記ドレンホース支持部と、を備える、請求項1に記載の給湯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、給湯器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、壁面に固定される壁面固定型の給湯器として、特開2021-25702号公報(下記特許文献1)に記載の給湯器が知られている。この給湯器においては、潜熱の回収に伴い二次熱交換器から酸性のドレンが発生するため、ドレンを外部に排出するためのドレン排出口が筐体の底板に設けられることが普通である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-25702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、上記のような壁面固定型給湯器の他、地面等の載置面に載置される据置型給湯器も知られている。据置型給湯器では、その設置態様のため、筐体の一方側の側板にドレン排出口を設ける必要があり、壁面固定型給湯器のドレン排出口と比較して、ドレン排出口の取付位置が高くなる。また、一方側の側板には、ドレン排出口以外にも、ガス配管や水道管等と接続するための複数の接続口が設けられる。このため、筐体内の一方側の側板付近には、ガス管、入水管、出湯管等の複数の内部配管、ポンプ、バルブ等のアクチュエータが密集して配設される。よって、ドレンを中和する中和器は、他方側の側板、すなわち、ドレン排出口から遠い側の側板に寄せて配設される場合が多い。
【0005】
このような制約により、据置型給湯器では、中和器とドレン排出口とをつなぐドレンホースは、一方側の側板と他方側の側板とが対向する方向に長くなりやすい。したがって、ドレンホースが中和器からドレン排出口に向かうにつれて下り傾斜した、正規の姿勢を保つことが難しい場合がある。例えば、ドレンホースの自重やドレンホース内部のドレンの重さによって、ドレンホースの延び方向の中央部が下側に撓むことがありうる。この結果、ドレンがうまく排出できないことが考えられる。
【0006】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ドレンを安定的に排出可能な給湯器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の給湯器は、載置面に載置される据置型の給湯器であって、一対の側板を備える筐体と、燃焼排気の顕熱を回収する一次熱交換器と、燃焼排気の潜熱を回収する二次熱交換器と、前記二次熱交換器から排出されるドレンを中和する中和器と、前記中和器に接続され、前記中和器を通過したドレンを前記筐体の外部に導出するドレンホースと、前記ドレンホースを支持するドレンホース支持部と、を備え、前記一対の側板のうち一方の側板には、前記ドレンホースの前記中和器と反対側の端部に連通するドレン排出口が設けられ、前記中和器は、前記一対の側板のうち他方の側板に近接して配され、前記ドレンホース支持部は、前記中和器と前記一方の側板との間で前記ドレンホースを支持することで、前記ドレンホースが前記中和器から前記ドレン排出口に向かうにつれて下り傾斜した状態としている、給湯器である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ドレンを安定的に排出可能な給湯器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態にかかる給湯器の正面図である。
図2図2は、ドレンホース周辺の構成について示す給湯器の拡大正面図である。
図3図3は、図2のA-A断面図である。
図4図4は、ドレンホースとドレンホース支持部について示す給湯器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。
【0011】
(1)本開示の給湯器は、載置面に載置される据置型の給湯器であって、一対の側板を備える筐体と、燃焼排気の顕熱を回収する一次熱交換器と、燃焼排気の潜熱を回収する二次熱交換器と、前記二次熱交換器から排出されるドレンを中和する中和器と、前記中和器に接続され、前記中和器を通過したドレンを前記筐体の外部に導出するドレンホースと、前記ドレンホースを支持するドレンホース支持部と、を備え、前記一対の側板のうち一方の側板には、前記ドレンホースの前記中和器と反対側の端部に連通するドレン排出口が設けられ、前記中和器は、前記一対の側板のうち他方の側板に近接して配され、前記ドレンホース支持部は、前記中和器と前記一方の側板との間で前記ドレンホースを支持することで、前記ドレンホースが前記中和器から前記ドレン排出口に向かうにつれて下り傾斜した状態としている、給湯器である。
