(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068338
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】ヒートシンク
(51)【国際特許分類】
H01L 23/36 20060101AFI20240513BHJP
H01L 23/467 20060101ALI20240513BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
H01L23/36 Z
H01L23/46 C
H05K7/20 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178698
(22)【出願日】2022-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】株式会社TMEIC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】重満 優志
(72)【発明者】
【氏名】山根 啓司
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AA11
5E322BA04
5E322BB03
5F136BA08
5F136BA13
5F136BA14
5F136BA22
5F136CA06
5F136DA27
(57)【要約】
【課題】冷却性能を向上させることができるヒートシンクを提供する。
【解決手段】ヒートシンク100は、第1面10aを有するベース部10と、第1方向に沿って第1面10aに並んで配置された複数の放熱プレート20と、を備え、複数の放熱プレート20は、複数の第1舌片部23と複数の第2舌片部24とを有する複数のプレート21を含み、複数の第1舌片部23は、第1方向に交差する第2方向の一方側に第1根元部を有し、かつ第1根元部を除く外周部がプレート21から切離された状態で第1方向の一方側に向けて突出し、複数の第2舌片部24は、第2方向の一方側に第2根元部を有し、かつ第2根元部を除く外周部がプレート21から切離された状態で第1方向の他方側に向けて突出する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面を有するベース部と、
第1方向に沿って前記第1面に並んで配置された複数の放熱プレートと、を備え、
前記複数の放熱プレートは、複数の第1舌片部と複数の第2舌片部とを有する複数のプレートを含み、
前記複数の第1舌片部は、前記第1方向に直交する第2方向の一方側に第1根元部を有し、かつ前記第1根元部を除く外周部が前記プレートから切離された状態で前記第1方向の前記一方側に向けて突出し、
前記複数の第2舌片部は、前記第2方向の前記一方側に第2根元部を有し、かつ前記第2根元部を除く外周部が前記プレートから切離された状態で前記第1方向の他方側に向けて突出する、ヒートシンク。
【請求項2】
前記第1方向から見た場合に、前記複数の第1舌片部および前記複数の第2舌片部は、千鳥状に配置されている、請求項1に記載のヒートシンク。
【請求項3】
前記複数の放熱プレートは、前記第2方向の前記一方側から前記第2方向の他方側に向けて冷却風が流れる際に、前記第1方向の内側に向けて冷却風を集めるように設けられた部分を含む、請求項1または2に記載のヒートシンク。
【請求項4】
前記複数の放熱プレートは、前記複数のプレートよりも前記第1方向の前記一方側に配置された単数または複数の第1外側プレートと、前記複数のプレートよりも前記第1方向の前記他方側に配置された単数または複数の第2外側プレートと、を含み、
前記第1外側プレートは、複数の第1外側舌片部を有し、
前記第2外側プレートは、複数の第2外側舌片部を有し、
前記複数の第1外側舌片部は、前記第2方向の前記他方側に第3根元部を有し、かつ前記第3根元部を除く外周部が前記第1外側プレートから切離された状態で前記第1方向の前記一方側に向けて突出し、
前記複数の第2外側舌片部は、前記第2方向の前記他方側に第4根元部を有し、かつ前記第4根元部を除く外周部が前記第2外側プレートから切離された状態で前記第1方向の前記他方側に突出する、請求項3に記載のヒートシンク。
【請求項5】
前記複数のプレートの各々は、前記ベース部が位置する側に位置する第1端部と、前記ベース部側位置する側とは反対側に位置する第2端部と、前記第1方向の前記一方側に位置する第1主面と、前記第1方向の前記他方側に位置する第2主面を有し、
前記第1舌片部と前記第1主面とが成す角度のうち小さい方の角度を第1開き角とした場合に、前記複数の第1舌片部のうち前記第2端部側に位置する第1舌片部の前記第1開き角は、前記複数の第1舌片部のうち前記第1端部側に位置する第1舌片部の前記第1開き角よりも大きく、
前記第2舌片部と前記第2主面とが成す角度のうち小さい方の角度を第2開き角とした場合に、前記複数の第2舌片部のうち前記第2端部側に位置する第2舌片部の前記第2開き角は、前記複数の第2舌片部のうち前記第1端部側に位置する第2舌片部の前記第2開き角よりも大きい、請求項1または2に記載のヒートシンク。
【請求項6】
前記複数のプレートの各々は、前記ベース部が位置する側に位置する第1端部と、前記ベース部側位置する側とは反対側に位置する第2端部とを有し、
前記第1端部から前記第2端部に向かう方向と平行な方向を幅方向とした場合に、
前記複数の第1舌片部のうち前記第2端部側に位置する第1舌片部の幅は、前記複数の第1舌片部のうち前記第1端部側に位置する第1舌片部の幅よりも大きく、
前記複数の第2舌片部のうち前記第2端部側に位置する第2舌片部の幅は、前記複数の第2舌片部のうち前記第1端部側に位置する第2舌片部の幅よりも大きい、請求項4に記載のヒートシンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヒートシンクに関し、特に、サイリスタやパワートランジスタ等の発熱量が大きい電子部品の放熱部材として用いられる空冷のヒートシンクに関する。
【背景技術】
【0002】
サイリスタやパワートランジスタ等の発熱量が大きい電子部品を放熱するための空冷ヒートシンクとして、特開平10-4159号公報(特許文献1)には、部品取付基板の片面に複数の放熱板を並列して配置し、複数の放熱板の各々に、三辺を切断してその内側部分を折り曲げることにより切り起こして形成した後部と突片が分散して設けられた構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示の空冷ヒートシンクにあっては、各放熱板において、複数の突片は、同一方向に切り起こされている。具体的には、複数の突片は、部品取付基板の片面側に対向する片部を根元部とし、当該根元部を除く他の三辺を切断して、放熱板に対して略垂直となるように切り起こされている。
【0005】
このため、冷却性能が十分に考慮されているとはいえず、ヒートシンクの構成については、依然として改善の余地がある。
【0006】
本開示は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本開示の目的は、冷却性能を向上させることができるヒートシンクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に基づくヒートシンクは、第1面を有するベース部と、第1方向に沿って上記第1面に並んで配置された複数の放熱プレートと、を備える。上記複数の放熱プレートは、複数の第1舌片部と複数の第2舌片部とを有する複数のプレートを含む。上記複数の第1舌片部は、上記第1方向に直交する第2方向の一方側に第1根元部を有し、かつ上記第1根元部を除く外周部が上記プレートから切離された状態で上記第1方向の上記一方側に向けて突出する。上記複数の第2舌片部は、上記第2方向の上記一方側に第2根元部を有し、かつ上記第2根元部を除く外周部が上記プレートから切離された状態で上記第1方向の他方側に向けて突出する。
【0008】
上記本開示に基づくヒートシンクにあっては、上記第1方向から見た場合に、上記複数の第1舌片部および上記複数の第2舌片部は、千鳥状に配置されていてもよい。
【0009】
上記本開示に基づくヒートシンクにあっては、上記複数の放熱プレートは、上記第2方向の上記一方側から上記第2方向の他方側に向けて冷却風が流れる際に、上記第1方向の内側に向けて冷却風を集めるように設けられた部分を含んでいてもよい。
【0010】