【0012】
このような構成によると、ドレンホースを支持するドレンホース支持部が設けられることで、ドレンホースが中和器からドレン排出口に向かうにつれて下り傾斜した状態となっている。すなわち、ドレンホース支持部により、ドレンホースが下方に垂れ下がることが防止できる。したがって、ドレンはドレンホース内を円滑に流れ、給湯器からドレンを安定的に排出することができる。
【0013】
(2)上記の給湯器は、電装基板ケースと、前記電装基板ケースを保持する台座と、をさらに備え、前記筐体は底板を備え、前記台座は、前記底板に接触する接触部と、前記接触部より上方に配され、前記電装基板ケースが取り付けられる取付部と、上下方向について前記接触部と前記取付部との間に配される前記ドレンホース支持部と、を備えることが好ましい。
【0014】
このような構成によると、台座により電装基板ケースが底板より上方に保持されるから、電装基板ケースの冠水を抑制することができる。また、台座はドレンホース支持部を備えるから、部品点数の削減、及び筐体内の空間の有効活用が可能となる。さらに、ドレンホース支持部は接触部と取付部との間に配されるから、ドレンホースをドレンホース支持部により支持した状態を維持しながら電装基板ケースを取り外すことができ、メンテナンス性の面でも有利である。
【0015】
[本開示の実施形態の詳細]
以下に、本開示の実施形態について説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0016】
<実施形態>
本開示の実施形態について、図1から図4を参照しつつ説明する。以下の説明において前後方向、上下方向、および左右方向は、各図において矢印で示す方向を基準とする。
【0017】
[給湯器の全体構造]
図1は、給湯器1を前方から見た正面図で、前面のフロントカバー(図示せず)を外した状態を示している。図2から図3は、ドレンホース28周りの構成を示す図であって、見易さのため一部の部材を図示省略している。図1に示すように、給湯器1は、前面に開口が設けられた四角箱状の筐体2と、燃焼装置3と、一次熱交換器4と、二次熱交換器5と、複数の内部配管20と、筐体2の前面の開口を塞ぐフロントカバーと、を備えて構成されている。筐体2内には、下から順に、燃焼装置3、一次熱交換器4、二次熱交換器5が配置されている。複数の内部配管20は、筐体2及びフロントカバーにより構成される閉鎖空間内に配される複数の配管である。複数の内部配管20は、入水管21、出湯管22、戻り管23、往き管24等を含んでいる。各内部配管20の詳細な構成については、他の部材との接続や給湯器1における配置等を示しつつ、後述する。
【0018】
給湯器1は、地面や建物の床面等の載置面に載置される据置型とされている。このため、入水口11、出湯口12、湯入口13、湯出口14、ドレン排出口15、ガス入口16等の複数の接続具10は、筐体2の一方(左側)の側板2Aに形成されている。この結果、複数の接続具10に接続される複数の内部配管20の一部は、筐体2の一方の側板2Aに寄った位置に密集して配されている。
【0019】
本実施形態の給湯器1は、回路構成的には、給湯回路及び風呂回路の2つの回路を備えて構成されている。給湯回路は、水道等からの水を加熱して湯として流出させる回路である。風呂回路は、浴槽内の湯を循環加熱する回路である。詳細には図示しないものの、後述する燃焼装置3、経路部材8、一次熱交換器4、及び二次熱交換器5は、それぞれ左右に区画されており、右側に給湯側の構成、左側に風呂側の構成が設けられている。
【0020】
[燃焼装置]
燃焼装置3は、一次熱交換器4の下部に接続されている。燃焼装置3の前面には、燃焼装置3内の図示しないバーナユニットに燃料ガスを分配供給するためのガス分配ユニット9が組み付けられている。燃焼装置3の下面には、バーナユニットに燃焼用空気を供給する給気ファンが組み付けられている。燃焼装置3は、バーナユニットに供給された燃料ガスと空気とを、バーナユニット内で混合させるとともに、この混合ガスを、下流端に形成された炎孔より上方に噴出させて燃焼させ、燃焼排気を発生させる。