上記本開示に基づくヒートシンクにあっては、上記複数の放熱プレートは、上記複数のプレートよりも上記第1方向の上記一方側に配置された単数または複数の第1外側プレートと、上記複数のプレートよりも上記第1方向の上記他方側に配置された単数または複数の第2外側プレートと、を含んでいてもよい。この場合には、上記第1外側プレートは、複数の第1外側舌片部を有し、上記第2外側プレートは、複数の第2外側舌片部を有していてもよい。また、上記複数の第1外側舌片部は、上記第2方向の上記他方側に第3根元部を有し、かつ上記第3根元部を除く外周部が上記第1外側プレートから切離された状態で上記第1方向の上記一方側に向けて突出していてもよい。上記複数の第2外側舌片部は、上記第2方向の上記他方側に第4根元部を有し、かつ上記第4根元部を除く外周部が上記第2外側プレートから切離された状態で上記第1方向の上記他方側に突出していてもよい。
【0011】
上記本開示に基づくヒートシンクにあっては、上記複数のプレートの各々は、上記ベース部が位置する側に位置する第1端部と、上記ベース部側位置する側とは反対側に位置する第2端部と、上記第1方向の上記一方側に位置する第1主面と、上記第1方向の上記他方側に位置する第2主面を有する。この場合には、上記第1舌片部と上記第1主面とが成す角度のうち小さい方の角度を第1開き角とした場合に、上記複数の第1舌片部のうち上記第2端部側に位置する第1舌片部の上記第1開き角は、上記複数の第1舌片部のうち上記第1端部側に位置する第1舌片部の上記第1開き角よりも大きくてもよい。また、上記第2舌片部と上記第2主面とが成す角度のうち小さい方の角度を第2開き角とした場合に、上記複数の第2舌片部のうち上記第2端部側に位置する第2舌片部の上記第2開き角は、上記複数の第2舌片部のうち上記第1端部側に位置する第2舌片部の上記第2開き角よりも大きくてもよい。
【0012】
上記本開示に基づくヒートシンクにあっては、上記複数のプレートの各々は、上記ベース部が位置する側に位置する第1端部と、上記ベース部側位置する側とは反対側に位置する第2端部とを有する。この場合には、上記第1端部から上記第2端部に向かう方向と平行な方向を幅方向とした場合に、上記複数の第1舌片部のうち上記第2端部側に位置する第1舌片部の幅は、上記複数の第1舌片部のうち上記第1端部側に位置する第1舌片部の幅よりも大きくてもよい。また、上記複数の第2舌片部のうち上記第2端部側に位置する第2舌片部の幅は、上記複数の第2舌片部のうち上記第1端部側に位置する第2舌片部の幅よりも大きくてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、冷却性能を向上させることができるヒートシンクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態1に係るヒートシンクを第1方向から見た図である。
【
図2】実施の形態1に係るヒートシンクを第1方向と直交する第2方向から見た図である。
【
図3】実施の形態1に係るヒートシンクにおいて、互いに隣り合う放熱プレートを
図2に示す矢印III線方向から見た図である。
【
図4】実施の形態1に係るヒートシンクにおいて、風が流れる様子を示す図である。
【
図5】実施の形態2に係るヒートシンクを第2方向から見た図である。
【
図6】実施の形態2に係るヒートシンクにおいて、風が流れる様子を示す図である。
【
図7】実施の形態3に係るヒートシンクを第2方向から見た図である。
【
図8】実施の形態3に係るヒートシンクを第1方向から見た図である。
【
図9】実施の形態3に係るヒートシンクにおいて、ベース部側に位置する部分の放熱プレートの形状を示す図である。
【
図10】実施の形態3に係るヒートシンクにおいて、ベース部が位置する側とは反対側に位置する部分の放熱プレートの形状を示す図である。
【
図11】実施の形態4に係るヒートシンクを第2方向から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0016】
なお、各図において、X軸方向は、第1方向であり、Y軸方向は、第1方向に直交する第2方向であり、Z軸方向は、X軸方向(第1方向)およびY軸方向(第2方向)に直交する第3方向である。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るヒートシンクを第1方向から見た図である。
図2は、実施の形態1に係るヒートシンクを第1方向と直交する第2方向から見た図である。
図3は、実施の形態1に係るヒートシンクにおいて、互いに隣り合う放熱プレートを
図2に示す矢印III線方向から見た図である。
図1から
図3を参照して、実施の形態1に係るヒートシンク100について説明する。
【0018】
図1および
図2に示すように、実施の形態1に係るヒートシンク100は、ベース部10と、複数の放熱プレート20とを備える。
【0019】
ベース部10は、たとえば、電子部品5が搭載される基板であり、板状形状を有する。ベース部10は、良好な熱伝導性を有する。ベース部10は、第3方向(Z軸方向)の一方側に位置する第1面10aと、Z軸方向の他方側に位置する第2面10bとを有する。
【0020】
電子部品5は、第2面10bに搭載されている。電子部品5は、たとえば、サイリスタやパワートランジスタ等の発熱量が大きいものである。
【0021】
ヒートシンク100に対して、第2方向(Y軸方向)の一方側には、送風装置90が配置されている。送風装置90は、複数の放熱プレート20に向けて冷却風を送風する。送風装置90は、
図1中矢印AR1に示すように、第2方向の一方側から他方側に向けて冷却風を送風する。送風装置90としては、たとえば、ファン等を採用することができる。
【0022】
電子部品5からベース部10を介して放熱プレート20に伝導された熱は、冷却風によって放熱される。
【0023】
複数の放熱プレート20は、第1方向に沿って第1面10aに並んで配置されている。複数の放熱プレート20は、複数の第1舌片部23および複数の第2舌片部24を有する複数のプレート21を含む。
【0024】
複数のプレート21の各々は、第1主面21aおよび第2主面21bと、第1端部21cおよび第2端部21dを有する。
【0025】
第1主面21aは、第1方向の一方側に位置する。第2主面21bは、第1方向の他方側に位置する。第1端部21cは、ベース部10が位置する側に位置する。第1端部21cは、ベース部10に接続されている。第2端部21dは、ベース部10が位置する側とは反対側に位置する。第2端部21dは、自由端となっている。
【0026】
複数の第1舌片部23は、第2方向の一方側に第1根元部23dを有する。複数の第1舌片部23は、第1根元部23dを除く外周部がプレート21から切離された状態で第1方向の一方側に向けて突出している。これにより、第1方向から見た場合に、プレート21のうち第1舌片部23が切離された領域に開口部23hが形成されている。
【0027】
第1舌片部23は、第1主面21aに対して所定の角度で傾斜している。第1舌片部23は、第2方向の他方側(送風方向の下流側)に向かうにつれてプレート21(より特定的には第1主面21a)から離れるように傾斜している。
【0028】
複数の第2舌片部24は、第2方向の一方側に第2根元部24dを有する。複数の第2舌片部24は、第2根元部24dを除く外周部がプレート21から切離された状態で第1方向の他方側に向けて突出している。これにより、第1方向から見た場合に、プレート21のうち第2舌片部24が切離された領域に開口部24hが形成されている。
【0029】
第2舌片部24は、第2主面21bに対して所定の角度で傾斜している。第2舌片部は、第2方向の他方側(送風方向の下流側)に向かうにつれてプレート21(より特定的には第2主面21b)から離れるように傾斜している。
【0030】
第1方向から見た場合に、複数の第1舌片部23および複数の第2舌片部24は、千鳥状に配置されている。
【0031】
図4は、実施の形態1に係るヒートシンクにおいて、風が流れる様子を示す図である。なお、
図4においては、便宜上、複数の放熱プレートのうち互いに隣り合う2つの放熱プレートを図示している。
【0032】
図4に示すように、送風装置90によって第2方向の一方側から第2方向の他方側に向けて冷却風が送風される場合には、互い隣り合う2つの放熱プレート20に設けられた複数の第1舌片部23および複数の第2舌片部24によって、冷却風が分散される。
【0033】
具体的には、たとえば、一方の放熱プレート20と他方の放熱プレート20の間を通る冷却風は、第1方向の一方側(
図4中右側)に設けられた放熱プレート20の第2舌片部24および第1方向の他方側(
図4中左側)に設けられた放熱プレート20の第1舌片部23によって、矢印AR2に示すように、蛇行しながら第2方向の他方側に向けて進む。
【0034】
また、第1舌片部23および第2舌片部24は、第1根元部23dおよび第2根元部24dを除く外周部がプレート21から切り離されていることから、一方の放熱プレート20と他方の放熱プレート20の間を通る冷却風は、開口部23h,24hを通って第1方向の隣りに位置する2つの放熱プレート20の間の隙間に移動することもできる。
【0035】