【0021】
一次熱交換器4と二次熱交換器5の間には経路部材8が配設されている。経路部材8は、一次熱交換器4と二次熱交換器5を連結する部材である。経路部材8は、下端部が下方に向かって開口して一次熱交換器4内の空間に連通している。また、経路部材8は、上部が前方に向かって開口して二次熱交換器5内の空間に連通している。
【0022】
給湯器1は、燃焼装置3で発生させた燃焼排気を燃焼装置3の上方の一次熱交換器4に流通させる。一次熱交換器4では、一次熱交換器4内の通水と燃焼排気とを熱交換させる。給湯器1は、一次熱交換器4によって燃焼排気の顕熱を回収する。
【0023】
給湯器1においては、燃焼装置3の燃焼排気が一次熱交換器4から経路部材8を経て二次熱交換器5に導かれる。一次熱交換器4を通過した燃焼排気は、経路部材8を経て二次熱交換器5に後方から進入する。すなわち、二次熱交換器5は、一次熱交換器4に対して、燃焼排気の経路の下流側に配されている。二次熱交換器5では、二次熱交換器5の通水と燃焼排気とを熱交換させる。給湯器1は、二次熱交換器5によって燃焼排気の潜熱を回収する。
【0024】
[一次熱交換器]
一次熱交換器4は、その下端部が燃焼装置3に連なり、上端部が二次熱交換器5に連なって設けられている。一次熱交換器4は、燃焼装置3からの燃焼排気が通過する一次ケーシング4Aと、一次ケーシング4Aの内部に配され、蛇行状に形成された一次伝熱管4Bと、を備えている。一次ケーシング4Aは上下方向に貫通する四角筒状をなしている。給湯側の一次伝熱管4Bの下流端には、出湯管22が接続されている。風呂側の一次伝熱管4Bの下流端には、往き管24が接続されている。
【0025】
[二次熱交換器]
一次熱交換器4からの燃焼排気は、経路部材8を通って二次熱交換器5の内部へと導入される。二次熱交換器5は、一次熱交換器4からの燃焼排気が通過する二次ケーシング5Aと、二次ケーシング5Aの内部に収容される複数の二次伝熱管5Bと、を備えている。二次ケーシング5Aの前面には、燃焼排気を外部へ排気するための排気筒5Cが設けられている。二次熱交換器5は、耐食性に優れたステンレス製とすることができる。給湯側の二次伝熱管5Bの上流端は、入水管21の下流端に接続されている。給湯側の二次伝熱管5Bの下流端は、給湯側中継管25を介して、給湯側の一次伝熱管4Bの上流端に接続されている。風呂側の二次伝熱管5Bの上流端は、戻り管23の下流端に接続されている。風呂側の二次伝熱管5Bの下流端は、風呂側中継管26を介して、風呂側の一次伝熱管4Bの上流端に接続されている。
【0026】
給湯回路においては、入水口11から供給された水が、入水管21、二次熱交換器5、給湯側中継管25、一次熱交換器4を流通する間に加熱され、湯となる。湯は、出湯管22を流通し、出湯口12から流出する。
【0027】
風呂回路においては、浴槽内の開口に連通する湯入口13から循環ポンプPによって浴槽内の湯が戻り管23に吸い込まれる。湯は戻り管23を通り、二次熱交換器5、風呂側中継管26、一次熱交換器4を流通し、再加熱される。より高温となった湯は、往き管24を経由して湯出口14から浴槽に吐出される。
【0028】
給湯器1は、制御装置としてのコントローラ7を備える。コントローラ7は燃焼装置3の下側に設置されている。図3に示すように、コントローラ7は電装基板ケース7Aと、電装基板ケース7A内に収容される電装基板7Bと、を備えて構成されている。コントローラ7は、例えば、公知のマイクロコンピュータ等として構成されており、給湯器1に設けられた様々なセンサからの信号を取得可能に構成されており、給湯器1に設けられた様々なアクチュエータを制御し得る構成となっている。例えば、給湯器1は、通水センサによって入水管21内の通水を検知した場合に、燃焼装置3を動作させて湯を生成することを行う。
【0029】
[中和器]
給湯器1では、二次熱交換器5で燃焼排気の潜熱が回収されることで、ドレンが生じる。給湯器1は、このドレンを中和するための中和器6を備える。図1に示すように、中和器6は、ドレン導入管27を介して二次熱交換器5と接続されるとともに、ドレンホース28を介して筐体2の一方の側板2Aに設けられたドレン排出口15と接続されている。二次熱交換器5で生じたドレンは、ドレン導入管27を通じて中和器6に送られる。中和器6で中和されたドレンはドレンホース28を通じてドレン排出口15から給湯器1の外部に排出される。