たとえば、一方の放熱プレート20と他方の放熱プレート20の間を通る冷却風は、矢印AR3に示すように、第1方向の一方側に設けられた開口部23hを通って、第1方向の一方側に移動することができる。
【0036】
また、一方の放熱プレート20と他方の放熱プレート20の間を通る冷却風は、矢印AR4に示すように、第1方向の他方側に設けられた開口部24hを通って、第1方向の他方側に移動することができる。
【0037】
このように、上述の複数の第1舌片部23および複数の第2舌片部24によって、冷却風の流れを調整することにより、放熱プレート20の放熱性が高まり、冷却効率を向上させることができる。
【0038】
この際、複数の第1舌片部23および複数の第2舌片部24を千鳥状に配置することにより、より効果的に冷却効率を向上させることができる。
【0039】
(実施の形態2)
図5は、実施の形態2に係るヒートシンクを第2方向から見た図である。
図6は、実施の形態2に係るヒートシンクにおいて、風が流れる様子を示す図である。
図5および
図6を参照して、実施の形態2に係るヒートシンク100Aについて説明する。
【0040】
図5および
図6に示すように、実施の形態2に係るヒートシンク100Aは、実施の形態1に係るヒートシンク100と比較した場合に、複数の放熱プレート20の構成が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
【0041】
複数の放熱プレート20は、第2方向の一方側から第2方向の他方側に向けて冷却風が流れる際に、第1方向の内側に向けて冷却風を集めるように設けられた部分を含む。
【0042】
具体的には、複数の放熱プレート20は、複数のプレート21と、複数の第1外側プレート31および複数の第2外側プレート41とを含む。複数の第1外側プレート31および複数の第2外側プレート41が、第1方向の内側に向けて冷却風を集めるように設けられた部分に相当する。
【0043】
複数のプレート21は、実施の形態1に係るプレート21と同様の構成である。複数の第1外側プレート31は、複数のプレート21に対して、第1方向の一方側に位置する。すなわち、複数の第1外側プレート31は、複数のプレート21が設けられた領域R2に対して、第1方向の一方側に位置する領域R1に設けられている。複数の第1外側プレート31は、第1面10aに配置されている。
【0044】
複数の第1外側プレート31の各々は、第1方向に相対する第1主面31aおよび第2主面31b、ならびに、複数の第1外側舌片部33を含む。第1主面31aは、第1方向の一方側に位置し、第2主面31bは、第1方向の他方側に位置する。
【0045】
複数の第1外側舌片部33は、第2方向の他方側に第3根元部33dを有する。複数の第1外側舌片部33は、第3根元部33dを除く外周部が第1外側プレート31から切離された状態で第1方向の一方側に向けて突出する。これにより、第1方向から見た場合に、第1外側プレート31のうち第1外側舌片部33が切離された領域に開口部が形成されている。
【0046】
第1外側舌片部33は、第1外側プレート31に対して所定の角度で傾斜している。第1外側舌片部33は、第2方向の一方側(送風方向の上流側)に向かうにつれて、第1外側プレート31から離れるように傾斜している。
【0047】
複数の第2外側プレート41は、複数のプレート21に対して、第1方向の他方側に位置する。すなわち、複数の第2外側プレート41は、複数のプレート21が設けられた領域R2に対して、第1方向の他方側に位置する領域R2に設けられている。複数の第2外側プレート41は、第1面10aに配置されている。
【0048】
複数の第2外側プレート41の各々は、第1方向に相対する第1主面41aおよび第2主面41b、ならびに、複数の第2外側舌片部43を含む。第1主面41aは、第1方向の一方側に位置し、第2主面41bは、第1方向の他方側に位置する。
【0049】
複数の第2外側舌片部43は、第2方向の他方側に第4根元部43dを有する。複数の第2外側舌片部43は、第4根元部43dを除く外周部が第2外側プレート41から切離された状態で第1方向の他方側に突出する。これにより、第1方向から見た場合に、第2外側プレート41のうち第2外側舌片部43が切離された領域に開口部が形成されている。
【0050】
第2外側舌片部43は、第2外側プレート41に対して所定の角度で傾斜している。第2外側舌片部43は、第2方向の一方側に向かうにつれて、第2外側プレート41から離れるように傾斜している。
【0051】
図5に示すように、たとえば、第1方向において、電子部品5の外側に配置された放熱プレート20は、電子部品5から離れて位置しており、電子部品5からの熱が伝導されにくいことが懸念される。
【0052】
本実施の形態においては、第1方向において電子部品5の外側に配置された放熱プレート20が、第1外側プレート31および第2外側プレート41を含んでいる。
【0053】
このため、送風装置90から送風された場合には、
図6に示すように、第1外側プレート31および第2外側プレート41に設けられた第1外側舌片部33および第2外側舌片部43によって、第1方向の内側に向かうように冷却風が集められる。
【0054】
具体的には、第1外側舌片部33に突き当たる冷却風は、第1外側舌片部33が切離された領域に形成された開口部を通過して、第1方向の内側(第1方向の中央部側)に向かうように整流される。
【0055】
第2外側舌片部43に突き当たる冷却風は、第2外側舌片部43が切離された領域に形成された開口部を通過して、第1方向の内側に向かうように整流される。
【0056】
これにより、実施の形態2においては、電子部品5から熱が伝達されやすい、第1方向の中央部に配置された複数の放熱プレート20に冷却風を集めることができ、冷却効率をさらに向上させることができる。
【0057】
なお、実施の形態2においては、第1外側プレート31および第2外側プレート41が複数設けられる場合を例示して説明したが、これに限定されず、第1外側プレート31および第2外側プレート41は、単数であってもよい。
【0058】
(実施の形態3)
図7は、実施の形態3に係るヒートシンクを第2方向から見た図である。
図8は、実施の形態3に係るヒートシンクを第1方向から見た図である。
図7および
図8を参照して、実施の形態3に係るヒートシンク100Bについて説明する。
【0059】
図7および
図8に示すように、実施の形態3に係るヒートシンク100Bは、実施の形態1に係るヒートシンク100と比較して、複数の放熱プレート20の構成が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
【0060】
具体的には、複数の放熱プレート20の各々において、第1端部21c側に位置する領域R3と、第2端部21d側に位置する領域R4とで、後述する第1舌片部23の第1開き角および第2舌片部24の開き角が相違する。
【0061】
これに伴い、
図8に示すように、第1方向から見た場合において、領域R4に設けられた第1舌片部23の先端から第2方向の他方側に位置する開口部23hの端部までの距離L3は、領域R3に設けられた第1舌片部23の先端から第2方向の他方側に位置する開口部23hの端部までの距離L1よりも大きい。
【0062】
第1方向から見た場合において、領域R4に設けられた第2舌片部24の先端から第2方向の他方側に位置する開口部24hの端部までの距離L4は、領域R3に設けられた第2舌片部24の先端から第2方向の他方側に位置する開口部24hの端部までの距離L2よりも大きい。
【0063】
図9は、実施の形態3に係るヒートシンクにおいて、ベース部側に位置する部分の放熱プレートの形状を示す図である。
【0064】
図9に示すように、第1舌片部23と第1主面21aとが成す角度のうち小さい方の角度を第1開き角とした場合に、領域R3側(第1端部21c側)においては、当該第1開き角は、θ1となっている。第2舌片部24と第2主面21bとが成す角度のうち小さい方の角度を第2開き角とした場合に、領域R3側においては、当該第2開き角は、θ2となっている。
【0065】
図10は、実施の形態3に係るヒートシンクにおいて、ベース部が位置する側とは反対側に位置する部分の放熱プレートの形状を示す図である。
【0066】
図10に示すように、領域R4側(第2端部21d側)においては、上記第1開き角は、θ1よりも大きいθ3となっている。また、領域R4側においては、上記第2開き角は、θ2よりも大きいθ4となっている。なお、第1開き角θ1と第2開き角θ2は、ほぼ同等の値であり、第1開き角θ3と第2開き角θ4とは、ほぼ同等の値である。
【0067】
このように、実施の形態3においては、複数の第1舌片部23のう記第2端部21d側に位置する第1舌片部23の第1開き角は、複数の第1舌片部23のうち第1端部21c側に位置する第1舌片部の第1開き角よりも大きい。複数の第2舌片部24のうち第2端部21d側に位置する第2舌片部24の第2開き角は、複数の第2舌片部24のうち第1端部21c側に位置する第2舌片部24の第2開き角よりも大きい。