【0030】
上述したように、筐体2の一方の側板2Aに寄った位置には、多くの内部配管20や循環ポンプP等のアクチュエータ類が密集して配される傾向にある。よって、本実施形態では、中和器6は、筐体2の一方の側板2Aから離れた位置、すなわち、筐体2の他方(右側)の側板2Bに近接した位置に配されている。
【0031】
[ドレンホース]
ドレンホース28は、筐体2の一方の側板2Aに設けられたドレン排出口15と、筐体2の他方の側板2B側に配される中和器6と、を接続している。このため、ドレンホース28は、筐体2内において左右方向に延びて配されている。このような構成によれば、ドレンホース28の長さが大きくなるため、ドレンホース28の自重あるいはドレンホース28内のドレンの重みによって、ドレンホース28の一部がドレン排出口15よりも下方に垂れ下がることがありうる。そして、ドレンホース28の一部がドレン排出口15よりも下方に垂れ下がった場合、中和器6を通過したドレンがドレン排出口15から完全に排出されずに、ドレンホース28内に残留することがありうる。
【0032】
[ドレンホース支持部]
しかし、本実施形態では、図4に示すように、給湯器1は、中和器6とドレン排出口15との間においてドレンホース28を支持するドレンホース支持部32を備えている。ドレンホース支持部32がドレンホース28を支持することにより、ドレンホース28が中和器6側からドレン排出口15側に向かうにつれて下り傾斜した姿勢を保持できるようになっている。本実施形態では、ドレンホース支持部32は、次述する台座30に設けられている。
【0033】
[台座]
図3に示すように、給湯器1は、コントローラ7の電装基板ケース7Aを下方から支持する台座30を備える。台座30はコントローラ7を筐体2の底板2Cより高い位置で保持するためのスペーサである。台座30が設けられることで、電装基板7Bが冠水することを抑制できる。台座30は、金属板材を折り曲げて構成される本体部31と、本体部31に装着されるドレンホース支持部32と、を備えている。
【0034】
本体部31は、筐体2の底板2Cに対向する第1壁31Aと、第1壁31Aと対向する第2壁31Bと、上下方向に延びて、第1壁31Aの後端部と第2壁31Bの後端部とを接続する第3壁31Cと、を備えている。第1壁31Aは、筐体2の底板2Cに接触する接触部とされている。台座30は、第2壁31Bを貫通して形成された取付部33を備える。取付部33には、電装基板ケース7Aの下面から突出して設けられる突出部7Cが挿入されるようになっている。これにより、電装基板ケース7Aが台座30に固定されている。第3壁31Cの上側部分には、前後方向に第3壁31Cを貫通する装着孔34が形成されている。
【0035】
本実施形態のドレンホース支持部32は、合成樹脂製の結束具である。ドレンホース支持部32は、上下方向について取付部33と第1壁31Aとの間に設けられている。ドレンホース支持部32は、係合部32Aと、一対の弾性片32Bと、一対の腕部32Cと、を備えている。係合部32Aは、装着孔34に挿通され、装着孔34の内壁に係合している。一対の弾性片32Bは、係合部32Aが装着孔34の内壁に係合した状態で、第3壁31Cに弾性的に接触している。これにより、係合部32Aと装着孔34との係合が外れることを抑制している。
【0036】
一対の腕部32Cは、それぞれ略S字状をなし、弾性変形可能に構成されている。ドレンホース28の上側及び下側から各腕部32Cをドレンホース28に巻き付けて、一対の腕部32Cの先端部同士を撚り合わせることで、一対の腕部32Cによりドレンホース28を支持することができるようになっている。したがって、ドレンホース28がドレン排出口15より下方に垂れ下がることを抑制することができる。
【0037】
ドレンホース支持部32は、中和器6と一方の側板2Aとの間において、ドレンホース28の延び方向における略中央部分を支持することが好ましい(図2及び図4参照)。なぜならば、ドレンホース28の略中央部分は、中和器6、及びドレン排出口15に接続固定される両端部の中間に位置し、特に、下方に垂れ下がりやすいからである。
【0038】
[実施形態の作用効果]
以上のように、実施形態にかかる給湯器1は、載置面に載置される据置型の給湯器1であって、一対の側板2A,2Bを備える筐体2と、燃焼排気の顕熱を回収する一次熱交換器4と、燃焼排気の潜熱を回収する二次熱交換器5と、二次熱交換器5から排出されるドレンを中和する中和器6と、中和器6に接続され、中和器6を通過したドレンを筐体2の外部に導出するドレンホース28と、ドレンホース28を支持するドレンホース支持部32と、を備え、一対の側板2A,2Bのうち一方側の側板2Aには、ドレンホース28の中和器6と反対側の端部に連通するドレン排出口15が設けられ、中和器6は、一対の側板2A,2Bのうち他方の側板2Bに近接して配され、ドレンホース支持部32は、中和器6と一方の側板2Aとの間でドレンホース28を支持することで、ドレンホース28が中和器6からドレン排出口15に向かうにつれて下り傾斜した状態としている。
【0039】
このような構成によると、ドレンホース28を支持するドレンホース支持部32が設けられることで、ドレンホース28が中和器6からドレン排出口15に向かうにつれて下り傾斜した状態となっている。すなわち、ドレンホース支持部32により、ドレンホース28が下方に垂れ下がることが防止できる。したがって、ドレンはドレンホース28内を円滑に流れ、給湯器1からドレンを安定的に排出することができる。
【0040】
実施形態にかかる給湯器1は、電装基板ケース7Aと、電装基板ケース7Aを保持する台座30と、をさらに備え、筐体2は底板2Cを備え、台座30は、底板2Cに接触する接触部(第1壁31A)と、接触部より上方に配され、電装基板ケース7Aが取り付けられる取付部33と、上下方向について接触部と取付部33との間に配されるドレンホース支持部32と、を備える。
【0041】
このような構成によると、台座30により電装基板ケース7Aが底板2Cより上方に保持されるから、電装基板ケース7Aの冠水を抑制することができる。また、台座30はドレンホース支持部32を備えるから、部品点数の削減、及び筐体2内の空間の有効活用が可能となる。さらに、ドレンホース支持部32は接触部と取付部33との間に配されるから、ドレンホース28をドレンホース支持部32により支持した状態を維持しながら電装基板ケース7Aを取り外すことができ、メンテナンス性の面でも有利である。
【0042】
<他の実施形態>
(1)上記実施形態では、給湯器1は給湯回路と風呂回路とを備えていたが、給湯器は給湯回路のみを備えていてもよく、また風呂回路のみを備えていてもよい。
【0043】
(2)上記実施形態では、ドレンホース支持部32は、電装基板ケース7Aを保持する台座30に設けられていたが、ドレンホース支持部は他の部材に設けられてもよい。
【0044】
(3)上記実施形態では、ドレンホース支持部32は合成樹脂製の結束具であったが、ドレンホース支持部はドレンホースを支持可能な構成であればよく、その材質、形状、態様は適宜変更することができる。
【0045】
(4)上記実施形態では、ドレンホース支持部32はドレンホース28の延び方向における略中央部分を支持する構成であったが、ドレンホース支持部によって支持されるドレンホースの部分はこれに限られない。例えば、ドレンホース支持部は、ドレンホースの延び方向における中央部分よりも中和器寄りの部分を支持していてもよい。また、ドレンホース支持部は2つ設けられ、2つのドレンホース支持部はそれぞれドレンホースの延び方向における略三分の一、及び略三分の二にあたる部分を支持していてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1:給湯器
2:筐体、2A:一方の側板、2B:他方の側板、2C:底板
3:燃焼装置
4:一次熱交換器、4A:一次ケーシング、4B:一次伝熱管
5:二次熱交換器、5A:二次ケーシング、5B:二次伝熱管、5C:排気筒
6:中和器
7:コントローラ
8:経路部材
9:ガス分配ユニット
10:接続具、11:入水口、12:出湯口、13:湯入口、14:湯出口、15:ドレン排出口、16:ガス入口
20:内部配管、21:入水管、22:出湯管、23:戻り管、24:往き管、25:給湯側中継管、26:風呂側中継管、27:ドレン導入管、28:ドレンホース
30:台座、31:本体部、31A:第1壁、31B:第2壁、31C:第3壁、32:ドレンホース支持部、32A:係合部、32B:弾性片、32C:腕部、33:取付部、34:装着孔
P:循環ポンプ
図1
図2
図3
図4