【0068】
領域R4は、領域R3よりも電子部品5から離れた位置にあり、電子部品5からの熱が伝導されにくい。この場合において、上述のように、領域R3側と領域R4側とで上述のように開き角を調整することにより、領域R4側で冷却風の風速を早めることができる。これにより、領域R4側でも効果的に放熱を行なうことができ、冷却効率をさらに高めることができる。
【0069】
(実施の形態4)
図11は、実施の形態4に係るヒートシンクを第2方向から見た図である。
図11を参照して、実施の形態4に係るヒートシンク100Cについて説明する。
【0070】
図11に示すように、実施の形態4に係るヒートシンク100Cは、実施の形態1に係るヒートシンク100と比較した場合に、複数の放熱プレート20の構成が相違する。その他の構成についてはほぼ同様である。
【0071】
図11に示すように、実施の形態4においては、第1端部21cから第2端部21dに向かう方向と平行な方向を幅方向とした場合に、領域R4に設けられた第1舌片部23の幅D3は、領域R3に設けられた第1舌片部23の幅D1よりも大きい。領域R4に設けられた第2舌片部24の幅D4は、領域R3に設けられた第2舌片部24の幅D2よりも大きい。
【0072】
領域R4は、領域R3よりも電子部品5から離れた位置にあり、電子部品5からの熱が伝導されにくい。この場合において、上述のように、領域R3側と領域R4側とで上述のように第1舌片部23の幅および第2舌片部24の幅を調整することにより、領域R4側で冷却風の風速を早めることができる。これにより、領域R4側でも効果的に放熱を行なうことができ、冷却効率をさらに高めることができる。
【0073】
(その他の変形例)
上記のように、複数の実施の形態が存在する場合は、特に記載がある場合を除き、各々の実施の形態の特徴部分を適宜組み合わせることは、当初から予定されている。
【0074】
たとえば、実施の形態2の構成に、実施の形態3および/または実施の形態4の構成を組みあわせてもよい。具体的には、第1外側舌片部33と第1主面31a(
図5参照)とが成す角度のうち小さい方の角度を第1開き角とした場合に、複数の第1外側舌片部33のうちベース部の第1面10aから遠い側(第2端部21d側)に位置する第1外側舌片部33の第1開き角は、複数の第1外側舌片部33のうち第1面10aに近い側(第1端部21c側)に位置する第1外側舌片部33の第1開き角よりも大きくてもよい。
【0075】
第2外側舌片部43と第2主面41b(
図5参照)とが成す角度のうち小さい方の角度を第2開き角とした場合に、複数の第2外側舌片部43のうちベース部10の第1面10aから遠い側(第2端部21d側)に位置する第2外側舌片部43の第2開き角は、複数の第2外側舌片部43のうち第1面10aに近い側(第1端部21c側)に位置する第2外側舌片部43の第2開き角よりも大きくてもよい。
【0076】
第1面10aから放熱プレート20が延びる方向(第1端部21cから第2端部21dに向かう方向)と平行な方向を幅方向とした場合に、複数の第1外側舌片部33のうちベース部10の第1面10aから遠い側に位置する第1外側舌片部33の幅は、複数の第1外側舌片部33のうち第1面10aに近い側に位置する第1外側舌片部33の幅よりも大きくてもよい。
【0077】
複数の第2外側舌片部43のうちベース部10の第1面10aから遠い側に位置する第2外側舌片部43の幅は、複数の第2外側舌片部43のうち第1面10aに近い側に位置する第2外側舌片部43の幅よりも大きくてもよい。
【0078】
以上、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0079】
5 電子部品、10 ベース部、10a 第1面、10b 第2面、20 放熱プレート、21 プレート、21a 第1主面、21b 第2主面、21c 第1端部、21d 第2端部、23 第1舌片部、23d 第1根元部、23h 開口部、24 第2舌片部、24h 開口部、24d 第2根元部、31 第1外側プレート、31a 第1主面、33 第1外側舌片部、33d 第3根元部、41 第2外側プレート、41b 第2主面、43 第2外側舌片部、43d 第4根元部、90 送風装置、100,100A,100B,100C ヒートシンク、D1,D2,D3,D4 幅、L1,L2,L3,L4 距離、R1,R2,R3,R4 領域。